平成13(ワ)801 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年7月17日 宇都宮地方裁判所
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判決文本文25,568 文字)

主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主位的請求被告は,原告に対し,6億4009万8035円及びこれに対する平成14年1月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 予備的請求被告は,原告に対し,5億8558万4235円及びこれに対する平成14年1月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,自動車部品の製造等を営む原告が既設工場の移転を企図して,被告が整備・分譲したソフトリサーチパーク「情報の森とちぎ」の一部区画を購入したところ,同購入地上に工場を建築することができなかったことから,被告に対し,主位的に,被告の債務不履行により工場の建築ができなかったと主張して売買契約を解除し,支払済みの売買代金の返還と債務不履行に基づく損害賠償の支払を請求し,予備的に,仮に被告の債務不履行が認められないとしても,原告は,同購入地上に工場を建築することができると誤信して売買契約をしたので売買契約が錯誤により無効であると主張して,支払済みの売買代金の返還を請求した事案である。 1 争いのない事実等(証拠の記載のない事実は当事者間に争いがない。)(1) 原告は,自動車部品の製造等を目的とする株式会社である。被告は,a県産業の発展のため同県内での工業団地の開発分譲などを目的とし,a県が全額出資しているa県の外郭団体(特殊法人)である。 (2) 原告は,a県b郡c町に立地しているものを含め県内に4つの工場を所有していたが,これらは分散しており,手狭になっていた(床面積合計912.34坪)ことから,工場を集約するために,平成2年春以降,床面積1500坪以上の工場が建築でき,かつ,安価な労働力を得ら を所有していたが,これらは分散しており,手狭になっていた(床面積合計912.34坪)ことから,工場を集約するために,平成2年春以降,床面積1500坪以上の工場が建築でき,かつ,安価な労働力を得られる工場敷地を探していた(原告代表者)。 (3) a県は,平成4年ころ,ソフトウェア業等の情報関連企業のほか,地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律(以下「頭脳立地法」という。)が定める16業種に属する事業等(以下「特定事業等」という。)を立地・集積するために,同県b郡c町eに約24.1ha(Ⅰ期,Ⅱ期計画合計)のソフトリサーチパーク「情報の森とちぎ」(以下「情報の森とちぎ」という。)の整備計画を策定し,被告が整備・分譲主体となり,平成12年度末にⅡ期工事も含めて完成した。 なお,情報の森とちぎに立地することを希望する企業等は,被告に売買申込書を提出した上,被告の企業誘致検討委員会(会長;被告の常務理事,委員;a県商工労働観光部商工振興課長等の職にある者,関係市町村企業誘導担当課長等の職にある者,被告の総務部長,用地部長,工務部長及び企業誘導の職にある者)において,分譲の適否等の審査を受けることになるが,実際には,情報の森とちぎへ企業等を誘致する窓口となっている関係市町村が,当該企業が特定事業等に該当する事業を行っているかなどを判断して事実上の選別を行い,続いてa県商工労働観光部商工振興課(以下「県商工振興課」という。)によって,当該企業が特定事業等に該当する事業を行っているかどうか,当該企業が情報の森とちぎに立地後,特定事業等を行う計画と意欲を持っているかどうかなどについて調査し,その選別が行われていた。以上の選別を経て,県商工振興課の結論が出た後に,当該企業から被告に売買申込書が提出されるのが通例であり,本件につい を行う計画と意欲を持っているかどうかなどについて調査し,その選別が行われていた。以上の選別を経て,県商工振興課の結論が出た後に,当該企業から被告に売買申込書が提出されるのが通例であり,本件についても同様の経過をたどった。 (4) 原告は,従業員の雇用の継続性及び移転費用の経済性等から,情報の森とちぎに既設工場を移転することを希望し,c町に対し,情報の森とちぎは原則として製造業は入居不可のところ,県に働きかけて原告が入居できるようにしてもらいたいとの要請を行った(甲7,原告代表者)。そして,原告は,平成8年10月22日ころ,c町商工開発課(以下「町開発課」という。)に対し,参考書類として,①平成8年10月22日付け「当社の商品開発の概要」と題する書面,②同月末日までとの断り書きのある「全社組織表(旧)」と題する書面,③同年11月現在と断り書きのある「工場組織表(新)」と題する書面,④「RQC成果発表大会発表ストーリー参考メモ」と題する書面,⑤「開発推進一覧表」と題する書面,⑥「A産業株式会社EDPシステム」と題する図面(乙6の1ないし6)を提出した。さらに,原告は,同年11月6日ころ,町開発課に対し,参考書類として,⑦同日付け「ソフト団地平面図(譲渡区画:B~1.2.3を想定)」と題する書面,⑧同日付け「A産業(株)ソフトリサーチパーク平面図[案](B1.2.3)」と題する工場の図面(乙7の1,2)を提出した(これらの書類等は,いずれもc町を介して被告にも写しが提出された。)。 これらの図面上では,原告は,情報の森とちぎの区画番号B1,B2,B3の3区画の土地を取得することを希望するとともに,当該3区画の土地を区分して,うち2310㎡に開発・技術部門を置くとし,うち990㎡に管理・製造部門を置くとしていた。 (5) 県商工振 2,B3の3区画の土地を取得することを希望するとともに,当該3区画の土地を区分して,うち2310㎡に開発・技術部門を置くとし,うち990㎡に管理・製造部門を置くとしていた。 (5) 県商工振興課産業基盤整備室の担当者は,町開発課課長らとともに,平成9年2月28日,c町所在の原告の工場を訪れ,原告代表取締役B(以下「B社長」という。)らから事情を聴取し,企業調査を行った。 原告は,調査を受ける際に,町開発課及び県商工振興課に対し,参考資料として,①C株式会社との間の「取引基本契約書」,②同社との間の「発明に関する工業所有権契約書」,③同社との間の「共同研究契約書」,④D株式会社との間の「共同研究契約書」,⑤同社との間の「工業所有権に関する契約書」,⑥工程監査スケジュール(乙10の1ないし7)等を提出した(これらの書類等は,いずれもc町を介して被告にも写しが提出された。)。 企業調査に際し町開発課及び県商工振興課に提出されたB社長作成の書面には,「原告は下請的加工メーカーではなく,一流メーカー本社事業部や本社研究所との量産移行までの共同研究開発パートナーの継続的地位を得ており,・・・。原告は研究・開発の成果の一部を原告の工場で量産しているが,これらはデザイン,ソフト,開発と製造のノウハウ,知的所有権を包含し,集大成したものである。立地を認可戴ければ,更に合理的,合目的の研究・開発機能の充実と展開を図る予定である。」と記載されていた。 (6) 県商工振興課は,企業調査等を踏まえ,原告の情報の森とちぎへの立地を認める方向での結論を出し,同年3月13日ころ,町開発課を介してこのことを原告に伝えた。 