平成19(ワ)1472 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年12月8日 名古屋地方裁判所
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判決文本文54,158 文字)

平成19年(ワ)第1472号損害賠償請求事件判決主文 被告らは,原告に対して,連帯して12億1540万円及びこれに対する平成10年4月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを4分し,その1を原告の,その余を被告らの各負担とする。 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求被告らは,原告に対して,各自16億5051万3200円及びこれに対する平成6年8月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,地方公共団体である原告が,ごみ処理施設の建設工事について,被告らを指名業者に選定した上で指名競争入札を行い,落札者である被告Y1と243億0800円で上記ごみ処理施設建設に係る請負契約を締結したが,被告らは,いわゆる談合により被告Y1を受注予定者と決定し,同社が受注できるように入札したことにより,原告に不当に高額な代金額である上記契約を締結させたとして,共同不法行為に基づく損害賠償として,被告らに対し,連帯して,被告ら以外の業者が落札した契約の平均落札率と本件の落札率との差額より算出した損害額である16億5051万3200円及び契約締結日の翌日である平成6年8月6日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 前提事実( ) 当事者 ア原告は,地方自治法上の地方公共団体である。 イ被告Y1(本件当時の商号はα1株式会社,被告Y2,被告Y3,被)告Y4及び被告Y5の5社は,それぞれストーカ式燃焼装置を採用する全連続燃焼式(以下「全連」という)又は准連続燃焼式(以下「准連」と。 いう)ごみ焼却施設(以下,ストーカ式燃焼装置を採用する 被)告Y4及び被告Y5の5社は,それぞれストーカ式燃焼装置を採用する全連続燃焼式(以下「全連」という)又は准連続燃焼式(以下「准連」と。 いう)ごみ焼却施設(以下,ストーカ式燃焼装置を採用するごみ焼却施。 設を「ストーカ炉」という)を構成する機械及び装置の製造業,並びに。 建設業法に基づく国土交通大臣の許可を得てする清掃施設工事業を営む株式会社である。 ごみ焼却施設は,焼却処理設備,電気・計装設備,建築物及び建築設備並びに外構施設から構成されるが,被告らは全連及び准連ストーカ炉を構成する機械及び装置を製造し,これらを有機的に機能させるための据付工事を行うと共に,設備機器を収容する工場棟の建設,その他土木建築工事も行い,当該ごみ焼却施設の建設を行う者であり,プラントメーカーともいわれている。 ( ) ごみ焼却施設の概要 アごみは,家庭生活の営みに伴って排出される一般廃棄物と事業者の事業活動に伴って排出される産業廃棄物とに区分され,廃棄物の処理及び清掃に関する法律により,一般廃棄物は市町村(平成6年当時は東京23区においては東京都)が処理し,産業廃棄物については,排出した事業者が処理することとなっている。このため,市町村においては,その区域内で排出される一般廃棄物を処理するごみ処理施設の設備事業を単独で,又は地方自治法上の一部事務組合を組織して行っている。 イ地方公共団体が廃棄物処理事業として整備する施設については,処理方法に応じて,①ごみ焼却施設,②ごみ燃料化施設,③粗大ごみ処理施設,④廃棄物再生利用施設,⑤高速堆肥化施設に区分される。 そのうち,ごみ焼却施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却施設を行う施設であり,1日当たりの稼働時間により,①24時 る。 そのうち,ごみ焼却施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却施設を行う施設であり,1日当たりの稼働時間により,①24時間連続稼働する全連,②16時間稼働する准連,③8時間稼働するバッチ燃焼式に区分され,燃焼方式により,( )ごみをストーカ上で乾燥して焔燃焼さaせ,次に,おき燃焼させて灰にするストーカ炉,( )けい砂等の不活性粒b子層の下部から加圧した空気を分散供給して,不活性粒子を流動させ,その中でごみを燃焼させ灰にする流動床式燃焼装置,( )ガス化溶融式焼却c施設に区分される。 ,,,,ウ地方公共団体が発注するストーカ炉の建設工事には新設更新増設改良及び補修工事がある。 「新設工事」とは,ごみ焼却施設を新たに建設することであり「更新,工事」とは,老朽化したごみ焼却施設の建て替えや老朽化した焼却炉等の入替えを行うことであり「増設工事」とは,既設のごみ焼却施設の処理,能力を増加させるため,当該施設の一部として焼却炉等を新たに増設することである。新設,更新及び増設工事のいずれにおいても,ごみの焼却処理に必要な施設又は設備を新たに建設又は整備することとなるまた改。 ,「造工事」とは,ダイオキシン対策推進等のため,既設のごみ焼却施設の一部を改造することであり「補修工事」とは,既設のごみ焼却施設の一部,を補修することである。 ( ) ごみ焼却施設の発注方法等 ア発注までの概略地方公共団体は,ごみ処理施設を建設する実行年度の前々年度以前にご。 ,,み処理基本計画を策定するごみ処理基本計画において地方公共団体は将来の人口の増減予測に基づいてごみの種別ごとの排出量を推計し,リサイクルできるごみの量や地域内での処理が必要なごみの量 ご。 ,,み処理基本計画を策定するごみ処理基本計画において地方公共団体は将来の人口の増減予測に基づいてごみの種別ごとの排出量を推計し,リサイクルできるごみの量や地域内での処理が必要なごみの量などを把握した上,その処理のために設置すべき施設の整備計画の概要を取りまとめている。なお,ごみ処理基本計画は,政令指定都市以外の小規模市町村では一般的にコンサルタント会社に委託して作成されていることも多い。 地方公共団体は,その後,ごみ処理施設の建設用地の選定,環境アセスメント,住民説明,都市計画の決定等の手続を経た上で,実行年度の前年度にごみ処理施設整備計画書を作成し,都道府県を経由して国に同整備計画書を提出する。その際,地方公共団体は,工事費を把握するため,将来の入札に参加させる施工業者を選定しごみ処理施設の仕様を提示して参,「考見積金額」を徴し,これらを参考にして,ごみ処理施設の種別,規模,能力及び焼却装置の形式などの検討や建設経費の算出を行っている。そして,国が国庫補助事業として予算計上した地方公共団体のごみ処理施設整備事業については,予算計上後に内示が行われ,当該地方公共団体は,この内示を受けた後,一般競争入札,指名競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約のいずれかの方法により発注している。 ,,,地方公共団体は整備すべきごみ処理施設が焼却施設である場合通常ごみ処理施設整備計画書の作成時点までにあらかじめ当該施設の燃焼方式をいずれとするかを定めているが,燃焼方式を一つに定めずに発注手続を実施する場合もある(以上につき,甲A31,33~35,44,45,66,甲B8~12,15。 )イ発注方法(ア) 地方公共団体は,全連及び准連ストーカ炉の新設,更新及び増設工事を指名競争入札一般競争入札指名見積り合わせ又は 33~35,44,45,66,甲B8~12,15。 )イ発注方法(ア) 地方公共団体は,全連及び准連ストーカ炉の新設,更新及び増設工事を指名競争入札一般競争入札指名見積り合わせ又は特,「」,「」,「」「命随意契約」のいずれかの方法により発注しているが,ほとんどの場合は,指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせ(以下,併せて「指名競争入札等」という)の方法によっている。 。 また,地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事の発注に当たり,ほとんどの場合,ごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事並びに土木建築工事を一括して,被告らのようなプラントメーカー又はプラントメーカーと土木建築業者による共同企業体(ジョイントベンチャー,以下「JV」という)に発注しているが,ごみ焼却施設を構成す。 る機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者を被告らのようなプラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 (イ) 地方公共団体は,指名競争入札又は指名見積り合わせの方法で発注するに当たって,入札参加資格の申請をした者のうち,地方公共団体が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している者の中から,指名競争入札又は指名見積り合わせの参加者を指名している。 また,一般競争入札に当たっても,資格要件を定め,一般競争入札に参加しようとする者の申請を受けて,その者が当該資格要件を満たすかどうかを審査し,資格を有する者だけを一般競争入札の参加者としているため,プラントメーカーといえども容易に入札に参加できるものではない(以上につき,甲A31,33~35,66,甲B18。 )ウ発注件数及び金額平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストー に参加できるものではない(以上につき,甲A31,33~35,66,甲B18。 )ウ発注件数及び金額平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の契約件数は87件,発注トン数(1日当たりのごみ処理能力トン数。以下同じ)は2万3529。 トンであり,発注金額(受注業者の落札金額)は約1兆1031億円である。このうち被告らが受注した件数は,87件中66件であり,その割合は受注トン数で約87.3%(2万0534トン,受注金額(受注業者)の落札金額。以下同じ)で約87.0%(約9601億円)である(甲。 A66,甲B13。 )( ) ストーカ炉の建設工事市場における被告らの地位 アプラントメーカー平成6年度から同10年度までの間に,被告らのほかに,ストーカ炉の建設工事のプラントメーカーとしては,株式会社α2(平成6年10月にα3株式会社を吸収合併した。以下「α2」という,株式会社α4(以。)下「α4」という,α5株式会社(以下「α5」という,α6株式。)。)会社(現商号は株式会社α7である,α8株式会社(以下「α8」と。)いう,株式会社α9(以下「α9」という,α10株式会社(以下。)。)「α10」という,α11株式会社,α12株式会社,α13株式会。)社,α14,α15株式会社,株式会社α16,α17株式会社,α18株式会社,α19株式会社等が存在していた(甲A66,甲B8,13,15,19,140。以下,被告ら以外のプラントメーカーを「アウトサイダー」という。 。)イ被告らの事業能力等(ア) 被告らの位置付け,,,被告らはストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さ等から,ストーカ炉の建設工事について イダー」という。 。)イ被告らの事業能力等(ア) 被告らの位置付け,,,被告らはストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さ等から,ストーカ炉の建設工事について,プラントメーカーの中にあって「大手5社」と称されていた(甲A66,甲B8,12,15,17,134,140など。 )(イ) 被告らの事業能力被告らは,平成10年9月17日までの間,ストーカ炉の建設工事について,以下のとおり,同工事に係る製造能力,指名実績等において被告ら以外のプラントメーカーと比べて優位にあった。 a被告らの製造能力被告らは,ストーカ炉を製造する技術能力が高く,特に1炉につき1日当たりのごみ処理能力トン数が200トン以上の焼却炉を製造する能力については他のプラントメーカーと比べて優位性を有していた(甲A66,甲B13,19,141。 )b被告らの情報収集力被告らは,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画や保有するごみ焼却施設の稼働状況等の情報が掲載された業界紙等を基に,各地方公共団体ごとのごみ焼却施設の建設計画の有無及びその既存施設の耐用年数によるおおむねの更新時期を把握していた。 また,被告らは,これらの情報を基に,本社及び支社等の営業担当者が,地方公共団体や広域事務組合のごみ処理施設の建設に関係する部署の担当者,地方公共団体がごみ処理基本計画等の作成を委託しているコンサルタント会社,建設計画に影響力のある政治家や地元の有力者等から,あるいは関連会社及び代理店を介して地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画についての情報を収集していた。さらに,地方公共団体がごみ処理施設整備計画書を作成するに当たり,当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を収 集していた。さらに,地方公共団体がごみ処理施設整備計画書を作成するに当たり,当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を収集していた。 このようにして,被告らは,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画について,建設計画が判明した初期の段階から具体化される過程において,ごみ焼却施設の機種(ストーカ炉か流動床炉かなど,処理)能力,建設予定時期等の様々な情報を収集し,把握していた(以上につき,甲A66,甲B10,16,21,74,77,107~110,133,142~144。 )(ウ) 被告らの指名実績等a発注手続実施前の実績地方公共団体は,ごみ焼却施設に係る整備計画書を厚生省(本件当時)に提出するに当たり,その資料の一つとして見積設計図書を作成する必要があるところ,プラントメーカーとしては,その作成依頼を受けることは,施設の規模(1日当たりのごみ処理能力トン数,選)(,,),(,定機種ストーカ炉流動床炉ガス化溶融炉等稼働時間全連准連等)等が把握でき,発注仕様書に自社が製造するストーカ炉の仕様を反映できる可能性があるとともに,当該ごみ焼却施設に係る指名競争入札等が実施される場合に入札参加業者として指名を受ける確率が高まることから,非常に重要なものと認識し,見積設計図書の作成依頼を受けられるようにすることをまず目標として営業活動を行っていた。実際に,被告らはごみ焼却施設の建設を計画する地方公共団体から見積設計図書の作成依頼を受けることが多かった(甲A66,甲B8~10,24,141。 )b発注手続実施時の実績被告らは,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受ける機会が多く,指名競争入札等に数多く参 甲A66,甲B8~10,24,141。 )b発注手続実施時の実績被告らは,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受ける機会が多く,指名競争入札等に数多く参加していた。他方,被告ら以外のプラントメーカーは指名を受ける機会が少なく,被告らとの間には指名実績において格差があった。