令和6年11月21日判決言渡 令和6年(ネ)第10017号損害賠償請求控訴事件 令和6年(ネ)第10036号損害賠償請求附帯控訴事件(原審・大阪地方裁判所令和元年(ワ)第10940号) 口頭弁論終結日令和6年9月5日 判決 控訴人兼附帯被控訴人 X(以下「1審原告」という。) 同訴訟代理人弁護士守永将大 加藤健一郎 井上愛美 桝井楓 坂東崇志 被控訴人兼附帯控訴人株式会社計測リサーチコンサルタント(以下「1審被告」という。) 同訴訟代理人弁護士中尾文治 主文 1 1審原告の本件控訴を棄却する。 2 1審被告の附帯控訴に基づき、原判決主文1項、2項を次のとおり変更する。 (1) 1審被告は、1審原告に対し、5万5000円及びこれに対する令和元年12月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 1審原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用(控訴費用、附帯控訴費用を含む。)は、第1、2審を通じてこれを100分し、その1を1審被告の負担とし、その余を1審原告の負担とする。 4 この判決の2項(1)は、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 含む。)は、第1、2審を通じてこれを100分し、その1を1審被告の負担とし、その余を1審原告の負担とする。 4 この判決の2項(1)は、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 控訴及び附帯控訴の趣旨 1 1審原告(控訴)(1) 原判決主文1項、2項を次のとおり変更する。 (2) 1審被告は、1審原告に対し、1億2234万2000円及びこれに対する令和元年12月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 1審被告(附帯控訴)(1) 原判決中、1審被告敗訴部分を取り消す。 (2) 上記部分につき、1審原告の請求を棄却する。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は、1審原告が、自らが著作権を有するとする原判決別紙「プログラム目録」記載1~6の各プログラム(以下、「本件プログラム1」などといい、併せて「本件各プログラム」という。)を1審被告が無断で複製等し、次のとおり1審原告の 著作権又は著作者人格権が侵害されたと主張して、1審被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、1億2245万2000円及びこれに対する不法行為後の日である令和元年12月16日(訴状送達の日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 (1) 本件プログラム1につき、著作権(複製権)侵害 (2) 本件プログラム2につき、著作権(複製権)侵害(3) 本件プログラム3につき、著作権(複製権)侵害及び著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害(4) 本件プログラム4につき、著作権(複製権)侵害及び著作者人格権(同一性保持権)侵害 (5) 本件プログラム5につき、著作権 )侵害及び著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害(4) 本件プログラム4につき、著作権(複製権)侵害及び著作者人格権(同一性保持権)侵害 (5) 本件プログラム5につき、著作権(複製権)侵害及び著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害(6) 本件プログラム6につき、著作権(複製権)侵害原判決は、本件各プログラムはいずれも著作物と認められるとした上で、その複製又は改変につき黙示の合意があったことなどから複製権及び同一性保持権の侵害 は認められないとしたが、本件プログラム3及び本件プログラム5についての氏名表示権侵害を理由として、1審原告の1審被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権を一部認め、11万円及びこれに対する令和元年12月16日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で請求を認容した。これに対し、1審原告は敗訴部分について不服があるとして控訴を提起し、他方、1審被 告は敗訴部分につき不服であるとして附帯控訴を提起した。 2 前提事実 (当事者間に争いがない事実並びに証拠(以下、書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨から認められる事実)原判決の「事実及び理由」の第2の2記載のとおりであるから、これを引用する。 3 争点 本件の争点は、次のとおりである。 (1) 本件プログラム1についてア著作物であるか(争点1-1)(請求原因)イ 1審被告に故意又は過失があったか(争点1-2)(請求原因)ウ損害の有無及び額(争点1-3)(請求原因) エ複製に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1-4)(抗弁) オ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点1-5)(抗弁) エ複製に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1-4)(抗弁) オ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点1-5)(抗弁)カ消滅時効が完成したか(争点1-6)(抗弁)(2) 本件プログラム2についてア著作物であるか(争点2-1)(請求原因) イ 1審被告に故意又は過失があったか(争点2-2)(請求原因)ウ損害の有無及び額(争点2-3)(請求原因)エ複製に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点2-4)(抗弁)オ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点2-5)(抗弁) カ消滅時効が完成したか(争点2-6)(抗弁)(3) 本件プログラム3についてア著作物であるか(争点3-1)(請求原因)イ本件プログラム3を複製・改変したプログラムがサイレントロボのプログラムであるか(争点3-2)(請求原因) ウ氏名表示権が侵害されたか(争点3-3)(請求原因)エ 1審被告に故意又は過失があったか(争点3-4)(請求原因)オ損害の有無及び額(争点3-5)(請求原因)カ複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点3-6)(抗弁:複製権侵害・同一性保持権侵害につき) キ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点3-7)(抗弁:複製権侵害につき)ク著作権法20条2項3号の「必要な改変」に当たるか(争点3-8)(抗弁:同一性保持権侵害につき)ケ消滅時効が完成したか(争点3-9)(抗弁) (4) 本件プログラム4について ア著作物であるか(争点4-1)(請求原因)イ 1審被告に故意 同一性保持権侵害につき)ケ消滅時効が完成したか(争点3-9)(抗弁) (4) 本件プログラム4について ア著作物であるか(争点4-1)(請求原因)イ 1審被告に故意又は過失があったか(争点4-2)(請求原因)ウ損害の有無及び額(争点4-3)(請求原因)エ複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点4-4)(抗弁:複製権侵害・同一性保持権侵害につき) オ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点4-5)(抗弁:複製権侵害につき)カ著作権法20条2項3号の「必要な改変」に当たるか(争点4-6)(抗弁:同一性保持権侵害につき)キ消滅時効が完成したか(争点4-7)(抗弁) (5) 本件プログラム5についてア著作物であるか(争点5-1)(請求原因)イ氏名表示権が侵害されたか(争点5-2)(請求原因)ウ 1審被告に故意又は過失があったか(争点5-3)(請求原因)エ損害の有無及び額(争点5-4)(請求原因) オ複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点5-5)(抗弁:複製権侵害・同一性保持権侵害につき)カ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点5-6)(抗弁:複製権侵害につき)キ著作権法20条2項3号の「必要な改変」に当たるか(争点5-7)(抗弁: 同一性保持権侵害につき)ク消滅時効が完成したか(争点5-8)(抗弁)(6) 本件プログラム6についてア著作物であるか(争点6-1)(請求原因)イ 1審被告に故意又は過失があったか(争点6-2)(請求原因) ウ損害の有無及び額(争点6-3)(請求原因) エ 6についてア著作物であるか(争点6-1)(請求原因)イ 1審被告に故意又は過失があったか(争点6-2)(請求原因) ウ損害の有無及び額(争点6-3)(請求原因) エ複製に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点6-4)(抗弁)オ著作権法47条の3第1項の「必要と認められる限度」の複製に当たるか(争点6-5)(抗弁)カ消滅時効が完成したか(争点6-6)(抗弁)第3 争点に関する当事者の主張 1 以下のとおり当審における当事者の補充主張を付加するほか、原判決の「事実及び理由」の第3の記載のとおり、原判決別紙1~6の主張一覧表の「原告の主張」及び「被告の主張」の各欄記載のとおりであるから、これを引用する。 2 当審における当事者の補充主張(1) 1審原告の主張 ア本件各プログラムが著作物であるか(争点1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1)について1審被告は、原判決が判示する「データ処理の在り方についての具体的設計、処理適正化の方策、ソースコードの具体的記述等」、「アナログ信号入力処理、スケジュール測定、動的及び静的データ確認等の機能」は、アイデアにすぎないと主張す る。