その後,原告は,同月25日,被告に対し,同月21日付けの土地売買申込書を提出したが,同申込書の事業内容欄には「製造」との記載があった。被 3月13日ころ,町開発課を介してこのことを原告に伝えた。 その後,原告は,同月25日,被告に対し,同月21日付けの土地売買申込書を提出したが,同申込書の事業内容欄には「製造」との記載があった。被告は,同年5月16日に開催された企業誘致検討委員会において,原告の立地の適否を検討し,立地を可とした(証人E)。 (7) 原告は,被告に提出した上記土地売買申込書において,土地売買希望時期を同年4月,社屋等の建設着工予定時期を同年11月,竣工予定時期を平成10年11月と記載していたが,土地取得資金を他の資産譲渡代金をもって充当するため,税務上の関連から時間を要することを理由に,平成9年6月19日及び平成10年5月11日の2回にわたって土地売買希望時期等を変更する旨の各申し出をした。以上の経過を経て,原告と被告は,同年8月21日,別紙物件目録記載の土地(以下「本件敷地」という。)を5億8558万4235円で原告が被告から購入する旨の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,その後,原告は代金を支払い,所有権移転登記も完了した。なお,情報の森とちぎの区域には建築協定(以下「本件協定」という。)があり,本件売買契約の時点では既にa県知事による本件協定の認可及び公告がなされていたので,本件敷地を購入した原告も本件協定に拘束されることとなった。本件協定では,建築協定運営委員会が必要と認めたときを除いて工場の建築を禁止すると規定して,建築物の用途を制限していた。 (8) 原告は,平成12年9月4日,c町長に対し,本件敷地を被告に返還したいとの意向を示した上,同月14日,被告に対し,「立地する施設の建築設計図を作成した。工場立地法やa県の関係条例の届出など障害が生じないか,被告の考えを月末ころまでに聞きたい。」旨の申し出をした。 これに対 を示した上,同月14日,被告に対し,「立地する施設の建築設計図を作成した。工場立地法やa県の関係条例の届出など障害が生じないか,被告の考えを月末ころまでに聞きたい。」旨の申し出をした。 これに対し,被告は,同月22日,県商工振興課及び町開発課の各担当者の出席を得て,原告から提出された設計図面に基づいて協議し,同月26日ころ,原告に対し,被告が承認した建築計画のとおり試験研究型企業としての事業を行う施設を建設して貰いたい,製品の製造工場を造るために建築協定運営委員会に申請しても承認されないであろうとの被告の回答を伝えた。 さらに,原告は,同月27日,被告に対し,情報の森とちぎに研究開発施設を立地することは困難であり,製造工場の立地しか考えていないので,撤退することとしたい,原告は建築協定運営委員会への工場立地申請はしない,今後は契約書に基づく買戻しについて協議したい,ペナルティの軽減をお願いしたい旨申し入れた。 そこで,原告と被告は,原告の撤退について複数回の協議を行ったが,合意に至らなかった。 (9) 原告は,平成13年1月31日,建築協定運営委員会に対し,本件敷地上に工場を建設する計画概要書,設計図を提出して工場建築の承認を求める申請をした。 同年2月26日に開催された同委員会で審議された結果,原告の建築予定物は工場であり,用途制限に該当するので承認できないことで意見が一致し,同委員会は,同年3月23日,その旨を原告に通知した。 (10) 原告は,被告に対し,平成14年1月21日到達の本件訴状をもって本件売買契約を解除する旨の意思表示をした(顕著な事実)。 2 争点及び争点に関する当事者双方の主張(1) 原告と被告との間で,本件売買契約に際して,本件敷地上に原告が工場を建築することを被告が認めるとの暗黙 除する旨の意思表示をした(顕著な事実)。 2 争点及び争点に関する当事者双方の主張(1) 原告と被告との間で,本件売買契約に際して,本件敷地上に原告が工場を建築することを被告が認めるとの暗黙の合意がなされたか。 (原告の主張)原告は,被告との問で,原告については本件協定の用途制限条項を適用せず,例外的に工場建築を認めるとの暗黙の合意(以下「本件合意」という。)をした。 ア原告は,既存工場が手狭になったために,情報の森とちぎ内に工場用地を求めたのであって,c町に対し,工場の拡張移転のため情報の森とちぎに入居したいことを継続して説明していた。このような原告の意向を受けて,c町は,a県及び被告に対し,工場が町外に流失してしまう,原告が製造するものは小さな自動車部品であり,騒音や振動などの公害は心配がない,被告においても受入れを検討して欲しいなどと述べて(乙15の5),情報の森とちぎ内に原告が工場用地を求められるように積極的に働きかけをした。原告は,c町から,情報の森とちぎには原則としてメーカーは入居できないが,原告については特別扱いとして県に認めてもらうと言われていたので,既存工場を本件敷地に全部移転することとし,本件敷地において工場を建築する希望を示すものとして土地売買契約申込書の事業内容を記載する欄に「製造」と明記した。被告は,原告が本件敷地上に工場を建築することを十分に認識しながら本件売買契約を締結した。 イ原告は,本件敷地の売買交渉中の平成9年2月21日,c町の担当者から,「県と町が原告を情報の森とちぎに誘致するということで決まった。頭脳立地法に該当するか否か県とも検討したが,県は該当しないので苦慮しているわけです。」,「残りは県の審議会 担当者から,「県と町が原告を情報の森とちぎに誘致するということで決まった。頭脳立地法に該当するか否か県とも検討したが,県は該当しないので苦慮しているわけです。」,「残りは県の審議会にかけるための理由,資料作りで,その一つが工場視察です。県は原告工場の視察について審議会へ提出する報告書作成に苦慮している様子です。県部内では原告は製造メーカーだと主張するやつもいるらしいですが,政治的解決をする予定です。」と言われた(甲11)。 また,原告と被告は,平成10年5月11日,原告が情報の森とちぎに工場を建築することを前提に,その時生じる種々の問題をどうするか協議し,その際,被告の担当者から,「原告が購入する土地につき,工場立地法に基づく工場立地審議会にかかるか否かを心配している。その理由が情報の森とちぎが情報産業か研究施設の誘致を目的としたプロジェクトであり,誘致している他企業からクレームが来る可能性があるからである。」との発言があった(甲17,乙26)。 建築協定運営委員会において原告の入居が否決された後の平成13年4月24日に行われた原告とc町との協議において,c町の担当者は,「原告の情報の森とちぎへの進出に至る経過について認識に違いはない」,「研究開発部門と製造部門の割合について変更する等の措置を講ずれば,これまでの経過もあることから施設の建設について認定することも可能と思われる。」と述べた(甲22)。 以上の発言からして,被告が,原告を特別に扱い,工場建築を前提として入居を許可したことが明らかである。 (被告の主張)ア情報の森とちぎに工場を立地することはできないとされており,被告は,原告が情報の森とちぎにおいて,工場を建設する計画を有しているとは全く認識していなかったのであるから,本 (被告の主張)ア情報の森とちぎに工場を立地することはできないとされており,被告は,原告が情報の森とちぎにおいて,工場を建設する計画を有しているとは全く認識していなかったのであるから,本件合意が成立する余地はない。 