もっとも,平成3年度から同6年度までは,被告らは70%台ないし90%台の物件に指名され,α2及びα4は20%台ないし30%台の,,指名率にとどまっていたが平成7年度から同9年度までにおいては被告らが依然として高い指名率を維持する一方,α2及びα4の指名率も50%台ないし70%台と上昇し,平成9年度においては,被告Y2の指名率は,α4の指名率を下回り,α2と同率であった(甲A66,甲B13,100。 )(エ) 被告らの受注実績等a被告らは,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事を数多く受注していた。平成6年度から平成10年度(ただし,平成10年9月17日まで)までの地方公共団体の上記ストーカ炉の建設工事請負契約における被告らによる受注トン数及,,び受注金額に占める割合は前記( )ウのとおりであるが被告らでは 被告Y3が4733トン,被告Y4が4680トン,被告Y5が41,,,98トン被告Y1が3811トン被告Y2が3042トンであり他方,被告ら以外のプラントメーカーでは,α4が900トン,α5が795トン,α2が697トン,α10が319トン,α9が134トン,α8が60トン等にとどまっており,被告ら以外のプラントメーカーが同工事を受注することは少なく,被告らとそれ以外のプラントメーカーとの間には受注実績において格差があった(甲A66,甲B13,甲B111。 )bご とどまっており,被告ら以外のプラントメーカーが同工事を受注することは少なく,被告らとそれ以外のプラントメーカーとの間には受注実績において格差があった(甲A66,甲B13,甲B111。 )bごみ焼却施設の規模(1日当たりのごみ処理能力トン数)は,当該施設を設置する地方公共団体の区域内の一人当たりのごみ排出量等に基づいて算出されることから,当該地方公共団体の人口に比例して大型化するところ,東京都や政令指定都市等が発注する規模の大きなス,,トーカ炉の建設工事は平成6年度から同10年9月17日までの間これを受注したのは被告らだけであった。そして,いわゆる地方都市である地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事を発注するに当たって東京都や政令指定都市の同工事の発注に係る動向をみて発注内容を検討する傾向にあることから,被告らだけが東京都や政令指定都市の発,,注するストーカ炉の建設工事を受注していたことは被告らにとってごみ焼却施設の建設を計画するその他の地方公共団体に対する営業を行う上で有利であった(甲A66,甲B13,72,141。 )(オ) アウトサイダーの地位アウトサイダーも,被告らと同様に,地方公共団体発注のストーカ炉の建設工事の入札に参加すべく営業活動を行っており,前記(ウ)bのとおり,平成7年度以降,指名率は上昇したが,受注実績には結び付いておらず,平成8年から平成10年までのころ,被告らと協調した行動をとることによりストーカ炉の受注実績を得ることを検討していたプラントメーカーもあった(甲A66,甲B5,22,67,68,71,72。 )ウ落札率,,(ア) 平成6年4月から平成10年9月17日において地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事87件のうち予定価格が判明している84件につ 2。 )ウ落札率,,(ア) 平成6年4月から平成10年9月17日において地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事87件のうち予定価格が判明している84件について落札率をみると,被告らのうちいずれかが受注した63件(予定価格が不明なものを除く)の平均。 落札率(予定価格に対する落札価格の比率)は96.6%である一方,. 。 アウトサイダーが受注した21件の平均落札率は8976%であった,(,もっともその中で最も平均落札率が高いのはα4であった甲A66甲B13,97。 )(イ) なお,平成10年9月17日以降平成16年7月31日まででは,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事48件の平均落札率は91.9%,そのうち被告らが受注した工事31件の平均落札率は90.1%,被告ら以外のプラントメーカーが受注した工事17件の平均落札率は95.2%であった(乙A32。 )( ) 公正取引委員会からの警告経緯 ア被告らは,昭和53年1月27日から同年12月11日の間,他の2社とともに,地方公共団体の発注する全連ごみ焼却施設の建設工事の受注に関し,各社の担当者の間で受注予定者を決定するためのルールの作成及び受注物件の配分比率を検討していたとして,昭和54年12月13日に公正取引委員会から共同して受注予定者を決定する行為は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という)3条に違。 反する行為であるとして警告の措置を受けた。被告らは,これに応じて,今後更に上記検討作業を行わず,また,ごみ焼却施設の引合いに際して共同して受注予定者を決定する行為を行わないことを他の2社と共に確認する文書を同月26日付けで作成し,また,自社のごみ焼却施設を担当する部門に 記検討作業を行わず,また,ごみ焼却施設の引合いに際して共同して受注予定者を決定する行為を行わないことを他の2社と共に確認する文書を同月26日付けで作成し,また,自社のごみ焼却施設を担当する部門に対して,社長等から,上記警告を受けたことを通知するとともに共同して受注予定者を決定する行為を厳に慎むよう指示を行い,以上の措置を採ったことを公正取引委員会に報告していた(甲A66,甲B131,132の1~4。 )イまた,公正取引委員会は,平成10年9月17日,ごみ焼却施設の製造,,,施工業者に対して立入検査を行い平成11年8月13日被告らに対し被告らは受注調整行為を行っているが,地方公共団体発注に係るごみ焼却施設の入札に関し,談合を繰り返していた疑いがあり,独占禁止法3条違反であるとして,平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法48条2項により,その排除を内容とする勧告を行った。被告らは,いずれも勧告を応諾しなかったため,同年9月8日,被告らに対する審判手続が開始されるなどした。公正取引委員会は,所定の手続を経て,被告らは遅くとも平成6年4月から平成10年9月17日まで(以下「審決対象期間」という)ストーカ炉の建設工事について受注予定者を決定し,受注予定。 者が受注できるようにしていたとし,同行為を平成10年9月17日以降行っていないことを確認しなければならないなどとする平成18年6月27日付けの審決(公正取引委員会平成11年(判)第4号)をした(甲A17の1。被告らは,東京高等裁判所に同審決の取消しを求めた(平成)18年(行ケ)第11号ないし13号)が,平成20年9月26日,同請求は棄却された(甲A66。 )( ) 本件におけるストーカ炉の建設工事の入札経緯 ア原告設置の旧ごみ焼却施設は,昭和45年3月(1号機,同 第11号ないし13号)が,平成20年9月26日,同請求は棄却された(甲A66。 )( ) 本件におけるストーカ炉の建設工事の入札経緯 ア原告設置の旧ごみ焼却施設は,昭和45年3月(1号機,同49年3)月(2号機)に建設されたものであったが,昭和63年7月7日,ごみの量が年々増加していたことなどから,一宮市の一般廃棄物の処理方法の検討のため,助役,総務部長等を委員,財団法人α20の者をオブザーバー委員として焼却施設整備計画研究委員会(以下「研究委員会」という)。 を発足した(甲A1。 ),,,,平成3年8月27日研究委員会においてごみ焼却施設の規模機種公害防止基準,余熱利用等の基本的事項が決定された。 ,,平成5年5月24日同施設建設工事に係る見積仕様書徴収業者につき昭和63年度から平成4年度までの間にボイラー,発電設備を備えた1日当たりの処理能力が400トン以上のもので複数の受注実績があることを理由として被告らが選定され(甲A4,被告らに対して上記建設工事に)係る見積りが依頼され,同年7月30日,被告らから同建設工事に係る見積書が提出されたがその見積りは被告Y3が299億6000万円税,,(抜き,被告Y2が299億8500万円(税抜き。なお,見積書の既設)焼却施設解体撤去工事費用として計上されている6億6100万円を含む,被告Y4が297億0000万円(税抜き,被告Y5が302億。))3000万円(税抜き,被告Y1が292億7000万円(税抜き)で)あった(甲A2の1~6。 )同年11月9日,同見積りの結果報告を同研究委員会で行い,平成6年3月,燃焼設備をストーカ式とする「一宮市ごみ焼却施設建設工事発注仕様書(甲A3)が作成された(以下,同発注仕様書によるごみ処理施設」を「本件ごみ処 見積りの結果報告を同研究委員会で行い,平成6年3月,燃焼設備をストーカ式とする「一宮市ごみ焼却施設建設工事発注仕様書(甲A3)が作成された(以下,同発注仕様書によるごみ処理施設」を「本件ごみ処理施設」という。 。)イ平成6年6月14日の研究委員会において見積仕様書徴収業者選定の際と同様,その実績などから被告らを指名業者として,建設工事のすべてを単独の請負人が一括して受注する一括発注方式(なお,設計施工をともに請け負わせることから性能発注方式でもある。甲A34)により発注することとされた旨(甲A4,5)の報告を受け,業者指名審査委員会において,本件ごみ処理施設の建設工事(以下「本件工事」という)の指名業。 者として被告らが選定された。 ウ平成6年7月6日に入札行為の事前現場説明が行われ,同月22日に本件工事の指名競争入札が行われた(以下「本件入札」という。本件工。)事の入札書比較価格は244億4300万円(税抜き。以下,これを「入札予定価格」という。なお,入札予定価格で落札した場合の契約金額は,同価格に消費税相当額を加算する趣旨で100分の103を乗じた251億7629万円)であったところ(甲A6,本件入札は次のとおり3回),()()。 の入札が行われ被告Y1が236億円税抜きで落札した甲A7なお,本件入札においては,上記のとおり,3回目まで入札が行われているが,1回目及び2回目の入札においては,被告らの入札価格がいずれも原告の設定した入札予定価格を下回らなかったため,各入札の後に同入札における最低入札価格が公表されていた(β18頁。 )エ前記入札の結果を受け,平成6年8月5日,原告と被告Y1との間で,次の工事請負契約が締結された(以下「本件契約」という。甲A8。 )工事番号建住第75号工事名 表されていた(β18頁。 )エ前記入札の結果を受け,平成6年8月5日,原告と被告Y1との間で,次の工事請負契約が締結された(以下「本件契約」という。甲A8。 )工事番号建住第75号工事名一宮市ごみ焼却施設建設工事工事場所一宮市(以下略)焼却方式全連ストーカ炉指名業者第1回第2回第3回Y425,500,000,00024,730,000,00024,530,000,000Y526,100,000,00024,750,000,00024,550,000,000Y124,800,000,00024,600,000,00023,600,000,000Y225,400,000,00024,700,000,00024,500,000,000Y325,800,000,00024,650,000,00024,580,000,000焼却能力450トン工期平成6年8月6日から平成10年3月20日契約金額243億0800万円(税込み。落札率は96.55%)オ本件工事は,平成10年3月20日に完成し,他方で前記243億0800円の本件工事の代金は,平成6年9月2日から平成10年4月30日までの間に,原告から被告Y1に次のとおり8回に分けて全額支払われた(甲A9~16。 )平成6年9月2日2億2650万円平成7年5月12日23億4350万円平成7年6月26日5億7890万円平成8年5月27日92億2510万円平成8年5月28日4億5330万円平成9年5月26日65億1310万円平成9年6月10日3億5330万円平成10年4月30日46億1430万円 争点 ( ) 被告らによる本件工事に係る談合(以下「本件談合」という)の存否 。 (原告の主張)ア基本談合の存否に 年6月10日3億5330万円平成10年4月30日46億1430万円 争点 ( ) 被告らによる本件工事に係る談合(以下「本件談合」という)の存否 。 (原告の主張)ア基本談合の存否について(ア) 被告らは,長期間にわたり,毎月1回各社持ち回りで各社の会議室において会合を行っており,地方公共団体が指名競争入札等により発注するストーカ炉の建設工事について,受注機会均等化を図るため,以下のとおり,合意していた(以下「本件基本談合」という。 。)a地方公共団体が建設を計画していることが判明したごみ処理施設の工事について各社が受注希望の表明を行い,受注希望者が1社の工事については,その者を当該工事の受注予定者とし,受注希望者が複数,,。 の工事については受注希望者間で話し合い受注予定者を決定するb被告らで受注予定者を決定した工事について,被告ら以外の者が指名競争入札等に参加する場合,受注予定者は自社が受注できるように被告ら以外の者に協力を求める。 c受注すべき価格は受注予定者が定め,受注予定者以外の者は受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する。 ,,,(イ) 被告らは本件基本談合の下次の方法により受注予定者を決定し受注予定者が受注できるように入札していた。 a被告らは,平成6年4月以降,随時,被告らの営業責任者クラスの者が集まる会合で,地方公共団体が建設を計画しているストーカ炉の建設工事について,処理能力の規模別等(平成8年ころは,大型(全連400トン以上,中型(全連400トン未満)及び准連の3つに)区分され,平成9年ころからは,大型(全連400トン以上,中型)(全連400トン未満200トン以上)及び小型(全連200トン未)。),,満に区分されていたにより各社が把握している情 区分され,平成9年ころからは,大型(全連400トン以上,中型)(全連400トン未満200トン以上)及び小型(全連200トン未)。),,満に区分されていたにより各社が把握している情報を交換しその情報を共通化(リストアップ)した上で,受注希望表明の対象となる工事を確定した。 b被告らは,随時,営業責任者クラスの会合において上記(ア)のとおり区分された工事ごとに各社が受注を希望する工事を表明し,希望者が重複しない工事は,その希望者を受注予定者とし,希望者が重複した工事は希望者間の話合いにより,受注予定者が決定された。なお,受注予定者の決定は,各社が受注する工事のトン数を目安とした受注の均等を念頭に置いて行っていた。 cアウトサイダーが入札に参加した場合,受注予定者は,アウトサイダーに対し,受注予定者が受注できるように協力を求め,その協力を得るようにした。 d受注予定者は,自社の受注価格とともに他社が入札する価格も定めて,各社に連絡し,受注予定者以外の者は,受注予定者が,その定めた価格で受注できるように協力した。 ,,,,,(ウ) そして被告らは昭和53年ころから落札者の決定受注調整価格調整等に関する前記会合を行っており,そのころから被告らの間では,本件基本談合が形成されていたというべきである。 イ個別談合の存否本件基本談合に基づいて,本件入札についても被告らが話合いで受注予定者を決定した上で受注予定者に落札させるように入札が行われたものである(以下「本件個別談合」という。 。)(ア) 本件工事は,被告らによる本件基本談合が形成された後,それが継続している時期に入札手続が行われた工事であり,被告らのみが入札に参加した工事であることから,本件工事が本件基本談合に基づき,個別的に談合が行われた工事 らによる本件基本談合が形成された後,それが継続している時期に入札手続が行われた工事であり,被告らのみが入札に参加した工事であることから,本件工事が本件基本談合に基づき,個別的に談合が行われた工事であると推認される。 (イ) また,被告らが提出した見積書(甲A2の1~6)につき,土木建築工事の価格に大きな差異がありながら,合計額の最高価格と最低価格との差額が10億円を下回ることは非合理的であり,被告らが見積仕様書提出時に何らかの価格調整をしていたといえる。 そして,本件入札においても,その3回の入札において1位が不動であること,1位から5位までの差額が整数であること,1位と2位の入札者の価格に大きな隔たりがあるのに対して,3位以下の入札価格の差異が小さいこと,落札率が96.55%と高いこと,被告らは,本件入札において,被告らの各見積額に共通の係数を乗じた金額で入札し,しかも,受注予定者たる被告Y1以外の被告らは,被告Y1の入札価格を下回らないように入札していること(甲A74)からしても,被告らによる本件個別談合の事実が推認できる。 ,,,,(ウ) 以上のとおり本件基本談合の存在本件工事の契約時期落札率入札の経緯からすれば,被告らの本件個別談合の下で,本件入札が行われたことは明らかである。 ウなお,被告らは,本件談合の主張立証責任は原告にあるとするが,談合が秘密裡に行われるという性質上強制捜査の権限もない地方公共団体原,(告)に対して,談合の日時,場所方法等を特定させることは不可能を強いるものであり,被告らにおいて,談合が行われなかった正当な入札であることを主張立証すべきとすることに合理性があるというべきである。 (被告Y1の主張)ア被告らの間に,本件基本談合は存在しない。 本件基本談合の存在を供述する各関係者の供述 れなかった正当な入札であることを主張立証すべきとすることに合理性があるというべきである。 (被告Y1の主張)ア被告らの間に,本件基本談合は存在しない。 本件基本談合の存在を供述する各関係者の供述はいずれも信用性がなく,本件基本談合を認めるに足りる証拠はない。 イ本件個別談合を直接的に示す証拠は一切存在せず,被告らの間に本件個別談合は存在しない。 (ア) ストーカ炉建設工事の入札手続は,それぞれの案件ごとに個別に行われたものであり,本件基本談合が存在したとしても,必ずしもすべての入札で談合が行われるとも限らない。そして,原告の主張する本件基本談合は,その詳細な調整手続が全く主張されておらず,本件基本談合が強い拘束力を有していたというような主張もないため,原告が主張する本件基本談合を前提としても,本件工事について本件基本談合に基づいて本件個別談合が行われたということはできない。 (イ) また,被告らが,見積仕様書の提出に当たり,見積りにつき何らかの価格調整をしていたというようなことはない。そもそも入札予定価格は,相当の合理性を有するものとして,原告が定めた価格であるし,被告らの見積りの最高額と最低額が10億円を下回ったとしても,価格調整の事実が認められるものでもない。 (ウ) 本件工事は96.55%で落札されているが,他に受注調整行為がされていないにもかかわらず,落札率が高い案件も存在する。また,被告らが,予定価格の目安を知りうる場合もある上,指名競争入札が一般に最低入札価格を発表して次の入札を行うこととされている以上,入札回数が重なれば高い落札率であるとしても結果的に高率になったにすぎず,何ら不自然ではないのであるから,本件工事の落札率により個別談合の存在が推認されるものではない。 (エ) 一般に入札において,1回目の入札競争におい 落札率であるとしても結果的に高率になったにすぎず,何ら不自然ではないのであるから,本件工事の落札率により個別談合の存在が推認されるものではない。 (エ) 一般に入札において,1回目の入札競争において,最低入札価格を入れ,1位となった業者が,2回目以降の入札競争においても,1位となったとしても,各業者ごとに,受注に対する営業活動の程度,工事の立地条件などにより受注意欲が異なり,得意とするごみ焼却施設も異なるため,何ら不自然なことではなく,上記事実をもって本件工事に関し受注調整行為があったとはいえない。 (オ) また,原告は,被告らが入札した価格は共通の係数を乗じるなどによって算出されるものであるとするが,これは原告のこじつけであり,作為的かつ誤導的な計算に基づくものであり,本件工事に関し,受注調整行為があったことを示すものではない。 ウなお,原告は,ストーカ炉建設工事における他業者及び原告に対する被告らの優位性をもって本件談合の存在を主張するが,技術,能力に秀でる企業が違法行為によって受注を得ているとするに等しく,首肯し得ないものである。 エそのほか,原告は,本件談合についての主張立証責任を負うと解され,請求原因事実である本件個別談合の事実について,具体的事実を摘示して特定すべきところ,原告の主張は談合行為の実行期間内に本件工事が含まれていたというものにすぎず,本件個別談合が,いつ,どこで,誰によって,どのように行われたのかという点に関する具体的主張や,概括的な特定すらないのであって,請求原因事実の特定として不十分である。 (被告Y5の主張)ア被告ら間に,本件基本談合は存在しない。 本件基本談合の存在を供述する各関係者の供述はいずれも信用性がなく,本件基本談合を認めるに足りる証拠はない。 イ被告らの間に,本件個別談合も存在しない )ア被告ら間に,本件基本談合は存在しない。 本件基本談合の存在を供述する各関係者の供述はいずれも信用性がなく,本件基本談合を認めるに足りる証拠はない。 イ被告らの間に,本件個別談合も存在しない。 (ア) 基本談合の存在から個別談合の存在を推認するためには,当該基本談合において,基本談合の有効期間中の入札案件はすべて受注予定者が談合当事者の話合いで決定されたに違いないといえるだけの仕組み(受注予定者の決定基準)が備わっていることが前提として必要であるが,原告主張の本件基本談合は,同仕組みの詳細が不明であり,本件個別談合を推認させるものとはいえない。 (イ) また,本件工事に係る被告らの見積仕様書によっても,被告らが本件工事に関し価格調整をしていたというような事実も推認されるものではない。 (ウ) 落札率が高いとしても,結果論にすぎず,談合の有無とは無関係であり,落札率が高率であるから談合があるとする原告の主張には合理性がない。 (エ) 加えて,1回目に最低入札価格を入れ,当該工事の落札に対する意欲などに秀でた業者が2回目以降も最低入札価格で入札する結果になる可能性があるし,差額が整数であったとしても,端数のない切りのよい価額で入札することが特段不自然ということはできず,入札経過において,1位が不動であったり,差額が整数であることは談合を推認させるものではない。 ウなお,原告は,ストーカ炉建設工事における他業者や原告に対する被告らの優位性をもって本件基本談合の存在を主張するが,優越的地位と基本談合の存在とは関連性がない。 エ原告は,個別具体的な談合行為を主張立証しなければならない。すなわち,基本合意の存在のみならず,個々の工事について,誰が,いつ,どこで,どのようにして,入札参加者同士で事前に話し合い,受注予定者を決定したのか, 体的な談合行為を主張立証しなければならない。すなわち,基本合意の存在のみならず,個々の工事について,誰が,いつ,どこで,どのようにして,入札参加者同士で事前に話し合い,受注予定者を決定したのか,及び決定された受注予定者が当該工事を落札したことまでを主張立証する必要があるが,原告の主張は,本件個別談合につき,その時期,場所,内容が十分に特定されておらず,請求原因事実の特定として不十分であり,失当である。 (被告Y2らの主張)ア被告ら間に,本件基本談合は存在しない。 本件基本談合の存在を供述する各関係者の供述はいずれも信用性がなく,本件基本談合を認めるに足りる証拠はない。 イ本件個別談合を直接的に示す証拠は一切存在せず,被告ら間の本件個別談合は存在しない。 (ア) 被告らが,本件工事の見積価格に何らかの作為を加えたというようなことはない。 (イ) 落札率は,入札予定価格の設定の仕方によって上下する相対的な数値であるし,本件工事の落札率も,α4の平均落札率(98.6%)よ,。 ,,り低いなど高い落札率であるということはできないまた被告らは本件工事の参考見積りを依頼された業者であるから,予定価格と近い金額で入札したとしても,何ら不自然ではないことなどからすれば,本件工事の落札率は,本件個別談合の事実を推認させるものではない。 (ウ) 1回目の入札において最低入札価格を入れていることは,当該入札者の受注意欲が非常に強いことを意味し,同入札者が2回目以降の入札においても相対的に低い価格で入札する蓋然性は高く,3回にわたる入札において1位が不動であることは何ら不自然なことではなく,本件入札において1位が不動であることは本件個別談合の存在を推認させるものではない。また,各入札業者の入札価格の差額は,談合の有無に関わらず,必ず整数にな 不動であることは何ら不自然なことではなく,本件入札において1位が不動であることは本件個別談合の存在を推認させるものではない。また,各入札業者の入札価格の差額は,談合の有無に関わらず,必ず整数になるのであり,入札価格の差額が整数であることが,本件個別談合を推認させることはない。 (エ) 加えて,3回目の入札において,被告Y1が2回目の最低入札価格から10億円の値引きをしているが,あらかじめ受注予定者が決められていれば,自らの利益を減少させる値引きをして入札することは考えられず,被告Y1が10億円の値引きをしたことは,自由競争が行われていたことを示す事情といえる。 ウまた,原告は,ストーカ炉建設工事における技術的専門性による価格決定についての被告らの優越的地位をもって,本件個別談合の存在を主張するが,被告らは,価格決定において発注者に対して優越的地位はなく,そもそも優越的地位と本件個別談合の有無とでは関連性がない。 エそのほか,談合行為の存在は,原告において主張立証すべきであり,本件個別談合について,いつ,誰が,どこで,どのような話し合いをしたのかについて原告により具体的な主張立証がされて初めて被告Y2らとしては,原告の主張に対する防御が可能になるのであるが,原告の主張立証では,本件個別談合の具体的内容の特定が不十分である。 ( ) 損害額 (原告の主張)ア被告らが,本件工事で,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしなければ,原告は,正当な競争入札の下,本件契約金額より低い金額において契約を締結できた可能性が高い。 公正取引委員会において,談合の事実が認められないとされ,かつ被告. ,ら以外の者が落札した各契約の平均落札率は8976パーセントであり被告らによる本件談合が存在しなければ,少なくとも平均落札率によって 委員会において,談合の事実が認められないとされ,かつ被告. ,ら以外の者が落札した各契約の平均落札率は8976パーセントであり被告らによる本件談合が存在しなければ,少なくとも平均落札率によって落札されるものと考えられる。 したがって,上記平均落札率と本件工事の落札率96.55パーセントとの差(6.79%)が損害となり,本件契約については,16億5051万3200円(243億0800万円×6.79%)が損害となる。 イまた,被告Y1は,236億円で落札した場合においても,少なくとも10%(23億6000万円)の利益を確保できたと推論すべきであるところ,談合による利益を得させしめることは税金の収奪を認めることとなるため,同利益に相当する23億6000万円については,被告の利益をはく奪するのが相当であって,それを下回る原告の前記主張額を損害とすることも合理性があるというべきである。 (被告Y1の主張)ア落札価格は,発注者が適正・妥当と判断した予定入札価格内に抑えられているのであり,仮に予定入札価格と同額であったとしても,発注者に損害を与えたことにはならず,定額で落札された抽象的な可能性を示すのみでは損害が発生したとの立証としては不十分である。 イまた,談合による損害の算定において落札率を指標とすることに合理性はない。すなわち,原告が算定根拠としている物件の中には,極端に落札率の低い物件が存在し,原告の根拠とする21物件のうち15物件の落札率は,原告主張の平均落札率89.76パーセントを上回っている。しかも,性能発注方式が採用されているストーカ炉においては,異なる物件の価格を比較するなど意味がないものである。 したがって,個別談合が存在しなければ,少なくとも89.76パーセントで本件工事が落札されたとする原告の主張は何ら合理性がなく, カ炉においては,異なる物件の価格を比較するなど意味がないものである。 したがって,個別談合が存在しなければ,少なくとも89.76パーセントで本件工事が落札されたとする原告の主張は何ら合理性がなく,同平均落札率と本件工事の落札率96.55パーセントとの差を損害とすることはできない。 (被告Y5の主張)ア談合による損害の主張としては,実際の契約金額のほかに,適正価格及びその適正価格が実際の契約金額を下回ることが具体的に主張立証される必要があるが,原告は具体的事実を主張立証していない。しかも,入札予定価格が公表されていない本件入札においては,本件談合がなければ,落札価格が必ず下がったということはできない。 イまた,競争入札における落札価格は,当該具体的工事の種類,規模,場所,内容,入札当時の経済情勢及び各社の財務状況,当該工事の工事数,請負金額,当該工事に係る入札者の参加数,地域性等多種多様な要因が絡み合って形成されるものであって,他の工事における結果をそのまま本件工事に当てはめることは不可能である。そして,談合行為と落札率とが無関係であることなども考慮すれば,被告ら以外の業者の落札率を参考に損害を算定することは失当である。 (被告Y2らの主張)ア原告の主張では,損害の発生及び行為と損害との因果関係が十分に主張立証されていない。 イまた,公共工事の落札価格は,当該工事の種類,規模など複雑な要因によって形成させるものであり,単に工事の平均落札率という抽象的な数値から,損害を算定することは,誤りである。 仮に,平均落札率を参考に損害を算定するとしても,本件工事の落札率はアウトサイダーであるα4の平均落札率(98.6%)よりも低く,本件個別談合が存在しなければ,本件工事も平均落札率89.76%によって落札されることを前提とすることはで としても,本件工事の落札率はアウトサイダーであるα4の平均落札率(98.6%)よりも低く,本件個別談合が存在しなければ,本件工事も平均落札率89.76%によって落札されることを前提とすることはできない。 第3当裁判所の判断 本件談合の存否(争点( )) ( ) 公正取引委員会による事情聴取における関係者の供述について ア被告Y5のγは,昭和61年10月からY5本社機械事業本部環境装置第一部環境装置一課に所属し,平成6年4月から平成8年3月までは同課主務,平成8年4月からは同課課長であった者であり,ごみ処理プラント,,の官公需部門の営業の実質的責任者としてストーカ炉を中心に受注物件。 ,,販売価格等を決定していたまた本社におけるほとんどすべての物件は最終的にγが決定しており,1億円未満のものについては最終的な決裁権限を有し,金額な大きな物件についても,次長や部長に詳細な説明を行うものの,γが見積書の起案を行うため,実質的に最も強い発言権を有していた(甲B12,115。 ),,,イγは平成10年9月17日公正取引委員会による事情聴取に対しておおむね次のとおり供述している(甲B12,20。 )(ア) γは,平成6年4月以降,前任のδ課長に代わって,ストーカ炉の大手プラントメーカーである被告らの営業責任者が集まる会合に出席するようになった。 (イ) 会合は,毎月1回くらい各社持ち回りで開催しており,その出席者は,γのほか,被告Y4のε,被告Y1のζ,被告Y2のη(3年くらい前まではθ,被告Y3のιであった。 。)(ウ) 会合の出席者は,発注が予定される物件について大分前から情報をつかんでおり,どのような物件があるかについては出席者全員が共通の認識を持っていた。 (エ) 会合では,ごみ処理プラントの発注が予定 ウ) 会合の出席者は,発注が予定される物件について大分前から情報をつかんでおり,どのような物件があるかについては出席者全員が共通の認識を持っていた。 (エ) 会合では,ごみ処理プラントの発注が予定される物件について,各出席者が受注を希望するか否かを表明し,受注希望者が1社の場合は,当該社が受注予定者(チャンピオンと呼ばれていた)となり,受注予。 定者が2社以上の場合は,希望者同士が話し合って,受注予定者を決めていたが(γが会合に出席して以降,受注希望が競合しても希望者同士の話合いですべて受注予定者が決められていた,受注予定者は,基。)本として,ごみ処理プラントの1日当たりのごみ処理能力の合計が平等になるように決められていた。 (オ) ごみ処理プラントの発注予定物件の受注予定者を決めるに当たっては,ごみ処理プラントの1日当たりの処理能力が400トン以上の「大,200トン以上の「中,200トン未満の「小」に分けて,」」受注希望物件を確認して,受注予定者を決めている。 (カ) 物件が発注された時点で会合のメンバーである被告ら以外の業者が指名された場合,受注予定者が,相指名業者に対し自社が受注できるように個別に協力を求め,数多く協力させていた相指名業者に物件を受注させる必要が生じた場合には,受注予定者が会合において了承を受けた後,相指名業者に受注させていた。 (キ) 受注予定者は,指名を受けた物件について積算し,被告ら及び相指名業者に入札の際に書き入れる相手方の金額を連絡して協力を求めるようにして,被告らは受注予定者が受注できるように協力していた。 (ク) γが会合に出席して以降,被告Y5が受注予定者となった物件のほとんどは予定どおり被告Y5が受注していた。 ウ(ア) 被告Y1のκは,平成8年7月から被告Y5大阪支社機械プラント部環境 いた。 (ク) γが会合に出席して以降,被告Y5が受注予定者となった物件のほとんどは予定どおり被告Y5が受注していた。 ウ(ア) 被告Y1のκは,平成8年7月から被告Y5大阪支社機械プラント部環境プラント営業室長として近畿一円の官公庁が発注するごみ処理プラントの受注業務などの責任者を務めていた(甲B18。 )(イ) κは,平成8年秋又は冬ころ,本社環境プラント営業部のλ第2営業部長,μ第1営業室長及び癸第1営業室係長から被告らの間で行われているストーカ炉の受注調整の内容を聞き,話を聞いた約1週間後に部下を指導するためにメモ(甲B1。以下「κメモ」という)を作成し。 たと供述する(甲B18。 )κが所持していたκメモには,①「ストーカ炉は,大手5社(Y1,Y4,Y5,Y2,Y3)が中核メンバーで,α2とα4が準メンバー。但し,α5,α8等は話合いの余地はある」。 ②「※ストーカー大手5社のルール」として「大(400t以上,)」「その他全連(399t以下「准連の3項目に分けて張り付け会)」,議を行う。1年に1回,その時点で明確になっている物件をだいたい各社1個づつ指定する。その後はその物件は100%その会社が守る権利と義務が発生する。その物件が何年先かは関係ない。同年度に重なったりゼロであったりする。比率は5社イーブン(20%「そ)」,の物件に5社以外のメンバが入った時はタタキ合いとなる。業界は補てん等一切行わない「20%のシェアを維持する方法は受注トン。」,数/指名件数でありその為に指名は数多く入った方がベター」。 などと記載されている。 (ウ) そして,κは,κメモの記載内容について,次のとおりλから聞いたと供述する(甲B18。 )a前記(イ)①の記載の内容につき,( )被告らのみの指名競争入札にaお などと記載されている。 (ウ) そして,κは,κメモの記載内容について,次のとおりλから聞いたと供述する(甲B18。 )a前記(イ)①の記載の内容につき,( )被告らのみの指名競争入札にaおいては,被告らのルールによりあらかじめ物件ごとに受注予定者が決められること,( )被告らのほかにα2とα4が加わる指名競争入b札においては,同2社とも話合いを行うが,必ずしもすべて受注できるか分からないので,当該物件を発注する自治体にα2とα4の2社が指名通知を受けないように大阪支社において働きかけてほしいこと,( )α5とα8が加われば同2社とも話合いを行うが,その結果c被告Y1が受注予定者となることもあり得ること。 b前記(イ)②の記載内容につき( )被告らの担当者が集まる会議張,(aり付け会議)を年1回開催して,被告らが情報として有しているストーカ炉の物件を平等に分け与える形で予め受注予定者を決めており,会議では,被告らから受注希望の物件を述べ,希望者が1社の物件はそのメーカー,複数の場合はメーカー間においてその場で受注予定者を決めること,( )400トン以上の大規模物件,100トン以上4b00トン未満の中規模物件,100トン未満の小規模物件(准連)の三つの区分に従い,被告らの担当者によりストーカ炉の物件ごとに受注予定者が決められていること,( )受注予定者に決められた物件にcついては,受注予定者が受注する権利を持つとともに,被告ら以外のプラントメーカーが入札に参加しないように発注先の自治体に働きかける義務を負い,また実際の指名競争入札が数年後に行われた場合でも受注予定者は物件を受注する権利を有すること,( )被告らは平等dに物件を分けるが,被告ら以外のメーカーが入札に参加する場合,一部でたたき合いという事態が の指名競争入札が数年後に行われた場合でも受注予定者は物件を受注する権利を有すること,( )被告らは平等dに物件を分けるが,被告ら以外のメーカーが入札に参加する場合,一部でたたき合いという事態が起こることも考えられ,受注予定者となったメーカーが受注できるとは限らないが,その分の補填もしないこと,( )シェアを維持する方法として指名通知を受ける件数をできるeだけ増やすのがよいこと。 エ(ア) 被告Y5のνは,平成8年3月,同社の中国支社機械一課に配属され,同年4月1日付けで同課課長となり,機械一課において,官公庁を相手としてごみ焼却施設などの営業を担当していた(甲B16。 )(イ) νは,前任のξから業務内容の引継ぎを受けた際,ごみ焼却施設については,慣行として,仲良く話合いをする,すなわち,被告らが受注機会均等を図るため本社レベルの話合いにより受注予定者を決定して,受注予定者が受注できるようにしていると言われ,その際,ξが黒板に書いた事項を書き取ったものを更にノートに清書した甲B6以下ν(。 「メモ」という)とする(甲B23。 。 )νメモには,被告らを指して「仲5社機会均等「全連24H」,/DAY:東京仲「准連18H/DAY:東京仲「機バ8H/D」,」,AY:」と記載されており,同記載について,全連及び准連のごみ焼却施設について東京において被告らで仲良く話し合っていることを意味するものと認識していると供述する(甲B16,17。 )また,ξから引継ぎを受けた事項をメモしたとするノート(甲B7)には「業界で決まった事が最優先→支社は必ず聴取のこと」と記載さ,れており,ν自身は地元での物件受注に向けた営業活動の事情よりも,被告らの話合いにより決められた業者が受注することが最優先であり,支社は必ず本社から決ま が最優先→支社は必ず聴取のこと」と記載さ,れており,ν自身は地元での物件受注に向けた営業活動の事情よりも,被告らの話合いにより決められた業者が受注することが最優先であり,支社は必ず本社から決まったことを聞いておかなければならないことを意味すると認識している旨供述する(甲B23。 )オ(ア) 被告Y5のοは,平成元年4月1日から同社の中国支社化学環境装置課(後に機械一課に名称変更)における廃棄物処理施設の営業を行っていた(甲B21。 )(イ) οは,前任のπから文書(甲B3。以下「ο文書」という)を引。 き継いだとするが(甲B21,65,ο文書には「ごみ焼却炉」に),関し「※全連:大手5社○有.受注機会均等化(山積)…極力5社のメ協ンバーセットが必要(他社介入の時は条件交渉を伴う「他社案件)」,(でも指名入りで分母積み上げを図る要あり」と記載されている。 )(ウ) また,οはおおむね次のとおり供述する。 a平成元年4月1日ころ,ストーカ炉の業界では,被告ら間に受注調整のための協定が存在し,自治体等が発注する焼却施設を受注する機会を均等化しているとの前任者であるπの引継ぎに際しての説明や引継書類(ο文書)により,大手5社(被告ら)の存在や受注調整行為の存在を知った。 bοがごみ処理施設の営業担当になった以降も受注調整行為が行われており,それが行われなくなったとは聞いていない。 c受注調整行為は,本社レベルで行われており,管理職以上の課長クラスの者が対応していると思う。 d被告Y5の本社からは,自治体等に対する営業活動に当たっては,「大手5社に絞り込め,すなわち,自治体等から指名を受ける業。」者を被告らとさせるような営業活動を行うよう言われ,οも過去10年間くらいの実績表を持参し「大手5社に頼むのがいいですよ」な ては,「大手5社に絞り込め,すなわち,自治体等から指名を受ける業。」者を被告らとさせるような営業活動を行うよう言われ,οも過去10年間くらいの実績表を持参し「大手5社に頼むのがいいですよ」な,どと言って,自治体等の行う指名を被告らに絞らせる営業活動を行っ。 ,ていたこうした営業活動を行う理由は具体的に聞いたことはないが被告らだけの指名であれば受注調整をしやすくなるからであると認識している。 e被告らの間には,指名を得た件数又は処理トン数を分母とした一定の計算式があるのではないかと考えられる。 カ(ア) 被告Y3のρは,平成10年6月から同社の環境プラント本部の本部長を務めており,西日本を中心とするごみ処理施設等の責任者であった(甲B19。 )(イ) ρは,平成10年7月ころ,σ環境プラント本部営業部長から,受注を獲得するための営業方針について,1番目はコスト,2番目は当社の焼却炉の技術が発注者に認められる,3番目に発注者に認められたことをメーカー各社に認知されれば協力を得られるチャンスがあると聞いており,3番目の営業方針に関して,当社が受注したい物件につき,自社が他社との間で話合いを行い,他社の協力を得て発注する(当社の入札価格よりも高い価格で他社が入札することを応じてもらう)という。 ことを意味しており,他方,他社が発注者から認められているような物件でどうしても受注したい物件については自社が協力することになる旨供述する(甲B19。 )( ) 被告らの会合について ア会合の存在被告らは,遅くとも平成6年4月以降,同10年9月14日まで,各社の担当者による会合を開催していた。同会合の出席者は,各社いずれも営業責任者クラスの者であり,被告Y5からはγ,被告Y4からは環境・プラント事業本部環境東京営業部長であるε, 年9月14日まで,各社の担当者による会合を開催していた。同会合の出席者は,各社いずれも営業責任者クラスの者であり,被告Y5からはγ,被告Y4からは環境・プラント事業本部環境東京営業部長であるε,被告Y1からは環境第一営業部第一営業室長(平成10年1月より前は環境プラント営業部第一営業室のチーム主査)であるζ,被告Y2からは,平成8年4月ころまでは機械・エネルギープラント事業本部営業総括部環境装置第一営業部長であるθ,そのころからは機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部営業開発第二部長(平成8年4月から平成9年6月ころまでは機械・エネルギープラント事業本部営業総括部環境装置第一営業部の主査(対外的には課長待遇,そのころから平成10年1月ころまでは機械・環境・エネル)ギー事業本部環境装置営業本部環境装置第一営業部長)であるη,被告Y3からは環境プラント統轄本部東京環境プラント部第二課長であるιが出(,,,,,,,)。 席していた甲B12 94などイ会合に関するメモについて被告らが行っていた会合に関し,次のとおり,会合では,発注が予定されているストーカ炉に関し,出席者が受注希望を表明し,受注予定者が決定されていたとする前記γ供述等を裏付けるメモが存在する。 (ア) 平成8年12月9日の会合a被告Y5のγが所持していたノート(甲B40)には,ごみ処理施設の建設を予定している地方公共団体を示すことがうかがわれる地名等が列挙されるとともに「1順目は自由12/9,2順目は自由,,3順目は200t/日未満「バッティングしたら12/18まで」,」(「」「」。),に結着結着は決着の誤記と認められるとの記載があり同ノートの前の記載からして,いずれも平成8年 順目は200t/日未満「バッティングしたら12/18まで」,」(「」「」。),に結着結着は決着の誤記と認められるとの記載があり同ノートの前の記載からして,いずれも平成8年のことを指すものと推認される(甲B130。 )また,被告Y1の環境第二営業部に所属するτが所持していた平成8年版の手帳(甲B148)には,発注予定のごみ処理施設が列挙されるとともに「①200t/日以上②200t/日未満「12,」,. 」,「」,「」,/92件①②双方からさらに1件②から合計3件「○5町はトン数確定せず最初2件で選択されず残った場合は最後の1件(②区分)で選択可」と記載されていることが認められる。 b上記各ノート及び手帳は,いずれも平成8年12月9日に規模ごとに発注予定のごみ処理施設を順に選択するなどして,受注希望表明等を行っていたことをうかがわせるものといえる。 (イ) 平成9年9月29日,同年10月16日,同月29日の会合a被告Y1のτが所持していた平成9年9月1日付けのリスト(甲B33)には「全連(400t以上「全連(200t以上「全,)」,)」,()」,「()()」,連200t未満全連200t未満准連・機バ→全連へ「全連(200t未満の追加」に区分して,それぞれにつき発注予)定のごみ処理施設が列挙されるとともに「全連小型200T未満,,9/292~3件「大型10/16,1件「中型10/29,」」,2件? 「9/11大,中,小対象物件確定「救済措置あり。同」,」,規模追加できる「増えた会社次回調整」と記載されている。 」また,上記τと被告Y1東北支社総合エンジ部門環境プラントチームリーダーであるυがそれぞれ所持していた同月11日付けのリスト 」,」,規模追加できる「増えた会社次回調整」と記載されている。 」また,上記τと被告Y1東北支社総合エンジ部門環境プラントチームリーダーであるυがそれぞれ所持していた同月11日付けのリスト(甲B35,36)の1枚目には「全連200t未満3件9/29(月「〃200t以上~400t未満2件10/29)」,(水「〃400t以上1件10/16(木」と記載されて)」,)いる。 bそして,後記( )のとおり,上記平成9年9月11日付けのリスト と被告Y2の平成9年9月ころのリスト(甲B106)とでは,5工事を除き,物件が一致していること,同被告Y2のリストのうち14物件につき,被告らを示すアルファベットが物件の左端に記載され,,(,,同14物件についてはその後の被告Y1のリスト甲B26 33)では記載がないか又は抹消されており,同14物件はいずれも「全連60-200T未満」の物件であること,上記被告Y2のリストでは,アルファベットと共に「1」から「3」の数字が記載され,「T3」は「パス」と記載されており,被告らが順に物件を選択したことがうかがわれ,これらの事情と前記aの各リストの記載を併せかんがみると,9月29日に全連200トン未満の物件につき,被告ら各社3件まで選択する,いわゆる受注希望表明及び受注予定者を決定する会合が開催され,10月16日に全連400トン以上,同月29日に全連200トン以上400トン未満の物件についての受注希望表明を行う会合が開催されていたことがうかがわれる。 (ウ) 平成10年1月30日の会合a被告Y1の環境第一営業部に所属するφが所持していた平成9年12月17日付けごみ処理施設のリスト(甲B26)のうち「全連2,00t以上400t未満」の欄において「1/20対 1月30日の会合a被告Y1の環境第一営業部に所属するφが所持していた平成9年12月17日付けごみ処理施設のリスト(甲B26)のうち「全連2,00t以上400t未満」の欄において「1/20対象物件見直,し「1/301件張付け「社内〉1/26(火)14:0」,」,〈0~1/16(金)16:00~」と記載されている。 また,被告Y4環境事業本部東京営業部が大阪営業部に平成10年1月27日にファクシミリ送信したごみ処理施設リストの送信文(甲B25)には「中型の対象物件送付します「1/30ハリツケす」,る予定です」などと記載されている。 。 b被告Y1のリスト記載の中型物件と被告Y4の送信文の「全連200t以上400t未満」欄記載の物件とはほぼ一致し,両文書においていずれも平成10年1月30日に張り付ける予定である旨記載され,しかも上記被告Y1のリストでは,同張り付けの予定は社内の予定とは別のものとして記載されていることがうかがわれ,前記κメモ(甲B1)の「張り付け会議」に関する記載などを併せ考慮すれば,同日,被告らの担当者が集まる会議(張り付け会議)において,受注予定者が決定されていたことをうかがわせるものである。 (エ) 平成10年3月26日の会合a被告Y1環境第一営業部長χが所持する平成10年版の手帳(甲B)「〈〉」, の3月26日欄に○中小型物件はりつけと記載され業被告Y5環境装置第一部次長のψが所持していた平成10年版の手帳(甲B149)の3月26日の欄に「最終決定」と記載されている。 また,被告Y5のνが,γが述べた内容をそのまま記載したとするメモ(甲B55)には「γK:3/26日○会合で中国五県の話は,秘出なかった」と記載されている。 。 bかかる各メモ等の記載及び後記 また,被告Y5のνが,γが述べた内容をそのまま記載したとするメモ(甲B55)には「γK:3/26日○会合で中国五県の話は,秘出なかった」と記載されている。 。 bかかる各メモ等の記載及び後記のとおり,被告らのアルファベットの頭文字が記載された小型物件について,その後の被告Y1や被告Y4のリストでは記載がないか又は抹消されていること前記κメモ甲,(B1)の「張り付け会議」の記載内容などからすれば,平成10年3月26日,被告らによる会合において小型物件の受注予定者が最終的に決定される張り付けが行われたことがうかがわれる。 ( ) 受注調整を行ったことをうかがわせる文書の存在等 ア(ア) 被告Y2のωが所持していた「年度別受注予想H07.09.28」と題する文書(以下「ωリスト」という。甲B48)には,平成7年9月28日の時点における,今後発注の予想されるごみ焼却施設の建設工事につき,平成8年度,同9年度,同10年度,同11年度,同1,「」,「」,「」,「」,2年度以降と年度別で5分類されるとともにKMHN「T」で5分類され,さらに「S「F」で2分類されて,表形式で」,まとめられている。なお,上記「K「M「H「N「T」の各」,」,」,」,アルファベットは,それぞれ順に被告Y2,被告Y5,被告Y4,被告Y1(α1,被告Y3を指し「S」はストーカ炉を指すものと推認),される。 そして,ωリストには,平成8年度に発注された工事全15件のうち12件,平成9年度に発注された工事全21件のうち9件,平成10年度に発注された工事全7件のうち1件の合計22件について記載されており,同22件のうち,4件を除いて実際にωリスト記載のプラントメーカーが受注している。 (イ) 被告Y2の平成9年9月ころのリ 0年度に発注された工事全7件のうち1件の合計22件について記載されており,同22件のうち,4件を除いて実際にωリスト記載のプラントメーカーが受注している。 (イ) 被告Y2の平成9年9月ころのリスト(甲B106)には,規模別にごみ焼却施設が分類されて記載されているところ,うち「60-200T未満」の14の物件については被告らを示すアルファベットが記載され,同アルファベットとともに「M「N「K「N」について,」,」,」,は「1」から「3」の数字「T」については「1」及び「2」の数字,が付され,余白部分に「T3パス」と記載されている。 また,同リストと被告Y1の平成9年9月11日付けのリスト(甲B,),「」,「」,「」, とは東京東村山市千葉八千代市山形西村山「和)<○>」及び「和歌・那賀都広域」の5工事の記載の有無を除(いてほぼ一致している。 (ウ) 被告Y1環境第一部のスタッフが所持していた平成9年12月17日付けのリスト(甲B26,32)と被告Y4の環境事業本部から平成10年1月27日にファクシミリ送信されたリスト(甲B25)とは,記載された物件のうち,中型物件について「○」工事等数件を除きほ,ぼ一致する。 イそして,ωリストに記載されている物件は,その後の各社のリスト(被告Y4のリストにつき甲B25,29,30,被告Y1のリストにつき甲B26,32,34~36,被告Y2のリストにつき甲B38,104,105,被告Y5のリストにつき甲B39,40)に記載されていない。 また,被告Y2の平成9年9月ころのリスト(甲B106)のうち,被告らの略称が記載された14物件は,その後の各社のリスト(被告Y1につき甲B26,32,33,被告Y4のリストにつき甲B25,29,30)には記載されて 9年9月ころのリスト(甲B106)のうち,被告らの略称が記載された14物件は,その後の各社のリスト(被告Y1につき甲B26,32,33,被告Y4のリストにつき甲B25,29,30)には記載されていない。 さらに,平成10年3月24日付け被告Y4のリスト(甲B30)の被告らの略称が記載された5物件のうち「岡山倉敷○(組」を除く4工,)事につき,平成10年9月16日付けの被告Y1のリスト(甲B34)には記載されておらず,被告Y4のリストでは同物件が抹消されている(甲B29。 )ウ前記アのとおり,各社のリストに記載されている物件の多くが一致しているとともに,ωリストによると,実際に発注された工事22件のうち18件(約81.8%)につき,その受注業者を的中させており,ストーカ炉については被告らを始めとして受注する能力のある業者が多数存在する中で,上記のように高率の的中率に至ることは被告Y2の情報収集能力を考慮したとしても考えにくく,予め受注者となる者を知っていたことがうかがわれる。 そして,前記イのとおり,被告らの略称が記載された物件は,その後の各社のリストに記載されていないが,中には本来受注を強く求めるはずの東京都○区清掃工場工事600トン名古屋市○工場工事 ()(),()(60トン)など,いまだ入札前で,かつ規模の大きなストーカ炉工事すら記載されておらず,上記のとおり各社のリストに記載されている物件の多くが一致しているなどの事情を併せかんがみると,抹消等された物件は受注予定者がすでに決定されたことから,抹消等されたものとみるのが相当ということができる。 したがって,前記各リストなどからすれば,被告らがストーカ炉建設工事に関し,予め受注予定者を決定していたことがうかがわれる。 エ補足説明(ア) 以上 されたものとみるのが相当ということができる。 したがって,前記各リストなどからすれば,被告らがストーカ炉建設工事に関し,予め受注予定者を決定していたことがうかがわれる。 エ補足説明(ア) 以上に対し,被告らは,①被告らが受注調整行為をしていたとすれば,4件の不一致が生じるのはかえって不自然である,②実際の受発注状況と比較すると,工事の処理トン数,受注年度に多くの相違があること,③談合が不可能な特命随意契約による工事が見込まれた物件も含まれていること,④被告Y5,被告Y4及び被告Y3が本格参入していなかった流動床炉についての記載があることなどから,ωリストは担当者が社内的な分析資料として,受注状況の予想等のために作成したものにすぎないと主張する。 aしかし,ωリストには発注予定の相当前の工事についての記載もあり,その後の事情によって,受注予定者が変更されたりするなどの可能性もあり,その工事内容の変更等も想定できるところであって,①②をもって,ωリストが社内資料にすぎないということはできない。 bまた,ωリストには,特命随意契約による発注が見込まれていた工事(大阪-○「大阪-○(甲B92,乙B13の1~7,14「」,」の1~5「大阪-○)についても記載があり,これらの工事は受),」注予定者を決定してもその実効性があったとはいえないが,それをもって,ωリストにおける被告らの略称を付した工事すべてが受注予定者を記載したものでないということはできず,③の主張をもって,単なる社内資料にすぎないということはできない。 c加えて,ωリストには,いまだ被告Y2が本格参入していない流動床炉に関する記載もあり,それが社内的な分析資料としての性質を有するにすぎないとしても,それをもって,直ちにストーカ炉に関する記載まで同様の性質を有 ストには,いまだ被告Y2が本格参入していない流動床炉に関する記載もあり,それが社内的な分析資料としての性質を有するにすぎないとしても,それをもって,直ちにストーカ炉に関する記載まで同様の性質を有するにすぎないということはできず,上記④の主張も採用することができない。 dそして,ωリストが,社内的な分析資料にすぎないのであれば,被告ら以外のプラントメーカーであるα2やα4といった企業の名称が記載されていないのは不自然であるし,同リストに被告らの略称が記載された工事が,後の各社のリストに一切記載がされていない又は抹消されているというのも不自然である。かかる事実からすれば,ωリストのうちストーカ炉建設工事に係る記載は,被告らにつき,あらかじめ決定された受注予定者が記載されたものと考えるのが合理的であることは前記のとおりである。 (イ) また,被告らは,その他の各リストについても社内の資料等にすぎず,被告らによる受注調整行為の存在を推認させるものではない主張するが,前記(ア)dと同様,被告らの略称が付された工事について,各社のリストから抹消等されているのは不自然であり,上記主張は採用することができない。 ( ) 被告らで入札価格等の連絡が行われたことをうかがわせるメモ ア被告Y1のλが所持していた文書(甲B78)には次のとおり記載されていることが認められる。 「①②③④62.5億(61億)(60億)M 最低より7.000万円引き同左辞退K 〃4.000万円引き〃辞H69.5〃3.000万円引き〃辞T 〃5.000万円引き〃辞69.5」上記「M「K「H「T」は,それぞれ被告Y1を除く被告ら各社の」」」略称であり,略称の記載がない行については,上記文書を被告Y1のλが 辞T 〃5.000万円引き〃辞69.5」上記「M「K「H「T」は,それぞれ被告Y1を除く被告ら各社の」」」略称であり,略称の記載がない行については,上記文書を被告Y1のλが所持していたことにかんがみると,被告Y1のものを示すものと推認される。 そして,平成10年8月31日に行われた賀茂広域行政組合発注に係るストーカ炉建設工事の入札手続における1回目の入札金額は,被告Y1が62億円,被告Y5が65億円,被告Y2が67億円,被告Y4が69億円,被告Y3が69億5000万円であり,同金額と上記文書の1回目の「①」の列の金額とは,被告Y1において5000万円差異があることを除いて一致することが認められる。そして,同工事については,1回目の入札において被告Y1が62億円で落札している(甲B13。 )以上のとおり,上記建設工事の入札について,上記文書における被告Y1以外の被告4社の1回目の入札金額と実際の入札金額が一致することなどから,上記文書は同建設工事の入札金額について作成されたものと推認されるところ,同建設工事は,1回目の入札において被告Y1により62億円で落札されたにもかかわらず,2回目以降第4回までの入札価格等が記載されていることなどからすれば,入札手続前に受注予定者である被告Y1と同工事の指名業者である他の被告4社との間で入札金額等について連絡等による調整を行い,それに沿った金額で同4社が入札をしたものと推認されるイまた,被告Y2の機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部東部営業部参事である丙が所持していた平成7年5月2日付け文書(甲B7),,「」 には焼却炉工事の見積原価額が算定過程とともに示され出し値として1回目から3回目までの入札価格が記載されておりこの中で不,,「」 た平成7年5月2日付け文書(甲B7),,「」 には焼却炉工事の見積原価額が算定過程とともに示され出し値として1回目から3回目までの入札価格が記載されておりこの中で不,,「」,「」調の場合の予定価格と最低入札額の想定がされ入札結果に至る過程として二つの案が検討された上で最終案が示されている。そして,被告らの略称とともに,被告らの1回目から3回目までの入札額が記載された次のような一覧表が添付されている。 同一覧表の「K(被告Y2を示す)の行に記載された入札金額は,」。 上記最終案と一致し,また,同一覧表記載の被告らの入札金額は,平成7年5月9日に指名競争入札が行われた「○広域市町村圏組合」工事の入札参加者である被告らの1回目から3回目までの入札金額と完全に一致しており,同工事は,3回目の入札において被告Y2が60億5000万円で落札している(甲B13)ことからすれば,上記一覧表は同工事の入札に関し,被告Y2において作成されたものと推認される。 そして,上記記載などからすれば,上記工事の入札に当たって,受注予,,定者である被告Y2があらかじめ入札参加者である他の被告4社に対し3回目までの入札価格を連絡するなどして,被告らはこれに沿って入札したものと推認することができる。 ウその他,平成10年9月16日,被告Y4のεから被告Y2のηにあててファクシミリ送信された文書(甲B82)には「西海岸の件「別紙,」の通りよろしくお願いいたします」として,被告Y4の見積金額のサン。 プルが送信されていること,また,同日,被告Y2の丁から被告Y3のιにあてて「大宮市/○の件「添付のとおり作成願います「日付は平,」。」成10年9月21日でお願いします」などとして,大宮市○環境センタ。 ー排ガス高度処理施設整備 告Y2の丁から被告Y3のιにあてて「大宮市/○の件「添付のとおり作成願います「日付は平,」。」成10年9月21日でお願いします」などとして,大宮市○環境センタ。 ー排ガス高度処理施設整備工事に関し,被告Y2において添付したとおりに見積書の作成を依頼していること(甲B83)など,ごみ処理建設工事の金額等についてあらかじめ連絡していたことがうかがわれる。 K① 6,220,000,000② 6,150,000,000③ 6,050,000,000H① 6,460,000,000② 6,190,000,000③ 6,100,000,000T① 6,310,000,000② 6,195,000,000③ 6,105,000,000M① 6,600,000,000② 6,200,000,000③ 6,125,000,000N① 6,690,000,000② 6,215,000,000③ 6,140,000,000( ) 被告らによる受注予定者の決定などをうかがわせるメモ ア被告Y1のχが平成10年1月ころに前任の戊から引継ぎを受けた際に記載したノート(甲B45)には「津島」として「元々Mのはりつけ物,件」と記載されているが「津島」は津島ほか○村衛生組合の発注に係る,ストーカ炉の建設工事(甲B13)と推認される。 そして「はりつけ物件」については,上記津島の建設工事は被告Y5,が指名競争入札において落札していること,χ自身他にも「○<中小型物業件はりつけ>」と手帳に記載し(甲B147,他の被告各社が作成した)文書にも同文言(はりつけ)の記載があること(甲B25,26「張),り付け会議」に関するκメモ(甲B1)の前記記載内容などからすれば,上記津島の建設工事は被告Y5が受注予定者とされていたこと )文書にも同文言(はりつけ)の記載があること(甲B25,26「張),り付け会議」に関するκメモ(甲B1)の前記記載内容などからすれば,上記津島の建設工事は被告Y5が受注予定者とされていたことがうかがわれる。 