平成8(ワ)8380 日本工業新聞社懲戒解雇

裁判年月日・裁判所
平成14年5月31日 東京地方裁判所
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判決文本文83,317 文字)

主文 1 原告が被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 2 被告は,原告に対し,(1) 金1195万7700円及びこれに対する平成8年5月19日から支払済みまで年6分の割合による金員,(2) 平成8年5月1日から本判決確定まで毎月25日限り月額46万8300円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員,(3) 平成8年6月から本判決確定まで毎年6月15日,同12月5日の各期日限り,各金102万円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員,を各支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 この判決は,2(1)ないし(3)に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,原告が,被告のした原告を懲戒解雇にする旨の意思表示は不当労働行為であり,また,解雇事由がなく,解雇権を濫用したもので無効であるとして,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と,未払賃金及び賞与並びに今後の賃金及び賞与の各支払を求めた事案である。 1 争いのない事実(1) 被告は,日刊新聞の発行及び図書の印刷・発行等を業とする株式会社であり,現在「日本工業新聞」(週5日刊行)を発行している。被告は,産業経済新聞社(旧名称はサンケイ新聞社。以下「産経新聞社」という。),大阪新聞社とともに,産経新聞社を中心とするいわゆる産経新聞グループに属している。 原告は,昭和46年4月1日,被告に雇用された者であり,被告社内での経歴は,別紙1「経歴書」のとおりである。 (2) 被告は,平成6年1月25日(以下,日付のみを記載する場合は,平成6年の日付である。),原告に対し,2月1日付けで,原告を論説委員会論説委員から販売・開発 ,別紙1「経歴書」のとおりである。 (2) 被告は,平成6年1月25日(以下,日付のみを記載する場合は,平成6年の日付である。),原告に対し,2月1日付けで,原告を論説委員会論説委員から販売・開発局の千葉支局・支局長に配置換えする旨を内示し,2月1日その配置換えを発令した(以下「本件配転」という。)。原告は,本件配転に異議を唱えつつも,同月8日千葉支局に赴任した。 (3) 原告は,1月28日,被告に対し,反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会(以下「反リストラ産経労」という。)を結成した旨通告して団体交渉(以下「団交」という。)の申入れを行った。 また,反リストラ産経労は,2月4日,本件配転が不当配転であり,被告が団交を拒否し,組合への支配介入をしているとして,東京都地方労働委員会(以下「都労委」という。)に救済申立てをした。なお,同救済申立事件は都労委に係属中である。 (4) 被告の就業規則78条では,「従業員が次の一に当たるときは,懲戒解雇とします。」とされ,その5号において,「異動命令その他業務上の必要に基づく会社の命令を拒否したとき」が掲げられている。 また,同就業規則71条では,「制裁は賞罰委員会の議をへて決定します。」とされ,賞罰委員会規程では,「委員会は,制裁の議に付された者を,その希望により委員会に出席させ,弁明の機会を与えることがある。」(同規程11条)と規定されている。 (5) 被告は,9月14日原告に対し,同月19日開催の賞罰委員会(以下「本件賞罰委員会」という。)に原告を付議する旨を通知し,原告は,同委員会に出席した。 被告は,9月22日付けで,就業規則78条5号に基づくとして,原告を懲戒解雇とする旨の意思表示をした(以下「本件解雇」という。)。 (6) 本件解雇当時の原告の賃金は,月額46万8300円を下 た。 被告は,9月22日付けで,就業規則78条5号に基づくとして,原告を懲戒解雇とする旨の意思表示をした(以下「本件解雇」という。)。 (6) 本件解雇当時の原告の賃金は,月額46万8300円を下らない。賃金の支給日は毎月25日,賞与の支給日は毎年6月15日及び12月5日であり,6月15日に原告に支給された賞与は102万円であった。 2 争点(1) 本件解雇が不当労働行為として無効であるか。 (2) 本件解雇に懲戒事由があるか,また本件解雇が解雇権の濫用として無効であるか。 第3 争点に関する当事者の主張(要旨) 1 争点(1)(本件解雇の不当労働行為性)について(原告)本件解雇は,次のとおり,原告の組合活動を嫌悪して,原告を職場から排除するためにされた不当労働行為であり,労働組合法7条1号及び3号に違反して,無効である。 (1) 原告は,昭和46年10月,産経新聞グループに雇用されている労働者で組織されているサンケイ労働組合(以下「産経労組」という。)に加入したが,同労組は,労働組合としての自主性を放棄して,産経新聞社の経営体制に完全に組み込まれており,職場での超低賃金・長時間労働など労働条件の悪化をもたらしていた。 原告は,産経労組の改革,職場での労働条件の改善,労働者の権利確立のため,同労組執行部に対する反対派として活動してきた。 (2) 原告は,平成6年1月10日,労働組合である反リストラ産経労を結成し,その筆頭代表幹事・執行委員長に就任した。同労組の結成目的は,「土曜付を休刊として新聞発行を週5日に減らし,組織を3割,人員を2割削減する」という被告の同年1月からの大幅な事業縮小=大規模リストラ計画に反対し,産経新聞グループ内での労使対等の正常な労使関係を確立することにあった。 (3) 反リストラ産経労は,1月25日被告に対 減する」という被告の同年1月からの大幅な事業縮小=大規模リストラ計画に反対し,産経新聞グループ内での労使対等の正常な労使関係を確立することにあった。 (3) 反リストラ産経労は,1月25日被告に対し,組合結成通告の予告をし,同月28日被告に対し,組合結成を通告するとともに団交申入れを行ったが,被告は,反リストラ産経労を労働組合として認めず,また,原告の労働組合員資格を否定して,団交に応じなかった。 また,被告が,2月1日に原告が配布した組合機関紙を強制的に回収し,懲戒処分に付することをちらつかせた事実もある。 反リストラ産経労は,その後も,2月1日,2日(2回),3日,8日,10日,14日,3月3日(3日と4日の2回分),9日(2回),22日,5月21日,6月3日,14日,7月6日,8月8日,22日(22日と25日の2回分),23日,29日,31日,9月8日,15日と合計26回にわたって団交を要求したが(このうち,3月9日分以降のうち10回は,原告に対する「管理的業務」を議題とするよう求めている。),被告はこれをすべて拒否し,本件解雇を行った。 (4) 本件配転は,原告らの反リストラ産経労の結成を嫌悪し,組合の組織壊滅を意図して,支局員が一人しかいない千葉支局に原告を配転したもので,不当配転である。 さらに,被告は,不必要な管理的業務等を原告に押しつけて本件解雇を行った。 その際,被告は,多数の文書を原告に対して乱発しているが,新聞社における業務指示方法として文書が用いられることはほとんどなく,こうした文書が乱発されたこと自体,被告が原告らの反リストラ産経労の結成とその活動を嫌悪し,組織の壊滅を図る狙いで原告を解雇する口実作りをしていたことは明らかである。 また,本件解雇がされた当時は,反リストラ産経労が都労委に対して不当労働行為 の反リストラ産経労の結成とその活動を嫌悪し,組織の壊滅を図る狙いで原告を解雇する口実作りをしていたことは明らかである。 また,本件解雇がされた当時は,反リストラ産経労が都労委に対して不当労働行為救済申立てをした事件の審査手続中であり,本件解雇は,労働委員会の審査手続中に申立労働組合の責任者が解雇されるという極めて異例なものである。 (5) 以上のとおり,本件解雇は,原告の産経労組組合員時代の反対派としての活動,反リストラ産経労の結成及びその組合活動を嫌悪して,反リストラ産経労の中心指導者である原告を職場から排除するために行われた不当労働行為であり,労働組合法7条1号,3号に該当し,無効である。 (被告)本件解雇は,次のとおり不当労働行為に当たらない。 (1) 次のとおり,反リストラ産経労は,労働組合であるかどうかについて疑義がある。 ア原告が被告にした1月28日の労働組合結成通告にかかる反リストラ産経労には,労働組合なる名称は冠せられておらず,その代表者も原告ほか1名が代表幹事とされ,「筆頭代表幹事・執行委員長P1」とはされていなかった。 イ原告は,平成4年2月論説委員となったことにより,被告と産経労組が締結している労働協約8条及び関連覚書により非組合員となった。 産業専門紙である日本工業新聞には,産業界への問題提起提言を内容とする「フェアおぴにおん」,業界,企業トップなどとのインタビューを内容とする「トップインタビュー」,「経営ざっくばらん」,エコノミストなどとのインタビューを内容とする「景気問答」,コラム「他山石語」の欄が設けられ,これらが全体として,被告の言論活動を形成している。なお,被告では社論形成のために特別に会議をもつなどはせず,執筆担当者が社の信条に基づく新聞製作に関する基本方針を踏まえ,社の伝統と自ら培ってきた経験 らが全体として,被告の言論活動を形成している。なお,被告では社論形成のために特別に会議をもつなどはせず,執筆担当者が社の信条に基づく新聞製作に関する基本方針を踏まえ,社の伝統と自ら培ってきた経験と見識により相互信頼の下に持ち回りで言論活動を行っている。 原告は,論説委員として被告の言論活動の中核にあり,その言論活動を通じて被告の社論(言論政策)の形成に関与し,これを主導し,自ら被告を代表する立場で行動していたし,また,論説委員は,社長の特命事項を通じて会社の政策に関する事項の決定にも直接参画しているから,「使用者の利益を代表する者」(労働組合法2条但書1号)である。 また,支局長は,部下支局員に対する人事考課などの管理業務や管轄地域に置いて被告を代表する職責を有するから,監督的地位にある労働者であり,同様に「使用者の利益を代表する者」である。なお,原告は,論説委員当時職能ランクが6ランクの専門職1級であったのが,支局長になっったので,管理職群に移行し,これに相当する職分として6ランクの部長になった(就業規則別表1)。 したがって,原告は,労働組合法上も非組合員として扱われるべきものであるから,労働組合を結成し,もしくはこれに加入する資格を有しない。 ウ反リストラ産経労は,被告が団交を開催するのに必要な前提手続である組合規約や組合員名簿の提出を求めたのに対し,これに応じなかったし,被告の従業員が反リストラ産経労に加入している事実も明らかにしなかった。 労働組合が独立した意思主体として組合活動を行うものであることからすれば,独立した労働組合の代表者が別の独立した労働組合の代表者を兼務することは実際上あり得ないところ,反リストラ産経労の代表者には,時事通信社に組織されている時事通信労働者委員会の代表者であるP2が兼務しており,しかも同 の代表者が別の独立した労働組合の代表者を兼務することは実際上あり得ないところ,反リストラ産経労の代表者には,時事通信社に組織されている時事通信労働者委員会の代表者であるP2が兼務しており,しかも同人は,反リストラ産経労の代表幹事・書記長として,組合内部事務の総轄遂行責任者も兼務している。 反リストラ産経労の組合規約は,原告及びP2が労働組合の外面を繕うために後日作成したものであり,2名の代表幹事の権限分配が不明確であるなど労働組合規約とは認め難い。 このように,反リストラ産経労は,労働組合としての規約ももたず,その構成員も両名以外は明らかでなく,執行委員会を構成し得る組織状況にもなく,被告には,原告以外に被告の従業員がこれに加入しているか否かは不明であって,その実体は,原告とP2の2名のみによって構成されているにすぎないとの疑念すら抱かざるを得ず,到底労働組合とは認められない。 (2)ア前記(1)のとおり,他の独立した組合の代表者が反リストラ産経労の代表者であること,この者と原告の両名以外には構成員が明らかでなく,被告の従業員は原告以外加入していないことからすれば,反リストラ産経労は労働組合としての実体と存在を有するものとは到底認められれず,そもそも憲法上の労働組合(憲法28条が予定している労働組合)ではないから,被告が反リストラ産経労との団交に応じなかったことが不当労働行為となる余地はない。 イ仮に反リストラ産経労が憲法上の労働組合であるとしても,使用者の利益代表者である原告が加入していることからして,法不適合組合(労働組合法の規定する法的保護を受け得ない組合)である。法不適合組合には行政救済が認められない(これを肯定する原告の主張は誤りである。)から,被告が反リストラ産経労との団交に応じなかったことは不当労働行為とはならない 法的保護を受け得ない組合)である。法不適合組合には行政救済が認められない(これを肯定する原告の主張は誤りである。)から,被告が反リストラ産経労との団交に応じなかったことは不当労働行為とはならない。 また,労働組合には,自らが実体を有する存在であることを使用者に明らかにし,確認させる必要があり,これをしないときは信義則上団体交渉権を使用者に主張し得ないというべきであるから,組合規約,組合員名簿の提出をしなかった反リストラ産経労との団交に被告が応じなかったことは,この点からしても不当労働行為とはならない。 ウ被告は,2月10日原告に対し,組合規約の提出を前提として同月14日に実質的な団交に応じることを申し入れたが,原告はこれを拒否した。すなわち,被告は,2月8日の原告との話合いで団交の冒頭に組合規約を提出することを原告が同意したことから,その前提で2月10日原告に対し,同月14日に組合との話合いに応じる旨回答したが,原告は,「場所は社内の会議室,また,会社,組合双方の代表者が調印する議事録を作成すること」との新たな条件を付け,これを認めなければ正式な団交と認められないとして,自ら開催を不能にした。被告は,以後はこの団交問題について都労委の手続の中で対応することとしたが,被告には,このような条件付きの団交に応じなければならない義務はないから,被告がこれに応じなかったことには正当な理由がある。 (3) 就業規則では,勤務時間中または会社施設内で業務に関係のない活動を行うときは,会社の許可を受けることとなっており(5条1項3号),許可なく会社施設内で文書の配布を行ったときは制裁を科されることになっている(79条6号)。なお,被告と反リストラ産経労との間には労働協約が締結されていないから,この就業規則は当然原告にも適用される。 被告が原告主 で文書の配布を行ったときは制裁を科されることになっている(79条6号)。なお,被告と反リストラ産経労との間には労働協約が締結されていないから,この就業規則は当然原告にも適用される。 被告が原告主張の機関紙を回収したのは,原告が就業規則に違反して,業務遂行中の被告職場内に無断で立ち入り,被告の制止に応ぜず配布を強行したため,職場秩序維持上の措置をとったものであるから,何ら組合運営に対する支配介入に当たらない。 (4) 後記争点(2)における被告の主張のとおり,原告は,千葉支局長として業務を遂行する旨確約して赴任しながら,被告の業務命令にもかかわらず,これを拒否し,同支局長としての業務を遂行しなかったため解雇されたものであり,本件解雇に解雇事由がある以上,これが不当労働行為に当たることはない。原告は,支局長は「使用者の利益を代表する者」に該当せず,組合員資格を有するとし,本件配転については争訟にゆだねるとして異議を留めて赴任しているのであるから,原告が千葉支局長としての業務を遂行したからといって支局長になることを認めたことにはならず,原告が千葉支局長としての業務を行うことに何ら不都合はない。原告は,反リストラ産経労の結成にかこつけ,自己の業務拒否を正当化するために団交要求を持ち出しているにすぎず,被告がこれに応じないことには正当な理由があるから,被告が団交に応じなかったからといって,原告の業務拒否が正当化されるいわれはない。 (5) ちなみに,本件配転は次の理由により行われたもので,業務上の必要に基づく正当なものであるが,仮にその不当労働行為性が問題になるとしても,原告が本件配転に応じた以上は,原告は,被告の業務命令に従い,千葉支局長としての業務を行うべきであるから,本件配転の不当労働行為性は本件解雇の不当労働行為性とは関わりがない。 問題になるとしても,原告が本件配転に応じた以上は,原告は,被告の業務命令に従い,千葉支局長としての業務を行うべきであるから,本件配転の不当労働行為性は本件解雇の不当労働行為性とは関わりがない。 ア被告は,平成6年初め,バブル経済崩壊後の販売部数低下傾向について平成6年度内に歯止めをかけ,平成7年度から増紙に転じる基本計画の中心の一つとして,首都圏強化計画を据え,平成6年ないし平成8年の3年計画でその達成を目指すこととし,首都圏における都内,多摩,横浜・川崎・神奈川,千葉,埼玉を対象に,新聞販売強化計画の策定と総・支局展開の見直しを実施することとした。 そして,千葉については,経済地域として重要であり,加えて,βメッセの展示会場での被告主催によるイベントが盛況を続けているため,これを千葉支局を通じてアピールし,紙勢拡大や広告収入の増大に役立てるチャンスにもなっていたことから,次のような拠点強化策をとることとした。 ① 関東総局から千葉を分離し,独立支局とする。 ② 支局長に編集経験豊かな有力人材を配置し,立ち上がり時期は,取材,報道活動を通じての地元産業経済界との関係強化,ネットワーク構築や被告主催のイベント支援協力等を積極展開することで,増紙及び営業強化のための地盤固めに努める。 ③ あわせて,支局長活動を通じ,千葉経済の将来の発展性と被告の社業推進のマッチングについて徹底した分析調査を行い,将来に備える。 イ平成6年2月の定期異動に際し,当時原告が所属していた論説委員会は縮小されて編集局に統合されることになったが,編集局部長兼務として引き続き勤務することにならなかった原告について,異動を考慮する必要が生じた。 原告の異動先については,原告の社内での経歴や,原告が平成4年3月に「総・支局体制のあり方について」と題するレポート(以下「 き勤務することにならなかった原告について,異動を考慮する必要が生じた。 原告の異動先については,原告の社内での経歴や,原告が平成4年3月に「総・支局体制のあり方について」と題するレポート(以下「本件レポート」という。なお,本件レポートには,被告のP3常務がアドバイスした部分もあるが,考え方の基本は原告自身のものである。)をまとめ,総・支局体制再構築の必要性を理解し,編集主導型のモデル支局(編集出身のデスククラスが支局長を務める支局)設置に前向きの姿勢を示していたことから,同型支局である千葉支局長に適任であると考えられた。また,千葉地域は,今後の発展性が大きく,先端産業,研究機関の立地性に優れ,住宅,高速道路の整備による開発余地も大きい上,千葉独自の金融機関も多いという特殊性があることから,千葉支局は,千葉地域の急発展に対応した新市場開拓の取り組みが必要であるが,原告は,ベテラン編集陣の一人で,過去の経歴中で培った産業界,経済官庁の人脈,キャリア,見識などを通じて千葉支局長の職責を果たすことが十分に期待できた。 以上のことから,被告は,原告の異動先として千葉支局長を選定した。 なお,新聞社である以上,編集出身者が支局長になるのはむしろ当然の人事であるし,原告には,編集出身者として,千葉支局を編集主導型の支局として再構築する目的があった。 ウ本件配転に当たり,被告は,原告の通勤時間(2時間強)を考慮し,始業時間について30分前後のアローアンスを認めているし,希望があれば支局長住宅も用意する旨伝えて,その処遇に配慮した。 また,支局活動には販売広告活動も含まれるが,原告が編集出身であることを考慮し,当面紙面を通じて部数拡大に努めてもらえばよく,営業は本社でカバーするのでこれに直接従事する必要はないと説明し,その点でも配慮した。 (被告 売広告活動も含まれるが,原告が編集出身であることを考慮し,当面紙面を通じて部数拡大に努めてもらえばよく,営業は本社でカバーするのでこれに直接従事する必要はないと説明し,その点でも配慮した。 (被告の主張に対する原告の反論)(1) 原告の組合員資格について労働組合とは,「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」であり(労働組合法2条),労働組合法上の労働者とは,「職種の種類を問わず,賃金,給料その他これに準ずる収入によって生活する者」(同法3条)である。 原告は,被告からの賃金収入で生活しているから,労働者であり,労働組合の組合員になり得る。労働者には,団結の自由が保障されており,自由に労働組合を結成し,加入できるから,原告には,産経労組と被告との労働協約の効力は及ばない。 労働組合法2条但書1号が「利益代表者」を除外したのは,労働組合の自主性を確保して御用組合を排除するためであるから,利益代表者といえるか否かは,管理職を組合員にした場合に労働組合が御用組合化するか否かを管理職が持つ権限とのかねあいで実質的,具体的に判断すべきであり,その者がどのような人事権を有しているのか,どのような労働関係の機密にどのように接しているのか,それによって労働組合の自主性が確保できないのかが問われるべきである。 論説委員会の実態は,定年過ぎの者が6名を占めるなどOB再雇用対策機関であり,社論を形成するための討論や会議も一切存在せず,単に論説委員各人が記事を掲載するにすぎず,論説委員が被告を代表する立場にあるとはいえない。このような,被告における論説委員の職務・権限内容や,論説委員には超過勤務手当が支給されており,労働基準法上の管理監督者に当たらないことからして,論 ,論説委員が被告を代表する立場にあるとはいえない。このような,被告における論説委員の職務・権限内容や,論説委員には超過勤務手当が支給されており,労働基準法上の管理監督者に当たらないことからして,論説委員は,論説委員長など論説委員会の監督的地位にある者以外は,使用者の利益代表者に当たらず,組合員資格を有する。なお,朝日新聞社,北海道新聞社,沖縄タイムス社などでは,編集委員が労働組合に加入している。 また,千葉支局は,被告東京本社販売・開発局の情報開発部の下にある一支局にすぎず,千葉支局長は何ら人事上の事項について直接決定する権限を持たず,労働関係上の機密にも接していないから,千葉支局長も,使用者の利益代表者に当たらず,組合員資格を有する。 (2) 反リストラ産経労の労働組合性について労働者である原告らが,企業の枠を超えてマスコミに働く労働者を幅広く組織して,経済的地位の向上を図ることを主たる目的として結成した反リストラ産経労は,労働組合そのものであり,反リストラ産経労がその組合員である原告に対する不当配転や不当な業務命令を阻止することは,労働条件の維持改善を図る行為そのものであるから,組合規約を提示しないことを理由に被告が団交を拒否することは許されない。企業の枠を超えた横断的労働組合の場合,仮に当該企業の従業員が一人であっても,他の企業の労働者と団結することによって団体性を備えることができるから,被告は従業員が一人しか確認できない労働組合とも団交を行わなければならないのであるし,合同労組の場合には,労働組合の二重加盟は通常よく見られることであるから,被告主張の事由は,被告が反リストラ産経労との団交を拒む理由とはならない。 労働組合法2条但書1号の利益代表者の規定は,法適合組合として労働組合法上の法的保護を受けられるか否かの資格審査 あるから,被告主張の事由は,被告が反リストラ産経労との団交を拒む理由とはならない。 労働組合法2条但書1号の利益代表者の規定は,法適合組合として労働組合法上の法的保護を受けられるか否かの資格審査のための規定にすぎず,利益代表者を含む労働組合であっても法的保護を受けられるから,被告は,反リストラ産経労を労働組合として扱い,団交に応じるべきである。原告は,論説委員,千葉支局長が労働組合法上の利益代表者であると認めるものではないが,反リストラ産経労が法適合組合であるかどうかにかかわらず,被告が団交を拒否することが正当化される理由はない。 (3) 機関紙回収について被告と産経労組との労働協約では機関紙の配布は自由とされているところ,反リストラ産経労と被告との間が無協約状態であるのは,被告が団交を拒否したためで,もっぱら被告の責めに帰すべき事由によるものであるから,被告は,労働基準法92条1項の趣旨,及び本来労働組合の機関紙配布活動は憲法28条により保障された権利であり,これを使用者側の利益から制限することは許されないことに照らし,就業規則上の許可制を反リストラ産経労に主張できない。 被告は,機関紙を強制的に回収することにより,原告らの組合の主張を職場の同僚に知らせるという機関紙配布の目的達成を不可能にし,原告らの組合活動に支配介入した。 (4) 本件配転の不当性ア本件配転当時,千葉地域は,鉄鋼,化学などバブル崩壊後の長期デフレ不況の影響を直接受けている重厚長大産業が多く,β新都心の開発頓挫をはじめ,諸プロジェクトの行き詰まりがはっきりとしている状況であった。 また,千葉支局は,被告関東総局長が千葉支局長を兼務する形をとっており,その仕事は企業を回って広告を集める仕事であり,支局員の仕事は千葉県庁の県政記者クラブに常駐して直接原稿を本 る状況であった。 また,千葉支局は,被告関東総局長が千葉支局長を兼務する形をとっており,その仕事は企業を回って広告を集める仕事であり,支局員の仕事は千葉県庁の県政記者クラブに常駐して直接原稿を本社情報開発部に送るというもので,千葉支局には被告の経営建て直しに貢献し得るような独自の仕事は存在していなかった。 なお,本件レポートは,P3の指示により同人の構想計画を原告が記載したものであり,原告の考えによるものではない。 このように,本件配転は,千葉経済の実情からみて全く合理性を欠き,被告の事業縮小を目指したリストラ計画(そもそも被告は,本件配転の根拠として主張している「基本計画」なるものも書証として提出し得ていない。)にも全く逆行するものであった。 イ本件配転は,論説委員を支局に配転するという前例のないものである。 本件配転により,原告は,自宅(神奈川県横浜市α)から千葉支局まで往復約5時間を要する超長時間通勤を強制される。被告が用意する支局長住宅は,家賃の一部を補助するというものにすぎず,補助家賃が低額に過ぎるし,被告が始業時刻に30分程度のアローアンスを認めたからといって,原告の苦痛は解消されない。 被告は,原告と同居の実母,実兄が健康に優れず,経済的,精神的に原告が彼らの生活を支えている実情にあるのを熟知しながら本件配転をし,これにより,原告の家庭生活は破壊される。 本件配転により,原告は,仲間のいる東京本社から引き離され,日常的な組合活動を不可能にされる。 原告が千葉支局で販売広告活動をさせられることは,長年経済記者一筋で生きてきた原告にとって重大な職種の転換を意味し,その記者生命が奪われるばかりでなく,長年の取材活動で培ってきた人脈と信用を台無しにされる。 ウこのように,本件配転は,何ら必要がないのに,ひとえに反リストラ た原告にとって重大な職種の転換を意味し,その記者生命が奪われるばかりでなく,長年の取材活動で培ってきた人脈と信用を台無しにされる。 ウこのように,本件配転は,何ら必要がないのに,ひとえに反リストラ産経労の結成を嫌悪し,その活動を困難ならしめる狙いの下に行われたもので,反リストラ産経労をつぶすことを目的とした,不当なものである。 2 争点(2)(解雇事由の存在,解雇権濫用)について(被告)(1)ア千葉支局長の業務内容は次のとおりである。 ① 主要産業界,中央経済官庁の取材で培った人脈と経験を生かして,本紙の重点地域である千葉県の経済界や官公庁の要人と常時接触し,良好な関係を保ちつつ,取材や情報交換を通じて,社の存在と影響力を高めること② 社を代表して各種イベントや行事に出席し,社名の高揚に努めること③ 編集委員,論説委員の経験を生かして,署名入り記事を執筆するなど,質の高い紙面作りに協力し,本紙の紙価を高めること④ 支局員を指導し,業務を遂行するとともに,人材の育成を図ることイこれらの業務を内容別に分類すれば,次のとおりである。 ① 支局管理の業務帳簿類への押印,常備金口座の開設と管理など② 支局員管理の業務勤務表への押印,人事考課の実施,業務指示・指導,金一封の支給,全体会議の内容の伝達など③ 支局長自身の業務原稿執筆,新年度の重点計画の策定,イベントへの出席,総・支局長会議,全体会議への出席など(2) 原告は,平成6年2月8日,被告との面談の際に,「異議を唱えつつも赴任したからには,当然支局長としての任務は果たす。」と千葉支局長としての業務の遂行を確約した。 しかるに,原告は,次のとおり被告が業務命令を発したにもかかわらず,7か月にもわたって千葉支局長としての業務一切を拒否した。 ア支局管理の業務について① 支局長としての業務の遂行を確約した。 しかるに,原告は,次のとおり被告が業務命令を発したにもかかわらず,7か月にもわたって千葉支局長としての業務一切を拒否した。 ア支局管理の業務について① 2月21日の指示千葉支局の管理業務としての金銭出納業務等(支局に支局長名の常備金口座を開設し,管理すること,支局長及び支局員の取材費,交通費など日常発生する経理伝票や帳票類をチェックし,それらに押印し,常備金で精算すること,支局の電話料など事務所経費を処理すること等)を指示。 ② 2月25日付け,3月2日付け,11日付け,28日付け,4月14日付け,5月25日付け,7月15日付け,18日付け,19日付け,8月16日付け各文書による指示支局常備金口座の開設を繰り返し指示。 イ支局員管理の業務について① 7月15日付け文書による指示2月15,16日の両日,P4支局員に対する業務指示・指導を遂行するよう指示したが,原告がこれに従わないので,7月15日付け文書で改めて指示。 ② 2月21日の指示帳簿類の処理,P4支局員の伝票への押印を指示。 ③ 2月25日付け文書による指示帳簿類の処理,P4支局員の勤務表への押印を指示。 ④ 3月1日,3日の指示P4支局員の勤務表への押印を指示。 ⑤ 3月7日付け文書による指示P4支局員の人事考課を行うよう指示し,人事考課表を送付。 ⑥ 3月10日,11日の指示P4支局員へ金一封を支給するよう指示。 ⑦ 3月11日付け,28日付け各文書による指示P4支局員の経費伝票に押印するよう指示。 ⑧ 7月4日付け文書による指示同月11日の全体会議に出席し,同会議の内容を支局員に周知させるよう指示。 ⑨ 7月6日の指示P4支局員の勤務表への押印を指示。 7月18日の指示P4支局員の伝票への押印を指示 書による指示同月11日の全体会議に出席し,同会議の内容を支局員に周知させるよう指示。 ⑨ 7月6日の指示P4支局員の勤務表への押印を指示。 7月18日の指示P4支局員の伝票への押印を指示。 ⑩ 8月8日の指示勤務表への押印を指示ウ支局長自身の業務について① 2月8日,21日,25日,3月11日の指示2月8日,「千葉の経済事情,景気動向」を原稿にするよう指示。 これに対し,原告は2週間かけて100行程度にまとめると答えたので,毎日取材の経過を報告するよう指示。 指示後2週間を経過した2月21日及び25日,3月11日にも出稿を指示。しかし,原告は,一度も経過報告をしないまま,3月30日になってようやく80行の原稿を出稿した。 ② 3月28日,4月11日,12日,13日,18日,25日,26日の指示3月28日付け文書で,新年度の千葉地域の景況,その景況下での編集方針,営業方針,その他の計画についての計画書を4月4日までに提出するよう指示。 4月11日,12日,13日にも同様の指示をし,原告は同月15日までに提出することを確約したが,同月18日に督促した結果,同月19日にようやく計画書が送られてきた。しかし,その形式,内容とも指示内容に従った文書ではなかったため,同月25日電話で再提出を求め,翌26日には文書で具体的内容を示して指示したが,原告は再提出しなかった。 ③ 2月15日の指示,4月7日付け,5月20日付け,9月2日付け各文書による指示いずれも,週間の出稿予定表及び毎日の出勤予定表の提出を指示。 ④ 5月20日付け,6月20日付け,7月4日付け各文書による指示5月20日,地域経済面についての連載計画と総・支局の分担を示す日程表を送付し,「列島クローズアップ」のメイン記事については,総・支局長が直接執筆するよ 月20日付け,7月4日付け各文書による指示5月20日,地域経済面についての連載計画と総・支局の分担を示す日程表を送付し,「列島クローズアップ」のメイン記事については,総・支局長が直接執筆するよう文書で指示。 6月2日,「列島クローズアップ」の出稿を指示したが,原告が応じないので,同月20日,7月7日付け紙面に掲載する原稿を7月4日午後5時までに出すよう文書で指示し,7月4日にも,同日午後5時までに出稿するよう文書で指示。 ⑤ 8月5日付け,12日付け各文書による指示8月5日,「列島クローズアップ」の夏季特集を同月12日までに出稿するよう文書で指示し,同月12日にも出稿を文書で指示。 エ支局長としてのその他の業務について① 6月3日付け文書による指示平成6年度第1・4半期(4-6月)の業務報告と第2・4半期(7-9月)の取り組みを主題とした首都圏総・支局長会議を6月13日午後1時30分から本社で開催する旨を通知し,その議題についての報告事項は文書にまとめて事前に提出するよう指示。 ② 6月3日付け,14日付け各文書による指示6月3日,被告などが主催し,同月15日から千葉支局管内のβメッセで開催される「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープニングテープカットとレセプションパーティーに出席するよう文書で指示。同月14日にも文書で同様の指示。 ③ 7月4日付け文書による指示7月11日に開く全体会議と総・支局長会議への出席及び全体会議の内容を支局員に周知させるよう指示。 ④ 7月6日付け文書による指示被告などが主催し,7月12日からβメッセで開催される「インターオプト94」のオープニングテープカットとレセプションパーティーに出席するよう指示。 ⑤ 8月1日付け文書による指示,8月5日,8日の指示8月8日までに千葉支 2日からβメッセで開催される「インターオプト94」のオープニングテープカットとレセプションパーティーに出席するよう指示。 ⑤ 8月1日付け文書による指示,8月5日,8日の指示8月8日までに千葉支局の下期(10月-3月)予算を作成するよう指示。 8月5日,8日にも同様の指示。 オ出勤状況等について① 3月24日の指示勤務表に正確に勤務実態を記載するよう指示。 ② 8月22日の指示,23日付け文書による指示8月22日,原告の出・退勤時刻や就労状況確認のため,本社に出頭するよう指示。原告は出頭してきたが,団交を要求するのみであったので,翌23日付け文書で同日に改めて出頭するよう指示。 ③ 8月29日の指示8月30日に本社に出頭するよう指示。 ④ 9月1日付け文書による指示9月6日に本社に出頭するよう指示。 ⑤ 9月8日の指示支局長としての業務を遂行するよう指示。 ⑥ 6月23日付け,8月25日付け各文書等による指示年次有給休暇(以下「年休」という。)の申請は少なくとも前日までに申請するよう再三指示。 カしかるに,原告は,被告のしたこれらのアないしオの指示をことごとく拒否し,わずか1本80行の記事を書いたのみで,千葉支局長としての業務を行わなかった。なお,被告が,後記原告主張のような取扱い((原告)(3))を了解した事実はない。 (3) 被告のした指示が業務命令であること及びその必要性についてア被告の発した文書には,いちいち業務命令文書である旨の表示はされておらず,また押印のないものもあるが,すべて実際に権限を有する者から業務命令としての趣旨を明らかにしてされたものであるから,業務命令文書である。また,一部に宛名が反リストラ産経労となっているものもあるが,それらはいずれも代表幹事・執行委員長P1宛にもなっており,原告に対 としての趣旨を明らかにしてされたものであるから,業務命令文書である。また,一部に宛名が反リストラ産経労となっているものもあるが,それらはいずれも代表幹事・執行委員長P1宛にもなっており,原告に対する業務指示の部分は「貴殿」と表示されていること及びその内容から,これらも,原告に対する業務命令であることは明らかである。 なお,被告の就業規則では,服務規律を定めた4条でも明らかなように,命令と指示を特段区別しておらず,懲戒休職事由としての会社の命令と懲戒解雇事由としてのそれとを区別してもいないから,これらが異なることを前提とする原告の主張は失当である。 イ支局管理及び支局員管理の業務に関する指示について被告の指示したこれらの管理業務は,支局長の業務である。 P4支局員は,形式上東京本社経済部員も兼ねていたが,経済部の仕事は一切行っておらず,全て千葉支局の仕事を行っていたから,同支局員の人事考課は支局長である原告が行うのが当然である。 金一封は社員の功労に報いるためのものであるから,その交付は直属の上司である支局長が趣旨を説明しつつ,直接に行うことに意味がある。 ウ支局長自身の業務に関する指示について被告の原告に対する出稿指示は被告販売・開発局長からされたが,原告はいっこうに業務指示に従おうとせず,通常の手続では「列島クローズアップ」の出稿が期待できなかったため,総・支局長を指揮監督する立場にある販売・開発局長が自ら出稿を指示せざるを得なかったものである。 「列島クローズアップ」の記事は,地元に密着した紙面によってその地域における販売部数の伸長を図るために企画された地域経済面の中心的連載記事であり,記事の性格上,地元の経済人,取材先に対して被告として積極的に取材し記事を執筆していることをアピールするため,総・支局長が自ら前面に出 数の伸長を図るために企画された地域経済面の中心的連載記事であり,記事の性格上,地元の経済人,取材先に対して被告として積極的に取材し記事を執筆していることをアピールするため,総・支局長が自ら前面に出て取材した署名入りの記事を掲載することが企画の成果を上げる上で効果的である。そこで,被告は,千葉支局長である原告に出稿を指示したのである。もっとも,総・支局長の中には編集部門に携わったことのない者もいるが,被告は,その者については,本社に連絡の上自らの責任において他の者に記事を執筆・出稿させることとし,また編集部門出身の支局長の場合でもテーマ等によっては他の記者が書くことがベターな場合や予定通りの執筆が困難となる場合もあるが,そのような場合は,本社との事前連絡話合いによって予定を変更することが支局長の任務である。なお,総・支局長が記事に関し代替措置を望む場合は,最低1週間前までに被告に申し出ることとされているが,原告からは何らの申し出もなく,被告が原告に求めた記事について代替措置を講じることは不可能であった。 週間出稿予定表の指示は,紙面作成上各支局の出稿予定を把握することが必要であるからであり,翌週の出稿予定がなければその旨記載して提出すべきものである。 エ支局長としてのその他の業務に関する被告の指示について支局の活動の実態に即した経費予算の作成は,現場の支局長こそがよくこれを成し得るものであるから,専任支局長をおいた以上支局の経費予算作成は支局長が行うべきものである。 オ原告の出勤状況・年休に関する被告の指示について新聞社であっても,出退勤状況を管理する必要があることは当然である。仮に取材のため定時に出勤できないとすれば,そのことを明らかにすれば足りるものである。 支局長は,当該地域において対外的に被告を代表するものであり,そ 退勤状況を管理する必要があることは当然である。仮に取材のため定時に出勤できないとすれば,そのことを明らかにすれば足りるものである。 支局長は,当該地域において対外的に被告を代表するものであり,その性質上代替要員を準備するのが容易でなく,その確保に相当程度の時間を要するため,当日年休を申請されたのでは業務に支障を生じるおそれがあり,被告は,原則的に当日の年休申請は認めていない。にもかかわらず,原告は当日年休申請を行い,被告の注意にもかかわらず改めなかったものである。 労働基準法上,使用者には時季変更権の機会が保障されており,被告の就業規則も連続2日の年休を全く自由に取得することを認めるものではない。原告は都労委の調査期日には勤務しないことを事前に届け出ておらず,被告の問いかけに対しても「今言う必要はない。」などと答えた上,当日になって年休を申請してくるのであるから,被告には,原告が都労委の調査期日当日に勤務するかどうかは不明であった。 (4) 本件解雇の手続について被告は,本件賞罰委員会に付する際,事前に原告に送付した通知書において,付議事由たる懲戒事由(被告の指示,注意にもかかわらず,原告が千葉支局長としての業務を遂行しなかったこと)を明示しており,同委員会では原告の弁明の機会も与えられているから,本件解雇に手続違背はない。 原告は,当初は守秘義務が規定されている賞罰委員会規程を見せるよう要求していたが,その後,就業規則に守秘義務が規定されていない以上賞罰委員会規程に拘束されないとしてそれ以上見せるよう要求しなかったため,被告がこれを見せなかったにすぎないし,賞罰委員会規程の欠格条項にいう「事案の直接の関係者」とは,制裁の議に付された者や,制裁対象となるべき行為を行った者等制裁の議に付された者と密接な関係を有する者を意味するか せなかったにすぎないし,賞罰委員会規程の欠格条項にいう「事案の直接の関係者」とは,制裁の議に付された者や,制裁対象となるべき行為を行った者等制裁の議に付された者と密接な関係を有する者を意味するから,原告主張の者はこれに該当しない。もとより,賞罰委員会規程は適正に作成されたものである。 (5) 以上のとおり,原告には,就業規則78条5号に該当する事由があるから,本件解雇は有効であり,被告が解雇権を濫用したものともいえない。 (原告)原告には,次のとおり,就業規則78条5号に該当する懲戒事由は存在しないし,また,本件解雇は被告が解雇権を濫用してしたものであるから,無効である。 (1) 千葉支局長の業務について原告が赴任した千葉支局には専任支局長がいなかったから,千葉支局には支局長としての所定の業務はない。 また,千葉支局長の権限・職務内容についての規定は何ら存在せず,原告が被告から被告主張の業務が千葉支局長の職責に含まれると明言されたこともない。新聞社の支局にとって重要なことは,支局員の原稿が量・質の両面で滞りなく出稿されることであり,支局長の最大の職責はそれを円滑に実現することに尽きる。 (2) 業務命令の不存在原告は,千葉支局在任中,被告から業務命令を受けた事実はない。 使用者の懲戒権は,集団的労使関係の円滑な確保を図るためには企業秩序を維持することが必要であるとの考えに基づき,企業秩序に違反する反規範的な労働者に対して制裁処分として行使されるものであるから,懲戒処分事由は,単なる労働契約上の債務不履行行為ではなく,重大な企業秩序違反行為でなければならない。業務上の命令違反が懲戒処分の対象となり得るのは,業務上の命令が明示的,かつ具体的な形で行われることから,これを正当な理由なく拒否する行為が企業秩序に対する重大な侵害と評価さ 為でなければならない。業務上の命令違反が懲戒処分の対象となり得るのは,業務上の命令が明示的,かつ具体的な形で行われることから,これを正当な理由なく拒否する行為が企業秩序に対する重大な侵害と評価されるからである。したがって,懲戒処分の対象となる業務上の命令といえるためには,命令が,命令者により,命令の形式をとった明確な内容のものとして行われることが必要であり,明示的,かつ具体的な形で行われることを要するというべきである。 しかし,被告が業務命令と主張する33通の文書は,形式面でいえば,表題に業務命令書と明記した文書は一切なく,発信人が原告の直属の上司である情報開発部長,同次長であるのが1通だけで,他は肩書がないか,職務上の直属の上司でないものであるし,発信人の押印がないものが21通,名宛人が支局長宛でないものが6通,送り先が自宅であるものが2通,労働組合事務所であるものが5通,ファックスという非公式な形式によるものが22通であり,内容面でみても,専ら労働組合(反リストラ産経労)の抗議書,要求書への回答であるものが6通,要請,依頼にとどまるものが16通,一般的な通知,連絡であるものが3通であり,表記方法として,「お願いします」,「お願いいたします」とあるのが7通,「して下さい」,「下さい」が19通で,明確に「命令する」と業務命令の表記をしたものは皆無であり,到底業務命令文書とはいえない。その詳細は,別紙2「被告がしたとする『業務命令』の実態」のとおりである。 新聞社における業務指示方法として文書が用いられることはほとんどなく,こうした文書が乱発されたこと自体,被告が原告らの反リストラ産経労の結成とその活動を嫌悪し,組織の壊滅を図る狙いで原告を解雇する口実作りをしていたことは明らかである。 また,被告の主張では,原告が会社から業務に関 発されたこと自体,被告が原告らの反リストラ産経労の結成とその活動を嫌悪し,組織の壊滅を図る狙いで原告を解雇する口実作りをしていたことは明らかである。 また,被告の主張では,原告が会社から業務に関して出された指示に従わなかった場合は全て業務上の命令違反となるが,それでは業務命令違反として懲戒処分に付される場合と勤務懈怠との区別がつかなくなり不当である。特に,被告の就業規則では指示と命令を使い分けており,業務上の命令拒否は懲戒免職事由とされ,所属長の指示に従わなかったときは懲戒休職とされているが(就業規則79条9号,78条5号),指示と命令が同じであるとすれば,休職と解雇とでは処分程度が異なるのに,懲戒休職事由としての業務命令違反と懲戒解雇事由としての業務命令違反との区別がつかないことになる。この点からしても,被告の指示が業務命令とはいえない。 本件では,被告の発したとする案件は,「業務命令」ではなくすべて「業務指示」なるものであり,それも「して下さい」,「お願いします」など,原告にそれに従うのかどうか裁量,判断する余地を残したあいまいな表現に止まっている。万一,それに対する違反が原告にあったとしても,懲戒処分として懲戒休職に該当するかどうかが検討されることはあっても,懲戒解雇にすることは到底許されない。 したがって,本件解雇は,相当性,比例性の原則に違反し,懲戒解雇権の濫用に当たる。 (3) 被告の指示の必要性についてア支局管理及び支局員の管理の業務について千葉支局では,原告がP4支局員に自由に記者活動をさせたことで,それなりの原稿を出稿しており,千葉支局の業務は十分達成されていたし,被告も,原告がP4支局員に自由に取材・執筆させることを了解していた。 原告が金銭出納業務を拒否した事実はない。千葉支局の常備金口座はP4支局員が 稿しており,千葉支局の業務は十分達成されていたし,被告も,原告がP4支局員に自由に取材・執筆させることを了解していた。 原告が金銭出納業務を拒否した事実はない。千葉支局の常備金口座はP4支局員が保有管理しており,支局運営上これで何ら支障がなかったにもかかわらず,被告は,わざわざP4支局員に口座を解約させ,原告に個人口座の開設を要請した。原告は,団交を要求し,団交で合意できればしかるべく対処するとしたにもかかわらず,被告は要求に応じなかったもので,原告に非難されるいわれはない。 被告は,伝票はP4支局員が関東総局又は本社に送る方法で処理すること,支局経費などの伝票も本社で処理することを了解した。 被告主張の出勤簿への押印,支局員の勤務表への押印要請についても同様である。また,千葉支局では,P4支局員は従来どおり,出勤簿を販売・開発局に送付する方法で処理しており,原告が従来の慣行に従ったからといって非難されるいわれはない。そもそも,新聞企業たる被告においては,企業としての生命を左右するのは,いかにして特ダネをとり,また優れた分析力のある解説記事などを作成して紙面に掲載して行くかにあり,記者の出退勤時刻の管理などではない。記者は,勤務時間(午前10時から午後6時まで)にとらわれずに取材・執筆にあたっているから,出勤簿などは管理上の重要性を持つものではない。 被告は,原告の組合員資格に疑いを持たせるだけの狙いで原告に人事考課を押しつけようとしたものであり,原告は団交での話合いを申し入れたが,被告はこれに応じなかった。 金一封について,原告は取材で多忙なため本社に行けなかったもので,被告には,P4支局員の分は同人が自分で受け取りに行くよう連絡すると答え,P4支局員は現に受け取っているから,原告に非難される点はない。 全体会議は,取材の予約 多忙なため本社に行けなかったもので,被告には,P4支局員の分は同人が自分で受け取りに行くよう連絡すると答え,P4支局員は現に受け取っているから,原告に非難される点はない。 