- 1 -主文原判決を破棄する。 被告人株式会社KKを罰金2億円に,被告人甲を懲役2年及び罰金300万円に,それぞれ処する。 被告人甲においてその罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間,同被告人を労役場に留置する。 被告人甲に対し,この裁判確定の日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。 被告人甲から金11億4900万6326円を追徴する。 原審及び当審における訴訟費用は被告人両名の連帯負担とする。 理由 ,,,,,本件控訴の趣意は主任弁護人川原史郎弁護人小林充同則定衛同奥田洋一,,,同中島章智同溝口哲史同森田亜希子連名作成の控訴趣意書記載のとおりでありこれに対する答弁は,検察官中原亮一,同高橋久志連名作成の答弁書記載のとおりであるから,これらを引用する。 第1原判決と弁護人の論旨原判決は「被告人株式会社KK(以下「被告会社」という)は,投資顧問業,。 者として関東財務局長の登録を受けるとともに,内閣総理大臣から投資一任契約に係る業務を行うことの認可を受けて投資事業組合等と投資一任契約を締結して同契約に係る業務を行っていたもの,被告人甲(以下「被告人」という)は,被告会。 社の取締役であり実質的経営者であったものであるが,被告人は,被告会社の業務及び財産に関し,平成16年11月8日ころ,株式会社NN代表取締役兼最高経営責任者であったbらから,同人らがその者の職務に関し知った,同社の業務執行を決定する機関が,同社において東京証券取引所市場第2部に上場されていた株式会社PPの総株主の議決権数の100分の5以上の株券等を買い集めることについての決定をした旨の公開買付けに準ずる行為の実施に関する事実の伝達を受け,同事,,実の公表前に同株券を買い付けて利益を得ようと企て法定の除外事由がな 100分の5以上の株券等を買い集めることについての決定をした旨の公開買付けに準ずる行為の実施に関する事実の伝達を受け,同事,,実の公表前に同株券を買い付けて利益を得ようと企て法定の除外事由がないのに同事実の公表前である同年11月9日から平成17年1月26日までの間,A証券会社等を介するなどして,東京都中央区日本橋兜町2番1号所在の東京証券取引所市場第2部等において,PPの株券合計193万3100株を価格合計99億52- 2 -16万2084円で買い付けた」との事実を認定し,被告会社を罰金3億円に,。 被告人を懲役2年及び罰金300万円にそれぞれ処し,被告人から金11億4900万6326円を追徴するなどの刑を言い渡した。 これに対し,弁護人は,控訴趣意として,①法令の適用の誤り,②事実誤認,③量刑不当を主張している。 第2法令の適用の誤りの論旨について 「決定」に関する法令の適用の誤りの論旨について論旨は,要するに,原判決は,平成18年法律第65号による改正前の証券取引法167条2項(以下「証券取引法167条2項」という)にいう「決定」にお。 いて「公開買付け等が確実に実行されるとの予測が成り立つことは要しないと解,するのが相当である。すなわち,実現可能性が全くない場合は除かれるが,あれば足り,その高低は問題とならないと解される」と判示し,また「その実現可能。 ,性がなかったとはいえなかった」という事実が認められれば十分であると判示しているが,この「決定」は,その実現の可能性が投資者の投資判断に影響を及ぼし得る程度には存在することを要し,その程度の可能性もない場合は含まれないと解すべきであるから,原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の適用の誤りがある,というのである。 そこで,検討すると,公開買付け等を行おうと を要し,その程度の可能性もない場合は含まれないと解すべきであるから,原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の適用の誤りがある,というのである。 そこで,検討すると,公開買付け等を行おうとする者が行った当該「決定」が証券取引法167条2項にいう「決定」に該当するか否かは,証券市場の公正性と健全性に対する信頼を確保するというインサイダー取引規制の理念に沿って当該決,「定」が,投資者の投資判断に影響を及ぼし得る程度のものであるか否かを,その者「」,,の当該決定に至るまでの公開買付け等の当否の検討状況対象企業の特定状況対象企業の財務内容等の調査状況,公開買付け等実施のための内部の計画状況と対外的な交渉状況などを総合的に検討して個別具体的に判断すべきであり「決定」,の実現可能性の有無と程度という点も,こうした総合判断の中で検討していくべきものである。なぜなら,同項に規定する「決定」が,会社の機関による最終的な決議を意味する一義的なものではなく『・・・公開買付け等を行うことについての,決定』という文言が用いられている幅のある概念であり,抽象的,一般的な方針の検討から会社の機関による最終的なものに至るまで種々のレベルの決議があり得るのであり,それが,同項に規定する「決定」に該当するか否かは,一義的,形式的- 3 -に判断できるものではなく,どうしても,上記のようなそれが投資者の投資判断に影響を及ぼし得るものであるか否かという観点から実質判断をしなければならないのであるが,その検討過程においては,その検討対象としての決議が果たして実現可能か否かという問いかけは,それがいかなるレベルのものであれ,常に問題となるのであり「実現可能性」は,上記実質判断の検討過程における重要な指標とし,て機能すべきものであるからである。 そして 現可能か否かという問いかけは,それがいかなるレベルのものであれ,常に問題となるのであり「実現可能性」は,上記実質判断の検討過程における重要な指標とし,て機能すべきものであるからである。 そして,上記の観点から見ると,証券取引法167条2項の「決定」に該当するといえるためには,決定に係る内容(公開買付け等,本件でいえば,大量株券買集め行為)が確実に行われるという予測が成り立つことまでは要しないが,その決定にはそれ相応の実現可能性が必要であると解されるその場合まず内部的に主。 ,,(観的に,実質的に会社の意思決定と同視されるような意思決定のできる機関にお)いて,それ相応の根拠を持って実現可能性があるものと判断している必要がある。 しかし,この「決定」に該当するか否かの判断に当たっては,投資者の投資判断に影響を及ぼすものであるか否かという点が重要な判断要素となるのであるから,第三者の目から見ても(客観的にも,実現可能性があるといえるか否かについても)検討しなければならない。すなわち,主観的にも客観的にも,それ相応の根拠を持ってその実現可能性があるといえて初めて,証券取引法167条2項の「決定」に該当するということができるのである。 本件で問題となっているのは,NNの大量株券買集め行為についての資金調達の面からの実現可能性ということであるが,このような資金面での手当ても含めて,「実現可能性」の問題は,以上のような理解のもとに見ていく必要がある。その観点からは,原判決が「公開買付け等が確実に実行されるとの予測が成り立つこと,は要しないと解するのが相当である。すなわち,実現可能性が全くない場合は除かれるが,あれば足り,その高低は問題とならないと解される」と判示し,また,。 「その実現の可能性がなかったとはいえなかった」という事実が認め るのが相当である。すなわち,実現可能性が全くない場合は除かれるが,あれば足り,その高低は問題とならないと解される」と判示し,また,。 「その実現の可能性がなかったとはいえなかった」という事実が認められれば十分であると判示したことについては「公開買付け等が確実に実行されるとの予測が,。」,成り立つことは要しないと解するのが相当であるとしたところは正当としてもその余の判断については必ずしも賛同できない。 ,,,,なお検察官は我が国の証券取引法はいわゆるバスケット条項の場合以外は軽微基準に該当する場合を除き,会社関係者または公開買付け等関係者から「重,- 4 -」「」「」,,要事実または公開買付け等事実の伝達を受けて当該事実を知れば当然投資者の投資判断に影響を及ぼすべき性質の事実を知った者として,インサイダー取引規制を受けるという法的枠組みを採っているから,投資者の投資判断に実際に影響を及ぼすか否かという検討は不要であって,原判決の解釈は正当であると主張している。確かに,証券取引法が,インサイダー取引規制に関し,前記のような観点から構成要件の客観化を図っていることは検察官の主張のとおりでありその決,「定」が会社の機関による最終的な決議に近づけば近づくほど,法が当然に「投資者の投資判断に影響を及ぼす」と予定しているとして,これに該当するか否かの実質的な判断をするまでの必要性が薄れることはいうまでもないところである。しかしながら,同項が「決定」について,前記のとおり『・・・公開買付け等を行うこ,とについての決定』という文言を用い,一義的ではなく,様々な段階における幅のある決定を含む概念として規定をしている以上,これに該当するか否かに関する個,,別具体的な判断はどうしても必要となってくるのであり の決定』という文言を用い,一義的ではなく,様々な段階における幅のある決定を含む概念として規定をしている以上,これに該当するか否かに関する個,,別具体的な判断はどうしても必要となってくるのでありこの場合の判断の基準は前記のとおりインサイダー取引規制の趣旨に則って解すべきである。そして,その限度において,個別的な判断となることはやむを得ないのであって,法は当然にこのことを予定しているというべきである。 以上のとおりであり,原判決の上記のような判断が,法令の適用の誤りとして,判決に影響を及ぼすか否かについては,認定した事実関係を踏まえた上での総合的な検討が必要となるが「決定」について上記のように解したとしても,後記のと,おり,本件における「決定」は,証券取引法167条2項にいう決定に該当するものと認めることができるから,原判決には判決に影響を及ぼすまでの法令の適用の誤りはないというべきである。論旨は理由がない。 「共同買集め」について論旨は,要するに,原判決認定のとおりであるとすると,被告人による本件買集めは,証券取引法で許容されている「共同買集め」に該当するものであり,インサイダー取引規制の対象となるものではないから,原判決には法令の適用の誤りがあり,その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかである,というのである。 そこで,検討すると,弁護人の主張する「共同買集め」が認められる余地のないことは,原判決説示のとおりである。被告人は,原審及び捜査段階において,PP株の買付けを行った当時,共同買集めないし応援買いをしているという考えが全く- 5 -なかった旨供述し(被告人・原審第25回48ないし50頁,甲13,さらに,)平成16年11月8日の会議(後述)において,cらからPP株を売却せずに保有することを約束するよう求められた際にも, -なかった旨供述し(被告人・原審第25回48ないし50頁,甲13,さらに,)平成16年11月8日の会議(後述)において,cらからPP株を売却せずに保有することを約束するよう求められた際にも,これに応じておらず,NNを共同保有者とする大量保有報告書も提出するつもりがなかった旨供述している(被告人・原審第23回87ないし90頁,甲9,甲13)のであるから,被告人が,共同買集めをする目的をもってPP株の購入をしたものとは認めることができず,被告人の買付行為が弁護人の主張するような共同買集めに該当しないことは明らかである。 論旨は理由がない。 追徴について論旨は,要するに,原判決は,平成17年法律第87号による改正前の証券取引法198条の2第2項,1項2号,1号を適用し,被告人から11億4900万6326円を追徴する旨の判断を行っているが,これはその挙示する法令の解釈適用を誤ったものであり,その誤りは判決に影響することが明らかである,というのである。 そこで,検討すると,原判決は,本件犯行によりLLファンドを構成する各ファンド(B,C,D)名義で買い付けたPP株193万3100株について,各ファンドに対する被告人(QQを含む)の共有持分がある場合,その共有持分割合に。 相当する財産部分を没収又は追徴の対象とすべきという考え方に基づき,本件犯行前に買い入れたPP株がある場合には先入れ先出し法により本件犯行により取得したPP株とこれに相応する売付株式を特定した上,被告人が得た経済的利益を合計(,,11億4900万6326円と算出してこれを追徴しているなおBに関しては被告人の出資はなく,没収,追徴の対象となるものはないとしている)のである。 が,被告人が得た財産の価額の計算としては合理的で正当である。 所論は,先入れ先出し法の計算をす 徴しているなおBに関しては被告人の出資はなく,没収,追徴の対象となるものはないとしている)のである。 が,被告人が得た財産の価額の計算としては合理的で正当である。 所論は,先入れ先出し法の計算をするにあたって,規制期間以前から保有していた株との関係を考慮することは,①最高裁平成14年2月13日大法廷判決(民集56巻2号331頁)の判示する証券取引法164条の立法趣旨を無視し,規制期間の終期に関する定めをもって規制期間前の取引を規制対象にする根拠としようとする不合理な解釈である,②課徴金の計算においても,規制期間前の取引は計算から除外されるのであり,この点からも,規制期間前の取引を対応関係の対象とすべきではない,③規制期間以前の保有を考慮すると実質的にも不合理な結果をもたら- 6 -す,などとして,先入れ先出し法の適用期間を本件規制期間中(平成16年11月9日以後)に限って適用し,規制期間以前に保有していた株との対応を考慮する必要がない旨主張しているのであるが,この点については,原判決が「本件で問題,となっているのは,複数回に分けて購入された株式が,やはり複数回に分けて売却された場合,売った株式をいつ買った株式とみなすかという問題であり,買った順番に売られたとみるのが自然な見方であるという見解の当否である。