昭和49(行ウ)1 行政処分差止請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和54年3月30日 新潟地方裁判所 警察関係
ファイル
hanrei-pdf-17584.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】○ 主文 原告両名の請求をいずれも却下する。 訴訟費用は原告両名の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 原告ら 1 被告は定期航空運送業者に対し新潟空港において計器進入による離着陸をす

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文29,225 文字)

○ 主文原告両名の請求をいずれも却下する。 訴訟費用は原告両名の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告ら 1 被告は定期航空運送業者に対し新潟空港において計器進入による離着陸をする最大の離着陸滑走路長一、九〇〇メートルをこえる航空機を機材とする事業計画を認可してはならない。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二被告 1 本案前の答弁主文同旨 2 本案の申立に対する答弁(一) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (二) 訴訟費用は原告らの負担とする。 第二当事者の主張一原告らの請求原因 1 (一)被告は空港整備法に基づき、新潟市<地名略>(標点位置北緯三七度五七分七秒、東経一三九度七分九秒、標高〇・八一メートル)に新潟空港を設置しこれを管理している。 (二) 被告は航空法(以下単に法という)五五条の二第二項、四六条に基づき昭和四七年九月二五日運輸省告示(以下単に告示という)第三六一号をもつて新潟空港の着陸帯Bの長さを二、〇二〇メートル、等級をC級、滑走路Bの長さを一、九〇〇メートルに変更して、同年一〇月一日から供用することを告示した。 (三) 被告はまた法九九条に基づき、同年五月二〇日ノータム第四三、第四四号により、同年六月一五日から、新潟空港にILSの運用開始を行うとの航空情報を提供した。 2 ところで被告は、昭和四八年五月三一日訴外日本航空株式会社に対して法一〇一条二項に基づき、新潟-ハバロフスク間、運航開始予定期日同年六月一五日、使用機型式ボーイング七二七-一〇〇とする路線免許を、同年五月三一日法一〇九条に基づき、訴外全日本空輸株式会社に対して、休止中の新潟-札幌間を同年六月一五日から毎日一往復便、ボーイング七二七-一〇〇型およびYS-一一機を使用して運航する旨の、同年五月三一日法一〇九条に基づき、訴外東亜 外全日本空輸株式会社に対して、休止中の新潟-札幌間を同年六月一五日から毎日一往復便、ボーイング七二七-一〇〇型およびYS-一一機を使用して運航する旨の、同年五月三一日法一〇九条に基づき、訴外東亜国内航空株式会社に対して、東京-新潟間に運航している航空機の機種を同年六月一五日からボーイング七二七-一〇〇型とする旨の各事業計画変更の認可を、同年六月七日訴外アエロフロートに対して法一二九条の三第二項に基づき、東京-ハバロフスク間のイリユウシン六二型による週一往復便の運航を、新潟-ハバロフスク間ツボレフ一五四型に変更する旨の事業計画変更の認可をそれぞれ与えた。 3 しかしながら右各行政処分は次のとおり、法一〇一条一項三号の審査にあたつて、適合しないものを適合すると判断したものでいずれも瑕疵のある行政処分である。 (一) 前記1(二)のとおり新潟空港の着陸帯Bの等級はC級であるから、計器着陸(精密計器進入)をする場合、航空法施行規則(以下単に規則という)七九条三号により着陸帯の幅が三〇〇メートル以上あることが必要である。 ところが新潟空港の着陸帯Bは一五〇メートルしかない。従つて新潟空港においては、計器着陸のための適法な施設がないにもかかわらず、前記2の各事業計画では、いずれの航空機も計器着陸によることを申請条件としている。 (二) 空港における重要な施設は、法ならびにその準拠する国際民間航空条約との付属書によつて厳正に規正されているが、その基準の決定は、離着陸する最大級の航空機の特性を満たすものでなければならない。 新潟空港の滑走路Bは前記1(二)のとおり一、九〇〇メートルしかない。 然るに、前記2の事業計画によれば、使用される各航空機は、YS一一型を除くほかすべてが、最大離陸滑走路長のいずれかが一、九〇〇メートルを超える特性があり、これらが離着 り一、九〇〇メートルしかない。 然るに、前記2の事業計画によれば、使用される各航空機は、YS一一型を除くほかすべてが、最大離陸滑走路長のいずれかが一、九〇〇メートルを超える特性があり、これらが離着陸することは、保安上の基準を著しく犯すこととなり許されない。 4 被告が前記第1項(二)の告示等をもつて新潟空港の施設を変更するに至つた理由は、日ソ航空協定に基づく局地間航路の一地点として新潟空港が選定され、その路線に使用される航空機に、日本側ではボーイング七二七-一〇〇型機が、ソ連邦側でもこれに準ずる特性の航空機が運行されることが予定されていたので、それに対応できる最低限度の施設、即ち計器用二、〇二〇メートルの着陸帯を設置する必要に迫られたからであつて、このことは公知の事実である。 しかるに被告は告示第三六一号をもつて右最低限度の施設すら完成にまで至らない状態で、右大型機の運行のために新潟空港の供用を開始した。従つて被告が今後前記2のように、新潟空港に計器進入する航空機の最大離陸滑走路長が一、九〇〇メートルをこえる新たな事業計画または変更申請に対し、免許ないし認可処分をなす可能性はきわめて強いものである。 5 よつて、原告らは被告に対し、請求の趣旨記載の裁判を求める。 二被告の本案前の抗弁 1 日本国憲法の制定に伴い、裁判所は、行政事件についても民事、刑事の事件と同様に審理裁判する権限を有するようになつたが、このことから直ちに行政に関して生ずる紛争のすべてについて裁判する権限を有するに至つたわけでないことは明らかであつて、そこには裁判制度の歴史的発達に由来する司法の実質的意義に基づく限界がある。 司法は、本来何が法であるかの判断をなし、法の具体的適用を保障する作用であるから、裁判所は、行政機関のなした判断及び行為の適法性を二次的に審査する権限 由来する司法の実質的意義に基づく限界がある。 司法は、本来何が法であるかの判断をなし、法の具体的適用を保障する作用であるから、裁判所は、行政機関のなした判断及び行為の適法性を二次的に審査する権限はこれを有するが、自ら行政庁に代つて行政行為をしたり、行政庁を監督するような権限は有しない。行政行為が行政権の権限に属せしめられているということは、それが単なる法律の執行作用でないことから、行政行為をなすべきかどうかについての第一次的判断権を行政機関に付与していることを意味するものにほかならない。 ところで、裁判所が行政庁に対し不作為すなわち事前の差止めを命ずることは、裁判所が行政監督権を行使することにほかならず、また、行政行為の事前差止め請求は、行政行為をなすべきか否かについての行政庁力第一次的判断権を奪うこととなり、日本国憲法が採用する権力分立制の基本的建前に抵触することとなる。このように裁判所の判断が窮極において行政権を侵害するに至るようなことがらについては、司法権が及ばないものと解さなければならず、ここに司法権の行政権に対する限界が存する。 よつて、行政庁である被告に対し行政行為の差止めを求める原告らの本件訴は、不適法なものとして、却下さるべきである。 2 原告適格の不存在本件訴えは行政庁の処分を将来にわたり禁止することを求めるものと解せられるから、原告となる者は当該処分によつて現に自らの権利(法律上の利益)を害されているか、または少くとも将来権利を害されるおそれのある者であることを要するものと思われる。 ところで被告がこれまでになした新潟空港にかかる事業計画の各認可処分によつて原告らが現に何らの権利も害されていないことは論ずるまでもない。そこで問題は原告らが本訴において事前の差止めを求めている処分(「事業計画の認可」)によつて原告ら にかかる事業計画の各認可処分によつて原告らが現に何らの権利も害されていないことは論ずるまでもない。そこで問題は原告らが本訴において事前の差止めを求めている処分(「事業計画の認可」)によつて原告らが将来権利を侵害される蓋然性があるといえるか否かであるが、そのような蓋然性はもちろん可能性すら全く存在しない。 