全体会議は,取材の予約などの仕事の予定のない者が出席する性格の会合にすぎないし,社員であれば誰でも出席できるもので,P4支局員も出席要請を受けていたから,あえて原告が出席する必要はなかった。原告は,当日重要な取材の予定が入っていたため出席しなかったが,これまで原告は全体会議に出席したことがないにもかかわらず,それを理由に処分を受けたこともない。 イ支局長自身の業務について新聞企業では,記者に対する原稿の発注チェックは出稿の責任者であるデスク(部次長)の担当であるのに,被告は,販売・開発局長自身が原告に直接出稿要請,テーマの決定を行っており,これは,原告を同局長の直轄統治下におくもので,原告に対する不利益取扱いである。新聞社において,本社の営業分野を担当する販売・開発局長が一記者に対して記事の取材・出稿を要請すること自体異常であり,まして,特定のテーマについて毎日中間報告を求めることは異常極まりない。 被告販売・開発局長がした要請は,原告の業務指示違反を作出するための口実にすぎない。 被告主張の計画書提出は,協力依頼にすぎないが,原告は,4月15日に計画書をファックスで送ったものの,販売・開発局員から事前に伝えられていたファックス番号が誤っていたため,同月19日に送り直したにすぎない。 出稿予定表の送付は,被告のお願いにすぎず,原告には提出する義務はない上,原告は記者クラブを担当しておらず,発表原稿の予定もなかったから,出稿予定を書き込む週間出稿予定表を提出することは無意味である。 原告が「列島クローズアップ」の原稿を出稿できなかったのは,求められたテーマ(「 ラブを担当しておらず,発表原稿の予定もなかったから,出稿予定を書き込む週間出稿予定表を提出することは無意味である。 原告が「列島クローズアップ」の原稿を出稿できなかったのは,求められたテーマ(「動き出すβ新都心」と「建設進む東京湾横断道路と千葉の開発」のいずれか)があまりにも現状とかけ離れていたため,再検討を申し入れたのに対し,被告がこれを拒否したためであり,被告は,原告を出稿困難な状況に追い込んだ上で,掲載日程の変更,代替原稿の手当などの代替措置を何ら講ずることなく,意図的に「列島クローズアップ」の休載を告知したものである。 「列島クローズアップ」の夏季特集のテーマも,「回復局面に入る?地域経済」というもので,低迷を続けている千葉経済の実情にそぐわないものであり,原告はテーマの再検討を求めたが,被告はこれに応じなかった。 ウ支局長のその他の業務について原告は,取材に多忙であり,被告が一方的に日時を決めた会議や展示会に出席することは実際上不可能であるし,展示会については,東京本社から首脳,幹部が出席することになっており,千葉支局長にすぎない原告が出席する必要もなかった。 また,被告も,原告が被告主張の会議や展示会に出席しないことを事実上了解していた。 下期経費予算の作成について,千葉支局においては,原告の取材費は原告が自弁しており,P4支局員の経費も同人の口座に振り込んでもらうシステムになっているなど,経費の予算を作成する必要もなかったし,同予算の予算表作成用紙も原告に送付されておらず,原告は支局員の給与の実額さえ知らされていなかったもので,本来同予算は,本社販売・開発局で作成すべきものである。また,原告は,「P4の分までも含めた予算作成は,原告の組合員資格に疑いを抱かせるから,団交で話し合い,問題がないと合意できればすぐに対応 で,本来同予算は,本社販売・開発局で作成すべきものである。また,原告は,「P4の分までも含めた予算作成は,原告の組合員資格に疑いを抱かせるから,団交で話し合い,問題がないと合意できればすぐに対応する。」と答え,その理由を明らかにしたが,被告はこれに応じなかったもので,原告に非難される点はない。 エ出勤状況等に関する被告の指示について新聞記者の勤務実態として,取材先への直行,取材先からの直帰は一般的な通常のあり方であり,被告は,自由な取材活動を何よりも重視する新聞社の勤務形態の特殊性を故意に無視し,原告が取材を終えて支局に顔を出したことを出勤ととらえ,原告を不当に攻撃している。 原告は,千葉経済の不況の深刻さに着目し,千葉経済の総括的な取材研究とあわせ,倒産の実態についての取材研究に取り組んでいたもので,東京ディズニーランド,川崎製鉄千葉製鉄所の合理化問題などを取材していたが,社会的に影響の大きいテーマについては徹底的な隠密行動が必要であり,また,支局に常時在席する必要もない。 労働基準法上,使用者は労働者の請求する時季に年休を与える義務があるだけで,同法は労働者が年休を前日までに申請することを義務づけていないし,被告においては,従業員の年休は当日の午前中くらいに電話で連絡すれば取得できる労働慣行となっていた。また,被告の就業規則でも,連続2日までの年休は自由に取得できるようになっている。原告は,6月28日都労委の調査に出席するため,当日の年休を当日の始業時刻前に申請したが,被告は,時季変更権を行使することもなくこれを事後に否認し,無断欠勤扱いにした上,この事実を原告が調査するまで原告に通知することさえしなかった。これは,労働基準法39条に違反し,また労働組合法7条4号に該当する不当労働行為である。また,原告が有給休暇を申請する 欠勤扱いにした上,この事実を原告が調査するまで原告に通知することさえしなかった。これは,労働基準法39条に違反し,また労働組合法7条4号に該当する不当労働行為である。また,原告が有給休暇を申請するのは都労委の調査の日に限られており,被告は調査の期日を事前に了承していたから,代替者を用意することは可能であった。 (4) 被告主張の原告の業務拒否についてア団交を拒否する被告の回答に対して,反リストラ産経労は,3月22日付け「抗議書・要求書」により,「原告が業務を拒否した事実はなく,組合は,原告の業務について団交で話し合いたいと申し入れている。被告のいう業務は原告の組合員資格に疑いを持たせる狙いで仕掛けられたもので,組合の適格性を否認させた上で組合潰しを図ろうとしたものである。組合が団交で解決したいと要求するのは当然である。」旨反論している。 イ反リストラ産経労は,被告に対し3月9日以降本件解雇直前の9月15日までの15回の団交申入れのうち,実に10回の申入れにおいて,被告が原告に押しつけた「管理的業務」を議題にするよう求めているが,これは,前記アのとおり,原告の組合員資格,利益代表者性及び反リストラ産経労の労働組合法上の適合性に関連するからである。反リストラ産経労及び原告は,被告に対し,団交において「管理的業務」に関してこれらの問題での整理ができたならば,その整理に従って被告が押し付ける「業務」にも応じる旨再三表明していた。 しかるに,被告は,反リストラ産経労からの団交申入れをことごとく拒否した。 ウこのように,被告は団交応諾義務に違反しており,原告が「業務」を拒否した事実はない。 (5) 適正手続違反ア本件賞罰委員会に先立ち原告に送付された通知書には,何ら具体的な懲戒事由が示されておらず,被告は,同委員会において,原告に具体的事 り,原告が「業務」を拒否した事実はない。 (5) 適正手続違反ア本件賞罰委員会に先立ち原告に送付された通知書には,何ら具体的な懲戒事由が示されておらず,被告は,同委員会において,原告に具体的事実について弁明する機会も与えないまま,一方的に同委員会を打ち切った。本件解雇の通告書にも,懲戒解雇事由の具体的な記載は一切ない。 本件解雇手続には,これらの告知・聴聞の不存在,審議の不存在のほか,原告が賞罰委員会の根拠規定の開示を求めたのに,被告はこれを拒否して規則を隠蔽したこと,事案の直接の関係者の出席を禁ずる賞罰委員会規程14条に違反して,原告の上司であるP5販売・開発局長及びP3らを出席させたこと,本件解雇の通告書の記載が不備であるといった,適正手続違背がある。 そもそも賞罰委員会規程なるものは,規程が改正実施された昭和62年当時には被告に存在していない管理室が記載されているなど,本件解雇後に作成された疑いすらある。 (6) (1)ないし(5)のとおり,本件解雇には解雇事由がないか,または,被告が不当労働行為意思をもって解雇権を濫用したものであるから,無効である。 第4 当裁判所の認定した事実第2の1の事実及び証拠(後掲のほか,甲97ないし113,119の(1),(2),乙94,103,105ないし135,証人P6,原告本人)によれば,次の事実が認められる。前記証拠中,この認定に反する部分は採用しない。 1 原告の産経労組所属時の組合活動等(1) 原告は,昭和46年4月1日,被告に雇用され,同年10月,産経新聞グループの従業員で組織される産経労組に加入した。被告と産経労組とは,ユニオンショップ協定を締結しており,被告の従業員は産経労組への加入が義務付けられていた。なお,被告を含む産経新聞グループと産経労組との間の労働協約(乙1)では 労組に加入した。被告と産経労組とは,ユニオンショップ協定を締結しており,被告の従業員は産経労組への加入が義務付けられていた。なお,被告を含む産経新聞グループと産経労組との間の労働協約(乙1)では,「会社は,組合が会社の従業員で組織される唯一の労働組合であることを認め,他の労働組合とは交渉しない。」(7条),「会社と組合は,この『協約の精神』と『運用の原則』にもとづき,労使間の問題は,すべて話し合いによって平和のうちに解決し,争議はしない。」(14条)などとされている。 (2)ア原告は,被告に入社後仲間とともに,「月曜会」なる研究会を作り,取材のあり方や会社の運営等について意見交換していたが,その中では,産経労組では従業員の権利が守られないなどとして,組合問題を話すこともあった。 昭和51年,経営再建のため産経新聞社と産経労組は「サンケイ刷新3カ年計画」(従業員3600人のうち1800人の要員調整,大幅賃下げ等。)を合意し,産経労組が,同年6月の臨時大会で同計画の受入れの可否を決定することになった。原告は,被告東京編集局代表の代議員として同大会に出席し,保留票を投じたが,全体では賛成89票,保留13票,反対0票であり,同計画の受入れが決定した。(甲31,32)また,昭和60年,産経グループの一員である被告の社員に対する夏期賞与額が,被告の経営が苦しいとして,同じグループの産経新聞社の社員に比較して3万円少なく支給されることになったことがあった。同年6月の産経労組の定期大会では,日本工業新聞社出身の代議員2名がこれに反対する討論をしたが,原告もこの反対する側に与していた(なお,その後,昭和61年6月に被告社員に対する3万円の激励賞が支給されることになり,この格差は実質的にはなくなった。)。(甲35ないし38)。 月曜会の中では,こ もこの反対する側に与していた(なお,その後,昭和61年6月に被告社員に対する3万円の激励賞が支給されることになり,この格差は実質的にはなくなった。)。(甲35ないし38)。 月曜会の中では,このころから,産経労組とは別の新しい組合を作るべきであるとの意見が出されるようになった。(甲34)イこの間,原告は,組合関係では,職場委員,選挙管理委員,労使協議会委員を務めた。(甲31ないし38)(3) 原告は,平成3年5月に編集局産業第三部次長から論説委員会付編集委員へと配置換えになった。原告及び原告を支持する者は,被告では管理強化が行われ,本人の意向を無視した配転が濫発されており,産経労組は組合による抵抗体制を再構築すべきであるとして,原告ほか1名が,同年6月の産経労組の定期大会代議員に立候補することとした。しかし,他の代議員立候補者2名との選挙となり,その結果,その代議員立候補者2名が当選し,原告ほか1名は,有効投票数95票中17票(原告は11票)を獲得したものの,代議員に選出されなかった。 (甲97,119の(1),(2),原告本人は,P3らが投票駆り出し,投票監視を行った,被告は原告らが一定の支持を得たことに驚き,反対派の拠点であった産業第三部の部員を配転させたなどとするが,乙114,証人P6に照らし,にわかに採用できない。)(4)ア原告は,平成4年2月から論説委員として論説委員会に所属するようになった。 原告は,被告と産経労組との労働協約及び同覚書(乙1)上,論説委員は非組合員とされていることから,この異動は原告を産経労組から追放するものであるとして,難色を示したが,論説委員長(当時)のP5から「この人事を受けなければ会社を辞めてもらうことになる。」と言われ,最終的に異動に応じた。なお,同覚書では,総・支局長も非組合員であ るものであるとして,難色を示したが,論説委員長(当時)のP5から「この人事を受けなければ会社を辞めてもらうことになる。」と言われ,最終的に異動に応じた。なお,同覚書では,総・支局長も非組合員であるとされている。 イ産業専門紙である日本工業新聞には,産業界への問題提起提言を内容とする「フェアおぴにおん」,業界,企業トップなどとのインタビューを内容とする「トップインタビュー」,「経営ざっくばらん」,エコノミストなどとのインタビューを内容とする「景気問答」,コラム「他山石語」の欄が設けられ,論説委員は交代でこれらの欄を執筆している。しかし,これらの欄の執筆に当たり,論説委員が相互に意見交換したり,意見の統一を図ったりすることはなかった。 なお,原告が論説委員であった当時,論説委員は,論説委員長,論説副委員長,原告の3名のみが被告の社員であり,残る6名は被告の嘱託であった。また,原告は,論説委員当時,超過勤務手当の支給を受けていた。(甲54の(1))ウ被告以外の他のマスコミでは,例えば,朝日新聞社,北海道新聞社,沖縄タイムス社は,労働組合と会社との労働協約又は労働組合の規約上,論説委員をすべて非組合員とはしていないし,支局長もすべてが非組合員とはされていない。(甲41,85の(1),(2),86)。 2 本件レポートの提出(1) 被告は,全国に4つの総局(東北,関東,中部,神戸)と9つの支局(北海道,千葉,横浜,静岡,浜松,京都,岡山,中国,九州)を有している。そのうち関東総局は,浦和,千葉,茨城,栃木,群馬の地域を所管していた。 (2) 原告は,論説委員会付編集委員当時の平成3年9月末ころ,被告の代表取締役社長P7(以下「P7社長」という。)から,当時編集・総支局を担当していたP3とともに総・支局問題の研究を行うよう命じられ,同年11月 ,論説委員会付編集委員当時の平成3年9月末ころ,被告の代表取締役社長P7(以下「P7社長」という。)から,当時編集・総支局を担当していたP3とともに総・支局問題の研究を行うよう命じられ,同年11月29日に中間レポートを提出した後,論説委員となった後の平成4年3月,「総・支局体制のあり方について」と題するレポート(本件レポート。乙65)を作成・提出した。 (甲43ないし46)本件レポートは,総・支局のあり方について,編集主導型に転換すべきであるとするもので,①地域経済活性化の状況や将来展望を踏まえたモデル地区を選定し,そこに実験的な編集主導型のモデル支局を設置する,②編集主導型支局では,編集局出身のデスククラスのメンバーを支局長とし,編集記者などを配置する,③編集主導型支局の主眼は,「広告取りの便宜的拠点」との在来のイメージを脱却し,地道でまともな取材活動を通じて,社の存在感を地域に植え付け,それにより当該エリアでの販売部数増を図ることにあり,地域で新聞が読まれていること,そのため,地元関連のニュースが常時出稿されていくことが必要となる,④モデル支局では,県政,市政,経済クラブへの加入を実現し,地元取材の基盤を確保することが前提となる,⑤首都圏のモデル支局の配置場所の候補としては,千葉,横浜などがあげられる,千葉は,東京湾横断道路の着工やβでの新都心建設などウォーターフロント経済の新しい核として成長が見込まれる,現在の関東総局の一支所としての位置づけからモデル支局に昇格させ,人員の重点的な配置を行えば新しい展開も期待できるなどとするものである。 本件レポートに示された考え方は,P3が助言した部分もあるが,原告の考えを基調としたものであった。 3 被告の経営合理化策等(1) 被告では,平成4年後半からバブル経済崩壊の影響を受けて,広告 。 本件レポートに示された考え方は,P3が助言した部分もあるが,原告の考えを基調としたものであった。 3 被告の経営合理化策等(1) 被告では,平成4年後半からバブル経済崩壊の影響を受けて,広告売上げを中心に収入が急速に落ち始め,平成5年3月期は大幅な赤字に転落した。被告は,不況乗り切りのため,平成5年初めから経営合理化に取り組み始め,同年7月8日付けで編集局国際担当と編集局産業第四部の廃止などの組織変更を行うとともに,関連する人事発令を行った。この人事で,廃止された産業第四部の次長は,それまで中部総局次長が兼務していた浜松支局長に異動した。(甲48の(1))平成5年7月の異動に当たり,当時被告の編集,論説,総・支局担当常務であったP3は,同年6月10日原告に対し,出版局編集部長,日工フォーラム社編集長,支局長などへの異動についての意向打診をしたが,原告が「論説委員でいたい。」,「原告の組合活動への報復である。」などとして難色を示したため,これを見送った。なお,P3は,同月29日に管理担当となった。 (2)ア被告は,平成5年11月には,①土曜版の休刊,②局の統合,総・支局の再編など組織と要員の抜本的見直し,③交際費などの経費の削減,などを重点項目とする中期経営計画(平成6年から平成8年までの3か年計画)を策定した。その内容は,①現在の5局(編集,販売,広告,事業,出版),1本部(編集企画本部),1委員会(論説),1室(管理),1外局(日工フォーラム)の9部門を,4局(編集,開発,営業,事業),1室,1外局(出版局と連動)の6部門に統合し,開発局に販売局と編集企画本部を統合する,②編集局に論説委員会を吸収する,③総・支局運営の重点を東京,大阪,東海の大都市圏に置き,要員配置を見直す,④関東総局から千葉支局へ主力を移行する,などとす ,開発局に販売局と編集企画本部を統合する,②編集局に論説委員会を吸収する,③総・支局運営の重点を東京,大阪,東海の大都市圏に置き,要員配置を見直す,④関東総局から千葉支局へ主力を移行する,などとするものであった。(乙100)同月,P7社長は,全従業員を対象とする全体会議でこの計画の要旨を説明した。 イまた,同年12月には,販売局において,「増紙首都圏強化3カ年計画」(乙101)を策定し,①販売の主戦場である首都圏販売部数シェアを現行の47パーセントから3年計画で50パーセントまで引き上げる,そのため千葉については現行部数の5割増,横浜,川崎,神奈川の3ブロックで現行計画の3割増をめざす,②拠点強化対策として,千葉については,関東総局から千葉を分立し,支局昇格させ,支局長に編集経験豊かな有力人材を配し,立ち上がり時は取材,報道活動を通じての地元産業経済界との関係強化,ネットワーク構築や会社主催のイベント支援協力等を積極展開することで増紙及び営業強化のための地盤固めに努める,横浜総局は増紙戦略上販売経験豊かな有力人材を配し,速効性の高い対策を講じる,③計画達成への局支援体制として,「地域経済面」の編集を販売局内に移管する,などとした。 なお,日本工業新聞の発行部数は,平成4年10月現在で約41万6000部であったが,千葉での販売部数は平成6年度で約1600部であった。(甲58,乙123)(3) 被告は,平成6年1月には,同年2月組織変更及び人事異動について,「新時代の産業紙のあり方として,信頼される紙面で購読部数を上乗せすると同時に,販売,広告以外の付帯事業も強化し,産業情報を中核とした情報企業体を構築する。都市型産業紙を目標に東京を中心とした首都圏,近畿圏,東海圏を重点拠点とする。この方向を目指して組織改革を行う。当面は販売を 売,広告以外の付帯事業も強化し,産業情報を中核とした情報企業体を構築する。都市型産業紙を目標に東京を中心とした首都圏,近畿圏,東海圏を重点拠点とする。この方向を目指して組織改革を行う。当面は販売を重視し,編集連動型の販売・開発局を設置し,他の組織は可能な限り効率化を図る。」などとして,①販売局を販売・開発局と改め,販売部と情報開発部を置き,情報開発部は総・支局を統括し,地域面を編集する,②編集局に論説委員会を統合し,論説委員室とする,③関東総局から千葉支局を分離,独立させる,④横浜総局を横浜支局とするなどとした。(乙102)なお,被告が千葉支局を関東総局から独立させたのは,千葉はβでの新都市とウォーターフロント経済圏の建設,東京湾横断道路工事の進行,成田空港第2期計画にあわせた臨海工業地域の造成などがあり,経済地域として重要であったこと,βメッセの展示会場での被告主催によるイベントを千葉支局を通じてアピールし,紙勢拡大や広告収入の増大に役立てるためであった。 (4) そのころ,原告は,被告を定年後平成5年9月に嘱託期間も満了し,原稿料契約となっている被告の論説委員P8が,引き続き記者クラブ(重工業研究会)に登録され,在籍していることを問題視していた。P3は,1月7日原告と会い,これを問題視しないよう求めたが,原告は応じなかった。その際,原告から,平成6年2月の人事異動における原告の異動について話が出たが,P3はそれに関する具体的な検討状況を明らかにしなかった。 (甲59の(1)ないし(7)) 4 本件配転,原告による労働組合結成通告等(1) 原告やP2らは,企業のリストラ攻撃に対抗するため,企業の枠を越えたマスコミ労働者による横断的な合同労組を結成する必要があると考え,平成5年12月下旬ころからその準備を進めていた。 (2) 被告で 原告やP2らは,企業のリストラ攻撃に対抗するため,企業の枠を越えたマスコミ労働者による横断的な合同労組を結成する必要があると考え,平成5年12月下旬ころからその準備を進めていた。 (2) 被告では,前記3(3)の組織変更に伴い,論説委員会は編集局に統合され論説委員室となったが,論説委員室長と次長以外は,編集局の部長が論説委員を兼任する体制となったため,原告を含む,編集局部長兼務として引き続き勤務することにならない論説委員については,平成6年2月の人事異動の際に,異動を検討する必要が生じた。 原告の異動先としては,日工フォーラム社編集長,千葉支局長,横浜支局長があったが,被告は,日工フォーラム社編集長には,機械,計器,電機などの情報に通じていることが望ましいことから,生産財分野の経験が長いP9編集企画本部員を選任し,千葉と横浜とを比べた場合,千葉地区は今後の発展性が大きい(先端産業研究機関の立地性に優れている,住宅・高速道の整備による開発余地も大きい,千葉独自の金融機関が多いなど)のに対し,横浜地区は,新聞のマーケットとしては既に成熟性が高いと判断し,原告の社歴(石油,電力,鉄鋼,化学,情報の各産業を担当した経歴)や,原告が編集主導型モデル支局の設置を提案する本件レポートを作成・提出していたこと等から,原告を千葉支局長に充てることとし,横浜支局長には,P10(昭和61年入社。商社,通産省,機械業界などを担当した後,平成2年8月横浜総局員となり,平成4年7月横浜総局次長となった者。横浜市在住)を充てることとした。 (3) そこで,平成5年6月から管理担当常務(人事異動等を担当)となっていたP3は,平成6年1月25日原告に対し,P11常務ら立会いの下に,2月1日付けで組織機構改革と異動を行うとして,機構改革の内容を説明し,「論説委員は, ら管理担当常務(人事異動等を担当)となっていたP3は,平成6年1月25日原告に対し,P11常務ら立会いの下に,2月1日付けで組織機構改革と異動を行うとして,機構改革の内容を説明し,「論説委員は,論説委員長,副論説委員長以外は編集局部長と兼務となる。支局長は,地域において被告を代表する顔であり,情報を入手して被告の企業活動に役立てる,編集活動を通じて増紙を促す,営業活動を推進するなどが責務である。」,「通えないということであれば,社宅を借りて家賃月7万円分を補填する。」などと述べて,2月1日付けの千葉支局長任命を内示し,1週間以内に赴任するよう求めた。 これに対し,原告は,「母が70歳と高齢の上療養中であり,兄も健康に優れず,二人を支えているので現住所を離れられない。現住所から千葉には通勤できない。」,「労働協約上組合員ではないが,管理職ではなく,労働者である。勤務地の変更には本人の意向を聞くべきだ。」,「今回の異動は組合活動への報復ではないか。内示は返上する。社内外の仲間と相談の上,数日後,P7社長に対して正式に回答する。今回の合理化が会社のためにならないという私の見解をも含めて,重大な対応をする。」,「社長に対して通告しなければならない内容の問題がある。 P7社長と会って正式な回答とともにある通告をする。」などと答えた。 そのやりとりの中で,P3から原告に対し,「嫌なら辞めてもらう。」との発言もあった。(甲4)被告は,当時,反リストラ産経労が結成されていたことや結成準備が行われていることを知らなかった(原告は,同日被告に対し,組合結成の予告をしたと主張するが(第3の1(原告)(3)),P3と原告とのやりとりからすれば,原告が「ある通告をする。」