主文 本件控訴を棄却する。被控訴人Aのために、被控訴人Bは被控訴人有限会社伊予セメント工業所に対する別紙目録(1)記載の出資持分につき、被控訴人Cは同じく右目録(2)記載の出資持分につき、被控訴人Dは同じく右目録(3)記載の出資持分につき、それぞれこれを被控訴人A名義とする名義書換の手続を、被控訴人有限会社伊予セメント工業所に対してせよ。被控訴人有限会社伊予セメント工業所は、別紙目録記載の出資持分につき、これを被控訴人A名義とする名義書換請求に応じなければならない。当審における訴訟費用はこれを三分し、その二を控訴人の負担とし、その余を被控訴人B、同C、同D、同有限会社伊予セメント工業所の平等負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決を取消す。控訴人と被控訴人らの五名との間において、被控訴人有限会社伊予セメント工業所(以下被控訴会社という)に対する別紙目録記載の出資持分は、いずれも被控訴人Aの出資持分であることを確認する。訴訟費用は第一、二審共被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、予備的請求として、主文第二、三項同旨及び「訴訟費用は被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人A、被控訴会社両名代理人は、「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。当時者双方の事実上法律上の主張、提出援用した証拠、認否は、つぎに付加する外は、原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。(控訴人の主張)一 (確認の利益について)凡そ債務者の財産が債権者の債権の総担保であることは、法律的な通念であるところ、本件において、債務者たる被控訴人Aの財産関係は次のとおりである。すなわち、被控訴人Aは、かねてから控訴人と魚粕の一手取引を行い 者の財産が債権者の債権の総担保であることは、法律的な通念であるところ、本件において、債務者たる被控訴人Aの財産関係は次のとおりである。 らこれを引用する。(控訴人の主張)一 (確認の利益について)凡そ債務者の財産が債権者の債権の総担保であることは、法律的な通念であるところ、本件において、債務者たる被控訴人Aの財産関係は次のとおりである。すなわち、被控訴人Aは、かねてから控訴人と魚粕の一手取引を行い 者の財産が債権者の債権の総担保であることは、法律的な通念であるところ、本件において、債務者たる被控訴人Aの財産関係は次のとおりである。すなわち、被控訴人Aは、かねてから控訴人と魚粕の一手取引を行い、多大の利益を得て産を成したが、昭和四一年に至り、控訴人と取引上の悶着を起こし、原判決事実摘示請求原因(三)に記載のとおりの訴訟にまでなつた。そして控訴人は、被控訴人Aとの右取引上の債権の執行を保全するため、同被控訴人所有の不動産並びに有体動産の仮差押に及んだが、その後被控訴人Aがその債務額を供託したため、右仮差押はすべて解放され、ついで右不動産並びに有体動産はすべて他に処分をされて終つた。しかし、控訴人は、被控訴人Aの供託した供託金(仮差押解放金)を目あてにして、前記訴訟を進めていたところ、被控訴人Aは所得税を逋脱していたため、国税滞納処分を受け、右仮差押解放の供託金は、全額国に差押えられ、ついて控訴人の強制執行に優先して徴収された。そこで控訴人は、その債権の執行について、被控訴人Aの財産を探索したところ、同被控訴人が昭和四一年一一月七日被控訴会社を設立していることがわかり、かつ、被控訴会社の出資は、被控訴人Aが、被控訴人B、同C、同D等の名義を借りてなしたものであつて、被控訴会社の殆んどの出資持分が被控訴人Aのものであることが判明した。しかして、以上の如き事実関係からすれば、控訴人の被控訴人Aに対する債権の一般担保であるべき被控訴人Aの財産が仮装名義によつてその執行を免れ得る状態におかれ、控訴人の債権が危殆におかれていることは明らかであるというべく、この危険不安はいうまでもなく法律的なものであるから、控訴人は本件確認の請求をなす利益を有するものである。二 (予備的請求)控訴人は、被控訴人Aに対し、原判決事実摘示請求原因(三)に記載 く、この危険不安はいうまでもなく法律的なものであるから、控訴人は本件確認の請求をなす利益を有するものである。