令和5年3月27日判決言渡令和4年(行ケ)第10092号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和5年1月18日判決 原告グリー株式会社 同訴訟代理人弁護士大野聖二同小林英了同訴訟代理人弁理士松野知紘 被告特許庁長官同指定代理人藤本義仁同古屋野浩志同比嘉翔一 同宮下誠同清川恵子 主文 1 特許庁が不服2020-5296号事件について令和4年7月20日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求主文同旨第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 原告は、平成25年(2013年)6月6日(優先権主張平成24年(2012年)6月7日、日本国)を国際出願日とする特許出願(特願2013-544607号)の一部を平成26年11月25日に新たな特許出願(特願2014-238065号、以下「親出願」という。甲19)とし、平成30年10月12日に設定登録を受けた(特許第6415270号、甲17)。 原告は、さらに、親出願の一部を分割して、平成29年9月6日、発明の名称を「プログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法」とする新たな特許出願(特願2017-171341号、以下「本願」という。また、本願 、さらに、親出願の一部を分割して、平成29年9月6日、発明の名称を「プログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法」とする新たな特許出願(特願2017-171341号、以下「本願」という。また、本願の願書に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面を併せて「当初明細書等」という。甲1)をした。 なお、原告は、本願の一部を令和2年4月20日に新たな特許出願(特願2020-74541号、以下「子出願」という。甲13)とし、令和3年10月29日に設定登録を受けた(特許第6968928号、甲14)。 ⑵ 原告は、本願につき、平成30年10月4日付けの拒絶理由通知(甲3)を受け、平成31年2月4日付けで手続補正(甲4の1)をしたが、さらに、 令和元年7月30日付けの拒絶理由通知(甲5)を受け、同年9月20日付けで手続補正(甲6の1)をした。 しかし、原告は、令和2年1月31日付けで補正の却下の決定(甲7の1)と拒絶査定(甲7の2)を受けたので、同年4月20日、拒絶査定不服審判(不服2020-5296号)を請求した(甲8の1)。 ⑶ 原告は、令和3年9月29日付けの拒絶理由通知(甲9)を受けたため、同年11月5日付けで、特許請求の範囲を変更する手続補正(以下「第1次補正」という。甲10の1)をしたが、さらに、令和4年4月5日付けの拒絶理由通知(甲11)を受けたため、同年5月18日付けで、明細書の段落【0004】及び【0005】を削除し、段落【0006】を変更するとと もに、特許請求の範囲を変更する手続補正(以下「第2次補正」という。甲 12の1)をした。 ⑷ 特許庁は、令和4年7月20日、第2次補正を却下する決定をした上で、結論を「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。本 」という。甲 12の1)をした。 ⑷ 特許庁は、令和4年7月20日、第2次補正を却下する決定をした上で、結論を「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。本件審決は別紙1のとおりである。)をし、その謄本は、同年8月1日、原告に送達された。 ⑸ 原告は、令和4年8月30日、本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した。 2 特許請求の範囲の記載⑴ 本願の当初の特許請求の範囲本願の当初の特許請求の範囲(特願2017-171341号、出願日平 成29年9月6日)は次のとおりである(甲1)。 【請求項1】複数の通信端末に対して対戦ゲームを提供するコンピュータに、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザの強さを算出するためのユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づ けて管理するステップと、前記ユーザ情報に基づき、ユーザが保有する全てのユニットの中から一部のユニットを、所定の条件を満たすように自動的に抽出するステップと、抽出したユニットに基づき前記ユーザ情報に応じた強さを決定するステップと、 1つの前記識別情報を含む対戦要求を前記通信端末から受信した場合に、当該識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さに基づいて選択した1以上のユーザに係る対戦相手リストを、当該通信端末へ送信する対戦相手リスト送信ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。 【請求項2】 前記自動的に抽出するステップを、所定時間間隔毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】前記対戦相手リストのユーザは、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さから所定範囲内の強さにある場合に選択され 間隔毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】前記対戦相手リストのユーザは、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さから所定範囲内の強さにある場合に選択されることを特徴と する、請求項1又は2に記載のプログラム。 【請求項4】前記所定範囲内の強さは、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さ未満であることを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。 【請求項5】 前記所定範囲内の強さは、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さ以上であることを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。 【請求項6】前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さが所定の閾値以上である場合、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さが所定 の閾値未満である場合よりも前記所定範囲を広くするステップを含む、請求項3乃至5のいずれか一に記載のプログラム。 【請求項7】前記ユーザ情報はさらにユニットに係る攻撃力及び防御力を含み、前記ユーザ情報に応じた強さは、コストの上限値以下で攻撃力及び防御力 の合計値が最大となるユニットの組合せに応じて決定されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプログラム。 【請求項8】前記対戦要求は、ユーザが取得を所望するユニットのユニットIDを含み、前記対戦相手リスト送信ステップにおいて、該ユニットIDに係るユニット を有するユーザのみからなる対戦相手リストを、前記通信端末に送信するこ とを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。 【請求項9】複数の通信端末に対して対戦ゲームを提供する対戦ゲームサーバであって、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別 る、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。 【請求項9】複数の通信端末に対して対戦ゲームを提供する対戦ゲームサーバであって、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザの強さを算出するためのユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づ けて管理する記憶部と、前記ユーザ情報に基づき、ユーザが保有する全てのユニットの中から一部のユニットを、所定の条件を満たすように自動的に抽出し、抽出したユニットに基づき前記ユーザ情報に応じた強さを決定する制御部と、1つの前記識別情報を含む対戦要求を前記通信端末から受信した場合に、 当該識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さに基づいて選択した1以上のユーザに係る対戦相手リストを、当該通信端末へ送信する通信部と、を備えることを特徴とする対戦ゲームサーバ。 【請求項10】複数の通信端末に対して対戦ゲームを提供する、記憶部と通信部と制御部 とを備えた対戦ゲームサーバの制御方法であって、前記記憶部が、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザの強さを算出するためのユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、前記制御部が、前記ユーザ情報に基づき、ユーザが保有する全てのユニッ トの中から一部のユニットを、所定の条件を満たすように自動的に抽出するステップと、前記制御部が、抽出したユニットに基づき前記ユーザ情報に応じた強さを決定するステップと、前記通信部が、1つの前記識別情報を含む対戦要求を前記通信端末から受 信した場合に、当該識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さに基 づいて選択した1以上のユーザに係る対戦相手リストを、当該通信端末へ送信す 報を含む対戦要求を前記通信端末から受 信した場合に、当該識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さに基 づいて選択した1以上のユーザに係る対戦相手リストを、当該通信端末へ送信するステップと、を含むことを特徴とする対戦ゲームサーバの制御方法。 ⑵ 第1次補正後の特許請求の範囲本願の第1次補正後の特許請求の範囲は請求項1ないし8からなり、その記載は、次のとおりである(下線部は第1次補正による補正箇所である。甲 10の1)。 【請求項1】複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供するコンピュータに、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユ ーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、前記ユーザ情報に応じて、強さの下限値及び上限値により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定するステップと、前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユ ーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さから所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始するステップと、を実行させ、前記対戦を開始するステップは、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相 手の強さの上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの上限および下限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づいて、自動的に対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補であるユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とするプログラム。 【請求項2】 前記所定範囲内の異なる強さの段階は、前記識別情報に対応づけられたユ 中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とするプログラム。 【請求項2】 前記所定範囲内の異なる強さの段階は、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階未満であることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階が所定の閾 値以上である場合、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階が所定の閾値未満である場合よりも前記所定範囲を広くするステップを含む、請求項1または2に記載のプログラム。 【請求項4】前記所定範囲内の異なる強さの段階のユーザとの対戦が開始される確率は、 前記対戦要求を行ったユーザの対戦相手リスト全体に、前記所定範囲内の異なる強さの段階のユーザが含まれる割合に基づくものであり、前記所定範囲内の同じ強さの段階のユーザとの対戦が開始される確率は、前記対戦要求を行ったユーザの対戦相手リスト全体に、前記所定範囲内の同じ強さの段階のユーザが含まれる割合に基づくものであることを特徴とする 請求項1、2または3に記載のプログラム。 【請求項5】前記所定範囲は、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階毎に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。 【請求項6】前記所定範囲は、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階と同じ強さの段階よりも上の段階と、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階と同じ強さ の段階よりも下の段階と で範囲が異なるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 【請求項7】複数の通信端末に対して一ユー 報に応じた強さの段階と同じ強さ の段階よりも下の段階と で範囲が異なるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 【請求項7】複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供する対戦ゲームサーバであって、 前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理する記憶部と、前記ユーザ情報に応じて、強さの下限値及び上限値により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定し、前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情 報に応じた強さの段階に基づき、当該強さから所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始する制御部と、を備え、前記制御部は、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの上限および下 限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づいて、自動的に対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補であるユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とする対戦ゲームサーバ。 【請求項8】 複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供する、記憶部と通信部と制御部とを備えた対戦ゲームサーバの制御方法であって、前記記憶部が、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、 前記制御部が、前記ユーザ情報に応じて、強さの下限値及び上限値により 定められた強さの各段階のうち、前記ユー と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、 前記制御部が、前記ユーザ情報に応じて、強さの下限値及び上限値により 定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定するステップと、前記制御部が、前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さから所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始するス テップと、を含み、前記対戦を開始するステップは、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの上限および下限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づいて、自動的に 対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補であるユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とする対戦ゲームサーバの制御方法。 ⑶ 第2次補正後の特許請求の範囲本願の第2次補正後の特許請求の範囲は請求項1ないし8からなり、その 記載は、次のとおりである(下線部は第2次補正による補正箇所である。甲12の1)。 【請求項1】複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供するコンピュータに、 前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、前記ユーザ情報に応じて、数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さの下限値及び上限値により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定す るステップと、 前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さの下限値及び上限値により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定す るステップと、 前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さの段階から所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始するステップと、を実行させ、前記対戦を開始するステップは、 前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの段階の上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの段階の上限および下限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づいて、自動的に対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補であるユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始す ることを特徴とするプログラム。 【請求項2】前記所定範囲内の異なる強さの段階は、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階未満であることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階が所定の閾値以上である場合、前記識別情報に対応づけられたユーザ情報に応じた強さの段階が所定の閾値未満である場合よりも前記所定範囲を広くするステップを含む、請求項1または2に記載のプログラム。 