と述べたからといって,通告には様々なものがあり得るから,原告の内心の意図はともかく,こ 告をしたと主張するが(第3の1(原告)(3)),P3と原告とのやりとりからすれば,原告が「ある通告をする。」と述べたからといって,通告には様々なものがあり得るから,原告の内心の意図はともかく,これをもって,被告に対し組合結成の予告がなされたとするのは困難であるから,原告の主張は採用できない。)。 なお,原告が自宅から千葉支局へ通勤するとした場合,通勤時間は片道2時間30分程度を要する。 (4) 1月28日午後4時ころ,原告は,P3ら同席の下,P7社長と面談し,その際にも,同趣旨を述べて内示の撤回を求めたが,被告側がこれに応じなかったため,その場でP7社長宛の同日付け組合結成通告書(甲5=乙80)を読み上げて団交を要求した。 同通告書には,「我々,産経・日本工業新聞社などのマスコミに働く労働者は,このほど,企業のワクを超えて幅広く結集し,新しい労働組合『反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会』を結成した。この事実を通告するとともに,速やかに団交に応じるよう要求する。・・・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会代表幹事P1(日本工業新聞論説委員),代表幹事P2(時事通信労働者委員会代表幹事)」と記載されていた。 なお,P2は,実際に,時事通信社に結成されている労働組合の一つである「時事通信労働者委員会」の代表幹事でもあった。 これに対し,P3は,同日夕方原告に電話をして,組合規約,役員及び組合員名簿の提出を求めたが,原告は,労働組合に対する不当な介入であるとしてこれに応じなかった。 (5)ア 1月31日,反リストラ産経労は,P3に対し,前記(4)と同様原告とP2の連名に係るP7社長宛の「原告に対する被告の不当配転攻撃にストライキをもって戦う。」旨のストライキ権確立通告書(甲6=乙4)を提出したが,P3は受取を拒否した。 イ ,前記(4)と同様原告とP2の連名に係るP7社長宛の「原告に対する被告の不当配転攻撃にストライキをもって戦う。」旨のストライキ権確立通告書(甲6=乙4)を提出したが,P3は受取を拒否した。 イ同日,反リストラ産経労は,大会を開催し,労働組合の名称を「労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会」とし,筆頭代表幹事を執行委員長,次席代表幹事を書記長とした上(甲1),2月1日都労委に対し,組合員数を9名として,組合規約,役員名簿,組合会計予算書を添付して労働組合資格審査申請書(甲73)を提出した。この組合規約は,組合事務所の所在地,組合の目的,任務,組合員の資格,組合への加入,組合員の権利,義務等を定め,組合の目的として,「組合は,ジャーナリズムに働く者としての連帯を深めることによって,労働者の労働条件の改善など経済的地位の向上のほか,人権の擁護を図り,人間性の回復をめざす。」(3条)とし,組合員の資格として,「組合は,株式会社産経新聞社,株式会社日本工業新聞社に働く労働者をはじめ,組合の趣旨に賛同するマスコミ労働者,及び組合が認めた者で構成する。但し,労働組合法第2条1項に該当する者は除く。」(5条)とし,組合に,大会,幹事会を設け(11条),幹事会は,2名以上で構成し,実質的な執行委員会としての日常活動を行い,幹事のうち2名の代表幹事を選び,筆頭代表幹事を執行委員長,次席代表幹事を書記長とし,両名は組合を代表する権限を有する(13条1項,2項)などとしている。 なお,反リストラ産経労は,この組合規約を被告に示すことはしなかった。 (6)ア被告は,2月1日付けで前記3(3)の組織変更を実施するとともに,関連する人事発令を行い,原告についても同日付けで情報開発部千葉支局長とする人事発令を行った。この時点では,被告本社の機構は, 6)ア被告は,2月1日付けで前記3(3)の組織変更を実施するとともに,関連する人事発令を行い,原告についても同日付けで情報開発部千葉支局長とする人事発令を行った。この時点では,被告本社の機構は,編集局,営業局,販売・開発局,事業局の4局と1室(管理室),1外局(日工フォーラム)となり,販売・開発局には販売部と情報開発部が置かれ,情報開発部が総・支局を統括することとなった。(甲48の(2))そして,同日4時20分ころ,P7社長が原告に対し,P12ら同席の下,千葉支局長の辞令を交付しようとしたが,原告は受取を拒否するとともに,P7社長宛の同日付けの団交申入書(甲7=乙81)を手渡そうとしたところ,P3がこれを拒んだため,同申入書を読み上げて退出した。この申入書には,「P1代表幹事・執行委員長に対する不当配転問題に関し,・・・団体交渉を開催するよう要求する・・・。労働組合反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会代表幹事・執行委員長P1,代表幹事・書記長P2」と記載されていた(以下,この標記に係る両名連名を「原告ら連名」という。)。 なお,被告では部長級以上の者には社長が辞令を渡す慣例であったが,原告はこのことは知らなかった。 イ同日,反リストラ産経労は,この2月1日付け団交申入書及び前記5(ア)のストライキ権確立通告書を被告に郵送し,これらの書面は翌2日に被告に配達された。(甲8の(1),(2))ウ原告は,2月1日午後6時すぎ,P2や反リストラ産経労の組合員であるとするP13(時事通信社記者。以下「P13」という。)とともに被告の社内に入って,被告の制止にもかかわらず,機関紙「予兆」第1号(甲24)を配布したため,被告はこれを回収した。原告らが機関紙を配布した当時は被告の降版時間(最終は午後9時20分)前であり,仕事に従事して 入って,被告の制止にもかかわらず,機関紙「予兆」第1号(甲24)を配布したため,被告はこれを回収した。原告らが機関紙を配布した当時は被告の降版時間(最終は午後9時20分)前であり,仕事に従事している社員が多数いた。 (7)ア 2月2日午後2時ころ,被告は,管理担当常務P3名に係る原告ら連名宛の2月2日付けファックス文書(甲9=乙5)を反リストラ産経労事務所に送付し,2月1日付けの団交申入書に対し,「適格性のある組合かどうか確認できておらず,まして一方的な団交要求は礼を失しているが,原告の配転については緊急性があるので,団交ではなく話合いという形なら応じる。」旨回答した。また,P3らは,同日午後6時過ぎ来社した原告,P2,P13に対し,前日の機関紙の配布を注意するとともに,「団交ではなく話合いなら応じる。」旨答えたが,あくまでも団交を要求する原告らと折り合いがつかず,物別れに終わった。 イ反リストラ産経労は,原告ら連名に係る被告宛の2月2日付け要求書・抗議書(甲25の(1)=乙6。翌3日に被告に配達されたことは,甲25の(2))で被告に対し,原告の千葉支局への配転の撤回を求めるとともに,団交に応じるよう求め,また,被告のした前記機関紙の回収に抗議した。 被告は,P3名に係る原告ら連名宛の2月3日付け文書(甲10=乙7)で反リストラ産経労に対し,「団交申入書の提示は受けたが,受理していないので,スト権確立通告書提出の事実は否認する。」旨回答した。 反リストラ産経労は,原告ら連名に係る被告宛の2月3日付け要求書・抗議書(甲26の(1)=乙8。翌4日に被告に配達されたことは,甲26の(2))で被告に対し,再び前同様の要求・抗議をするとともに,2月4日,都労委に対し,原告の千葉支局長への配転や団交拒否等は不当労働行為であるとして,不当労働行 日に被告に配達されたことは,甲26の(2))で被告に対し,再び前同様の要求・抗議をするとともに,2月4日,都労委に対し,原告の千葉支局長への配転や団交拒否等は不当労働行為であるとして,不当労働行為救済申立てを行い(甲53),そのことをマスコミに発表した。 他方,被告は,P3名に係る原告個人宛の同月3日付け文書(乙9)で反リストラ産経労の2月2日付け要求書・抗議書(甲25の(1)=乙6)に対し,「団交については要件を備えた労働組合であることの証拠の提供を待っているところである。」などと回答し,同じく原告個人宛の2月7日付け文書(乙10)で,反リストラ産経労の2月3付け要求書・抗議書に対し,同趣旨を回答した。 ウこの間,P3は,原告に対し,反リストラ産経労に産経労組の非組合員である原告以外の被告の従業員が加入しているのかを確認するため,組合員名簿の提出を求めていた。 (8)ア被告の就業規則(乙2)では,「年次有給休暇は,原則として従業員の希望によって与えます。ただし,業務の運営に支障があるときは,他の日に変更することがあります。」(42条),「年次有給休暇(連続3日以上)・・・を願い出・・・ようとするときは,あらかじめ所属長に休暇願いを提出し,承認もしくは許可を受けること」(45条5号)とされている。 イ原告は,2月4日及び2月7日のいずれも午前9時30分ころ,会社に電話をし,各当日の年休を申請し,被告は,これを認めた。 5 原告の千葉支局への赴任及びそれ以降の原告,反リストラ産経労と被告とのやりとり(1) 被告の就業規則(乙2)では,原則として,「勤務地の変更を伴う異動を命じられた人は,発令の日から1週間以内に新勤務についてください。」(18条)とされている。 2月7日,P3は原告に対し,翌8日に本社に出頭して業務指示を受けるよう して,「勤務地の変更を伴う異動を命じられた人は,発令の日から1週間以内に新勤務についてください。」(18条)とされている。 2月7日,P3は原告に対し,翌8日に本社に出頭して業務指示を受けるよう伝えたが,原告は同日朝,本社に寄らないいまま千葉支局に赴任した。 (2) 2月8日午後4時,原告はP3の再度の求めに応じて本社に出頭し,P3やP6販売・開発局長らと面談した。 原告は,「就業規則に定められた赴任期間の1週間が経ったのでやむなく懲戒解雇を避けるために赴任した。今後も都労委や団交で発令の撤回を求める。」旨述べ,P6が,「千葉支局長として赴任した以上,支局長として活動してもらえるか。」を確認したところ,原告は「そうです。」と答えた。そこで,P6は,原告に対し,千葉支局の勤務日(原則として月曜日から金曜日まで)及び勤務時間(原則として午前9時30分から午後5時30分まで)を伝え,前支局長(P14関東総局長兼千葉支局長。以下「P14」という。)との引継ぎを速やかに行うこと,千葉県の経済事情,特に景気動向を中心に取材して100行程度の原稿を約2週間程度で出稿すること,それについて毎日メモで中間報告することを求め,原告は,「わかりました。」,「(中間報告については)何もないこともあるかもしれない。」と答えた。そして,これからの連絡については,原告は,「取材に出ているときは支局へ頻繁に電話をし,本社からの連絡メモの有無を確認する。」とした。 また,原告が,「当面記者職しかできないので,アローアンスを見てほしい。原稿などはきちっと出すから。9時半にいないからどうのこうのというのは避けてほしい。」と依頼したところ,P6は,「その辺は友好的にする。出勤時間について30分前後の猶予は考慮する。」旨答えた。さらにP3が,「異議を唱えつつの赴任であっても からどうのこうのというのは避けてほしい。」と依頼したところ,P6は,「その辺は友好的にする。出勤時間について30分前後の猶予は考慮する。」旨答えた。さらにP3が,「異議を唱えつつの赴任であっても,発令に従って支局長として赴任するからには,支局長としての職務は十分遂行してもらいたい。」と言ったところ,原告は,「うん。」,「ハイハイハイ。」,「うんうんうん。それはいいですよ。赴任したんですから。」と答えた。 被告は,P7社長名に係る原告個人宛の2月7日付け文書(乙11)で原告に対し,「原告の赴任の障害について話し合い,解決し,一日も早く赴任されることを望む。原告に納得して赴任してもらうため本日までの赴任期間を若干延長してもよい。誠意ある回答を待つ。」などと伝えたが,この面談時までに原告がこの文書を見ていなかったため,P3は面談の途中でこの文書を原告に手渡した。 そして,原告は,被告が用意した「千葉支局長P1」の名刺を受け取り,通勤定期券(京浜急行α駅からJRγ駅まで)についての手続も行った。また,原告とP14の引継は,10日午前11時に千葉支局で行うことを双方が確認した。なお,当日P3が,原告に対し,「会社は団交を拒否しているわけではなく,組合規約の提出,出席者,場所などの団交ルールができることが前提である。」旨述べたのに対し,原告は,「組合員名簿の提出を求めるのは不当労働行為である。」,「団交の日時,テーマ,場所,人数を会社が決めれば,規約その他は団交の冒頭に提出する。」旨答えた。(甲49の(1),(2),乙12,68の(1),(2))以後,被告が組合員名簿の提出を求めることはなくなった。 (3) 反リストラ産経労は,代表幹事・執行委員長P1名(以下の反リストラ産経労が被告宛に提出した文書は,いずれも同委員長名に係るものである。)に係 ,被告が組合員名簿の提出を求めることはなくなった。 (3) 反リストラ産経労は,代表幹事・執行委員長P1名(以下の反リストラ産経労が被告宛に提出した文書は,いずれも同委員長名に係るものである。)に係る被告宛の2月8日付け要求書・抗議書(甲11の(1)=乙13。翌9日に被告に配達されたことは,甲11の(2))で被告に対し,「被告の2月3日付け回答書は,原告個人宛のもので原告の不当配転問題は組合との団交で話し合われるべきものであり,このような回答書は組合の存在を無視している。」などとして抗議するとともに,団交に応じるよう求めた。この抗議書ではじめて反リストラ産経労の組合印が押された。 (4) 2月10日,原告はP14との間で,千葉における主な取引先,取材先,新支局長就任のあいさつ状の文面,送付先等について引継ぎを行った。千葉支局は産経新聞社,フジテレビと同居しており,千葉支局にはP4支局員一人がいたが,同人は東京本社編集局経済部員も兼ねていた。これは,千葉支局員は江東支局のエリアもカバーしていたところ,昭和62年10月に江東支局が廃止され,本社の経済部に移管されたためであった。P4支局員は,平成6年当時,専ら千葉支局管内の出来事を取材,執筆しており,本社の経済部関係の仕事はしていなかった。 (5)ア被告は,P3名で原告個人宛に2月10日付け申入書(乙14)を送り,「原告は組合を通じてでなければ話し合わないと主張されているので,会社は組合規約を提出してもらうのに加え,緊急を要する本件配転について,納得して赴任していただいた上,業務に専念してもらいたいと考えるので,原告を交えた組合との話合いを持ちたい。」として原告の返事を求めるとともに,同日午後1時P3は,原告に電話をし,「14日午後7時組合との話合いに応じる。会社は話合いのつもりだが,組合 と考えるので,原告を交えた組合との話合いを持ちたい。」として原告の返事を求めるとともに,同日午後1時P3は,原告に電話をし,「14日午後7時組合との話合いに応じる。会社は話合いのつもりだが,組合側が正式な団交と解釈してもらってもかまわない。」とし,さらに同日午後4時原告に対し,社外に確保した場所を伝えた。 これに対し,原告は,「ちゃんとした団交にするなら冒頭で組合規約,役員名簿,組合の住所を提示する。話合いではだめだ。」と答えるとともに,「組合の要求する団交とは,社内の会議室で行い,双方の代表者が調印する議事録を作成するものでなければならない。」と主張し,これが認められなければ組合の要求する団交に応じたことにはならないとしたが,被告がこれに応じなかったため,被告の用意した話合いは行われなかった。 反リストラ産経労は,被告宛の2月10日付けの要求書・抗議書(甲12の(1)=乙15。翌11日に被告に配達されたことは,甲12の(2))で被告に対し,原告と同趣旨の抗議をし,正式な団交を行うよう改めて要求した。 イ 2月14日,P3は,原告に対し,再び電話をし,「実質的な団交と解釈してもらって良い。」として,外部の場所での議事録をとらない話合いを求めたが,原告はこれを拒否した。(乙96の(1),(2))反リストラ産経労も,正式の団交を求める2月14日付け要求書・抗議書(甲13の(1)=乙16。翌15日に被告に配達されたことは,甲13の(2))を被告に提出した。なお,同要求書・抗議書では,「正式な団交が開催されるならば,その冒頭で組合規約を提示してもよい。」と記載されている。 これに対し,被告は,P3名に係る反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の2月15日付け回答書(乙17)で,「原告が社内会議室で行うこと,双方の代表者が調印する議事 よい。」と記載されている。 これに対し,被告は,P3名に係る反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の2月15日付け回答書(乙17)で,「原告が社内会議室で行うこと,双方の代表者が調印する議事録を作成することの2条件が認められなければ団交ではないとして話合いを拒否したのは遺憾である。原告及び組合の態度からして話合いは期待できないので,今後は都労委の手続の中で対応するしかない。」旨回答し,以後被告が反リストラ産経労との団交について応じることはなかった。 (6) 2月15日,被告のP15販売・開発局次長とP16同局情報開発部長は,原告を本社に呼び,出稿予定表,週間予定表(これらの予定表は,支局からどのようなスケジュールで原稿が出稿される予定かを本社で把握し,紙面作成の予定を立てるためのものである。)を渡し,企画原稿の出稿ローテーションについて説明し,千葉支局でのP4支局員との取材分野の分担,出稿計画,P4支局員の原稿に対する支局長としてのチェック,指導等の打合せを行おうとしたが,原告は,「自分は自分,P4はP4である。」,「分かった。当分原稿は出ないから,そのつもりでいてくれ。」などと述べて,これらを行うことはしなかった。 P6は,翌16日に原告に電話をし,改めてP4支局員の指導管理等を行い,支局の出稿体制を整備するよう求めたが,原告は,「自分は自分,P4はP4でやってもらう。P4のほうが千葉での取材経験がある。別個に仕事をしたほうが会社にとってプラスだ。」などとして,指導管理等を行うことはしなかった。 (7)ア支局には,支局長及び支局員の取材費,取材交通費,通勤交通費,記者クラブ費などの出納業務があり,そのため被告では,支局長名の普通預金口座を設け,そこに常備金を保管し,その中から必要に応じて出金し,出金分は本社から送金補填する仕組 費,取材交通費,通勤交通費,記者クラブ費などの出納業務があり,そのため被告では,支局長名の普通預金口座を設け,そこに常備金を保管し,その中から必要に応じて出金し,出金分は本社から送金補填する仕組みになっている。従前千葉支局は,関東総局から独立しておらず,専任の支局長が置かれていなかったため,一人しかいなかったP4支局員の取材費等の入出金に当たっては,同人が伝票類を関東総局に送付し,本社からP4支局員の個人名義の銀行預金口座に送金するという方法が取られていた。なお,被告においては,金銭出納業務を総括するのは,管理室長である。 イ千葉支局に専任の支局長として原告が置かれることになったため,2月21日,P6,P15の同席の下に,P25前管理室長が,原告に対し,常備金口座として原告支局長名義の普通預金口座を設けることなど支局長が処理すべき金銭出納業務や,部下である支局員の支払伝票(乙69)や支局の帳票類へ支局長として押印すること,支払伝票には支局長欄がないため部長欄に支局長として押印することについて説明したが,原告は,「部長に任ぜられた覚えはない。これは原告の組合員資格に疑いを抱かせるのが狙いだ。」,「自分は管理職ではないから管理的業務は行わない。」と述べ,これを拒否した。 P6は,原告が処理しなければ千葉支局の金銭出納に影響が出るため,原告に対し,とりあえず支局に請求書等が来た場合は,本社に送るよう求めた。 (8)ア 2月16日,被告は,都労委における答弁書(甲114)で,「千葉支局長は職能ランク6級の部長である。」旨主張し,原告は被告の利益代表者である旨主張した。原告は,この答弁書を見て,初めて自分が部長職に任ぜられたことを知った。 イ 2月22日,P3は原告に対し,「原告は職能ランク6級の部長である。」と告げた。原告には,2月25日支 である旨主張した。原告は,この答弁書を見て,初めて自分が部長職に任ぜられたことを知った。 イ 2月22日,P3は原告に対し,「原告は職能ランク6級の部長である。」と告げた。原告には,2月25日支給された2月分の給与から管理職手当が支給されるようになったが,3月1日,原告はP3に対し,原告を部長にするのは原告の組合員資格に疑問を抱かせるためであるとして,論説委員時代からの手当増額分2万1212円をP3に返却した。以後の手当増額分は,被告が受け取らないため原告において供託している。(甲54の(1)ないし(9),56,57の(1)ないし(7))なお,2月1日現在,被告では,部長職32名中,職能ランク6級の部長は原告以外に11名いた。(乙136)(9) 被告のP17取締役が2月8日付けで原告に送付した手紙(甲60の(1),(2))について,反リストラ産経労は,被告宛の2月22日付け公開質問状(甲61の(1)=乙18。翌23日に被告に配達されたことは,甲61の(2))で,この手紙は原告を脅迫するものであるなどとして被告の見解などを求め,「予兆」第3号(甲62)にもその旨を載せた。これに対し,被告は,反リストラ産経労代表幹事P1宛の2月25日付け回答書(乙19)で,P17取締役の原告宛の手紙は個人的立場からされたものであるなどと回答した。 (10) 被告は,労務・管理担当P3名に係る原告個人宛の2月25日付け通告書(乙20。原告の自宅に郵送された。)で,原告に対し,改めて支局長としての職責の具体的内容を示すとして,「主要産業界,中央経済官庁の取材で培った人脈と経験を生かして本紙の重点地域である千葉県の経済界や官公庁の要人と常時接触し,良好な関係を保ちつつ,取材や情報交換を通じて,社の存在と影響力を高めること,社を代表して各種イベントや行事に った人脈と経験を生かして本紙の重点地域である千葉県の経済界や官公庁の要人と常時接触し,良好な関係を保ちつつ,取材や情報交換を通じて,社の存在と影響力を高めること,社を代表して各種イベントや行事に出席し,社名の高揚に努めること,編集委員,論説委員の経験を生かして,署名入り記事を執筆するなど,質の高い紙面作りに協力し本紙の紙価を高めること,支局員を指導し,業務を推進するとともに人材の育成を図ること」を示し,「速やかに指示に従い,支局長としての業務を果たすよう」通告した。 これに対し,反リストラ産経労は,被告宛の3月1日付け抗議書(乙21)で,被告に対し,「2月21日にP6らが原告にしたのは,千葉支局の伝票の処理方法の仕組みの説明にすぎない。2月22日にP3が,『原告は部長であり,既存の手当を支局長手当・支局手当に替える。その結果,2万1200円の昇給となる。』と通告したのは,原告の組合員資格に疑いを抱かせ,組合の都労委への提訴を妨害する不当労働行為である。」などと抗議した。 この3月1日付け抗議書に対し,被告は,労務・管理担当P3名に係る反リストラ産経労代表幹事P1宛の3月2日付け文書(乙22。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で,事実関係が異なるなどと反駁し,「金銭出納業務は千葉支局長が管理職であるとか組合員であるとかの問題とは関係なく本来支局長が処理すべきものである。」とし,「千葉支局長である貴殿の職責に属するものであることを認識して会社の指示に従って下さい。」と求めた。 (11) この間原告は,2月23日,24日の各午前9時30分ころ,本社に電話をし,当日の年休を申請した。被告はこれを認めたものの,今後も当日朝の年休申請では,代替者を探して千葉支局長の業務を命ずることが困難であり,支局業務に重大な支障をきたすおそれがある ころ,本社に電話をし,当日の年休を申請した。被告はこれを認めたものの,今後も当日朝の年休申請では,代替者を探して千葉支局長の業務を命ずることが困難であり,支局業務に重大な支障をきたすおそれがあるとして,3月1日,P3が原告に対し,年休は前日までに申請するよう求めたが,原告は,「編集局,論説委員会在籍中は当日朝に申請しており,労働慣行である。」などとして応じなかった。 3月4日,4月27日にも,原告が当日朝午前9時過ぎに年休を申請したので,P3が注意したが,原告は聞き入れなかった。なお,原告がこれらの日に年休を申請したのは,都労委の調査に出席するためであった。 (12)ア被告では,従業員は勤務表を自分で記入し,毎月直属の上司に提出し,上司はこれに押印の上被告に提出することになっており,この勤務表により,宿直,深夜・早朝,深夜帰宅,呼出,休刊日出勤等の手当が支払われ,休日管理が行われている。 3月1日,P3は,本社に来た原告に対し,「P4支局員の勤務表へ押印してもらいたい。」と述べ,また,「年休の申請は当日ではだめである。」旨伝えた。3月3日には,P6が電話で原告に対し,同趣旨を伝えたが,原告は,「後日団交で話し合いたい。」などとしてこれに応じなかった。被告は,P4支局員に対し,同人の勤務表について支局長の押印のないまま,本社への送付を求め,P6とP15の仮印を押捺して,その処理を行った。 イ被告の人事考課は,全社的に3月と10月の年2回実施される。P3は,宅急便で原告にP4支局員の人事考課表を送付した上,P1千葉支局長宛の3月7日付け文書(乙85)で,「千葉支局長としてP4記者の考課を記入,第一次評定者の欄に押印の上・・・3月8日か9日の発信で返送するか提出して下さい。」と求めた。P3は,同月9日にも,原告にP4支局員の考課を記入 (乙85)で,「千葉支局長としてP4記者の考課を記入,第一次評定者の欄に押印の上・・・3月8日か9日の発信で返送するか提出して下さい。」と求めた。P3は,同月9日にも,原告にP4支局員の考課を記入するよう求めたが,原告は,「団交で合意したらしかるべく対応する。」などとしてこれに応ぜず,白紙のまま人事考課表を返送した。 (13) 反リストラ産経労は,3月9日付けの「九四春闘要求書」(甲14の(1)=乙23。翌10日に被告に配達されたことは,甲14の(2))で被告に対し,「千葉支局に不当配転されたP1委員長の“業務”に関し,当組合と協議し,合意した件以外について,強要や恫喝,嫌がらせを一切行ってはならない。」などとして3月15日に団交を行うよう求めたが,被告は,反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の3月11日付け回答書(甲16=乙24)で,反リストラ産経労が労働組合法上の要件を備えた適法な組合とは認められないとして,団交に応じられない旨回答した。また,被告は,労務・管理担当P3名に係る千葉支局長P1宛の3月11日付け通告書(乙25。原告の自宅宛に郵送された。)で原告に対し,原告が拒否している支局長の業務を会社の指示に従い遂行するよう改めて通告した。 (14) この間,3月10日にP4支局員が原告に経費伝票への押印を求めたのに,原告が押印しなかったため,P6,P15は,①毎月15日締めでまとめた経費伝票を支局長に押印してもらった後,P4支局員が20日までに本社に提出する,②取材経費等はP4支局員個人の預金口座を作り,そこに本社から振り込む,ことを決定し,3月15日その旨をP4支局員に伝えた。なお,P4支局員は,それまでに,被告の指示により,前記(7)アの個人名義の銀行預金口座を解約していた。 また,4月15日,P6は,P4支局員から とを決定し,3月15日その旨をP4支局員に伝えた。なお,P4支局員は,それまでに,被告の指示により,前記(7)アの個人名義の銀行預金口座を解約していた。 また,4月15日,P6は,P4支局員から「4月分の経費伝票等について原告に対し,支局長の押印を求めたが,原告が応じない。」との連絡を受けたため,P4支局員に対し,支局長の押印のないまま伝票を本社に送るよう指示し,以後同様な取扱いとした。 (15) 産経新聞社の発行する競馬週刊誌の売行きが好調なことから,産経新聞グループである被告社員にも金一封が支給されることになった。3月10日,P3は原告に電話をし,「社員に金一封を3月15日に支給することにしたので,15日に本社で原告とP4支局員の分を受け取った上,P4支局員の分は直接本人に渡すように」と連絡し,また,3月11日にもP6が原告に対し,同趣旨の電話をしたが,原告は,多忙を理由に,「自分の分は暇な時に取りに行く。P4支局員の分は直接本人が受け取りに行くよう連絡する。」と答えたため,P6は,P4支局員に対し,直接受け取りに来るよう連絡した。なお,原告は,3月22日に自己の分を受け取りに来た。 (16) 反リストラ産経労は,被告宛の3月22日付け抗議書・要求書(甲17の(1)=乙26。翌23日に被告に配達されたことは,甲17の(2))で,春闘要求についての団交を拒否したことやP3名の3月11日付け通告書等が原告の自宅に送付されてきたことに抗議するとともに,被告の主張する原告の業務は原告の組合員資格に疑いを持たせる狙いで仕掛けられたものであり,団交で解決すべきであるなどとこれに反駁した。 これに対し,被告は,反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の3月28日付け回答書(甲19=乙27。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で,反リ 解決すべきであるなどとこれに反駁した。 これに対し,被告は,反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の3月28日付け回答書(甲19=乙27。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で,反リストラ産経労に対し,団交に応じられない会社側の理由を説明するとともに,「会社が通告書で貴殿に対し具体的に指示している業務は・・・支局長そのものの業務でありますので,団交できめなければならないような事項でない・・ここに改めて,千葉支局長としての業務を遂行されるよう求めます。・・・年次有給休暇の請求方法について,相当の時間的余裕をもって事前に会社に申し出るようにして下さい。・・・千葉支局に於ては,社を代表して業務を遂行する者は貴殿1人だけですので,当日の朝に年次有給休暇を申し出られたのでは,代替者にこれが業務を命ずることも困難となり,業務に支障を来す・・・」と伝えた。 (17) この間,前記(2)の原告が千葉県の経済事情についての原稿を出稿することに関し,原告は毎日の報告もせず,P6からの再三の出稿要請にも取材中とするのみであった。原告は,3月30日になってようやく「出口見えぬ千葉経済」と題する記事原稿(80行)を出稿し,同原稿は,M名義で4月6日の紙面に掲載された(紙面では92行で掲載)。(甲79=乙66)(18) 販売・開発局長P6名に係る総・支局長各位宛の3月28日付けファックス文書(乙28)で,P6は全総・支局長に対し,平成6年度を迎えるにあたり,販売・開発局として各総・支局の新年度重点計画を提出してもらうことになったとして,「恐縮ですが・・・ご協力下さい。」とし,「それぞれの総支局が担当する地域の景況,そうした景況の中での編集の基本方針」などについて,「4月4日(月)までにP6宛に提出して下さい。」と求めた。 しかし,原告は期限になって 力下さい。」とし,「それぞれの総支局が担当する地域の景況,そうした景況の中での編集の基本方針」などについて,「4月4日(月)までにP6宛に提出して下さい。」と求めた。 しかし,原告は期限になっても提出せず,P6は,4月13日原告に対し,同月15日までに提出するよう求め,同月18日にも改めて催促したところ,原告は,同月19日になって,販売・開発局のファックス番号を間違えていたとして,同月15日付けとした文書(乙30)をファックスで送付した。同文書には,「編集・取材方針他」として,「政府,大手マスコミの『景気回復』キャンペーンに組さず,マクロ的視点から不況の実態,非人間的リストラの進行,倒産などをウオッチして行く。会社側は不当労働行為をやめ,直ちに団交に応じたうえ,原告を原職に復帰させること」と記載されていた。 P6は,この文書が被告の意図するものではないとして,4月25日,原告に電話をし,新年度重点計画についての報告の出し直しを求めたが,原告が,「私はやりたいことしかやらない。」と述べたため,改めて販売・開発局長P6名に係る千葉支局長P1宛の同月26日付けファックス文書(乙31)で,会社の編集・取材方針を明示した上,千葉でのビッグプロジェクトや県政,地元経済・産業団体の動きを紙面に掲載したいとして,「具体的な計画と取り組みを改めて提出して下さい。」と求めた。 (19) 情報開発部長P16名に係る総・支局長及び記者各位宛の4月7日付けの「編集連絡」と題するファックス文書(乙86)で,P16は,全総・支局長及び記者に対し,「週間予定表」及び「出稿予定表」のファックスによる連絡を4月から本格的に実施するので,「『週間予定』については毎週金曜日の午後2時までに,『出稿予定』については毎日午前11時までに情報開発部・地域経済面デスク宛に送るよ 予定表」のファックスによる連絡を4月から本格的に実施するので,「『週間予定』については毎週金曜日の午後2時までに,『出稿予定』については毎日午前11時までに情報開発部・地域経済面デスク宛に送るよう,徹底方お願いいたします。まだ,実施していない支局は支局長の責任において実施するようにして下さい。」と求めた。 (20) 被告のP18管理室長は,管理室長P18名に係る千葉支局長P1宛の4月14日付けの「銀行口座開設について」と題するファックス文書(乙29)で,原告に対し,支局の常備金管理のために「P1支局長名の普通預金銀行口座(預金通帳)を早急につくって下さい。よろしくお願いします。」と伝えた。 (21) 販売・開発局長P6名に係る千葉支局P1支局長宛の5月20日付けファックス文書(乙33)で,P6は,紙面の充実を図るために,編集上の取決めを改めて確認しておきたいとして,「①『週間予定』(出稿および行事予定を含む)および毎日の『出稿予定』は,各支局単位でまとめてFAX送付する,②『列島クローズアップ』(支局レポート)の“メイン記事”は,性格上,『総・支局長の責任執筆』とする,③『地域経済面』にふさわしい編集型企画を総・支局長が自ら企画し,実施する」などを「総・支局長の責任のもとに,必ず実行されますよう改めて要請し,お願いいたします。」とするとともに,7月以降の「地域経済面連載企画日程表」(5月20日付け)を別便で送付した。同文書では,「スケジュールは,『列島クローズアップ』は全・総支局持ち回り,『商工会議所奮戦記』,『会社アラカルト』,『地域を支える』は,記者の配置による比重配分とし,この日程は予定で,内容や都合により変更または総・支局間の交換取引が可能であり,最低1週間前にデスクを通じて申し入れて下さい。」とされている。同日程表では,千葉 』は,記者の配置による比重配分とし,この日程は予定で,内容や都合により変更または総・支局間の交換取引が可能であり,最低1週間前にデスクを通じて申し入れて下さい。」とされている。同日程表では,千葉支局については,7月7日と8月11日に「列島クローズアップ」の記事を,7月27日に「商工会議所奮戦記」の記事を,8月10日に「会社アラカルト」の記事を,7月12日と8月18日に「地域を支える」の記事を,それぞれ紙面に掲載する予定であり,出稿は2日前であるとされた。 P6は,そのころ,この文書と同一内容の文書を原告以外の各総・支局長にも送付した。 なお,3月1日作成され,そのころ千葉支局に送付された「地域経済面連載企画日程表」では,千葉支局については,4月14日と6月2日に「列島クローズアップ」の記事を紙面に掲載する予定とされていたが,原告がこれらの記事を執筆しなかったため,P6はP4支局員に指示して執筆させた。 (22) P3個人名に係る千葉支局長P1宛の5月20日付けファックス文書(乙32)でP3は,「従業員の資格を用い,または利用して,経営方針に反する社外への寄稿等をしてはならない。」との就業規則4条6項,「会社以外の業務に従事するときは会社の許可を受けるか届け出ること」を定めた就業規則5条1項2号を引用して,「『噂の真相』の貴殿の手記は,就業規則に明らかに反しております」として警告し,「今後は必ず事前に願いを出してください。」とした。 これに対し,反リストラ産経労は,被告宛の5月21日付け抗議書・要求書(甲21の(1)=乙34。23日に被告に配達されたことは,甲21の(2))で被告に対し,原告に対するP3の警告や,P6が94年度の重点計画の再提出を求めたこと,P18が支局長名義の銀行口座の開設を依頼したことは,いずれも不当労働行為であ 達されたことは,甲21の(2))で被告に対し,原告に対するP3の警告や,P6が94年度の重点計画の再提出を求めたこと,P18が支局長名義の銀行口座の開設を依頼したことは,いずれも不当労働行為である,P1委員長の“業務”に関して,正式な団交で話し合い,合意できればしかるべく対処すると明言しているなどと抗議し,団交を求めたが,被告は,被告名に係る反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の5月25日付け文書(乙35。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で反駁し,「・・・会社が貴殿に千葉支局長としての業務を十全に遂行されるよう常々指示し,催促し,通告しておりますのは,貴殿が・・・職責を果たそうとされないからです。会社として処分せざるを得なくなるような事態を避けるために一日も早く翻意されるよう願っています。・・・」などとし,団交については都労委事件の中で決着をつけていく以外にないとして,これに応じなかった。 (23) 3月末及び5月10日ころ,P4支局員は,それまでの自己の勤務表(3月分,4月分)について原告に押印を求めたが,応じてもらえなかった。P4支局員は,5月末,5月分の自己の勤務表について原告に押印を求めたところ,原告から非難されたため,そのことをP6に訴えた。以後P6はP4支局員に対し,経費伝票や勤務表については支局長の押印のないまま本社に送らせる措置をとった。 (24)ア販売・開発局長P6名に係る千葉支局長P1宛の6月3日付けの「『首都圏総・支局長会議』出席のご案内」と題するファックス文書(乙36。併せて郵送もした。)で,P6は原告に対し,平成6年度第1・4半期(4-6月期)の業務報告と第2・4半期(7-9月期)の取組みを主議題とした首都圏総支局長会議(販売・開発局と関東総局,千葉,横浜各支局との業務打ち合わせの会議)を 告に対し,平成6年度第1・4半期(4-6月期)の業務報告と第2・4半期(7-9月期)の取組みを主議題とした首都圏総支局長会議(販売・開発局と関東総局,千葉,横浜各支局との業務打ち合わせの会議)を6月13日に本社で開催するので「必ず出席されるようお願い致します。」と伝え,議題については「文書にまとめ(メモで結構です),当日までに提出し,会議ではそれに基づいて説明していただきます。」と求め,そのころ,この文書と同一内容の文書を関東総局長及び横浜支局長にも送付した。 しかし,原告は議題についての文書の提出をせず,首都圏総支局長会議にも欠席した。 イ販売・開発局長P6名に係る千葉支局長P1宛の6月3日付けファックス文書(乙37)で,P6は原告に対し,同月15日から3日間βメッセで被告などの主催で開催される「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープニングテープカット及びレセプションパーティーに「出席して下さい。・・・盛況を地元に伝え,千葉支局としての活動に大いに役立てて下さい。」とした。このイベントは,被告の事業の中でも最大級のもので,千葉支局管内で行うことから,千葉支局の編集,営業活動に寄与するものであった。しかし,6月3日,原告はP6に電話をし,「会議と展示会の出席については,団交で話合いがつかない限り応じない。」と答えた。 販売・開発局長P6名に係る千葉支局長P1宛の6月14日付けファックス文書(乙38)で,P6は改めて原告に対し,「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープニングテープカット及びレセプションパーティーに「出席して下さい。」と求めるとともに,平成6年度第1・四半期の業務報告と第2・四半期の取組みについて「改めて提出するよう指示します。」と伝えたが,原告は「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープ て下さい。」と求めるとともに,平成6年度第1・四半期の業務報告と第2・四半期の取組みについて「改めて提出するよう指示します。」と伝えたが,原告は「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープニングテープカット及びレセプションパーティーに出席せず,業務報告等のメモも提出しなかった。 これに対し,反リストラ産経労は,6月14日付け抗議書・要求書(甲22の(1)=乙39。翌15日に被告に配達されたことは,甲22の(2))で,被告が業務を口実に原告の組合員資格に疑問を抱かせるような工作をすることは不当労働行為であるなどと抗議し,団交を要求した。 (25) 6月2日,P16が原告に対し,「列島クローズアップ」の出稿を求めたところ,原告は「団交に応じれば原稿を書く。」などと答えた。 P6は,このままではらちがあかないとして,6月20日,出稿確認のため原告に電話をしたが,原告が不在であったため,販売・開発局長P6名に係る千葉支局長P1宛の6月20日付けの「列島クローズアップ取材・執筆について」と題するファックス文書(乙40。併せて郵送もした。)で,「地域経済面の総支局レポート『列島クローズアップFROM千葉』の支局長責任執筆である『メーンリポート』の原稿をP1支局長に取材・執筆するよう改めて指示します。」とし,テーマは「動き出すβ副都心」あるいは「建設すすむ東京湾横断道路と千葉の開発」のいずれか,掲載日7月7日付け,出稿締切は7月4日午後5時等の要領で「地域経済面デスクに出稿してください。」と伝えた。また,締め切り当日の7月4日には,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の同日付けファックス文書(乙42)で,同日付けでP6の後任として開発・販売局長となったP5(甲48の(3))が,原告に対し,「時間厳守で担当デスクに出稿して下さい。」と求 5名に係る千葉支局長P1宛の同日付けファックス文書(乙42)で,同日付けでP6の後任として開発・販売局長となったP5(甲48の(3))が,原告に対し,「時間厳守で担当デスクに出稿して下さい。」と求めたが,原告は,「原稿の件も含めて局長宛に手紙を書いたのでそれに基づいて議論したい。」と答えるにとどまった。 P5は,原告から執筆できないとの連絡がなかったので,日程表どおりの掲載を予定し,原告からの原稿提出を待っていたが,原告が出稿しなかったため,被告は当日(7月7日)の紙面で「都合により『列島クローズアップ』は休みます。」と休載の告知をした。(乙46)なお,原告からは,テーマが実態と違うので変更してほしいなどの申入れはなかった。 (26) 労務・管理担当P3名に係る千葉支局長P1宛の6月23日付けの「当日の年休請求について」と題するファックス文書(乙41)で,P3は原告に対し,「当日になってからの年休申請は受けられない・・・貴殿が社を代表して千葉支局の業務を遂行する立場にあり,当日になって年次有給休暇を申し出られたのでは,代替者に業務を命ずることが困難で,業務に支障を来す・・・年休申請は少なくとも前日までに行って下さい。もし当日の年休請求で休んだ場合は欠勤となるので,あらかじめ通知します。」と伝えた。そして被告は,原告が都労委の審問に出席するために6月28日にした年休申請が当日の朝であったため,これを認めず,欠勤(事故欠勤)扱いとした。(甲69の(1))(27) 販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の7月4日付けの「『日本工業新聞社全体会議』および『東京本社管轄総・支局長会議』開催について」と題するファックス文書(乙43)で,P5は,7月11日午前10時から新体制と今後の方針について等を議題に日本工業新聞社全体会議を,同日午前 体会議』および『東京本社管轄総・支局長会議』開催について」と題するファックス文書(乙43)で,P5は,7月11日午前10時から新体制と今後の方針について等を議題に日本工業新聞社全体会議を,同日午前11時から東京本社管轄総・支局長会議を,それぞれ開催するので「必ず出席するようにして下さい。」と求めるとともに,「『全体会議』については事後,総・支局長として総・支局員に内容の周知方をお願いします。」と求めた。 同日,P5は原告に対し,会議に出席するよう電話もしたが,原告は,業務を口実にした組合員資格を疑わせるような指示には応じられないなどとして出席せず,そのため原告からのP4支局員に対する全体会議の内容周知も行われず,P5がP4支局員に直接全体会議の結果を伝えた。なお,全体会議出席の要請は,P4支局員にも届いていた。 反リストラ産経労は,P5宛の7月4日付け抗議書・要求書(甲82の(1)=乙44。翌5日に配達されたことは,甲82の(2))で,P5に対し,「組合はかねてから“業務”を口実にしてP1委員長の組合員資格に疑いを抱かせる狙いの策動について,不当労働行為であると抗議してきた。今回の会議出席要請も,これと軌を一にしたものである。組合としては,団交でP1委員長の“業務”について合意すればしかるべく対処する考えである。原稿については,P1委員長は,一記者として対応することにしている。ジャーナリストとして納得できるテーマやニュースがあれば出稿するのにやぶさかではない。しかるに,前販売・開発局長P6は,実態からかけ離れたテーマを一方的に示し,しかも,支局長としての執筆に固執して,P1委員長をムリヤリ支局長の肩書で紙面に登場させ,組合員資格に疑いをもたせようと工作してきた。」などと抗議・要求した。 (28)ア 7月6日,P5は原告に対し,P4支 支局長としての執筆に固執して,P1委員長をムリヤリ支局長の肩書で紙面に登場させ,組合員資格に疑いをもたせようと工作してきた。」などと抗議・要求した。 (28)ア 7月6日,P5は原告に対し,P4支局員の勤務表への押印や同支局員の6月分帳票類への押印を求めたが,原告はこれに応じなかった。 イ販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の7月6日付けファックス文書(乙45)及び電話で,P5は原告に対し,被告などが主催して同月12日から4日間βメッセで開催される「インターオプト94」のオープニングテープカット及びレセプションパーティーに「出席して下さい。」と求めたが,原告は,「団交で合意したら出席する。」などとして,これに応じなかった。 (29) P7社長及び販売・開発局長P5の連名に係る反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の7月15日付け回答書(乙47。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で,P7社長及びP5は,原告に対し,反リストラ産経労の6月14日付け被告宛の抗議書・要求書及び7月4日付けP5宛の抗議書・要求書に対し反駁するとともに,「今後は千葉支局長としての業務を十全に遂行され,会社の期待にこたえられるよう努力されることを改めて指示します。」と伝えた。 (30)ア 7月18日,P5は原告に対し,P4支局員の6月分帳票類への押印を求め,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の7月19日付けファックス文書(乙49)でも改めて「部下である支局員の帳票類への押印は,支局長として本来的にその職責に含まれる業務です。今後,支局長としての職責を十分に果たすよう指示します。」と伝えた。 イまた,管理室長P18名に係る千葉支局長P1宛の7月18日付けの「銀行口座開設について」と題するファックス文書(乙48)で,P18は,常備金管理のため 十分に果たすよう指示します。」と伝えた。 イまた,管理室長P18名に係る千葉支局長P1宛の7月18日付けの「銀行口座開設について」と題するファックス文書(乙48)で,P18は,常備金管理のため,「P1支局長名の普通預金銀行口座(預金通帳)を早急につくって下さい。」と改めて通知した。 (31) 被告では,支局の取材費,交通費,雑費等の経費は,支局長が作成した予算を被告が承認した上,支局長が管理運用することとされている。