二 (予備的請求)控訴人は、被控訴人Aに対し、原判決事実摘示請求原因(三)に記載のとおり、商取引による合計金三一六万円余の債権を有していて、その一般債権者であるところ、被控訴会社に対する別紙目録記載の出資持分は、いずれも被控訴人Aのものであつて、被控訴人B、同C、同Dらのものではないから、右被控訴人ら三名は、同被控訴人ら名義にかかる別紙目録記載の各出資持分につき、被控訴人Aにその名義書換をすべき義務である。 的請求)控訴人は、被控訴人Aに対し、原判決事実摘示請求原因(三)に記載のとおり、商取引による合計金三一六万円余の債権を有していて、その一般債権者であるところ、被控訴会社に対する別紙目録記載の出資持分は、いずれも被控訴人Aのものであつて、被控訴人B、同C、同Dらのものではないから、右被控訴人ら三名は、同被控訴人ら名義にかかる別紙目録記載の各出資持分につき、被控訴人Aにその名義書換をすべき義務である。しかるに、被控訴人Aは、被控訴人B、同C、同Dらに対し、右各出資持分の名義書換の請求をしないから、控訴人は、右各出資持分が被控訴人Aのものであることの確認請求が認められないときは、予備的に、被控訴人Aに代位して、主文第二項記載のとおり右各出資持分の名義書換手続をするよう求め、また、被控訴会社は、右名義書換に応じない虞があるので、被控訴会社に対しては、右名義書換に応ずるよう求める。(被控訴人A及び被控訴会社両名の主張)一控訴人の右主張は、控訴人が被控訴人Aに対し、原判決事実摘示請求原因(三)に記載のとおりの債権を有しているとの点を除き、その余はすべて争う。二別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aのものであることの確認を求める控訴人の請求は訴の利益がない。仮りにそうでないとしても、右出資持分は、被控訴会社の定款に、被控訴人B、同C、同Dのものと記載されているから、右定款に記載の通り、右被控訴人ら三名のものである。もし、控訴人主張の如く、被控訴人B、同C、同Dら三名の出資持分の引受が同被控訴人らのなしたものでないならば、被控訴会社の定款は虚偽の記載をなした仮装のものというべきであつて、定款が存在しないのに等しく、ひ 人主張の如く、被控訴人B、同C、同Dら三名の出資持分の引受が同被控訴人らのなしたものでないならば、被控訴会社の定款は虚偽の記載をなした仮装のものというべきであつて、定款が存在しないのに等しく、ひいては、被控訴会社自体も存在しないこととなつて、被控訴人B、同C、同Dらの別紙目録記載の出資持分もないことになりかねないのである。しかし、会社は、その設立無効の判決があるまでは、法令所定の定款の存在を前提として存在するものであるから、被控訴会社の設立無効の判決のない本件においては、被控訴人Aの出資持分も、その他の社員の出資持分も、被控訴会社設立の際に作成された定款に記載の通り、定まつているものというべきである。 会社自体も存在しないこととなつて、被控訴人B、同C、同Dらの別紙目録記載の出資持分もないことになりかねないのである。しかし、会社は、その設立無効の判決があるまでは、法令所定の定款の存在を前提として存在するものであるから、被控訴会社の設立無効の判決のない本件においては、被控訴人Aの出資持分も、その他の社員の出資持分も、被控訴会社設立の際に作成された定款に記載の通り、定まつているものというべきである。したがつて、控訴人主張の如く、被控訴人B等三名の出資持分を被控訴人Aのものとすることは出来ないのである。なお、被控訴人Aは、他の社員である被控訴人B、同C、同Dら三名の支払うべき出資金を、同被控訴人らに代つて事実上支払つたとしても、被控訴人Aがその出資持分を引受けた事実はないから、被控訴人Bら三名の出資持分が被控訴人Aのものとなることはない。二つぎに、被控訴人Aは、控訴人が予備的請求で主張するような代位の目的となる権利を有していない。すなわち、被控訴人Aは、被控訴会社設立の当初から別紙目録記載の出資持分を有しておらず、また、その後被控訴人B、同C、同Dらが被控訴人Aに対し、別紙目録記載の出資持分を譲渡する旨約したこともないから、被控訴人Aは、右被控訴人Bら三名に対し、別紙目録記載の出資持分の名義書換を請求する権利はない。