イ被告Y1のζが所持していた「札幌市ごみ焼却炉の件」と題する平成9年12月22日付けの書面(甲B88)は,同月16日,被告Y1の担当者が札幌市市議に上記ごみ焼却炉の工事につき,協力依頼を行ったことに関して記載されたものと解されるところ,同書面には「前回第5清掃工場の時に…市役所サイドはα1頑張れというのを聞いていたのがいつの間にか(メーカー通しの話しで)Y3に決まっていた。今回途中で降りること」,,はないネと言われた旨記載されており第5清掃工場の工事においては被告Y1や被告Y3らの話し合いによって,受注業者があらかじめ被告Y3に決められたことがうかがわれる。 ウ被告Y2の機械・環境エネルギー事業本部環境装置営業本部九州環境営業本部参与己が所持していた「○地区衛生管理組合ごみ処理施設更新に係るメーカーの機種指定の一部変更について」と題する書面(甲B44)には「○については過去数年前から,業界で,当社がチャンピンというこ,とであった「更にストーカになっても,α4,α5の7社が参考メー。」,カーであり,当社がチャンピオンで受注するためには,競合2社への当社のインパクトが必要であり,当社の協力地元ゼネコンの…のみならず,政治的な支援が必要である」と記載されている。なお,己は「チャンピ。 ,オン」について,現時点では,常識的に考えて,建設業者の談合によって決められる受注予定者のことであると理解している旨供述する(甲B46。 )加えて,己が所持していた「○地区衛生管理組合」と題する書面(甲B43)にも,手書きで「 的に考えて,建設業者の談合によって決められる受注予定者のことであると理解している旨供述する(甲B46。 )加えて,己が所持していた「○地区衛生管理組合」と題する書面(甲B43)にも,手書きで「当社大手5社では認知物件であり,KGのルートとは別の裏形ルートで営業展開」と記載されている(このことについて,己は,○組合の発注予定物件はストーカ式ごみ焼却施設の大手5社では当社が認知されている物件であることが記載されているが,当社がチャンピオンとして認知されているかどうかは覚えていない旨供述する(甲B4 。 )。)これらの各記載内容等からすると,○地区衛生管理組合の発注に係るごみ処理施設の建設工事については,被告Y2が受注予定者とされていたことがうかがわれる。 ( ) ストーカ炉の建設工事の受注に関する数値を算出しているメモ ア被告らに関するもの被告Y5の庚が所持していたノート(以下「庚ノート」という。甲B63)の1枚目は,その作成時期において,平成9年12月24日に発注さ「」,「」,れていた新城広域事務組合工事以降既発注及び発注予定の新城「中央「千葉「富山「賀茂「米子「春日井「名古屋」及び」,」,」,」,」,」,「高知(順に「新城広域事務組合「東京都(○地区清掃工場「千」,」,)」,葉(○工場「富山地区広域圏事務組合「賀茂広域行政組合「米子)」,」,」,市「春日井市「名古屋市(○工場「高知市」の工事を指す)の」,」,)」,。 各工事につき,被告らの数値の分母にその工事の合計トン数を加算し,被告らの数値の分子に各社の受注又は受注予定に係る各工事のトン数をあらかじめ加算したものであり,加算後の分数値を小数値で示して,小数値の「」「」(,)。 低 の工事の合計トン数を加算し,被告らの数値の分子に各社の受注又は受注予定に係る各工事のトン数をあらかじめ加算したものであり,加算後の分数値を小数値で示して,小数値の「」「」(,)。 低い順に①から⑤を付しているものである甲B13乙A32かかる記載からすれば,庚ノートの1枚目は,作成当時における被告らの受注及び受注予定の全体的な状況を把握するために作成されたものと推認される。 また,庚が所持していたメモ(甲B54)には,庚ノート1枚目の上記各工事のトン数を加算する前の分数値と同一の数値が記載されており(た,,「」,だし被告Y3の分子につき庚ノート1枚目では14262とされ甲B54号証では「14252」とされている,この分数値を小数値。)にして,値の低いものから順に「①」から「⑤」を付してあることからすると,庚は,このような被告らの受注及び受注予定の全体的な状況をある程度継続的に把握するようにしていたことが推認される。 イ被告ら,α2及びα4の7社に関するもの(ア) 庚が所持していた庚ノートの2枚目は,被告らにα2及びα4を加えた7社が指名された「西村山「米子」及び「津島(順に「西村山」,」広域行政組合「米子市「津島市ほか十一町村衛生組合」の工事を」,」,指す(甲B13)の各工事につき,その処理能力トン数を分母に加)。 え,落札者の分子にのみ処理能力トン数を加算し,加算後の分数を小数値で示して,小数値の低い順に「①」から「⑦」を付しているものである(甲B13,乙A32。かかる記載からすれば,庚ノートの2枚目)は,同7社の入札の状況を数値化して把握していたことを示すものと推認される。 (イ) 被告Y2のωが所持していた2枚の書類(甲B64)には,平成7,,,年8月27 すれば,庚ノートの2枚目)は,同7社の入札の状況を数値化して把握していたことを示すものと推認される。 (イ) 被告Y2のωが所持していた2枚の書類(甲B64)には,平成7,,,年8月27日を前回同年11月30日を現状としてその変更内容は「東金」工事(東金市外三町清掃組合工事を指す(甲B13)に参)。 加した会社の「A」欄に,同工事の処理能力トン数に他の物件による修正等を加えた数値を加算するなどし「B」欄に,同工事を落札したY,3のみにつき,同工事の処理能力トン数である「210」を加算するな,(,),どしたものであることが示され各社被告らα2及びα4ごとにその結果算出された同日(現状)時点の「Q」の数値(B」の数値を「「A」数値で除した数値)が少ない会社から順に「①」から「⑦」の番号を付して比較したものと推認される。 そして,同書類には,上記工事を含む19件の工事名が記載されているが,この記載は,いずれも被告らのうちいずれかの者並びにα2及びα4の双方又はいずれかの者が指名された19の工事(甲B13,乙A32)について,各業者の「A」欄の数値に入札に参加した場合における各工事の処理能力トン数を基にした数値を加え「B」欄の数値に各,業者毎に落札した工事の処理能力トン数を基にした数値を加えて,7社の受注状況(入札及び落札に係る処理能力トン数の比率)を把握しようとしたことを示すものであると推認できる。 ウ以上のとおり,被告Y5及び被告Y2は,被告ら5社又は被告らにα2及びα4を加えた7社の受注状況をストーカ炉の処理能力を基として,受注割合を算出して比較していたことが認められる。 ( ) 落札率 審決対象期間において,地方公共団体が,指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事87件のうち予定 理能力を基として,受注割合を算出して比較していたことが認められる。 ( ) 落札率 審決対象期間において,地方公共団体が,指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事87件のうち予定価格が判明している84件について落札率をみると,被告らのうちいずれかが受注した63件(予定価格が不明なものを除く)の平均落札率(予定価格に対する落札価格の比率)。 は96.6%である一方,アウトサイダーが受注した21件の平均落札率は89.76%であった。 ( ) 入札経過 審決対象期間の地方公共団体発注に係るストーカ炉建設工事87件のうち,複数回の入札が行われ,被告らが受注した25件の工事は,いずれも受注者がいずれの入札段階においても最低入札価格を入れている。 仮に,被告らが主張するように受注意欲の最も高い業者が常に最低入札額を入れても不自然ではないと考えるとしても,被告らはストーカ炉においては大手5社と称され,ストーカ炉の受注実績,コストなどの面から指名競争入札の相手としては大差はないと考えられていること(辛42頁)にかんがみると,25件もの物件についていずれも受注者が常に最低入札価格を入れることは異例というべきであり,上記事実からすれば,被告らの間で受注調整行為が行われていたことがうかがわれる。 ( ) 本件基本談合の存否 ア前記( )のとおり,被告らは,遅くとも平成6年4月以降,各社持ち回 りで,営業責任者クラスの者が出席の上,ごみ処理施設の建設工事に関わる会合を月1回程度開催しているが,前記( )のγ及びκの各供述は,被 告らを平等に取り扱う基準に差異があるものの,地方公共団体発注予定のストーカ炉の建設工事につき,発注予定物件を処理能力(トン数)ごとに3分類し,同分類に従い受注予定者を決定していたこと,被告らでの受注希望 等に取り扱う基準に差異があるものの,地方公共団体発注予定のストーカ炉の建設工事につき,発注予定物件を処理能力(トン数)ごとに3分類し,同分類に従い受注予定者を決定していたこと,被告らでの受注希望者が1社の場合は当該会社が受注予定者となり,競合した場合には競合会社間で話合いにより受注予定者を決定していたこと,被告ら以外の者が指名された場合には,まずは話合いを行うこと,被告らが平等に受注できるように受注予定者を決定していたことなどの核心的部分においては符合し,その他の関係者の各供述も,被告らが,地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事につき受注調整行為を行っていたことについては符合している。 そして,前記のとおり,被告らが受注予定者を決定していたことを裏付ける各社のリストや受注予定者を決定するための被告らによる会合が存在していたことを裏付けるメモ等が存在する。また,被告ら各社の実際の受注割合が計算され数値により把握されていたこと,被告ら間で入札価格等の連絡が行われていたことなどを裏付けるメモ等も存在し,これらは上記各供述に沿うものであり,被告らが受注調整行為を行っていたとする上記各供述は信用に値するものということができる。 以上のとおりであり,前記( )ないし( )の事情を総合考慮すれば,被告 らは,遅くとも平成6年4月までには本件基本談合の下,各営業担当者が出席して行われた会合において,地方公共団体発注予定のストーカ炉建設工事について,受注機会の均等化を図るため,ストーカ炉の処理能力の区分に応じ,当該物件の入札前に,受注予定者を話合いにより決定し,各社の入札価格を連絡して調整するなどして,当該受注予定者が受注できるように入札していたものと認められる。 イ前記( )オのとおり,οは平成元年4月の時点で被告らの間に受注調整 により決定し,各社の入札価格を連絡して調整するなどして,当該受注予定者が受注できるように入札していたものと認められる。 イ前記( )オのとおり,οは平成元年4月の時点で被告らの間に受注調整 のための協定等が存在し,自治体等が発注する焼却施設の受注機会の均等化を図っている旨説明されたと供述し(甲B21,前記( )アのγも平) 成6年4月の時点ではすでにストーカ炉建設工事の話合いによる受注調整行為が行われており,それを引き継いだと供述している。そして,前記アのとおりγの供述は信用することができοの供述についてもο文書甲,,(B3)に沿うものであって,上記のとおりの説明を受けたとする供述は十分に信用することができる。 また,被告らによる会合には,ζは平成5年ころから出席しているとし(甲B15,γの前任であり,平成5年4月からごみ焼却施設の営業に)関わることとなったψも,同人が担当の時点で被告らの担当者による会合が存在したとする(乙B9,28頁,29頁)が,前記のとおり,遅くとも平成6年4月の時点では,被告らの間で,本件基本談合の下,会合を開催して,ストーカ炉建設工事の受注調整行為に及んでおり,平成6年4月までの間に,被告らの会合の趣旨が変更されたというような事情も認められない。 以上のことにかんがみれば,被告らは,平成6年4月より相当程度前の時点で本件基本談合を形成し,それ以降は被告らの各担当者が順次上記受注調整の態勢を引き継いできたものと推認するのが相当である。 () 各関係者の供述の信用性に関する被告らの主張について アγ供述(ア) 被告らは,γ供述が,公正取引委員会の審査官によって不当に意思を抑圧された状況の下,審査官の予断に基づいて誘導されて作成されたものである上,作成された供述調書を閲覧させず,読み聞か γ供述(ア) 被告らは,γ供述が,公正取引委員会の審査官によって不当に意思を抑圧された状況の下,審査官の予断に基づいて誘導されて作成されたものである上,作成された供述調書を閲覧させず,読み聞かせのみで作成されたものであり,信用性がないと主張する。 しかし,前記のとおり,γの供述は,被告らへの立入検査が行われた当日のものであり,同検査による証拠等を吟味する間もない時点での供述であるにもかかわらず,客観的証拠と符合しているのであるから,審査官の予断により作成されたとはいえず,当日の事情聴取において,審。 ,査官がγに対し不当に意思を抑圧したという事情も認められないまた供述調書を閲覧させなければ信用性がないとすることもできない。 (イ) 被告らは,γ供述とκ供述とでは,受注調整対象工事の区分,受注機会均等の方法について供述内容の相違がある以上,γ供述は信用できないと主張する。 しかし,前記のとおり,両供述はその核心部分においては符合しており,上記相違をもって,γ供述の信用性が直ちに否定されるとはいえない。 (ウ) 被告らは,γ供述において,γ自身の課長就任時期と本件会合への出席時期とが異なっており,またその有する決裁権限等との関係から実質的な責任者として受注物件,販売価格等を決定していたとする供述は客観的真実に反すると主張する。 しかし,γは平成6年4月1日に主務となってから会合に出席していた旨供述していること(甲B94,前記「課長職」との供述をした甲)B第12号証において「課長」就任は平成8年4月であることを冒頭で説明していること,被告Y1のζは,平成5年ころから会合に出席しているが,被告Y5から会合に出席していた者についてはγであり,メンバーの変更はなかったと供述しており(甲B15,被告Y4のεも,)平成6年ないし7年ころか 1のζは,平成5年ころから会合に出席しているが,被告Y5から会合に出席していた者についてはγであり,メンバーの変更はなかったと供述しており(甲B15,被告Y4のεも,)平成6年ないし7年ころから出席しているが,被告Y2からの出席者の変更以外,出席者の変更を供述していないこと(甲B90)などからすれば,課長職には主務の意味も含んで述べたというべきであり,課長職という表現がやや不正確であるとはいえるものの,その信用性を減殺させるものということまではいえない。また,被告らのような大規模な会社組織における最終決裁権者が,その詳細について逐一すべての案件について自ら行動することは考えにくく,具体的な内容についてはおおむね部下に任せることは少なくないのであり(γも,談合の事実を否認している段階においても,ほとんどすべての物件について,最終的にγが決めており,発言権も一番大きいと述べるところである(甲B11 ,最終的な決裁権を有しないことをもって,γの供述の信用性が)。)ないということはできない。 (エ) 被告らは,アウトサイダーに関し,γ供述では「受注予定者が受,注できるように協力を求めていた」とされるのに対し,κメモ(甲B。 1)には「その物件に5社以外のメンバーが入った時は,タタキ合いになる」と記載されており,両者は整合しないこと,α2やα4は被告らによる協力要請を否定していること(乙A23ないし26,少なくと)も「堺」のストーカ炉建設工事(乙B11)について,その入札経過,からしてα4が被告らの受注調整に協力していたことはなかったことなどから,γ供述のアウトサイダーへの協力要請に関しての供述は信用できないと主張する。 しかし,κメモには,被告ら以外の者が入った場合,話し合いの余地があることも記載されており,最終的にたたき合 となどから,γ供述のアウトサイダーへの協力要請に関しての供述は信用できないと主張する。 