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平成10(ワ)29275

裁判所

平成13年4月13日 東京地方裁判所

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17,487 文字

平成10年(ワ)第29275号商標権侵害差止等請求事件口頭弁論終結の日平成13年2月9日判決原告ベアー・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド訴訟代理人弁護士吉武賢次同神谷巌補佐人弁理士菊地栄被告グンゼ産業株式会社訴訟代理人弁護士米川耕一同永島賢也同福田浩久 主文 1 被告は,原告に対し,金198万6520円及びこれに対する平成11年1月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 原告のその余の請求を棄却する。3 訴訟費用は,これを10分し,その1を被告の,その余を原告の各負担とする。4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。事実及び理由 第1 請求被告は原告に対し,金1億5868万9200円及び内金9262万4000円に対する平成10年9月27日から,内金6606万5200円に対する平成11年1月13日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要及び本件の争点 1 争いのない事実等(1) 当事者ア原告は,アメリカ合衆国ニュージャージー州法人であり,ダウンジャケット 済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要及び本件の争点 1 争いのない事実等(1) 当事者ア原告は,アメリカ合衆国ニュージャージー州法人であり,ダウンジャケット等の販売等を業とする会社である(弁論の全趣旨)。イ被告は,繊維原料及びそれらの製品の輸出入及び売買等を主たる事業目的とする株式会社である。(2) 原告と被告との本件売買契約の締結原告と被告は,平成10年4月,下記のとおり,売買契約を締結した(以下「本件売買契約」という。)。ア S#9100 97モデルバブルダウンジャケット(以下「本件ダウンジャケット」という。)数量 8270着単価 57.50米ドル支払方法信用状イ S#0ー0003Mバブルダウンジャケット数量 1400着単価 57.50米ドル支払方法信用状(3) 被告とジョアンとの間における売買契約の締結被告は,ジョアンとの間で,本件ダウンジャケットの売買契約を締結し,合計8270着の本件ダウンジャケットの引渡しを受けた。 9100 97モデルバブルダウンジャケット(以下「本件ダウンジャケット」という。)数量 8270着単価 57.50米ドル支払方法信用状イ S#0ー0003Mバブルダウンジャケット数量 1400着単価 57.50米ドル支払方法信用状(3) 被告とジョアンとの間における売買契約の締結被告は,ジョアンとの間で,本件ダウンジャケットの売買契約を締結し,合計8270着の本件ダウンジャケットの引渡しを受けた。(4) 原告の商標権及び被告使用標章ア原告は,平成8年3月29日,株式会社フルーツから別紙商標権目録記載の商標権(以下「本件商標権」といい,この登録商標を「本件商標」という。)を譲り受け,平成8年7月8日,本件商標権の移転登録を了した。イ本件ダウンジャケットには別紙被告標章目録記載の標章(1)ないし(3)(以下「被告各標章」といい,各標章をそれぞれ「被告標章(1)」等という。)が付されている。ウ被告は,被告各標章が付された本件ダウンジャケットを販売し 目録記載の標章(1)ないし(3)(以下「被告各標章」といい,各標章をそれぞれ「被告標章(1)」等という。)が付されている。ウ被告は,被告各標章が付された本件ダウンジャケットを販売した。2 事案の概要本件は,原告が被告に対し,(1)被告が,原告との本件売買契約が存在するにもかかわらず,原告を介さず,直接ジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けたことにより,原告の有する本件ダウンジャケットの所有権及び原告のジョアンに対する本件ダウンジャケットの引渡請求権を侵害した,(2)被告が本件ダウンジャケットを販売したことにより,原告が有する本件商標権を侵害したと主張して,民法709条に基づいて損害賠償を求める事案である。3 本件の争点(1) 本件ダウンジャケットの所有権が原告に帰属しているか否か,及び被告による上記所有権侵害行為の存否(2) 被告による債権侵害行為の存否(3) 本件商標と被告各標章との類否(4) 原告が被った損害額第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1について【原告の主張】(1) 本件ダウンジャケットに係る原告の所有権ア原告は,平成10年6月ころ,ジョアンとの間で,原告の仕様,ノウハウに基づき製造され,原告の商標を付されて,原告に納品される商品を製造するための製造委託の合意をした。そのころ,原告は,上記合意に基づき,ジョアンに対し,製造仕様書等の製造ノウハウを供与すると共に,原反,ファスナー等85パーセント以上の原材料を供給した。 