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昭和31(オ)835 売掛代金請求

裁判所

昭和35年10月21日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所

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8,402 文字

主文 原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人長野潔、同長野法夫の上告理由第三点について。原判決の確定するところによれば、東京地方裁判所厚生部は、要するに、戦時中から同裁判所職員の福利厚生をはかるため、生活物資の購入配給活動をつづけて来た一種の組織体であつて、いわば自然発生的に一般に「厚生部」と呼ばれるようになつたものであり、その運営も専ら同裁判所の職員によつてなされて来たものであるが、昭和二三年八月下級裁判所事務処理規則の施行にともない、東京地方裁判所事務局総務課に厚生係がおかれることになつたので、同裁判所では、従来前示「厚生部」の事業にたずさわつていた職員Dらをそのまま厚生係にあて、同裁判所の事務としての職員の健康管理レクリエーシヨン等厚生に関する本来の事項を分掌させるとともに、従前どおり「厚生部」の事業の担当者としてこれを継続処理することを認め、Dらは同裁判所厚生係室にあてられた同裁判所本館一階の事務局総務課厚生係の表札を掲げた一室において「東京地方裁判所厚生部」という名義で他と取引を継続して来たものである。そして、「厚生部」の事務に従事する職員らは、上告人ら第三者と物資購入等の取引をするにあたつては、発註書、支払証明書というがごとき官庁の取引類似の様式を用い、これら発註書や支払証明書には、庁用の裁判用紙を使用し、さらに、発註書の頭書には「東地裁総厚第号」と記載し、なお、支払証明書には東京地方裁判所の庁印を使用する等の方法をとつていたものであり、本件取引は、いずれも、東京地方裁判所総務課に厚生係がおかれた後、厚生係である裁判所職員により、「厚生部」の名義で、なされたものである。以上の事実関係に徴すれば、「厚生部」は上告人の主張するようにこ 件取引は、いずれも、東京地方裁判所総務課に厚生係がおかれた後、厚生係である裁判所職員により、「厚生部」の名義で、なされたものである。 明書には東京地方裁判所の庁印を使用する等の方法をとつていたものであり、本件取引は、いずれも、東京地方裁判所総務課に厚生係がおかれた後、厚生係である裁判所職員により、「厚生部」の名義で、なされたものである。以上の事実関係に徴すれば、「厚生部」は上告人の主張するようにこ 件取引は、いずれも、東京地方裁判所総務課に厚生係がおかれた後、厚生係である裁判所職員により、「厚生部」の名義で、なされたものである。以上の事実関係に徴すれば、「厚生部」は上告人の主張するようにこれを法律上- 1 -東京地方裁判所の一部局とすることはできず、又同じくその主張のように同裁判所の事実上の一部局とも目すべきでないとする原判決の判断はこれを肯認することができるのである。しからば、「厚生部」のなした取引につき、東京地方裁判所はなんらの責任を負うものではないと云いうるであろうか。およそ、一般に、他人に自己の名称、商号等の使用を許し、もしくはその者が自己のために取引する権限ある旨を表示し、もつてその他人のする取引が自己の取引なるかの如く見える外形を作り出した者は、この外形を信頼して取引した第三者に対し、自ら責に任ずべきであつて、このことは、民法一〇九条、商法二三条等の法理に照らし、これを是認することができる。本件において、東京地方裁判所は、「厚生部」が「東京地方裁判所厚生部」という名称を用い、その名称のもとに他と取引することを認め、その職員Dらをして「厚生部」の事務を総務課厚生係にあてた部室を使用して処理することを認めていたことは前記のとおりである。