(証拠)(省略) 理由 一 (控訴人の第一次請求について)まず、被控訴会社に対する別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aのものであることの確認を求める控訴人の請求についてみるに、確認の ) 理由 一 (控訴人の第一次請求について)まず、被控訴会社に対する別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aのものであることの確認を求める控訴人の請求についてみるに、確認の訴は、当事者の一方の主張する権利ないし法律関係が、他方当事者の否認、侵害、或は、相容れない権利主張によつて、脅かされ、妨害されて、法律的に不安な状態におかれており、かつ、右不安危険を除去するためには、当事者の一方の主張する権利ないし法律関係の存否を、判決で即時に確定する法律上の利益又は必要のある場合に限つて許されるのであつて、一般債権者が単に債権者であるとの理由で、自己の債務者と第三者との間の権利関係存否の確認を求めるが如きは、確認の利益がないと解すべきところ(大審院・昭和一三年一〇月一五日判決・評論二七巻民訴三五頁参照)、これを本件についてみるに、控訴人は、被控訴人らとの間において、別紙目録記載の出資持分が自己の出資持分であることを主張してその確認を求めるものではなく、自己の債務者である被控訴人Aの出資持分であることの確認を求めるに過ぎないのであるから、控訴人主張の如き事実関係があるとしても、控訴人には右確認を求める法律上の利益はないものというべきである。 院・昭和一三年一〇月一五日判決・評論二七巻民訴三五頁参照)、これを本件についてみるに、控訴人は、被控訴人らとの間において、別紙目録記載の出資持分が自己の出資持分であることを主張してその確認を求めるものではなく、自己の債務者である被控訴人Aの出資持分であることの確認を求めるに過ぎないのであるから、控訴人主張の如き事実関係があるとしても、控訴人には右確認を求める法律上の利益はないものというべきである。けだし、被控訴人らによつて、別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aの出資持分でないとして争われても、被控訴人Aの一般債権者に過ぎない控訴人は、事実上、右出資持分に対して強制執行をすることが困難な状態におかれるに過ぎないのであつて、これによつて法律上控訴人の有している権利ないし法律関係そのものが、脅やかされ、妨害されて、不安な状態に陥入るものとは解し難く、また、判決で別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aの出資持分であると確定されても、これによつて、控訴人の権利ないし、法律関係そのものに、法律上直 され、妨害されて、不安な状態に陥入るものとは解し難く、また、判決で別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aの出資持分であると確定されても、これによつて、控訴人の権利ないし、法律関係そのものに、法律上直接の影響があるものとは解し難いからである。よつて、別紙目録記載の出資持分が被控訴人Aの出資持分であることの確認を求める控訴人の第一次請求は、確認の利益がないから、右訴を不適法として却下すべきである。二 (控訴人の第二次請求について)<要旨>(一) まず、控訴人の本件予備的請求の適否について考えるに控訴審で訴の変更が許されるのは、その請求の</要旨>基礎が同一である限り、第一審ですでに旧請求についての証拠調等の審理が一応終了しているので、一審被告の有する審級の利益を原則として考慮する必要がなく、また、新請求に対する審判も、その訴訟状態を利用し得ること等がその前提となつているものと解すべきところ、一審判決が訴却下の訴訟判決である場合の控訴審では、一般には右の如き前提を欠くことになるから、原則として訴の変更は許されないものといわなければならない。しかし、一審判決が訴訟判決である場合の控訴審でも、一審被告が訴の変更に同意し、また、異議を述べないで、新請求について弁論をした場合であつて、しかも、一審で本案についての審理が事実上行なわれているような場合には、一審被告の有する審級の利益を考慮する必要はないから、例外的に訴の変更をすることも許されると解するのが相当であるところ、これを本件についてみるに、被控訴会社は、当審での控訴人の予備的請求の追加について何等異議を述べることなく、積極的にその本案について弁論をしており、被控訴人Aを除くその余の被控訴人ら三名も、当審における最終の第一六回口頭弁論期日に出頭しながら、右控訴人の予備的請求の追加に対して