主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 第一請求 被告は,原告に対し,金405万9287円及びこれに対する平成14年2月26日から支払済みまで年14.6パーセントの割合(年365日の日割計算)による金員を支払え。 訴訟費用は被告の負担とする。 この判決は仮に執行することができる。 第二事案の概要本件は,訴外A信金が訴外株式会社Bに対して貸し付けた貸金債務を保証した原告が,A信金に代位弁済して主債務者である株式会社Bに対する求償金債権を取得し,かかる株式会社Bの求償金債務を連帯保証した被告に対し,代位弁済した金員とこれに対する代位弁済日の翌日から約定の年14.6パーセン()。 トの割合年365日の日割計算による損害金の支払いを求めた事案である一争いのない事実等 A信金は,株式会社Bに対し,平成12年3月10日,金500万円を次の約定で貸し付けた(甲4,甲5,弁論の全趣旨)。 ①利息年2.1パーセント(但し変動金利)②弁済方法元金は平成12年5月9日に一括返済。 利息は借入日に差入れた約束手形の支払期日までの利息を前払いし,約束手形の書換の都度,書換手形の支払期日までの利息を前払いする。 ③損害金年18.25パーセント④特約元利金の支払を怠ったときは期限の利益を失う。 原告は,平成12年3月7日,前項の貸金債務について,A信金に対し,株式会社Bから委託を受けて保証した(甲1,甲2)。 株式会社Bは,原告に対し,前項の保証委託をするに当たり,原告との間で,原告がA信金に対して株式会社Bの前記1項の債務を代位弁済したときは,その代位弁済金額及びこれに対する代位弁済した時の翌日から完済に至るまで,年14.6パーセントの割合(年365日の日割計算)による遅延 がA信金に対して株式会社Bの前記1項の債務を代位弁済したときは,その代位弁済金額及びこれに対する代位弁済した時の翌日から完済に至るまで,年14.6パーセントの割合(年365日の日割計算)による遅延損害金を支払う旨を約した(甲3)。 A信金は,株式会社Bとの間で,平成12年6月29日,上記手形貸付を証書貸付に変更し,支払方法について下記のとおり変更契約を結んだ(甲。 10)①残元金500万円②利息年2.1パーセント(年365日の日割計算)③弁済方法元金は平成12年6月から平成17年5月まで毎月末日限り金8万3000円ずつ(但し最終回は金10万3000円)60回払い。 利息は平成12年6月30日を第1回とし,以後毎月末日に次回までの利息を前払いする。 原告は,株式会社Bの委託を受け従前どおり前項の変更契約に基づく債務を保証した(甲9)。 株式会社Bは,元金については平成13年6月15日までに合計96万6000円の支払いをしたのみで,利息について同月30日までの分を支払ったのみで,その後の元金,利息の支払をしなかったので同年10月31日期限の利益を喪失した(甲11の1)。 ,,,, 原告は平成14年2月25日A信金に対し前記2項の債務について。()株式会社Bに代位して元利金合計405万9287円を弁済した甲13二 争点 被告は,原告に対し,平成12年3月10日,株式会社Bの原告に対する前記3項の求償債務以下本件求償債務というについて連帯保証以(「」。)(下「本件連帯保証」という)したか。 。 被告は,原告に対し,前記4項の変更契約に基づく求償債務(以下「変更後の求償債務」という)を連帯保証したか。 。 (上記争点1及び2に関する原告の主張)信用保証委託契約書 」という)したか。 。 被告は,原告に対し,前記4項の変更契約に基づく求償債務(以下「変更後の求償債務」という)を連帯保証したか。 。 (上記争点1及び2に関する原告の主張)信用保証委託契約書(甲3)の連帯保証人欄には,被告の署名押印があり,その印影は被告の実印によるものであるから被告が連帯保証したものと推定される。 被告は,株式会社Bの代表者の実兄であり,株式会社Bに対して300万円の出資をしたほか,株式会社BのA信金からの借入について平成11年頃まで保証人に何度もなっていて数千万円単位の債務を保証している。 