ところで、戦後、社会福祉の思想が普及するとともに、当時の経済事情と相まつて、会社銀行等の事業体は競つて職員のための厚生事業や厚生施設の拡充に意を用いるにいたつた。これは当時の一般的社会的風潮であつたと云つてよい。官庁においても、遅ればせながら、当然その影響を受けたのであつて、前示のごとく昭和二三年にいたり東京地方裁判所事務局総務課に厚生係がおかれたのも、この影響の一たんを示すものに外ならない。このような社会情勢のもとにおいて、一般に官庁の部局をあらわす文字である「部」と名付け く昭和二三年にいたり東京地方裁判所事務局総務課に厚生係がおかれたのも、この影響の一たんを示すものに外ならない。このような社会情勢のもとにおいて、一般に官庁の部局をあらわす文字である「部」と名付けられ、裁判所庁舎の一部を使用し、現職の職員が事務を執つている「厚生部」というものが存在するときは、一般人は法令によりそのような部局が定められたものと考えるのがむしろ当然であるから、「厚生部」は、東京地方裁判所の一部局としての表示力を有するものと認めるのが相当である。 れたのも、この影響の一たんを示すものに外ならない。このような社会情勢のもとにおいて、一般に官庁の部局をあらわす文字である「部」と名付けられ、裁判所庁舎の一部を使用し、現職の職員が事務を執つている「厚生部」というものが存在するときは、一般人は法令によりそのような部局が定められたものと考えるのがむしろ当然であるから、「厚生部」は、東京地方裁判所の一部局としての表示力を有するものと認めるのが相当である。- 2 -殊に、事務局総務課に厚生係がおかれ、これと同じ部室において、同じ職員によつて事務の処理がなされている場合に、厚生係は裁判所の一部局であるが、「厚生部」はこれと異なり、裁判所とは関係のないものであると一般人をして認識せしめることは、到底難きを強いるものであつて、取引の相手方としては、部と云おうが係と云おうが、これを同一のものと観るに相違なく、これを咎めることはできないのである。原判決は、多数の従業員を使用する事業体において、その事業体の名称の下に、「厚生部」その他類似の名称を附するときは、その名称は、全体として、当該事業体の一部局たることを示すものと云い得る場合の存することは否定しえないであろうと云いながら、少くとも国の機関である官庁についてはこれと異なる旨判示している。すなわち、原審は、「厚生部」その他類似の名称はおうむねその事業体の職員のための物資の購入等の活動にあたる組織であることを示すものであるとした上、官庁職員のための生活物資購入の事務が当該官庁自身の事務であることは通常ありえないところであるから、たまたま「厚生部」なる名称の上に当該官庁の名が冠せられたとしても、一般にその官庁もしくはその一部局であると人をして認識せしめるに足るものということはできないと とは通常ありえないところであるから、たまたま「厚生部」なる名称の上に当該官庁の名が冠せられたとしても、一般にその官庁もしくはその一部局であると人をして認識せしめるに足るものということはできないとする。しかし、一般に、厚生という言葉は、ひろく健康を維持しまたは増進することという意味で用いられているのであるから、「厚生部」その他類似の名称の付された組織体があるときは、その活動範囲は、職員のための生活物資購入等にとどまるものではないのが普通である。したがつて、職員のための物資購入の事務が官庁の事務であることは、原判示のごとく、通常ありえないとしても、このことからただちに、「厚生部」が一般に官庁もしくはその一部局であると人をして認識せしめるに足りないものということはできない。 意味で用いられているのであるから、「厚生部」その他類似の名称の付された組織体があるときは、その活動範囲は、職員のための生活物資購入等にとどまるものではないのが普通である。したがつて、職員のための物資購入の事務が官庁の事務であることは、原判示のごとく、通常ありえないとしても、このことからただちに、「厚生部」が一般に官庁もしくはその一部局であると人をして認識せしめるに足りないものということはできない。