【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人小坂長四郎の上告理由第一点および第二点について。 建物保護に関する
主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人小坂長四郎の上告理由第一点および第二点について。 建物保護に関する法律(明治四二年法律第四〇号)一条は、登記した建物をもつて土地賃借権の登記に代用する趣旨のものであるから、第三者が右建物の登記を見た場合に、その建物の登記によつてどの範囲の土地賃借権につき対抗力が生じているかを知りうるものでなければならず、当該建物の登記に敷地の表示として記載されている土地(更正登記の許される範囲においては敷地の適法な表示がされているものと扱うべきこともちろんである。)についてのみ、同条による賃借権の対抗力は生ずると解するを相当とする。したがつて、甲が、乙からその所有の相隣接するa番、b番の土地を建物所有の目的で貸借し、a番の土地の上にのみ登記ある建物を所有するにすぎないときは、法律上の利害の関係を有する第三者に対し、b番の土地の賃借権をもつて対抗することができないといわなければならない。 ところで、原判決は、本件建物は登記簿上c番一筆上に存在するように記載されていたところ、現実には、同番をはみ出し、ほか数筆に跨がる本件土地(八筆)上に存在していたものであつて、昭和四二年一月二五日に現状に合致するように更正登記がされたことを認めることができるから、右の不一致は、本件建物の敷地である本件土地全部について賃借権の対抗力を主張するの妨げにならないと認定判断している。しかし、この事実認定に供された証拠は、乙第三〇号証の一(本件建物の表示の更正登記をした後の本件建物の登記簿謄本)、同号証の二(本件建物と敷地との関係を表示した図面)であり、これらの証拠によれば、本件建物の所在地番として本件土地八筆のうちd番のe、f番のeの二筆は入つていな 登記をした後の本件建物の登記簿謄本)、同号証の二(本件建物と敷地との関係を表示した図面)であり、これらの証拠によれば、本件建物の所在地番として本件土地八筆のうちd番のe、f番のeの二筆は入つていないことが明らかで- 1 -ある。したがつて、右二筆が本件建物の敷地になつていないとすれば、右二筆を含む本件土地八筆全部に跨がつて本件建物が存在しているとして本件土地八筆全部につき建物保護に関する法律一条により賃借権が対抗力を有すると判断した原判決には、同条の解釈適用を誤り、ひいて理由不備、理由そごの違法があるか、証拠によらずして事実を認定した違法があり、この事実認定の違法が判決に影響を及ぼすこと明らかである。論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。 よつて、その余の上告理由に対する判断を省略し、更に右の点について審理を尽くさせるため、原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻すこととし、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官飯村義美裁判官田中二郎裁判官下村三郎裁判官松本正雄裁判官関根小郷- 2 -
▼ クリックして全文を表示