主文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人らの負担とする。 理由 1 抗告代理人河本一郎,同三浦州夫の抗告理由第一について財務諸表等の監査証明に関する省令(平成12年総理府令第65号による改正前のもの)6条によれば,証券取引法193条の2の規定による監査証明を行った公認会計士又は監査法人は,監査又は中間監査(以下「監査等」という。)の終了後遅滞なく,当該監査等に係る記録又は資料を当該監査等に係る監査調書として整理し,これをその事務所に備え置くべきものとされているのであるから,【要旨1】特定の会計監査に関する監査調書との記載をもって提出を求める文書の表示及び趣旨の記載に欠けるところはなく,個々の文書の表示及び趣旨が明示されていないとしても,文書提出命令の申立ての対象文書の特定として不足するところはないと解するのが相当である。そうすると,これと同旨の原審の判断に所論の違法はない。 論旨は採用することができない。 2 同第二について前記のとおり,本件の申立ての対象文書の特定に欠けるところはない以上,原審が民訴法223条3項の規定による文書の提示を得て文書を特定したとする所論は前提を欠くものというべきである。論旨は採用することができない。 3 同第三について本件監査調書のうちその提出を命じた部分が民訴法220条4号ロ所定の文書に当たらないとした原審の判断は,正当として是認することができる。論旨は採用することができない。 4 同第四について- 1 -1通の文書の記載中に提出の義務があると認めることができない部分があるときは,特段の事情のない限り,当該部分を除いて提出を命ずることができると解するのが相当である。そうすると,【要旨2】原審が,本件監査調書として整理された記録又は資料のうち,D住宅金 ない部分があるときは,特段の事情のない限り,当該部分を除いて提出を命ずることができると解するのが相当である。そうすると,【要旨2】原審が,本件監査調書として整理された記録又は資料のうち,D住宅金融株式会社の貸付先の一部の氏名,会社名,住所,職業,電話番号及びファックス番号部分を除いて提出を命じたことは正当として是認することができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官大出峻郎裁判官井嶋一友裁判官藤井正雄裁判官町田顯裁判官深澤武久)- 2 -
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