イ原告が提出した平面図(乙7の1,2)では,原告の予定建築物が「工場」に該当するおそれがあったことから,県は,補充資料を徴求した。原告は,提出した補充資料(甲15の1)において,同平面図の管理製造部門とは,開発・試作品等の開発・管理等に関連するものであり,工場と評価されるものでないと説明した。 ウ原告は,土地売買申込書に「製造」との文言があると主張するが,被告は,情報の森とちぎにおける研究開発に伴う製品試作(製造)があり得ることを認めており(乙15の1),土地売買申込書(甲15の2)の「製造」もそのような意味に認識していたに過ぎない。 工乙第15号証の5の文書は,情報の森とちぎに企業を誘致する職務を行っていた被告の職員が異動するにあたって後任者のために備忘用として作成したものであり,県の企業誘致検討委員会の討議資料として提出された同号証の1ないし4とは全く関係を持たない。また,同文書は,職員が記憶にあるままに原告と情報の森とちぎが関係する事項を記載したものであり,原告の研究開発の設備が情報の森とちぎに立地されることになった端緒を記載したものに過ぎない。 オ甲第22号証の文書は,その記載内容は,「原告の情報の森とちぎへの進出に至る経過」について同じ認識を有していると述べているだけであり,原告の工場を認めるに至った経過とは表現されていないばかりか,c町は,原告の工場建築に対する後押しについては,内部で検討すると述べ,極めて慎重な対応をしていた。さらに,「これまでの経過もあることから施設の建設 認めるに至った経過とは表現されていないばかりか,c町は,原告の工場建築に対する後押しについては,内部で検討すると述べ,極めて慎重な対応をしていた。さらに,「これまでの経過もあることから施設の建設について認定することも可能と思われる。」との記載については,研究開発部門と製造部門の割合を変更するなどの措置を講じれば,全体的にみて研究開発部門の施設の立地とみることも可能であるから,認められる可能性はあるという趣旨に理解するのが自然である。 (原告の反論)ア上記平面図(乙7の1,2)について,原告は,c町から研究,開発部門を強調するように指導されたが,それでも製造部門を全くゼロにすることは余りにも事実に反するので,控えめながらBゾーンを管理製造部門として全体の3割としたのである。そして,管理製造部門は,マシン室,成形室などと工場を意味する部屋が予定されている。被告は,Bゾーンは試作品等の製品を製造する部門と理解したと主張するが,試作で作られるものは「試作品」と呼ばれ,「製品」とはいわない。したがって,工場を建てるということが,同図面によって示されているのである。 イまた,甲第15号証の1の文書においても,成形「製品」の組立,加工と説明しており,開発,試作品及び完成製品の保管をする場所として,試作品と完成製品を明確に区別し,製造部門が存在することを示している。 ウ原告は自動車用パーツメーカーであり,これを試作する建物の面積はわずかで足り,マシン室や成形室は必要ない。 被告は,情報の森とちぎにおいても試作品の製造は認められていたと主張するが,企業誘致検討委員会結果(乙15の1)には,産業基盤整備室の課長補佐の発言として,「製造については商品を卸すということでパーク概念には一致しないが,製造をしてはいけないとは思っていない と主張するが,企業誘致検討委員会結果(乙15の1)には,産業基盤整備室の課長補佐の発言として,「製造については商品を卸すということでパーク概念には一致しないが,製造をしてはいけないとは思っていない。製造することは,条例に基づく書類の提出を要するのではないかと考えられるため,基盤室に相談してくれれば検討したい。」と記載されており,県において,原告が本件敷地で試作品の製造ではなく,製品の製造を行うことを認識していたことは明らかである。また,その添付資料(乙15の3)の「団地で行う事業」欄にも,「製造」と明記されている。 (2) 被告は,本件合意に違反したか。 (原告の主張)ア被告は,本件合意に基づき,原告に対し,将来原告が本件敷地に工場を建築するときには,建築協定運営委員会での審査を始め,諸手続が円滑に進むよう方策を講じる義務を負った。 イ原告は,平成13年2月26日に開催された建築協定運営委員会において,本件敷地上に工場を建築する計画概要書及び設計図を提出したが,同委員会は審議の結果,原告が計画している建物は工場であり,本件協定の用途制限に該当するので承認できないとの結論を出した。原告は,c町と協議し,本件合意の存在を主張し,c町を介して被告に対し,本件合意に基づく義務を履行するよう催告した。 ウところが,被告は,本件敷地上に工場を立てることは本件協定の趣旨に反するとの態度を変えず,何らの方策も論じなかった。 工原告は,被告の債務不履行により5451万3800円(不動産取得税675万5200円,移転登記登録免許税675万4600円,契約書印紙税18万円,本件敷地購入資金の借入利息4082万4000円)の損害を被った。 オよって,原告は,被告に対し,主位的に,債務不履行解除に基づく原状回復請求権に 税675万4600円,契約書印紙税18万円,本件敷地購入資金の借入利息4082万4000円)の損害を被った。 オよって,原告は,被告に対し,主位的に,債務不履行解除に基づく原状回復請求権に基づき5億8558万4235円及び債務不履行に基づく損害賠償請求権に基づき5451万3800円並びにその合計6億4009万8035円に対する本件訴状送達の日の翌日である平成14年1月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (被告の主張)被告は,原告との間で本件合意を締結した事実がないから,原告が主張する義務を負担していない。 (3) 本件売買契約は,錯誤により無効か。 (原告の主張)ア原告は,既存工場を一か所に集中させる目的で本件敷地を購入したものであるところ,原告は,本件売買契約締結に際し,次のとおり,仲立ちしたc町を介して上記の動機を県及び被告に表示した。 (ア) 原告は,当初より本件敷地において工場の立地を希望する旨c町に告げており,少なくともc町に原告の動機が表示されていることは明らかである。c町は,本件において,原告と県及び被告との間を仲立ちしていたのであり,原告がc町に提供した本件売買に関する情報は,c町から全て県及び被告に取り次がれた。 原告は,c町の担当者から,役所はメーカーは入居できないとの建前が優先するから,その建前に沿った言動をするようにとの指導を受けたため,これに従って行動した経緯はあるが,情報の森とちぎに工場を入居したいとの意思で行動していた。 この点について,被告は,原告はc町から動機を被告に直接表示しないよう指導を受けていたことを自認しているから,原告の動機は県や被告には十分に表示されていないと主張する。しかし,原告は,公式には工場の立地 について,被告は,原告はc町から動機を被告に直接表示しないよう指導を受けていたことを自認しているから,原告の動機は県や被告には十分に表示されていないと主張する。しかし,原告は,公式には工場の立地が不可であり,例外として工場の立地が認められるものであるから,公式の部分にあからさまに反するようなことをしないよう指導を受けたに過ぎず,動機を被告に表示してはならないとの指導を受けたわけではない。非公式には,c町を介して県や被告に対し,原告の動機が表示されていることは,c町と県及び被告との関係からして当然である。 (イ) 被告内部の書類(乙15の5)においても,平成8年に,c町が被告に対し,同町において工場を操業中の原告が情報の森とちぎに移転したいとの相談が同町にあり,町としては移転を進めないと工場が町外に流出してしまうと明記されており,原告の動機が被告に表示されていたことが明らかであった。また,原告が被告に提出した土地売買申込書(甲15の2)に「製造」との記載があり,平面図(甲14の1)にも製造部門を表す「自動機ゾーン」,「出荷ゾーン」,「成形ゾーン」,「組立検査ライン」との記載があり,ソフト団地業務内容ご連絡の件と題する書面(甲15の1)にも,Aゾーンが開発・技術部門,Bゾーンが管理・製造部門と明記した上,成形室で成形製品の組立加工する機械の設置場所との記載,完成品倉庫との記載があった。 イ原告は,既存工場全部を本件敷地に移転することを企図していたのであるから,本件敷地上に工場を建築することができないのであれば,原告のみならず,通常人においても本件売買契約を締結しなかったのであり,本件売買契約には,要素の錯誤があった。 ウしたがって,本件売買契約は,錯誤により無効であり,原告は,被告に対し,予備的に,不当利得返還請求 においても本件売買契約を締結しなかったのであり,本件売買契約には,要素の錯誤があった。 ウしたがって,本件売買契約は,錯誤により無効であり,原告は,被告に対し,予備的に,不当利得返還請求権に基づき,5億8558万4235円及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日である平成14年1月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (被告の主張)ア原告は,c町の担当者から,役所はメーカーは入居できないとの建前が優先するから,その建前に沿った言動をするようにとの指導を受けたたことを自認している。したがって,原告からc町には原告の動機が表示されていたといえるとしても,原告は,被告に動機を表示しないよう指導を受けていたのであるから,県や被告に対しては,原告の動機は十分に表示されなかった(なお,被告ないし県は,動機がc町に表示されれば,同町から直ちにこれを伝えられる関係にはなかった。)。 イ(ア) 原告は,平成8年ころ,工場を情報の森とちぎに移転したいとの希望を一時表示したことがあったが(乙15の5),その後は,その希望を被告に秘匿して交渉を行い,本件売買契約を締結した。 (イ) 上記争点(1)に関する被告の主張のとおり,甲第15号証の2の土地売買申込書及び甲第15号証の1の書面に原告主張の各記載があったことをもって,原告の動機が被告に表示されたとはいえない。被告は,甲第14号証の1の平面図を本件売買契約締結までに受け取っていない。 ウ被告は原告から動機を表示されなかった以上,原告の錯誤無効の主張は失当である。 (4) 原告の錯誤には重大な過失があるか。 (被告の主張)原告は,情報の森とちぎに工場を立地することができないことを十分認識していたにもかかわらず,本件敷 効の主張は失当である。 (4) 原告の錯誤には重大な過失があるか。 (被告の主張)原告は,情報の森とちぎに工場を立地することができないことを十分認識していたにもかかわらず,本件敷地に工場を建築できると考えて本件売買契約を締結したことは軽率であり,原告には,錯誤をしたことについて,重大な過失があるから,原告は,錯誤無効を主張することができない。 第3 争点に対する判断 1 上記争いのない事実等と,証拠(甲1ないし3,4の1及び2,5の1ないし3,6ないし9,11,14の2及び3,15の1及び2,17ないし19,20の1及び3,21,22,24,乙1,2,3の2,6の1ないし3,7の1及び2,8,10の1ないし7,11ないし13,15の1ないし5,16の1及び2,17の1及び2,19ないし23,26,29,30,33の6,35ないし41,42の1及び2,証人E,証人F,原告代表者)及び弁論の全趣旨を総合すれば,本件売買契約に至る経緯等について,次の事実が認められる。 (1) 原告は,自動車部品の製造を主たる業務とする株式会社であり,その主製品は,自動車計器板用電球ソケットや照明パーツ,エンプラ成形パーツ及び特殊加工パーツ等である。原告は,いずれもc町に床面積1319㎡の宇都宮第一工場,同1102㎡の宇都宮第二工場及び同220㎡の宇都宮第三工場を有していた(なお,原告は,その他に,同375㎡の南那須工場を有していたが,南那須工場はその後閉鎖されていた。)。 原告は,開発部門として,東京本社に開発部(人員7名[平成8年10月末日まで])を有し,宇都宮工場に技術部(人員5名[同日まで])を有している。なお,宇都宮工場の開発関係部門は,同工場の組織変更により,開発部,製造・管理部門内の経理・EDPグループ及び品質保証部内の生産 で])を有し,宇都宮工場に技術部(人員5名[同日まで])を有している。なお,宇都宮工場の開発関係部門は,同工場の組織変更により,開発部,製造・管理部門内の経理・EDPグループ及び品質保証部内の生産技術グループとなり,担当者は合計7名となった。なお,同年10月末日現在の原告の社員数は,嘱託社員,パート及びアルバイトを含めて85名である。 (2) 情報の森とちぎは,主として情報関連企業や研究開発型企業の集積拠点とされ,頭脳立地計画(宇都宮地域集積促進計画)における中核的な業務用地としての位置付けがされ,情報関連産業の技術高度化と地域産業の高度化の促進が整備目的とされていた。 情報の森とちぎは,その整備目的に沿って,情報関連企業の研究開発のための施設の立地を主たる構成とするとされており,その立地にあたっては,被告の企業誘致検討委員会が,立地希望者から提出された売買申込書に基づいて誘致の適否等を審議することとされていた。 また,被告は,そのような整備目的から,平成9年10月28日,建築協定運営委員会が必要と認めた場合を除き原則として工場を建築できない旨の建築協定の認可をa県知事に申請し,a県知事は同年12月9日付けでこの建築協定を認可した。 なお,情報の森とちぎには,原告以外にもメーカーが入居しているが,そのうち一社は,団地内で行う事業内容を「開発研究業務」として申請している。その他,情報の森とちぎ内に製造ラインを設置しているところはない。 (3) 原告は,c町の上記各工場が住宅地に分散し,手狭であったことから,平成2年ころ,工場の移転又は分工場の設置を検討するようになった。原告は,当初,原告が同町内に他に有していた4098㎡の土地を移転先の有力侯補としていたが,当該土地は小学校に隣接していたため,c町は,当該土地での工場操業は問 分工場の設置を検討するようになった。原告は,当初,原告が同町内に他に有していた4098㎡の土地を移転先の有力侯補としていたが,当該土地は小学校に隣接していたため,c町は,当該土地での工場操業は問題があるとの認識を原告に示した。そこで,原告は,同年9月ごろから,他県の工場団地等を含め,工場用地を本格的に探し始め,平成3年秋,北海道恵庭市所在の用地を取得するための買付申込みをした。 ところが,被告が,同年8月ごろ,c町内に,技術開発を行う研究施設の誘致とこれに調和した住宅地開発を目的とする「c町d地区研究施設用地,住宅用地造成事業基本計画」を策定したことから,原告も,移転費用,従業員の雇用問題,優秀な内職の確保等の観点から,d台工業団地への入居を日指すこととし,平成4年3月,恵庭市の用地取得を断った。 d台工業団地は,当初の計画では,平成6年10月から造成工事に着手することになっていたが,地権者の協力が得られず計画の進展が見られなくなり,平成8年には計画の見通しが全く立たない状態になった。