は、一審被告の有する審級の利益を考慮する必要はないから、例外的に訴の変更をすることも許されると解するのが相当であるところ、これを本件についてみるに、被控訴会社は、当審での控訴人の予備的請求の追加について何等異議を述べることなく、積極的にその本案について弁論をしており、被控訴人Aを除くその余の被控訴人ら三名も、当審における最終の第一六回口頭弁論期日に出頭しながら、右控訴人の予備的請求の追加に対して 等異議を述べることなく、積極的にその本案について弁論をしており、被控訴人Aを除くその余の被控訴人ら三名も、当審における最終の第一六回口頭弁論期日に出頭しながら、右控訴人の予備的請求の追加に対して何等異議を述べなかつたし、また、本件では、第一審において、右予備的請求とその請求の基礎を同じくする第一次請求(確認請求)について、証拠調等事実上の審理がほとんど行なわれていることは記録上明らかであるから、本件においては、例外的に控訴人の予備的請求の追加も適法として許されるものと解すべきである。(二) そこで控訴人の予備的請求の本案について判断する。(1) 控訴人は、被控訴人Aとの魚粕等の取引による未払残代金等債権として、同被控訴人に対し、松山地方裁利所八幡浜支部昭和四一年(ワ)第二二号、同第二三号売掛代金請求事件の確定判決により、金三一六万一五二四円及び、内金二五〇万円に対する昭和四一年四月一日以降、内金六六万一五二四円に対する昭和四一年五月一〇日以降右各完済に至るまで年六分の割合による遅延損害金債権を有していることは当事者間に争いがない。(2) つぎに、被控訴会社の現在の資本額が金九〇〇万円であり、一口の出資金が金一万円であつて、被控訴人Aの出資持分が一〇口、金一〇万円であること、被控訴人B、同C、同Dの被控訴会社に対する出資持分が別紙目録記載のとおりとなつていること、以上の事実についてはいずれも当事者間に争いがなく、右争いのない事実に、成立に争いのない乙第一号証、その方式及び記載内容から真正に成立したものと認め得る乙第二号証の一ないし五、原審証人Eの証言、原審における被控訴人C、同B、同A各本人尋問の結果(但し、右B、Aの各本人の供述中、後記信用しない部分は除く)、当審における被控訴人D本人尋問の結果を綜合すると、つぎの如き事実 原審証人Eの証言、原審における被控訴人C、同B、同A各本人尋問の結果(但し、右B、Aの各本人の供述中、後記信用しない部分は除く)、当審における被控訴人D本人尋問の結果を綜合すると、つぎの如き事実が認められる。 証人Eの証言、原審における被控訴人C、同B、同A各本人尋問の結果(但し、右B、Aの各本人の供述中、後記信用しない部分は除く)、当審における被控訴人D本人尋問の結果を綜合すると、つぎの如き事実 原審証人Eの証言、原審における被控訴人C、同B、同A各本人尋問の結果(但し、右B、Aの各本人の供述中、後記信用しない部分は除く)、当審における被控訴人D本人尋問の結果を綜合すると、つぎの如き事実が認められる。すなわち、被控訴会社は、被控訴人Aが代表取締役となり、資本金五〇〇万円、出資口数五〇〇口、一口の出資額金一万円で設立された有限会社であるところ、右会社設立に際しては、被控訴人B、同C、同D、同A等を含む合計七名の者が社員となり、被控訴人Bが一〇〇口、一〇〇万円、被控訴人C、同D、同Aが各五〇口、各金五〇万円、その余の者が合計二五〇口、金二五〇万円の出資をそれぞれ引受けたものとしてその旨定款に記載され、かつ、その後右各出資金を現実に払込んだものとして被控訴会社が設立されたこと、しかし、被控訴会社は、実際には被控訴人Aが設立した同被控訴人の所謂個人会社であつて、被控訴人Bは被控訴人Aの妻の実兄であり、被控訴人Cは被控訴人Aの妻の姉婿であり、被控訴人Dは被控訴人Aの甥(被控訴人Cの二男)であつたところなどから、右被控訴人B、同C、同Dの三名は、いずれも被控訴人Aから、被控訴会社の設立に当り便宜その氏名を使わせて欲しい旨の依頼を受けて、これを承諾し、形式的に被控訴会社の社員になつたに過ぎないこと、したがつて、被控訴会社の定款や被控訴人B等の出資引受書も、被控訴人Aが被控訴人B、同C、同Dらからその印鑑を借りるなどしてこれを作成したものであり、右被控訴人Bら三名の出資金合計金二〇〇万円も、被控訴人Aが全額負担してその払込をしたものであつて、被控訴人B、同C、同Dは、右出資金を全く負担していないこと、そして被控訴会社設立後は、被控訴人Aが被控訴会社の経営に当り、被控訴人B、同C、同Dらは、その経営その他に全く関与せず、被控訴会社の社員総会に 