本来,買い付けた株式には,規制期間の前後を問わず,それ自体個性はないのであるから「み,なし」の要素があるにしても,当該株式の売付けの時期に着目し,これによって特。」。 定するのが最も合理的な方法であると考えられるなどと説示するとおりである論旨は理由がない。 第3事実誤認の論旨について(以下,本判決末尾の略語表に基づいて個人名等を表示する)。 論旨とその検討順序について論旨は,要するに,原判決には,その前提事実の認定に ある論旨は理由がない。 第3事実誤認の論旨について(以下,本判決末尾の略語表に基づいて個人名等を表示する)。 論旨とその検討順序について論旨は,要するに,原判決には,その前提事実の認定につき,看過することのできない多数の事実誤認があり,その結果,原判決が,①本件において,証券取引法167条2項の「決定(以下,単に「決定」ということもある)が存在しない」。 のに,これが存在すると認定し,②被告人が,平成16年11月8日ころ,bらから前記決定をした事実の「伝達」を受けた事実はないのにこれを受けたと認定し,③被告人には,前記「決定」及びその「伝達」に関する認識がなく,故意が認められないのに,これを認定したのは,いずれも事実を誤認したものであり,これらの事実誤認が判決に影響を及ぼすことは明らかである,というのである。 ,,,そこで原審記録を調査し当審における事実取調べの結果も併せて検討するがまず,時間の経過に従いながら,PP株取得に向けての平成16年11月8日までのNNにおける検討状況等,さらに,その後のNN,LLファンド双方の動き等の事実経過を検討し,それを踏まえて,NNによる「決定」の有無を検討し,それに続いて,その「伝達,被告人の「故意」の有無について検討することとする。 」 事実経過(1)LLファンドの概要,NNの概要,OOテレビとPPの株式所有関係,PP株をめぐる平成16年9月15日までのLLファンドの活動状況以上の諸点についての概要は,原判決が認定しているとおりである。なお,被告- 7 -人は,平成16年9月10日のOOテレビによる銀行5行からのPP株取得の発表,,を受けてOOテレビが株主総会までにPPを子会社化する可能性がかなり高まり更なる買増しについてのリスクも減ったものと判断した。そして,同月14日 OOテレビによる銀行5行からのPP株取得の発表,,を受けてOOテレビが株主総会までにPPを子会社化する可能性がかなり高まり更なる買増しについてのリスクも減ったものと判断した。そして,同月14日開催のMMの取締役会において,平成17年開催のPPの定時株主総会に向けてプロキシーファイトのためのLLファンド自体による買増し及びその援軍への株式取得の働き掛けを行うという方針が確認された(甲9,原審弁1資料91。 )(2)平成16年9月15日会議の状況被告人は,NNのbに対し,PPの件に関して面談を求め,平成16年9月15日,同社との会議がセットされた(甲48の資料1。被告人及びdは,同日午前)9時ころ,NNを訪問し,その会議室で,b及びcに対し,持参した「N社について」と題する資料(原審弁1の資料92(以下単に「N社について」という。ただし6頁目を除く。d・原審第18回16頁)を用いて,PPに関する説明を行。)った。同資料には,Eグループが複雑な資本構成になっており,PPは「OOテ,レビの株式1373億円」を所有してOOテレビの株主の議決権の22.5パーセントを保持しておりさらにPPの株主として当方KK及びファンドが約,「()」「18%保有」していることなどが記載されていた(ただし,被告会社のPP株の保有割合は現実には11.93パーセントであった(甲7。被告人は,前記資料))を用いてb及びcに対し,LLファンドで18%保有しているので,残り3分の1を取れば,PPの経営権も取得できる状況にあるという話をしたが,このような被告人の一連の説明に対し,bは「OOテレビいいですね」などと強い興味を示,。 した。そして,この会議が終了する前ころには,本案件の担当者に,NN側ではe,,をLLファンド側ではeの大学 うな被告人の一連の説明に対し,bは「OOテレビいいですね」などと強い興味を示,。 した。そして,この会議が終了する前ころには,本案件の担当者に,NN側ではe,,をLLファンド側ではeの大学の同級生であるfをそれぞれ指名することとなり以後,これら担当者間で打合せを行うことになった。 (3)平成16年9月15日以降同年11月8日までのNNの動き(Ⅰ)平成16年9月15日会議直後のNNの動きNNのbは,上記会議における被告人の説明を聞いて,平成17年6月のPP定時株主総会において,LLファンド保有分と合わせてPPの議決権株の過半数を支配して同社の経営権を取得するため,同年3月までにPP株の3分の1を買い集めることに強い興味を示し,同会議の直後に,それに向けて検討することを提案し,cもそれを了解した。そして,それを受けて,その日のうちに,bとcが,gに対- 8 -し,必要となる500億円をAから借り入れるようにとの指示をし,cが,eに対し,fと連絡を取りPPの経営権取得のための具体的方策(スキーム)作りについて検討するようにとの指示をした。そこで,以下,gが担当していた資金調達とeが担当していたスキーム作りの両面について,平成16年9月15日の会議以降同年11月8日までの進捗状況を検討する。 (Ⅱ)資金調達関係ア原判決は,資金調達関係につき「A本体での審査の結果,500億円の融,資は無理であるが,200億円の融資は可能であり,NNがこの融資にかかる資金と自己資金等により取得したPP株を担保とするのが適当と判断されたので,10月19日,hからcとgに対し,200億円のコミットメントライン(融資枠)を設定することの提案がなされた。こうして,この時点で,cとgは,PP株の大量買集めのための資金として,借入資金の200億円とNNの自己資 からcとgに対し,200億円のコミットメントライン(融資枠)を設定することの提案がなされた。こうして,この時点で,cとgは,PP株の大量買集めのための資金として,借入資金の200億円とNNの自己資金100億円余りを確保する見通しを持つに至った」との認定を行っている(原判決49頁。 。 )この点については,所論が,事実誤認であると主張しているので,以下,この所論を検討しながら,この間のNNの資金調達関係を見ていくこととする。 イ資金調達関係の所論について(ア)所論は「A本体での審査の結果,500億円の融資は無理であるが,2,00億円の融資は可能であり,NNがこの融資にかかる資金と自己資金等により取得したPP株を担保とするのが適当と判断された」ことはない旨主張する。 この点について検討すると,原判決の認定にもかかわらず,A本体で前記審査が行われたことを示す証拠は全く見当たらない。g,eの証言中に,A本体での審査に触れた部分は存在せず,hは,A本体で審査が行われたのなら当然に知り得る立場にあったが,hの検察官調書(以下「h調書」という)にも,h証言にも,,。 前記審査に触れた部分はない。cは,9月22日にhが提案を示してきた際,hが「Gもやる気満々である。しかし,審査は通ってない」旨話していたと証言した。 が(c・原審第1回44頁,それ以外にA本体の審査につき触れる証言はしてい)ない。平成16年11月4日付けGメール(hの証人尋問調書添付,hがiに送)った同年10月31日付けメール(以下「h新メール」という。当審弁45)及,びhの当審における証言を併せ考慮すれば,A本体で,原審判示のような審査がなされたことはなかったものと考えられる。この点についての所論の指摘は正当であ- 9 -る。 (イ)所論は「平成16年10月19日,h おける証言を併せ考慮すれば,A本体で,原審判示のような審査がなされたことはなかったものと考えられる。この点についての所論の指摘は正当であ- 9 -る。 (イ)所論は「平成16年10月19日,hからcとgに対し,200億円の,コミットメントライン(融資枠)を設定することの提案がなされた」ことはない旨主張する。 この点について検討すると,gは,原審において,同年10月20日のeのメール(eが,fに宛てた「買収資金の借入れが可能になりました」旨のメール)前」後のNNの資金調達準備状況に関し「同年9月下旬ころ,hから「Gに話した,,ところ,非常に乗り気だった」旨説明されるとともに,融資金額,担保等が記載された提案書を示された,その後,hと,週1回程度,電話で話をしたり,会って話をしたりというような感じであった,10月中旬ぐらいだったと思うが,hから,融資の条件の見直しというようなことで,融資金額200億円をコミットメントラインでどうですかというような提案を受けたという記憶である」旨証言している。 (g・原審第4回17ないし19頁。 )また,cも,原審において,同年11月8日の会議開催のきっかけについて,同年10月8日のeのメールに320億円必要であると記載されていたことを前提として「自己資金が100億ぐらいあって,借入れを200億ぐらいしなければな,らないことから,同年10月19日ころ,gとともにhに会い,hから「200,億程度でしたら,担保も十分ありますし,問題ないと思います」というようなことを言われた,基本的には銀行の方というのは,証券会社の方と違ってコンサバティブにものを言うので,うっかり,大丈夫とかということはあまり言わないから,信用できるかなというふうに思っていた,このようなhの話を受けて,まあ,200億ぐらいだっ ,証券会社の方と違ってコンサバティブにものを言うので,うっかり,大丈夫とかということはあまり言わないから,信用できるかなというふうに思っていた,このようなhの話を受けて,まあ,200億ぐらいだったら平気なのかなと,こちらが判断して,eに「まあ,200ぐら,いだったら行けるよ」ということを伝え,eが「お金の準備ができたら先方とアポ」,。」を入れますというふうに言ってeが甲さん側とアポを入れたという経緯がある旨証言している(c・原審第1回76ないし78頁。 )さらに,hは,原審において「NNに融資をするとすればコミットメントライ,ン,つまり200億円の枠内で自由に融資や返済ができるという形にするというような話はありましたか」との質問に対し「株を買った分だけローンを出してい。 ,くというような,こういう枠の考え方が1つあります。そういう説明はしてると思います「当時,NNさん,ああいう非常に勢いのある会社ではあったと思うん。」,- 10 -ですが,H球団の買収を見ても案件自体が非常に途中で終わってしまう,若しくは例えばローンの申請でオーケーが出たとしても,実際は買わないと,そういう可能性を私は非常に強く感じてましたので,ローンの申請が出て契約を交わす段階で,コミットメントラインで融資枠の設定料というような形で,銀行が収益を得るべきだと思ってましたので,そういう意図もあってコミットメントラインというお話はしたと思います」などと供述している(もっとも,hは,その話をしたのは,9。 月15日か22日のミーティングの時であったと供述する。h・原審第7回20ないし21頁。 )これに対し,cは,当審において,eの10月20日のメールについて思い当たることとして「eさんから「借入れ大丈夫ですか」ということを聞かれた,そ,,のときに ・原審第7回20ないし21頁。 )これに対し,cは,当審において,eの10月20日のメールについて思い当たることとして「eさんから「借入れ大丈夫ですか」ということを聞かれた,そ,,のときに「gさんに聞いたら200億くらいは何とかなるかもしれないと言って,いるんですけど,どうですかね」と言われたので「まあ,gさんが言っているん,だったら大丈夫じゃない」と,あいまいな言い方で言った,その後,eから,言。 葉の端々まで覚えていないが「ミーティング,セットします」ということを言,。 われた記憶がある」などと,おおむね原審と同旨の証言をする一方(c・当審第。 3回7ないし8頁,10月19日ころにhと面談した状況について「その用件),は「Iの株の譲渡の処理」であり,その際,PP株の融資の件に関する話は,後,半に少しだけ出たものであり,帰り間際のことであった」など(c・当審第3回。 6頁)と証言するほか,11月8日の段階では資金調達のめどは立っていないと認識していた旨(c・当審第3回52頁)証言するなど,原審証言とは若干くい違う供述もしている。 さらに,hは,当審において,平成16年9月22日以降,NN側は「PPの,株の件に関して言うと,全くアクティブではなくて棚上げになっていた状態でございます」などと証言するほか,同年10月19日にc及びgと会った用件は,一。 審で証言したとおり,IあるいはJの件だった旨証言する(h・当審第1回12ないし14頁。また,hは,同年9月22日における同人の提案内容について,こ)れも一審で証言したのと同様「ローン(の申請)の前に(300億円程度の)エ,クイティ・ファイナンスありきですので,それをやっていただかないと,ローンの申請すらできないということになるかと思います」と証言する(h・当審第1回 「ローン(の申請)の前に(300億円程度の)エ,クイティ・ファイナンスありきですので,それをやっていただかないと,ローンの申請すらできないということになるかと思います」と証言する(h・当審第1回。 