張 1 争点1について【原告の主張】(1) 本件ダウンジャケットに係る原告の所有権ア原告は,平成10年6月ころ,ジョアンとの間で,原告の仕様,ノウハウに基づき製造され,原告の商標を付されて,原告に納品される商品を製造するための製造委託の合意をした。そのころ,原告は,上記合意に基づき,ジョアンに対し,製造仕様書等の製造ノウハウを供与すると共に,原反,ファスナー等85パーセント以上の原材料を供給した。イ平成10年6月29日,上記合意に基づき,原告は,ジョアンに対し,パーチェスオーダー(買付注文書)を発行した。ウ平成10年7月8日,原告とジョアンは,上記合意の内容を書面化した契約書に署名した。年6月29日,上記合意に基づき,原告は,ジョアンに対し,パーチェスオーダー(買付注文書)を発行した。ウ平成10年7月8日,原告とジョアンは,上記合意の内容を書面化した契約書に署名した。エ本件ダウンジャケットは,原告のジョアンに対する上記製造委託に基づいて製造されたものであって,その数量も厳密に管理された特定物であるから,本件ダウンジャケットの所有権は原告に帰属していると解すべきである。(2) 被告の所有権侵害行為ジョアンが製造した本件ダウンジャケットは,ジョアンから原告へ,原告から被告へと取引されることとなっていたところ,被告は,ジョアンと共謀し,平成10年9月27日ころ,本件ダウンジャケット合計8270着をジョアンから直接買い受け,もって,原告の本件ダウンジャケットに対する所有権を侵害した。【被告の主張】(1) 原告は本件ダウンジャケットの所有権を有していない。(2) 原告とジョアンとの間の契約には製品の材料を原告がジョアンに供給するとの条項はなく,ジョアンは本件ダウンジャケットを製造するに当たって,材料を自ら調達した。2 争点2について【原告の主張】(1) 原告の有する債権原告は,上記1(1)のような経緯で,ジョアンに対し,ジョアンが製造し原告の商標を付した本件ダウンジャケットの引渡請求権(以下「本件債権」という。)を取得した。(2) 被告による債権侵害行為アジョアンが製造した本件ダウンジャケットは,ジョアンから原告へ,原告から被告へと取引されることとなっていたところ,被告は,ジョアンと共謀し,本件ダウンジャケットをジョアンから直接買い受け,その引渡しを受けた。イ本件ダウンジャケットは,特定物であり,その品質及び数量が原告により厳 原告の商標を付した本件ダウンジャケットの引渡請求権(以下「本件債権」という。)を取得した。(2) 被告による債権侵害行為アジョアンが製造した本件ダウンジャケットは,ジョアンから原告へ,原告から被告へと取引されることとなっていたところ,被告は,ジョアンと共謀し,本件ダウンジャケットをジョアンから直接買い受け,その引渡しを受けた。イ本件ダウンジャケットは,特定物であり,その品質及び数量が原告により厳 ととなっていたところ,被告は,ジョアンと共謀し,本件ダウンジャケットをジョアンから直接買い受け,その引渡しを受けた。イ本件ダウンジャケットは,特定物であり,その品質及び数量が原告により厳重に管理されているブランド製品である。原告は,ジョアンに対し,原告の定めた製品仕様及び規格を遵守することを求め,原告の本件商標は原告向けの製品にのみ付されること,原告向けの製品を原告以外の第三者に販売してはならないことを義務づけていた。被告は,常日頃ブランド製品を取り扱う専門業者として,ブランド製品が一般に,上記のように厳重に取り扱われることを熟知しているにもかかわらず,あえて,商慣習に反して,本件ダウンジャケットをジョアンから買い受けたものである。したがって,被告の上記行為は,ジョアンと共謀して専ら被告の利益のみを追求した違法性が極めて強い行為であって,原告が有する本件債権を侵害する不法行為である。ウなお,本件売買契約に係る商品の最終出荷日は,平成10年10月15日であり,原告には同年9月30日までに本件商品を出荷する義務はなかった。【被告の主張】(1) 原告の有する本件債権について本件ダウンジャケットは,原告の定めた製品仕様及び規格を遵守することを求められたダウンジャケットという種類の被服を一定数量引き渡すというものであるから不特定物であり,原告がジョアンに対して有する債権は,不特定物債権である。(2) 被告による債権侵害行為についてア被告は,平成10年9月中旬ころ,原告から履行期に引渡しを受けることが危ぶまれる状態となったために,再三にわたり,同年9月30日までに本件ダウンジャケットを納入するように催促していた。原告は,本件ダウンジャケットの納期である平成10年9月30日に上記商品の ることが危ぶまれる状態となったために,再三にわたり,同年9月30日までに本件ダウンジャケットを納入するように催促していた。 債権侵害行為についてア被告は,平成10年9月中旬ころ,原告から履行期に引渡しを受けることが危ぶまれる状態となったために,再三にわたり,同年9月30日までに本件ダウンジャケットを納入するように催促していた。原告は,本件ダウンジャケットの納期である平成10年9月30日に上記商品の ることが危ぶまれる状態となったために,再三にわたり,同年9月30日までに本件ダウンジャケットを納入するように催促していた。原告は,本件ダウンジャケットの納期である平成10年9月30日に上記商品の引渡しができない旨の通知をしてきた。