また、原審が、裁判所というだけでなんびとにもその職務権限事務内容のおうよそが理解されうる官庁については、「厚生部」という名の存在がその名の示すような事務内- 3 -容をもつて、裁判所の一部局としてあり得ると解する如きことは、通常人の注意を用いる者にはおこり得ないと解しなければならないと判示したことは、少くとも、事務局総務課に厚生係がおかれていることを忘れたものと評せざるをえない。されば、前記のごとく、東京地方裁判所当局が、「厚生部」の事業の継続処理を認めた以上、これにより、東京地方裁判所は、「厚生部」のする取引が自己の取引なるかの如く見える外形を作り出したものと認めるべきであり、若し、「厚生部」の取引の相手方である上告人が善意無過失でその外形に信頼したものとすれば、同裁判所は上告人に対し本件取引につき自ら責に任ずべきものと解するのが相当である。もつとも、公務員の権限は、法令によつて定められているのであり、国民はこれを知る義務を負うものであるから、表見代理等の法規 は上告人に対し本件取引につき自ら責に任ずべきものと解するのが相当である。もつとも、公務員の権限は、法令によつて定められているのであり、国民はこれを知る義務を負うものであるから、表見代理等の法規を類推適用して官庁自体の責を問うべき余地はないとの見解をとる者なきを保し難いが、官庁といえども経済活動をしないわけではなく、そして、右の法理は、取引の安全のために善意の相手方を保護しようとするものであるから、官庁のなす経済活動の範囲においては、善意の相手方を保護すべき必要は、一般の経済取引の場合と少しも異なるところはないといわなければならず、現に当裁判所においても、村長の借入金受領行為につき、民法一一〇条の類推適用を認めた判例が存するのである(昭和三四年七月一四日第三小法廷判決、民集一三巻七号九六〇頁参照)。次に、原判決は、本件取引の経緯に照らし、上告人が当初から「厚生部」を東京地方裁判所の一部局と信じて取引に当つたものかどうかはむしろ疑わしい旨、および仮に上告人が厚生部を東京地方裁判所の一部局と信じたとしても、それはひつきよう上告人の不注意によるものといわざるをえない旨判示している。 民法一一〇条の類推適用を認めた判例が存するのである(昭和三四年七月一四日第三小法廷判決、民集一三巻七号九六〇頁参照)。次に、原判決は、本件取引の経緯に照らし、上告人が当初から「厚生部」を東京地方裁判所の一部局と信じて取引に当つたものかどうかはむしろ疑わしい旨、および仮に上告人が厚生部を東京地方裁判所の一部局と信じたとしても、それはひつきよう上告人の不注意によるものといわざるをえない旨判示している。なるほど、本件取引の目的物件、数量および代金支払の方法等から見るときは、東京地方裁判所自体の取引でないことは、注意を用いれば判明しえたと思われるふしがあるけれど- 4 -も、一面、原判決の認定にかかる前示事実関係および厚生部の内部にいた職員Eらですら「厚生部」が東京地方裁判所の一部局であると信じていた事実は、むしろ上告人の善意を窺わしめるものといわなければならないであろう。要するに、東京地方裁判所は、本件取引につき自らの取引なるかの如き外形を作り出したものと認めうるのであるから、原審としては、よろしくこの前提に立つて、上告人が果して善意無過失であつたか否 あろう。要するに、東京地方裁判所は、本件取引につき自らの取引なるかの如き外形を作り出したものと認めうるのであるから、原審としては、よろしくこの前提に立つて、上告人が果して善意無過失であつたか否かをさらに審理判断すべきものであつて、原判決は法令の適用を誤つた結果、審理不尽理由不備の違法をおかしたものというべく、論旨は理由あり、原判決は破棄を免れない。よつて、民訴四〇七条一項により、本件を原審に差し戻すべく、裁判官藤田八郎の少数意見があるほか裁判官一致の意見をもつて、主文のとおり判決する。裁判官藤田八郎の少数意見は、次のとおりである。上告代理人長野潔、同長野法夫の上告理由第四点について。