20頁。 )- 11 -この点に関して関係者らが供述するところは,おおよそ以上のとおりである。同年10月19日に,hが200億円のコミットメント枠の提案を行ったか否かは,前記各証言だけではなく,その他の客観的証拠等とも対比しながら検討する必要がある。 まず,①c及びgは,同年9月15日の会議後の午後7時30分ころ,hと面談し,同人に対し,PP株買集めのため,500億円の借入れを依頼したところ,hは「是非うちでやらせてください」などと答えたこと(甲49号証添付資料1,。 (cのスケジュール,甲57号証添付資料1(gのスケジュール,c・原審第))1回39ないし43頁,g・原審第4回13ないし16頁,h・原審第7回3ないし5頁,②hは,前記依頼を受け,同日午後9時46分ころ,A・K支店に出張)中のiに電話をして前記依頼内容を伝えるとともに,同日午後10時8分ころには((),同人あてに資料をファクシミリ送信したこと甲62号証添付資料4通話記録h・原審第7回7ないし9頁)が認められる。これらの事実によれば,hが,NNからの融資の依頼を受けて,前向きな姿勢を示していたことは明らかである。 ところが,その後の経過をみると,①h新メールによれば,A内部での審査が進まないので,hから上司のiに検討を促していること,②原審のh証言の際に言及された11月4日付けメールは,GがA内のCSAPという特殊案件を扱うセクションにおいてせいぜい融資可能額は40億円としており,融資金額200億円のコミットメントラインなどという金額には遠く及んでいないこ 11月4日付けメールは,GがA内のCSAPという特殊案件を扱うセクションにおいてせいぜい融資可能額は40億円としており,融資金額200億円のコミットメントラインなどという金額には遠く及んでいないこと,③NNの融資に関してA本体での審査が行われたような状況がうかがわれないこと,④同年11月8日以降のhの行動について(a)同月19日及び同年12月2日,M銀行jとの,間で,本件のためのシンジケートローン(協調融資)の実現を目指して,秘密保持に関する覚書の内容をメールの受送信により検討していること(甲62号証添付資料6,7,8及び9(b)同月6日,c及びgに対し「大きなローンの話です),,が,日本の銀行の挿む候補として,O銀行がいいのではないかと思い,今日ミーティングしました「実質外資系でフレキシブルな感じの同銀行はいい候補だと思。」います。彼らにCAを作らせますので,締結後,ミーティングをセットさせてください」などとメール送信したこと(甲48号証添付資料41(c)同月7日,。 ),O銀行のkから,メールにより,本件に関連する秘密保持契約書の案を受信していること(甲62号証添付資料10(d)hが,同日,c及びgに対し「O銀行),,- 12 -のCAドラフトをお送りします。また,M銀行が社長交代もあって,非常に積極的に言ってきています。ターゲット会社の取引銀行でも「やりようがある」らしく,進めさせて欲しいと」などとメール送信している(甲48号証添付資料42)こ。 とが認められ,こうしたhの行動は,Aによる融資がうまくいかないことから,何とか他の方法によって融資が実現できないかh自身が懸命に奔走していることを推測させること,以上の各事実が認められる。 以上の各事実に加え,本件案件はそもそも敵対的買収を目的とするものであり, ら,何とか他の方法によって融資が実現できないかh自身が懸命に奔走していることを推測させること,以上の各事実が認められる。 以上の各事実に加え,本件案件はそもそも敵対的買収を目的とするものであり,また,仮にPP株を担保とするにしても同株は流動性に乏しく,本件融資については貸し付ける側のリスクが大きいこと,hとNN側との間に融資の返済時期に関するやりとりなどが具体的に行われていないことを併せ考慮すると,平成16年10月19日までの段階で,hとc,gとの間において200億円の貸付けに関係する話題が交換されたこと,hから銀行が収益を上げる手段などとしてコミットメントライン(融資枠)を設定するとのアイデアが出されたこと,そして,hがNNの融資申し入れに対して相当に前向きな姿勢を示していたことまでは認められるものの,hが,200億円のコミットメントラインを現実に契約締結の可能なレベルのものとして具体的に提案することができる状況であったとはおよそ考え難い。hがc,gに話した内容というのは,ローンの枠組みに関する1つのアイデアとして言及されたに過ぎないもの,と認めるのが相当である。なお,このような融資に関する話の行われた日にちについては,同年10月19日である可能性が高いが,少なくとも,hがNNを訪れたこの同年10月19日に(h来訪の主たる目的が本件資金調達に関するものでなかった可能性は否定できないとしても)本件融資に関しての話がなされたことは明らかと思われる(当審におけるc証言は,その点を裏付けているといってよい。 。)そうすると,c及びgが,資金調達に関してhから具体的な提案を受けていたと認めることはできず,同人らが,Aを通じて確実に融資を受けられるとの見通しを持っていたとまではいい難いように思われる。しかし,同月20日にeメールが出され, に関してhから具体的な提案を受けていたと認めることはできず,同人らが,Aを通じて確実に融資を受けられるとの見通しを持っていたとまではいい難いように思われる。しかし,同月20日にeメールが出され,NNの主導によって,同年11月8日の会議が設定されるに至っているのであるから,このような経過に照らせば,hの前向きな姿勢(そして,それなりに具体性を持ったアイデアの提示)を見て,c及びgらが自らの感触(見込み)によって,その程度の金額であれば融資を受けることが可能ではないかと判断したものと- 13 -考えられる。これを,元に戻って,原審判示の当否を考えてみると「cとgは,,PP株の大量買集めのための資金として,借入資金の200億円とNNの自己資金100億円余りを確保する見通しを持つに至った」といい切るには,断定的過ぎ。 て躊躇が感じられるが「見通し」という言葉を何とか資金を確保できそうだとの,「感触「見込み」などと置き換えれば,そのような感触(見込み)を持つに至っ」たとまでは認定することができると思われる(手許資金等による資金調達については後述。 )(ウ)同年11月8日段階におけるNNの手許資金等による資金調達力について同年9月末時点で,NNの現預金資産は,連結で約454億円,NN単体で約309億円であった(甲47。そして,NNは,同年9月16日,500億円のユ)ーロ転換社債の発行をP証券から提案されていたほか,同年12月までに複数の証券会社からも数百億円規模の資金調達の提案を受けていた(甲66。他方,同年)9月期の連結キャッシュ・フロー計算書によれば,NNのフリー・キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フロー+投資キャッシュ・フローで,自由に処理できるキャッシュを示す)は約26億円であった(原審弁1資料126。cは,原審に。 ) 計算書によれば,NNのフリー・キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フロー+投資キャッシュ・フローで,自由に処理できるキャッシュを示す)は約26億円であった(原審弁1資料126。cは,原審に。 )おいて「NNが企業買収に最大どれぐらい手元資金から使えるというふうに考え,ておったんでしょうか」との質問に対し「明確に幾らまでという計算はしてま。 ,せんが,事業をやっていたことによる勘で,300億から350億までの間ぐらいは行けると思ってます」と述べ(c・原審第1回60頁,当審においても,こ。 )の証言は事実として当たってはいると述べた上「結論としては,ほかのものすべ,てやめて,何もかも進んでいるものすべてやめて,更に預金担保にして組成したファンドとかもやめて・・やるんだったらやれるという限定付きです「最大でど,。」,。」れだけ使えますかと言われましたんでそのとき使える最大の金額を言いましたと述べている(c・当審第3回13頁。 )(Ⅲ)PP買収に向けたスキーム作りについてアbは,かねてより,既存のメディアとインターネットが融合していくことで大きな相乗効果を発揮することができるとの考えを持っていたが,これはNN社員の共通認識ともなっており,eも同様に考えていた(e・原審第6回8頁,b・原審第21回8頁。 )イeは,fと連絡を取ってPPの経営権取得のための具体的方策について検討- 14 -することを命じられ,平成16年9月15日から数日後に,fとランチミーティングをした。その際,eは「PPを取って,OOテレビも取りたいね」という趣,。 旨の願望を述べた(f・原審第13回2頁。 )ウeは,cに対し,同月18日「OOテレビの件ですが,KKの担当者(f,さん)と話をしたところ,先方はキャッシュインのタイミングと買収 いう趣,。 旨の願望を述べた(f・原審第13回2頁。 )ウeは,cに対し,同月18日「OOテレビの件ですが,KKの担当者(f,さん)と話をしたところ,先方はキャッシュインのタイミングと買収した際にどこまでNNにやらせるかに関して議論中のようです。先方もそれほど急いではいない様子ですが,NN社側の資金調達と平行してスキームをつめていきます。よろしくお願いします」とのメールを送付してfとの打ち合わせ状況を報告した。cは,。 このメールを見て,経営権を取ってもらう話をしておいて,どこまで経営をやらせるかなどと言ってくるLLファンドの態度に立腹した。そして,同月15日の前記「N社について」には「当方に賛同する可能性の高い株主」として「当方+Q+R約30%」と記載されていた(当方」とはLLファンド)ことから「LLフ「,ァンドが30%は堅いと言うのであれば,うちは20%取るだけで経営権をくれないかという都合のいい主張をしてみよう」と考えるに至った(c・原審第3回109頁。 ),,「,,エcは同月22日eに対し資金調達はgさん中心でやっていますのでスキーム中心で進めてください。本ディールのポイントは,どっちに転んでも損をしないところです。 PP株をブロックトレードで20%取得 OOにTOBされればそれに応じる PPのアセットを使ってOOをTOBできればその後NNと合併し,OOのアセットとPPのアセットで借金返済でき,巨大メディア+金融帝国ができあがる。以上が味噌です「社長と我々3名しか知りません。」ので,極秘に進めてください」とのメールを送信した(甲48資料14。 。 )オ同日,eはfに対し「L社のテレビ放送業界における展望」と題する資料,(甲48資料15)の添付されたメールを送信した。同資料は 秘に進めてください」とのメールを送信した(甲48資料14。 。 )オ同日,eはfに対し「L社のテレビ放送業界における展望」と題する資料,(甲48資料15)の添付されたメールを送信した。同資料は「L社の考えるF,社との事業シナジー(放送とネットコンテンツが同時に並ぶメディアの創出)と」いった項目を挙げて,NNがOOテレビの放送事業に進出した場合の事業効果についての項目を列記していたが,NNのOOテレビ経営権獲得までの具体策には何ら触れるものではなかった。これに対し,fは「つぎに,弊社が聞きたいのは,ど,こでL社がどのようにお金を出して,どこで設(ママ)けるかというスキームだと思います。L社としては,この事業ドメインがほしくて,そのために,どういうよ- 15 -うな方法をとっていくかみたいなシナリオを提示してくれるといいです」といっ。 た内容の返信をして,eのプランの具体化を促した(甲48資料16。 )カ同年10月5日,eはfとミーティングを行い,その際,fは,LLファンドの内部資料である「PP(4660)メモ「OO(4676)メモ(甲53」,」資料7)の一部をeに見せ,PPの株主構成などについて具体的に説明した。 キeは,同月8日午後6時59分,bに対し「OOテレビの件ですが,KK,の担当者と話をしました。経営権を取りにいきたいと思います。PP株式をブロックで買取可能なので,買収に入りたいです。KKと共同戦線を張る契約を締結に入ってよろしいでしょうか?また大株主との交渉に入ってよろしいでしょうか?また資金調達として約320億円必要となります。PPの株式KK16.63%1)浮動株が0.2%と少ないためブロックで買取開始買取先はl家と銀行合計18.74%(約320億円)最大で35.37%コントロール可能2) 億円必要となります。PPの株式KK16.63%1)浮動株が0.2%と少ないためブロックで買取開始買取先はl家と銀行合計18.74%(約320億円)最大で35.37%コントロール可能2)PPの経営権を手に入れるとOOテレビの株式22.4%が手に入る。OOテレビの筆頭株主であり,第二位はS5.7%であり,後は5%以下。 3)OOテレビの経営権も奪取。途中でTOB等されたらプレミアムで売り抜けてエグジット」と。 の報告メールを送信した(甲48資料19(なお,同メールで買取先と記載さ)。 れている「銀行」はT,U,Vの3行のことであるが,このメール送信時,同銀行らは既にPP株をOOテレビに売却していたが,eはこれを知らなかった(e・原審第6回39頁ないし43頁。 )。)クこれに対して,bは,同日午後7時11分「Re:OOの件気持ちよ,くいってください。最優先です。日本のAOLタイムワーナー+銀行を作りましょう」とe,c,g宛てに同一内容のメールを送信した(甲48資料19,前記e。 のメールに加え,cのメールとeメールも引用。これに対して,eは,同日午。)後7時35分,bに対し(Ccとしてc,gにも,了解した旨返信した(甲48)資料20。 )ケまた,eは,同月12日午後3時52分「OOの件eです。OOテレビ,の件ですが,KKの担当者がOOテレビのアナリストと会ってきた議事録です。金はあるし,油断しきっているとのことです」とのメールとともに「OOテレビに。 ついてのミーティング2004.10.6」と題する前記f作成の同月6日付け聴取メモをb,c,gにメールで送信した(甲48資料21。これに対して,bは,同月1)- 16 -3日午前10時38分「Re.OOの件いいですね。これが来年最大のディー,ルになり 月6日付け聴取メモをb,c,gにメールで送信した(甲48資料21。これに対して,bは,同月1)- 16 -3日午前10時38分「Re.OOの件いいですね。これが来年最大のディー,ルになりますね」と返信した(甲48資料22。 。 )コこの他,eは,株式公開買付規制関連の法令の調査,諸外国及び日本の類似事例の文献検索等々を行った(e・原審第6回32頁。 )サeは,同月19日ころ,gから銀行借入れと手元資金で300億円の調達は(),,,大丈夫ではないかとの話を聞きe・原審第5回29頁同月20日fに対し「買収資金の借入れが可能になりました。弊社では最優先事項ですので,早急なミーティングのセットと実行をしたいと思っております。弊社社長より急かされています」などと記載したメールを送信し(甲48号証添付資料23,被告人との。 )会議の設定を依頼した。 シfからNNからの会議開催依頼の話を聞いた被告人は,直ちにbに電話し,会議の趣旨を確認したが,bから「もう一度,PPの件,若手に説明してやって,。」,,欲しいとの回答があったためそうであれば再度の営業の機会にしたいと考え会議を設定することを承諾し,その後,同年11月8日に会議が設定された(f・原審第13回19頁,138ないし139頁,被告人原審第23回61ないし63頁,甲9・16ないし17頁。 )スfは,同月5日午後零時9分「月曜のmtg(会合の意)だけど,こちら,,,,。 ,は甲mわたしのほかにdも入ることになりました…明日甲から戦略面の話mから取れる株%などを詳しく説明するようです(資料のとおり,うちと仲良く。 している外人などからは3割はとれるイメージです。その他,取れるところなどの詳細は明日mが説明します)とりあえず,一度にいった ら取れる株%などを詳しく説明するようです(資料のとおり,うちと仲良く。 している外人などからは3割はとれるイメージです。その他,取れるところなどの詳細は明日mが説明します)とりあえず,一度にいったほうがいいという提案は。 昨日いったとおりあるとおもうので,そちらの要望や戦略をぶつければいいと思います」とのメールをeに送信した(甲48資料39。 。 )(Ⅳ)まとめ以上の経過によれば,NNにおいて,買収資金の調達の関係では,hから,営業目的での前向きな話は受けていたものの,具体的な借入れ条件等についての詰めた話は行われてはいなかった。他方,c及びgは,hから具体的な借入れ条件等は未だ示されていないものの,hが無下にこれを断ることなく前向きな対応をしていたことから,自分たちの判断として,手許資金に融資の金額を加えて,200億ないし300億の資金調達は可能であろうと考えていた(そういう感触を得ていた。 。)- 17 -NNの財務状況から見ると手許資金による調達も相当に無理をしたものとなるが,全社を挙げて同資金の調達に取り組めば,不可能な金額ではないと考えていたようである。そして,そのような判断は,かなり見通しの甘い判断と見る余地もないではないが,不当な判断であったということはできない。 ,,,,他方eはfからの情報提供などによりPPの株主構成や株式取得の可能性M&Aをめぐる法律関係と過去の事例,PP株をめぐるOOテレビの動きなどを調査し,必要な資金は320億円程度と判断し,スキームの実現のためにLLファンドと共同戦線を張るための契約締結が必要と考え,その旨をbにメールで送付するなどしていた。ただし,eの調査は,PPの株主構成に関しては,fから提供された情報を鵜呑みにしていたうえ,その情報にも誤りを含んでいるなど,PPの株式取得の 必要と考え,その旨をbにメールで送付するなどしていた。ただし,eの調査は,PPの株主構成に関しては,fから提供された情報を鵜呑みにしていたうえ,その情報にも誤りを含んでいるなど,PPの株式取得のためのスキームとしてはいささか不完全なものであった。しかしながら,e,,,はbから急がされていたこともありLLファンド側との再度の会議を設定してその場でNNの要望や戦略をぶつけることとし,b及びcもこれを了承した。 (4)平成16年11月8日会議について(Ⅰ)同会議の概要(同会議の開催場所及び出席者)平成16年11月8日午後,MMと被告会社の各事務室との間にある第一会議室,,,,,においてLLファンド側からは被告人md及びfがNN側からはb及びcXに所属するg及びeが出席して会議が行われた。同年9月15日の会議と比較すると,同日以降打ち合わせを重ねていたeとfが新たに参加しているほか,LLファンド側からは外国人株主の状況に詳しいm,NN側からはファイナンス部門を担当しているgが新たに参加している。 (説明の内容と資料)この日も,被告人が,前記「N社について」と題する資料を用いて説明を行ったが,外国人株主の状況に関する説明に際して「N社について」の記載内容が最新,のものではなかったためmが一旦離席し,最新の株主状況を示す表を改めて準備し同人がその説明を行った。mは,こうした株主を直接知っており,NNにおいて必。 ,,要であればこれらの株主を紹介することができるとの話をしたさらに被告人が外国人株主は1円でも市場価格から高かったら売るというような発言をしたが,mは,これに対して,外国人株主はターゲットプライスを持っているから必ずしもそ- 18 -うではない,と意見を述べた(m・原審第15回62ないし64頁。 )(T たら売るというような発言をしたが,mは,これに対して,外国人株主はターゲットプライスを持っているから必ずしもそ- 18 -うではない,と意見を述べた(m・原審第15回62ないし64頁。 )(TOBの打診)会議の席上,bが「12月にTOBってどうですか」と発言したり,TOB,。 について質問したが,これに対して,被告人は,Wに対する敵対的TOBの失敗事例を紹介するなどした(c・原審第2回4頁,原審第4回34頁,被告人・原審第23回83頁。 )(経営権取得後の展望)さらに,その場で,PPの経営権が取得できたときに,その子会社をだれが経営するかというような著名ブランドの山分け的な話が出た。具体的には,bがOOテレビとYに興味を持っていると言ったのに対し,被告人は,YはZのnが興味を持っている,AAはおれが取るなどと言った(c・原審第2回・4ないし5頁,被告人・原審第23回89,90頁。 )(LLファンド所有のPP株について保有し続けることなどに関する契約締結の申し出)NN側からは,PP株を購入した場合に,LLファンドがPP株の18%保有し,。 続けることを約束する契約を締結しそれを書面にしてほしいとの要望が出されたこれに対し,被告人は「それはできない。おれを信じろ」などと言ってこの申,。 (,)。 し出を断ったc・原審第2回23ないし24頁被告人・原審第23回87頁(Ⅱ)資金準備状況についての言及この点に関して,cは,原審において,11月8日会議で,自分自身が「資金,のめどが立ちましたので,具体的に進めさせていただきたいんですけど」と発言。 したほか,被告人から「金,大丈夫か」と聞かれたので,自分自身が「大丈夫,。 ,です。Aで借入れ何とかしますんで」などと答えた旨を証言している(c・原審。 第2回3頁,1 んですけど」と発言。 したほか,被告人から「金,大丈夫か」と聞かれたので,自分自身が「大丈夫,。 ,です。Aで借入れ何とかしますんで」などと答えた旨を証言している(c・原審。 第2回3頁,15頁。しかし,当審では,この点の明確な記憶,具体的な記憶は)ない旨証言した。 すでに検討したとおり,Aからの融資の件については,hが前向きな対応を行っていたものの,具体的な融資条件の詰めなどは行われておらず,融資そのものの実。 ,施が実際に可能であるか否かの確答も得られていない状況であったしかしながら前記のとおり,c及びgは,自分たちの判断として200億円ないし300億円の(),調達は可能ではないかとの見込み感触を持っていたものと認められるのであり- 19 -cは,当審においても,自分の行動パターンからして,営業としてこうした発言をすることは考えられる旨を述べていることからすると,cにおいて,原審で供述する程度の発言をしたことは十分に考えられるというべきである。 ただし,その後,被告人は,そのc発言の裏をとる(Aの融資について調査するようなこと)など,この発言に対応した具体的な動きをみせていない(被告人・原審第23回93頁,e・原審第5回45頁)のであり,被告人が,cの前記発言をcの営業トークと見て100パーセントは言葉どおりに受け取っていなかった可能性は存する。しかし,cらが資金の調達に向けて具体的に動いていることは被告人にも十分伝わったはずである。 (Ⅲ)c及びbによる決意表明この点に関して,cは,原審において,11月8日会議の最後において,cが,「3分の1行きますんで,よろしくお願いします」と発言し,bも,これに同調。 して「もうやりますんで,よろしくお願いします」と言った旨証言している(c,。 ・原審第2回21,26頁, いて,cが,「3分の1行きますんで,よろしくお願いします」と発言し,bも,これに同調。 して「もうやりますんで,よろしくお願いします」と言った旨証言している(c,。 ・原審第2回21,26頁,原審第4回53,56頁。eも,11月8日の会議)において「bさんは甲さんに向かって,頑張りますのでよろしくお願いします,,といった旨をおっしゃっていらっしゃいました」と証言している(e・原審第5。 回49頁)ほか,gも,eと同旨の証言をしている(g・原審第4回25頁。 )この平成16年11月8日の会議が設定されたいきさつや同会議において,NN等がPPの経営権を取得したことを前提として前記のような山分け的な話が出ていることに照らせば,cやbから前記のような発言がなされるのは誠に自然なことであり,NNから前記のような決意表明があったことは優に認められるというべきである。 (5)平成16年11月8日から平成17年1月6日までのLLファンド側の動き(Ⅰ)平成16年11月8日段階における被告会社のPP株保有状況同年11月8日段階における被告会社のPP株の保有割合は13.7パーセントであった(甲7。なお,被告会社は,平成15年7月15日からPP株の大量保)有報告書を提出し,その保有状況を法律に基づきインターネット上で開示しているところ,平成16年11月8日の直前の変更報告書は同年10月8日に提出されており,これによると,被告会社の保有割合は12.02パーセントであった(甲16。 )- 20 -(Ⅱ)mのOOテレビ側に対する働き掛け同年11月10日ころ,LLファンドのmは,OOテレビの上席執行役員であるoと面談し「我々としては既にOOテレビが動き始めたものと理解しています。 ,ステップ1は今年初めの公募増資であり,9月のPP株購入がステップ2に進 LLファンドのmは,OOテレビの上席執行役員であるoと面談し「我々としては既にOOテレビが動き始めたものと理解しています。 ,ステップ1は今年初めの公募増資であり,9月のPP株購入がステップ2に進んだものと理解しています。今度はいつステップ3に入るかを注目していますし,待っています」などと述べ,OOテレビがPP株のTOBを行うことを期待している。 こと,そうでなければLLファンドがプロキシーファイトによりPP経営陣の退陣を求めること,OOテレビがTOBをかけた場合の適当な金額は1株6000円くらいと考えていることなどを伝えた(甲39,甲75。 )(Ⅲ)PP社外取締役候補者向け説明資料の作成LLファンドでは,平成16年11月上旬ころから,平成17年6月に開催予定のPPの定時株主総会で提案する社外取締役候補者を選定し(d・原審第18回41頁,原審弁1資料127及び128,その者との折衝を開始していたが,その)一人であるBBのpに対する説明資料として作成された平成16年11月19日付けの「PPへの対処方針について」と題する文書(原審弁1・129,d・原審第18回81頁)には,PPへの対処について,LLファンド側の取りうる方針として「来年2月末までに歪な資本関係の是正に向けてOOテレビが動かない場合」,には「来年開催の株主総会にて経営権を掌握すべく,取締役選任に関する議案を,株主提案「来年2月末までにOOテレビがPP株式の公開買付けを実施した場」,合」には,買付価格に応じ,公開買付けに応募するか,他の大株主(Q,l氏)とも連携の上臨機応変に対応する,として従前からの方針を記載しているが「他の,大株主」の中にNNは入っていない。また,資料の3枚目には取締役候補者名が記載されているが,NNのbについては「以下の候補者については,本人 に対応する,として従前からの方針を記載しているが「他の,大株主」の中にNNは入っていない。また,資料の3枚目には取締役候補者名が記載されているが,NNのbについては「以下の候補者については,本人の意向及,び状況を見ながら検討」とされるグループに入れられており,NNとLLファンドとの同年11月8日の会議において話し合われたNN等のPP経営権獲得後の業務分担の話などは一切出ていない。 (Ⅳ)同年12月6日のMMの取締役会同日,MMの取締役会が開催されたが,そこにおいても,プロキシーファイトに向けた票読みが行われるとともに,平成17年6月の定時株主総会に向けた対処方針が検討された。