イ被告は,原告の上記債務不履行により,被告からの納入を前提としたチラシを作成配布している取引先などから再三にわたり早期納品要請を受け,取引業界における信用を著しく毀損され,さらなる信用毀損のおそれが予想された。このため,被告は直接ジョアンから,4回に分けて本件ダウンジャケットを合計8270着買い付けた。ウ以上のとおり,被告がジョアンから直接本件ダウンジャケットを買い付けた行為は,経済的な自由競争原理から適法行為とみなされるものであり,又,自力救済行為として違法性がないというべきである。3 争点3について【原告の主張】(1) 本件商標は,欧文字で「BeaR」と横書きされたものであるが,「BeaR」という語は4文字と短く,また,今日の英語教育の実情に鑑み,「bear」という「熊」を意味する英単語が相当広範囲の人々に認識されていることからすると,「BeaR」という語に接した者は,容易に最後の「R」を「r」と置き換えて「Bear」という単語として認識するものである。したがって,本件商標は,「ベアー」又は「ベア」と称呼され,「熊」という観念が生じることは明らかである。(2)ア被告標章(1)及び同(3)のうち,「USA」の部分は,いずれもアメリカ合衆国を示す語であるから商品識別機能を有しない。したがって,被告標章(1)及び同(3)の要部は,「Bear」の部分であるところ,上記部分からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼が生じ,「熊」の観念が生じる。イ被告標章(2)は,被告標 ない。したがって,被告標章(1)及び同(3)の要部は,「Bear」の部分であるところ,上記部分からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼が生じ,「熊」の観念が生じる。イ被告標章(2)は,被告標章(1)と白黒が逆転したネガとポジの関係にあるほかは,被告標章(1)と全く同一であるから,被告標章(1)同様,「ベアー」又は「ベア」の称呼が生じ,「熊」の観念が生じる。 」の観念が生じる。イ被告標章(2)は,被告標 ない。したがって,被告標章(1)及び同(3)の要部は,「Bear」の部分であるところ,上記部分からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼が生じ,「熊」の観念が生じる。イ被告標章(2)は,被告標章(1)と白黒が逆転したネガとポジの関係にあるほかは,被告標章(1)と全く同一であるから,被告標章(1)同様,「ベアー」又は「ベア」の称呼が生じ,「熊」の観念が生じる。(3) 以上によると,本件商標と被告各標章とは,いずれも称呼及び観念において同一であるから両者はいずれも類似する。【被告の主張】(1) 本件商標の最後の「R」は大文字であるから,被告各標章とは,その外観が異なる。(2) 被告各標章は,「ベア」と称呼するのに対して,本件商標は,「ビーアール」と称呼するから,両者は,称呼の点でも異なる。(3) 一般に英語表記は,一単語すべてを大文字又は小文字とするか,最初の文字のみを大文字で,あとの文字は小文字という方法で表記されるものであるところ,本件商標は,このような一般の表記ではないから,本件商標から「熊」の観念は生じない。4 争点4について【原告の主張】(1) 所有権侵害による原告の損害額ア原告は,本件ダウンジャケットの時価相当額の損害を被った。イ本件ダウンジャケットは,1着1万1200円で販売できる商品である。ウそうすると,原告が被った損害は,9262万4000円となる。(8270着×1万1200円)(2) 債権侵害による原告の損害額ア原告は,ジョアンから引渡しを受ける予定の本件ダウンジャケットを被告に対し,57.50米ドルで転売することになっていたから,原告が被告への上記転売により得べかりし利益は,1着当たり57.50米ドルからジョアンからの仕入 渡しを受ける予定の本件ダウンジャケットを被告に対し,57.50米ドルで転売することになっていたから,原告が被告への上記転売により得べかりし利益は,1着当たり57.50米ドルからジョアンからの仕入価格である30.00米ドルを控除した27.50米ドルである。イそうすると,8270着分の原告が得べかりし利益は,22万7425米ドルとなる。そして,平成10年9月27日当時の円相場は,1米ドル120円であるから,原告が被告による債権侵害により被った損害は,2729万1000円である。(3) 商標権侵害による原告の損害額ア被告は,本件ダウンジャケットを1着1万1200円で販売した。 ジョアンからの仕入価格である30.00米ドルを控除した27.50米ドルである。イそうすると,8270着分の原告が得べかりし利益は,22万7425米ドルとなる。そして,平成10年9月27日当時の円相場は,1米ドル120円であるから,原告が被告による債権侵害により被った損害は,2729万1000円である。(3) 商標権侵害による原告の損害額ア被告は,本件ダウンジャケットを1着1万1200円で販売した。被告が仕入れた価格は,40米ドル(平成10年9月27日当時の円相場1米ドル120円で換算した邦貨4800円)である。したがって,被告は,本件ダウンジャケット1着当たり6400円(1万1200円-6400円)の利益を得たというべきところ,8270着分全体では5292万0800円の利益を得たことになり,原告は,上記利益総額の損害を被った。