本件において問題となつている東京地方裁判所厚生部(以下「厚生部」と略称する)なるもののなり立ち沿革については、原判決の詳述するところであつて、要するに、戦時中から同裁判所職員の福利厚生をはかるため、職員の希望する物資の購入配給活動をつづけて来た一種の組織体であつて、その運営も専ら同裁判所の職員によつてなされて来たものであるが、昭和二三年八月下級裁判所事務処理規則の施行にともない、東京地方裁判所事務局総務課に厚生係がおかれることになつたので、同裁判所では、従来前示「厚生部」の事業にたずさわつていた職員Dらをそのまま厚生係にあて、同裁判所の事務としての職員の健康管理レクリエーシヨン等厚生に関する本来の事項を分掌させるとともに、従前どおり「厚生部」の事業の担当者としてこれを継続処理することを認め、Dは同裁判所厚生係室にあてられた同裁判所本館一階の室(事務局総務課厚生係の表札を掲げた一室)において、東京地方裁判所厚生部という名義で他と取引を継続して来たというのである。 部」の事業にたずさわつていた職員Dらをそのまま厚生係にあて、同裁判所の事務としての職員の健康管理レクリエーシヨン等厚生に関する本来の事項を分掌させるとともに、従前どおり「厚生部」の事業の担当者としてこれを継続処理することを認め、Dは同裁判所厚生係室にあてられた同裁判所本館一階の室(事務局総務課厚生係の表札を掲げた一室)において、東京地方裁判所厚生部という名義で他と取引を継続して来たというのである。- 5 -以上原判決認定の事実関係から見れば、なるほど、右「厚生部」は上告人の主 総務課厚生係の表札を掲げた一室)において、東京地方裁判所厚生部という名義で他と取引を継続して来たというのである。- 5 -以上原判決認定の事実関係から見れば、なるほど、右「厚生部」は上告人の主張するように、これを法律上東京地方裁判所の一部局とすることはできず、又同じくその主張のように同裁判所の事実上の一部局とも目すべきでないとする原判決の判断はこれを肯認することができるけれども、右「厚生部」なるものは、きわめて不明瞭なる性格を有し、同裁判所の厚生係と極めてまぎらわしき存在であつて、「厚生部」と取引する第三者はこれを同裁判所厚生係と混淆誤認するおそれの多分に存することは争うことのできないところである。原判決も「「厚生部」は東京地方裁判所職員を構成員ないし受益者とし職員により運営される職員のためのものであるから、かかる意味において全く裁判所に関係のない外部の団体等とは同一に談じ得ないことは当然である」とし、またDらが同地方裁判所の職員たる地位を失うことなく、従つてその給与その他公務員たる待遇を受けながら「厚生部」の事務にあたることを東京地方裁判所当局から認められていたことは事態を極めてあいまいならしめるものであつたことは否定し得ずとしている。あまつさえ、右「厚生部」の事務に従事する職員らは、上告人ら第三者と物資購入等の取引をするにあたつては、発註書、支払証明書というがごとき官庁の取引類似の様式を用い、右発註書、支払証明書の用紙に東京地方裁判所の用紙を用い、その庁印を押捺使用し、更に発註書の頭書に地裁総厚第号と記載したことも原判決の確定した事実であつて、かくては「厚生部」と取引する第三者がその取引の相手方をもつて東京地方裁判所自体であると誤認するもまことにむりからぬことといわなければならない。原判決は右用紙の使用、庁印の にあたつては、発註書、支払証明書というがごとき官庁の取引類似の様式を用い、右発註書、支払証明書の用紙に東京地方裁判所の用紙を用い、その庁印を押捺使用し、更に発註書の頭書に地裁総厚第号と記載したことも原判決の確定した事実であつて、かくては「厚生部」と取引する第三者がその取引の相手方をもつて東京地方裁判所自体であると誤認するもまことにむりからぬことといわなければならない。原判決は右用紙の使用、庁印の 確定した事実であつて、かくては「厚生部」と取引する第三者がその取引の相手方をもつて東京地方裁判所自体であると誤認するもまことにむりからぬことといわなければならない。