人B、同C、同Dは、右出資金を全く負担していないこと、そして被控訴会社設立後は、被控訴人Aが被控訴会社の経営に当り、被控訴人B、同C、同Dらは、その経営その他に全く関与せず、被控訴会社の社員総会に出席したこともなければ、利益の配当を受けたこともなく、被控訴会社の名目上の社員となつている以外には、被控訴会社と何等の関係もなかつたこと、なおさらに、その後被控訴会社は昭和四三年一一月頃、従前の資本金五〇〇万円を金九〇〇万円に増額したが、右増額を決定する社員総会にも、被控訴人B、同C、同Dらは現実に出席したことはなく、右増資の決定には何等関与しなかつたのに、被控訴人Aは、右被控訴人ら三名は、各一〇〇口、各金一〇〇万円、合計金三〇〇万円の増額出資を引受けたものとして、その旨の定款の変更をした上、被控訴人Aが現実に右出資合計金三〇〇万円を払込んで資本の増加をはかつたもので、被控訴人B、同C、同Dは、右資本の増加には関与せず、その出資金を払い込んだこともないこと、以上の如き事実が認められ、右認定に反する原審における被控訴人B、同A各本人尋問の結果は、いずれもたやすく信用できず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 、合計金三〇〇万円の増額出資を引受けたものとして、その旨の定款の変更をした上、被控訴人Aが現実に右出資合計金三〇〇万円を払込んで資本の増加をはかつたもので、被控訴人B、同C、同Dは、右資本の増加には関与せず、その出資金を払い込んだこともないこと、以上の如き事実が認められ、右認定に反する原審における被控訴人B、同A各本人尋問の結果は、いずれもたやすく信用できず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。してみれば、被控訴人B、同C、同Dは、いずれも形式的には被控訴会社の社員であつて、別紙目録記載の出資持分の名義人となつているけれども、右被控訴人ら三名名義の出資金は、いずれも被控訴人Aの払込んだものであり、右出資持分は、実質的には被控訴人Aのものであつて、被控訴人B、同C、同Dらのものではないというべきである。しかして、一般に有限会社の出資持分の譲渡人は、その譲受人に対し、右譲受人が出資持分取得の対抗要件を具備するためにその協力をする義務があると解すべきであるから、前記認定の如き事情の下に、現在別紙目録記載の各出資持分の名義人となつてい 譲渡人は、その譲受人に対し、右譲受人が出資持分取得の対抗要件を具備するためにその協力をする義務があると解すべきであるから、前記認定の如き事情の下に、現在別紙目録記載の各出資持分の名義人となつている被控訴人B、同C、同Dは、同被控訴人ら名義の右各出資持分につき、被控訴人Aにその対抗要件を具備させるために被控訴会社の社員名簿上これを被控訴人A名義とすべく、同被控訴人と共に被控訴会社に対してその名義書換の請求をするか、或は、その他適宜の方法によつて、右名義書換に協力する義務があるというべく、本件においではその一方法として、被控訴人Aの債権者である控訴人の求めるところに従い、被控訴人Aのために被控訴会社にその名義書換の手続(名義書換の請求の意思表示)をなすべきであると解するのが相当であり、また、被控訴会社も、被控訴会社を除くその余の被控訴人ないしは債権者代位により被控訴人Aの債権者である控訴人から右名義書換の請求がなされたときは、これに応ずべき義務があるといわなければならない。(3) もつとも、被控訴会社は、被控訴会社の定款に、被控訴人B、同C、同Dらは、別紙目録記載の出資持分を有している旨記載されているから、右定款に記載のとおり、右被控訴人Bら三名が右出資持分を有しているものというべきであると主張しているが、被控訴会社の定款に被控訴会社主張通りの記載がなされているとしても、さきに認定した通り、被控訴人B、同C、同D名義の出資金は現実に被控訴人Aが払込んだものであり、かつ、被控訴人B、同C、同Dは、形式的に被控訴会社の社員となつている以外には、被控訴会社と何等の関係もないのであるから、別紙目録記載の出資持分は、実質的に被控訴人Aのものというべく、したがつて、右被控訴会社の主張は失当である。 張しているが、被控訴会社の定款に被控訴会社主張通りの記載がなされているとしても、さきに認定した通り、被控訴人B、同C、同D名義の出資金は現実に被控訴人Aが払込んだものであり、かつ、被控訴人B、同C、同Dは、形式的に被控訴会社の社員となつている以外には、被控訴会社と何等の関係もないのであるから、別紙目録記載の出資持分は、実質的に被控訴人Aのものというべく、したがつて、右被控訴会社の主張は失当である。