しかし、上記のそれぞれの項目に関するソースコードの表現自体、組合せ、表現方法に選択の幅があるものであって、1審被告の主張は理由がない。 1審被告は、本件プログラム3について、原判決が記述全体を一つの表現として捉えて創作性を認めたことは妥当でないと主張する。しかし、ソースコード自体の分量は、プログラム全体に含まれる指令の組合せの多様性や処理の複雑さ、作成者 の個性を推認する要素になると考えられるため、原判決がソースコードの分量について判示したことは、記述全体を一つの表現として捉 プログラム全体に含まれる指令の組合せの多様性や処理の複雑さ、作成者 の個性を推認する要素になると考えられるため、原判決がソースコードの分量について判示したことは、記述全体を一つの表現として捉えたものではない。 イ本件プログラム3を複製・改変したプログラムがサイレントロボのプログラムであるか(争点3-2)について1審被告が「倉敷警察署新築工事山留め計測管理及び環境計測」の業務におい て、1審被告プログラム3(1審被告によって本件プログラム3から複製、変更さ れたプログラム)を使用しており、かつ、倉敷警察署の現場では騒音・振動の計測のためにサイレントロボが使用されていたと考えられることを踏まえると、1審被告プログラム3がサイレントロボのソースコードとして使用されていると考えられる。 また、1審被告がサイレントロボのものであると主張する乙23のソースコード が、平成16年2月6日当時のものであり、開発途中のものであるなどという1審被告の原審における乙23の説明は信用できず、その説明内容も変遷しており、乙23のプログラムには致命的な欠陥があること等を踏まえると、乙23はサイレントロボのソースコードとは考えられず、全く別のソースコードと考えるのが自然である。 以上によると、サイレントロボに1審被告プログラム3が使用されていると認められるものであって、このような事実を認めなかった原判決には誤りがある。 ウ複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1-4、2-4、3-6、4-4、5-5、6-4)について(ア) 原判決は、本件プログラム2がプロパティ画面において、ファイル名、工事 名を任意に入力できる仕様になっていることをもって黙示の許諾の根拠としているが、1審原告と1審被告 4)について(ア) 原判決は、本件プログラム2がプロパティ画面において、ファイル名、工事 名を任意に入力できる仕様になっていることをもって黙示の許諾の根拠としているが、1審原告と1審被告の長年の取引の実態等を考慮したものではなく経験則に反する。すなわち、1審被告は、1審原告の納品したプログラムについて、目的となった業務が終了した後に消去しており、1審被告は過去に同様のプログラムの作成を1審原告に依頼したことがあっても、別の現場や業務が発生した場合、別途1審 原告にプログラムの作成を依頼しており、1審被告は1審原告から納品されたプログラムを無断で複製等することはできないことを前提とした対応をしていた。また、ファイル名は、任意に決めることができるのが一般的であり、工事名についても、同じ現場内で工程によって別の工事名が設けられることがあるため、データを区別して整理できるように工事名を変更できるようにするのが通常である。したがって、 原判決がファイル名、工事名を任意に入力できるプログラムを作成したことを黙示 の許諾の根拠としたことは、1審原告と1審被告との取引の実態等を無視したものであり、経験則の適用を誤っている。 (イ) プログラムの制作依頼において、一般的に、プログラム発注の契機となった特定の現場や業務以外で用いることができないようにする仕様上の制限を加えることはないから、本件各プログラムについてプログラムの仕様上の制限を設けていな い事実があったとしても、黙示の合意の根拠とはならない。 (ウ) 1審原告は1審被告に対して本件プログラム3~5のソースコードを開示していたが、これは、当時のパソコンやインターネットの技術上、離れた場所からインターネットを利用して修正したプログラムを送付することができず、不具合 告に対して本件プログラム3~5のソースコードを開示していたが、これは、当時のパソコンやインターネットの技術上、離れた場所からインターネットを利用して修正したプログラムを送付することができず、不具合に対応するためにソースコードも同時に納品する以外に方法がなかったからであり、 ソースコードを開示していたことが黙示の合意を推認するものとはいえない。 (エ) 1審原告は、1審被告に入社する前後いずれも、1審原告が納品したプログラムが他の現場で複製、変更、改変して利用されていたこと等を知る契機がなかったことから、1審原告が1審被告と長期間取引をしており、かつ、1審原告が1審被告に就職してプログラム制作に従事したことがあるからといって、黙示の合意が あったことを推認させるものではない。 エ氏名表示権が侵害されたか(争点3-3、5-2)及び1審被告に故意又は過失があったか(争点3-4、5-3)について(ア) 二次著作物の公衆への提供又は提示について著作物の公衆への提供又は提示は、公衆が著作物を知覚によって享受できるよう にする行為であるところ、著作権に含まれる支分権の対象となる著作物利用行為に限定されるものではない。