原判決は右用紙の使用、庁印の押捺については「かかる用紙や庁印の使用は東京地方裁判所において公けに許したことのないのはもちろん、黙認した事実もなく」「右は厚生部係員が用紙を流用したというに過ぎず、庁印にいたつては係員におい- 6 -て本来用うべからざるところにほしいままにこれを用いたというべきものであつて」と判示しているけれども、一面、原判決はまた「厚生部の事務処理にあたる係員がこれを流用したことは、これを結果的にみれば同裁判所における職員に対する監督や庁印の保管等において内部規律の保持上なんらか欠けるところがあつたためと認めるべきものである」として東京地方裁判所の機関において職員の監督、庁印の保管等について懈怠のあつたことは、原判決も否定しないところである。果してしからば、裁判所の前記懈怠行為は、前に述べたごとき厚生部に「東京地方裁判所厚生部」という名称を用いて他と取引することをみとめたこと、同裁判所厚生係職員をして右「厚生部」の仕事に従事せしめたこと、「厚生部」の仕事を同裁判所厚生係にあてた部室において執務せしめたこと等一連の同裁判所の行為と相俟つて、上告人主張のような誤認ひいてはその主張のような損害の発生に対して原因を与えたという事実はこれを否定し得べくもないのである。原判決は右の懈怠行為が上告人主張のような誤認乃至損害の発生の原因となるが如きは裁判所の予想し得ないところであるから、相当因果関係を欠くというけれども、右「厚生部」と同裁判所厚生係とは極めてまぎらわしき存在であることは、既に前段において詳述するとおりであつて、これに加えて前述のごとき用紙、庁印の ころであるから、相当因果関係を欠くというけれども、右「厚生部」と同裁判所厚生係とは極めてまぎらわしき存在であることは、既に前段において詳述するとおりであつて、これに加えて前述のごとき用紙、庁印の乱用が行われるにおいては、「厚生部」と取引する第三者において上告人主張のような混淆誤認を生ずるおそれのあることは容易に看取し得るところであつて、原判決の予見し得べからざるところとする判断は到底是認することはできないのである。 当因果関係を欠くというけれども、右「厚生部」と同裁判所厚生係とは極めてまぎらわしき存在であることは、既に前段において詳述するとおりであつて、これに加えて前述のごとき用紙、庁印の乱用が行われるにおいては、「厚生部」と取引する第三者において上告人主張のような混淆誤認を生ずるおそれのあることは容易に看取し得るところであつて、原判決の予見し得べからざるところとする判断は到底是認することはできないのである。(用紙、庁印の乱用についても、これを裁判所の裁判部の職員について云えばこれによつて本件のごとき損害の発生を惹起することは予見し得べからざるものとする見解も首肯し得られるけれども、本件厚生係の職員については全くその事情を異にすることは上来説示する諸般の事情からして十分に会得せられるところである。)原判決は右上告人の誤認は専ら上告人側の不注意にもとづくものであるというけ- 7 -れども、右誤認に対しては如上裁判所の一連の行為、不行為がその原因を与えておる事実ありとする以上、専ら上告人側の不注意にもとづくものとすることのできないことはあきらかであつて、上告人側に不注意に基く過失ありとすれば本件損害についてこれを斟酌せられるべきものであるに過ぎないのである。以上のとおり、原判決が裁判所に前示のような懈怠行為あることを認めながら、これをもつて、本件上告人の損害の原因たることを否定し、たやすく上告人の不法行為に基く請求を排斥したのは、ひつきよう不法行為に関する法理をあやまつたか、相当因果関係の点に関して審理を尽さざる違法あるに帰するものであつて上告人の上告は理由あり原判決はこの点において破棄を免れないものである。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重 あつて上告人の上告は理由あり原判決はこの点において破棄を免れないものである。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官河村大助裁判官奥野健一- 8 -

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