平成6年度の上期(4月から9月まで)の予算は3月25日ころ販売・開発局で決定したが(甲68の(1)ないし(4)),販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の8月1日付けファックス文書(乙50)で,P5は,千葉支局の平成6年度下期の経費予算(支局長とP4支局員の取材費,交通費,支局雑費などを織り込んだもの)をまとめ,「8日(月)午前11時までに提出してください。」と求めた。 (32)ア販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の8月5日付けの「列島クローズアップ夏季特別版『回復局面に入る?地域経済』=の取材・出稿について」と題するファックス文書(乙51)で,P5は,「・・・『列島クローズアップ』(総支局長レポート)の夏季特別版として『回復局面に入る?地域経済』の統一テーマで『地域からの経済報告』を企画いたしました。各総・支局長の責任において緊急に取材・出稿されるよう要請いたします。」,「ご協力をお願いします。」と伝え,出稿締め切りは8月12日午前中,紙面掲載日は8月17日または18日などとし,今回の特別版の執筆分担は7総・支局長に依頼したとした。 P5は,そのころ,これと同一内容の文書を各総・支局長にも送付した。 イ 8月5日,P15は原告に対し,7月分の勤務表と下期の経費予算が出ていないこと,P5から原稿執筆の指示があ に依頼したとした。 P5は,そのころ,これと同一内容の文書を各総・支局長にも送付した。 イ 8月5日,P15は原告に対し,7月分の勤務表と下期の経費予算が出ていないこと,P5から原稿執筆の指示があることを伝え,遵守するよう求めたが,原告はこれに応じなかったし,8月8日にP5が原告に下期の経費予算の提出を求めて電話をしても,原告は,団交事項であるとしてこれに応ぜず,原告からこの予算が提出されることはなかった。 8月8日,P5は原告に対し,前記(30)アと同様に押印を求めた。 ウ 8月12日,P5は原告に電話をしたが原告と連絡がとれず,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の同日付けファックス文書(乙52)で,「先に指示した原稿『列島クローズアップ夏季特別版-回復局面に入る地域経済』の出稿締切は本日午前中です。時間厳守で担当デスクに出稿して下さい。」と伝えたが,原告からは原稿が出稿されず,8月18日,19日に掲載されたこのテーマの記事の中で千葉県が触れられることはなかった。(甲84の(1),(2))販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の8月15日付け文書(乙84)で,P5は原告に対し,この原稿の不出稿について,「厳重に注意します。今後は業務指示に従って下さい。」と伝えた。 (33) 管理室長P18名に係る千葉支局長P1宛の8月16日付けの「銀行口座開設について」と題するファックス文書(乙53)で,P18は,(30)イと同趣旨を「・・・つくって下さい。」として通知した。 (34)ア被告の就業規則(乙2)では,従業員は,勤務について,「出勤退出のさいは始業,終業の時刻を明らかにし,つねに勤務記録の正確を期すること」(45条1号)を守らなければならないとされている。 この間,原告は,千葉支局に赴任して以来勤務表に始業時刻をすべて所定 退出のさいは始業,終業の時刻を明らかにし,つねに勤務記録の正確を期すること」(45条1号)を守らなければならないとされている。 この間,原告は,千葉支局に赴任して以来勤務表に始業時刻をすべて所定の始業時刻である午前9時30分と記入していたため,P18は,3月24日,原告に電話をし,業務に支障のない限り始業時刻は配慮することを赴任の条件として伝えているので,勤務の実態を正確に記載するよう求めたが,原告は,「実態が9時30分である。そうでないとしても労働慣行として午前9時30分と記入することが認められている。」として,その後も始業時刻を「9時30分」と記入し続けていた。 イ P6らは,原告の就労状況に疑念を抱き,5月18日から6月21日までの間,原告の出勤すべき日の午前10時から12時の間に本社等から千葉支局に電話を入れて原告の出勤の有無を確認したが,P6らが電話をした時間には,未確認の3日間(6月9日,10日,13日)を除き,原告は支局に在席していなかった。 なお,被告は,原告との連絡がとりにくいため,6月2日原告にポケットベルを貸与した。 ウ P3やP5は,原告に対し,就労状況を注意するため本社へ出頭するよう再三呼び出したが,原告は出頭しなかった。8月22日にも,P3が原告に対し,勤務状態について話をするため本社へ出頭するよう求めたところ,当日原告は出頭してきたが団交を要求したため,同席していたP5は翌23日に改めて出頭するよう求めたが,原告はこれに応じなかった。 被告は,常務・管理担当P3名に係る反リストラ産経労代表幹事,執行委員長P1宛の8月23日付け回答書(乙54)で,「8月22日に原告に本社に出頭するよう指示したのは,出・退勤,外出先について常に明らかにし,勤務表には事実を正確に記載するよう再度注意を促すためのものであった 宛の8月23日付け回答書(乙54)で,「8月22日に原告に本社に出頭するよう指示したのは,出・退勤,外出先について常に明らかにし,勤務表には事実を正確に記載するよう再度注意を促すためのものであったのに,原告は団交を要求する旨だけ述べて退出した。団交の申入れについては3月11日付け回答書のとおりであり,今回指示,注意した事項は,支局長としての業務遂行以前の,従業員としての最低限守らなければならない,勤務時間や就労に関する基本的ことがらである。」旨回答した。 反リストラ産経労は,被告宛の8月23日付け抗議書・要求書(甲23の(1)=乙55。翌24日に被告に配達されたことは,甲23の(2))で,被告が6月28日に原告から年休申請を受けていたにもかかわらず,同日を欠勤扱いしたこと,P3が8月22日に原告が団交を要求したのを拒否したことに抗議し,団交を要求した。 これに対し,被告は,被告名に係る反リストラ産経労代表幹事,執行委員長P1宛の8月25日付け回答書(甲81=乙56。反リストラ産経労の事務所宛に郵送された。)で,8月23日付け抗議書・要求書に反駁するとともに,「貴殿が・・・年休権行使に当たっては,会社の業務に支障のないようにするため,遅くとも前日の終業時刻までに申し出るよう改めて指示します。」と伝えた。 (35)アその後も原告は,団交を要求して被告の出頭要請に応じなかったため,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の9月1日付けファックス文書(乙58)で,P5は,「出・退勤時間と勤務表に関すること,当面の日常業務の処理に関することなどの件で販売・開発局に「9月6日(火)・・・に来局することを指示します。」と伝えたが,原告は出頭しなかった。 イまた,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の9月2日付けファックス文書(乙59) 件で販売・開発局に「9月6日(火)・・・に来局することを指示します。」と伝えたが,原告は出頭しなかった。 イまた,販売・開発局長P5名に係る千葉支局長P1宛の9月2日付けファックス文書(乙59)で,P5は,「来週の『週間予定表』・・が,まだ届いていません。情報開発部・地域紙面デスクに送ってください。・・・『出稿予定表』については当日の午前11時までに連絡することになっています。実行してください。」と伝えたが,原告は,「今いう必要はない。」などとして,週間予定表や出稿予定表を提出しなかった。 ウ原告は,9月7日にも年休を申請した。 (36) P6(当時社長付き特命担当)及びP15は,P7社長から,原告に,千葉支局長としての業務を行うことを命じるようにとの指示を受け,9月8日午前9時25分千葉支局に赴き,連絡もないまま午後2時45分になってようやく千葉支局に出てきた原告に対し,「度々の会社からの指示,警告にもかかわらず,千葉支局長としての仕事を行おうとしないので,今一度,『日本工業新聞社のP7社長が,日本工業新聞社千葉支局長P1に支局長としての仕事を遂行するように』とのP7社長の命令を社長の指示により伝える。」と伝えたが,原告は聞き入れなかった。(乙60)P6とP15は,翌9日にも千葉支局に赴き,勤務時間である午前9時30分から午後5時30分までいたが,原告は出勤せず,電話連絡もなかった。 6 賞罰委員会への付議と原告の懲戒解雇等(1) 賞罰委員会規程では,「委員会は就業規則に定める従業員の表彰および制裁について,公正な審議を行いその要否,程度,方法などを決定する。」(2条),「委員は,役員または局長以上の職位を有する者のなかから選任する。委員は,委員会に付議された事案の審議に当る。」(5条),「委員長は委員のなかから選任する。委員 度,方法などを決定する。」(2条),「委員は,役員または局長以上の職位を有する者のなかから選任する。委員は,委員会に付議された事案の審議に当る。」(5条),「委員長は委員のなかから選任する。委員長は委員会を召集して議長となり,委員会を統轄し代表する。」(6条),「幹事は,管理室長の職位にある者がその任にあたる。」(7条),「委員会が必要と認めた場合は,審議する事案の関係者を委員会に出席させ,その意見を聴取することができる。」(10条),「委員会の会議,議事内容および関係書類は,原則として公開しない。」(12条),「委員会に出席した者は,その審議に関して知り得た秘密事項を漏らしてはならない。」(13条),「委員が事案の直接の関係者であるときは,その審議に加わることができない。」(14条),「委員会の事務局は,管理室とする。」(15条),「所属長および幹事は,従業員の行為が表彰および制裁に当ると認めたときは,委員会に申請しなければならない。申請は,所定の様式(人事企画書)によって行う。」(17条)などと規定され,同規程は,昭和62年6月5日から改正実施する(付則)とされている。(乙3)(2)ア 9月12日,P5は,人事企画書(乙95)に,「原告は千葉支局長としての所定の業務を遂行しない。P6及びP5は,業務指示をして遂行するよう注意してきたが全く聞き入れようとせず,千葉支局の運営に重大な支障を来たしている。」などと記載して,原告を賞罰委員会に付議するよう申請した。 これを受けて被告は,P3名に係る千葉支局長P1宛の9月13日付け通知書(甲80=乙61)で,「会社は,貴殿に対し,千葉支局長としての所定の業務を遂行するよう繰り返し指示をし,注意をしてきたが,聞き入れられないので放置し得ない。これは制裁に該当すると認められるので,原告を賞罰 =乙61)で,「会社は,貴殿に対し,千葉支局長としての所定の業務を遂行するよう繰り返し指示をし,注意をしてきたが,聞き入れられないので放置し得ない。これは制裁に該当すると認められるので,原告を賞罰委員会に付議する。 弁明を希望されるなら,9月19日午前10時に出頭されたい。」旨を通知した。 イ反リストラ産経労は,被告宛の9月15日付け団交申入書(甲76=乙62)で被告に対し,原告への懲戒処分は不当労働行為であるとして賞罰委員会付議の件に関し団交を要求し,被告宛の同日付け「ストライキ権確立通告書」(甲77=乙63)で被告に対し,「原告に対する賞罰委員会付議,懲戒処分攻撃に関してストライキをもって闘う旨ストライキ権を確立した。」と通告したが,被告は,反リストラ産経労代表幹事・執行委員長P1宛の同月16日付け回答書(甲78=乙64)で,団交には応じられない旨回答した。 9月16日,反リストラ産経労は,都労委に対し,9月19日予定の賞罰委員会の手続を中止すること等の実効確保の措置を申し立てた。(甲74)(3) 9月19日午前9時30分から本件賞罰委員会が開催された。同委員会の委員は,P3,P5,P17取締役,P19取締役,P20営業局長,P21事業局長,P22編集局長であり,幹事としてP18が出席し,事務局としてP23管理室員(産経新聞社総務局次長兼務)も出席していた。なお,被告では,管理担当部門,現業部門を統括する役員及び局長がその職に就いたときはあわせて賞罰委員会の委員に選任され,管理担当役員がその委員長に選任される取扱いとなっている。 P3が委員長として本件賞罰委員会の開会を宣言し,議案の説明を行った後,P5が付議事項を説明し,午前10時に原告が入室してきた。 冒頭,原告は,テープレコーダーを持ち込み,録音し始めたため,P3が,「規 委員長として本件賞罰委員会の開会を宣言し,議案の説明を行った後,P5が付議事項を説明し,午前10時に原告が入室してきた。 冒頭,原告は,テープレコーダーを持ち込み,録音し始めたため,P3が,「規則により守秘義務のある会議であり,テープを止めるよう」求めた。原告は,「賞罰委員会の規則を見せてほしい。」などと要求したが,P3が見せることはなかった。 そして,原告は,P3が弁明するよう求めたのに対し,「①千葉支局長の業務は原告を千葉に不当配転したことから派生したもので,被告が押し付けてきた業務は,原告の組合員資格に疑いを持たせるなどのために作り出したものである。②原告が公式の業務命令書を受け取った事実や業務を拒否したことはない。原告の賞罰委員会への付議は不当労働行為である。③千葉支局長の業務の具体的な在り方について,被告と原告との協議を申し入れる。」などと記載した被告常務管理担当・P3宛の9月19日付け意見書(甲52=乙82)を読み上げ,「あなたたちが言っている弁明というものに該当するものであれば,これだけです。」と述べて意見書を提出したため,P3は「弁明になっていない。これで終わる。」として原告に退出を求めた。しかし,原告は退出に応じなかったため,賞罰委員のほうで退出した。その後原告が退出したため,本件賞罰委員会は原告不在のまま再開され,P6も出席して原告の業務状況等について説明し,その結果,同委員会は,就業規則78条5号(異動命令その他業務上の必要にもとづく会社の命令を拒否したとき)に当たるとして,原告を懲戒解雇に処することを決定した。(甲127,乙88)(4) 被告は,平成6年9月19日付け通告書(甲50の(1),(2))で原告を就業規則78条5号に基づき9月22日付けで懲戒解雇とすることを通告し,同通告書はそのころ原告に到達した 27,乙88)(4) 被告は,平成6年9月19日付け通告書(甲50の(1),(2))で原告を就業規則78条5号に基づき9月22日付けで懲戒解雇とすることを通告し,同通告書はそのころ原告に到達した。 (5) 被告は,10月1日付けで原告の後任として編集局編集企画室企画担当部長であったP24を千葉支局長に任命するとともに,千葉支局員を従前の1名から3名に増員し,千葉支局のてこ入れを図った。P24支局長が平成6年10月12日から平成7年9月27日までに出稿し,掲載された記事は合計107本であった。(乙99)第5 当裁判所の判断当裁判所は,本件解雇は不当労働行為であるとはいえないが,本件解雇には,その決定の前提となる被告賞罰委員会の手続に重大な違反があるから,解雇権の濫用として無効であると判断する。 その理由の詳細は以下のとおりである。 1 争点(1)(本件解雇の不当労働行為性)について(1) 解雇について不利益取扱いの不当労働行為が成立するためには,①「労働者が労働組合の組合員であること,労働組合に加入し,若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたこと」,②「使用者がその労働者を解雇すること」,③「使用者が①の故をもって②をしたこと」の3つの要件を充足することが必要である(労働組合法7条1号本文)。 (2)アそこで,まず要件①に関し,反リストラ産経労の労働組合性について検討する。 平成6年1月28日被告に結成通告をし,同月31日までに組合規約を制定した反リストラ産経労は,被告や産経新聞社などのマスコミに働く労働者9名が経済的地位の向上等のため企業の枠を超えて結成したものであり,代表者や執行機関を定め,労働組合法5条2項所定の組合規約も定められているから(第4の4(5)イ),労働者を構成主体とし,経済的地位 名が経済的地位の向上等のため企業の枠を超えて結成したものであり,代表者や執行機関を定め,労働組合法5条2項所定の組合規約も定められているから(第4の4(5)イ),労働者を構成主体とし,経済的地位の向上を図ることを主目的として自主的に組織された団体であるということができる。 なお,証拠(甲98,110,119,原告本人)は,反リストラ産経労の結成時期等につき,「企業の枠を越えたマスコミ労働者による横断的な合同労組を結成する必要があるが,当面過酷な産経新聞グループでまず立ち上がり,被告での闘いを当面の焦点とすることとし,平成5年12月27日,労働組合結成準備会を開催し,平成6年1月10日,マスコミ労働者約10名が参加して労働組合の結成大会を開催した。同大会では,組合名を『反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会』とし,組合規約の骨子を定めたほか,筆頭代表幹事に原告を,次席代表幹事にP2(元時事通信社記者)を選出した。1月31日の大会で対外的に分かりやすくするため組合規約を一部改正し,労働組合の名称を『労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会』と改め,筆頭代表幹事を執行委員長,次席代表幹事を書記長とした。」とし,前記第4の4(6)ウのとおり,2月1日に配布された機関紙「予兆」第1号(甲24)には,「反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会」が公然と活動を開始したことがうたわれ,その編集後記では,「昨年末に新組合結成準備会を発足させ,以来準備会ニュース一,二号を作成配布し,組合結成大会を経て機関紙を創刊する運びとなった。」旨記載されている,しかし,その結成準備会の準備会ニュースなるもの(甲122の(1),(2))は,本訴の平成14年3月8日の第15回口頭弁論期日においてはじめて提出されたものであるところ,その作成日付も明ら ている,しかし,その結成準備会の準備会ニュースなるもの(甲122の(1),(2))は,本訴の平成14年3月8日の第15回口頭弁論期日においてはじめて提出されたものであるところ,その作成日付も明らかでなく,原告本人は,それまで準備会ニュースを提出しない理由として,「同ニュースには産経新聞グループの社員名が記載されているため,被告からの報復を考えると提出できない。」としていたのであるが,甲122の(1),(2)の本文には産経新聞グループの社員名は記載されていない。 原告の主張によると,甲122の(2)のファックス送信者名に産経新聞グループの社員名が記載されていたとするが,仮にそうであればその部分を黒塗りして証拠として提出することも可能であるのに,そのような工夫もしていない。 結局,甲122の(1),(2)はその信用性に疑問が残るといわざるを得ないし,また,前掲証拠のいうように,仮に平成6年1月10日に組合結成大会を開催し,組合規約の骨子を定めていたのであれば,組合規約の骨子が証拠として提出されるべきであるのにそれも提出されていない。さらに,反リストラ産経労が同日に結成されていたとすれば,同月25日に原告が本件配転の内示を受けるまでの間,そのことを被告に通知しないのも不自然である。 これらからすれば,前掲証拠はその裏付けを欠き,前記第4の4(1)で認定したとおり,原告らが労働組合結成の準備を進めていたとはいえるものの,それ以上に,同証拠のいうように反リストラ産経労が同月10日に結成されたと認定するのは困難であり,原告らが労働組合結成の準備を進めていたことから,原告が同月25日に本件配転の内示を受けたため,原告及びP2らは,急遽その結成を急ぎ,そのころから,原告らが「反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会」の結成通告を被告にした同月28 たことから,原告が同月25日に本件配転の内示を受けたため,原告及びP2らは,急遽その結成を急ぎ,そのころから,原告らが「反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会」の結成通告を被告にした同月28日までの間に,反リストラ産経労は結成されたものと認めるのが相当である。 イ被告は,反リストラ産経労が労働組合であるかについては疑義があるとしてるる主張する(第3の1(被告)(1))。 (ア) 原告のした平成6年1月28日の労働組合結成通告にかかる組合結成通告書には反リストラ産経労に労働組合の名称が冠されていないが(第4の4(4)),労働組合かどうかは労働組合法2条の要件を充たすかどうかにより決定されるべきものであるから,当初の労働組合結成通告に反リストラ産経労に労働組合の名称が冠されていないからといって,そのことは反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない。 (イ) 当初反リストラ産経労の代表者につき原告ほか1名が代表幹事とされ,「筆頭代表幹事・執行委員長P1」とされていなかった(第4の4(4),(6)ア)からといって,代表幹事制をとる労働組合が許されないとする理由もないから,このことも反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない。 (ウ) 被告は,原告は論説委員又は千葉支局長として被告の利益代表者であり,労働組合を結成,加入する資格はないと主張する。原告は,反リストラ産経労の結成に参加した当時,被告の論説委員であり,その後本件配転により千葉支局長となっている(第2の1(2))。 労働組合法2条は,「使用者の利益を代表する者」の参加を許すことにより労働組合の自主性が損なわれることを考慮してその参加を許す労働組合を同法上の労働組合と認めないこととしたものであるから,同条但書1号の「使用者の利益を代表する者」とは,団交関係における使 ことにより労働組合の自主性が損なわれることを考慮してその参加を許す労働組合を同法上の労働組合と認めないこととしたものであるから,同条但書1号の「使用者の利益を代表する者」とは,団交関係における使用者側の立場にある者をいうと解するのが相当であるところ,前記第4の1(4)イの事実によれば,被告において,論説委員は社の言論活動に関与するとはいえても,論説委員間において社としての意見を統一してこれを発表していたとはいえないから,論説委員の執筆する記事が社論を形成するものであるとまではいえず,論説委員としての記事執筆により論説委員が被告(社)を代表するものとまではいえない。乙94,111は,論説委員は,記事の審査,若手記者の育成,会社が行う事業に対する協力活動,社長の特命事項の処理などを行うとするが,前三者についてはそのことから直ちに論説委員が前記の意味での「使用者の利益を代表する者」とまではいえない。また,証拠(乙94,114,123)によれば,社長の特命事項は,新規事業の経済調査,総・支局体制のあり方についての調査・研究等というものであるところ,論説委員がこれらに従事したからといって,同様に前記の意味での「使用者の利益を代表する者」とはいえない。 千葉支局長についても,支局長が部下支局員に行う人事考課は第一次評定者としてのもので(第4の5(12)イ),支局長が部下支局員の昇進又は異動に対して直接の権限を持つとはいえないし,当時千葉支局の支局員はわずか1名であったこと(第4の5(4))も併せ考えると,支局長がその他に管理的業務を行ったり,管轄地域において支局長が被告を代表するからといって,使用者の労働関係についての計画等に関する機密の事項に接し,そのためにその職務上の義務と責任とが労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接てい触する監督的 において支局長が被告を代表するからといって,使用者の労働関係についての計画等に関する機密の事項に接し,そのためにその職務上の義務と責任とが労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接てい触する監督的地位にある者ともいえないから,同様に支局長が前記の意味での「使用者の利益を代表する者」とまではいえない。 なお,原告が職能ランク6の部長であるといっても,部長として部下の昇進や異動,使用者の労働関係についての計画等に関する機密事項等について,いかなる職責を有し,いかなる権限を有するかは証拠上明らかではないから,原告が部長であるからといって,そのことから直ちに原告が「使用者の利益を代表する者」であるとすることもできない。 以上のとおり,原告が「使用者の利益を代表する者」であるとはいえない。 (エ) 反リストラ産経労は,その結成及び維持,運営については,自主的にされており(甲1,119の(1),(2),原告本人によって認める。),被告から制度的に独立していると認められるから,労働組合法上の労働組合であると認めるのが相当である。被告と産経労組との労働協約において論説委員や支局長が非組合員であるとされている(第4の1(4))からといって,組合員の範囲は本来労働組合が自主的に決定すべき事項であり,使用者がそのことに固有の利益を持つものではないから,被告と産経労組との労働協約の内容から,反リストラ産経労の労働組合性が否定されるものでもない。したがって,仮に原告が被告の利益代表者であるとしても,そのことを理由に原告が反リストラ産経労の結成ないし加入資格を有しないとはいえない。 (オ) また,反リストラ産経労が組合規約や組合員名簿の提出に応ぜず,被告の従業員が反リストラ産経労に加入している事実を明らかにしなかったからといって,労働者を構成主体とする自主的団 とはいえない。 (オ) また,反リストラ産経労が組合規約や組合員名簿の提出に応ぜず,被告の従業員が反リストラ産経労に加入している事実を明らかにしなかったからといって,労働者を構成主体とする自主的団体で経済的地位の向上を主目的とするものであれば労働組合といえるから,そのこと自体も反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない。 (カ) 反リストラ産経労の代表者には時事通信労働者委員会の代表者でもあるP2もなっているが,独立した労働組合の代表者が別の独立した労働組合の代表者を兼務することが許されないわけではないから,そのことも反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない(P2は反リストラ産経労の代表幹事・書記長として組合内部事務の統轄遂行責任者でもある(第4の4(4),(5)イ)が,組合内部事務の統括者を誰にするかは労働組合が自由に決定できるものであるし,書記長に労働組合を代表する権限を与えることが許されないわけでもないから,そのことも反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない。)。 (キ) 前記第4の4(4),(5)イからすれば,反リストラ産経労は平成6年1月28日までには結成され,その組合規約も同年2月1日までには作成されていたといえるし,2名の代表幹事の権限分配に不明確なところがあるとしても,両名とも代表幹事として組合を代表するものとされているのであるから,そのことを理由に反リストラ産経労の組合規約に労働組合規約としての規約性がないともいえない。 ウもっとも,被告には原告,P2,P13以外には反リストラ産経労の構成員は明らかにされておらず,反リストラ産経労の結成通告が被告にされた平成6年1月28日当時,反リストラ産経労は組合規約を被告に示していなかったのであって(第4の4(4),(5)ア,イ),被告には,被告が被告 かにされておらず,反リストラ産経労の結成通告が被告にされた平成6年1月28日当時,反リストラ産経労は組合規約を被告に示していなかったのであって(第4の4(4),(5)ア,イ),被告には,被告が被告の利益代表者であるとする原告以外に被告の従業員が加入しているのか否かは不明であったのであるから(第4の4(7)ウ),被告には反リストラ産経労が労働組合としての実体を有するか否かについて疑義があったとはいえるが,そのような疑義があったからといって,前記アのとおり,客観的にみて,遅くとも結成通告及び組合規約制定の後である平成6年1月31日の時点では,反リストラ産経労が労働組合であるといえる以上,反リストラ産経労の労働組合性を左右するものではない。 以上のとおり,反リストラ産経労は,労働組合法上の法適合組合であるといえるから,被告は,遅くとも平成6年1月31日以降は,反リストラ産経労との団交に応じる義務があるというべきである。 しかし,団交の開始に当たっては,交渉の当事者,担当者及び交渉事項が明確にされるほか,交渉の日時,場所,時間をどのように設定するか,議事録をどのような形式で作成するかについても双方で取り決められる必要があるから,それらについて双方が合意しなければ,その解決は,労働委員会による斡旋や不当労働行為救済手続において図られるべきものである。 反リストラ産経労は,団交は社内の会議室で行い,双方の代表者が調印する議事録作成を要すると主張し,被告はこれに同意しなかったのである(第4の5(5)ア,イ)ところ,このように交渉の場所,議事録作成について双方が合意できない場合には,その解決は前記の労働委員会の斡旋や不当労働行為救済手続で図られるべきものであるから,被告が団交問題は都労委の手続の中で対応するとしたこと(第4の5(5)イ)が違法とは 双方が合意できない場合には,その解決は前記の労働委員会の斡旋や不当労働行為救済手続で図られるべきものであるから,被告が団交問題は都労委の手続の中で対応するとしたこと(第4の5(5)イ)が違法とはいえない。 なお,原告は,被告による反リストラ産経労の機関紙回収を問題とするが(第3の1(被告の主張に対する原告の反論)(3)),そのことは,本件解雇の不当労働行為性とは直接には関係しないから,当裁判所の判断の限りではない。 (3) 以上によれば,被告の労働者である原告は,反リストラ産経労の組合員であり,その代表幹事,執行委員長として労働組合活動をしていたのであるから,前記(1)①の要件を充足するということができるし,本件解雇が前記(1)②の要件を充足することは明らかである。以下,本件解雇が原告の労働組合活動の故にされたといえるか((1)の要件③)について項を改めて検討する。 (4)ア本件配転について(ア) 被告は,不況乗り切りのための経営合理化の一環として,首都圏における販売部数シェアの増加を図るため,編集局に論説委員会を統合するとともに,千葉支局を関東総局から分離昇格させ,同支局における活動態勢を強化することなどを計画し,編集局部長兼務の論説委員にならない原告について,異動を検討する必要があったものである(第4の3(2),(3),同4(2))。 そして,被告は,原告の異動先として千葉支局長を選定したのであるが,原告が総・支局を編集主導型に転換すべきであるとの本件レポートを作成・提出していること(第4の2(2))や,千葉地区と横浜地区の発展性(両地区の発展性についての当時の被告の判断が誤りであることを認めるに足りる十分な証拠はない。千葉県経済が思わしくないとする甲63,64,67は,いずれも平成7年当時の新聞記事であるから,平成6年当時の 区の発展性についての当時の被告の判断が誤りであることを認めるに足りる十分な証拠はない。千葉県経済が思わしくないとする甲63,64,67は,いずれも平成7年当時の新聞記事であるから,平成6年当時の被告の判断の誤りを裏付けるものとはいえない。 また,甲119,原告本人によれば,平成6年当時の千葉県経済の実状は必ずしも明るいものではなかったことが認められるが,千葉は経済地域として重要であったのであり(第4の3(3)),将来の予測は必ずしも容易ではないことからすれば,これをもって被告の判断が誤りであるとするまでには至らない。),原告の社歴等(第2の1(2),第4の3(2),同4の(2))を考慮すると,原告を千葉支局に配置換えする必要は高かったものといえ,これらを考慮してされた本件配転には業務上の必要性があるということができる(これに反する原告の主張(第3の1(被告の主張に対する原告の反論)(4)アは採用できない。)。 (イ) 原告は現住所を離れられず,千葉支局に配置換えとなった場合通勤に長時間(2時間30分程度)を要する(第4の4(3))が,被告は出勤時間について30分程度の猶予を認めていること(第4の5(2))からすれば,本件配転による原告の不利益も原告が通常甘受すべき限度を著しく超えたものとまではいえない。 原告は,本件配転により仲間のいる東京本社から引き離され,日常的な組合活動を不可能にされるなどとも主張する(第3の1(被告の主張に対する原告の反論)(4)イ,ウ)。被告は,本件配転を原告に内示した1月25日当時反リストラ産経労が結成されていたことや結成準備がされていたことを知らなかったこと(第4の4(3)),本件配転には業務上の必要性があること,東京本社と千葉支局との距離関係(両者がさほど離れていないことは明らかである。)からすれば,本 とや結成準備がされていたことを知らなかったこと(第4の4(3)),本件配転には業務上の必要性があること,東京本社と千葉支局との距離関係(両者がさほど離れていないことは明らかである。)からすれば,本件配転が原告主張のように不当な動機,目的によるものとまではいえない。 なお,前記第4の4(3),同5(2)の事実によれば,本件配転に当たり,被告が原告に千葉支局での販売広告活動を命じたものとはいえない。 (ウ) 以上によれば,本件配転が被告の人事権を濫用したものとして違法であるとすることはできない。 イ原告の業務遂行確約の有無及び団交との関係(ア) 原告は,2月8日の面談当時,P6やP3に対し,異議を唱えて赴任するが,千葉支局長として赴任した以上,支局長として職務を遂行する旨答えている(第4の5(2)の認定事実からこれを認めることができる。)。前記アのとおり,本件配転が違法とはいえない上,原告は異議を留めつつも本件配転に応じ,千葉支局長としての業務を行う旨約しているのであるから,原告は,千葉支局長として赴任した以上,千葉支局長としての業務を行うべきものである。 (イ) 原告は,原告が千葉支局長としての業務を行えば被告がそのことを理由に原告の組合員資格を問題にするおそれがあったため,原告が千葉支局長としての業務を行うかどうかは団交で合意すべきであり,団交で合意すれば行うとしていたのであるから,団交での合意がない以上,千葉支局長としての業務を行う義務がない旨主張する(第3の1(原告)(3),同2(原告)(4))が,原告が千葉支局長としての業務を行いそのことを理由に被告の利益代表者であるとして組合員資格を問題にされたからといって,そのために反リストラ産経労の労働組合性が否定されることにはならないことは前記(2)イ(エ)のとおりであるし,組合員資格を とを理由に被告の利益代表者であるとして組合員資格を問題にされたからといって,そのために反リストラ産経労の労働組合性が否定されることにはならないことは前記(2)イ(エ)のとおりであるし,組合員資格をどのように定めるかは本来労働組合が決定すべきものであるから,原告が千葉支局長の業務を行ったからといって,原告の反リストラ産経労の組合員資格が否定されることにもならない。 原告が千葉支局長としての業務を行ったことを理由に被告が反リストラ産経労との団交を拒否し,原告の組合員資格を否定するおそれがあるとしても,前記(2)ウのとおり,そのような場合には,原告は労働委員会に対し救済を求め,その手続の中で反リストラ産経労の自主性や原告の組合員資格についての判断を求めることができるのであるから,原告が前記のような危惧を抱いたことが原告が支局長としての業務遂行をしないでよい理由になるとはいえない。 また,原告は,2月8日の面談において,P6やP3に対し,千葉支局長として赴任した以上,千葉支局長として職務を遂行する旨答えているのであるから,原告が千葉支局長としての業務を行うかどうかは団交で合意すべきであるとの原告の言い分は,団交問題については都労委の手続の中で対応するとの立場をとっている被告(第4の5(5)イ)にしてみれば,団交を口実に千葉支局長としての業務を行わないことを原告が正当化しているとも受け取られるのであって,団交での合意がないことも原告が千葉支局長としての業務を行わないでよい理由とはならないというべきである。 ウ千葉支局長としての業務内容と原告の業務拒否の有無(ア) 前記第4の5(6)ないし(35)によれば,千葉支局長には,支局管理の業務として,帳票類への押印,常備金口座の開設などがあり,支局員管理の業務として,勤務表への押印,人事考課の実施 否の有無(ア) 前記第4の5(6)ないし(35)によれば,千葉支局長には,支局管理の業務として,帳票類への押印,常備金口座の開設などがあり,支局員管理の業務として,勤務表への押印,人事考課の実施,業務指示・指導,金一封の支給,全体会議の内容の伝達などがあり,支局長自身の業務として,原稿執筆,新年度の重点計画の策定,イベントへの出席,総・支局長会議,全体会議への出席などがあるということができる。 (イ) 原告は,千葉支局には専任支局長がいなかったから千葉支局には支局長としての所定の業務はないし,被告から千葉支局長の業務範囲を説明されたこともないと主張する(第3の2(原告)(1))が,千葉支局は被告の機構改革により関東総局から分離独立され,専任の支局長が置かれることとなったのであるから,それに伴い,専任支局長としての業務が発生することは明らかであるし,被告は,支局長の職務として具体的内容を示している(第4の5(10))し,また,千葉支局長として行うべき業務について被告から指示があればその指示した業務が千葉支局長としての業務であることの説明が被告からあったといえるから,原告の主張は採用できない。 原告主張のように,新聞社の支局長の職責が,支局員の原稿の出稿を円滑に実現することであるとしても,それ以外の業務も支局長の業務に含まれるというべきであるから,支局長の職責が支局員の原稿出稿の円滑な実現に尽きるとの原告の主張は採用できない。 (ウ) しかるに,原告は,これらの業務について被告から具体的な指示を受けたにもかかわらず,以下のとおりその業務を行わなかったものである。なお,被告は,これら以外にも指示をしたと主張する(第3の2(被告)(2)アないしオ)が,前記第4の5で認定したところによれば,被告が指示したとする文書の内容は被告の主張する指示 かったものである。なお,被告は,これら以外にも指示をしたと主張する(第3の2(被告)(2)アないしオ)が,前記第4の5で認定したところによれば,被告が指示したとする文書の内容は被告の主張する指示との関係では抽象的に過ぎ,原告の業務についての具体的な指示とはいえない。 a 支局管理の業務について① 2月21日,千葉支局長が処理すべき金銭出納業務等(支局長名の常備金口座を開設すること,支局員の支払伝票や支局の帳票類をチェックし,それらに押印すること,支局の電話料など事務所経費を処理すること等)について指示を受けたが従わなかった(第4の5(7)イ)。 ② 3月2日付け,4月14日付け,7月18日付け,8月16日付け各文書により,支局常備金口座の開設について繰り返し指示を受けたが従わなかった(第4の5(10),(20),(30)イ,(33))。 b 支局員管理の業務について① 2月15,16日の両日,P4支局員に対する業務指示・指導を遂行するよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(6))。 ② 2月21日,帳簿類の処理,P4支局員の伝票への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(7)イ)。 ③ 3月1日,3日,P4支局員の勤務表への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(12)ア)。 ④ 3月7日付け文書により,P4支局員の人事考課を行うよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(12)イ)。 ⑤ 3月10日,11日,P4支局員へ金一封を支給するよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(15))。 ⑥ 7月6日,P4支局員の勤務表への押印や同支局員の帳票類への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(28)ア)。 7月18日の指示及び7月19日付け文書により,P4支局員の帳票類への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(30)ア) 員の帳票類への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(28)ア)。 7月18日の指示及び7月19日付け文書により,P4支局員の帳票類への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(30)ア)。 ⑦ 7月4日付け文書及び電話により,同月11日の全体会議に出席し,同会議の内容を支局員に周知させるよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(27))。 ⑧ 8月8日,勤務表への押印の指示を受けたが従わなかった(第4の5(32)イ)。 c 支局長自身の業務について① 2月8日,千葉の経済事情を出稿するよう,毎日取材の経過を報告するよう指示を受け,その後も再三出稿指示を受けたが従わず,一度も経過報告をしないまま,3月30日になってようやく80行の原稿を出稿した(第4の5(2),(17))。 ② 3月28日付け文書により,平成6年度の千葉地域の景況,その景況下での編集の基本方針などについて重点計画書を4月4日までに提出するよう指示を受け,4月13日にも同様の指示を受けたが,同月18日に改めて催促を受けた結果,同月19日にようやく計画書を送った。しかし,その形式,内容とも指示内容に従った文書ではなかったため,同月25日電話で再提出の指示を受け,翌26日にも文書で指示を受けたが,原告は再提出しなかった(第4の5(18))。 ③ 4月7日付け文書,5月20日付け文書,9月2日付け文書により,いずれも,週間予定表及び毎日の出稿予定表の提出の指示を受けたが,従わなかった(第4の5(19),(21),(35)イ)。 ④ 5月20日付け文書により,地域経済面についての連載計画と総・支局の分担を示す「地域経済面達成企画日程表」の送付を受け,「列島クローズアップ」のメイン記事については,総・支局長が直接執筆するよう指示を受け,6月2日,「列島クローズアップ」の出稿 載計画と総・支局の分担を示す「地域経済面達成企画日程表」の送付を受け,「列島クローズアップ」のメイン記事については,総・支局長が直接執筆するよう指示を受け,6月2日,「列島クローズアップ」の出稿の指示を受け,さらに,同月20日付け文書により,7月7日付け紙面に掲載する原稿を7月4日午後5時までに出すよう指示を受け,7月4日付け文書により,同日午後5時までに出稿するよう指示を受けたが,原告は従わずに出稿しなかった(第4の5(21),(25))。 ⑤ 8月5日付け文書により,「列島クローズアップ」の夏季特別版「回復局面に入る?地域経済」について同月12日までに出稿するよう指示を受け,同日付け文書でも出稿の指示を受けたが,従わずに出稿しなかった(第4の5(32)ア,ウ)。 d 支局長としてのその他の業務について① 6月3日付け文書により,平成6年度第1・4半期(4-6月)の業務報告と第2・4半期(7-9月)の取組みを主題とした首都圏総支局長会議を6月13日午後1時30分から本社で開催する旨の通知を受け,その議題についての報告事項を文書にまとめて事前に提出するよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(24)ア)。 ② 6月3日付け文書により,被告などが主催し,同月15日から千葉支局管内のβメッセで開催される「ウィンドウズ・ワールド・エキスポ・東京」のオープニングテープカットとレセプションパーティーに出席するよう指示を受け,同月14日付け文書でも同様の指を受けたが従わず,出席しなかった(第4の5(24)イ)。 ③ 7月4日付け文書により,7月11日に開く全体会議と総・支局長会議への出席及び全体会議の内容を支局員に周知させるよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(27))。 ④ 7月6日付け文書により,被告などが主催し,7月12日からβメッセで く全体会議と総・支局長会議への出席及び全体会議の内容を支局員に周知させるよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(27))。 ④ 7月6日付け文書により,被告などが主催し,7月12日からβメッセで開催される「インターオプト94」のオープニングテープカットとレセプションパーティーに出席するよう指示を受けたが従わず,出席しなかった(第4の5(28)イ)。 ⑤ 8月1日付け文書により,8月8日までに千葉支局の平成6年度下期予算を作成するよう指示を受け,8月5日,8日にも同様の指示を受けたが,従わなかった(第4の5(31),(32)イ)。 e 出勤状況等について① 3月24日,勤務表に正確に勤務実態を記載するよう指示を受けたが従わなかった(第4の5(34)ア)。 ② 再三にわたり,本社に出頭するよう指示を受けたが,その多くに従わなかった(第4の5(34)ウ,(35)ア)。 ③ 3月28日付け文書により,年休の申請は事前に行うこと,当日の朝では支障があることを指示され,かつ,6月23日付け,8月25日付け文書により,年休の申請は少なくとも前日までにするよう指示を受けたが,従わなかった(第4の5(16),(26),(34)ウ)。 (エ) 原告は,これらの指示は業務命令ではないと主張する(第3の2(原告)(2))。 労働者は使用者に対して一定の範囲での労働力の自由な処分を許諾して労働契約を締結するのであるから,使用者が業務の遂行のために労働者にした,その一定の範囲での労働力の処分に関する指示,命令については,それが業務の遂行のために必要なものであるときは,それに従う義務がある。したがって,いわゆる業務命令とは,権限ある上司など使用者と認められる者が労働者に対して発する,業務の遂行のために必要な指示,命令であると解するのが相当であるから,客観的にみて それに従う義務がある。したがって,いわゆる業務命令とは,権限ある上司など使用者と認められる者が労働者に対して発する,業務の遂行のために必要な指示,命令であると解するのが相当であるから,客観的にみてそのような指示,命令であればこれを業務命令と解して妨げないというべきである。 業務命令は,そのようなものである限り,必ずしも職務上の直接の上司からの指示,命令でなくとも使用者の指示,命令と認められるものであれば足りるし,形式面については,口頭によるものであっても差し支えなく,文書による場合であっても,業務命令書と記載する必要はないし,発信人の肩書や押印がなくとも使用者からの指示・命令であることが分かれば足りるし,また,名宛人が支局長宛でなく,労働組合の抗議書,要求書への回答の形式をとっているため労働組合宛であっても,その内容面の記載と相まって業務命令の対象となる労働者宛のものであることが分かれば足りるし,送り先が職場か自宅であるか等を問わないし,ファックスという送付手段を用いるものであっても差し支えないというべきである。また,「命令する」との表現をとっていなくても,その内容からして,指示,命令と認められれば業務命令であるといえるから,文書において,「お願いします」,「お願いいたします」,「して下さい」,「下さい」などの表記がされていても,これを業務命令と解する妨げとなるものではない。 前記(ウ)掲記の事実によれば,前記(ウ)の指示は,使用者であるといえる被告の担当者から千葉支局長である原告に対し,千葉支局長として行うべき業務を行うようあるいは被告の従業員として守るべき出勤状況等について指示したものといえるから,業務命令であるといえるし,その内容からして,文書上,「お願いします」,「お願いいたします」,「して下さい」,「下さい」などの表記が用い 業員として守るべき出勤状況等について指示したものといえるから,業務命令であるといえるし,その内容からして,文書上,「お願いします」,「お願いいたします」,「して下さい」,「下さい」などの表記が用いられたからといって,被告が原告にその業務の遂行等を指示していることは客観的にみて明らかであるから,原告がそれに従うかどうかの裁量,判断を残したものとはいえない。また,原告主張のように,新聞社における業務指示方法として文書を用いることが稀であるとしても,そのことから,文書による指示が許されないわけではないから,被告の指示が原告を解雇する口実作りであるとまではいえない。 