【請求項4】前記所定範囲内の異なる強さの段階のユーザとの対戦が開始される確率は、前記対戦要求を行ったユーザの対戦相手リスト全体に、前記所定範囲内の異なる強さの段階のユーザが含まれる割合に基づくものであり、前記所定範囲内の同じ強さの段階のユーザとの対戦が開始される る確率は、前記対戦要求を行ったユーザの対戦相手リスト全体に、前記所定範囲内の異なる強さの段階のユーザが含まれる割合に基づくものであり、前記所定範囲内の同じ強さの段階のユーザとの対戦が開始される確率は、 前記対戦要求を行ったユーザの対戦相手リスト全体に、前記所定範囲内の同 じ強さの段階のユーザが含まれる割合に基づくものであることを特徴とする請求項1、2または3に記載のプログラム。 【請求項5】前記所定範囲は、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階毎に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記 載のプログラム。 【請求項6】前記所定範囲は、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階と同じ強さの段階よりも上の段階と、 前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階と同じ強さの段階よりも下の段階とで範囲が異なるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 【請求項7】 複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供する対戦ゲームサーバであって、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理する記憶部と、前記ユーザ情報に応じて、数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めるこ とが可能な所定のパラメータである強さの下限値及び上限値により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定し、前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さの段階から所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始する制御部と、を 備え を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さの段階から所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始する制御部と、を 備え、 前記制御部は、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの段階の上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの段階の上限および下限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づいて、自動的に対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補である ユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とする対戦ゲームサーバ。 【請求項8】複数の通信端末に対して一ユーザ対一ユーザの対戦ゲームを提供する、記憶部と通信部と制御部とを備えた対戦ゲームサーバの制御方法であって、 前記記憶部が、前記通信端末を操作するユーザ毎に一意に割り当てられる識別情報と、ユーザ情報とを、それぞれのユーザ毎に対応づけて管理するステップと、前記制御部が、前記ユーザ情報に応じて、数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さの下限値及び上限値 により定められた強さの各段階のうち、前記ユーザがいずれの強さの段階であるかを決定するステップと、前記制御部が、前記ユーザから対戦要求を受けた場合、前記識別情報に対応付けられたユーザ情報に応じた強さの段階に基づき、当該強さの段階から所定範囲内の同じ強さまたは異なる強さの段階の他のユーザとの対戦を開始 するステップと、を含み、前記対戦を開始するステップは、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの段階の上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの するステップと、を含み、前記対戦を開始するステップは、前記下限値及び上限値により定められた強さの段階毎に設定された対戦相手の強さの段階の上限および下限、ならびに、当該対戦相手の強さの段階の上限および下限内に含まれる弱者の割合および/または強者の割合に基づい て、自動的に対戦相手候補であるユーザを抽出し、当該対戦相手候補である ユーザの中から前記ユーザによって決定された他のユーザとの対戦を開始することを特徴とする対戦ゲームサーバの制御方法。 3 本件審決の理由の要旨⑴ 第2次補正についての補正却下の決定ア補正却下の決定の結論(本件審決第2〔本件審決2頁〕) 第2次補正を却下する。 イ第2次補正の適否について(ア) 補正事項(本件審決第2の2⑴〔本件審決6頁〕)第2次補正は、第2次本件補正前の請求項1、7及び8の発明特定事項である「強さ」について、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進め ることが可能な所定のパラメータである強さ」へと補正することを含むものである。 (イ) 新規事項の追加の有無についてa 発明が解決しようとする課題について(本件審決第2の2⑵イ(ア)〔本件審決10頁〕) 当初明細書等において、本願発明が解決しようとする課題は、段落【0004】、【0005】及び【0006】の摘記から明らかなように、「攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう」ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。 上記課題からすれば、「強さ」とは、「攻撃力及び防御力の合計値」のみであると認められる。 b 当初明細書等の記載について(本件審決第2の2⑵イ(イ)〔本件審決11頁〕)当初明細書等には、「強さ」が、「攻 らすれば、「強さ」とは、「攻撃力及び防御力の合計値」のみであると認められる。 b 当初明細書等の記載について(本件審決第2の2⑵イ(イ)〔本件審決11頁〕)当初明細書等には、「強さ」が、「攻撃力及び防御力の合計値」であ ることは記載されているものの、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が 「強さ」であることまでは記載されていない。 c 出願時の技術常識について(本件審決第2の2⑵イ(ウ)〔本件審決12頁〕)「ゲーム」分野における技術常識として、「ユーザ」の「強さ」には、攻撃力及び防御力以外に、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が、技術 常識といえる。 確かに、体力、俊敏さ、所持アイテム数等の数値が高ければ、対戦ゲームを有利に進めることができる可能性はあるものの、当初明細書等において、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が、上記発明が解決しようとする課題である「『攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう』 ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたこと」を解決することは記載されていないし、出願時の技術常識を勘案しても、自明といえる理由はない。 d まとめ(本件審決第2の2⑵イ(オ)〔本件審決13頁〕)そうすると、第2次補正後の請求項1、7及び8に記載の「数値が 高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さ」とは、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであって、当初明細書等に記載した事項の範囲内でされたものではない。 したがって、第2次補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反するものである。 ウ第2次補正についてのむすび(本件審決第2の3〔本件審決13頁〕) 事項の範囲内でされたものではない。 したがって、第2次補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反するものである。 ウ第2次補正についてのむすび(本件審決第2の3〔本件審決13頁〕)以上のとおり、第2次補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の 規定により却下されるべきものである。 よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。 ⑵ 第1次補正発明についてア令和4年4月5日付けの拒絶理由通知(甲11)における拒絶理由(本件審決第3の2〔本件審決13~14頁〕)(ア) 理由1.(新規事項) 第1次補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 (イ) 理由2.(サポート要件)第1次補正後の特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項1号に規 定する要件を満たしていない。 (ウ) 理由3.(明確性要件)第1次補正後の特許請求の範囲の記載は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。 イ本件審決の判断 (ア) 理由1.