そのころ,原告は,c町から,同じくc町eに被告が開発した情報の森とちぎを紹介され,検討の上,c町に対し,情報の森とちぎへの移転を希望する旨を申し出たが,c町は,県にも打診したうえで,同年6月ごろ,原告が情報の森とちぎに立地するのが工場である以上入居できないと回答した。これに対し,原告は,情報の森とちぎに移転できれば従業員をそのまま雇用し続けることができ,また,移転費用も軽減できるなどの理由により,情報の森とちぎが工場の移転先として最適であったことから,c町に対し,何とか情報の森とちぎに移転したいと再度申し出るとともに,原告が情報の森とちぎに入居できるよう関係方面に積極的に働きかけをして欲しい旨要望した。これに対し,c町も,町内から企業が流出する事態を避 し,何とか情報の森とちぎに移転したいと再度申し出るとともに,原告が情報の森とちぎに入居できるよう関係方面に積極的に働きかけをして欲しい旨要望した。これに対し,c町も,町内から企業が流出する事態を避けるため,これに協力することとした。 (4) 原告のG総務部長は,同年7月27日,被告に提出する資料を説明するため,c町役場を訪れた。その際,c町の担当者から,「c町としては,情報の森とちぎへの原告入居に向けて全面協力する方針であるが,入居条件として,コンピュータソフト関連企業のみに限定するという制限があることから,原告が製造メーカーであるということをどうカモフラージュするか苦慮している。社屋の建築は,一見して工場であるような建物は避けて欲しい(例えば,ノコギリ型の屋根等)。原告は,公害(騒音,振動,におい等)のない精密機械の企業だと県に言ってある。資料を被告に提出する際,原告は開発指向の強い企業であること,精密機械製造メーカーであることを強調するとともに,開発部門が明確に説明できる資料を提出するように。」との話がされた。 (5) 原告は,同年10月22日ころ,c町を経由して,被告に対し,「当社の商品開発の概要」と題する書面等(乙6の1ないし6)を提出したが,そのうち同概要書(乙6の1)には,「得意先から文字通りの開発パートナー,協力会社の位置付けを受けている」との記載があり,組織表(乙6の2,3)は,開発関係部署を強調したものとなっていた。 また,原告は,同年11月6日ころ,被告に対し提出した平面図(乙7の1,2)において,Aゾーンとして「開発・技術部門」を挙げ,その面積を2310㎡とし,Bゾーンとして「管理・製造部門」を挙げ,その面積を990㎡としていた。 これに対し,同年12月17日,c町から原告に対し,上記平面図に記載された 開発・技術部門」を挙げ,その面積を2310㎡とし,Bゾーンとして「管理・製造部門」を挙げ,その面積を990㎡としていた。 これに対し,同年12月17日,c町から原告に対し,上記平面図に記載された部門別用途及び業務内容について説明書を提出するようにとの県からの指示が伝えられた。原告は,「ソフト団地業務内容ご連絡の件」と題する書面(甲15の1)を提出し,その中で「B-1マシン室」については「開発・試作品を作成するに際して組立・加工をする機械の設置場所」,「B-2成形室」については「成形製品の組立・加工をする機械の設置場所」,「B-5完成品倉庫」については「開発・試作品及び完成製品の保管する場所」などと説明した。 (6) 平成9年1月22日に原告とc町との間で行われた打合せにおいて,被告に対する説明では製造部門は南那須工場ということにしておいて欲しいとの発言がc町からあり,原告側はこれを了承した。 (7) 同年2月21日に原告とc町との間で行われた打合せにおいて,G総務部長らが,情報の森とちぎへの入居の進展状況を確認したところ,c町の担当者は,原告が頭脳立地法所定の業種に該当するか否か県とも協議したとした上,「県は,該当しないので苦慮している訳です。」と述べたものの,県が原告を情報の森とちぎに誘致する方針であると伝えた上,同月28日に予定されている県の企業調査に際しては,「研究,開発,試作部門のみを情報の森とちぎに移転すると言って下さい。決定してしまえば,どうにでもなりますから。」と述べた。 (8) 同月28日に県商工振興課による企業調査がなされたが,それに先立って行われた町開発課に対する事情聴取において,c町は,県商工振興課の担当者に対し,「原告は,研究開発部門の拡充を図る上で,現在の東京本社では手狭になったため,新たな研究施設 なされたが,それに先立って行われた町開発課に対する事情聴取において,c町は,県商工振興課の担当者に対し,「原告は,研究開発部門の拡充を図る上で,現在の東京本社では手狭になったため,新たな研究施設の建設用地を検討してきた。原告は,昭和40年からc町を生産拠点としてきており,研究開発部門と生産部門とをなるべく近い場所に置きたいとの希望を有しており,従業員のほとんどが地元雇用であることなどの理由からも,c町内に用地を求めたいとの意向を有している。原告としては,11000~12000㎡程度の敷地に設計室,試作室,実験室,展示室及び食堂を備えた研究施設の建設を計画しているとのことである。」旨の説明をした。引き続き行われた視察で,B社長は,「c町の企業として定着した感もあり,これからも同町内でやっていきたいと考えている。研究開発部門を拡充するにあたり,工場の近隣に用地を探していたので,情報の森とちぎに立地できれば最良と考えている。 情報の森とちぎには,主に東京本社で行ってきた研究開発部門を集約する。情報の森とちぎ内の施設では,設計,試作,実験及び製品の展示を予定している。」旨の説明をした。 県商工振興課は,内部での検討の結果を踏まえ,同年3月10日,被告及びc町に対し,立地許可の意向を伝え,その際,製造ラインは認められない旨も伝えた。 (9) 原告は,同月13日ころ,町開発課を通じて許可の通知を受けたことから,同月25日,被告に対し,土地売買申込書を提出した。ところが,同申込書の「団地内で行う事業内容」欄に,「自動車部品,照明器具,精密成形品の研究・開発・製造」との記載がなされていた。被告の担当者であったE企業誘導担当主幹(以下「E主幹」という。)は,同申込書に「製造」という文言があり,情報の森とちぎ内に工場は建築できないはずなので,産業基 開発・製造」との記載がなされていた。被告の担当者であったE企業誘導担当主幹(以下「E主幹」という。)は,同申込書に「製造」という文言があり,情報の森とちぎ内に工場は建築できないはずなので,産業基盤整備室に確認に行った。これに対し,産業基盤整備室は,試作品の製造については情報の森とちぎ内で行ってもよい旨の回答をしたので,E主幹は,原告に対し,そのころ,「製造」は試作品ならば可能である旨を伝えた。その際,原告から特に反論はなかった。 (10) 同年5月16日に開催された企業誘致検討委員会において,原告の情報の森とちぎへの立地を認めることとなったが,その後,原告は,2度にわたり,売買契約締結の時期の延期を願い出た。 (11) その間,原告の担当者が,被告を訪ねてきた際に,E主幹が,情報の森とちぎ内で物を製造するのか尋ねたところ,原告の担当者は,「うちはメーカーですから,立地後当然に物を製造しますよ。」と答えた。そこで,E主幹は,情報の森とちぎ内で物を製造することはできないので,産業基盤整備室に行ってよく相談するように指示をした。間もなく,原告の常務取締役が,E主幹に対し,知事から既にお墨付きをもらっているのに,なぜ再度,県と相談しなければならないのかと不満を言ってきたので,E主幹は,同取締役に対し,産業基盤整備室に行くよう再度指示した。