しかし,κメモには,被告ら以外の者が入った場合,話し合いの余地があることも記載されており,最終的にたたき合いになることとなるとしても,受注予定者が受注できるように協力を求めていたとするγ供述と矛盾するものではないし,α2やα4からの回答については,単に結論のみ記載されたものにすぎず,また,協力していたと回答すれば,自らの社会的信用が低下するなど不利益を受ける立場にあることからすれば,上記回答を直ちに信用することはできない。また「堺」の建設工,事については,γが会合に参加するようになる前に入札が行われた物件であるし,協力を求めたとしても必ず協力してもらえるとは限らないのであって,そのことのみをもってγ供述が信用できないということにはならない。 (オ) 被告らは,平成4年度から平成9年度までや平成6年4月1日から平成10年9月17日までの,被告らにおけるストーカ炉建設工事の受注実績が平等でないことから,トン数の平等は図られておらず,γ供述は信用できないと主張する。 しかし,必ずしも上記期間において発注される工事のみで受注調整を図っていたということはできず,上記期間において受注実績が平等でないとしても,γ供述の信用性が失われるものではない。 (カ) そして,γは,前記1( )イの供述をした後の事情聴取において,会 合についてはストーカ炉のメーカーが直面する問題に関する情報交換を行っており,受注予定者の決定を目的とするものではないなどと供述する(甲B127,乙A14,17頁など)が,いずれも供述を変遷させたことについて合理的な説明がされておらず,審査官に対し,自身が記載したメモ等に対する回答もしないなどの供述態度などにかんがみれば,受注調整の事実 ,乙A14,17頁など)が,いずれも供述を変遷させたことについて合理的な説明がされておらず,審査官に対し,自身が記載したメモ等に対する回答もしないなどの供述態度などにかんがみれば,受注調整の事実を否定し始めたころ以降のγの供述は到底信用に値するものではない。 イκ供述について(ア) 被告Y1は,審査官がκに対して過酷な取調べを行い,強引な誘導を行ったとして,κ供述は信用性がないと主張するが,受注調整行為が行われていたなどの核心的部分について,不当な取調べによって供述が作出されたと認めるに足りる的確な証拠はない。 (イ) また,被告らは,κメモ及び供述は伝聞によるものであり,信用できないと主張する。 しかし,κが話を聞いたとするλは,被告Y1の本社環境プラント第二営業部長の地位にあったものであり「賀茂広域行政組合」工事につ,いての資料(甲B78)を所持していたことからしても,ストーカ炉の受注に関する責任ある立場にあって,受注調整に関わる種々の情報を入手できる立場にあり,κも,被告Y1大阪支社の機械プラント部環境プラント営業室長として,ストーカ炉の営業を担当する者であって,その職務の性質上,ストーカ炉の受注に関し相当の関心,知識を有し,そのような関心と知識に基づいてκメモを作成したといえ,伝聞であるとしてもその信用性が否定されるものではない。 (ウ) そのほか,κ供述とγ供述との間で,受注調整対象工事の区分,アウトサイダーに対する協力要請等につき,決定的な矛盾が生じていること,一定の期間において平等が図られていないことがκ供述の信用性を失わせるものでないことは,前記と同様である。 ウν供述について被告らは,νメモや供述は,再伝聞等で聞いたことを供述するにすぎないなどとして,信用性がないと主張する。 しかし,νは,被告Y5の中国支 わせるものでないことは,前記と同様である。 ウν供述について被告らは,νメモや供述は,再伝聞等で聞いたことを供述するにすぎないなどとして,信用性がないと主張する。 しかし,νは,被告Y5の中国支社機械一課課長として,官公庁向けのごみ焼却施設等の営業を担当し,その職務の性質上,ストーカ炉の受注に関し相当の関心と知識を有し,そのような関心と知識に基づきνメモを作成したものといえ,その内容が再伝聞であることをもって信用性が否定されるものではない。 エο供述について被告らは,ο供述は再伝聞にすぎず信用性がないと主張する。 しかし,οは,平成元年4月から,被告Y5の中国支社化学環境装置課,,において官公庁向けのゴミ焼却施設等の営業を担当していたものでありその職務の性質上,ストーカ炉の受注に関し相当の関心と知識を有し,そのような関心と知識に基づいてο文書の中身を理解し,これを業務遂行に当たり参考にしていたものと認められる。そして,当然のことながら,ο供述の内容はο文書の内容と符合しているのであって,ο供述の内容が伝聞によるものであることをもって,これを信用できないということはできない。 オρ供述について被告らは,ρ供述は伝聞にすぎず信用性がないと主張する。 しかし,ρは,被告Y3の環境プラント本部本部長を務め,西日本のごみ焼却施設の営業等の責任者であった者であり,その職務の性質上,ごみ焼却施設の受注に関し相当の関心と知識を有し,その関心の下に部下である営業本部長から上記のとおりの報告を受けたものであると認められるのであって,その報告者が同じく当該営業に関し責任ある立場にあるもので,,あることをも考慮すればその内容が伝聞によるものであることをもって信用できないということはできない。 カ以上のほか,被告らは,関係者の各供述の信用性に 当該営業に関し責任ある立場にあるもので,,あることをも考慮すればその内容が伝聞によるものであることをもって信用できないということはできない。 カ以上のほか,被告らは,関係者の各供述の信用性につき,種々主張するが,いずれも関係者の各供述の信用性を失わせるものではなく,採用することができない。 (11) 本件個別談合の有無ア認定事実(ア) 本件ごみ処理施設の計画から入札までの手続の流れ原告における本件ごみ処理施設の設置計画は,昭和63年7月7日の研究委員会発足に始まり,平成3年9月27日に規模・機種・公害防止基準等の施設の基本的事項が決定され,平成5年5月24日に被告らが見積仕様書徴収業者として選定され,被告らが提出した見積仕様書に基づいて,平成6年3月には,発注仕様書(甲A3)が完成し,平成6年7月に被告らが指名競争入札に参加する指名業者として選定され,同月6日の建設部による入札行為の事前現場説明会を経て,同月22日に入札が実施されている。 (イ) 被告Y1の受注意欲被告Y1は,全国のごみ処理施設の設置工事受注に関して,本社の社員と各エリアを担当する支社の人員がそれぞれ担当となり,連繋を取りつつ営業活動を行うことにより,受注に結び付けていた。 本件ごみ処理施設については,本社では環境プラント営業部第1営業室統括スタッフである辛が,名古屋支社では環境エンジニアリング営業室統括スタッフであるφが,それぞれ連繋を取りつつ原告に対する営業活動を行った。 辛は一時期,ζを上司として業務を行っていたことがあり,ζの後を継いで,環境衛生部第1営業室の室長職を引き継いだこともあった(辛27~28頁。φも一時期,ζを上司として業務を行っていたことが)あった(φ27頁。 )一般に,ごみ焼却施設は設置から15年前後で寿命となるため,被告Y 業室の室長職を引き継いだこともあった(辛27~28頁。φも一時期,ζを上司として業務を行っていたことが)あった(φ27頁。 )一般に,ごみ焼却施設は設置から15年前後で寿命となるため,被告Y1の営業担当者は,更新が見込まれるごみ処理施設をリストアップしており,昭和61年5月にφが名古屋営業所重工営業室に配属されたころ,既に一宮市の旧ごみ処理施設が被告Y1の更新見込み物件としてリストアップされていた(乙A30,2頁。 )被告Y1の名古屋支社では,本件ごみ処理施設設置工事については,1日当たりの処理能力が450トンの大型物件であるとともに,平成4年に愛知県東海市にて,平成5年に同県岡崎市にて,それぞれごみ処理施設設置工事を受注するなど,至近のごみ処理施設の受注実績があることから(乙A30,2頁,本社とも協議の上,重点的に落札を目指す)という強い方針が決まり(辛3頁,φは,重要性の点で,一番最大級)の物件という認識の下(φ2頁,29頁,平成2年か3年ころより,)原告の市役所訪問,担当者への挨拶等の積極的な営業活動を開始し,本件ごみ処理施設の設置計画を把握するに至った。 以上のとおり,被告Y1は,本件ごみ処理施設の受注につき高い意欲を有していた。 (ウ) 被告Y1の技術的優位性等a本件ごみ処理施設の計画当時は,排ガス中のばいじん,NOX,SOX,ダイオキシン,水銀外重金属等の除去の技術的手法として,バグフィルター,活性炭,脱硝反応塔等による除去が必要であると言われ始めた時期であるところ,被告らはいずれも,原告に対し,それらを設置する案を提示しており,環境対策としての性能に大きな差異はなく(甲A67,φ26頁,被告Y1を除く被告ら4社(以下「他)4社」という)との間では,本来であれば激しい価格競争が予想さ。 れる状況であっ 案を提示しており,環境対策としての性能に大きな差異はなく(甲A67,φ26頁,被告Y1を除く被告ら4社(以下「他)4社」という)との間では,本来であれば激しい価格競争が予想さ。 れる状況であった(辛42頁。 )bなお,被告Y1において本件ごみ処理施設の見積仕様書作成を担当したのは辛であるところ(乙A30,3頁,同人は,自社の技術的)優位性を陳述するものの具体的に指摘されているのは水平火格子乙,(A38)に留まっており,それも被告Y1以外の他社が同等の技術を保有していたためか,原告が決定した本件ごみ処理施設の仕様では,被告Y1の水平火格子を用いなければ達成できないような焼却条件や性能の基準が設定されているわけではないのであって,辛の上記陳述は前記aの認定を左右するものではない。 また,φは,本件ごみ処理施設受注のための営業活動を行う中で,原告の工場技術者より,ごみとしての反物が焼却炉にうまく入らずに困っているということを聞き,被告Y1の技術部門に対策を検討させた結果,原告に反物切断装置の設置を提案し,それが原告の技術者に評価されたとして,原告に被告Y1の技術的優位性が認められたなどとするが,発注仕様書(甲A3)には,反物切断の点は「本装置は大量に搬入される糸屑等の切断が十分に行えるもの」という一般的な仕様の形で盛り込まれているにすぎず,被告Y1が提案した特別の装置が採用されたものではないから,これをもって被告Y1の技術的優位性を示すものとは到底いえない(φ26頁。 )(エ) 現場説明会(競争相手の認識)辛とφは,平成5年6月末ころに原告が開催した見積仕様書徴収のための現場説明会に出席し(乙A31,4頁,辛6頁,同所にて出席業)者が点呼されるなどしたことから(φ4頁,本件ごみ処理施設の入札)につき見積仕様書徴収業者 ころに原告が開催した見積仕様書徴収のための現場説明会に出席し(乙A31,4頁,辛6頁,同所にて出席業)者が点呼されるなどしたことから(φ4頁,本件ごみ処理施設の入札)につき見積仕様書徴収業者が被告らのみであることを確定的に認識した。 (オ) 被告Y1における入札価格の決定被告Y1においては,入札価格の決定に際し,まず,当該発注工事についての発注者の予算枠を調べるとともに,自社の技術部門に当該発注工事に係るコストを積算させ,そのコストの妥当性を社内で検討した上で,営業室長と営業部長とで大体の価格を決定する。ただし,金額に応じて決裁権者が決まっており,100億円以上については担当役員の決裁事項とされていた(甲B9,10頁,辛28頁。 )本件ごみ処理施設についても,原告の予算は継続費として270億円として公表されており(甲A73,β6~7頁,辛は,φより原告の)工事予算に関する情報を入手した上で,被告Y1の技術部門においてコストを積算した結果,原告に提出した見積書の金額,既存のごみ処理施設の価格水準(ごみ処理能力のトン当たり単価)などを踏まえて,入札価格検討の出発点となる価格を270億円とした上で,自社の利益幅を調整させることにより複数の金額を提示する内容の素案を作成し(辛9頁,営業部長及び営業室長に提出したが,最終的には担当役員の決裁)により248億円と決まった(辛14頁。辛は,248億円の算出根)拠を知らないとするが被告Y1が原告に提出した見積書記載の金額2,(92億7000万円。甲A2の6)の約85パーセントとなる。 また,1回目の入札で決まらなかった場合に備えて,2回目の入札における入札価格は,1回目と比べて2億円を減額した246億円とされたが,実際には,1回目の入札結果によっては,それ以上の減額をしないと入札 ,1回目の入札で決まらなかった場合に備えて,2回目の入札における入札価格は,1回目と比べて2億円を減額した246億円とされたが,実際には,1回目の入札結果によっては,それ以上の減額をしないと入札が不可能な場合もあるため,2回目の入札における入札価格は一応の金額にすぎないものであった(辛10頁,11頁。 )以上のとおり,被告Y1は本件入札における入札価格を決定したが,他方で,本件入札に参加する他4社の動向を報告及び協議するような会議や,本件ごみ処理施設を入札できなかった場合を想定して対策を協議する会議は行わなかった(辛34頁,41頁,42頁,φ29頁。 )(カ) 本件入札の実施状況本件ごみ処理施設の入札は,前記のとおり平成6年7月22日に実施されているところ,時間は午後1時過ぎから午後1時40分まで(甲A7,β7頁)であり,その間に3回にわたって入札が実施されている。 入札会場(入札室)には1社当たり2名しか入場できないところ,被告Y1においては,平成6年4月に環境プラント営業部の部長として着任して間もない壬部長に入札を経験させるという配慮から,φと共に壬部長が入場し,入札が行われている間,他の者(辛と戊室長)は入札会場の外で待機していた(辛20頁,φ10頁。 )φは,本件ごみ処理施設については,250億円を下回れば落札できると考えており,1回目の入札で決まるものと期待していた。1回目の入札結果が発表されたが,原告の定めた入札価格に届かず,自社の入札価格(248億円)が最低価格であったことが判明し,同金額で入札したのは自社のみであると考え,当初の予定どおり1回目の入札価格から2億円の減額(減額率は約0.81%)となる246億円にて2回目の入札をした(β18頁,φ11頁。 )ところが,2回目の入札結果が発表されて,原告の定めた入札 ,当初の予定どおり1回目の入札価格から2億円の減額(減額率は約0.81%)となる246億円にて2回目の入札をした(β18頁,φ11頁。 )ところが,2回目の入札結果が発表されて,原告の定めた入札価格になお届かなかったことから3回目の入札が実施されることとなったφ,(11頁。 )φは,3回目の入札価格を事前に聴いていなかったことから,壬部長に筆談で相談したところ,壬部長は,1回目の入札価格から5パーセントを減額したらどうなるかと尋ね,φが筆算により235億6000万円であることを示すと,236億円で入札するようφに指示した(φ11,12頁。 ),。 3回目の入札結果は前記のとおりであり被告Y1が落札者となった原告が予め定めていた入札予定価格は244億4300万円であり,落札率は前記のとおり96.55パーセントとなる。 なお,本件入札実施当時,入札予定価格は被告ら指名業者には開示されていなかった(β6頁。 )(キ) 他4社の入札価格等前記のとおり本件入札は3回にわたって実施されているところ,3回とも,被告Y1の入札価格が最低であった。 被告らの1回目の入札価格を見ると,被告Y1が248億円であるのに対して,他4社は254億円から261億円までであった。 被告らの2回目の入札価格を見ると,被告Y1が246億円であるのに対して,他4社は246億5000万円から247億5000万円までであった。 被告らの3回目の入札価格を見ると,被告Y1が236億円であるのに対して,他4社は245億円から245億8000万円までであり,とりわけ被告Y4,被告Y5及び被告Y2の3社はいずれも,2回目の入札価格から2億円を減額している。 