イ仮に上記主張が認められないとしても,原告は,少なくとも使用料相当の損害を被っているところ,本件商標権の使用料は,販売額の2パーセントが相当である。したがって,被告が販売した販売価格合計9262万4000円(1万1200円×8270着)の2パーセントに相当する185万2400円が使用料相当の損害金となる。(4) ビーオービーウィン株式会社(以下「ビーオービーウィン」という。)及びエフワイピー株式会社(以下「エフワイピー」という。)に対する遅延損害金ア原告は,被告との売買契約と前後して,ビーオービーウィンから1万2000着,エフワイピーから854着の発注を受け,本件ダウンジャケットと同じスタイル ワイピー」という。)に対する遅延損害金ア原告は,被告との売買契約と前後して,ビーオービーウィンから1万2000着,エフワイピーから854着の発注を受け,本件ダウンジャケットと同じスタイルの商品をジョアンに製造させてこれらを上記各社へ売り渡す契約を締結していたところ,被告がジョアンと共謀して,本件ダウンジャケットを買い受けたことに起因して,これらの会社向けの商品も原告へ引き渡されず,遅れて上記各社へ引き渡される結果となった。このため,原告は,納品が遅れたことによる損害賠償として,ビーオービーウィンに対して,5万5000米ドル(平成10年9月27日当時の円相場1米ドル120円で換算した邦貨660万円),エフワイピーに対して,1万2810米ドル(同様に換算した邦貨153万7200円)をそれぞれ支払った。 ケットを買い受けたことに起因して,これらの会社向けの商品も原告へ引き渡されず,遅れて上記各社へ引き渡される結果となった。このため,原告は,納品が遅れたことによる損害賠償として,ビーオービーウィンに対して,5万5000米ドル(平成10年9月27日当時の円相場1米ドル120円で換算した邦貨660万円),エフワイピーに対して,1万2810米ドル(同様に換算した邦貨153万7200円)をそれぞれ支払った。イ上記各支払は,被告の上記不法行為との間に相当因果関係があり,原告は,合計813万7200円の損害を被った。(5) 弁護士費用 500万円【被告の主張】原告の主張はすべて争う。第4 当裁判所の判断 1 事実経過上記争いのない事実並びに証拠(甲1ないし8,9の1,2,甲10ないし25,27,33,34の1,2,乙37ないし40,乙1,2,乙3の1ないし4,乙4,乙5の1,2,乙11,12,15,乙24の1ないし3,乙25,乙31ないし41,乙42の1,2,乙43ないし52,証人A,同B,原告代表者)及び弁論の全趣旨によると,以下の事実が認められる。(1) 平成10年4月初めころ,有限会社イニシオ(以下「イニシオ」という。)の代表者C(以下「C」という。)は,被告の従業員であるB(以下「B」という。)から,原告の商品を購入したい旨の話を聞いた。そ 0年4月初めころ,有限会社イニシオ(以下「イニシオ」という。)の代表者C(以下「C」という。)は,被告の従業員であるB(以下「B」という。)から,原告の商品を購入したい旨の話を聞いた。そこで,Cは,原告の商品に関する日本向けの販売等の取次業務をしているマックスレコーポレイションの代表者A(以下「A」という。)に対し,原告の商品を購入したい旨話した。同年4月17日,被告は,イニシオを通じて,原告に対して,本件ダウンジャケットを含む原告の商品を注文した。(2) 原告は,イニシオが注文主であると認識していたので,平成10年4月21日付けで,イニシオに対し,本件ダウンジャケットを含む商品の販売数量,支払方法,納期等を記載したオーダーアクノレッジメント(注文請書)を送付した。その内容は,支払方法は,信用状による,納期は,同年9月30日までに中国又はアジアより出荷するというものであった。その後,注文主が被告であることが判明し,改めて原告は被告に対し,上記と同様の内容のオーダーアクノレジメント(注文請書)を送付した。 10年4月21日付けで,イニシオに対し,本件ダウンジャケットを含む商品の販売数量,支払方法,納期等を記載したオーダーアクノレッジメント(注文請書)を送付した。その内容は,支払方法は,信用状による,納期は,同年9月30日までに中国又はアジアより出荷するというものであった。その後,注文主が被告であることが判明し,改めて原告は被告に対し,上記と同様の内容のオーダーアクノレジメント(注文請書)を送付した。これに対し,被告は,同年4月30日,原告宛のパーチェスオーダー(買付注文書)を作成して,イニシオに送付した。(3) 平成10年5月1日,本件ダウンジャケットを含む上記商品購入に係る信用状が発行された。それには,出荷期限平成10年9月30日と記載されていた。その後,被告は,原告に対して,本件ダウンジャケットとは別の種類の商品を追加注文した。上記信用状は,同年5月19日,この追加注文分の商品代品を含むものに修正された。その修正内容は,金額を増額するとともに,出荷期限を平成10年10月15日とするものであった。(4) 平成10年5月ころ,被告は,株式会社ジーンズメイト(以下「ジーンズ を含むものに修正された。その修正内容は,金額を増額するとともに,出荷期限を平成10年10月15日とするものであった。