すなわち原告A宅はB滑走路の西南にあつて滑走路端から三四〇メートル以上離れており、原告B宅はB滑走路の東方阿賀野川の対岸にあつて滑走路端から一三七〇メートル以上も離れている。 したがつて万一原告らの主張するごとき航空機がB滑走路をはみ出すような事故が起きたとしても原告らの生命、身体、財産に危険を及ぼすことはありえないのである(片側七五メートルの着陸帯をはみ出す事故例すら考えられない)。また滑走路Bの長さが一九〇〇メートルであることによつて原告らの生命、身体、財産に危険を生ずるごときことはおよそ考えられないのであつて、原告らのいう危険は杞憂の域を出ないものである。 なお、原告らがそれぞれ転移表面および進入表面の投影面下に居住していることが原告適格を認める根拠となり得ないことは、航空法が転移表面又は進入表面の上に出るものの設置等を禁ずる(同法四九条)だけで、その下については何らの規制を加えていないことからも明らかである。 3 以下のとおり、新潟空港において計器進入方式を採用していること、性能上、最大離着陸滑走路長一九〇〇メートルをこえる航空機を同空港に離着陸させることは、なんら違法ではなく、行政庁の第一次判断権を排除するほど原告らに差し迫つた危険を与えているわけでもないので、行政庁たる被告の第一次判断権を一般的に奪うこととなる本件訴えは、不適法なものとして、却下されるべきである。 (一) 新潟空港の着陸帯の幅が一五〇メートルであるにもかかわら 与えているわけでもないので、行政庁たる被告の第一次判断権を一般的に奪うこととなる本件訴えは、不適法なものとして、却下されるべきである。 (一) 新潟空港の着陸帯の幅が一五〇メートルであるにもかかわらず、前記ノータムにより計器進入方式を採用しているのは、以下のとおり規則七九条三号にいわゆる特別の理由が存在するからであつて、同措置にはなんらの違法も存しない。 (1) 新潟空港着陸帯Bは、運輸省告示第三五九号(甲第二号証参照)によるいわゆる第二期工事を完了した状態にあり、その等級はC級である(等級の根拠については規則第七五条第二項参照)から、これを計器用として使用するには、規則第七九条第三号の規定により原則として三〇メートル以上の幅を必要とすることは原告らの指摘するとおりである。しかしながら、規則第七九条第三号が、特別の理由がある場合に例外的運用を許すものであることは、その文理上明らかである。 しかして、規則第七九条第三号にいう特別の理由とは、同号が滑走路等の設置基準を定めた目的からみてそれらの施設が右の基準に適合しないにもかかわらず客観的見地からこれを補う事情が存在し、航空機の航行の安全になんら支障を生じないことが明らかな場合をいうものと解すべきである。 (2) 新潟空港は、昭和四八年六月一五日から、九九条、一三七条一項、規則二四〇条一項三六号、二四〇条の二、二項に基づき東京国際空港長(航空情報課)から発せられた昭和四八年五月二〇日付ノータム(甲第八号証参照)により、計器進入方式(ILS)が採用されている。 (1) 記載の基準に照らすとき、本件着陸帯の幅は一五〇メートルであるから、これを右のように計器用に使用しうるためには、本来不足とするその余の一五〇メートル部分について補強条件の存在することが必要であるところ、その補強条件が存在することは次の は一五〇メートルであるから、これを右のように計器用に使用しうるためには、本来不足とするその余の一五〇メートル部分について補強条件の存在することが必要であるところ、その補強条件が存在することは次のとおりである。 (i) 一般に、計器着陸用施設を有する滑走路に計器進入着陸を許容する場合には、「計器飛行による進入方式・出発方式及び最低気象条件の設定基準」(四六・一二制定空航第一〇五号(内規))により、地上二〇〇フイートまで計器誘導がなされるものとされているが、前記ノータムによれば、新潟空港における計器進入は二五三フイートまでと制限し、新潟空港の状況に対する配慮が払われている。 ちなみに、二五三フイートと数値を高めた具体的理由は、当該航空機が、計器誘導により二五三フイートまで降下し、滑走路等が視認できない場合においても、安全十分な余裕をもつて進入復行の措置を講じうることを見込んだものである。 (ii) また、本件着陸帯は、実質的には、三〇〇メートルの幅を備えているとみることもでき、C級計器用着陸帯としての実体を相当程度に備えているものである。すなわち、本件着陸帯の用地は甲第六号証の写真のとおりの形状を備えており、北西隅部分において全面積に比すれば極めて僅かな三角状の地域が海面部分となつているものの、この部分を除けば、その幅は三〇〇メートルの地域を確保しており、しかも、その全域は全体的にみれば、おおよそ平担な地域であるから、万一の場合には三〇〇メートル幅の着陸帯としての不足部分を相当程度に補う効用を発揮しうるものである。 (iii) さらに、後記のとおり安全航行についての各般の配慮が法規上も事実上も払われていることに照らせば、新潟空港の着陸帯の幅が一五〇メートルとして供用されているとしても、新潟空港において計器着陸用施設による計器進入方式を採用す 全航行についての各般の配慮が法規上も事実上も払われていることに照らせば、新潟空港の着陸帯の幅が一五〇メートルとして供用されているとしても、新潟空港において計器着陸用施設による計器進入方式を採用することになんらの支障もない。このことは、航空機の航行に関与するものにとつては常識であり、航空関係者は、新潟空港の着陸帯の幅員が一五〇メートルであることをよく承知し、これに見合う航行方法により対処しうるものなのである。 (3) 新潟空港の着陸帯の幅が一五〇メートルであるにもかかわらず、前記ノータムにより計器進入方式を採用しているのは、前項のとおり規則七九条第三号にいういわゆる特別の理由が存在するからであつて、同措置にはなんらの違法も存しないのである。 (二) 新潟空港滑走路Bに最大離着陸滑走路長一九〇〇メートルを超える航空機を離着陸させても何ら違法はない。 (1) 新潟空港滑走路Bは、運輸省告示第三六一号(甲第五号証参照)により、昭和四七年一〇月一日から、長さ一九〇〇メートルとして供用開始されているものである。 (2) 原告らは、新潟空港の滑走路Bは一九〇〇メートルしかないから、これに最大離、着陸滑走路長が一九〇〇メートルをこえる航空機を離着陸させることは許されない旨主張するが、これは次のとおり失当である。 そもそも、滑走路長一九〇〇メートルの飛行場に、航空機の性能上、最大離、着陸滑走路長一九〇〇メートルをこえる航空機の離着陸を禁止する法律は存在しない。 のみならず、以下に述べるとおり航空機の離着陸は、当該飛行場の施設条件に対応して選定される航空機運航条件に合致するものだけが許容されるのであるから、原告らの主張は失当なものといわなければならない。 (3) (i)新潟空港の施設の具体的諸条件がいかなる状況にあるかは、国際民間航空条約三七条に基づく条約第一 致するものだけが許容されるのであるから、原告らの主張は失当なものといわなければならない。 (3) (i)新潟空港の施設の具体的諸条件がいかなる状況にあるかは、国際民間航空条約三七条に基づく条約第一五付属書記載の航空路誌を発することにより公表され、その状況の変更は、法九九号による情報の提供として公表される。 (ii) そして、当該航空機が特定の飛行場に離着陸するための安全措置としては、耐空証明制度及び運用限界等指定書の制度がもうけられている(法一〇条参照)。すなわち、航空機があらゆる用途、速度、重量等について耐空性があることを証明することは不可能であるので、耐空証明は航空機の用途、運用限界を指定して行なうものとされている(法一〇条三項)。 耐空証明を申請する者が申請書に添付すべき書類は、規則一二条の二、二項に定められているが、これによるぼう大な書類の中には、飛行規程があり(区分一〇六)、この飛行規程に記載すべき内容については、規則一二条の二、三項に定められ、同項二号には航空機の限界事項が定められている。さらに、法一〇条三項の規定をうけて、規則一三条に飛行規程の運用限界を指定することとなつている。 航空機の離着陸性能は、大気の状態(気温、風向風速等)、飛行場の標高等によつて大きな影響を受けるので、同一飛行場(同一滑走路長)であつても同じ重量で離着陸できるとは限らず、その性能上の限界も飛行規程の一項目とされている。従つて、使用する飛行場の滑走路長、標高、大気状態等の諸条件により算出される性能上の限界による離着陸重量(許容最大離着陸重量)以下の重量で離着陸を行なうことは安全上なんらの支障もない。また、航空機はその構造上の理由等から最大離陸重量等が定められているが、常に最大離陸重量で離陸する必要はない。