被告は,これまでA信金と締結した保証契約においても,自ら保証人とし,。 て署名押印したことはなく全て被告の妻Cに署名押印を代行させていた被告は,株式会社Bが平成13年末に倒産するまでその信用状態に不安を抱いた様子はない。 本件連帯保証が平成12年3月10日になされていることや保証した債務の額等を考慮すると,被告は,従前の保証と同じく本件連帯保証についても了解のうえ妻に署名押印を代行させたものである。 Cは,平成8年に初めて保証してから今回に至るまで署名押印したことを被告に言っていないと主張するが,夫婦として不自然である。被告は,株式会社B倒産後に本件連帯保証を知ったというが,その後もA信金や原告に対して異議を述べておらず,代位弁済通知がきても異議を述べていないのも不自然である。 (上記争点1及び2に関する被告の反論)信用保証委託契約書(甲3,約束手形(甲5)及び貸付形式変更に関)(),する証甲10の各連帯保証人欄には被告の署名押印がなされているがこれは,いずれも妻のCが,主債務者である株式会社B代表者の妻Dから被告の了解を得ているので署名押印してほしいと依頼され,被告が了解しているものと誤信して署名押印したもので 署名押印がなされているがこれは,いずれも妻のCが,主債務者である株式会社B代表者の妻Dから被告の了解を得ているので署名押印してほしいと依頼され,被告が了解しているものと誤信して署名押印したものであるが,被告は,株式会社BやA信金から本件連帯保証について話を聞いたことはなく連帯保証人となることを承諾したことはない。 ,,被告が承諾していないのに連帯保証人とされていることを知ったのは平成13年12月にA信金から催告書が送付された後のことである。回答書(甲17,甲19)も,Cが被告が保証を了解していると誤解して回答したものである。 第三当裁判所の判断一甲第3号証,第5号証,第7号証,第10号証によれば,原告と株式会社Bとの間の平成12年3月10日作成の信用保証委託契約書の連帯保証人欄,株式会社Bが振出人,A信金が受取人となった平成12年3月10日振出の金額500万円の約束手形の連帯保証人欄,A信金と株式会社Bとの間の平成12年6月29日作成の貸付形式変更に関する証の連帯保証人欄には,いずれも被告の署名押印があり,押捺されている印影は被告の実印によるものである。 従って,反証がない限り,上記各印影は被告の意思に基づいて捺印されたものと推定される(最判昭和39年5月12日民集18巻4号597頁)から,以下では,かかる反証の有無について検討する。 二甲第12号証の1及び2,第15号証,第17号証,第19号証,証人Cの証言,被告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば次の事実を認めることができる。 被告は,トラック運転手として稼働し,午前3時ないし4時に出勤し,午後9時ないし11時に帰宅していたが,泊まりがけになることもあった。 Cは,主債務者である株式会社B代表者の妻Dから被告の了解を得ているので署名押印してほしいと依頼され,平成 いし4時に出勤し,午後9時ないし11時に帰宅していたが,泊まりがけになることもあった。 Cは,主債務者である株式会社B代表者の妻Dから被告の了解を得ているので署名押印してほしいと依頼され,平成8年以降同様のことが何度もあったので被告に確かめることなく被告が了解しているものと誤信して,平成12年3月10日付け信用保証委託契約書の連帯保証人欄,株式会社Bが振出人,A信金が受取人となった平成12年3月10日振出の金額500万円の約束手形の連帯保証人欄及びA信金と株式会社Bとの間の平成12年6月29日作成の貸付形式変更に関する証の連帯保証人欄に被告に代わり署名押印した。 被告は,昭和の時代から数回にわたり株式会社Bの保証人となっており,保証した金額も合計すると数千万円単位となっていたが,これまで保証人となったときは,いずれも事前にA信金から連絡がありCに指示して被告の署名押印を代行させていた。 