その後,E主幹が,産業基盤整備室に結果を確認したところ,産業基盤整備室は,予定どおり原告の立地を認めるとの回答であったので,E主幹は,原告が産業基盤整備室の判断・意見に従って,試作品の製造ということで了承したと判断した。 (12) ところで,情報の森とちぎには,いわゆるメーカーの研究所も進出していたが,進出企業の中には,情報の森とちぎ内で試作品の製造を行いたいとの希望を有するものがあったことから,同 判断した。 (12) ところで,情報の森とちぎには,いわゆるメーカーの研究所も進出していたが,進出企業の中には,情報の森とちぎ内で試作品の製造を行いたいとの希望を有するものがあったことから,同年11月25日に開催された建築協定認可申請に伴う聴聞会でもその点が問題となった。被告の企画調整室参事は,席上,生産ラインをメインにした工場のみでは許されないが,研究開発を伴った必要な生産はよく,研究開発に伴う試作は可能であると回答し,また,c町の都市計画課長は,県とも相談したが,工場については明確な区別は困難であり,生産を目的とするのではなく,研究開発における試作程度であれぱやむを得ないとのことであった旨の発言をした。 (13) 原告は,平成10年5月11日,売買契約締結の再延期を被告に願い出た際,E主幹は,原告から提出された建築パース図等(乙42の1及び2)に「宇都宮工場新築工事」とのタイトルがあったことから,原告の担当者に対し,情報の森とちぎでは,研究開発のための施設を建設することはできるが,製造を主とする工場は建築できないと指摘し,県商工振興課とよく相談するようにと告げた。本件売買契約は,以上の経過を経て,同年8月21日に締結された。 (14) 原告は,東南アジアで金融不安が生じたことなどから,工場の移転をしばらく見合わせていたが,平成12年になって工場移転に着手することとし,設計事務所に依頼して情報の森とちぎに立地する建築物の設計をした。ところが,同建築物が明らかに工場であったことから,B社長は,同年9月14日,被告に対し,「情報の森とちぎへは既存工場の移転を当初から考えていた。c町長の力添えで工場視察が行われた結果,県知事から最後認可が出た経緯があった。しかし,建築設計図面を作成したが,これは工場であり,製造メーカーの域から免 ちぎへは既存工場の移転を当初から考えていた。c町長の力添えで工場視察が行われた結果,県知事から最後認可が出た経緯があった。しかし,建築設計図面を作成したが,これは工場であり,製造メーカーの域から免れられない,使用電力量も450~500KWであり,また,大型トラックが1日数回出入りする,近隣地へ,外資系会社が入居する予定と聞いており,契約思想の強い外資系会社とのトラフルを避けたい,c町と社有地の収用問題があったが,条件が折り合わず,打ち切り,予定していた取得用地への圧縮記帳も不能となった。」など述べて,情報の森とちぎへの立地については種々の問題があることを懸念しているとして,撤退を申し出た。これに対し,被告の担当者は,「前任者からの引継書類によると,原告は開発・技術部門及びその試作部門があり,開発・技術部門の立地資料であるとみていた。県商工振興課が企業調査を打った際,原告は,開発指向性の強い会社で,メーカーだと言っても騒音,煙,におい等の公害的なものは皆無と説明し,県は,原告は開発技術を主体とし,試作を行うものであると判断し,最終的に県知事の了承を得て認可した。」と発言した。また,B社長が,本件土地売買契約が錯誤であるとして,契約上定められた違約金を免除して欲しいと要請したところ,被告の担当者は,c町及び県と協議し,回答するとした。 その後,同月22日に行われた,c町,県商工振興課及び被告の三者協議において,被告の担当者は,はっきりとできる,できないと言う立場にない旨述べたのに対し,c町の担当者は,最初から工場立地であるなら建築協定運営委員会にかけるまでもない旨発言し,県商工振興課の担当者は,本件協定の制限に該当することを説明して,それでも建築したい場合は,建築協定運営委員会に申請して審議してもらうことになると伝えるしかない旨の発言 にかけるまでもない旨発言し,県商工振興課の担当者は,本件協定の制限に該当することを説明して,それでも建築したい場合は,建築協定運営委員会に申請して審議してもらうことになると伝えるしかない旨の発言した。その後,被告は,原告に対し,工場立地を行うとは書類上記載がないことを指摘し,被告としては売買契約に錯誤はないとの認識を有しており,原告が撤退する場合は,契約上の違約金が発生すると伝えた。 (15) 原告は,平成13年1月31日付けで,建築協定運営委員会に審議を申請するとともに,設計図等を同委員会に提出した。設計図は,その表題こそ「宇都宮事業所」となっていたが,「本体工場棟2階建」との記載があり,そのほとんどを工場部分が占め,開発設計関係は,2階に「開発設計室」というものがわずかに設けられていた程度にすぎなかった。 (16) 同年2月26日に開催された建築協定運営委員会で,上記(5)のとおり,契約時の部門別内訳が開発技術部門7割,管理製造部門3割となっていたのに対し,同委員会に提出した上記設計図では,その比率が逆転している理由について委員が問い質したところ,B社長は,「当初から現在の工場を丸ごと移転する考えであり,c町もそれを認識していた。情報の森とちぎの建前,実態からして,最初から工場を全面に出したのではまずいということになり,工場の名前は出さないようにとのc町の指示に従い,名前も事業所とし,このような提出書類も作文できるものはするということをしてきた。実態は工場であるが,研究開発部門をクローズアップさせて移転ということで話を進めてきた。」と述べた。c町出身の委員は,「申込時の内容は,研究開発ということであり,町も支援はしているが,c町及び県商工振興課も研究開発・試作主体との理解であり,製造工場との認識はなかった。今回逆転して製 」と述べた。c町出身の委員は,「申込時の内容は,研究開発ということであり,町も支援はしているが,c町及び県商工振興課も研究開発・試作主体との理解であり,製造工場との認識はなかった。今回逆転して製造主体で一部研究開発となっているが,当時と若干流れが変わってきていると感じている。」と述べた。委員から工場だと否決される可能性も認識していたのかと問われたのに対し,B社長は,「何とかいけるのではないかとの判断があり,そのうち用途変更も行われたりと,そういう思惑もあった。」などと述べた。 原告の関係者が退席した後,審議が行われた結果,被告出身の委員は勿論,c町出身の委員及び県出身の委員も工場にあたるので本件協定6条により承認できないとの結論に達し,同委員会は,同年3月23日付けで原告の建築計画は本件協定が建築を禁止する工場に該当するので承認しない旨の通知をした。 (17) 同年4月24日,原告とc町との間で打合せが持たれたが,その際,B社長は,「建築協定運営委員会に提出したものと,申込時に提出したものは大きな違いがなく,同委員会及び被告,県は工場であり受け付けられないという建前での回答が日立つ。申込の際にも「製造」部門もあることを記載していた。」と発言し,c町に対し,契約時に錯誤があったため契約解除について助力願いたいと要望した。これに対し,c町の担当者は,「原告が,情報の森とちぎへ進出するに至る経過については,原告と認識に違いがない。」と発言するとともに,設計図の変更,研究開発部門と製造部門の割合の変更等を行えば,これまでの経過もあるので,施設の建設が認められることも可能と思われる旨発言した。 (18) 結局,原告は,本件敷地上に工場を建築することを取り止め,同年12 月27日,本件訴訟を提起した。 2 争点(1)(本件合意の有無 建設が認められることも可能と思われる旨発言した。 (18) 結局,原告は,本件敷地上に工場を建築することを取り止め,同年12 月27日,本件訴訟を提起した。 2 争点(1)(本件合意の有無)について(1) 上記1に認定の事実に基づいて検討すると,自動車部品の製造等を営む原告は,もともと三箇所に分かれていた既設の工場の全体を情報の森とちぎに移転して単一の工場とすることを希望し,当初その希望をc町に表示したところ,同町から,県とも協議した結果原告が情報の森とちぎに立地するのが工場であることを理由に断られたものの,情報の森とちぎが工場の移転先として最適であったことから,本来情報の森とちぎに工場を立地することはできないことを十分知悉しながら,是非情報の森とちぎに移転したいと考え,c町に県への働きかけを依頼したほか,被告に提出した計画図面等においても,原告において立地する施設が研究開発主体であることを強調するなどして本件売買契約の締結に至ったのであるが,工場建築に着手するに当たり作成した設計図上実際に建築する施設が工場であることが明らかであったことから,c町及び被告に対し,情報の森とちぎからの撤退を表明するとともに,同設計図を改めて提出して,被告の建築協定運営委員会に審議を申請したものの,原告の予定する施設が工場であることを理由に承認を得られずに終わったものである。ところで,情報の森とちぎは,上記1に認定のとおり,情報関連産業の技術高度化と地域産業の高度化の促進が整備目的とされ,かかる制度目的から,情報の森とちぎの区域内に建築協定運営委員会の承認を得ない限り工場を建設できないとの本件協定が設けられていたほか,被告は,生産ラインをメインとした工場は立地できないものの,本件協定の下でも研究開発に伴う試作は可能であるとの意向であったので 会の承認を得ない限り工場を建設できないとの本件協定が設けられていたほか,被告は,生産ラインをメインとした工場は立地できないものの,本件協定の下でも研究開発に伴う試作は可能であるとの意向であったのであり,したがって,被告としては,原告が本件敷地上に完成品の製造を目的とする工場を立地することに応じる立場になかったほか,手続的にも,建築協定運営委員会の審議を経ない段階で工場の立地に承諾を与えることはできなかったのであるから,原告と被告との間に,本件合意が黙示的にせよ成立する余地がないことが明らかというべきであり,また,上記1に認定の事実によれば,本件売買契約締結の際,被告は,原告において研究開発主体の施設を本件敷地上に建築すると考えていたに過ぎないと認めることができる。 (2)ア証拠(乙15の5)によれば,被告が保管する情報の森とちぎの分譲経過を記載した文書(乙15の5)中に,c町のH町開発課長が平成8年に被告に対し,c町内において工場を操業中の原告から情報の森とちぎに移転したいとの話がある,町としてはこの話を進めなければ工場が町外に流出してしまう,被告にも受け入れを検討して欲しいと要請した旨の記載があることが認められる。しかしながら,証拠(証人E)によれば,上記文書は,E主幹の前任者が作成したものであること,原告から被告に提出された文書には,研究開発主体の施設を建築すると記載され,B社長自身も,県商工振興課の企業調査の際に,既設の工場に近接する情報の森とちぎに,東京本社で行ってきた研究開発部門を集約する施設を立地し,設計,試作,実験及び製品の展示を予定している旨の説明をしたこと,以上から,原告から土地売買申込書の提出を受けた当時の被告の担当者であったE主幹は,原告が研究開発主体の施設を建築すると理解していたことが認められる。この事 の展示を予定している旨の説明をしたこと,以上から,原告から土地売買申込書の提出を受けた当時の被告の担当者であったE主幹は,原告が研究開発主体の施設を建築すると理解していたことが認められる。この事実によれば,上記文書の記載をもって,原告が被告に土地売買申込書をもってした売買申込みが,c町の町開発課長が平成8年にした原告の既設の工場自体を情報の森とちぎに移転する話の延長としてされたとは直ちに認められないし(上記文書が,平成9年5月16日に開催された原告への分譲の適否を審査する企業誘致検討委員会の資料として提出されたことを認めるに足りる的確な証拠はない。),上記1に認定の事実経過からすれば,原告から土地売買申込書の提出を受けた当時の被告の担当者が,原告の売買申込が原告の既設の工場自体を情報の森とちぎに移転することを内容とするものと理解していたとは到底認められない(c町の職員であった証人Fは,県に対し,原告が既設の工場自体を情報の森とちぎに移転することを希望している旨を伝えたと証言するが,同証人の証言によっても,伝えた時期及びその相手方の氏名も明らかではないほか,同証人自身,平成7年に直接の担当を離れたこと〔証人F〕に鑑みると,同証人の上記証言を採用することはできない。)。 イまた,証拠(甲15の1,乙7の1,2)によれば,上記1(5)のとおり,原告作成の平面図(乙7の1,2)に,「マシン室」,「成形室」,「完成品倉庫」との記載がある上,原告作成の「ソフト団地業務内容ご連絡の件」と題する書面(甲15の1)にも,「B-1マシン室」については「開発・試作品を作成するに際して組立・加工をする機械の設置場所」,「B-2成形室」については「成形製品の組立・加工をする機械の設置場所」,「B-5完成品倉庫」については「開発・試作品及び完成製品の 開発・試作品を作成するに際して組立・加工をする機械の設置場所」,「B-2成形室」については「成形製品の組立・加工をする機械の設置場所」,「B-5完成品倉庫」については「開発・試作品及び完成製品の保管する場所」との記載があることが認められる。 しかしながら,上記1に認定の事実によれば,情報の森とちぎにおいても研究開発に伴う試作は可能とされていたこと,被告は製造ラインは認められない旨c町に伝えていたほか,県商工振興課の企業調査の際にも,B社長自身,東京本社で行ってきた研究開発部門を情報の森とちぎに集約すると説明していたことからすれば,被告は,上記平面図及び上記書面の各記載について,いずれも,研究開発に伴う試作品の製造を意味すると解した余地があり,上記各記載をもって,直ちに,被告が原告において本件敷地上に工場を建築すると認識していたと認めることはできない。 ウ証拠(甲15の2)によれば,原告が被告に提出した土地売買申込書(甲15の2)の「団地内で行う事業内容」欄に「製造」との記載があるほか,平成9年5月16日に開催された企業誘致検討委員会の添付資料(乙15の3)にも,「団地で行う事業」欄に「製造」 との記載があることが認められる。しかしながら,上記1に認定の事実によれば,被告は,情報の森とちぎにおいても研究開発に伴う試作は可能としていたに過ぎず,製造ラインは認められない旨県商工振興課からc町に対し明確に伝えられていたほか,上記イの企業調査の際にしたB社長自身の発言からすると,土地売買申込書及び添付資料の各一部に「製造」との記載があることをもって,被告が原告において本件敷地上に工場を建築することを承知した上でこれを認めたということはできない。 エ証拠(甲17,乙26)によれば,平成1 一部に「製造」との記載があることをもって,被告が原告において本件敷地上に工場を建築することを承知した上でこれを認めたということはできない。 