(4) 平成10年5月ころ,被告は,株式会社ジーンズメイト(以下「ジーンズメイト」という。)及びゼビオ株式会社(以下「ゼビオ」という。)と本件ダウンジャケットの売買契約を締結したところ,ジーンズメイトとの間では,同年9月20日から10月20日を完納期限とする売買契約を締結していた。(5) 原告は,平成10年6月29日,ジョアンに対し,本件売買契約に係る本件ダウンジャケット8270着についてパーチェスオーダー(買付注文書)を発行した。原告とジョアンは,同年7月8日,本件ダウンジャケットその他の製品について,製造契約書を作成し署名した。それには,ジョアンは,原告の設計,仕様,サンプルに従い,製品を生産すること,ジョアンは,原告が欲する場合,商品の生産に用いられるすべて又は一部の素材及び支給品が原告により指定される業者から購入されることに同意すること等が記載されていたが,所有権の帰属に関する約定はなかった。原告は,ジョアンに対し,本件ダウンジャケットに関する生産指示書及び生産仕様書を交付した。 について,製造契約書を作成し署名した。それには,ジョアンは,原告の設計,仕様,サンプルに従い,製品を生産すること,ジョアンは,原告が欲する場合,商品の生産に用いられるすべて又は一部の素材及び支給品が原告により指定される業者から購入されることに同意すること等が記載されていたが,所有権の帰属に関する約定はなかった。原告は,ジョアンに対し,本件ダウンジャケットに関する生産指示書及び生産仕様書を交付した。(6) Bは,平成10年9月11日,Aに対し,本件ダウンジャケットの見本を至急発送し,また発送日,船積予定を知らせてほしい旨書面を送信した。Cは,同日,Bに対し,本件ダウンジャケットは,一部生産遅れが出てきており,同年10月10日ないし15日の出荷になりそうである旨の書面を送信した。Bは,同年9月17日,Aに対し,本件ダウンジャケット200着を同月25日までに航空便で送るよう申し入れた。この200着は,ジーンズメイトに販売するもので,ジーンズメイトでは,同年10月8日に開店する店 ,同年9月17日,Aに対し,本件ダウンジャケット200着を同月25日までに航空便で送るよう申し入れた。この200着は,ジーンズメイトに販売するもので,ジーンズメイトでは,同年10月8日に開店する店の開店セールにおいて販売することを予定していた。Bは,同年9月20日ころ,原告からの納品が遅れている原因を聞くために,ジョアンの代表者に連絡をしたところ,ジョアンと原告との間で本件ダウンジャケットの代金等に関する紛争が生じていることが明らかとなった。Aは,同月21日,Bに対し,本件ダウンジャケット8270着のうち5000ないし6000着は,同月30日までに出荷し,その余は,同年10月15日までに出荷する旨の書面を送信した。Aは,同年9月29日,Bに対し,本件ダウンジャケット200着を同年10月1日に航空便で出荷予定であり,その後,10月2日に3402着,10月10日に2818着,10月15日に1809着出荷予定である旨を記載した書面を送信した。(7) 一方,被告は,同年9月30日までに原告からの本件ダウンジャケット出荷が困難になったと判断し,同月29日,ジョアンとの間で,ジーンズメイトに納品しなければならない本件ダウンジャケット200着を直接購入する契約を締結し,同年10月2日,航空便で,その引渡しを受けた。 あり,その後,10月2日に3402着,10月10日に2818着,10月15日に1809着出荷予定である旨を記載した書面を送信した。(7) 一方,被告は,同年9月30日までに原告からの本件ダウンジャケット出荷が困難になったと判断し,同月29日,ジョアンとの間で,ジーンズメイトに納品しなければならない本件ダウンジャケット200着を直接購入する契約を締結し,同年10月2日,航空便で,その引渡しを受けた。この200着のダウンジャケットは,中国で製造され,韓国経由で,日本に輸送された。ジョアンは,同年10月1日,Bに対し,ジョアンと原告との間で本件ダウンジャケットの代金に関する紛争が生じているので,ジョアンは,原告に対して,本件ダウンジャケットを納入しない旨記載した書面を送信した。Aは,同月2日,Bに対し,被告がジョアンと直接連絡をとることをつつしんでほしい旨記載した書面を送信した。,原告に対して,本件ダウンジャケットを納入しない旨記載した書面を送信した。Aは,同月2日,Bに対し,被告がジョアンと直接連絡をとることをつつしんでほしい旨記載した書面を送信した。Bは,同月7日,Aに対し,本件ダウンジャケットの出荷予定を知らせるよう依頼する書面を送信したが,Aからは,出荷予定は示されなかった。Aは,同月14日から19日にかけて,Bに対し,ジョアンとの紛争により,本件ダウンジャケットの出荷ができない旨記載した書面を送信した。被告は,ジョアンに対して,上記200着以外の本件ダウンジャケットについても,次のとおり,直接購入することを申し入れ,航空便で引渡しを受け,代金を支払った。これらのダウンジャケットは,中国で製造され,中国から直接,日本に輸送された。発注日数量引渡日代金支払日10月12日 2016着  10月14日 10月16日10月17日 1008着 10月21日 10月29日10月17日 5046着  10月26日 10月29日 2 争点1(所有権侵害)について(1) 前記1(5)認定の事実によると,原告は,ジョアンに対し,本件ダウンジャケットに関する生産指示書及び生産仕様書を交付し,ジョアンは,これに従って製造したことが認められる。