つまり、航空機は最大有償搭載量(人数、貨物等) を行なうことは安全上なんらの支障もない。また、航空機はその構造上の理由等から最大離陸重量等が定められているが、常に最大離陸重量で離陸する必要はない。つまり、航空機は最大有償搭載量(人数、貨物等)が限定されているので、それ以上の搭載はできず、飛行の実施にあたつては最大搭載量に、法六三条、規則一五三条に定める燃料の量を搭載すれば足りるので、比較的飛行距離が短い場合は最大有償搭載量を積んでも最大離陸重量以下の重量で離陸することとなる。 前記耐空証明書の記載内容は規則一六条に、前記指定書のそれは同一三条に、それぞれ定められており、航空機は、これらに従つて空港設備等の諸条件に適合した航行により安全性を確保するものである。このことは、さらに、航空機の機長は、法七三条の二、規則一六四条の一六の規定により出発前に重量等を確認するように義務づけられており、限界事項をこえて飛行を開始することはできないものとされ、しかも、定期航空会社に対しては、運航管理者制度があり、国家試験による技能検定を受けた運航管理者の承認を受けなければ航空機を出発させてはならないものとされている(法七七条、七八条)ことにより担保されている。 (iii) 以上のような諸施策が、法規定の定めに基づき、あるいは事実上の要請から講じられているので、性能上、最大離着陸滑走路長一九〇〇メートルをこえる航空機を本件滑走路に離着陸させても、なんら違法はなく、航空機の安全と原告ら新潟空港住民の生命に差し迫つた危険をもたらすというようなことはありえない。したがつて、原告らの主張する危険なるものは、たやすくこれを肯認しうるものではなく、単なる杞憂の域を出ないものである。 三請求原因に対する認否 1 請求原因第1項(一)ないし(三)の事実は認める。 なお「ILS」はInstrumentLandingSy 肯認しうるものではなく、単なる杞憂の域を出ないものである。 三請求原因に対する認否 1 請求原因第1項(一)ないし(三)の事実は認める。 なお「ILS」はInstrumentLandingSystem 計器着陸用施設の略称であり、同施設は空港内などに設置し航空機が空港に進入、着陸する際、航空機の降下進入路および滑走路端より一定距離の地点を機上の指示器に表示し、着陸を援助するものである。 2 請求原因第2項の事実は認める。 3 請求原因第3項の冒頭の主張は争う。 (一) 同項(一)の事実のうち、規則七九条三号において、計器用C級の着陸帯Bの幅は、特別の理由があると認められる場合を除き、三〇〇メートル以上と定められていること、新潟空港の着陸帯Bの幅は一五〇メートルであることは認めるが、その余は争う。 (二) 同項(二)の主張は争う。 4 請求原因第4項の事実のうち、日ソ航空協定に基づき、ハバロフスクとの間に貨物および旅客の航空運送業務を開始するため、日本国内の一地点として新潟空港が選定されたことは認めるが、その余の事実は否認する。 四被告の本案前の抗弁に対する原告らの反論 1 本案前の抗弁第1項は争う。 本件訴は違法な行政行為により現在でも継続している違法な状態が排除されるまでの間、被告の為そうとする行政処分を差止めるよう求めているだけあつて、適法な条件のもとに被告の行うすべての行政処分について、それらの一次的な判断を司法権によつて為すことを求めるのではない。 日本国憲法は、国会、内閣、裁判所に、三権を分立して行使させているが、これらの国家機関の間の相互抑制と均衡保持の面から、その権限の相互的な重複をも認めている。即ち三権分立は、あくまで原則であつて、必ずしも厳格なものではない。 ことに行政官僚が強大な独自の勢力を誇示して存在し、それがますま の相互抑制と均衡保持の面から、その権限の相互的な重複をも認めている。即ち三権分立は、あくまで原則であつて、必ずしも厳格なものではない。 ことに行政官僚が強大な独自の勢力を誇示して存在し、それがますます拡大される傾向が顕著な現状にあつては、三権分立論は、立法機関である国会の権限を不当に抑制し、行政権に対する司法的な統制を不当に制限するためには、理論としては有効な根拠であろう。しかし、国民の生存権が侵されるおそれのある行政行為さえも、その作用結果を見た上でなければ、行政庁を監督する機能が、国家機関の中にないという理論は誤りである。行政客体であり、かつ、主権者である国民の立場からすれば、かかる場合を限定して、裁判所がその適法性を一次的に審査する権限を有することを、至当と認め、その行使を期待している。 行政は、すべて法規に適合し、かつ、公益を実現すべきものでなければならない。 それのみか、法に欠くるところあればそれを補い、足らざればそれを満たすための権限を行政庁は保有している。それを、いやしくも、法令に違反し、このため、行政客体の権利や利益が侵害されることはあつてはならない。ところが被告は請求原因第2項のように違法な行政処分を行つてきた。かかる違法な行為が行政庁たる被告によつてなされた事情から、新潟空港の施設が適法な条件を満たすに至るまでの間、この種の行政処分は裁判所の判断によつて差止めることが、法治主義のもとにおいては当然に必要なことである。 原告らは本件の訴えにより、被告の違法な行為によつて生ずるおそれのある原告らの損害を予防せんとするために、事前に被告の不作為義務を確認せんとするものである。 行政行為による国民の権利侵害の蓋然性が、緊急明白である本件において、すでに侵害を受けている原告らの利益は重大でかつ償うべからざる性質である実情にかんが 告の不作為義務を確認せんとするものである。 行政行為による国民の権利侵害の蓋然性が、緊急明白である本件において、すでに侵害を受けている原告らの利益は重大でかつ償うべからざる性質である実情にかんがみ、事後の損害の拡大を防止するには、差止めによるほかその途はない。 以上により、被告が本案前に本件訴を却下する旨を申立てるのは失当である。 2 本案前の抗弁第2項は争う。 3 同第3項の冒頭の主張は争う。原告らが緊急に不作為を求める必要性は次のとおりである。 (一) 法は、一条で「航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め」と示しているが、右の「航空機の航行に起因する障害」を受けるものとは、単に乗客または搭載貨物等だけではなく、飛行場の施設や航空路の範囲内にある人命、財産、生活などもその対象となるものである。 そして、これらのものに、障害を与えることなく、かつ安全が保障されるために、「障害の防止を図るための方法を定め」たものが法なのである。 原告Aは、新潟空港の施設たる転移表面の、原告Bは、進入表面のそれぞれの投影面に含まれる区域に居住している。 (二) そして、原告らは一面右によつて法による私権を制限を受けると同時に「国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続きに準拠して」航空機の安全が確保され原告らの安全が確保されることが法によつて担保されているのである。 (三) ところで航空機の航行と附近住民の安全性とは如何なる点において接点を見付けるべきであろうか。航空機については、前述したように一〇〇パーセントの安全が確保されねばならないし、一度、その事故が発生した時には重大な被害を生ずることは必至であるので住民は被告に対し一〇〇パーセントの安全を要求できるし、その安全性のない時は耐えず、生 パーセントの安全が確保されねばならないし、一度、その事故が発生した時には重大な被害を生ずることは必至であるので住民は被告に対し一〇〇パーセントの安全を要求できるし、その安全性のない時は耐えず、生命、身体、財産の危険にさらされていると云つてよい。 よつて、航空機の航行の安全とは現在安全に飛行しているから安全であるとの論理は通らないことは云うまでもない。ところが、法並びに規則の規定している基準の如きは、国際機構並びに国が一〇〇パーセントの安全を確保するための最低の基準と考えたものであり、その結果、右基準に達しない時は一〇〇パーセントの安全性が確保されていないことになることは云うまでもない(着陸帯の巾、滑走路の距離等は単なる飛行の安全に留まらず、高速化した航空機の場合は附近住民の安全のための施設と云えることは云うまでもない)。 よつて、原告らとしては、右基準に達しない飛行場が現に使用されていることを証明することによつて、原告らに保障された安全性が確保されていないこと、その結果、計器飛行機の発着の度に何パーセントかの生命、身体、財産に危険を蒙つていることを証明したことになるのである。 (四) 請求原因第2項記載の各行政処分によつて、前記訴外四社が事業計画どおり、定期航空運送事業を営むことにより、原告らは新潟空港に離着陸する航空機の騒音のため、不当にも静穏な個人生活を営む権利ならびに所有権または占有権に基く電波障害等を排除する権利を害されてきた。