エ証拠(甲17,乙26)によれば,平成10年5月11日に行われた原告と被告との協議の結果を記録した議事録(甲17,乙26)には,被告の担当者の発言として,「本件が工場立地審議会にかかるか否か心配している。その理由は,ソフトリサーチパーク自体が,情報産業か研究施設の誘致を目的としたプロジェクトであり,ソフトリサーチパークに誘致している他企業からクレームが来る可能性があるからである。」との記載があることが認められる。しかしながら,上記ウに説示のとおり,被告は,情報の森とちぎにおいても研究開発に伴う試作は可能としていたところ,原告は自動車部品の製造を営む会社であることからすれば,被告の担当者の同発言は,このような研究開発に伴う試作が,原告の業務内容からして工場立地法の対象となる場合があることを危倶しての発言と解する余地があり,上記記載をもって,研究開発に伴う試作を超えた完成品の製造を行う工場の建築について同日原,被告間で協議がされたと直ちに認めることはできない(なお,同日,原告の担当者が本件売買契約締結の再延期の申し出のために被告を訪れ,その際,E主幹が,原告が持参した建築パース図等に「宇都宮工場新築工事」と記載されていたことから,情報の森とちぎでは製造を主とする工場は建築できないと指摘し,県商工振興課とよく相談するようにと告げたことは,上記1(13)に認定のとおりである。)。 オ他に,原告と被告との間に本件合意があったことを認めるに足りる証拠はない。 (3) 以上の次第で,原告と被告との間に,本件合意があっ げたことは,上記1(13)に認定のとおりである。)。 オ他に,原告と被告との間に本件合意があったことを認めるに足りる証拠はない。 (3) 以上の次第で,原告と被告との間に,本件合意があったとは認められないから,原告の被告の債務不履行を理由とする本件売買契約解除の主張は,その余の点について判断するまでもなく,採用できず,原告の主位的請求は理由がない。 3 争点(3)(錯誤)について(1)ア上記1に認定の事実によれば,原告は本件敷地に工場を建築するとの動機をもって本件売買契約を締結したことが認められる。 イそこで,原告の上記動機が被告に表示されたかについて以下検討する。 (ア) 上記1に認定の事実,特に,情報の森とちぎは,情報関連企業の研究開発のための施設の立地を主たる構成とするとされていること,c町も,情報の森とちぎへの原告の入居に際しては,コンピュータソフト関連企業に限定するとの入居制限との関係が問題になる旨原告に伝えていたこと,平成9年2月21日の打合せにおいて,原告は,c町から,県商工振興課の企業調査の際,研究,開発,試作部門のみを情報の森とちぎに移転すると説明するようにと言われ,実際に,B社長は,県商工振興課の企業調査において,情報の森とちぎには東京本社で行ってきた研究開発部門を集約する施設を立地し,設計,試作,実験及び製品の展示を予定している旨の説明をしたこと,県商工振興課は,このような調査の結果を受け,原告の立地を認めたことからすれぱ,原告は,被告に対し,情報の森とちぎには,東京本社の研究開発部門を集約する施設を立地するとの動機を表示していたに過ぎないと認めるのが相当である(仮に,本件敷地に工場を建築するとの原告の動機が被告に表示されていたのであれば,被告としては,上記1(12)に 開発部門を集約する施設を立地するとの動機を表示していたに過ぎないと認めるのが相当である(仮に,本件敷地に工場を建築するとの原告の動機が被告に表示されていたのであれば,被告としては,上記1(12)に認定のとおり,生産ラインをメインとした工場は立地できないとの見解であったのであるから,工場を建築したいとの原告の希望に応じられないことを当然原告に伝えたはずであり,そのようなことを被告がしていないことからも,原告の上記動機が被告に表示されていなかったことが明らかというべきである。)。 (イ) 以上に関し,被告が保管する情報の森とちぎの分譲経過を記載した文書(乙15の5)中に,c町の町開発課長が平成8年に被告に対し,c町内において工場を操業中の原告から情報の森とちぎに移転したいとの話がある,町としてはこの話を進めなければ工場が町外に流出してしまう,被告にも受け入れを検討して欲しいと要請した旨の記載があることは,上記2(2)アに認定のとおりである。しかしながら,原告が被告にした売買申込みが,c町の町開発課長が平成8年にした原告の既設の工場自体を情報の森とちぎに移転する話の延長としてされたものでないことは,上記2(2)アに説示のとおりであり,したがって,上記文書をもって,原告の上記動機が被告に表示されたとはいえない。 また,原告作成の平面図(乙7の1,2)に,「マシン室」,「成形室」,「完成品倉庫」との記載がある上,原告作成の「ソフト団地業務内容ご連絡の件」と題する書面(甲15の1)にも,「B-1マシン室」については「開発・試作品を作成するに際して組立・加工をする機械の設置場所」,「B-2成形室」については「成形製品の組立・加工をする機械の設置場所」,「B-5完成品倉庫」については「開発・試作品及び完成製品の保管する場所」との記載がある て組立・加工をする機械の設置場所」,「B-2成形室」については「成形製品の組立・加工をする機械の設置場所」,「B-5完成品倉庫」については「開発・試作品及び完成製品の保管する場所」との記載があることは,上記2(2)イに認定のとおりである。しかしながら,上記1に認定の事実によれば,情報の森とちぎにおいても研究開発に伴う試作は可能とされていたものの,製造ラインは認められない旨県商工振興課からc町に対し明確に伝えられていたこと,上記1(5)に認定のとおり,県商工振興課の企業調査の際にも,原告は,東京本社で行ってきた研究開発部門を情報の森とちぎに集約すると説明していたことからすれぱ,被告は,上記平面図及び上記書面の各記載について,いずれも,研究開発に伴う試作品の製造を意味し,完成品の製造までを意味するのではないと解した余地があり,上記各記載をもって,原告の上記動機が被告に表示されたとはいえない。 土地売買申込書(甲15の2)の「団地内で行う事業内容」欄に「製造」との記載があるほか,平成9年5月16日に開催された企業誘致検討委員会の添付資料(乙15の3)にも,「団地で行う事業」欄に「製造」との記載があることは,上記2(2)ウに認定のとおりである。しかしながら,上記1(9)に認定のとおり,E主幹が県商工振興課に確認し,試作品の製造ならよい旨の回答を受け,原告に対し,試作品なら可能である旨を伝え,その際,原告から特に反論はなかったのであるから,上記土地売買申込書及び添付資料の各記載をもって,原告の上記動機が被告に表示されたとはいえない。 (ウ) 他に,原告の上記動機が被告に表示されたことを認めるに足りる証拠はない。 (2) 以上のとおり,原告の上記動機が被告に表示されなかった以上,原告の錯誤無効の主張は,採用できず,原告の予備的請求も 他に,原告の上記動機が被告に表示されたことを認めるに足りる証拠はない。 (2) 以上のとおり,原告の上記動機が被告に表示されなかった以上,原告の錯誤無効の主張は,採用できず,原告の予備的請求も理由がない。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないから,これを棄却し,主文のとおり判決する。 宇都宮地方裁判所第1民事部裁判長裁判官岩田眞裁判官松永栄治裁判官宮田祥次(物件目録省略)

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