しかし,原告がジョアンに対し,本件ダウンジャケットの製造に先立って,原材料を供給した事実を認めるに足りる証拠はない(かえって,証拠(甲30,原告代表者)によると,ジョアンは,原材料を,自ら調達したものと認められる。 )について(1) 前記1(5)認定の事実によると,原告は,ジョアンに対し,本件ダウンジャケットに関する生産指示書及び生産仕様書を交付し,ジョアンは,これに従って製造したことが認められる。しかし,原告がジョアンに対し,本件ダウンジャケットの製造に先立って,原材料を供給した事実を認めるに足りる証拠はない(かえって,証拠(甲30,原告代表者)によると,ジョアンは,原材料を,自ら調達したものと認められる。)。また,前記1認定の事実によると,原告は,ジョアンから本件ダウン 事実を認めるに足りる証拠はない(かえって,証拠(甲30,原告代表者)によると,ジョアンは,原材料を,自ら調達したものと認められる。)。また,前記1認定の事実によると,原告は,ジョアンから本件ダウンジャケットの引渡しを受けておらず,ジョアンに対して,その代金を支払ったことを認めるに足りる証拠もない。さらに,前記1(5)認定のとおり,原告とジョアンとの間で平成10年7月8日に作成された製造契約書には,本件ダウンジャケットの所有権に関する約定がなく,その他,このような約定がされた事実を認めるに足りる証拠はない。そうすると,原告が本件ダウンジャケットの所有権を,原始的又は事後的に取得したとは認められない。なお,証拠(甲30,原告代表者)によると,原告は,ジョアンが本件ダウンジャケットを製造した後,原材料を供給した会社との間で,権利放棄契約及び譲渡契約を締結したことが認められるが,これらの契約は,ジョアンが本件ダウンジャケットを製造した後に締結されたものであるから,原告が本件ダウンジャケットの所有権を原始的に取得したことを基礎づけるものではなく,また,これらの契約は,原告とジョアンとの間で締結されたものでないから,原告が本件ダウンジャケットの所有権を事後的に取得したことを基礎づけるものではない。(2) したがって,原告が本件ダウンジャケットの所有権を有していることを根拠とする請求は,理由がない。3 争点2(債権侵害)について(1) 本件売買契約における本件ダウンジャケットの出荷期限について原告は,本件ダウンジャケットの出荷期限は,平成10年9月30日から10月15日に変更されたと主張する。しかし,前記1(3)認定のとおり同年5月19日にされた信用状の修正は,本件ダウンジャケットとは別の追加 ジャケットの出荷期限は,平成10年9月30日から10月15日に変更されたと主張する。 ,理由がない。3 争点2(債権侵害)について(1) 本件売買契約における本件ダウンジャケットの出荷期限について原告は,本件ダウンジャケットの出荷期限は,平成10年9月30日から10月15日に変更されたと主張する。しかし,前記1(3)認定のとおり同年5月19日にされた信用状の修正は,本件ダウンジャケットとは別の追加 ジャケットの出荷期限は,平成10年9月30日から10月15日に変更されたと主張する。しかし,前記1(3)認定のとおり同年5月19日にされた信用状の修正は,本件ダウンジャケットとは別の追加発注分の商品を含めるためにされたものであること,原被告間においてこの時期に本件ダウンジャケットの出荷期限を変更する積極的な理由はないこと,前記1(6)及び(7)認定のBとAとのやりとりの状況,Aは,当法廷において,同年9月30日が納期であると理解していると明確に証言していること,原告も,本件訴訟における訴状から第11準備書面までの主張において,本件ダウンジャケットの出荷期限が同年9月30日であることを前提とする主張をしていたことを総合すると,信用状の同年5月19日にされた修正後の出荷期限(同年10月15日)は,追加発注分に関するものであって,本件ダウンジャケットの出荷期限は同年9月30日から変更されていないと認めるのが相当である。(2) 本件売買契約は特定物の売買契約かどうかについて本件売買契約は,「S#9100 97モデルバブルダウンジャケット」等というように商品の種類に関する指定があるのみであるから,当該種類の商品を目的とした不特定物の売買契約であると認められる。しかし,前記1(5)認定の事実に証拠(甲37)を総合すると,本件ダウンジャケットは,注文を受けてから,原告がその数量を製造業者に発注し,原告が定める仕様に従って生産させるものであって,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けて引渡しを受けると,原告は,被告に対して,本件売買契約に従って本件ダウンジャケットを引き渡すことが難しくなる関係にあったものと認められる。もっとも,前記1(6)(7)認定の事実によると,原告は,ジョアンと は,被告に対して,本件売買契約に従って本件ダウンジャケットを引き渡すことが難しくなる関係にあったものと認められる。