1審被告は、発注者から騒音振動調査や発破振動調査等の計測業務を請け負っており、その業務において計測器やパソコン等の機材一式を1審被告が発注者に納品し、そのパソコンに1審被告プログラム3や1審被告プログラム5(1審被告によって本件プログラム5から複製、変更されたプログラム) を使用していたと考えられる。加えて、発注者に測定状況を説明する際はディスプ レイで1審被告プログラム3や1審被告プログラム5を見せながら説明をする必要があり、騒音等の警戒値を変更する等の対応は発注者側で行っており、1審被告が、 者に測定状況を説明する際はディスプ レイで1審被告プログラム3や1審被告プログラム5を見せながら説明をする必要があり、騒音等の警戒値を変更する等の対応は発注者側で行っており、1審被告が、発注者に対し、1審被告プログラム3や1審被告プログラム5を見せながら操作方法を教え、また、発注者の従業員が、1審被告プログラム3や1審被告プログラム5を操作していたものと考えられる。さらに、サイレントロボについては、実際に 発注者の現場に設置されており、顧客向けのカタログや1審被告の会社案内にも記載がされていた。 したがって、現場にいる発注者の従業員等の公衆が1審原告の著作物である本件プログラム3及び5の二次的著作物である1審被告プログラム3、サイレントロボ、1審被告プログラム5を知覚によって享受できるようにする行為があったといえる から、「二次著作物の公衆への提供又は提示」の要件を充足する。 (イ) よって、1審被告は、1審原告の氏名表示権を侵害した。 (2) 1審被告の主張ア本件各プログラムが著作物であるか(争点1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1)について 著作権法上保護されるのは、表現であってアイデアではなく、原判決が選択の幅があると判示する「データ処理の在り方についての具体的設計、処理適正化の方策、ソースコードの具体的記述等」「アナログ信号入力処理、スケジュール測定、動的及び静的データ確認等の機能」は、いずれもプログラムの機能、つまりアイデアである。 原判決は、ソースコードの記述全体を一つの表現物として捉えているが、プログラム著作物はコンピューターへの演算処理の指令が記述された機能的著作物であり、言語の著作物と表現形式が異なる。言語の著作物のように、記述全体を一つの表現として捉えることは として捉えているが、プログラム著作物はコンピューターへの演算処理の指令が記述された機能的著作物であり、言語の著作物と表現形式が異なる。言語の著作物のように、記述全体を一つの表現として捉えることは妥当でない。 イ本件プログラム3を複製・改変したプログラムがサイレントロボのプログラ ムであるか(争点3-2)について 1審原告の主張は否認又は争う。 サイレントロボは、公害振動騒音に関する装置であり、そもそも発破等の工学振動を計測する本件プログラム3と計測方法の規格が異なるもので、サイレントロボと本件プログラム3は、設計思想から異なる全く別のプログラムである。 ウ複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1- 4、2-4、3-6、4-4、5-5、6-4)について1審原告の主張は争う。 (ア)1審原告の納品したプログラムについて、目的となった業務が終了した後に消去していた事実は、否認する。1審被告の業務が終了した場合、必要に応じて、その業務で使用した1審原告のプログラムを消去する1審被告の従業員もいれば、 消去しない1審被告の従業員もいた。 また、1審被告は、常時、数多くの計測現場を抱えているところ、納期に向けた業務遂行の効率性の観点から、1審被告の内部での人手が足りない際は、業務作業を1審原告など1審被告の外部へと外注していたのであり、プログラムを複製等することができないことを前提として外注するという対応をしていたわけではない。 そして、1審原告は個人事業主として独立する前に1審被告の従業員であったところ、1審原告が1審被告を退職した後の1審原告と1審被告との取引に係る作業の流れも退職する前と変化がなく、1審被告は、1審被告の従業員と同様の態様で従事している1審原告が制作し の従業員であったところ、1審原告が1審被告を退職した後の1審原告と1審被告との取引に係る作業の流れも退職する前と変化がなく、1審被告は、1審被告の従業員と同様の態様で従事している1審原告が制作したプログラムとして、本件各プログラムにつき、1審被告の業務内で自由に使用できるものと認識し、そのように取り扱っていた。 さらに、本件各プログラムは1審被告のみが利用者で、かつ、1審被告の業務遂行のみに利用されることを目的に制作されたものであり、しかも、ライセンス制限が何も設定されていなかったものであって、不特定多数の利用者へライセンス販売することを前提に制作されたプログラムの場合とは前提が異なっている。 (イ) ライセンス制限がされるプログラムについて通常は第三者にソースコード が開示されることはなく、また、プログラムのバグ修正作業は1審原告の自宅でも 可能であったもので、1審原告において本件プログラム3~5のソースコードを1審被告へ開示しなければならない事情はなかった。それにもかかわらず、本件プログラム3~5のソースコードが1審被告へ開示されていたのは、1審被告が自己の業務遂行のため自由にプログラムを使用することが前提になっていたためである。 (ウ) 1審原告は、1審被告の従業員として1審被告の業務に関与した期間に、受 注、プログラム制作、現地設置(納品)、現地調整、検収完了という一連の過程を経験しており、1審原告は、プログラムが1審被告の業務のみにしか利用されないことを認識していた。 エ氏名表示権が侵害されたか(争点3-3、5-2)について(ア) 二次著作物の公衆への提供又は提示について 本件プログラム3は、工事が地盤、構造物等に与える影響を継続的にモニタリングするため、地盤、構造物等に設置された 3-3、5-2)について(ア) 二次著作物の公衆への提供又は提示について 本件プログラム3は、工事が地盤、構造物等に与える影響を継続的にモニタリングするため、地盤、構造物等に設置された計測器により取得したデータを演算処理するプログラムである。本件プログラム3をパソコンで実行すると、始めの1秒前後の間、パソコン画面に本件プログラム3の名称及び制作者名が表示され、その後、自動的に本件プログラム3による演算結果の画面に遷移する。本件プログラム3の 制作者名がパソコンの画面に表示されるのは、この1秒前後の間のみである。 そして、本件プログラム3が1審被告の顧客へ提示される画面については、演算結果の画面の表示のみである。本件プログラム3がインストールされたパソコンの設置及び本件プログラム3の実行及びメンテナンスによる停止後の本件プログラム3の再実行は、1審被告が行う。 また、本件プログラム5は、計測器が取得したアナログデータをデジタルデータへ変換し、パソコンへ収録するプログラムである。そもそも、本件プログラム5による画面表示は、1審被告の顧客へ提示されない。 したがって、本件プログラム3が1審被告の顧客へ提示される際本件プログラム3の制作者名は表示されず、本件プログラム5による画面表示は1審被告の顧客へ 提示されないから、制作者名が1審被告と記載された表示を確認するのは、いずれ も1審被告のみであって「公衆」に対してではない。 (イ) よって、1審被告は、1審原告の氏名表示権を侵害していない。 第4 当裁判所の判断 1 本件各プログラムが著作物であるか(争点1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1)について (1) 当裁判所も、原判決と同じく、本件各プログラムはいずれも著作物と認められ の判断 1 本件各プログラムが著作物であるか(争点1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1)について (1) 当裁判所も、原判決と同じく、本件各プログラムはいずれも著作物と認められると判断する。その理由は、以下のとおり原判決を訂正するほか、原判決の「事実及び理由」の第4の1記載のとおりであるから、これを引用する。 ア原判決9頁25行~10頁1行目(原判決「事実及び理由」第4の1(1)イ中の記載)に「ソースコードを作成したことからすると、ソースコード(甲28)の 具体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコード(甲28)の具体的記述をみると、」と改める。 イ原判決10頁26行~11頁2行目(原判決「事実及び理由」第4の1(2)イ中の記載)に「ソースコードを作成したことからすると、ソースコード(甲29)の具体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソ ースコード(甲29)の具体的記述をみると、」と改める。 ウ原判決11頁17行~18行目(原判決「事実及び理由」第4の1(3)中の記載)に「ソースコードを作成したことからすると、ソースコード(甲8の1)の具体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコード(甲8の1)の具体的記述をみると、」と改める。 エ原判決12頁1行~3行目(原判決「事実及び理由」第4の1(4)中の記載)に「ソースコードを記述したものであるから、ソースコード(甲11の1)の具体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコード(甲11の1)の具体的記述をみると、」と改める。 オ原判決12頁12行~14行目(原判決「事実及び理由」第4の1(5)中の記 てみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコード(甲11の1)の具体的記述をみると、」と改める。 オ原判決12頁12行~14行目(原判決「事実及び理由」第4の1(5)中の記 載)に「ソースコードを作成したものであるところ、ソースコード(甲30)の具 体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコード(甲30)の具体的記述をみると、」と改める。 カ原判決12頁23行~24行目(原判決「事実及び理由」第4の1(6)中の記載)に「ソースコードを作成したものであるから、ソースコード(甲16)の具体的記述を全体としてみると、」とあるのを「ソースコードを作成しており、ソースコ ード(甲16)の具体的記述をみると、」と改める。 (2) 1審被告の主張についてア 1審被告は、著作権法上保護されるのは、表現であってアイデアではなく、原判決が選択の幅があると判示する「データ処理の在り方についての具体的設計、処理適正化の方策、ソースコードの具体的記述等」「アナログ信号入力処理、スケジ ュール測定、動的及び静的データ確認等の機能」は、いずれもプログラムの機能、つまりアイデアであって、本件各プログラムは著作物性が認められない旨の主張をする。 しかしながら、前記(1)のとおり、本件各プログラムのソースコードがいずれもプログラムの機能のみであると認めることはできず、また、1審被告の主張としても、 これを根拠づける具体的な事情をいうものではなく、1審被告の上記主張は理由がない。 イまた、1審被告は、原判決がソースコードの記述全体を一つの表現物として捉えているとし、プログラム著作物はコンピューターへの演算処理の指令が記述された機能的著作物であり、言語の著作物と表現形式が異なり また、1審被告は、原判決がソースコードの記述全体を一つの表現物として捉えているとし、プログラム著作物はコンピューターへの演算処理の指令が記述された機能的著作物であり、言語の著作物と表現形式が異なり、言語の著作物のよう に、記述全体を一つの表現として捉えることは妥当でない旨を主張するが、前記(1)において本件判決も引用する原判決の「事実及び理由」第4の1の説示は、本件各プログラムのソースコードの記述全体を一つの表現として捉えたものではなく、理由がない。 2 本件プログラム3を複製・改変したプログラムがサイレントロボのプログラ ムであるか(争点3-2)について (1) 証拠(甲7、8の1、乙3~5)及び弁論の全趣旨によると、1審被告は、1審原告から本件プログラム3の納品を受けた平成17年4月30日より前の平成15年10月にサイレントロボの制作に着手していること、サイレントロボは、騒音規制法や振動規制法上の規制を踏まえて、周辺の生活環境に与えられている工事の騒音振動を周辺住民に公開するためのプログラムであり、騒音振動のピーク等を 顕出することは予定されていないのに対し、本件プログラム3は、土木工事や発破の影響を工事の管理者が把握することを目的として騒音振動を顕出するためのプログラムであり、騒音振動のピーク等を顕出する必要があるため、両者はその目的を異にしていることが認められ、これらの事実からすると、サイレントロボのプログラムにおいて、本件プログラム3を複製・改変したプログラムを使用したものと推 認することはできない。 (2) 1審原告は、1審被告が「倉敷警察署新築工事山留め計測管理及び環境計測」の業務において1審被告が複製した本件プログラム3を使用しており、かつ、倉敷警察署の現場では騒音振動の計測のた い。 (2) 1審原告は、1審被告が「倉敷警察署新築工事山留め計測管理及び環境計測」の業務において1審被告が複製した本件プログラム3を使用しており、かつ、倉敷警察署の現場では騒音振動の計測のためにサイレントロボが使用されていたと考えられることを踏まえると、複製後の本件プログラム3がサイレントロボのプロ グラムとして使用されていると認められる旨を主張するが、この1審原告の主張を裏付ける証拠はなく、同じ現場で使用した可能性があることをもってサイレントロボのプログラムが本件プログラム3の複製物であると認めることはできない。 また、1審原告は、1審被告がサイレントロボの古いソースコードとして提出する乙23が、平成16年2月6日当時のものであり、開発途中であるなどとする1 審被告の原審における乙23の説明及びその内容の変遷や、乙23のプログラムには致命的な欠陥があることなどを踏まえると、乙23はサイレントロボのソースコードとは考えられず、全く別のソースコードと考えるのが自然であって、サイレントロボには本件プログラム3が使用されているものと認められる旨を主張する。しかし、乙23の内容に照らして、これがサイレントロボの開発段階のソースコード である可能性は否定できず、原審における1審被告の乙23についての説明に変遷 があることや乙23のプログラムに欠陥があることがうかがわれるとしても、そのことをもってサイレントロボのプログラムが本件プログラム3の複製物であると認めることはできない。 したがって、1審原告の主張は理由がない。 3 複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1- 4、2-4、3-6、4-4、5-5、6-4)について当裁判所も、原判決と同じく、本件各プログラムの複製又は改変に対 3 複製又は改変に対する1審原告の承諾(黙示の合意)があったか(争点1- 4、2-4、3-6、4-4、5-5、6-4)について当裁判所も、原判決と同じく、本件各プログラムの複製又は改変に対する黙示の合意があったと認められると判断する。その理由は、以下のとおりである。 (1) 認定事実原判決「事実及び理由」第4の2(2)ア(原判決14頁7行目~18頁20行目) に記載のとおりであるから、これを引用する。 (2) 本件プログラム3~5について上記認定事実によると、本件プログラム3~5は、いずれも1審被告の業務の範囲内で使用することを目的としたものであり、それを前提として、1審被告が1審原告に制作を依頼したものであって、いずれも、1審原告が1審被告に納品時、本 件プログラム3~5を格納した1審被告のパソコンのみならず、本件プログラム3~5のソースコードとともに納品していたこと、1審被告は、これまでも発注の契機となった現場以外の現場において、納品されたプログラムについて複製、変更して利用していた事実があるところ、1審原告は、平成2年に独立した後、相当の回数にわたって1審被告から依頼されたプログラムを制作、納品しており、1審被告 のプログラムに関する上記のような利用実態を認識し得たものといえることからすると、本件プログラム3~5の開発に係る各請負契約において、成果物が1審被告の内部で使用されることにつき、複製や変更を許容する旨の黙示の合意があったものというべきである。 (3) 本件プログラム1、2及び6について 本件プログラム1、2及び6については、本件プログラム3~5のように納品時 にソースコードを開示していた事実は認められないものの、発注の契機となった現場と異なる現場で用いることについて 本件プログラム1、2及び6については、本件プログラム3~5のように納品時 にソースコードを開示していた事実は認められないものの、発注の契機となった現場と異なる現場で用いることについてプログラムの仕様上の制限が客観的に設けられた事実も認められないこと、本件1、2及び6において、1審原告が1審被告によるプログラムの複製、変更について格別の意思表示をしていたものとは認められないことに、前記(2)のとおり、1審被告が、それまでも、1審原告作成のプログラ ムにつき、発注の契機となった現場以外の現場において、納品されたプログラムを複製又は変更して利用していた事実があること、1審原告が、平成2年に独立した後、相当の回数にわたって1審被告から依頼されたプログラムを制作、納品しており、1審被告のプログラムに関する上記のような利用実態を認識し得たものといえるとの事情も踏まえると、本件プログラム3~5と同様に、本件プログラム1、2 及び6の開発に係る各請負契約において、成果物が1審被告の内部で使用されることにつき、複製や改変を許容する旨の黙示の合意があったものというべきである。 (4) 1審原告の主張についてア 1審原告は、本件プログラム2のプロパティ画面において、ファイル名、工事名を任意に入力できる仕様になっていることをもって黙示の承諾の根拠とはなら ない旨を主張する。しかしながら、前記(1)及び(3)の説示のとおり、本件プログラム2のプロパティ画面の仕様のみをもって、黙示の合意の根拠とするものではないところ、同説示に照らすと、1審原告の主張は理由がない。 イ 1審原告は、本件各プログラムについて、プログラムの仕様上の制限を設けていないことをもって黙示の合意の根拠とならない旨を主張する。しかし、前記(3) の説示の 審原告の主張は理由がない。 イ 1審原告は、本件各プログラムについて、プログラムの仕様上の制限を設けていないことをもって黙示の合意の根拠とならない旨を主張する。しかし、前記(3) の説示のとおり、ソースコードを納品していた本件プログラム3~5に係る各契約が存在していたことを前提とすると、その後の本件プログラム1、2及び6に係る各契約において、特定の現場や業務に限るとの特段の取決めもないままで、プログラムの仕様上の客観的な制限が設けられていなかったことにより、本件1、2及び6においても、プログラムの複製、改変についての黙示の合意が存在していたと認 められ、1審原告の上記主張は理由がない。 ウ 1審原告は、1審原告が本件プログラム3~5のソースコードを開示していたのは、当時のパソコンやインターネットの技術上それ以外に方法がなかったからであり、ソースコードを開示していたことが黙示の合意を推認するものとはいえない旨を主張する。しかしながら、実行ファイルのみを納品する方法も考えられるほか、たとえ現場において不具合に対応するためにソースコードの開示が必要であっ たとしても、無制限に開示する必要があったわけではなく、ソースコードにアクセス制限をかけることなども考えられたことからすると、1審原告の上記主張は採用できない。 エ 1審原告は、1審被告に入社する前後いずれも、1審原告が納品したプログラムが他の現場で複製、変更、改変して利用されていたこと等を知る契機がなかっ たことから、1審原告が1審被告と長期間取引をしており、かつ、1審原告が1審被告に就職してプログラム制作に従事したことがあるからといって、黙示の合意があったことを推認させるものではない旨を主張する。しかしながら、1審原告が1審被告と長期間取引をしており つ、1審原告が1審被告に就職してプログラム制作に従事したことがあるからといって、黙示の合意があったことを推認させるものではない旨を主張する。しかしながら、1審原告が1審被告と長期間取引をしており、かつ、1審原告が1審被告に就職してプログラム制作に従事していたことからすると、1審被告のプログラムの利用実態を認識する 機会がなかったとは考え難く、1審原告の上記主張は採用できない。 (5) 以上によると、1審原告の本件各プログラムの複製権侵害及び同一性保持権侵害に基づく損害賠償請求は、いずれも理由がない。 