すなわち、新潟県ならびに新潟市が、昭和四八年七月、新潟空港周辺の航空機騒音測定を実施した結果によると、次のとおりである。 場所 dB(A) WECPNL(N=5)<地名略> 一〇〇 八〇<地名略> 六六七〇<地名略> 九一七一<地名略> 八九六九<地名略> 七六五六<地名略> 六一四 おりである。 場所 dB(A) WECPNL(N=5)<地名略> 一〇〇 八〇<地名略> 六六七〇<地名略> 九一七一<地名略> 八九六九<地名略> 七六五六<地名略> 六一四一 4 (一)本案前の抗弁第3項(一)の冒頭の主張は争う。 そもそも規則七九条の「特別の理由がある」ということをもつて、施設が基準に達しないのに、これをおぎなう「特別の理由」を示すと考えることは誤りである。 航空機のように高速で運行され、事故が起これば一瞬にして大事故になることが明らかな場合、規則で定める基準は国が最低限度必要と考えて定めた基準であり、右基準は空港開設の基準となるものであるからこれが例外は厳しく考えるべきであり、右特別の理由とは施設の瑕疵が軽微である等のごく例外の場合を示すのみだというべきである。そして右「特別の理由」は設置、公示の段階で明らかになつている必要があり(法五五条の二、三八条三項)、公聴会の段階(法五五条の二、三九条二項)で「特別の理由」は明らかにされていなければならない。 そもそも被告たる運輸大臣は、飛行場を設置しまた施設を変更する場合、法三九条一号、二号、五号の基準に従つてこれをなすことが必要であり(法五五条の二)、この場合法三九条二項(公聴会)、法四〇条(公共用飛行場の告示)の準用がある(法五五条の二)。 ところで被告は、昭和四六年一〇月九日付官報で、新潟空港の施設のうち着陸帯Bの長さを第三期において二、一二〇メートルに、幅員を三〇〇メートルに施設変更し、供用開始予定期日を昭和四八年六月一日とする旨告示した(運輸省告示第三五九号)。 すなわち新潟空港は、右告示どおりに施設変更が完了し、供用開始できるものとして告示したのであり、これが変更についても法四〇条ならびに法四六条に基づく告示をなすべき義務あるにもかかわらず、 九号)。 すなわち新潟空港は、右告示どおりに施設変更が完了し、供用開始できるものとして告示したのであり、これが変更についても法四〇条ならびに法四六条に基づく告示をなすべき義務あるにもかかわらず、被告は故意になさなかつたのであつて、前記のようにその瑕疵は非常に大きいといわなければならない。 (二) 本案前の抗弁第3項(一)(1)の事実のうち、新潟空港着陸帯Bの等級がC級であることは認めるが、その余は争う。 (三) 同項(一)(2)の事実のうち、新潟空港は昭和四八年六月一五日から、同年五月二〇日付ノータムにより、計器進入方式(ILS)が採用されていることは認めるが、その余は争う。 被告の主張する(i)(ii)(iii)の事由はいずれも規則七九条三号の「特別の理由」にあたらない。 (四) 同項(一)(2)(i)の主張は争う。 そもそも計器に誘導された航空機が、二〇〇フイートまで誘導されようと、二五三フイートまで誘導されようと、わずか五三フイートの差では安全に無関係であつて、着陸帯の欠陥が補完されるという性質のものではない。 (5) 同項(一)(2)(ii)の主張は争う。 着陸帯の目的は、法二条五号の定義からも明らかなように、航空機が着陸に失敗して復行したり、滑走路を逸脱した場合にその安全を確保するために設けられたものであるし、航空機が滑走路を逸脱した場合、着陸帯の強度不足により航空機により大きな損傷を与えない強度を有する必要がある。そのために、規則七九条三号によつて、最大縦断・横断こう配も規定されている。よつて着陸帯は、右目的にそつた機能と設置基準を満たしていなければならない。 しかるに被告は、着陸帯Bの北西隅部分はおおよそ平担で、実質的に三〇〇メートルの幅員を備えていると主張するが、この部分は標高四・五メートル(新潟空港の標点は〇、八一メートル していなければならない。 しかるに被告は、着陸帯Bの北西隅部分はおおよそ平担で、実質的に三〇〇メートルの幅員を備えていると主張するが、この部分は標高四・五メートル(新潟空港の標点は〇、八一メートル)の防潮提で遮断され、その北側部分は海中に没しており、さらに南側内陸部分は、滑走路の築上と高低差二~三メートル以上の沼沢地(石油廃棄物の溜池)を包括しているので、航空機がひとたび右部分に突つ込んだ場合には重大な惨事を引きおこすことは必至である。 (六) 同項(一)(2)(iii)の主張につき、航空関係者が着陸帯に欠陥のあることを承知しているとの主張が法律的には無意味であることは、航空関係者が飛行場の欠陥を知つてさえいれば、欠陥のある飛行場の使用も許されるというに等しい結果を生ずることからも明らかである。 法が空港について種々の基準、規定をおき、被告の審査(法三九条)を認めているのは、現在の航空技術を駆使して航空の安全について十分注意していてもなお、航空機材等の関連からして右基準をみたさない限り安全が保障されないからであり、右欠陥等を航空機運行者の注意力に転嫁することは許されない。それだからこそ国も種々の設置基準を作り、公聴会の開催を義務づけ(法三九条二項)、当該飛行場又は航空保安施設の位置、構造等の設置の計画が運輸省令で定める基準に適合するものであるか否かを審査すべきこととなつている(同条一項)のである。 5 (一)被告の本案前の抗弁第3項(二)の冒頭の主張は争う。 (二) 同項(二)(1)の事実は認める。 (三) 同項(二)(2)の主張は争う。 (四) 同項(二)(3)の主張につき、本件では空港施設の基本である滑走路Bおよび着陸帯Bの欠陥が住民の生命に直接かかわることとして争つているのであり、空港の地上設備としては、これらが最も重要な機能であるこ 同項(二)(3)の主張につき、本件では空港施設の基本である滑走路Bおよび着陸帯Bの欠陥が住民の生命に直接かかわることとして争つているのであり、空港の地上設備としては、これらが最も重要な機能であること明らかである。 ところが、国際条約第一五付属書により定められるAIPには滑走路Bは一、九〇〇×四五メートルと表示されているだけである。このことは計器用であること明らかなため、着陸帯の幅は、必然的に横に三〇〇メートル延長されているとの誤解を与えることとなる。 また法九九条に基く情報の提供も規則二〇九条の二第2号に定める飛行場における障害については、被告の認めるところである着陸帯の欠陥などについて情報として提供されたことはない。 (五) 同項(二)(3)iiの主張につき、被告は「耐空証明」さえも新潟空港の地上施設の欠陥の補充条件にしようとするが、これは明らかに誤りである。 航空機の航行の安全は、耐空証明あり整備された航空機を、有能な航空従事者が、安全な航空路を、正確な航空保安施設に頼つて運行し、適法に完備した飛行場に離着陸することによつてはじめて確保できるものであり、被告の主張は失当である。 ことに新潟空港は国際線が乗り入れている。それに就航する機材は外国籍であり、その耐空証明は被告の権限の及ぶところではない。そのゆえにこそ、空港施設は、規則七九条の基準で「以上」になるような、ゆとりある施設を保つてこそ、安全は、はじめて確保される。 (六) 同項(二)(3)iiiの主張は争う。 被告は、法五五条の二、二項、第四〇条に基づき、昭和四六年一〇月九日告示第三五九号をもつて、新潟空港の着陸帯Bの長さを二、一二〇メートル、幅三〇〇メートルに変更を加えることとし、供用開始の予定期日を昭和四八年六月一日とする旨告示した。被告は、右計画の際、新潟空港の航空旅客、貨物の もつて、新潟空港の着陸帯Bの長さを二、一二〇メートル、幅三〇〇メートルに変更を加えることとし、供用開始の予定期日を昭和四八年六月一日とする旨告示した。被告は、右計画の際、新潟空港の航空旅客、貨物の需要、就航機材たる航空機の種類、就航便数を総合的に考え、法並びに規則や航空機の安全のため、必要と思われる最低の諸施設を決定し、そのための最低の安全施設内容を告示し、昭和四八年六月一日から供用開始しようとしたものである。 よつて被告運輸大臣こそ、新潟空港とそれを利用する航空機材の就航による安全について計画段階で最もよく知つていたものというべきである。新潟空港が被告以外の者の設置した空港であれば、被告は法四八条により、申請書に記載した計画や法三九条一項一号による基準に適合させるための措置を命じ、その命令に従わなかつた時は自らの権限で設置の許可を取消し、又は期間を定めて飛行場の全部若しくは一部の供用の停止を命ずる権限者なのである。 