被告は,印鑑証明書もCに依頼して交付を受けさせていた。被告は,Cに対し,株式会社Bに関する保証であれば常に保証人の署名押印を代行してよいと指示していたことはない。 A信金は,被告に対し,平成14年2月22日,株式会社Bの債務不履行により平成13年10月31日期限の利益を喪失し,平成12年6月30日付け証書貸付金157万1000円(以下「別口債務」という)及び同月。 29日付け証書貸付金400万4000円を直ちに全額支払うよう求める催告書を送付し,同催告書は平成14年2月23日被告に配達された。 原告は,被告に対し,平成14年2月25日,代位弁済したことを理由として変更後の求償債務の元金400万4000円と利息5万5287円の合計405万9287円と損害金を支払うよう求める代位弁済通知書を送付した。 被告は,かかる文書を受領したので株式会社B とを理由として変更後の求償債務の元金400万4000円と利息5万5287円の合計405万9287円と損害金を支払うよう求める代位弁済通知書を送付した。 被告は,かかる文書を受領したので株式会社Bに相談したが,Dから子供名義の不動産を処分して株式会社Bの側で支払うから放置して良いと言われ,特にA信金や原告に対し連帯保証人となっていないことを主張しなかった。 Cは,A信金に対し,被告に代わって署名を代行し実印を押印して平成12年3月17日付けの本件連帯保証をした旨の回答書を送付した。Cは,被告に代わって署名を代行し実印を押印して変更後の求償債務及び同月30日付けの200万円の消費貸借債務(別口債務)をいずれも連帯保証した旨の回答書を送付し,同回答書は同年7月14日にA信金に到達した。 Cは,被告に対し,このことを株式会社Bが倒産する直前まで話していない。 被告は,A信金に対する株式会社Bの別口債務に関しては本件連帯保証と同時期に連帯保証人となったことを認めており争っていない。 A信金からは,連帯保証人となったことについての確認の電話がかかりCが肯定する回答をした。しかしながら,A信金の職員が,その際に,どの債務について被告が連帯保証人となったのか,すなわち本件連帯保証債務あるいは変更後の求償債務について連帯保証人となったことを説明したうえで確認したのかそれとも別口債務について連帯保証人となったことを確認したのか,確認した状況については明らかでない。 三以上の事実と前記争いのない事実等を総合すると,別口債務については被告が保証債務を負っていることを争っていないこと及びA信金の職員がCまたは被告に対して具体的に債務を明示してどのような説明をして連帯保証人となったことの確認をしたのか立証がなく,Dの被告またはCに対する具体的依頼内 っていることを争っていないこと及びA信金の職員がCまたは被告に対して具体的に債務を明示してどのような説明をして連帯保証人となったことの確認をしたのか立証がなく,Dの被告またはCに対する具体的依頼内容についても立証がないことに照らすと,CがDの依頼によって被告が承諾しているものと誤信して本件連帯保証債務及び変更後の求償債務について連帯保証人欄に被告の署名押印を代行したとの被告の主張を排斥できず,反証があることになる。 従って,被告の捺印は,被告の意思に基づいてなされたものであるとは認定,。 できないから被告が連帯保証したとの民訴法228条4項の推定も働かない他に,平成12年3月10日付け信用保証委託契約書の連帯保証人欄,株式会社Bが振出人,A信金が受取人となった平成12年3月10日振出の金額500万円の約束手形の連帯保証人欄及びA信金と株式会社Bとの間の平成12年6月29日作成の貸付形式変更に関する証の連帯保証人欄に関して,その成立の真正を認めるに足りる的確な証拠はない。 四そうすると,原告の請求には理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担について民訴法61条を適用し,主文のとおり判決する。 岡山地方裁判所第1民事部裁判官金光秀明
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