イ本件個別談合の存在,,(ア) 前記アで認定した事実を踏まえて判断するに①前記1(9)のとおり本件基本談合 被告Y5及び被告Y2の3社はいずれも,2回目の入札価格から2億円を減額している。 イ本件個別談合の存在,,(ア) 前記アで認定した事実を踏まえて判断するに①前記1(9)のとおり本件基本談合は平成元年4月よりも相当前の時期に形成され,少なくとも平成10年9月17日までの審決対象期間において個別談合が継続的に行われていたものと認められるところ,本件入札は,本件基本談合が形成・継続していた期間内に行われたものであること,②本件ごみ処理施設は,本来であれば被告らがいずれも落札を強く希望するような大型物件であったこと,③本件入札は,見積仕様書徴収業者及び指名競争入札に参加する指名業者のいずれも被告らのみであり,アウトサイダーが加わらない案件であったこと,④被告Y1は,本件ごみ処理施設につき極めて強い受注意欲を有しており,建設計画が決定される前から原告に対して熱心に営業活動をしていたこと,⑤そのような営業活動にもかかわらず,被告Y1は,自社の技術的優位性を十分に示せず,発注仕様書にも,被告Y1が他4社と比べて技術的にもコスト的にも有利となるような仕様が何ら盛り込まれなかったことから,本件入札は被告らにおいて激しい価格競争が起こっても何らおかしくないという客観的状況にあったこと,⑥被告Y1における本件ごみ処理施設案件の担当者である辛とφはいずれも,同被告において本件基本談合に関与したζの下で業務を行っていた時期があり,辛に至ってはζの役職を引き継いだこともあったこと,⑦辛とφは,遅くとも平成5年6月には,本件ごみ処理施設の見積仕様書徴収業者が被告らのみであることを確定的に知っていたこと,⑧被告Y1における1回目の入札価格(248億円)は,素案の作成者である辛において,コスト及び利益率から一義的に算出した金額ではなく,担当役員の決裁によ 告らのみであることを確定的に知っていたこと,⑧被告Y1における1回目の入札価格(248億円)は,素案の作成者である辛において,コスト及び利益率から一義的に算出した金額ではなく,担当役員の決裁により決まった金額であるとしても,その根拠が曖昧であること,また,他4社の入札価格を予想して自社の入札価格を検討したり,万一落札できなかった場合の対策を協議した様子もうかがわれないこと,⑨被告らは3回にわたり入札する中で,いずれの回も被告Y1が最低価格にて入札していること,⑩被告Y1は,2回目の入札で2億円を減額し,3回目の入札でさらに10億円を減額しているところ,前記のとおり受注意欲が極めて強く,かつ技術面でもコスト面でも他4社に比べて優位性がなく,激しい価格競争が予想される割には,2回目の入札での減額幅が比較的小さく,また逆に3回目の入札での減額幅が相当大きいという,不自然な結果となっており,被告Y1において,他4社の入札価格をほとんど意識することなく入札に参加し,専ら原告の入札予定価格を下回ることのみに注意を向けている様子がうかが,,,われること⑪他4社の入札価格についても2回目の入札においては1回目の入札結果として発表された最低価格(248億円)より最大でも1億5000万円の減額に留まっており,予想される本件ごみ処理施設の落札金額に比して極めて少額の減額に留まっていること,3回目の入札においても同様に2回目の入札結果として発表された最低価格2,(46億円)より最大でも1億円の減額に留まっていること,とりわけ3社は2回目の入札価格より2億円を減額した金額をもって3回目の入札価格としていることなどからすると,他4社の落札意欲はほとんどうかがわれないことなどの諸事情が認められ,これらを総合すれば,被告らにおいて,本件基本談合に基 2億円を減額した金額をもって3回目の入札価格としていることなどからすると,他4社の落札意欲はほとんどうかがわれないことなどの諸事情が認められ,これらを総合すれば,被告らにおいて,本件基本談合に基づき,本件入札に先立って被告Y1を入札予定者として決定し,本件入札に際して被告Y1に落札させるように取り計らうという個別談合が存在したことを推認することができる。 ,,,(イ) なお辛やφは248億円がすでにかなり低い金額であったからそれより2億円減額すれば受注できると見込んでいた旨供述し(辛37頁,φ36頁,本件入札状況に本件個別談合を推認させるような不自)然さはないとするようである。 しかし,248億円という金額が低い金額であったことを認めるに足りる証拠はなく,被告Y1以外の被告らはストーカ炉の受注実績,コストなどの面から指名競争入札の相手としては強敵であり,大差はないと考えられており(辛42頁,複数回入札を重ねている他物件の減額状)況(別紙1,甲B13)などからすれば,2億円の減額で足りると考えたことにつき十分な説明がされているとはいえず,上記供述は,被告Y1にとって本件工事が重要な物件であったことなどの事情とは整合しにくいところがあり,本件工事について,被告らが受注調整行為(本件個別談合)に及んでいたとする前記推認を妨げるものとはいえない。 ウ被告らの主張について(ア) 被告らは,本件基本談合における受注調整手続は極めて抽象的であり,拘束力が強かったというようなことも主張されていないことからすれば,本件基本談合を前提としても,個々の工事が原則として本件基本談合の対象となったとはいえず,本件工事の個別談合を推認されるものともいえないと主張する。 ,,,しかし前記のとおりωリストでは受注業者をほぼ的中させており被告 個々の工事が原則として本件基本談合の対象となったとはいえず,本件工事の個別談合を推認されるものともいえないと主張する。 ,,,しかし前記のとおりωリストでは受注業者をほぼ的中させており被告ら間で事前に決定された受注予定者がほぼ受注しているといえることなどからすれば,本件基本談合は,被告らに対し,十分に拘束力を有していたとするのが相当であり,被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告Y2らは,3回目の入札の際,被告Y1だけが2回目の最低入札価格から10億円もの減額していることから,本件工事につき,被告らの間で受注予定者が決定されてはいなかったと主張する。 しかし,φは,3回目の入札が,今回の入札参加者間における入札者を決めるための最後の機会であると認識していたところ(φ34頁,37頁,2回目の入札の結果,原告の設定していた入札予定価格は被告)Y1の予想より低いことが分かったため,3回目の入札において確実に原告の設定した入札予定価格を下回るように大幅に減額して入札したにすぎないと考えることもでき,本件工事につき,被告らの間で,あらかじめ受注予定者が決められていたとする前記認定を妨げるものとはいえない。 (ウ) また,被告らは,不法行為として談合の事実を主張するには少なくとも,談合の日時,場所,回数等の概括的な特定及び具体的な談合内容の確定が必要であり,そのような特定すらない原告の主張は失当であると主張する。 しかしながら,談合が不法行為とされるのは,一定の取引分野においてその競争を実質的に制限することにより強い違法性が認められることによるものであり,そのような違法性の実質的要素を把握できるのであれば談合の形成過程について日時場所をもって具体的に特定する必要はなく,また,談合が,通常秘密裡に行われるものであり,当事 られることによるものであり,そのような違法性の実質的要素を把握できるのであれば談合の形成過程について日時場所をもって具体的に特定する必要はなく,また,談合が,通常秘密裡に行われるものであり,当事者以外の者が談合に関する具体的事実を容易に知りうるものではなく,原告に対し,談合の形成過程の主張立証を求めることは著しい困難を強いるものであることなどにかんがみれば,形成された結果としての談合の存在自体が主張立証されれば足りるというべきである。 したがって,被告らの上記主張は採用することができない。 () 本件談合の存否のまとめ ,,,以上のとおり被告らは本件工事につきあらかじめ受注予定者を決定しその決定に従って入札手続が行われた結果,被告Y1が落札したものと認められ,かかる被告らの本件工事に係る受注調整行為は本件工事の発注者である原告に対する不法行為に当たる。 損害(争点( )) ( )ア本件談合により,被告Y1は,本来他の入札参加者との健全な競争関 係を経て決定されるはずの入札価格について,同競争関係に影響されることなく,自社の利益を最大限にするために,原告が定めた予定価格に近接した価格で入札することが可能となったものであり,現に,本件工事の落. 。 ,,札率は9655%と高率なものとなっているそして本件談合により上記健全な入札競争を経て落札者が決定された場合に比して,落札価格が高額なものになったものと認められる。 したがって,上記競争が行われた場合に形成されたであろう想定落札価格を前提とした契約金額と本件入札の落札金額との差額が,原告の被った損害ということができる。 イ被告Y1は,落札価格は,発注者が適正・妥当と判断した入札予定価格内に収まっているのであり,仮に入札予定価格と同額であったとしても,発注 札金額との差額が,原告の被った損害ということができる。 イ被告Y1は,落札価格は,発注者が適正・妥当と判断した入札予定価格内に収まっているのであり,仮に入札予定価格と同額であったとしても,発注者に損害を与えたことにはならないと主張する。 しかし,指名競争入札は,資力,信用その他について適切と認める特定多数の業者を指名し,指名業者間で競争させ,発注者に最も有利な条件を提示した入札者と契約を締結する方式であり(甲A31,34,指名業)者間での競争により経済性を発揮させ,可能な限り低額で工事を発注することができるという特質を有し,発注者としてもその利益を有しているというべきである。そうすると,指名業者間の受注調整行為は,上記利益を害する結果となるのであるから,たとえ,発注者が入札予定価格を決定しているとしても,原告の上記利益に相当する部分について損害の発生が否定されるものとはいえない。 したがって,被告Y1の上記主張は採用することができない。 ( )アしかしながら,想定落札価格は,現実には存在しない価格であり,当 該工事の種類,規模,場所及び内容,入札当時の経済情勢及び各社の財務状況,当該工事に係る入札参加者の数,地域性等,多種多様な要因が複雑に影響して形成されることとなるため,同価格を証拠によって認定することは極めて困難といわざるを得ず,民事訴訟法248条に基づき,相当な損害額を認定するのが相当である。 イそこで,損害額について検討するに,原告は,本件工事の落札率96. 55%と,審決対象期間において,同種の指名競争入札により発注された物件のうち談合が認められずかつアウトサイダー受注に係る各物件別,,(紙2番号7,8,12,16,23,25,30,37,42,46,48,52,63~65,68~72,78)の平均落札率である 件のうち談合が認められずかつアウトサイダー受注に係る各物件別,,(紙2番号7,8,12,16,23,25,30,37,42,46,48,52,63~65,68~72,78)の平均落札率である89.76%との差を基に算出した16億5051万3200円(243億0800万円×(96.66%-89.76%)が原告に生じた損害額である)と主張する。 しかし,前記のとおり,当該工事の種類などによって想定落札価格は大きく変動し,原告主張の平均落札率算定の対象となる各工事契約においても落札率の差異が極めて大きい(別紙番号12の物件は52,32%であり,同23の物件は100%である)など,当該工事の個別事情を一切。 考慮することなく想定落札率を算定することはできず,原告の主張をそのまま採用することができない。もっとも,多数の物件を集約した平均落札率は,多数の個別事情の集約でもあり,それを損害額算定の考慮要素とすること自体の相当性は完全に否定されるものではない。 被告Y1の辛は,本件工事における1回目の入札金額である248億円につき粗利益率10%弱(管理費等を控除する前)を見込んでいたとしているが(辛38頁,40頁,41頁,同人は,本件工事に係る談合の事)実を否認しており,それを前提として談合がない場合の一般的な利益率を供述しているとうかがわれ,他方談合は,他の競争関係に影響されることなく,自社の利益を最大限にするために行うものであることからすれば,1回目の入札の段階で見込んでいた利益率は上記利益率より相当程度高率であったと考えるのが相当である。そして,実際に本件工事の落札率は96.55%と高率となっていること,上記アウトサイダーによる平均落札率は89.76%であり,本件工事の落札率との差が6.79%であること,審決対象期間より後に地方公 して,実際に本件工事の落札率は96.55%と高率となっていること,上記アウトサイダーによる平均落札率は89.76%であり,本件工事の落札率との差が6.79%であること,審決対象期間より後に地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の平均落札率は91.9%,そのうち被告らが受注した工事の平均落札率は90.1%,アウトサイダーが受注した工事の平均落札率は95.2%であったこと(前記第2の1( )ウ(イ) , )他方で,本件工事の入札手続は,3回目の入札まで行われ,被告Y1は,1回目から3回目の間で計12億円の減額をして入札し,特に3回目の入,,札においては2回目の入札金額と比較して10億円下げていることなど本件の一切の事情を考慮して,損害額は契約金額の5%に相当する金額と算定することとする。 ウしたがって,原告に生じた損害額は,契約金額243億0800万円の5%に相当する12億1540万円と認める。 エなお,原告は,被告Y1が,最終の入札価格236億円で落札した場合にも,少なくとも10%の利益(23億6000万円)を確保できたとして,同額を同社から剥奪する必要があり,原告の請求額は,これを下回ることから,原告の主張する損害額は合理性を有すると主張するが,そもそも,原告の主張するような懲罰的な損害賠償請求が認められると解することができないし,たとえ上記場合に10%の利益があったとしても,プラントメーカーとしては一定程度の利益確保を目的として工事を受注するため,10%に相当する額をすべて因果関係ある損害ということはできないことは明らかである。 したがって,原告の上記主張は採用することはできない。 ( ) なお,原告は,本件契約時からの遅延損害金の支払を求めているものの, 原告に損害が発生するのは,本件 とはできないことは明らかである。 したがって,原告の上記主張は採用することはできない。 ( ) なお,原告は,本件契約時からの遅延損害金の支払を求めているものの, 原告に損害が発生するのは,本件契約に基づいて,その代金額から前記損害額を控除した額を超える金額が支払われた時点と解すべきである。 そして,前記のとおり,本件における損害は12億1540万円であり,本件契約の代金額243億0800万円から同額を控除した230億9260万円を超える額が原告から被告Y1に支払われたのは,平成10年4月30日(超過額は12億1540万円)の時点であり,その時点で原告に同額の損害が発生したものと認められ,被告らは,原告に対して,同日からの遅延損害金の支払義務を負う。 以上によれば,被告らは,原告に対し,連帯して民法709条に基づく損害賠償金12億1540万円及びこれに対する平成10年4月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務を負うこととなる。 第4 結論 よって,原告の請求は,主文第1項の限度で理由があるから,その限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第10部裁判長裁判官戸田久裁判官河村隆司裁判官坂野好英[別紙1及び別紙2の添付省略]

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