そして被告はこれらの権限が付与されているのも、空港の施設そのものが乗客並に付近住民の生命の安全に深い直接的な関連を有しているからである。 一方被告が設置した空港についてはそのような欠陥を補正するための法規がない理由は、監督者たる被告自らがそのような違反をする筈はないと法制定者が考えたためであり、被告がその外のものが設置した空港については取消、供用の停止を命じ得、かつ国民の生命と深いかかわり合いを持つ法規を一切無視して、敢えて基準や公示内容に反する空港を供用している場合、生命の安全をおびやかされる国民の一人として本件訴を提起し維持できることは当然というべきであるし、そのような法規違反をして裁量の範囲であると主張することは許されない。 右のように被告自ら予定した航空機材の運行にあたつて、二、一二〇メートルの着陸帯の必要なことを認 ることは当然というべきであるし、そのような法規違反をして裁量の範囲であると主張することは許されない。 右のように被告自ら予定した航空機材の運行にあたつて、二、一二〇メートルの着陸帯の必要なことを認めている。 また航空局建設課長も編集に関与している財団法人航空振興財団の編集した「飛行場概論」も「空港規模の基本となる滑走路長決定について述べたい」としてB-七二七の滑走路長を二、〇〇〇メートルないし二、五〇〇メートルとしている。この点被告はiiにおいて航空機の離着陸性能は、大気の状態、標高、離着陸状況により左右されると主張するが、右「飛行場概論」はそれらの滑走路長を補正する要素を加味しつつ滑走路長の基準を作成し、B-七二七は二、五〇〇メートルをして滑走路長の基準としているのである。 すなわち被告は、航空機の特性と滑走路の規模とが相関関係にあることを判断し、右基準を作り審査し、右基準に合格したもののみに就航を実際は許可しているのであるが、新潟空港については自ら定めた基準を破り法に違反して就航を許可している。 五被告の再反論 1 原告らの反論第3項(一)ないし(三)の事実のうち、原告Aが新潟空港の転移表面の、原告Bが同空港の進入表面の投影面に含まれる地域に居住していることは認め、その余は争う。 なお進入表面、水平表面、転移表面の定義は次のとおり(別紙説明図参照)。 「進入表面」とは、着陸帯の短辺に接続し、かつ水平面に対し上方へ五〇分の一以上で運輸省令で定める勾配を有する平面であつて、その投影面が進入区域と一致するものをいう。これは航空機が離陸直後又は最終進入の際の直線飛行の安全を確保するため必要な平面で、この平面の上に出る高さの物件の設置は制限される(法二条七項、四九条)。 「水平表面」とは、飛行場の標点の垂直上方四五メートルの点を含む水平面のう 入の際の直線飛行の安全を確保するため必要な平面で、この平面の上に出る高さの物件の設置は制限される(法二条七項、四九条)。 「水平表面」とは、飛行場の標点の垂直上方四五メートルの点を含む水平面のうち、この点を中心として四、〇〇〇メートル以下で運輸省令で定める長さの半径で描いた円周で囲まれた部分をいう。これは航空機が離着陸のための場周経路の飛行および上昇施回等のための低空飛行を安全に行うため必要な平面で進入表面同様この平面より上に出る高さの物件の設置は制限される(法二条八項、四九条)。 「転移表面」とは、進入表面の斜辺を含む平面および着陸帯の長辺を含む平面であつて、着陸帯の中心線を含む鉛直面に直角な鉛直面との交線の水平面に対する勾配が進入表面又は着陸帯の外側上方へ七分の一(ヘリポートにあつては、四分の一以上で運輸省令で定める勾配)であるもののうち、進入表面の斜辺を含むものと当該斜辺に接する着陸帯の長辺を含むものとの交線、これらの平面と水平表面を含む平面との交線及び進入表面の斜辺又は着陸帯の長辺により囲まれる部分をいう。これは航空機が離陸時においてエンジンが不作動となつた場合および着陸のための進入を継続することが不得策となり進入復行を行う場合の安全を確保するため必要な平面で、進入表面同様この平面より上に出る高さの物件の設置は制限される(法二条九項、四九条)。 2 同項四の事実は否認する。ただし原告ら主張の数値が、新潟県及び新潟市が実施した「新潟空港周辺の航空機騒音測定結果」として、昭和四八年七月発表された資料中の表6-I「新潟空港周辺の航空機騒音測定結果(慣熟飛行騒音)」の着陸の測定地点の一部である8(<地名略>)、10(<地名略>)、12(<地名略>)、14(<地名略>)15(<地名略>)、16(<地名略>)の各地点におけるdB(A)及び 結果(慣熟飛行騒音)」の着陸の測定地点の一部である8(<地名略>)、10(<地名略>)、12(<地名略>)、14(<地名略>)15(<地名略>)、16(<地名略>)の各地点におけるdB(A)及びWECPNL(N=5)欄に記載されている数値であることは認める。 第三証拠(省略)○ 理由一本案前の抗弁第1項及び第3項(本件訴の適否)について。 被告は本件訴を不適法としてその却下を求めるが、その趣旨は、被告に対し、被告が行政行為(事業計画の認可処分)の第一次的判断権を行使する前において、当該行政行為の差止めを求める本件訴は、裁判所をして被告に対する行政監督権を行使することを求めるに等しく、憲法の採用する三権分立の基本的建前に抵触し許されない、というにある。 そこで検討するに、現行憲法において裁判所(司法権)が行政事件に関する裁判権を有するに至つたけれども、このことは裁判所が一定の行政行為をすること、又はしないことを命じて行政権に対する一般的監督権を有するに至つたとか、一定の行政行為をして自ら行政権を行使する機関となつたことを意味するのではなく、三権分立の原則に照らし、行政権を発動するかしないかは、行政権を委ねられた行政庁においてまず、決定すべき事柄であつて、裁判所の行政事件に対する裁判権は、原則として、行政庁のかかる決定の後において、その決定が適法かどうかを判定する事後審査の限度にとどまるべきであると解すべきである。行政事件訴訟法三条の規定が原則として行政庁の第一次判断権が行使された後にそれが違法であるかどうかを再審査する旨定められているのもこの趣旨によるものである。 もつとも右法案も国民の権利、利益を行政権の違法な侵害から守るために必要不可欠である限り、必ずしも同法条に定める(法定)抗告訴訟形式のほかの訴訟形式を全く否定していないと この趣旨によるものである。 もつとも右法案も国民の権利、利益を行政権の違法な侵害から守るために必要不可欠である限り、必ずしも同法条に定める(法定)抗告訴訟形式のほかの訴訟形式を全く否定していないと解する余地があり、過去に同種行政行為がなされ、将来もこれを継続することが明らかでこれにつき改めて行政庁の判断を経由するまでもなく、その第一次判断権がすでに行使されたに等しい状況にある場合とか、行政庁が一定の行為をなすべきことが法律上覇来されていて、国民より求められている行政行為をなすべきかどうかについて行政庁の第一次判断を重視する必要がない程度に明白である場合において、当該行政行為を事前に司法審査しなければ国民の権利救済が得られず回復し難い損害が生ずるというような緊急の必要性があると認められる場合は行政庁に対し、行政行為についての作為又は不作為を求める訴訟ないし行政行為をなすべき義務又はなすべからざる義務の確認を求める訴訟も許されると解すべきである。 二そこで、本件について、原告らに緊急の必要性があるか否かについて検討する。 原告らは、新潟空港の着陸帯Bの幅及び滑走路Bの長さが航空法(以下法と称す)及び同法施行規則(以下規則と称す)の規定する安全基準に達していないので、同空港に離着陸する航空機の安全な航行が一〇〇%保障されておらず、ひいては同空港周辺に居住する原告らの生命、身体、財産に差し迫つた危険を与えていると主張する。 1 検証の結果及び弁論の全趣旨によれば、原告Aは新潟空港の着陸帯Bの南西隅(別紙略図の(ロ)点)から西南西へ約三六〇メートル先に、原告Bは同空港の着陸帯Bの南東隅から東方へ約一、三六〇メートル先にそれぞれ居住する同空港周辺の住民であつて、原告Aは同空港の転移表面の、原告Bは同空港の進入表面の投影面に含まれる地域にそれぞれ 、原告Bは同空港の着陸帯Bの南東隅から東方へ約一、三六〇メートル先にそれぞれ居住する同空港周辺の住民であつて、原告Aは同空港の転移表面の、原告Bは同空港の進入表面の投影面に含まれる地域にそれぞれ居住しているので、法四九条により一定の高さ以上の物件の設置を制限されていることが認められ、右認定に反する証拠はない。 2 次の事実は当事者間に争いがない。 (一) 被告は空港整備法に基づき、新潟市<地名略>(標点位置北緯三七度五七分七秒、東経一三九度七分九秒、標高〇、八一メートル)に新潟空港を設置しこれを管理している。 (二) 被告は法五五条の二第二項、四六条に基づき、昭和四七年九月二五日運輸省告示(以下単に告示という)第三六一号をもつて新潟空港の着陸帯Bの長さを二、〇二〇メートル、等級をC級、滑走路の長さを一、九〇〇メートルに変更して、同年一〇月一日から供用することを告示した。 被告はまた法九九条に基づき、同年五月二〇日付ノータム第四三、第四四号により、同年六月一五日から、新潟空港にILSの運用開始を行うとの航空情報を提供した。 (三) 被告が昭和四八年五月三一日訴外日本航空株式会社に対して法一〇一条二項に基づき、新潟-ハバロフスク間、運航開始予定期日同年六月一五日、使用機型式ボーイング七二七-一〇〇とする路線免許を、同年五月三一日法一〇九条に基づき、訴外全日本空輸株式会社に対して、休止中の新潟-札幌間を同年六月一五日から毎日一往復便、ボーイング七二七-一〇〇型およびYS-一一機を使用して運航する旨の、同年五月三一日法一〇九条に基づき、訴外東亜国内航空株式会社に対して、東京-新潟間に運航している航空機の機種を同年六月一五日からボーイング七二七-一〇〇型とする旨の各事業計画の認可を、同年六月七日訴外アエロフロートに対して法一二九条の三第二項に基づ 式会社に対して、東京-新潟間に運航している航空機の機種を同年六月一五日からボーイング七二七-一〇〇型とする旨の各事業計画の認可を、同年六月七日訴外アエロフロートに対して法一二九条の三第二項に基づき、東京-ハバロフスク間のイリユウシン六二型による週一往復便の運航を、新潟-ハバロフスク間ツボレフ一五四型に変更する旨の事業計画変更の認可をそれぞれ与えた。 三そこで新潟空港に離着陸する航空機の航行の危険性、ひいては原告らの主張する生命、身体等に対する差し迫つた危険性について、原告らが指摘する着陸帯Bの幅の不足の点から検討する。 1 規則七九条三号において計器用C級の着陸帯の幅は特別の理由のある場合を除き三〇〇メートル以上と定められているところ、新潟空港の着陸帯Bの幅は計器用C級であるにもかかわらず一五〇メートルしかないことは当事者間において争いがない。 2 ところで航空機の航行の安全は、ひとたび航空機事故が発生すれば大惨事につながる危険性が非常に高いことは、自明のことであり、従つて法及び規則で定める飛行場の各施設の設置基準は国際機構並びに国が航空機の離着陸の安全のため最低限度必要と考えて定めた基準であると解するのが相当であるので、その例外は厳しく考えるべきである。従つて規則七九条三号に規定する「特別の理由」とは、同号が着陸帯等の設置基準を定めた目的からみてそれらの施設がその基準に適合しないにもかかわらずこれを補う事情が存在し、航空機の航行の安全になんらの支障を生じないことが明らかな場合をいうものと解すべきである。 因みに法及び規則が準拠している国際民間航空条約第一四付属書「飛行場」には、着陸帯の幅は「精密進入滑走路を含む着陸帯は、でき得るならば着陸帯全長にわたり、滑走路又はストツプウエイの中心線の両側に少くとも一五〇メートル(五〇〇フイート 間航空条約第一四付属書「飛行場」には、着陸帯の幅は「精密進入滑走路を含む着陸帯は、でき得るならば着陸帯全長にわたり、滑走路又はストツプウエイの中心線の両側に少くとも一五〇メートル(五〇〇フイート)の距離まで拡げなければならない。」とあり、勧告事項として「視程の悪い状態、または雲高の低い場合に供用する計器進入滑走路を含む着陸帯はその着陸帯全長にわたり、滑走路又はストツプウエイの中心線の両側に少くとも一五〇メートル(五〇〇フイート)の距離まで拡げるべきである。」、「計器滑走路以外の滑走路(等級符号がCの場合)は、その着陸帯全長にわたり、滑走路又はストツプウエイの中心線の両側に少くとも七五メートル(二五〇フイート)まで拡げるべきである。」と規定されていることが成立に争いのない甲第一一号証の一により認められるところ前記解釈が右条約の趣旨に反するものでないことは明らかである。 3 着陸帯とは、特定の方向に向つて行う航空機の離陸又は着陸の用に供するため設けられる飛行場内の矩形部分(法二条五号、別紙略図のイ、ロ、ハ、二、イの各点を順次直線で結んだ矩形部分が新潟空港の着陸帯Bである。)であるが、その設置目的は、証人Cの証言によれば、航行機が着陸に失敗して復行したり、滑走路を逸脱した場合にその安全を確保すること及び着陸用無線施設の電波の確保のために設けられているもので、着陸帯の幅が非計器用(新潟空港の着陸帯Bの場合は一五〇メートル)に比して計器用において広くとることにしている主な理由の一つに着陸用無線施設の電波障害をなくするという点にあることが認められ、右認定に反する証拠はない。 4 原本の存在及び成立に争いのない乙第四号証の一ないし三、前示C証言及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 一般に計器用着陸施設を有する滑走路に 反する証拠はない。 4 原本の存在及び成立に争いのない乙第四号証の一ないし三、前示C証言及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 一般に計器用着陸施設を有する滑走路に計器進入着陸を許容する場合には、「計器飛行による進入方式・出発方式及び最低気象条件の設定基準」(昭和四六年三月一二日制定空航第一〇五号(内規))により、飛行場標高に二〇〇フイートを加えた高度まで計器誘導がなされるものとされているが、新潟空港における計器進入は二五三フイートまでしか計器進入することができず、その後は有視界飛行による着陸を行うこととされている。そして、新潟空港に設置してあるILSは降下角度が三度になつていることより、右の五三フイートの高度差をもつて、新潟空港に着陸する航空機の場合は約三〇〇メートルの距離が長くなりこの間四~五秒かかつて降下することになるが、一方パイロツトが物件を発見し、操作を完了するまでに要する時間は約三秒であるので、この差が新潟空港に着陸する航空機が、計器誘導により二五三フイートまで降下し、気象条件等の悪化等でそれでも滑走路が視認できない場合においても余裕をもつて進入復行の措置を講じ得ることになつている。右措置は、計器進入による場合に要求される着陸帯Bの幅の不足を進入限界高度を高めることによつて計器飛進入方式そのものを制限して航空機の航行の安全を図ろうとしたものと解される。 5 成立に争いのない甲第六号証、原告A本人尋問の結果及び検証の結果によれば次の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 (一) 現在使用に供されている幅一五〇メートルの着陸帯Bは別紙略図の青線で囲んだ矩形部分(イ、ロ、ハ、ニ、イの各点を順次直線で結んだ矩形)であるが、この着陸帯Bを計器飛行用に供する時必要とされる幅三〇〇メートルに拡げてみる る幅一五〇メートルの着陸帯Bは別紙略図の青線で囲んだ矩形部分(イ、ロ、ハ、ニ、イの各点を順次直線で結んだ矩形)であるが、この着陸帯Bを計器飛行用に供する時必要とされる幅三〇〇メートルに拡げてみると、その範囲は別紙略図の赤線で囲んだ矩形部分((イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(イ)の各点を順次直線で結んだ矩形)にあたる場所になる。(以下場所を特定するため、別紙略図のとおり、B滑走路ランウエイ10の末端を零メートル、B滑走路ランウエイ28の末端を一、九〇〇メートルとし、一〇〇メートル毎に説明の便宜上B滑走路ランウエイ10からの距離を記入し、以下単に何メートル地点と略する。)(二) 着陸帯Bの幅を三〇〇メートルに拡げた場合の拡張部分(別紙略図の(イ)、イ、二、(ニ)、(イ)の各地点を順次直線で結んだ矩形、以下北側部分という。及び別紙略図のロ、(ロ)、(ハ)、ハ、ロを順次直線で結んだ矩形、以下南側部分という。)のうち、三〇〇メートルから一九六〇メートルの拡張部分については、その南側部分は全面平坦地、北側部分は若干凹凸はあるが全面ほぼ平坦地が確保され、現行着陸帯Bとほぼ同一平面を保つている。 (三) 南側拡張部分のうち、二五〇メートル地点から以西は、現行着陸帯Bより低地となつていて、別紙略図の(あ)の地点で三〇~四〇センチメートル、(い)の地点で一・一〇メートル、(う)の地点で二メートル、(え)の地点で二・六メートルの高低差がある(着陸帯は平坦でなければならないことは規則七九条三号参照)。そして右低地部分には、別紙略図のとおりのがれきが積まれてあつたり、葦池や沼があつて池や沼の周辺は葦が茂つている。また別紙略図のとおり民有地が一部南側拡張部分に喰い込んでおり、そこに建物や小屋がある。 (四) 北側拡張部分のうち、二〇〇メートル以西は別紙略図のとお 葦池や沼があつて池や沼の周辺は葦が茂つている。また別紙略図のとおり民有地が一部南側拡張部分に喰い込んでおり、そこに建物や小屋がある。 (四) 北側拡張部分のうち、二〇〇メートル以西は別紙略図のとおり相当部分が海面上にあり、陸地部分にはコンクリート土留があつて(お)の地点において着陸帯Bより一メートル低くなつている。また二〇〇メートルから三〇〇メートルの地点にかけて別紙図面のとおり砂丘があつて着陸帯Bの平面より一メートル位高くなつている。 (五) 成立に争いのない乙第一号証、前示C証言及び検証の結果によれば、計器用着陸装置(ILS)は、別紙略図のとおり、ローカライザーについては北側拡張部分三〇〇メートルの地点から四〇〇メートルの地点、にかけて(L、L、Zと記載のある地点)、グライドパスは同部分一五〇〇メートル地点附近(G、Pと記載のある地点)にそれぞれ設置されていること、新潟空港において計器着陸に供されるのは滑走路Bのランウエイ28の方向からだけであるので、右位置にある計器用着陸装置の電波の発する方向は東方であるが、その方向における着陸帯Bの拡張部分はほぼ平坦地が確保されていること、計器用着陸装置については二か月に一度の割合で定期検査を受けているが、新潟空港においてこれまで電波の障害が出た報告はないこと、また着陸帯Bの北側拡張部分は一部海に、南側拡張部分は一部低地になつているが、そのことによつて右電波への障害は考えられないこと、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 6 右5(一)ないし(五)の認定事実によれば、新潟空港の着陸帯Bはその北西隅において全面積に比すれば僅かな三角状の地域が海面部分となつているものの、その部分を除けばその幅は三〇〇メートルの地域をほぼ確保しており、しかもその全域は全体的にみればおおよそ平坦な地域(上 北西隅において全面積に比すれば僅かな三角状の地域が海面部分となつているものの、その部分を除けばその幅は三〇〇メートルの地域をほぼ確保しており、しかもその全域は全体的にみればおおよそ平坦な地域(上記地域は拡張部分の中でほぼ九割に近い地域を占めている。)であるから、万一の場合には三〇〇メートル幅の着陸帯としての不足部分を相当程度に補う効用を持つていると解することができる。また計器用着陸帯が非計器用に比べて広くとらなければならない主な理由が着陸用無線施設の電波障害をなくする点にあるが、前記(五)で認定したとおり着陸帯Bはその目的を達していると解される。さらに着陸帯設置目的の一つである進入復行の安全の確保についても右一部低地部分や海面部分があつても特にその妨げになるとは考えられない。 7 前示C証言によると、着陸帯設置目的の一つである航空機が滑走路を逸脱した場合の安全の確保について、過去のデータによれば幅七五メートルの着陸帯を超える滑走路の逸脱はなかつたこと、現実に新潟空港に離着陸するパイロツトもその離着陸に際してなんらの危険を感じていないことが認められ、右認定に反する証拠はない。 8 右4ないし7の事情に照らせば、新潟空港の着陸帯BはC級計器用着陸帯としての幅が規則七九条三号の基準に適合しないにもかかわらず、客観的見地からこれを補う事情(4、5)が存在し、航空機の航行の安全になんら支障を生じないことが明らかであると解せられる。 よつて、新潟空港において計器用着陸ができることを条件とする事業計画認可処分に違法な点は認められず、従つてこの点について原告らの生命、身体等に対する差し迫つた危険性も考えることはできない。 9 もつとも成立に争いのない甲第二号証によれば、被告は法五五条の二、二項、第四〇条に基づき、昭和四六年一〇月九日告示第三五九号をも らの生命、身体等に対する差し迫つた危険性も考えることはできない。 9 もつとも成立に争いのない甲第二号証によれば、被告は法五五条の二、二項、第四〇条に基づき、昭和四六年一〇月九日告示第三五九号をもつて、第一期工事として着陸帯Bを長さ一、六二〇メートル、幅一五〇メートルに変更し、供用開始の予定期日を昭和四七年四月一日にする旨、第二期工事として着陸帯Bを長さ二、〇二〇メートル、幅一五〇メートルに変更し、供用開始の予定期日を昭和四七年一〇月一日とする旨、第三期工事として着陸帯Bを長さ二、一二〇メートル、幅三〇〇メートルに変更し、供用開始の予定期日を昭和四八年六月一日とする旨を明らかにしたことが認められる。ところが右工事は第二期工事までしか予定どおり進まず、第三期工事はいまだ完成していないことは当事者間に争いがない。第三期工事により長さ二、一二〇メートル、幅三〇〇メートルの着陸帯Bが完成するはずであつた昭和四八年六月からは新潟-ハバロフスク局地間国際定期路線及び国内定期路線にいずれもジエツト旅客機が一斉に就航を開始したのである(乙第六号証参照)。そこで原告ら新潟空港周辺住民が、被告は新潟空港にジエツト旅客機を就航させるについて、着陸帯Bを長さ二、一二〇メートル、幅三〇〇メートルにする必要を自認していたのに、いわばその工事を手抜きし航空機の航行の安全ひいては同空港周辺住民の生命等の安全性を無視して、日ソ航空協定に基づく局地間航路の一地点として同空港を使用させる必要等を優先させたと考え、被告に対し強い不信感を抱くにいたつたことも窺えるところである(甲第一八号証の一ないし一〇参照)。着陸帯Bの幅の不足の点に違法なところがないことは前記認定のとおりであるが、被告が自ら右第三期工事を告示し、その完成予定期日を大幅に経過している以上(被告の設置しない飛 八号証の一ないし一〇参照)。着陸帯Bの幅の不足の点に違法なところがないことは前記認定のとおりであるが、被告が自ら右第三期工事を告示し、その完成予定期日を大幅に経過している以上(被告の設置しない飛行場ならば正当な理由がない場合には法第四八条一号により工事の許可取消の対象になる。)、何らかの処置が必要であると考えられる。 四次に新潟空港に離着陸する航空機の航行の危険性、ひいては原告らの主張する生命、身体等に対する差し迫つた危険性について、原告らが指摘する滑走路長の不足の点について検討する。 1 新潟空港滑走路Bは運輸省告示第三六一号により昭和四七年一〇月一日から長さ一、九〇〇メートルとして供用開始されていることは当事者間において争いがない。 2 成立に争いのない甲第一号証の一、二及び前示C証言によれば、新潟空港に現在発着している航空機のうち、ボーイング式七二七-一〇〇型の最大離陸滑走路長は一、九七〇メートル、最大着陸滑走路長は一、四八〇メートル、同式七二七-二〇〇型のそれは二、一三〇メートルと一、四六〇メートル、ツポレフTu-一五四のそれは二、一〇〇メートルと二、〇六〇メートルであること、ここで最大離陸滑走路長というのは、その航空機が構造強度上耐えられる最も重い重量(構造限界重量)で、しかも大気温度が摂氏三〇度(以下摂氏は略)の条件の悪いとき、しかも一発動機が不作動になつて全部の発動機が動いていない馬力が低下した状態で、発進を開始してから三五フイート(一〇・五メートル)の高さまで上昇するまでの水平距離を言い、最大着陸滑走路長は、その航空機の構造限界重量で右大気温度のとき、滑走路の端で五〇フイート(一五メートル)の高さから着陸して着陸滑走停止までの距離に更に一・六七倍したものであること、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 界重量で右大気温度のとき、滑走路の端で五〇フイート(一五メートル)の高さから着陸して着陸滑走停止までの距離に更に一・六七倍したものであること、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 3 そこで一、九〇〇メートルしかないB滑走路に最大離着陸滑走路長が一、九〇〇メートルを超える航空機を離着陸させることの違法性(安全性)について検討する。 (一) 現行法令上、例えば滑走路長一、九〇〇メートルの飛行場に航空機の性能上最大離着陸滑走路長一、九〇〇メートルを超える航空機の離着陸を禁止する法令は存在しないので、右航空機の離着陸が全く許されないと解することができない。 (二) (1)成立に争いのない乙第三号証の一ないし四、第四、第五号証及び弁論の全趣旨によれば、新潟空港の施設の具体的諸条件--B滑走路長が一、九〇〇メートルであることは、国際民間航空条約に基づく条約第一五付属書記載の航空路誌を発表することにより公表され、その状況の変更は法九九条による情報の提供として公表されているので、同滑走路に離着陸する航空機の航空従事者はそれに見合つた航法をとることができると認められ、右認定に反する証拠はない。 (2) 日本国籍を有する航空機(施行令一条で定める航空機も含む、以下同じ)は、法一〇条により耐空証明制度及び運用限界等指定書の制度が設けられている。 右の制度は、航空機があらゆる用途(曲技、実用、輸送等)、速度、重量等について耐空性があることを証明することは不可能であるため、耐空証明書及び運用限界指定書により航空機の用途、運用限界を指定して行うものとされている。そこで当該航空機は、その耐空証明書及び運用限界指定書に従つて、B滑走路長一、九〇〇メートルに適合した航行をすることができると解される。 (3) 成立に争いのない乙第八号証の一ないし三及び前示C証言 そこで当該航空機は、その耐空証明書及び運用限界指定書に従つて、B滑走路長一、九〇〇メートルに適合した航行をすることができると解される。 (3) 成立に争いのない乙第八号証の一ないし三及び前示C証言によれば次の事実が認められ、左記認定に反する証拠はない。 航空機の離着陸性能は大気状態(気温、風向、風速等)、路面の状態、飛行場の標高等によつて大きな影響を受けるので、同一飛行場(同一滑走路長)であつても同じ重量で離着陸できるとは限らない。従つて使用する飛行場の滑走路長、標高、大気状態、路面の状態等の諸条件により算出される性能上の限界による離着陸重量(許容最大離着陸重量)以下の重量で離着陸を行うことは安全上特に支障もない。 右許容最大離着陸重量は航空局の認可を得た飛行機運用規程によりその細則が詳細に定められている。例えば、新潟空港に離着陸するボーイング式七二七-二〇〇型の許容最大離着陸重量は、大気温度三〇度、無風状態の場合は一五万五、〇〇〇ポンド、大気温度一〇度、向い風一〇ノツトの場合は一六万四、〇〇〇ポンドとなつている。因みに右型式の航空機の構造限界重量は一七万二、〇〇〇ポンド、新潟-札幌間の満席状態の重量(最大有償塔載重量)は一五万四、二〇〇ポンド、新潟-小松間のそれは一五万〇、二〇〇ポンドであるから、気象条件の悪い場合最大有償塔載量を制限しなければならない場合もでてくる(例えば、前記航空機の新潟-札幌線の場合無風状態ならば大気温度三一度以上の時向い風一〇ノツトならば大気温度三四度以上の時の如くである。なお冬期間新潟空港のB滑走路の路面が凍結することもあるので前記航空機に代えてボーイング式七三七型が使用される。)。その場合、航空機の機長は法七三条の二、規則一六四条の一六の規定により出発前に重量等を確認するように義務づけられており、許容最大離 ともあるので前記航空機に代えてボーイング式七三七型が使用される。)。その場合、航空機の機長は法七三条の二、規則一六四条の一六の規定により出発前に重量等を確認するように義務づけられており、許容最大離着陸重量を超えた塔載重量で飛行開始をすることができないものとされ、しかも定期航空会社に対しては運航管理者制度を設けさせ、国家試験による技能検定を受けた運航管理者の承認を受けなければ航空機を出発させてはならないものとされている(法七七条、七八条)ことによつて担保されている(罰則につきいずれも法一五三条)。なお最大有償塔載量になつても構造限界重量(最大離陸重量)に及ばないのは法六三条、規則一五三条に定める燃料の量を塔載すれば足りるので、比較的飛行距離が短かい場合は燃料重量が少なくてよく、最大有償塔載量を積んでも構造限界重量より少なくなるものである。 4 以上のとおり、最大離着陸滑走路長一、九〇〇メートルを超える航空機を新潟空港に離着陸させることを違法視する法規も存在せず、右(二)(1)ないし(3)で認定した諸施策が法の規定に基づき、あるいは事実上の要請から講じられて右航空機の航行の安全を図つているので、日本国籍を有する航空機については、性能上最大離着陸滑走路長一、九〇〇メートルを超える航空機をB滑走路に離着陸させても、これを違法視すべき事実は認められず、従つて原告らの生命、身体等に対し差し迫つた危険があるとは考えられない。 5 なお成立に争いのない甲第一〇号証の一、二によれば、ボーイング式七二七-二〇〇型は二、〇〇〇ないし二、五〇〇メートルの滑走路が必要である旨の記載があるので付言する。成立に争いのない甲第一号証の一及び前示C証言によれば、ボーイング式七二七-二〇〇型にも厳密に言えば発動機の名称が(P&W.JT8D-15-)と呼ばれるものと(P& ある旨の記載があるので付言する。成立に争いのない甲第一号証の一及び前示C証言によれば、ボーイング式七二七-二〇〇型にも厳密に言えば発動機の名称が(P&W.JT8D-15-)と呼ばれるものと(P&W.JT8-D-9又は-7)と呼ばれるものの二種類あり、前者の最大離陸滑走路長は二、六五〇メートル、最大着陸滑走路長は一、五八〇メートルで、後者のそれは二、一三〇メートルと一、四六〇メートルであるが、新潟空港に離着陸しているものは後者の航空機であることが認められ、右認定に反する証拠はない。 してみると、甲第一〇号証の一、二の右記載、特に二、五〇〇メートルの滑走路が必要であるとの記載部分は前者の航空機を念頭におかれているものであり、後者の航空機についてもその最大離着陸滑走路長に近い滑走路の長さが望ましいことは言うまでもないが、これまで述べてきたとおり、これを一、九〇〇メートルの滑走路に離着陸させるにつき特に違法視すべき点はない。 6 外国国籍を有する航空機の航行の安全については、被告は耐空証明及び重量制限等の諸施策をとつていない(航空法上その法的根拠規定もない。)ので検討する。 成立に争いのない甲第二二号証、前示C証言及び弁論の全趣旨によれば、新潟空港にはソヴイエト社会主義共和国連邦(以下ツヴイエトという)からアエロフロート社のツポレフTu一五四型の航空機が定期便で、また大韓民国(以下韓国という)から大韓航空のボーイング式と二七-一〇〇型の航空機が不定期便でそれぞれ離着陸しているが、右航空機の航行の安全についてはソヴイエト又は韓国がそれぞれ自国国籍の航空機の航行の安全に責任を持つて運航していること、これまで右航空機が新潟空港の一、九〇〇メートルのB滑走路を超えて事故を起した例もないことがそれぞれ認められ、右認定に反する証拠もない。 ところでソヴイ 機の航行の安全に責任を持つて運航していること、これまで右航空機が新潟空港の一、九〇〇メートルのB滑走路を超えて事故を起した例もないことがそれぞれ認められ、右認定に反する証拠もない。 ところでソヴイエト、韓国とも国際民間航空条約に加入しているので、日本国が同条約に準拠して航空法等を制定し自国国籍の航空機の航行の安全を図つているのと同様に、同条約に従つて航空機の安全航行の諸方策がとられているものと推定され、右認定の実績に照らしても外国国籍の航空機の航行を違法視すべき事実も認められず、従つて原告らの生命、身体等に緊急差し迫つた危険を生じていると解することもできない。 なお外討国籍の航空機の航行の安全が確保されず、ひいては日本国民に差し迫つた重大な危険が生じたときは、被告は法第一二九条の五により当該外国の航空事業会社の国際航空運送事業の停止又は許可の取消処分をすることができる(航空業務に関する日本国政府とソヴイエト政府との間の協定六条二項、航空業務に関する日本国政府と韓国政府との間の協定六条二項等参照)。 五次に原告らの騒音被害について検討するに、弁論の全趣旨によれば次の事実が認められ、左記認定に反する証拠はない。 新潟県並びに新潟市が実施した「新潟空港周辺の航空機騒音測定結果」として、昭和四八年七月発表された資料中の表6-1「新潟空港周辺の航空機騒音測定結果(慣熟飛行騒音)」によれば、着陸の場合の騒音は測定地点12の<地名略>(原告Aの居住地)で八九dB(A)、六九WECPNL(N=5)であるほか次のとおりである。 場所 dB(A) WECPNL(N=5)<地名略> 一〇〇 八〇<地名略> 六六七〇<地名略> 九一七一<地名略> 七六五六<地名略> 六一四一(なお電波障害についての具体的立証行為はない。)しかしながら、右認定 =5)<地名略> 一〇〇 八〇<地名略> 六六七〇<地名略> 九一七一<地名略> 七六五六<地名略> 六一四一(なお電波障害についての具体的立証行為はない。)しかしながら、右認定事実のみをもつて、定期航空運送事業者に対する一定の事業認可処分を事前に差止めなければならないほどに原告らの生命、身体等に緊急差し迫つた危険が生じているとはとうてい認め難いものである。 六以上のとおり、原告らの本訴請求は、原告らに緊急の必要性が認められないので不適法な訴として却下することとし、訴訟費用は民事訴訟法八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官山中紀行大浜恵弘馬渕勉)別紙略図(省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る