(新規事項)についての判断(本件審決第3の3⑴エ〔本件審決15頁〕)a 発明が解決しようとする課題について(本件審決第3の3⑴エ(ア)〔本件審決16頁〕)当初明細書等において、本願発明が解決しようとする課題は、段落 【0004】、【0005】及び【0006】から明らかなように、「攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう」ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。 上記課題からすれば、「強さ」とは、「攻撃力及び防御力の合計 及び防御力の合計値が乖離してしまう」ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。 上記課題からすれば、「強さ」とは、「攻撃力及び防御力の合計値」 のみであると認められる。 b 当初明細書等の記載について(本件審決第3の3⑴エ(イ)〔本件審決16頁〕)当初明細書等には、「強さ」が、「攻撃力及び防御力の合計値」であることは記載されているものの、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が「強さ」であることまでは記載されていない。 c 出願時の技術常識について(本件審決第3の3⑴エ(ウ)〔本件審決17頁〕)「ゲーム」分野における技術常識として、「ユーザ」の「強さ」には、攻撃力及び防御力以外に、体力、俊敏さ、必殺技等が、技術常識といえることからすると、第1次補正後の請求項1、7及び8に記載の「強 さの下限値及び上限値」の「強さ」には、攻撃力及び防御力のみならず、体力、俊敏さ、必殺技も包含される。 しかし、当初明細書等には、「強さ」が、攻撃力及び防御力であることは記載されているものの、体力、俊敏さ、必殺技が「強さ」であることまでは記載されていない。 ましてや、必殺技等の数値化できないものは、「強さ」の概念に包含されないことは明らかである。 当初明細書等において、体力、俊敏さ、必殺技等が、本願発明が解決しようとする課題である「『攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう』ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下さ せてしまっていたこと」を解決することは記載されていないし、出願時の技術常識を勘案しても、自明といえる理由はない。 d まとめ(本件審決第3の3⑴エ(エ)〔本件審決17頁〕)そうすると、第1次補正後の請求項1、 こと」を解決することは記載されていないし、出願時の技術常識を勘案しても、自明といえる理由はない。 d まとめ(本件審決第3の3⑴エ(エ)〔本件審決17頁〕)そうすると、第1次補正後の請求項1、7及び8に記載の「強さの下限値及び上限値」とは、当初明細書等のすべての記載を総合するこ とにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導 入するものであって、当初明細書等に記載した事項の範囲内でされたものではない。 したがって、第1次補正は、特許法17条の2第3項の規定に違反するものである。 (イ) 理由2.(サポート要件)についての判断(本件審決第3の3⑵〔本件 審決17~18頁〕)当初明細書等の記載からすると、本願発明が解決しようとする課題は、「デッキの攻撃力及び防御力の合計値」で勝敗を決める「対戦ゲーム」において、「各ユーザに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることのできるプログラム、対戦ゲームサーバ及び その制御方法を提供すること」であると認められる。 しかし、第1次補正発明は、いずれも、発明が解決しようとする課題における「デッキの攻撃力及び防御力の合計値」で勝敗を決める「対戦ゲーム」が特定されていないから、本願発明の課題を解決する手段が反映されているものではない。 したがって、第1次補正発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 (ウ) 理由3.(明確性要件)についての判断(本件審決第3の3⑶〔本件審決18頁〕)第1次補正発明の「強さ」には、攻撃力及び防御力の合計値のみなら ず、対戦ゲームの技術常識を勘案すると、必殺技等も包含される。 ここで、例えば、必殺技は、数値化できないところからすると、「強さの下限値及び上限値」といっても 撃力及び防御力の合計値のみなら ず、対戦ゲームの技術常識を勘案すると、必殺技等も包含される。 ここで、例えば、必殺技は、数値化できないところからすると、「強さの下限値及び上限値」といっても数値化できないものに対して「下限値及び上限値」とは、何を特定しようとしているのか不明である。 さらに、上述するような数値化できない「強さの下限値及び上限値」 により定められた「強さの各段階」とは何を特定しようとしているのか 不明である。 よって、第1次補正発明は明確でない。 ⑶ むすび(本件審決第4〔本件審決18頁〕)第1次補正は特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、第1次補正発明は、同法36条6項1号及び同項2号に規定する要件を満た していないので、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 4 原告主張の取消事由第2次補正は特許法17条の2第3項の規定に違反すると判断して第2次補正を却下したことの誤り 第3 当事者の主張〔原告の主張〕 1 取消事由の存否本件審決が、第2次補正は特許法17条の2第3項の規定に違反すると判断して第2次補正を却下したのは誤りであり、本件審決には取消事由がある。そ の理由は、以下のとおりである。 2 「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるかについて⑴ 当初明細書等における開示の有無ア当初明細書等の請求項1及び段落【0065】には、「攻撃力と防御力の合計値」に限定されない、任意の「強さ」が開示されている。また、請求 項1の従属項である請求項7で、「強さは…攻撃力及び防御力の合計値…」と限定されているから、その引用元である請求項1の「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」には限定されない る。また、請求 項1の従属項である請求項7で、「強さは…攻撃力及び防御力の合計値…」と限定されているから、その引用元である請求項1の「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」には限定されないと解されるべきである。 イさらに、当初明細書等の段落【0028】には、「攻撃力及び防御力等は、ユーザの強さを算出するためのユーザ情報」と記載されており、強さが、 (攻撃力及び防御力)「等」、すなわち、攻撃力及び防御力以外のユーザ情 報からも算出されるものとして開示されており、当初明細書等の図2(b)には、攻撃力、防御力、コストと並列の項目として「…」との記載がある。 しかるところ、ゲーム分野において、ユーザの「強さ」に、攻撃力及び防御力以外に、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が含まれるのは本願出願時の技術常識といえるから、このような技術常識を前提とすれば、当初明細 書等の段落【0028】の「等」や図2(b)の「…」は、例えば体力、俊敏さ、所持アイテム数といった、攻撃力や防御力以外のパラメータであることは明らかであり、これらのユーザ情報に基づく「強さ」も当初明細書等に開示されているといえる。 ウこのように、当初明細書等には、「攻撃力と防御力の合計値」に限定され ない、任意の「強さ」が開示されているから、「当初明細書等には、(中略)『強さ』について、『攻撃力及び防御力の合計値』は記載されているものの、『数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである』ことについては記載されていない。」(本件審決第2の2⑵イ(イ)〔本件審決11頁35~38行目〕)という本件審決の判断は誤りであ る。 ⑵ 子出願及び親出願との関係本願の分割出願である子出願は、特許第6968928号として適法に設 2の2⑵イ(イ)〔本件審決11頁35~38行目〕)という本件審決の判断は誤りであ る。 ⑵ 子出願及び親出願との関係本願の分割出願である子出願は、特許第6968928号として適法に設定登録されているところ、登録された子出願の請求項1に記載された「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていない。また、本願の原出願 である親出願は、特許第6415270号として適法に設定登録されているところ、登録された親出願の請求項1及び3に記載された「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていない。 「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていない子出願及び親出願が、「分割出願の明細書等に記載された事項が、原出願の出願当初の明 細書等に記載された事項の範囲内であること」という分割要件を充足するも のとして設定登録されたことによって、同様に「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていない本願が分割要件を充足していることは、裏付けられたといえる。 ⑶ 小括以上によれば、当初明細書等には、「攻撃力と防御力の合計値」に限定され ない、任意の「強さ」が開示されているから、第2次補正発明の「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていないとしても、新規事項の追加とはならない。 3 第2次補正の有効性と発明の課題の把握について本件審決は、「当初明細書等において、本願発明が解決しようとする課題は、 上記段落【0004】、段落【0005】、段落【0006】の摘記から明らかなように、『攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう』ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。