そして,①平成17年2月末までに歪な資本関係の是正に向けて- 21 -OOテレビが動かない場合は,同年開催の株主総会において経営権を掌握すべく,取締役選任に関する議案を提案すること,②同年2月末までにOOテレビがPP株式の公開買付けを実施した場合は,納得できる買付価格(6000円以上)が提示された場合には公開買付けに応募してエグジットするが,買付価格が6000円以下の場合にはマーケットにて買い増し(他の大株主(Q,l氏)とも連携の上,Overbidも含めて臨機応変に対応)することが決められた(原審弁1資料132。 )そして,この取締役会においても,NNは「他の大株主」として扱われていなかった。 (Ⅴ)平成17年1月4日のLLファンドの内部会議mは,上記の内部会議のために「NBSについての論点整理」というレジュメを作成した(m・原審第15回109,110頁,原審弁1資料137)が,これによると,今後のシナリオとして最初に掲げられているのは「6月末支配権獲得をめざす」というものであり,その後「OOまで行くか「OOによる自己株取得公開」買付けに応募するか」の2 料137)が,これによると,今後のシナリオとして最初に掲げられているのは「6月末支配権獲得をめざす」というものであり,その後「OOまで行くか「OOによる自己株取得公開」買付けに応募するか」の2つの選択肢が検討されている。さらに「今後どこまで,買い進むか」に関しては「現状で18.8%程度となる「Cでさらにどの程度,。」買うか「CC50億円はすでに買える状態か「L社はどの程度買うか」との項」」目が掲げられているが,NN側が平成16年11月8日の会議において明言したNNによるPP株の3分の1獲得や経営権獲得に関しては検討項目として挙げられていない。 (6)NNの資金調達方法の変更と平成17年1月6日の会議平成16年12月上旬ころ,NNのcは,gによるAからの借入れが難航したため,qに対し,本案件に関するエクイティ調達の検討を指示した(c・原審第2回34頁。そして,同月17日,DDは,NNに対し,最大500億円の資金調達)を可能とする転換社債発行の提案を行い,同月21日,EEも同様の提案を行った(e・原審第6回4頁,甲55資料2,3。 )平成17年1月6日,LLファンドとNNの3回目の会議が開催されたが,この会議に至る経過として,上記会議に先だって,eが,平成16年12月21日,qに宛てて,表題を「KK甲さん」とした上で「ミーティングは1月6日13:0,0からです。宜しくお願いします」とのメールを送信している。この会議は,そ。 れまではNNとしては借入れによる資金調達を考えていたところ,上記のように,- 22 -そのほかのオプションとしてエクイティによる資金調達を検討し始めたため,協調して買収案件を行っていくはずのLLファンド側に,qの方から,このような資金調達の状況を話しておいたほうがよいのではないかと考えて,NNのイ ョンとしてエクイティによる資金調達を検討し始めたため,協調して買収案件を行っていくはずのLLファンド側に,qの方から,このような資金調達の状況を話しておいたほうがよいのではないかと考えて,NNのイニシアティブにおいて設定されたものである(e・原審第6回9頁,甲55資料4。 ),。 平成17年1月6日午後1時ころからLLファンドとNNの会議が開催された同会議には,LLファンド側から被告人,a,m,f,NN側からb,c,q,eが出席した。同会議では,qから,エクイティによる調達を証券会社と500億円という金額で進めている旨の説明がなされた。また,bは,PP株について「T,OBどうですか」との話を切り出したが,被告人は「ちょっと待て,TOBなん。 て言うな」と言ってbの発言を止め,LLファンドの変更報告書を見せて「こ。 ,んなに市場で買えたんだ,だからまずは市場で買え。まず市場で4.9パーセント,。」。 まで買ってみてその後どうするかはそのとき考えればいいでしょうと言ったその後,平成16年11月8日の会議の時と同じく,PPの経営権取得後の子会社の経営に関する話などが出た(e・原審第6回13頁,q・原審第9回138頁,c・原審第2回49頁。被告人がこの段階で,NNの大量のPP株取得が現実化)しつつあることを認識したことは明らかである。 NNでは,被告人の指導に従い,今後の方針として,大量保有報告書を提出すると株価が高騰したり対抗策を取られたりすることから,4.9パーセントまでを市場でおとなしく買い,平成17年3月15日の大量保有報告書の提出の時期を過ぎたタイミングで大量に買うという作戦をとることとした(q・原審第9回33頁ないし34頁。そして,同会議後の午後7時23分ころ,取締役会参加対象者に対)し,同年1月11日の臨時取締 提出の時期を過ぎたタイミングで大量に買うという作戦をとることとした(q・原審第9回33頁ないし34頁。そして,同会議後の午後7時23分ころ,取締役会参加対象者に対)し,同年1月11日の臨時取締役会開催の案内を発出した(甲48資料71。議)案の内容は,PP株式の4.9パーセントまでを同年3月15日までに取得し,同月16日以降に5パーセント以上10パーセントまで取得し,買付価格は6990円以下,というものであった。 (7)平成17年1月6日以降の状況(Ⅰ)lによる株の放出平成17年1月7日,GGは,PP株8%の取得を発表した。これは,OOテレビの主幹事会社がl所有株を取得したというものであり,実質的にl所有株をOOテレビが所有したことを示すものである。被告人はこのニュースを聞き,これまで- 23 -LLファンド側につくと考えていたlが抜けることにより,プロキシーファイトにおけるこれまでの票読みが成立しなくなるため,これをファンド存亡の危機として捉え,OOテレビのr会長への面会を求めたり,NNやHHのsなどを通じてGGへの接触を図るなどしたが,結局徒労に終わった(被告人・原審第23回123頁ないし141頁。 )この件に関し,bは,同月11日,c,e,qに宛てて次の内容のメールを送信している「さてさてKK甲氏から情報アップデートです。GG持分の多くはsさ。 んが押さえられる可能性大とのこと。もちろんウチら側ですが,sさんがもし押さ,()えることが確実になったらウチにすぐにTOB10%でも15%でもいいのでをして欲しいそうです。それで確定だそうです「ちなみにM銀行持分は押さえ。」たらしいですが,彼らの取得簿価が7000円らしく,まあ売らなくてもこちら側に賛成してくれるらしいですが(ファイナンス含みで,で,ウチがTOBしてく 定だそうです「ちなみにM銀行持分は押さえ。」たらしいですが,彼らの取得簿価が7000円らしく,まあ売らなくてもこちら側に賛成してくれるらしいですが(ファイナンス含みで,で,ウチがTOBしてく)れれば,sさんもZのnさんもウチがOOの経営権を取ることにはAGREEのようです。でもせめて,Pの分くらいは先に押さえといてねとのこと。ともかく全力買いでいきましょう(甲48資料88,b・原審第21回45頁ないし47頁,。」被告人・原審第24回134頁ないし136頁。 )(Ⅱ)NNの取締役会決議NNは,同年1月11日の取締役会で,前記議案のとおりPP株を同年3月15日までに4.9%まで買い進めることを決議した(甲48資料80,甲61。 )(Ⅲ)OOテレビによるPP株TOBの発表OOテレビは,GGを公開買付代理人としてTOBの準備を進め,同年1月17日,PP株について1株5950円でTOBを行う旨公表した(原審弁1資料152,甲38,39。その直後,bらはLLファンドのオフィスを訪問し,被告人)に対し「これで終わりですかね」と言った。これに対し,被告人は「これ僕が,。 ,主張してきたことじゃないか。これはもうおしまいだ。それは裏切るわけにはいかん」などと言って,OOテレビのTOBに応じる意向を示した。しかし,bが,。 「でも高い値段つけたら,甲さん売っていただけますか」と発言すると,被告人。 は「うちはファンドだから高い方へ売る」と答えた(甲10。LLファンドで,。 )は,bらの訪問後,OOテレビのTOBを歓迎する旨の声明を一旦はホームページに載せたが,すぐに取りやめ,結局LLファンドがOOテレビのTOBに応じるこ- 24 -とはなかった(甲10,被告人・原審第23回141頁ないし145頁。 )(Ⅳ)NNによるPP株36万 ムページに載せたが,すぐに取りやめ,結局LLファンドがOOテレビのTOBに応じるこ- 24 -とはなかった(甲10,被告人・原審第23回141頁ないし145頁。 )(Ⅳ)NNによるPP株36万株の買付け上記のOOテレビによるTOB発表ののち,LLファンドに対し,IIが保有する約95万株を同月20日に売りに出すという話があった。ただし,その全てを1回の取引で購入してほしいとの話であったため,LLファンドでは自らがその全てを購入することは断念し,tに依頼してそれを購入させることとした。しかし,一旦,その段取りは整ったものの,tが資金不足により全部を買うことはできない旨を伝えてきたため,被告人は,証券会社との関係上,この話を白紙に戻すのを避けようとして,NNのqに連絡を取り,残りの約36万株(約21億円相当)を買い取るつもりはないかと打診した。それに対して,qは,それを買い取る旨を即答した(甲10,被告人・原審第23回147頁ないし149頁。 )(Ⅴ)NNからの外国人株主紹介の依頼とLLファンドによるPP株の買付け停止同月28日,qは被告人に電話をかけ「外人株主に株を売ってくれと連絡した,いので,連絡先を教えてください」との依頼をしてきた。被告人は「mに調べ。 ,させて,また連絡します」と回答した。被告人は,この日,MMの取締役会を開。 催し,NNにPP株を買い集める動きがあること,NNのqから外国人株主の紹介を要請する電話を受けたことを報告し,u弁護士の指導によって,それ以降のLLファンドにおけるPP株の買付けは停止されることとなった(u・原審第20回21頁。 )(Ⅵ)NNによる大量買集めの実現同月31日朝,bとcが被告人を訪ね,今後の方策についてアドバイスを受けるとともに,LLファンドが所有しているPP株を売らずに取っておい ・原審第20回21頁。 )(Ⅵ)NNによる大量買集めの実現同月31日朝,bとcが被告人を訪ね,今後の方策についてアドバイスを受けるとともに,LLファンドが所有しているPP株を売らずに取っておいてもらえるかと聞いた。これに対し,被告人が「それはできない。少しでも高いところへ売る,のがファンドを運用する僕の役目だ。当方のファンドの分も押さえたいのなら,買ってもらうしかない」と述べたところ,bは「分かりました。甲さんのところ。 ,の株も引き取らせていただきたいと思います」と回答し,結局,LLファンドに。 おいて外国人株主を紹介するのとは別に,LLファンドの保有株19.6パーセントのうち10パーセントがNNに売却されることとなった。そして,その売買は,トストネットを通じ,同年2月8日に行われることとなったが,この代金は1株6050円であった(甲11。 )- 25 -他方,tは,同年1月20日に購入した35万株の処分方法について,被告人に相談したところ,被告人は,NNを紹介した。tがqと交渉した結果,同年2月7日,35万株を1株6100円でNNが購入することとなり,同月8日を取引日としてトストネットを使用して行われることとなった(甲111。 )同月8日,NNは,PPの発行済株式総数の5%を取得したことを公表した。その後,NNはその発行済株式総数の約35%を取得する大量買集めを実現し,さらに同年3月25日には,議決権の過半数を取得するに至った(甲46,52。 )NNの発表を受けてPP株は暴騰した。被告人は残りのPP保有株を市場で売却することとし,同年2月10日に157万8220株を1株平均8747円で市場で売却するなどして多額の利益を上げた(甲7。 )事実の経過は,以上のとおりである。 「株式会社PPの総株主の議決権数の100分の し,同年2月10日に157万8220株を1株平均8747円で市場で売却するなどして多額の利益を上げた(甲7。 )事実の経過は,以上のとおりである。 「株式会社PPの総株主の議決権数の100分の5以上の株券等を買い集めることについての決定」の有無(1)証券取引法167条2項にいう「業務執行を決定する機関」とは「実質的,に会社の意思決定と同視されるような意思決定を行うことのできる機関」であれば足りると解されるが,NNにおいて,PP株の大量買集めの決定につき,代表取締役兼最高経営責任者として会社の業務全般を統括していたb及び財務面の責任者で,,企業買収に関する部門を統括していたcはこのような機関に該当すると認められこの点に関する原判決の判断は正当である。 以下上記決定の有無について検討するこの点につき原判決はb(),「」。 ,,「及びcは,平成16年9月15日,被告人から『LLファンドは,議決権の18,%を取得済みであるから,NNが議決権の3分の1を取得できれば,両者の議決権を合わせて過半数を制し,PPの経営権を取れる。NNはお金さえ用意すれば,購。』,,入先はLLファンドがあっせんするなどと言葉巧みに誘われてその気になりNNが平成17年3月までに行うPP株の5%以上の大量買集めにつき,その実現を意図して,NNの業務として調査,準備,交渉等の諸作業を行う旨を決定し,その実現可能性は相当高かった,と認めることができ,これが『NNの業務執行を決定する機関が,同社においてPPの総株主の議決権数の100分の5以上の株券等を買い集めることについての決定をした』ことに当たるのは疑いがない」と判示。 している。 - 26 -確かに,平成16年9月15日の会議をきっかけとして,NN内部では,その直後から 5以上の株券等を買い集めることについての決定をした』ことに当たるのは疑いがない」と判示。 