もっとも,前記1(6)(7)認定の事実によると,原告は,ジョアンとの間の紛争により,実際にはジョアンから本件ダウンジャケットの引渡しを受けることができない状況にあったものと認められるから,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けなかったとしても,原告は,被告に対して,本件売買契約に従って本件ダウンジャケットを引き渡すことができたかどうかは明らかでない。 しくなる関係にあったものと認められる。もっとも,前記1(6)(7)認定の事実によると,原告は,ジョアンとの間の紛争により,実際にはジョアンから本件ダウンジャケットの引渡しを受けることができない状況にあったものと認められるから,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けなかったとしても,原告は,被告に対して,本件売買契約に従って本件ダウンジャケットを引き渡すことができたかどうかは明らかでない。(3) 被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けた理由について上記(1)認定のとおり,本件売買契約で定められた出荷期限は,平成10年9月30日であるところ,前記1(6)認定の事実によると,同月29日には,原告は,上記期限内には,本件ダウンジャケットを出荷することができないことが確実になったものと認められ,しかも,前記1(7)認定の事実によると,同年10月1日以降においても,原告からの本件ダウンジャケットの引渡しは見込めなかったものと認められる。前記1(4)認定の事実に証拠(乙52)を総合すると,原告は,ジーンズメイト及びゼビオとの間で,本件ダウンジャケットの売買契約を締結しており,契約が不履行になると,信用毀損や違約金支払等の損害が発生したものと認められる。以上の事実に,前記1(7)認定のとおり,被告は,ジョアンから,まず緊急に必要な200着のみを買い受け,その後,事態の推移を見た上で,残りのダウンジャケットを買い受けていることを総合すると,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けたのは,原告の債務不履行によって被告が債務不履行に陥ることを避けるためであると認められ,それ以外の目的があ ャケットを買い受けていることを総合すると,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けたのは,原告の債務不履行によって被告が債務不履行に陥ることを避けるためであると認められ,それ以外の目的があったとは認められない。(4) 以上のとおり,原告は,ジョアンとの間の紛争により,ジョアンから本件ダウンジャケットの引渡しを受けることができない状況であったこと,原告は本件売買契約について債務不履行に陥っていたこと,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けたのは,原告の債務不履行によって被告が債務不履行に陥ることを避けるためであったこと,以上の各事実が認められるから,このような事情の下では,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けた行為について,原告に対する債権侵害として違法であると評価することはできない。 ることができない状況であったこと,原告は本件売買契約について債務不履行に陥っていたこと,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けたのは,原告の債務不履行によって被告が債務不履行に陥ることを避けるためであったこと,以上の各事実が認められるから,このような事情の下では,被告がジョアンから本件ダウンジャケットを買い受けた行為について,原告に対する債権侵害として違法であると評価することはできない。(5) したがって,原告の被告に対する債権侵害を理由とする損害賠償の請求は理由がない。4 争点3(商標権侵害)について(1) 争いのない事実及び弁論の全趣旨によると以下の事実が認められる。ア本件商標は,「Bear」の綴りのうち,最後の「r」を大文字の「R」にして,アルファベットの活字体で横書きして構成した商標であり,本件商標は「Bear」という熊を意味する英単語を想起させ,「ベアー」又は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。イ一方,被告標章(1)は,「Bear」の綴りをアルファベットの活字体で横書きし,その左横には熊の模様が付され,右横には「USA」の文字を配置して構成された標章であるところ,被告標章(1)からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。また,被告標章(2)は,被告標章(1)の白黒を逆にしたものであるか された標章であるところ,被告標章(1)からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。また,被告標章(2)は,被告標章(1)の白黒を逆にしたものであるから,上記のとおり,被告標章(2)からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。。さらに,被告標章(3)は,「bear」の綴りをアルファベットの活字体に類似する字体で横書きし,上記綴りの右横部に小さく「USA」と記載したもので,被告標章(3)からは,「ベアー」又は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。