上記課題からすれば、『強さ』とは、『攻撃力及び防御力の 、『攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう』ことに起因して、ゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていたことであると認められる。上記課題からすれば、『強さ』とは、『攻撃力及び防御力の合計値』のみであると認められる。」(本件審決第3の3⑴エ(ア)〔本件審決16頁2~8 行目〕)と判示した。 しかし、第2次補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであり、新たな技術的事項を導入するものでないから、適法である。第2次補正は適法であり遡及効を有するから、発明の課題は第2次補正後の明細書に基づいて認定すべきであり、第2次補正により削除された当初明細書等の 段落【0004】及び【0005】並びに第2次補正前の段落【0006】に基づいて課題を認定すべきではない。発明の課題は、第2次補正後の段落【0006】に記載されたとおり「対戦ゲームにおいて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐ」ことである。 したがって、本件審決が、補正の遡及効を無視し、第2次補正で削除された 段落【0004】及び【0005】並びに第2次補正前の【0006】に基づ いて課題を認定したのは誤りである。 4 当初明細書等により認定される発明の課題について仮に、当初明細書等に基づいて発明の課題を認定するとしても、当初明細書等の【発明が解決しようとする課題】欄の記載のみに基づいて発明の課題を認定すべきではなく、当初明細書等のすべての記載事項に加えて技術常識を考慮 して発明の課題を認定すべきである。当初明細書等に記載された発明の課題は、当初明細書等の「ユーザの強さに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることができる。」(段落【0048】)、「対戦相手間の強さに大差が出てしまうこと 載された発明の課題は、当初明細書等の「ユーザの強さに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることができる。」(段落【0048】)、「対戦相手間の強さに大差が出てしまうことが少ない。従って、ユーザの強さに応じた適切な範囲の中で対戦相手が選出されることとなり、勝敗がすぐについてしまうこと を低減できるので、ゲームの利用をより継続することができる。」(段落【0061】)等の記載に基づき、「対戦ゲームにおいて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐ」ことであると認定すべきである。そして、技術常識に鑑みれば、このような作用効果における「強さ」は、攻撃力及び防御力の合計値のみならず、体力、俊敏さ、所持アイテム数等をも含むものであり、 上記の発明の課題によれば、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限られる理由はない。 5 新規事項追加の有無以上によれば、第2次補正により、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されないものとされたとしても、新規事項追加に該当することはない。 〔被告の主張〕 1 取消事由の存否本件審決が、第2次補正は特許法17条の2第3項の規定に違反すると判断して第2次補正を却下したことに誤りはなく、本件審決に原告が主張する取消事由はない。その理由は、以下のとおりである。 2 〔原告の主張〕2(「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるか について)に対し⑴ 当初明細書等における開示の有無ア当初明細書等の段落【0065】には、「強さ」がどのようなものであるかは何ら記載されておらず、段落【0028】に記載の「攻撃力及び防御力等」における「等」や図2(b)における「…」が何を指しているのか は、当初明細書等全体を参酌しても 」がどのようなものであるかは何ら記載されておらず、段落【0028】に記載の「攻撃力及び防御力等」における「等」や図2(b)における「…」が何を指しているのか は、当初明細書等全体を参酌しても明らかではない。 他方、当初明細書等の段落【0026】及び【0028】には、「強さ」が「攻撃力及び防御力」の合計値であることが記載されており、また、段落【0001】及び【0002】の記載からすると、本願が属する技術分野である対戦ゲームとは、攻撃力及び防御力の合計値に基づいて勝敗を競 う形式の対戦ゲームであることが理解でき、さらに、段落【0004】及び【0005】には、対戦相手であるユーザ間の攻撃力及び防御力の合計値の乖離に起因してユーザのゲームに対する興味を低下させるという課題が生じることが記載されている。 そうすると、第2次補正により当初明細書等から段落【0004】及び 【0005】が削除されたことを差し置いても、当初明細書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかである。 イまた、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さ」という第2次補正後の請求項1、7及び8の文 言によっては、「強さ」にどのようなパラメータが包含されるのかが具体的に特定できず、第三者に不測の不利益を生じる。 ウしたがって、当初明細書等には、「強さ」について、「攻撃力及び防御力の合計値」であることしか記載されておらず、「当初明細書等には、(中略)『強さ』について、『攻撃力及び防御力の合計値』は記載されているものの、 『数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメ ータである』ことについては記載されていない。」(本件審決 『攻撃力及び防御力の合計値』は記載されているものの、 『数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメ ータである』ことについては記載されていない。」(本件審決第2の2⑵イ(イ)〔本件審決11頁35~38行目〕)という本件審決の判断に誤りはない。 ⑵ 子出願及び親出願との関係特許法44条は、特許出願の分割に関する規定であり、出願人が二以上の 発明を包含する特許出願の一部を新たな特許出願とすることができる旨を規定し、また、特許出願の分割が適法にされた場合には、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされる旨を規定している。そうすると、本願は、子出願とは別個の出願であって、両者の間に、互いの特許請求の範囲の記載に対して影響を及ぼす関係はなく、本願と子出願とは事案を異にす るものである。本願と親出願も、同様に事案を異にするものである。 ⑶ 小括以上によれば、当初明細書等に記載された「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであったにもかかわらず、第2次補正発明の「強さ」は「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパ ラメータであ」り、「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されていないから、第2次補正は新規事項の追加に当たる。 3 〔原告の主張〕3(第2次補正の有効性と発明の課題の把握について)に対し当初明細書等には「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」としか記載され ていなかったにもかかわらず、第2次補正によって当初明細書等の段落【0004】及び【0005】が削除され、段落【0006】の記載が補正されたことにより、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」から、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメ 04】及び【0005】が削除され、段落【0006】の記載が補正されたことにより、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」から、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータ」へと、広範な概念へと拡張され、結果として、新たな技術的事項を追加するものとなった。また、 「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメー タである強さ」という第2次補正後の請求項1、7及び8の文言からは、どのようなパラメータが包含されるのか具体的に特定できず、第三者に不測の不利益をもたらすこととなるから、第2次補正は認めるべきでない。 したがって、第2次補正は不適法であり、発明の課題は、当初明細書等により把握されるべきである。なお、第2次補正後の明細書等による発明の課題を 把握しても、「強さ」は、「攻撃力及び防御力の合計値」としか理解できない。 4 〔原告の主張〕4(当初明細書等により認定される発明の課題について)に対し前記2⑴アのとおり、当初明細書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかである。 5 新規事項追加の有無以上によれば、第2次補正により、「強さ」が「攻撃力及び守備力の合計値」に限定されないものとされたことは、新規事項追加に該当する。 第4 当裁判所の判断 1 本願の当初明細書等及び第2次補正後の明細書等の記載 ⑴ 特許請求の範囲本願出願時の特許請求の範囲の記載は前記第2の2⑴のとおりであり、第2次補正後の特許請求の範囲の記載は前記第2の2⑶のとおりである。 ⑵ 明細書及び図面の記載当初明細書等及び第2次補正後の明細書等(特許請求の範囲を除く。)の記 載は、別紙2のとおりである。 2 発明の課 求の範囲の記載は前記第2の2⑶のとおりである。 ⑵ 明細書及び図面の記載当初明細書等及び第2次補正後の明細書等(特許請求の範囲を除く。)の記 載は、別紙2のとおりである。 2 発明の課題と技術的意義⑴ 当初明細書等記載の発明の課題と技術的意義前記1の当初明細書等の記載によれば、当初明細書等に記載の発明(以下「本発明」という。)の課題及び発明の技術的意義は、次のとおり認められる。 