している。 - 26 -確かに,平成16年9月15日の会議をきっかけとして,NN内部では,その直後から,b及びcの指示により,資金調達と獲得スキームの両面にわたってPPの。 ,3分の1の株式取得の可能性を探る調査が開始されたことが認められる原判決が上記のように,同日に「決定」があったものと判断したのも,その点を根拠にしているものと解される。しかしながら,同日は,NN側にとって,LLファンド側からPPとOOテレビの株式所有のねじれ関係などを聞いた初めての日であり,NN側としては,手元に何も資料はなく,果たしてLLファンド側の説明が真実なのか否か,NNとしてもこれにどのような対応が可能なのかについて全く何も検討が進められていない段階であった。このような段階では,たとえ組織として調査を開始することになったとしても,未だ大量買い集めの可能性の検討の端緒に留まる,というべきであり,これのみをもって,一般投資者の投資判断に影響を与える程度の決定があったと認めることは相当でない。 しかしながら,前記「事実経過」において認定したとおり,①同年11月8日の会議の段階までには,NNの担当者において極秘のうちに,買収資金の調達と買収に向けたスキーム作りの両面にわたる検討が2か月弱にわたって進められ,同社の求めによって再度LLファンドとの会議が開催されるに至ったこと,②同会議においては,同年9月15日と同様「N社について」との資料に基づく説明が重ねて行われたものの,LLファンド側からは,前回の会議には参加していなかったmが出席し,同人から外国人株主についての最新の情報などが提供されるとともに,必要であれば外国人株主を紹介することができるとの話もなされ,NN側からは, ンド側からは,前回の会議には参加していなかったmが出席し,同人から外国人株主についての最新の情報などが提供されるとともに,必要であれば外国人株主を紹介することができるとの話もなされ,NN側からは,ファイナンス部門を担当しているgが新たに出席したこと,③そして,席上,NN側から,PPの株式をNNが大量取得することを前提にLLファンドの保持しているPP株についてLLファンドが引き続き保持することに関する契約締結の要望が出されたり,公開買付けの可能性などにも話が及び,PPの経営権獲得後の同社の業務(),の分け方著名ブランドの山分け的な話などに関しても話し合いが行われたこと。 ,,以上のような事実が認められるのであるこのような状況に照らせばb及びcがeがLLファンド側とのこの再度の会議(同年11月8日に開催)を設定しようとしたことにつき了承を与えた段階においては,b及びcは,NNの決定として,既存のメディアとインターネットの融合という事業目的を達成するために必要との考えから,PPというターゲットを設定し,同社に対する一応の調査と,買収資金の- 27 -調達に関する一応の目処を踏まえ,M&AとPP株に関する広汎な知識と人脈を有し,かつ,既にPP株を相当数保有しているLLファンドの協力のもとにPP株の3分の1の獲得を目指す旨を明らかにしたものというべきであり,この段階でのb及びcによる決定は,投資者の投資判断に影響を及ぼし得る程度に十分達しているということができ,証券取引法167条2項にいう「決定」に該当するものと判断される(なお,この決定が,PP株の3分の1の取得を目指すというとき「3分,の1未満の取得では絶対だめで,それ以下であれば計画をやめるというもの」ではなく「3分の1を目標にPP株を購入していくけれども,たとえ3分の1とい ,PP株の3分の1の取得を目指すというとき「3分,の1未満の取得では絶対だめで,それ以下であれば計画をやめるというもの」ではなく「3分の1を目標にPP株を購入していくけれども,たとえ3分の1という,目標を達成できなくても,ともかく可能なところまで購入を進めようというある程度柔らかなもの」であることについては,後述。 )(3)所論は,前記の「決定」といえるか否かについては,実現可能性が重要な要素であり,PP株の3分の1を購入するための600億円もの大量の資金を調達する能力はNNにはなかったから,NNにおける前記の決定は証券取引法167条2項にいう「決定」には当たらない旨主張する。 確かに,前記の認定事実によれば,NNが調達可能な金額は,cの見込みを前提としてもせいぜい300億円であり,600億円には及ばないことが認められる。 しかし,この点については,NNにおける決定がいかなるものであったかを検討する必要がある。すなわち,本件において,b及びcの意思があくまでPPの経営権獲得にあったとした場合,発行済み株式総数の3分の1未満の取得ではその目的が達成できないことは明らかである。そして,平成16年11月8日段階におけるb及びcの決定が「3分の1未満の取得では絶対だめで,それ以下であれば計画,をやめる,というものであれば,NNの「決定」の実現可能性は,3分の1を獲」得できるか否かを基準として資金手当を含めたその実現可能性を考えるべきであろう。しかし,この段階のb及びcの決定が「3分の1を目標にPP株を購入して,いくけれども,たとえ3分の1という目標を達成できなくても,ともかく可能なところまで購入を進めようというある程度柔らかなもの」であり,その「可能なところまで」という中に5%以上の株式取得の決意が含まれているとみることができるので う目標を達成できなくても,ともかく可能なところまで購入を進めようというある程度柔らかなもの」であり,その「可能なところまで」という中に5%以上の株式取得の決意が含まれているとみることができるのであれば,資金調達の可能性に関しても,その「可能なところまで」という限度で考慮すれば足りるということができるのである。 そこで前記「決定」にあたってのb及びcの決意の内容について検討すると,被- 28 -告人は,同年9月15日及び同年11月8日の会議において,NNに対し,PP株の3分の1の取得を働きかけていたものの,たとえ失敗してもOOのTOBに応じるなどすればリスクはないと説明していたこと(被告人・原審第23回41頁,)同年9月22日に,cがeに対し「本ディールのポイントは,どっちに転んでも,損をしないところです。1PP株をブロックトレードで20%取得 OOにTOBされればそれに応じる」などとのメール(甲48資料14)を送っていること,同年10月8日付けのeのb宛てメールにも,e自身のプランを述べた上で,「途中でTOB等されたらプレミアムで売り抜けてエグジット」と記載されてい。 ること(甲48資料19)からすると,同年11月8日段階におけるb及びcの決意の内容は「失敗するかもしれないけれども,失敗しても損はないから,ともか,く3分の1の獲得を目指してやってみよう」という柔らかなものであったと認め。 られる。 そして,例えば,PPの株式の5%(164万株×6000円=約98億円)の規模であれば,同日の段階で見ても,NNにとって,比較的容易に調達できたものと考えられる(現実に,NNはMSCBの発行前である平成17年2月4日に5%を超えてPP株を取得している。さらに,前記第3の2(4(Ⅱ)において認))定したとおり,平成16年11月 達できたものと考えられる(現実に,NNはMSCBの発行前である平成17年2月4日に5%を超えてPP株を取得している。さらに,前記第3の2(4(Ⅱ)において認))定したとおり,平成16年11月8日の段階で,c及びeはPPの株式の20パーセントを取得するプランを立て,c及びgは,Aのhとの交渉を通じて自らの判断として200億円程度の銀行借入れは可能と考えていたのであり,内部的には,それなりの根拠を持って,実現可能性のあるものとして,本件案件の決定が行われたことは明らかである。そして,NNの実体的な財務状況等に加えて,NNのインターネット業界における著名性,NNが,前記のように,500億円のユーロ転換社債の発行をP証券から提案されるなどしていたこと,Aのhが融資の実現に積極的に動いていること等の事実にも照らせば,第三者の目から見たときにも,十分に実現可能性があると判断される状況にあったということができる。 ,,そうすると資金調達の面からの実現可能性という点を考慮に入れて検討してもNNの上記決定は,一般投資者の投資判断に影響を及ぼし得る程度に達していると判断されるものであり,証券取引法167条2項にいう「決定」に該当するということができる。 (4)所論は,仮にb及びcがNNの意思決定機関に当たるとしても,cは,bの- 29 -了解を得ることなく「3分の1の取得」をいとも簡単に「20%の取得」に方針,変更しているのであり,このように簡単に変更されるものは,もはや決定と呼ぶに値しない旨主張する。 しかしながら,b及びcの決定内容は,前記(3)において認定したとおり,被告人からの説明を受けて,もともと,絶対に3分の1を取得しなければならないという趣旨のものではなく,3分の1を目指すが,たとえ3分の1という目標を達成できなくても,ともかく おいて認定したとおり,被告人からの説明を受けて,もともと,絶対に3分の1を取得しなければならないという趣旨のものではなく,3分の1を目指すが,たとえ3分の1という目標を達成できなくても,ともかく可能なところまで購入を進めようという趣旨のものであったと認められるのであり,また,前記第3の2(4(Ⅲ)に認定したとおり,c)は,平成16年11月8日会議では,LLファンド側に対し「3分の1行きます,んで,よろしくお願いします」などと述べているのであって,b,c両名の基本。 的な考え方や目標設定に特段異なるところはなかったものと認められ,cがeに対し,20パーセントの取得の検討を指示していたとしても,これをもって,証券取引法167条2項にいう「決定」がなかったということはできない。 (5)所論は,NNによる決定は真摯さを欠いているから証券取引法167条2項にいう「決定」には当たらない旨主張する。 しかしながら,前記2において認定したとおり,NN関係者の間で,実現の可能性を探るべく,担当者が決められて,資金調達,スキーム作りの両面において検討作業が行われ,それに基づき,NN側からの申し出によって平成16年11月8日の会議が設定されたのであり,同会議においても,bはやる気満々であり,cもこれにあえて異を唱えることはなかったと認められるのであるから(c・当審第3回53頁ないし55頁,NNによる決定は,実施に向けての意欲を十分に感じさせ)るものであり「真摯さ」において欠けるところはなかったものと認められる。 ,(6)所論は,一般の投資者の情報に対する感度を普通の地震計とすれば,精度の高い地震計であるともいえる被告人が,平成16年11月8日の会議において伝達された情報に全く反応していないことに照らせば,伝達された情報が一般の投資者の投資判断に影響を 普通の地震計とすれば,精度の高い地震計であるともいえる被告人が,平成16年11月8日の会議において伝達された情報に全く反応していないことに照らせば,伝達された情報が一般の投資者の投資判断に影響を及ぼすものでないことは明らかである旨主張する。確かに,その直後に,被告人らがこれに反応して目立った動きを見せたというようなことは証拠上うかがわれない。しかしながら,被告人は,同日までの段階で既にPP株の13パーセント余りを保有しており(甲7,しかも,被告人らはその基本戦略(被)告人がいうメインシナリオ,サブシナリオ)に沿って行動し,既に同年9月14日- 30 -の段階からPP株を更に買い進めることを決めていた(NNのPP株の購入についても,そのようなシナリオとの一部(プロキシーファイトの援軍)として考えていた)のであるから,被告人が上記の会議でNNからの話を聞いた直後に特段の反。 応をしなかったとしても不思議なこととは思われない(これらの点については,被告人の故意の存否に関して,更に,説明する。しかしながら,少しでも有利な。)投資先を見つけるために懸命に情報収集をしている一般投資家の立場に立ってみれば,インターネット関連の企業として著名なNNが,放送メディアとの融合に関心を持ち,資金調達についての一応の検討も進めた上,テレビ業界への進出を目指して,M&AとPP株に関する情報に精通し,それなりの人脈を有し,既に相当数のPP株を保有しているLLファンドの協力を得てPP株の3分の1の獲得を目指すことを決定したという事実が,その一般投資家の投資判断に影響を及ぼすことは必至と考えられる。 「伝達」の有無所論は,仮にNNにおいて「決定」があったとしても,平成16年11月8日の会議においてその決定が伝達されていない旨主張する。しかしながら,前記 響を及ぼすことは必至と考えられる。 「伝達」の有無所論は,仮にNNにおいて「決定」があったとしても,平成16年11月8日の会議においてその決定が伝達されていない旨主張する。しかしながら,前記の事実関係からすると,上記の会議において,NNがPP株の3分の1取得を目指し,そのためにLLファンド側の協力を得たいというNN側の決意は被告人に十分伝わっているものと認められ,被告人が,NNから「決定」の伝達を受けたことは明らかである。 「故意」の有無(1)所論は,仮にNNにおいてそのような「決定」があり,その「伝達」の事実が認められ,かつNN関係者においてその事実を認識していたとしても,被告人には,そのような事実(決定と伝達)があったという認識に欠けるから,被告人には故意がない旨主張する。