ウ以上によると,被告各標章は,いずれも,本件商標と称呼及び観念において同一であるから,類似するものと認められる。したがって,原告は被告に対し,被告各標章が付された本件ダウンジャケットを販売したことを理由として,後記の損害賠償を求めることができる。5 争点4(損害)について(1) 原告は,甲36号証を提出して,本件商標を使用していると主張する。 は「ベア」の称呼,「熊」の観念を生じるものと認められる。ウ以上によると,被告各標章は,いずれも,本件商標と称呼及び観念において同一であるから,類似するものと認められる。したがって,原告は被告に対し,被告各標章が付された本件ダウンジャケットを販売したことを理由として,後記の損害賠償を求めることができる。5 争点4(損害)について(1) 原告は,甲36号証を提出して,本件商標を使用していると主張する。しかし,同書証に撮影されている商品(ジャケット)の発売時期,販売数量は明らかでない。また,同書証に撮影されているジャケットの外側やえりの部分等には,本件商標とは異なる標章が付されており,本件商標は,ジャケットの内側部分の半ばに存する細い布に付されているにすぎない。さらに,その他に原告が本件商標を使用していたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,原告の損害額を算定するに当たって,被告の受けた利益額(商標法38条2項)によることはできず,本件商標の使用に対して受けるべき金銭の額を請求することができるにとどまるというべきである。原告が本件商標の使用に対して受けるべき金銭の額としては,被告が販売した商品の販 ことはできず,本件商標の使用に対して受けるべき金銭の額を請求することができるにとどまるというべきである。原告が本件商標の使用に対して受けるべき金銭の額としては,被告が販売した商品の販売価格(卸売金額)の2パーセントに当たる金額が相当である。(2) 証拠(乙15,乙16の1ないし7,乙17の1ないし3,乙18の1ないし38)によると,被告はゼビオに対し,本件ダウンジャケットを単価1万1500円で475着を販売したこと,被告は株式会社ライトオンに対し,本件ダウンジャケットを単価1万円で1098着を販売したこと,被告は北辰商事株式会社に対し,本件ダウンジャケットを単価7500円で1033着を販売したこと,以上の事実が認められる。弁論の全趣旨によると,被告がジョアンから買い受けた,その余の本件ダウンジャケット(5664着)については,その相当数がジーンズメイトに販売されたものと認められるが,その詳細は明らかでない。しかし,弁論の全趣旨によると,被告には現在本件ダウンジャケットの在庫がないと認められるから,被告は,ジョアンから購入したその余の本件ダウンジャケットをすでに販売したものと認められ,その販売金額は,上記のゼビオに対する販売金額に照らすと,一着当たり1万1500円と認められる。 件ダウンジャケット(5664着)については,その相当数がジーンズメイトに販売されたものと認められるが,その詳細は明らかでない。しかし,弁論の全趣旨によると,被告には現在本件ダウンジャケットの在庫がないと認められるから,被告は,ジョアンから購入したその余の本件ダウンジャケットをすでに販売したものと認められ,その販売金額は,上記のゼビオに対する販売金額に照らすと,一着当たり1万1500円と認められる。そうすると,原告が本件商標の使用に対して受けるべき金銭の額は,被告が販売した本件ダウンジャケットの販売金額(卸売金額)の合計額8932万6000円(計算は別紙「販売一覧表」のとおり)の2パーセントである178万6520円となる。(3) 原告は,原告の取引先であるビーオービーウィン及びエフワイピーに対して,延滞料等を支払わざるを得ない状況となったとして,被告に対し延滞料等相当額の賠償を求めている。証拠(甲31,32)及び弁論 は,原告の取引先であるビーオービーウィン及びエフワイピーに対して,延滞料等を支払わざるを得ない状況となったとして,被告に対し延滞料等相当額の賠償を求めている。証拠(甲31,32)及び弁論の全趣旨によると,原告は,ビーオービーウィン及びエフワイピーからの注文を受け,ジョアンに対し,本件ダウンジャケットと同じスタイルの製品を製造させたこと,原告は,ビーオービーウィン及びエフワイピーに対し,上記製品の納品が遅延したことを理由として違約金を支払ったこと,以上の事実が認められる。しかしながら,被告の上記商標権侵害行為と,原告が上記製品の納品が遅延したことを理由として違約金を支払ったこととの間に因果関係が存するというべき事情は認められないから,この点に関する原告の主張は理由がない。(4) また,本件事案の内容等諸般の事情を総合すると,原告の弁護士費用として被告に負担させるべき金額としては,20万円が相当である。6 結論以上の次第で,原告の本訴請求は,主文掲記の限度で理由がある。東京地方裁判所民事第47部裁判長裁判官森義之裁判官内藤裕之裁判官杜下弘記は,転補ため署名押印できない。裁判長裁判官森義之別紙商標権目録別紙被告標章目録別紙販売一覧表

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