つぎに、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らは、 控訴会社と何等の関係もないのであるから、別紙目録記載の出資持分は、実質的に被控訴人Aのものというべく、したがつて、右被控訴会社の主張は失当である。つぎに、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らは、被控訴人B、同C、同Dら三名の出資持分は、被控訴会社設立の際社員全員の合意によつて定められたものであるから、第三者がこれを被控訴人Aのものとすることはできないと主張するが、前述のとおり、被控訴人B、同C、同Dは、被控訴人Aの求めにより、被控訴会社の設立に当り便宜その氏名を使用することを承諾したにすぎないのであつて、それ以上に被控訴会社の設立に関与したこともなげれば、現実に同被控訴人ら名義の出資金を払込んだこともないのであるから、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らの右主張はその前提を欠き失当である。また、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らは、被控訴人B、同C、同Dらが被控訴会社の設立に参画しておらず、その各出資持分が被控訴人Aの仮装の払込みによるものとすれば、被控訴会社の設立自体が無効であつて、別紙目録記載の出資持分そのものの帰属等は問題とならないと主張するが、前述の通り、被控訴人B、同C、同Dは、被控訴人Aの求めにより、被控訴会社の設立に当りその氏名を使用することを承諾し、形式的に被控訴会社の社員となったものであつて、右被控訴人らを含む合計七名の者が、各出資を引き受けたとして、その旨の定款が作成され、被控訴人Aが現実に右被控訴人Bら三名の出資金を払込んで被控訴会社が設立されたのであるから、右被控訴人Bら三名名義の出資持分が前記の如く実質的には被控訴人Aのものであるにしても、そのことによつて被控訴会社の設立自体が無効となるものとは解し難く、したがつて、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らの右主張も失当である。(4) してみれば、被控訴人A 人Aのものであるにしても、そのことによつて被控訴会社の設立自体が無効となるものとは解し難く、したがつて、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らの右主張も失当である。 ら三名名義の出資持分が前記の如く実質的には被控訴人Aのものであるにしても、そのことによつて被控訴会社の設立自体が無効となるものとは解し難く、したがつて、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らの右主張も失当である。(4) してみれば、被控訴人A 人Aのものであるにしても、そのことによつて被控訴会社の設立自体が無効となるものとは解し難く、したがつて、被控訴人Aを除くその余の被控訴人らの右主張も失当である。(4) してみれば、被控訴人Aに代位して、被控訴人B、同C、同Dらに対し、同被控訴人ら名義の別紙目録記載の出資持分につき、主文第二項記載のとおり、被控訴会社に対し、その名義書換の手続(名義書換請求の意思表示)をするよう求める控訴人の請求は正当である。(5) つぎに、弁論の全趣旨によれば、被控訴人Aは被控訴会社の代表者であつて、被控訴会社は、被控訴人Bら三名から主文第二項に記載の通りの出資持分の名義書換請求がなされても、これに任意に応じない虞のあることが認められるから、被控訴会社に対し、被控訴会社を除くその余の被控訴人、ないしは、債権者代位による被控訴人Aの債権者である控権人からの右出資持分を被控訴人A名義とする名義書換の請求に応ずるよう求める控訴人の請求も正当である。三よつて、控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴人が当審で追加した予備的請求はいずれも理由があるからこれを認容し、控訴費用につき民訴法九五条九二条九三条を適用して主文のとおり判決する。(裁判長裁判官秋山正雄裁判官後藤勇裁判官磯部有宏)<記載内容は末尾1添付>
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