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昭和34(う)1040 詐欺被告事件

裁判所

昭和34年12月24日 東京高等裁判所

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1,257 文字

主文 原判決を破棄する。被告人を懲役一年二月に処する。但し本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。原審並びに当審における訴訟費用は被告人の負担とする。理由 吉田弁護人の控訴の趣意第九点について。論旨は、原判決が原判示第二の事実認定の証拠として掲げた被告人の(1)検察事務官に対する昭和三十一年六月十一日付供述調書及び(2)検察官に対する同年十一月四日付供述調書はいずれも原判示第二の事実を起訴した後に取調の上作成されたものであるから証拠として採用すべからざるものであるというのである。よつて按ずるに、被告人の右各供述調書がいずれも原判示第二の事実の起訴後に作成されたものであることは所論のとお<要旨>りであるが、捜査についてはその目的を達するために必要な取調をすることができることは刑事訴訟法第百九</要旨>十七条の規定するところであつて、同条は捜査官の任意捜査につき別段の制限を設けていないから、同法第百九十八条の「被疑者」とある文字にかかわりなく、起訴後においても捜査官はその公訴を維持するために必要な取調をなし得るものといわなければらない。もつとも、刑事訴訟法上の被告人の当事者たる地位にかんがみ、できうる限り起訴後における被告人の取調はこれを避けるべきであることはいうまでもないところであるが、これによつて直ちにその取調を違法とし、その取調の上作成された供述調書の証拠能力を否定すべきではないのであつて、本件においては前記(1)の供述調書は起訴後第一回公判期日前に取調がなされて作成されたものであり、また同(2)の供述調書は主として追起訴にかかる原判示第一の事実につき取調がなされた後先に起訴された原判示第二の事実についても念のため前記(1)の供述を確かめる意味に なされて作成されたものであり、また同(2)の供述調書は主として追起訴にかかる原判示第一の事実につき取調がなされた後先に起訴された原判示第二の事実についても念のため前記(1)の供述を確かめる意味において取調がなされたものと認められる(その内容も(1)の供述を出ないものである。 かかる原判示第一の事実につき取調がなされた後先に起訴された原判示第二の事実についても念のため前記(1)の供述を確かめる意味に なされて作成されたものであり、また同(2)の供述調書は主として追起訴にかかる原判示第一の事実につき取調がなされた後先に起訴された原判示第二の事実についても念のため前記(1)の供述を確かめる意味において取調がなされたものと認められる(その内容も(1)の供述を出ないものである。)のであるから、その取調は適法であつて、前記(1)及び(2)の各供述調書はいずれも証拠能力を有するものといわなければならない。(当裁判所昭和二九年(う)第二五九三号、同三〇年二月一日判決参照)したがつて原判決には何ら所論のごとく採証法則に違反するところはなく、論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事坂井改造判事山本長次判事荒川省三)

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