原告は「業務指示」と「業務命令」は異なるとか,被告の主張では会社から業務に関して出された指示に従わなかった場合はすべて業務上の命令違反となり,それでは業務命令違反として懲戒処分に付される場合と勤務懈怠との区別がつかないと主張するが,「業務指示」と「業務命令」が異なると解する根拠はない上,勤務懈怠はそれ自体は債務不履行であり,それが就業に関する規律に反するなどした場合に懲戒事由となると解されるのに対し,懲戒事由としての業務命令違反はそれがあれば直ちに懲戒事由となり得るものであるから(したがって,ここにいう懲戒解雇事由としての「業務上の必要に基づく会社の命令」拒否とは,就業規則で例示されている「異動命令」拒否に準じるような重大な業務命令拒否であることが必要であり,業務命令違反があった場合に懲戒処分に付することができるとしても,その違反の程度により,懲戒解雇処分に付することが懲戒権の濫用となる場合もあり得るのは別論である。),業務命令違反として懲戒処分に付される場合と勤務懈怠との区別ができないとはいえない。 また,被告の就業規則(乙2)では,「業務上の必要に基づく会社の命令を拒否し 場合もあり得るのは別論である。),業務命令違反として懲戒処分に付される場合と勤務懈怠との区別ができないとはいえない。 また,被告の就業規則(乙2)では,「業務上の必要に基づく会社の命令を拒否したとき」を懲戒解雇事由とし(78条5号),「所属長の指示にしたがわなかったとき」を懲戒休職事由としている(79条9号)ところ,原告は,被告の就業規則では指示と命令を使い分けているとして懲戒休職と懲戒解雇の区別がつかないなどとも主張する。 前記の業務命令の意味合いからすれば,所属長の指示も,業務の遂行について必要なものであれば業務命令に当たるといえるが,同じく業務命令に違反した場合でも,違反の程度,態様等により懲戒解雇とするか懲戒休職とするかは,懲戒権者である被告に裁量権があると解され,就業規則78条5号,79条9号は,この見地からの規定と解されるから,就業規則78条5号,79条9号の規定の仕方の違いを理由に被告の業務遂行に必要な指示が業務命令でないとはいえず,業務命令に違反したとして懲戒解雇に付することは,解雇権の濫用に当たらない限り,違法ではないから,原告主張のように,相当性,比例性の原則に違反するともいえない。 (オ) もとより,業務命令が対象となった労働者を拘束するといえるためにはその内容が合理的なものでなければならないところ,原告は,被告の指示には必要性がないとして争う(第3の2(原告)(3))ので以下検討する。 a 支局管理及び支局員の管理の業務について前記(ウ)掲記の認定事実によれば,これらの業務についての被告の指示は合理的なものであったと認めることができる。 支局員に対する指導も支局長の業務であり,千葉支局においてP4支局員がそれなりの原稿を出稿していたとしても,支局員に対する支局長の指導が不要となるものではない。また,原告が と認めることができる。 支局員に対する指導も支局長の業務であり,千葉支局においてP4支局員がそれなりの原稿を出稿していたとしても,支局員に対する支局長の指導が不要となるものではない。また,原告がP4支局員に自由に取材・執筆させることを被告が了解していたといえないことは,前記第4の5(6),(10)から明らかである。 また,原告が金銭出納業務を拒否したことは,前記第4の5(7)イから明らかである。千葉支局の常備金の管理は本来支局長が行うべきものであるから,被告がP4支局員に口座を解約させ,原告に支局長名の口座の開設を要請した(第4の5(10),(20),(30)イ,(33))からといって,そのことが不合理とはいえない。 原告が団交を要求し,団交で合意できればしかるべく対処するとしていたからといって,そのことがこれらの業務を行わないでよいとする理由にはならないことは前記イ(イ)のとおりである。被告は,伝票はP4支局員が本社に送る方法で処理することとしたが(第4の5(14),(23)),これは,原告が被告の指示に従わなかったための措置であるから,被告がこれを当初から了解したとはいえない。 原告がP4支局員の勤務表への押印を拒否したことは前記第4の5(12)ア,(28)ア,(32)イから明らかである。被告がP4支局員の勤務表について支局長の押印のないまま本社へ送らせる措置をとった(第4の5(23))のも,原告が被告の指示に従わなかったためであるから,そのことを被告が当初から了解していたともいえない。新聞企業たる被告において,企業としての生命を左右するのが,いかにして特ダネをとり,また優れた分析力のある解説記事などを作成して紙面に掲載して行くかにあるからといって,記者の出退勤時刻の管理がなおざりにされてよいことにはならないから,勤務表等に するのが,いかにして特ダネをとり,また優れた分析力のある解説記事などを作成して紙面に掲載して行くかにあるからといって,記者の出退勤時刻の管理がなおざりにされてよいことにはならないから,勤務表等によるその管理に重要性がないとすることもできない。また,支局員の人事考課もその上司である支局長の職務であるといえるから,原告がこれをしなくてよい理由もない(団交での話合いに被告が応じなかったことがこれをしなくてよい理由とはならないことは前記のイ(イ)とおりである。)。 金一封についても,その趣旨を支局長が支局員に伝えることが無意味であるとはいえないから,これについての被告の指示が合理的でないとはいえない。 全体会議については,その出席要請はP4支局員にも届いていたが(第4の5(27)),その会議の内容からすれば,支局長に出席を求め,全体会議の内容を支局員に周知するよう求めた被告の指示は合理的なものであるということができ,全体会議の後引き続き東京本社管轄総・支局長会議の開催も予定されていたのであるから,原告が出席する必要がなかったとはいえない。 b 支局長自身の業務について前記(ウ)掲記の認定事実によれば,これらの業務についての被告の指示も合理的なものであったと認めることができる。 被告の組織変更(第4の3(3))により,販売・開発局の情報開発部が総・支局を統括し,地域面を編集することとされたのであるから,販売・開発局及び情報開発部は,支局長に対し出稿指示やテーマの決定を行うことができるものであり,これが原告に対する不利益取扱いであるとすることはできない。被告の販売・開発局長が原告に対して記事の取材・出稿を要請したり,毎日の中間報告を求めたからといって,そのことから直ちに原告の業務違反を作出するための口実であるとはいえない。 原告主張のよ ない。被告の販売・開発局長が原告に対して記事の取材・出稿を要請したり,毎日の中間報告を求めたからといって,そのことから直ちに原告の業務違反を作出するための口実であるとはいえない。 原告主張のように,4月15日にいったんファックスで重点計画書を送っていたのに,販売・開発局員から事前に伝えられていたファックス番号が誤っていたため同月19日に送り直したとしても,当初定められた期限である4月4日に提出しなかったことに変わりはないし,その内容も重点計画書を求めた被告の趣旨に添うものではないというべきである(第4の5(18))。 「週間予定表」及び毎日の「出稿予定表」は,これにより紙面掲載記事の予定を立てるものであるから(第4の5(19),(21)),提出義務がないとはいえず,提出を求めることが無意味であるともいえない(出稿予定がなければその旨を記載すれば足りるものである。)。 原告は,「列島クローズアップ」の記事について,テーマが実態と違うとして変更を求めることはしなかったのであるし(第4の5(25),(32)),内容や都合により変更又は支局間の交換取引が可能なものであるから(第4の5(21)),原告が「列島クローズアップ」の原稿を出稿しなかったことに理由があるとはいえず,被告が意図的に「列島クローズアップ」を休載したとまではいえない。 なお,「列島クローズアップ」の記事の中には,支局長が執筆したものではないものや,「地域経済面連載企画日程表」で担当すべきとされた総・支局でない総・支局が執筆したものがある(甲83の(1)ないし(25))が,これは,総・支局長が営業出身で記事の執筆能力がないことや都合がつかないなどのために,本社の了解を得て他の記者に執筆させたり,他の総・支局と交代して執筆したりしたためであることが認められる(乙103,1 ,総・支局長が営業出身で記事の執筆能力がないことや都合がつかないなどのために,本社の了解を得て他の記者に執筆させたり,他の総・支局と交代して執筆したりしたためであることが認められる(乙103,135,証人P6)。また,6月2日,8月11日,9月20日の千葉県関係の記事(甲83の(8),(17),(23))は,休載をさけるため被告本社からP4支局員に指示し,同支局員が執筆したことが認められる(乙103,135,証人P6)。「地域経済面連載企画日程表」で東北総局が担当するとされていた8月16日の紙面には,「列島クローズアップ」が掲載される地域経済面自体がなく,「列島クローズアップ」休載の事実も告知されていない(甲83の(18),乙33)が,前記の日程表は予定にすぎない上,同日の紙面に地域経済面がないのは,お盆休み中の夏季減ページ体制によるものである(乙103,135,証人P6)。したがって,これらのことは,前記の判断を左右するに足りない。 c 支局長のその他の業務について前記(ウ)掲記の認定事実によれば,これらの業務についての被告の指示も合理的なものであったと認めることができる。 原告は,取材に多忙であり,被告が一方的に日時を決めた会議や展示会に出席することは実際上不可能であると主張するが,取材内容,取材先等を具体的に示して会議や展示会への出席が不可能であると被告に伝えたことを認めるに足りる証拠はない。展示会について,東京本社から首脳,幹部が出席することになっていたからといって,千葉支局長として千葉地域を所管する立場にある原告が出席する必要がないとはいえない。原告が被告主張の会議や展示会に出席しないことを事実上被告が了解していたことを認めるに足りる十分な証拠もない。 支局における経費予算は,支局活動の実態を踏まえて見積もられるべきも ないとはいえない。原告が被告主張の会議や展示会に出席しないことを事実上被告が了解していたことを認めるに足りる十分な証拠もない。 支局における経費予算は,支局活動の実態を踏まえて見積もられるべきものと考えられるから,千葉支局の下期予算の作成を支局長である原告に指示したことが不合理であるとはいえない(原告の取材費も被告の業務に従事することによって生じるものであるから,原告が自弁すべきものであるとはいえないし,P4支局員の経費も,前記のとおり,本来支局長名義の口座を開設して常備金を管理し,その中から精算すべきであるから,これらを含めた支局の予算を作成する必要がある。原告が予算表作成用紙の送付を受けておらず,支局員の給与の実額を知らなかったからといって,用紙の送付を求めたり,支局員給与の実額を確認することは可能であるから,これらのことから被告において原告に予算作成を求める必要がなかったとはいえない。)。 d 出勤状況等に関する被告の指示について前記(ウ)掲記の認定事実によれば,これらの業務についての被告の指示も合理的なものであったと認めることができる。 原告主張のように,新聞記者の勤務実態として,取材先への直行,取材先からの直帰をすることがあるとしても,それが一般的な通常のあり方であるとまでは認められないし(これをいう甲99,119,原告本人は,乙135,証人P6に照らし,にわかに採用できない。),新聞社であるからといって,出退勤管理の必要性はあるというべきである(第4の5(34)ア)。 原告は,千葉経済の不況の深刻さに着目し,千葉経済の総括的な取材研究とあわせ,倒産の実態についての取材研究に取り組み徹底した隠密取材をしていたなどと主張し,甲99,119,原告本人はこれに沿うが,原告がその裏付けとする千葉県を中心とする経済関連資料や名 な取材研究とあわせ,倒産の実態についての取材研究に取り組み徹底した隠密取材をしていたなどと主張し,甲99,119,原告本人はこれに沿うが,原告がその裏付けとする千葉県を中心とする経済関連資料や名刺,案内状(甲88の(1)ないし(11),89の(1)ないし(4),90の(1)ないし(16),91の(1)ないし(21),92の(1)ないし(17),93の(1)ないし(7),94の(1)ないし(5))は,乙103,127,135,証人P6によれば,経済関連資料は,そのほとんどが相手方から千葉支局に送られてくる資料であるなど容易に入手できるものであることが認められるし,名刺についてもその取材のいかなる過程で入手したかは明らかでないから,仮に原告が取材に従事していたとしても,原告主張に沿う前掲証拠から徹底した隠密取材が必要であったと認めるに足りない。支局長である原告が支局に常時在席する必要がないとしても,前記第4の5(34)イの原告の出勤状況からすれば,原告に対して出勤状況を確認する必要はあったというべきである。 労働基準法上,使用者は労働者の請求する時季に年休を与える義務があるだけで,同法が労働者に対し年休を前日までに申請することを義務づけていないことは原告主張のとおりである。 しかし,被告においては,従業員の年休は当日の午前中くらいに電話で連絡すれば取得できる労働慣行となっていたことを認めるに足りる十分な証拠はない(これが労働慣行であるとする甲99,119,123,原告本人は,乙110,135,証人P6に照らし,採用できない。)。被告の就業規則では,年休は原則として従業員の希望により与え,連続3日以上の年休の場合に願いを提出し,所属長の承認もしくは許可を受けることとされているが(第4の4(8)),支局長の場合には,支局長はその管轄地域 では,年休は原則として従業員の希望により与え,連続3日以上の年休の場合に願いを提出し,所属長の承認もしくは許可を受けることとされているが(第4の4(8)),支局長の場合には,支局長はその管轄地域においては被告を代表する者であるから,場合によってはその代替者を確保する必要もあるといえるから,支局長からされる1日の年休申請の場合において,前日までにこれを行うよう求めることにも合理性があるといえる。このことは,原告が年休を申請するのが都労委の調査の日に限られていたとしても,原告がそれに出席するかどうかは必ずしも被告には明確ではないから,同様である。 (カ) 原告は,被告が団交応諾義務に違反しているとして原告が「業務」を拒否したとはいえないと主張するが(第3の2(原告)(4)),被告が団交応諾義務に違反しているか否かはともかくとして,被告が団交を応諾しないことを理由に原告が業務を拒否することができるとはいえないことは前記イ(イ)のとおりであり,原告が千葉支局長としての業務等を行っていないことは前記(ウ)掲記の認定事実から明らかである。 エ本件解雇の不当労働行為性について以上イないしウで検討したところによれば,本件解雇には解雇事由(業務命令拒否)があるということができ,ウ(ウ)aないしeのとおり,千葉支局長赴任から本件解雇までの約8か月間において,原告のした業務命令違反の回数が多数回に及び,この間原告は,支局長として行うべき支局及び支局員管理の業務やその他の業務を一貫して行わず,支局長自身が行う業務についても1回80行の記事を出稿したのみで他に何ら出稿せず,出勤状況も不良であることなどその業務命令違反の程度,態様も全体としてみれば決して軽視することはできず,むしろ重大であることからすれば,被告において,長期にわたり原稿を出稿しない記者に対 ら出稿せず,出勤状況も不良であることなどその業務命令違反の程度,態様も全体としてみれば決して軽視することはできず,むしろ重大であることからすれば,被告において,長期にわたり原稿を出稿しない記者に対して依願退職とした例はあるが,懲戒解雇とした前例はないこと(乙137によって認める。),業務命令違反があっても懲戒休職とされることもあること,被告と産経労組との労働協約では他の労働組合との交渉をしないとされているところ(第4の1(1)),原告は産経労組の方針に反対していること(第4の1(3))を考慮しても,そのような解雇事由があれば解雇されることは十分にあり得ると認められるから,本件解雇が原告の労働組合活動を決定的動機としてされたものとして原告の労働組合活動の故にされたと推認することは困難である。 したがって,本件解雇が不当労働行為として無効であるとすることはできない。 2 争点(2)(解雇権の濫用)について(1) 本件解雇に解雇事由があること,その解雇事由があれば解雇されることが十分にあり得ることは前記1(4)イないしエで判断したとおりである。 (2) 適正手続違反をいう原告の主張(第3の2(原告)(5))についてア被告は,原告に対し,千葉支局長としての業務を遂行するよう指示していたのであり(1(4)ウ(ウ)),本件賞罰委員会に先立ち原告に送付された通知書には,その指示違反が制裁事由に当たるとしている(第4の6(2)ア)から,同通告書に具体的な懲戒事由が示されていないとはいえない。第4の6(3)によれば,原告は,同委員会において,弁明の機会を与えられていたということができるし,懲戒解雇事由として就業規則の該当条文を掲げただけである(第4の6(4))からといって,懲戒解雇事由があれば懲戒解雇し得るのであるから,本件解雇の通告書の記載から本件 れていたということができるし,懲戒解雇事由として就業規則の該当条文を掲げただけである(第4の6(4))からといって,懲戒解雇事由があれば懲戒解雇し得るのであるから,本件解雇の通告書の記載から本件解雇が適正手続に違反したものとはいえない。 被告は,就業規則において,制裁は賞罰委員会の議を経て決定するとしているのであり(第2の1(4)),賞罰委員会は,その2条にあるとおり,表彰及び制裁についてその要否,程度,方法等について公正な審議・決定を行うためのものであるから,賞罰についての会社の恣意,独断を防止し,もって賞罰の公平を期するために設けられたものであるということができる。したがって,本件賞罰委員会が賞罰委員会規程に従って開催,運営されたものであれば,同規程の不開示が直ちに本件解雇の適正手続違反をもたらすものともいえないから,本件賞罰委員会において,被告が原告の要求にもかかわらず,同規程を見せなかった(第4の6(3))からといって,そのことが適正手続に違反するとはいえない。同規程には,「事務局は管理室とする」などとされている(第4の6(1))ところ,甲48の(1)によれば,同規程が改正実施された昭和62年当時には被告に存在していたのは「経営管理室」であり,「管理室」は存在していなかったことが認められるが,これは,乙121によれば,被告において組織変更がされたにもかかわらず,賞罰委員会規程の改正を行わなかったことによると認められるから,これによって同規定が偽造されたとか,本件解雇後に作成されたものとはいえない。 イしかし,賞罰委員会規程では,「委員が事案の直接の関係者であるときは,その審議に加わることができない。」(14条)として,委員の欠格事由を定めているところ,「事案の直接の関係者」とは,賞罰の公平を期すという前記の賞罰委員会が設け 員が事案の直接の関係者であるときは,その審議に加わることができない。」(14条)として,委員の欠格事由を定めているところ,「事案の直接の関係者」とは,賞罰の公平を期すという前記の賞罰委員会が設けられた趣旨からすれば,被告主張(第3の2(被告)(4))のように,制裁の議に付された者や,制裁対象となるべき行為を行った者等制裁の議に付された者と密接な関係を有する者を意味するにとどまらず,委員の行為が制裁の議に付された者の行為と直接に関係する場合の,その委員も含まれると解するのが相当である。 乙112,121(都労委におけるP3証言)は,「事案の直接の関係者」とは,制裁の議に付された者と密接な関係を有する者を意味するとするが,前記の公平な賞罰を行うために賞罰委員会が設けられた趣旨からすれば,そのように解することは被告の一方的な解釈であるといわざるを得ず,これによって「事案の直接の関係者」の意義を被告主張のとおりであるとすることはできない。 P3及びP5は本件賞罰委員会の委員であるところ(P5は,原告を賞罰委員会の議に付することを申請した者でもあり,P3は委員長でもある。第4の6(2)ア,(3)),P3は管理担当常務として,またP5は販売・開発局長として,原告に具体的に業務命令を行い(第4の5(10),(11),(12),(15),(25)ないし(28),(30)ア,(31),(32)アないしウ,(34)ウ,(35)ア,イ),それらを含めた原告の業務命令違反を問責して原告を制裁の議に付しているのであるから,P3及びP5は委員の欠格事由である「事案の直接の関係者」に当たると認めるのが相当である。なお,その他の委員は,原告に業務命令を発出したわけではなく,「事案の直接の関係者」とはいえない。 そうすると,本件賞罰委員会は,その審議に加わること 直接の関係者」に当たると認めるのが相当である。なお,その他の委員は,原告に業務命令を発出したわけではなく,「事案の直接の関係者」とはいえない。 そうすると,本件賞罰委員会は,その審議に加わることができないP3及びP5が加わってされたもので,賞罰委員会規程に違反するものというべきである。本件賞罰委員会では,委員7名中2名(P3,P5)に欠格事由があるが,そのうちP5は,自ら原告を賞罰委員会に付議することを申請した上,付議事項を説明しているし,P3は委員長として賞罰委員会を召集して議長となり,同委員会を統轄し代表している(第4の6(1),(2)ア,(3))。P5,P3の本件賞罰委員会におけるこれらの立場からすれば,会社の恣意,独断を防止し,賞罰の公平を期すという賞罰委員会の規程の趣旨に照らし,この規程(14条)に違反してP5,P3が加わった賞罰委員会の議によってされた本件解雇は,手続に重大な違反があるものといわざるを得ず,また,業務命令違反は懲戒解雇事由であるとともに懲戒休職事由ともなり得るのであって,業務命令違反があっても懲戒休職とされる場合があるから,被告において,長期にわたり原稿を出稿しない記者に対して依願退職とした例はあるが,懲戒解雇とした前例はないこと(乙137によって認める。)も併せ考えると,賞罰委員会の委員の構成如何によりあるいは原告に対し懲戒解雇が選択されなかった可能性も全くないとはいえないことからすれば,この手続に違反してされた本件解雇は,被告が解雇権を濫用したものとして無効であるというべきである。 3 結論(1) 本件解雇には重大な手続違反があり,本件解雇は被告が解雇権を濫用したもので無効であるから,被告との間で労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める原告の請求は理由がある。 (2) 前記(1)によれば には重大な手続違反があり,本件解雇は被告が解雇権を濫用したもので無効であるから,被告との間で労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める原告の請求は理由がある。 (2) 前記(1)によれば,原告は被告に対し,賃金及び賞与の支払請求権を有するところ,本件解雇当時(平成6年9月22日当時)の原告の賃金(毎月25日が支給日)は月額46万8300円を下らないし,賞与は102万円(支給日は毎年6月15日及び12月5日)である(第2の1(6))。 したがって,被告は原告に対し,ア平成6年10月から平成8年4月までの毎月の賃金(月額46万8300円)と平成6年12月期及び平成7年6月期並びに12月期の賞与(各期当たり102万円)合計1195万7700円及びこれに対する各支払日の後の日(訴状送達の日の翌日)である平成8年5月19日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金,イ平成8年5月1日から本判決確定までの毎月の賃金(月額46万8300円。 支払日毎月25日)及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金,ウ平成8年6月から本判決確定までの毎年の賞与(年2回各102万円。支払日毎年6月15日,12月5日)及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金,をそれぞれ支払う義務があるから,これらの支払を求める原告の請求は理由がある。 (3) よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第19部裁判長裁判官山口幸雄裁判官伊藤由紀子裁判官吉崎佳弥は退官につき署名押印できない。 裁判長裁判官山口幸雄 佳弥は退官につき署名押印できない。 裁判長 裁判官 山口幸雄

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