すなわち,被告人は,平成16年9月15日の会議の時点において,NNがPP株の3分の1もの大量株を買い集める資金を調達できるとは全く認識しておらず,それ以降,少なくとも同年12月までの間,NNから被告人に対して,そのような被告人の認識を改めさせる契機となるような(もしかしたらNNは資金調達できるかもしれないと思わせる)情報も一切伝達されることはなかったのであるから,NNがPP株の3分の1を買い集めることが実現可能であるとの認識は一切持ち得なかったのであり,被告人には一般投資者の投資判断に影響- 31 -を及ぼすような「決定」があったことの伝達を受けたという認識がなかったというのである。 しかしながら,前記「決定」の有無に関して検討したとおり,NNが行い被告人に伝達された決定というのは,PP株の3分の1を絶対に買い集められなければ大量株の購入をやめるというものではなく,3分の1の獲得を目指して購入していくけれども,たとえ3分の1という目標を達成できな に伝達された決定というのは,PP株の3分の1を絶対に買い集められなければ大量株の購入をやめるというものではなく,3分の1の獲得を目指して購入していくけれども,たとえ3分の1という目標を達成できなくても,ともかく可能なところ,「」まで購入を進めようというある程度柔らかな決定でありその可能なところまでという決意の中に5%以上の株式取得の決定が含まれているとみることができるというものであったのであり,すでに検討した本件の経緯に照らせば,その決定の趣旨は,被告人においても,十分認識していたものと考えられる。したがって,被告人において,同年11月8日の会議の段階で必ずしもNNにおいて,即時3分の1を買い集めるだけの資金調達能力があるとの認識までは不要であり,NNの企業規模とその意欲からみて相当程度(少なくとも5パーセントを超える程度)の資金調達能力と資金調達に向けての意欲があるとの認識で足りるというべきである。そして,被告人は,NNの企業規模,経営内容について十分把握していたものと認められるのであり(甲87,被告人・原審第22回47頁,上記会議に至る経緯に照)らしても,被告人にこの点の認識に欠けるところはなかったことは明らかと思われる。上記会議において,cから「資金のめどが立ちましたので,具体的に進めさ,せていただきたいんですけど」との発言があったり,被告人から「金,大丈夫。 ,か」と聞かれて,cが「大丈夫です。Aで借入れ何とかしますんで」などと答。 ,。 えたことが認められるところ,このc発言については,同人のいわゆるセールストークとして被告人としても100パーセントその言葉どおりに受け取っていなかった可能性はあり(この点は,前述した,それほどたやすく資金の手当が付くと。)は思っていなかったであろうが,これらcの発言は,N して被告人としても100パーセントその言葉どおりに受け取っていなかった可能性はあり(この点は,前述した,それほどたやすく資金の手当が付くと。)は思っていなかったであろうが,これらcの発言は,NNが資金調達に向けて具体的に動き出していることと,その意欲が十分にあることを認識させるには十分なものであったと思われる。いずれにしても,被告人に,NNの決定を実現させるための資金面の調達が可能であるとの認識に欠けるところはなかったというべきである。そして,同会議の場において,そのような決定の「伝達」を受けたことを認識したことも明らかというべきである。 所論は,被告人が同年11月8日の会議においてNNから大量買い集めについて- 32 -の決定の伝達を受けたと認識していれば,それが投資判断に影響を及ぼす重要な事実である以上,同会議終了後直ちに社内会議を開くとか,資金調達のための支援活動を行うとか,すぐに何らかの行動を起こしたはずである,しかるに,被告人は,このような行動に一切出ていない,このことは,被告人に決定の存在やその伝達についての認識が欠けていたからであると主張する。 この点に関して,原判決は,被告人は,同年10月20日のeメールによりNNにおいて資金調達の目処がたったことを認識したから,同日からそれまでとは異質なPP株の大量買付けを始めた,と認定している(原判決58頁。原判決がこの)ように認定しているのは,同日にJJでのブロック取引による24万7570株の(,)。 ,PP株の大量買付けが存在するためである甲7資料17枚目しかしながら①被告会社の担当者のvがこのブロック取引を実行してしまうとBのNAV規制(同一銘柄への投資はファンド総資産の20%までという出資契約上の制限)を超えてしまうことになることから,前記のeメールの前日 ①被告会社の担当者のvがこのブロック取引を実行してしまうとBのNAV規制(同一銘柄への投資はファンド総資産の20%までという出資契約上の制限)を超えてしまうことになることから,前記のeメールの前日である同年10月19日にアメリカの出資者に対し「ブロック取引による23万7570株のPP株の買い増しを許可していただけないか」と,NAV規制の一時解除を依頼していることが認められること(原審弁1資料111,②この買付けを担当したwもこのブロック)取引に関して被告人,m又はxから指示があったのは10月19日であったと供述していること(甲98,③ブロック取引は,多額の取引であるため,話を持ちか)けてから実行に至るまでには数日を要するのが一般的であるところ(被告人・原審第25回101頁前記のeメールの送信日時は同月20日の午前9時42分甲),(54添付資料1,JJでブロック取引執行の時間は同日の午前11時28分(甲)24添付資料2-3)であり,その間の時間はわずか1時間46分しかなく,このような短時間ではブロック取引は物理的に難しいと考えられること,④前記eメールには,たしかに「買収資金の借入れが可能になりました」との記載があるが,,。 前記メールは単なる担当者レベルで交換されたメールにすぎず,調達を要する買収,,資金は巨額であるにもかかわらず何らの裏付けも記載されていないのであるからこの程度の抽象的な内容のメールを信頼して,LLファンド自身が大量の株式購入を決断するとは到底考えられないこと,が認められる。そうだとすると,LLファンドにおける同月20日の23万7570株のPP株の買い増しは,同日のeメール以前から決定されていたことが明らかであり,結局,両者の間に関連性はないも- 33 -のと認められる。同年10月20日におけるブ ける同月20日の23万7570株のPP株の買い増しは,同日のeメール以前から決定されていたことが明らかであり,結局,両者の間に関連性はないも- 33 -のと認められる。同年10月20日におけるブロック取引については,以上のとおりである。したがって,この点をもって,所論を排斥することは相当とは思われない。 しかしながら,所論について検討するには,被告人らのPP株に向けての基本戦略を検討しておく必要がある。 これまで見てきたような事実経過によれば,LLファンドは,平成16年9月14日のMMの取締役会議の段階から,OOテレビがPPに対するTOBを行わない場合,平成17年6月のPPの株主総会におけるプロキシーファイトを実施するこ,。 ととしてPP株の取得をさらに強める方針を打ち出していたことが明らかであるそして,NNに対する働き掛けも,その援軍を募集する一環として行っていたものと判断される。被告人は,NNのbをその気にさせる1つの便法として,NNによるPP・OOテレビの経営支配などという話を持ち出したものと認められ,bらNN側はこれに強い興味を示したのであるが,前記事実経過によれば,LLファンド,,はNNとの平成16年11月8日の会議以降も平成17年1月6日の会議までは内部の検討においてもNNの動きに特段の重きを置くことなく,従前どおりの路線(戦略)でPP株の買い増しを進めていたと認めることができる。ところが,平成17年1月6日のNNとの3回目の会議以降は,被告人は,GGによるlのPP株取得やOOテレビのTOB発表などの事態の急変に直面する中で,NNに対し積極的に働き掛けを行うに至っている。ここでは,当初の戦略は修正を迫られていたものと思われるが,被告人は,NNの動きを把握していたが故に,そのような敏速な対応を取ることができたものと考 ,NNに対し積極的に働き掛けを行うに至っている。ここでは,当初の戦略は修正を迫られていたものと思われるが,被告人は,NNの動きを把握していたが故に,そのような敏速な対応を取ることができたものと考えられる。 被告人らの基本戦略は,以上のとおりであり,被告人らが,平成16年11月8日の会議においてNNからの「決定」の「伝達」を受けたにもかかわらず,特段の動きを見せなかったことは,所論指摘のとおりであるが,被告人らは,もともと相当数のPP株を取得していたのであり,NNの情報を得ても従前の路線(戦略)を変更させる必要を感じなかったものと判断される。もっとも,NNが,その言葉どおりに大量のPP株の取得に動き出すということが確実視されるというのであれば,LLファンド内部におけるそれなりの検討が必要になったであろうが,その点では,NNの決定というのは,それは未だPP株の大量取得に向けて決断したという段階にとどまり,そのとおり確実に実施されるのか,どこまで買い進められるの- 34 -かという見通しの点では,なお,不確実性を残すものであったと思われる。以上のように,被告人らにとっても,NNの決定は貴重な情報ではあったが,それで,直ちに何か行動を起こさなければならないような事態には至ってなかったのである。 NNの動きが実際にLLファンド側の行動に影響を及ぼし始めるのは,上記のように,平成17年1月6日のNNとの3回目の会議以降のことである。以上のとおりであり,要するに,被告人が,NNの情報を聞いても,特段の動きを示さなかったのは,上記のような基本戦略が存在したため,特段の動きを示す状況になかったためであり,それが,被告人の認識についての前記認定を左右するものとは解されない。 その他所論がるる指摘する諸点を検討しても,被告人の故意に欠けるところはないと判 め,特段の動きを示す状況になかったためであり,それが,被告人の認識についての前記認定を左右するものとは解されない。 その他所論がるる指摘する諸点を検討しても,被告人の故意に欠けるところはないと判断される。 結論 原判決に判決に影響を及ぼすことの明らかな事実誤認は認められない(なお,原判決には,前提事実及び「決定」の時期につきすでに説示したとおりの事実誤認が認められるが,これらはいずれも,判決に影響を及ぼすものとはいえない。 。)第4量刑不当の論旨について論旨は,原判決は,被告人甲に対して懲役2年の実刑を言い渡し,被告会社に対しては罰金刑の最高刑を言い渡したが,本件が実刑を言い渡すべき事案であるとは考えられず,また,罰金刑の最高刑を言い渡すべき事案とも考えられないから,いずれも重過ぎて不当である,というのである。 そこで,検討すると,本件は,判示のとおりの事案であり,そのインサイダー取引に係る買付額は巨額であり,被告人はファンドマネージャーという立場にあったもので本件は株式取引のいわばプロによる犯罪であって,被告人らの刑事責任は軽視することができない。 ところで,被告人は,OOテレビに対してTOBを働きかけるなどしながら,その一方で,NNにこれと両立しないPPやOOテレビ等の支配を持ちかけてPP株の取得を勧誘し,結果的にはOOテレビのTOBにも応じず,NNに対してその保有するPP株の約半分のみを売却しつつ,残りの保有株を市場で高値で売り抜けて巨額の利益を上げており,こうした行為は,市場操作的な行為であって,到底証券市場における健全・公正な活動とはいえないものである。被告人のとった行動は関- 35 -係者に対しても背信的であり,社会的にみてもひんしゅくを買うものである。 しかし,この点を本件の量刑上どのように取り扱うべきかについて な活動とはいえないものである。被告人のとった行動は関- 35 -係者に対しても背信的であり,社会的にみてもひんしゅくを買うものである。 しかし,この点を本件の量刑上どのように取り扱うべきかについては慎重な検討を要する。原判決は,この点に関して「以上からすれば,被告人ないしLLファ,ンドにおいては,本件以前からPP株を買付け,これを高値で売り抜けるエグジット策を他にも有していたものであり,NNから伝達された株式大量買集めについてのインサイダー情報を唯一の動機として,本件のPP株の買付けを行ったとは認め難いが,そのPPに関する複雑かつ重層的な戦略の中で,NNによる株式大量買集,,,めに対する動きも一つのしかも重要な判断要素として位置付けられていた以上その後の買付けは,ファンドの「利益を企て」てなされたものと認められる「こ。」のような動機・経緯は,NNの大量買集めのみを当てにして,株を買い集めたという単純なインサイダー取引に比べれば,悪質性は低いようにも思われるが,被告人がNN以外の選択肢(OOテレビによる資本再編やプロキシーファイト)を持ち得たのは,巨額な資金を集めるファンドを支配しており,大株主としてプロキシーファイトをちらつかせて直接r会長に資本再編を申し入れるなど一般人がなり得ない立場に立っていたからであって,このような立場を利用して高値で売り抜けるエグジットを企て,あるいは,それを強化し,確実にするためにNNのインサイダー情報を利用しようとした動機には,強い利欲性が認められるのであり,やはり厳しい非難に値するといわざるを得ない」とし,その経過を上記のように総括した上,。 それを相当に悪質な情状としている。上記のような総括の仕方には,直ちに納得しがたいところも存するが,その点を置くとしても,被告人らの企業活動,その市場 」とし,その経過を上記のように総括した上,。 それを相当に悪質な情状としている。上記のような総括の仕方には,直ちに納得しがたいところも存するが,その点を置くとしても,被告人らの企業活動,その市場操作的な面を量刑上余りに強調しすぎると,起訴されてもいない事実を犯罪として認定しこれを実質的に処罰したことになってしまう。