4 氏名表示権が侵害されたか(争点3-3、5-2)及び1審被告に故意又は過失があったか(争点3-4、5-3)について (1) 二次著作物の公衆への提供又は提示についてア証拠(甲14、30)及び弁論の全趣旨によると、本件プログラム5は、計測器が取得したアナログデータをデジタルデータへ変換し、パソコンへ収録するプログラムであるところ、本件プログラム5及び1審被告プログラム5による画面表示は、1審被告の顧客へ提示されないことが認められ、「公衆への提供又は提示」 があるものとはいえず、「公衆への提供又は提示」を認めるに足りる証拠はないか ら、本件プログラム5についての氏名表示権の侵害は理由がない。 イ証拠(甲9)及び弁論の全趣旨によると、本件プログラム3は、工事が地盤、構造物等に与える影響を継続的にモニタリングするためのものであり、1審被告の顧客へ提示される本件プログラム3及び1審被告プログラム3の画面については、専ら測定データの演算結果の画面表示のみであると認められるものの、本件プログ ラム3又は1審被告プログラム3をパソコンで実行すると、始めの1秒前後の間、パソコン画面に本件プログラム3又は1審被告 専ら測定データの演算結果の画面表示のみであると認められるものの、本件プログ ラム3又は1審被告プログラム3をパソコンで実行すると、始めの1秒前後の間、パソコン画面に本件プログラム3又は1審被告プログラム3の名称及び制作者名が表示されること、1審被告の顧客が本件プログラム3又は1審被告プログラム3の画面表示を現場で確認していることからすると、1審被告の顧客が本件プログラム3又は1審被告プログラム3につき、その名称及び制作者名の表示部分を確認する 場合があると認められることからすると、「公衆への提供又は提示」があるものと認められる。 (2) 氏名表示権の侵害及び1審被告の故意又は過失について当裁判所は、本件プログラム3につき、原判決と同じく、1 審被告には氏名表示権の侵害があり、損害賠償義務があると判断する。その理由は、原判決「事実及び 理由」第4の3(1)ア(原判決20頁11行目~21行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。 5 消滅時効が完成したか(争点3-9)について当裁判所は、本件プログラム3につき、原判決と同じく、その氏名表示権の侵害に基づく損害賠償請求権は時効により消滅していないと判断する。その理由は、原 判決の本件プログラム5に係る説示部分(原判決21頁5行目の「及び同5」、同頁9行目の「及び5」)を削るほかは、原判決「事実及び理由」第4の3(2)(原判決21頁5行目~13行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。 6 損害の有無及び額(争点3-5)について前記4(1)アのとおりの1審被告の行為による本件プログラム3についての氏名 表示権侵害によって1審原告の被った損害(慰謝料額)は、本件に現れた一切の事 情を考慮すると5万円と認められ、1審被告は、相当因果関係の 告の行為による本件プログラム3についての氏名 表示権侵害によって1審原告の被った損害(慰謝料額)は、本件に現れた一切の事 情を考慮すると5万円と認められ、1審被告は、相当因果関係のある弁護士費用5000円を加えた5万5000円及びこれに対する遅延損害金を支払う義務を負う。 7 1審原告による文書提出命令の申立てについて1審原告は、当審における令和6年4月26日付け文書提出命令の申立書1(9)において、「現在サイレントロボで使用しているソースコードを記載した文書」の文 書提出命令を求めているが、前記2(1)及び(2)に説示した点によると1審被告プログラム3がサイレントロボのプログラムとして使用されている具体的な可能性があるものといえない。 また、同申立書1(1)~(8)において求める文書はいずれも本件各プログラムの複製権又は同一性保持権の侵害が認められる場合の損害額の算定に関わる文書である。 以上によると、いずれの文書も本件において証拠調べの必要性があるとはいえないから、同申立ては却下する。 第5 結論以上の次第であるから、その余の争点について判断するまでもなく、1審原告の1審被告に対する請求は、5万5000円及びこれに対する不法行為後の日で1審 原告の請求に係る令和元年12月16日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこの限度で認容し、その余は理由がないから棄却すべきところ、これと異なり、1審原告の損害賠償請求を11万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で一部認容した原判決は一部失当であって、1審被告の附帯 控訴は一部理由があるから原判決主文1項、2項を上記のとおり変更し、1審原告 支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で一部認容した原判決は一部失当であって、1審被告の附帯控訴は一部理由があるから原判決主文1項、2項を上記のとおり変更し、1審原告の控訴には理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 主文 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官 本多知成 裁判官 遠山敦士 裁判官 天野研司
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