ア発明の課題 従来から、ユーザ毎に記憶された複数枚の対戦カード等で該ユーザのデッキを構成し、当該デッキの攻撃力及び防御力の合計値に基づき、複数のユーザ間で勝敗を競う形式の対戦ゲームサーバがあるが、対戦相手であるユーザをランダムに、又は所定の対戦カード等を有することのみを条件に決定するため、対戦するユーザ同士のデッキの攻撃力及び防御力の合計値 が乖離してしまう可能性があり、ゲームに対するユーザの興味を低下させてしまうことがあった。(段落【0002】、【0004】及び【0005】)イ発明の技術的意義本願の発明の目的は、対戦ゲームにおいて、各ユーザに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることのできるプロ グラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法を提供することにある。(段落【0006】及び【図1】)本願の発明の実施形態では、ユーザの強さは、ユーザのデッキを構成するユニットの攻撃力及び防御力の合計値に基づき定まる値であって、上限値と下限値の範囲で段階毎に設定されており(段落【0028】、【003 1】及び【0032】並びに【図2】、【図3】及び【図4】)、ユーザから対戦要求を受けると、対戦ゲームサーバ1の制御部13は、対戦要求をしたユーザの強さを基準に、所定範囲の強さの他 【003 1】及び【0032】並びに【図2】、【図3】及び【図4】)、ユーザから対戦要求を受けると、対戦ゲームサーバ1の制御部13は、対戦要求をしたユーザの強さを基準に、所定範囲の強さの他のユーザを抽出して対戦相手リストを作成するものであって、設定テーブルにおける“強さ下限値”と、“強さ上限値”と、“弱者割合”と、“強者割合”とを参照し、強さテー ブルから、所定範囲の強さの他のユーザを抽出する(段落【0034】、【0052】ないし【0060】並びに【図7】及び【図8】)。 本願の発明では、このようにユーザの強さの段階を基準として所定範囲内の同じ強さ又は異なる強さの段階の対戦相手が抽出されるので、従来のように全ユーザの中から対戦相手をランダムに抽出する場合に比べて、対 戦相手間の強さに大差が出てしまうことが少なくなり、勝敗がすぐについ てしまうことを低減し、ゲームの利用をより継続することができ、さらに、対戦相手の強さに一定のばらつきを含ませることにより、対戦ゲームの難度が変化するので、ユーザのゲームに対する興味を増大させることができる(段落【0061】)。 ⑵ 第2次補正後の明細書等記載の発明の課題と技術的意義 第2次補正は、当初明細書等の段落【0004】及び【0005】を削除し、段落【0006】を、「従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、各ユーザに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることのできるプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法を提供することにある。」から、「本発明の目的は、対戦ゲームにお いて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐことのできるプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法を提供することにある。」に変 ある。」から、「本発明の目的は、対戦ゲームにお いて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐことのできるプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法を提供することにある。」に変更するものであった(甲12の1)。 この点に関して、原告は、第2次補正は有効であり、遡及効を有するとして、本件審決が、第2次補正で削除された段落【0004】及び【0005】 並びに第2次補正前の【0006】に基づいて発明の課題を認定したのは誤りである旨主張する(前記第3〔原告の主張〕3)。 しかし、補正が「当初明細書等に記載した事項」との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるか否かを判断する場合には、当初明細書等の記載に基づいて、そこに記載された技術的事項を明らかにする必要があ るから、本件審決が、当初明細書等の段落【0004】ないし【0006】の記載に基づいて発明の課題を認定したことに誤りはないものと認められ、この点においては、原告の主張を採用することはできない。 もっとも、第2次補正後の段落【0006】の「不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐ」とは、ユーザの強さに比較的近い強さの相 手との対戦が行われるようにして、対戦するユーザの強さに大きな差がある ためにゲームに対するユーザの興味を失わせるような対戦が行われることを防ぐという意味であり、第2次補正前の段落【0004】、【0005】及び【0006】に記載されていたことと実質的に同じ内容を述べるものと認められる。 したがって、当初明細書等に記載の発明と第2次補正後の明細書等に記載 の発明は、課題を共通にするものであり、また、それらの技術的意義も同じであるものというべきである。 3 取消事由の存否当初明細書等及び第2次補正 記載の発明と第2次補正後の明細書等に記載 の発明は、課題を共通にするものであり、また、それらの技術的意義も同じであるものというべきである。 3 取消事由の存否当初明細書等及び第2次補正後の明細書等に記載の発明の技術的意義は、前記2⑴イ及び⑵記載のとおり、ユーザの強さの段階を基準として所定範囲内の 強さの段階にある対戦相手を抽出することにより、従来のように対戦相手をランダムに抽出する場合に比べて、対戦相手間の強さに大差が出て勝敗がすぐについてしまう戦いの数を低減することができ、また、対戦相手の強さに一定のばらつきを含ませて対戦ゲームの難度を変化させ、ユーザのゲームに対する興味を増大させることにある。 そして、「ゲーム」分野における技術常識に関して、「ユーザ」の「強さ」に、攻撃力及び防御力以外に、体力、俊敏さ、所持アイテム数等が含まれることが本願の出願時の技術常識であったことは、当事者間に争いがない(本件審決第2の2⑵イ(ウ)〔本件審決12頁〕参照)。 上記のような、対戦ゲームにおいて、強さに大差のある相手ではなく、ユー ザに適した対戦相手を選択するという発明の技術的意義に鑑みれば、当初明細書等記載の「強さ」とは、ゲームにおけるユーザの強さを表す指標であって、ゲームの勝敗に影響を与えるパラメータであれば足りると解するのが相当であり、「強さ」を「攻撃力と防御力の合計値」とすることは、発明の一実施形態としてあり得るとしても、技術常識上「強さ」に含まれる要素の中から、あえ て体力、俊敏さ、所持アイテム数等を除外し、「強さ」を「攻撃力と防御力の合 計値」に限定しなければならない理由は見出すことができない。言い換えれば、「強さ」を「攻撃力及び防御力の合計値」に限定するか否かは、発明の技術的意義に照 、「強さ」を「攻撃力と防御力の合 計値」に限定しなければならない理由は見出すことができない。言い換えれば、「強さ」を「攻撃力及び防御力の合計値」に限定するか否かは、発明の技術的意義に照らして、そのようにしてもよいし、しなくてもよいという、任意の付加的な事項にすぎないと認められる。 そうすると、当初明細書等には、「強さ」の実施形態として、文言上は「攻撃 力及び防御力の合計値」としか記載されていないとしても、発明の意義及び技術常識に鑑みると、第2次補正により、「強さ」を「攻撃力及び防御力の合計値」に限定せずに、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータ」と補正したことによって、さらに技術的事項が追加されたものとは認められず、第2次補正は、新たな技術的事項を導入するものとは認め られない。そうすると、第2次補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであると認められ、特許法17条の2第3項の規定に違反するものではないというべきである。 したがって、本件審決が、第1次補正発明の「強さ」について、第2次補正により「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラ メータである強さ」と補正したことは新たな技術的事項を導入するものであるとして、第2次補正は特許法17条の2第3項の規定に違反すると判断して第2次補正を却下した(本件審決第2)のは誤りであると認められ、本件審決には、原告主張の取消事由が認められる。 4 被告の主張に対する判断 ⑴ 被告は、当初明細書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかである旨主張する(前記第3〔被告の主張〕2⑴ア)。 しかし、前記3のとおり、「ゲーム」分野における技術 書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかである旨主張する(前記第3〔被告の主張〕2⑴ア)。 しかし、前記3のとおり、「ゲーム」分野における技術常識に関して、「ユーザ」の「強さ」に、攻撃力及び防御力以外に、体力、俊敏さ、所持アイテ ム数等が含まれることが本願の出願時の技術常識であったことは、当事者間 に争いがない。そして、当初明細書等に、「強さ」について「攻撃力及び防御力の合計値」と記載された箇所があるとしても、発明の技術的意義に鑑みれば、「強さ」とは、ゲームにおけるユーザの強さを表す指標であって、ゲームの勝敗に影響を与えるパラメータであれば足りるものと解され、「強さ」から「攻撃力及び防御力の合計値」以外の要素を除外する理由は見出されない。 対戦ゲームには様々な形態があり得るものであり、技術常識に照らすと、ゲームの形態に応じて勝敗に影響する「強さ」についても種々のパラメータが想定されるものと認められ、段落【0028】に記載の「攻撃力及び防御力等」における「等」や図2(b)における「…」が、「強さ」の要素のうち、攻撃力及び防御力以外の体力、俊敏さ、所持アイテム数等の要素を示すと解 することは十分に可能である。 