さらにいうと,被告人(LLファンド)の今回の行動が市場操作的であり,当事者に対しても背信的であって,社会的に非難を受けるものであることに異論はないとしても,相手方企業に改革を迫りその在り方を変えようとするLLファンドの持つもう一方の側面(物言う株主としての側面)を今の経済社会においてどのように評価すべきかについては,未だ成熟した議論がなされているとは思われず,被告人(LLファンド)の企業活動の一面のみをとらえてこれを量刑事情として取り込むことには困難が伴うというべきである。被告人らに対する刑事処罰としての非難の程度は,あくまで起訴にかかる法律違反(本件においては,PP株に関するインサイダー取引)との関係を中心に- 36 -検討されなければならない。 関係証拠によれば,LLファンドは,かねてから相当数のPP株を保有していたところ,従前から,PPとOOテレビの株式所有の関係が正常なかたちになっていないなどとして,その動向に注目し,PP及びOOテレビの経営陣に対して資本構造の再編を求め,平成16年9月14日のMMの取締役会議の段階から,そのような資本構造の再編のためにOOテレビがPPに対するTOBを行わない場合には,平成17年6月予定のPPの株主総会においてプロキシーファイトを実施し自ら経営権を取得することを視野に入れて,PP株の取得をさらに強める方針を打ち出していたこと,このようなプロキシーファイトの援軍を募集する一環としてN PPの株主総会においてプロキシーファイトを実施し自ら経営権を取得することを視野に入れて,PP株の取得をさらに強める方針を打ち出していたこと,このようなプロキシーファイトの援軍を募集する一環としてNNと接触し,NNのbをその気にさせる1つの便法として,NNによるPP・OOテレビの経営支配を持ち出したことが認められ,LLファンドは,NNとの平成16年11月8日の会議以降平成17年1月6日のNNとの会議に至るまでは,内部の検討資料によっても,NNの動きに特段の重きを置くことなく,上記の路線(戦略)の大枠に従って企業活動を展開しPP株の買い増しを進めていたものと考えられる。 その段階では,被告人において,NNからのインサイダー情報をことさら利用する意図はなかったものと考えられる。しかしながら,前記の平成17年1月6日のNNとの会議以降について見ると,被告人は,GGによるlのPP株取得を知るや,その対策としてbに対し「sさんがもし押さえることが確実になったら,ウチに,すぐにTOB(10%でも15%でもいいので)をして欲しい」とのやりとりをしたり,OOテレビのTOB発表(平成17年1月17日)の後もbから「でも高い値段つけたら,甲さん売っていただけますか」などと言われて,当初の予定を変。 更してOOテレビのTOBに応じることをやめたり,tが買い取らなかったPP株をNNに斡旋したりするなど,あからさまにNNを利用する行動に出るに至っている。その後NNが大量のPP株の買い集めを実現し,LLファンドが,保有株の一部をNNに売却すると共に,その残りを市場で高値で売却するなどしたことは,前記経過において判示したとおりである。 このような経過を見ると,LLファンドにおける当初のPP株の購入については直線的にNNから得たインサイダー情報を利用して行ったものと見 売却するなどしたことは,前記経過において判示したとおりである。 このような経過を見ると,LLファンドにおける当初のPP株の購入については直線的にNNから得たインサイダー情報を利用して行ったものと見るのは相当でない。それと同時に,平成17年1月6日のNNとの会議までは,被告人の得ている情報がいわゆるインサイダー情報に該当するとの被告人自身の認識自体もそれほど- 37 -強いものではなかったものと考えられる。また,被告人は,決定の伝達を受けた当初は,株式の5パーセントを超えて取得するとのもっと具体的な決定がなければこれが証券取引法が規制の対象としているインサイダー情報に該当しないとの法解釈のもとに行動していたのではないかとも思われる。すなわち,被告会社及びMMでは,インサイダー情報の管理のために,情報管理シートを用い,疑問が生じた場合には適宜顧問であるu弁護士のアドバイスも得て,取引を停止するなど法遵守には(,),それなりの配慮を行っていたのであり原審弁16u・原審第20回3頁以下本件のみが例外として扱われていたことを示す証拠も存しないから,そのような検討を経たという状況がうかがわれないことにも照らせば,被告人としては,平成16年11月8日時点でNNから伝達を受けた「決定」の内容が,証券取引法が規制の対象とするインサイダー情報に該当するとは明確に意識せずに,その点をあいまいにしたまま従前の方針に従ってPP株の購入を進めたのではないかと推測されるのである(しかし,平成17年1月6日のNNとの会議を経て同月28日に至り,NNによるPP株購入の動きが極めて具体的になってきたためにこの段階ではこれが明確にインサイダー情報に該当すると判断して,u弁護士指導の下,PP株の購入をやめたと理解するのが自然である。この点は,証券取引法167条 入の動きが極めて具体的になってきたためにこの段階ではこれが明確にインサイダー情報に該当すると判断して,u弁護士指導の下,PP株の購入をやめたと理解するのが自然である。この点は,証券取引法167条2項に。)いう「公開買付け等を行うことについての決定」の解釈に関する判例の蓄積がそれほど多くないという状況に鑑みると,もとより,このことは被告人の故意を阻却するものではあり得ないが,その解釈の誤りをすべて被告人の責任とするのはやや酷というべきである(今回,控訴審において提出された証拠によっても,これらの解釈につき諸説のあることが認められる。 。)なお,被告人の捜査段階における調書には「この11月8日の会議の時点で,,私は,NNとして,TOBの方法によることも含め,PP株を5パーセント以上取得する準備をすることについての決定を聞いた,すなわち,その伝達を受けたわけですから,それ以降,NNがその事実を公表するまでの間は,PP株を買い付けてはいけない状況になったのでした(甲9)との記載があるなど,被告人が平成。」16年11月8日にNNから聞いた情報がインサイダー情報に該当することを知っていたことを前提とするかのような供述が存在しているのに対し,被告人は,原審及び当審において同日の会議において聞いた内容がインサイダー情報に該当するとは思わなかった旨を供述している。これまで検討してきたところによれば,同日の- 38 -会議までのNNの「決定」が証券取引法167条2項にいう「決定」に該当すること,被告人がその「伝達」を受けたこと,被告人にそのような決定の伝達を受けたことについての「故意」があることは,関係証拠に照らし,被告人の自白調書によらなくても十分認定できるというべきである。しかしながら,本件の事実関係に照らすと,被告人が,同日に聞いた 定の伝達を受けたことについての「故意」があることは,関係証拠に照らし,被告人の自白調書によらなくても十分認定できるというべきである。しかしながら,本件の事実関係に照らすと,被告人が,同日に聞いた情報が法律的な意味においても法が規制の対象としているインサイダー情報に該当すると明確に認識しており,法を犯すことを知りつつPP株の購入を継続したとまで認定することはできず,捜査段階における被告人の自白調書もそのような法を犯すまでの認識があったとのニュアンスのものとして読み取ることはできない。 しかしながら,被告人は,平成17年1月6日のNNとの3回目の会議以降においては,NNがPP株の大量取得に向けて現実に動き出していることを明確に認識したというべきであるから,その段階で同株を購入することが証券取引法が禁止するインサイダー取引に該当すると判断することは十分に期待できたものと考えられ,その後同月28日までPP株の買付けをやめなかったのは明らかに法を無視したものといわなければならず,同日に至って初めて取引をやめたとしても,遅きに失したというべきである。同月6日の上記会議以降も相当数の株を買い進めたこと(特に,平成17年1月17日のOOテレビのTOB発表以降32万株余を購入している)は,強い非難に値する。そして,もともとLLファンドによる今回の企。 業活動が,NNにプロキシーファイトの援軍として大量のPP株を購入することを勧めるというものであり,当初から,その進行の過程で,いずれ被告人らがインサ,,イダー情報を入手するであろうとの危険性を内包していたのであるから被告人がたまたま,PP株の大量取得という決定を聞いてしまったというような事案でないことも明白である。 被告人の刑事責任を考えるについては,以上のような諸点を,重層的に見て行く必要がある。 あるから被告人がたまたま,PP株の大量取得という決定を聞いてしまったというような事案でないことも明白である。 被告人の刑事責任を考えるについては,以上のような諸点を,重層的に見て行く必要がある。しかしながら,被告人が当初からインサイダー情報を利用して利得を得ようとしたものでなかったこと,当初は,被告人の得ている情報がいわゆるインサイダー情報に該当するとの認識自体も強いものではなかったこと,そこでは,被告人が法に違反しているとの明確な認識の下に行動していたとは思われないこと,そして,そのような認識状況の下に購入したPP株が起訴にかかる購入株の大きな部分を占めている(この間のPP株購入数は,159万9190株である)こと。 - 39 -は,やはり,犯情として十分考慮すべきものと思われる。以上のような事情に加えて,被告人が社会的に強い非難を浴びてファンドを解散し株取引の世界から身を引いていること,被告人に前科がないこと等被告人にとって酌むべき事情を併せ考慮すると,被告人を懲役2年及び罰金300万円に処し,被告会社を罰金3億円に処した原判決の量刑は,被告人に対しその懲役刑に執行猶予を付さなかった点において,また,被告会社に対する罰金額を3億円とした点において重過ぎる,というべきである。 量刑不当の論旨は理由がある。 よって,刑訴法397条1項,381条により原判決を破棄し,同法400条ただし書により当裁判所において更に判決する。 第5自判(罪となるべき事実)原判示のとおり(ただし,原判決中「公開買付けに準ずる行為の実施に関する,事実の伝達を受け,同事実の公表前に同株券を買い付けて利益を得ようと企て」,とあるのは「公開買付けに準ずる行為の実施に関する事実の伝達を受けた後」,,とする)。 (証拠の標目)原判示のとおり(法令の適 け,同事実の公表前に同株券を買い付けて利益を得ようと企て」,とあるのは「公開買付けに準ずる行為の実施に関する事実の伝達を受けた後」,,とする)。 (証拠の標目)原判示のとおり(法令の適用) 罰条被告会社につき包括して平成17年法律第87号による改正前の証券取引法207条1項2号同改正前の証券取引法198条19号平成18年法律第65号による改正前の証券取引法167条3項,平成16年法律第97号による改正前の同条1項1号平成17年政令第19号による改正前の証券取引法施行令31条被告人につき包括して前記改正前の証券取引法198条19号- 40 -平成18年法律第65号による改正前の証券取引法167条3項,平成16年法律第97号による改正前の同条1項1号平成17年政令第19号による改正前の証券取引法施行令31条 刑種の選択被告人につき懲役刑及び罰金刑 労役場留置被告人につき刑法18条 執行猶予被告人につき刑法25条1項 追徴被告人につき平成17年法律第87号による改正前の証券取引法198条の2第2項,1項2号,1号 訴訟費用(原審及び当審)の負担被告人及び被告会社につき刑事訴訟法181条1項本文,182条よって,主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官門野博裁判官鬼澤友直裁判官奥山豪)略語表(LLファンド関係)被告人被告人甲被告会社被告会社株式会社KKLLファンド被告人が統括していたファンドの総称MM株式会社MMmmmmmaaaa- 41 -dddddxxxxxwwwwffことffffvvことvvvvuuuuu又はu弁護士弁護士(NN関係)NN株式会社NNbbbbbcccccgggggeeeeqq dxxxxxwwwwffことffffvvことvvvvuuuuu又はu弁護士弁護士(NN関係)NN株式会社NNbbbbbcccccgggggeeeeqqqqq(OOテレビ,PP関係)OOテレビ株式会社OOr会長rrrPP株式会社PPlllll(金融機関・金融機関関係者)hhhhhiiiiiiG○○○○・○○○DD△△△△・△△△△△証券会社jjjjj(その他本件関係者)Z株式会社□□□□nnnn(その他)W◇◇株式会社(金融用語)- 42 -プロキシーファイト委任状争奪戦。株主総会の議案について,株主(),が会社提案と異なる議案を提案し株主提案株主総会において議決権獲得を会社の経営陣と争うこと。 エグジット保有する株式等を売却するなどして現金化すること。 MSCB転換価額修正条項付転換社債TOB公開買付けブロック取引ブロック(ある程度まとまった量の株式)を特定の一株主との間で一度に売買する取引エクイティ(による資金調達)エクイティ・ファイナンス。銀行などからの融資ではなく,自ら株式などを発行して資金を調達すること。 大量買集め当該会社の総株主の議決権の数の5%以上を買い付けることを指す。 トストネットToSTNeT (TokyoStockexchangeTradingNetworksystem)。東京証券取引所の立会外取引に用いられる電子取引ネットワークシステム。
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