したがって、被告の上記主張は採用することができない。 ⑵ また、被告は、「数値が高い程前記対戦ゲームを有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さ」という第2次補正後の請求項1、7及び8の文言によっては、「強さ」にどのようなパラメータが包含されるのかが具体的 に特定できず、第三者に不測の不利益を生じると主張する(前記第3〔被告の主張〕2⑴イ)。 確かに、対戦ゲームには様々の形態があり得るものであり、技術常識に照らすと、ゲームの形態に応 体的 に特定できず、第三者に不測の不利益を生じると主張する(前記第3〔被告の主張〕2⑴イ)。 確かに、対戦ゲームには様々の形態があり得るものであり、技術常識に照らすと、ゲームの形態に応じて勝敗に影響する「強さ」についても種々のパラメータが想定されるものと認められる。 しかし、各形態のゲームにおいてどのような「強さ」のパラメータを設定するのが適当かは、当業者であれば適宜判断し得るものと推認され、ユーザの強さを基準として所定範囲内の強さを有する他のユーザを対戦相手として選択することにより、ユーザのゲームに対する興味の低下を防ぐという発明の技術的意義に照らせば、ある形態の対戦ゲームにおいて「強さ」にどのよ うなパラメータが含まれるかは、当業者であれば想定し得るものと推認され る。そうすると、「強さ」が「攻撃力と防御力の合計値」に限定されていないとしても、第三者に不測の不利益をもたらすものとは認められない。 したがって、被告の上記主張は採用することができない。 ⑶ 被告は、第2次補正によって「強さ」が広範な概念へと拡張され、新たな技術的事項を追加するものとなったこと、「数値が高い程前記対戦ゲームを 有利に進めることが可能な所定のパラメータである強さ」という第2次補正後の請求項1、7及び8の文言には、どのようなパラメータが包含されるのかが具体的に特定できず、第三者に不測の不利益をもたらすことから、第2次補正は認めるべきでない旨主張する(前記第3〔被告の主張〕3)。 しかし、前記⑴及び⑵において述べたとおり、被告の上記主張は採用する ことができない。 ⑷ また、被告は、当初明細書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかであると主張するが(前記第3〔被 の上記主張は採用する ことができない。 ⑷ また、被告は、当初明細書等の記載から、「強さ」が「攻撃力及び防御力の合計値」に限定されるものであることは明らかであると主張するが(前記第3〔被告の主張〕4)、前記⑴のとおり、このような被告の主張は採用することができない。 5 結論以上によれば、本件審決が、第2次補正は特許法17条の2第3項の規定に違反すると判断して第2次補正を却下した(本件審決第2)のは誤りであると認められ、この誤りは本件審決の結論に影響を及ぼすものであるから、本件審決には、これを取り消すべき違法がある。 よって、原告の請求を認容することとし、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官 東海林保 裁判官中平健 裁判官都野道紀(別紙1 審決書写し省略) 別紙2(当初明細書等及び第2次補正後の明細書等の記載) 1 技術分野に関する記載「本発明は、対戦ゲームを提供するコンピュータに係るプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法に関する。」(段落【0001】) 2 発明が解決しようとする課題に関する記載「従来から、対戦ゲームサーバにおいて、ユーザ毎に記憶された複数枚の対戦カード等で該ユーザのデッキを構成し、当該デッキの攻撃力及び防御力の合計値に基づき、複数のユーザ間で勝敗を競う形式の対戦ゲームサーバがある(例えば特 サーバにおいて、ユーザ毎に記憶された複数枚の対戦カード等で該ユーザのデッキを構成し、当該デッキの攻撃力及び防御力の合計値に基づき、複数のユーザ間で勝敗を競う形式の対戦ゲームサーバがある(例えば特許文献1)。このような対戦ゲームサーバにおいては通常、ユーザのゲームに対す る興味を増大させるために、対戦の結果勝利したユーザが、敗北したユーザが有する対戦カード等を取得できるように構成されている。この場合、ユーザは、取得したい対戦カード等を有するユーザの中から対戦相手を選択できるようにしていた。」(段落【0002】)「しかしながら、従来の対戦ゲームサーバでは、対戦相手であるユーザをランダ ムに、又は所定の対戦カード等を有することのみを条件に決定するため、対戦するユーザ同士のデッキの攻撃力及び防御力の合計値が乖離してしまう可能性があり、ゲームに対するユーザの興味を低下させてしまうことがあった。」(段落【0004】)「特にユーザが初心者であって、攻撃力及び防御力の合計値が低い場合、対戦相 手に係る攻撃力及び防御力の合計値の方が高くなる可能性が高く、対戦ゲームで負けてしまうことが多くゲームに対するユーザの興味を著しく低下させてしまっていた。」(段落【0005】)「従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、各ユーザに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることのでき るプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法を提供することにある。」(段 落【0006】)なお、第2次補正により、上記の段落【0004】及び【0005】は削除され、段落【0006】は、次のとおりに変更された。 「本発明の目的は、対戦ゲームにおいて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われること 2次補正により、上記の段落【0004】及び【0005】は削除され、段落【0006】は、次のとおりに変更された。 「本発明の目的は、対戦ゲームにおいて、不適切な強さの対戦相手との対戦が行われることを防ぐことのできるプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法 を提供することにある。」 3 発明の効果に関する記載「本発明におけるプログラム、対戦ゲームサーバ及びその制御方法によれば、各ユーザに適した対戦相手を選択でき、ユーザのゲームに対する興味を増大させることができる。」(段落【0017】) 4 発明の実施の形態に関する記載⑴ 実施の形態1に関する記載「図1は本発明の実施の形態1に係る対戦ゲームシステムを示すブロック図である。本発明の実施の形態1に係る対戦ゲームシステムは、対戦ゲームサーバ1と、通信端末2とを備える。なお図1においては、通信端末2を1つのみ 備える例を示しているがこれに限られず、複数の通信端末を備えるようにしてもよい。」(段落【0020】)「対戦ゲームサーバ1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。概略として対戦ゲームサーバ1は、ユーザが保有している複数のユニットにより構成されたデッキの攻撃力及び防御力の合計値に基づき、複数のユーザ 間の対戦の勝敗を競う形式の対戦ゲームを、通信端末2に提供する。」(段落【0021】)「図2(a)に、ユーザテーブルの例を示す。例えば図2(a)は、ユーザIDが“001”のユーザは、ユニットA、ユニットB、ユニットC、ユニットD、ユニットE、ユニットF、ユニットG、ユニットH、及びユニットIのユ ニットIDに係るユニットを有することを示している。(段落【0024】) 「また記憶部12は、ユーザIDと、ユニットIDと、 ットF、ユニットG、ユニットH、及びユニットIのユ ニットIDに係るユニットを有することを示している。(段落【0024】) 「また記憶部12は、ユーザIDと、ユニットIDと、該ユニットIDに係る攻撃力、防御力、及びコストを含むユニット情報テーブルを格納する。攻撃力及び防御力は、ユニットの強さに係るパラメータである。またコストは、デッキを構成する際に参照されるパラメータである。デッキを構成する複数のユニットのコストの合計値は、所定値(以下、コスト上限値という。)以下でなけれ ばならない。本実施例においては、一例として、コスト上限値は30であるものとして説明する。」(段落【0025】)「図2(b)に、ユニット情報テーブルの例を示す。図2(b)では、例えばユーザID “001”、ユニットID“ユニットA”、攻撃力“1000”、防御力“500”、コスト“5”が対応付けられて格納される。ここで各ユニット の攻撃力及び防御力はゲームの進行に応じて変化する。例えばあるユーザが保有するユニットの攻撃力及び防御力は、ゲーム中のイベント等に応じて増加する。ユニットの攻撃力及び防御力が変化した場合、後述する制御部13はユニット情報テーブルを更新し、常に最新の状態にする。」(段落【0026】)「制御部13は、対戦ゲームサーバ1に係る各種制御を行う。具体的には制御 部13は、通信端末2から対戦要求を受信した場合、ユーザテーブルから少なくとも1つのユーザIDを選択して、当該ユーザIDを対戦相手として列挙したリスト(以下、対戦相手リストという)を作成し、通信部11により通信端末2に対戦相手リストを送信する。なお対戦要求とは、本実施の形態においては、対戦相手リストの作成及び送信の要求である。対戦要求には、通信端末2 手リストという)を作成し、通信部11により通信端末2に対戦相手リストを送信する。なお対戦要求とは、本実施の形態においては、対戦相手リストの作成及び送信の要求である。対戦要求には、通信端末2 を操作するユーザのユーザIDが含まれる。また制御部13は、通信端末2から通信端末2を操作するユーザのユーザID及び対戦相手のユーザIDを含む信号を受信した場合、当該2つのユーザIDのデッキの攻撃力及び防御力の合計値を算出し、当該合計値に基づき勝敗を判定する。」(段落【0027】)「また制御部13は、定期的に、記憶部12に格納されたユーザテーブル及び ユニット情報テーブルに基づき、ユーザID毎の強さを算出する。ここで強さ とは、デッキを構成するユニットの攻撃力及び防御力の合計値に基づき定まる値である。換言すると、ユニット情報テーブルに格納されている各ユニットの攻撃力及び防御力等は、ユーザの強さを算出するためのユーザ情報ともいえる。 制御部13は、強さを算出するために、各ユーザIDの有する複数のユニットから少なくとも1つのユニットを抽出する。そして制御部13は、抽出したユ ニットによりデッキを構成するものとして、抽出したユニット全ての攻撃力及び防御力の合計値を算出する。制御部13は、算出した合計値に基づく強さを記憶部12に格納する。好適には制御部13は、ユーザID毎の強さを含む強さテーブルを記憶部12に格納する。なお制御部13は、定期的にユーザID毎の強さを算出するために、タイマー(不図示)等により、所定の時間間隔毎 にユーザID毎の強さを算出する。例えば所定の時間間隔は、8時間である。」(段落【0028】)「図3は、制御部13が記憶部12に格納する強さテーブルの例を示す。例えば強さテーブルには、ユーザID“0 ーザID毎の強さを算出する。例えば所定の時間間隔は、8時間である。」(段落【0028】)「図3は、制御部13が記憶部12に格納する強さテーブルの例を示す。例えば強さテーブルには、ユーザID“001”と、デッキを構成するユニットの攻撃力及び防御力の合計値“7000”とが対応付けて格納される。また強さ テーブルには、当該合計値と、後述する設定テーブルとに基づき定められる強さが格納される。例えば、ユーザID“001”の強さとして“3”が格納される。なお、図3の強さテーブルは、攻撃力及び防御力の合計値を含んでいるがこれに限られず、強さテーブルは、ユーザID及び強さのみを含むようにしてもよい。」(段落【0031】) 「図4は、設定テーブルの例を示す。設定テーブルは、システム動作前に予め記憶部12に格納される。設定テーブルには、強さとその定義、すなわち攻撃力及び防御力の合計値の範囲が格納される。例えば、攻撃力及び防御力の合計値の下限値が“6000”であり、上限値が“8999”の範囲が強さ“3”として定義される。」(段落【0032】) 「そして制御部13は、通信端末2からユーザIDを含む対戦要求を受信した 場合、該ユーザIDに対応する、記憶部12に格納された強さを基準に、所定範囲の強さのユーザIDを選択して対戦相手リストを作成する。具体的には制御部13は、強さテーブルに基づき、対戦要求に含まれるユーザIDに対応する強さを取得する。続いて制御部13は、対戦範囲テーブルに基づき、当該強さに対応するユーザIDの一部を選択して対戦相手リストを作成する。そして 制御部13は、通信部11を介して当該対戦相手リストを通信端末2に送信する。すなわち、対戦要求に含まれるユーザIDの強さと同一の強さの範囲内のユーザIDの して対戦相手リストを作成する。そして 制御部13は、通信部11を介して当該対戦相手リストを通信端末2に送信する。すなわち、対戦要求に含まれるユーザIDの強さと同一の強さの範囲内のユーザIDのうち、自己を除くユーザIDを選択して対戦相手リストとする。 例えば、ユーザID“001”を含む対戦要求を受信した場合、制御部13は、強さテーブルに基づき、当該ユーザIDに対応する強さ“3”を取得する。続 いて制御部13は、対戦範囲テーブルに基づき強さ“3”に対応するユーザID“001”、“003”、“008”、“020”を取得する。そして制御部13は、このうち自己のユーザID“001”を除くユーザID“003”、“008”、“020”を含む対戦相手リストを、通信端末2に通信部11を介して送信する。」(段落【0034】) ⑵ 実施の形態2に関する記載「図7は、対戦ゲームサーバ1の記憶部12に格納される設定テーブルの例である。実施の形態2においては設定テーブルに、所定の“強さ”と、“合計値下限値”と、“合計値上限値”と、“強さ下限値”と、“強さ上限値”と、“弱者割合”と、“強者割合”とが格納される。“合計値下限値”と“合計値上限 値”は、実施の形態1と同一であるため説明は省略する。“強さ下限値”とは、所定の強さのユーザに送信する対戦相手リストに含める強さの下限値を表す。 “強さ上限値”とは、所定の強さのユーザに送信する対戦相手リストに含める強さの上限値を表す。“弱者割合”とは、対戦相手リストに含まれる所定の強さ未満のユーザIDの割合を表す。“強者割合”とは、対戦相手リストに含ま れる所定の強さを超過するユーザIDの割合を表す。」(段落【0052】) 「例えば、図7に示す設定テーブルでは、強さ“3”について 表す。“強者割合”とは、対戦相手リストに含ま れる所定の強さを超過するユーザIDの割合を表す。」(段落【0052】) 「例えば、図7に示す設定テーブルでは、強さ“3”について、強さ下限値は“1”、強さ上限値は“4”である。これは、強さ “3”のユーザに対しては、強さが“1~4”のユーザIDを対戦相手として選択し対戦相手リストを作成することを意味する。また、強さ“3”については、弱者割合は“50%”であり、強者割合は“10%”である。これは、対戦相手リストに、強さが“1 ~2”のユーザIDが50%、強さが“4”のユーザIDが10%、強さが“3”のユーザIDが残りの40%含まれることを意味する。」(段落【0053】)「好適には、強さが所定値以下である場合、強さ下限値及び強さ上限値をそれぞれ、当該強さと同一の値にする。例えば当該所定値は強さ“1”である。この場合、強さ下限値及び強さ上限値をそれぞれ“1”に設定する。強さ下限値 及び強さ上限値をそれぞれ“1”にする替わりに、弱者割合及び強者割合を0%に設定してもよい。このようにすることで、例えば強さが所定値以下、具体的には“1”等のユーザは、同一の強さのユーザと対戦するように構成してゲームの難度を低くし、ユーザのゲームに対する興味を増大又は維持することができる。」(段落【0054】) 「また好適には、強さが第一の閾値以上である場合、第一の閾値未満の場合よりも対戦相手リストに含まれるユーザIDに係る強さの範囲を広く設定してもよい。例えば当該第一の閾値は、“5”である。このようにすることで、第一の閾値以上の強さのユーザは、より強い又は弱いユーザと対戦する確率が増大することで、対戦ゲームの難度を変化させ、ユーザのゲームに対する興味を増 大又は維持す である。このようにすることで、第一の閾値以上の強さのユーザは、より強い又は弱いユーザと対戦する確率が増大することで、対戦ゲームの難度を変化させ、ユーザのゲームに対する興味を増 大又は維持することができる。」(段落【0055】)「更に、強さが第二の閾値以上である場合、第二の閾値未満の場合よりも強者割合を高く設定してもよい。例えば当該第二の閾値は“6”である。このようにすることで、全ユーザの中において相対的に強いユーザについては、自己よりも強いユーザと対戦する確率を高くすることで、容易に勝つことができない ようにして対戦ゲームへの興味を増大又は維持することができる。」(段落【0 056】)「図8は、実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1の記憶部12に格納される対戦範囲テーブルの例である。例えば強さが“3”に関しては、ユーザID“001”、“003”、“002”、“006”とが含まれる。ここでユーザID“002”に係る強さは2であり、ユーザID“006”に係る強さは4である。 すなわち、強さ“3”とは異なる強さのユーザIDが、対戦相手リストに含まれることになる。」(段落【0057】)「そして制御部13は、通信端末2からユーザIDを含む対戦要求を受信した場合、強さテーブルに基づき、対戦要求に含まれるユーザIDに対応する強さを取得する。続いて制御部13は、対戦範囲テーブルに基づき、当該強さに対 応するユーザIDの少なくとも1つを選択して対戦相手リストを作成する。そして制御部13は、通信部11を介して当該対戦相手リストを通信端末2に送信する。」(段落【0058】)「次に、実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1について、その動作を説明する。実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1は、概略として実施の形態1と 手リストを通信端末2に送信する。」(段落【0058】)「次に、実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1について、その動作を説明する。実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1は、概略として実施の形態1と同 一の動作をするが、ステップS3において記憶部12に格納する対戦範囲テーブルが異なる。ステップS3以外の動作は実施の形態1と同一であるため説明は省略する。」(段落【0059】)「実施の形態2に係る対戦ゲームサーバ1の制御部13は、ステップS3において、強さテーブルと、設定テーブルとに基づき、強さ毎にユーザIDを対応 付けた対戦範囲テーブルを記憶部12に格納する。具体的には制御部13は、設定テーブルにおける“強さ下限値”と、“強さ上限値”と、“弱者割合”と、“強者割合”とを参照し、強さテーブルから、所定範囲の強さのユーザIDを抽出する。そして制御部13は、抽出したユーザIDにより対戦範囲テーブルを作成し、記憶部12に格納する。」(段落【0060】) 「このようにすることで、対戦要求に含まれる強さとは異なる強さのユーザI Dを一部対戦相手リストに含めることにより、対戦相手との強さに一定のばらつき、つまり、ゆらぎを含ませ、対戦ゲームの難度が変化するため、ユーザのゲームに対する興味を増大させることができる。つまり、本実施の形態によれば、所定の範囲内において対戦相手を抽出することで、全ユーザの中から対戦相手をランダムに抽出する場合に比べて、対戦相手間の強さに大差が出てしま うことが少ない。従って、ユーザの強さに応じた適切な範囲の中で対戦相手が選出されることとなり、勝敗がすぐについてしまうことを低減できるので、ゲームの利用をより継続することができる。」(段落【0061】) 適切な範囲の中で対戦相手が選出されることとなり、勝敗がすぐについてしまうことを低減できるので、ゲームの利用をより継続することができる。」(段落【0061】) 【図1】実施の形態1の対戦ゲームシステムのブロック図 【図2】実施の形態1のユーザテーブル及びユニット情報テーブルの例 【図3】実施の形態1の強さテーブルの例 【図4】実施の形態1の設定テーブルの例 【図7】実施の形態2の設定テーブルの例 【図8】実施の形態2の対戦範囲テーブルの例
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