平成31(わ)175 水質汚濁防止法違反

裁判年月日・裁判所
令和元年5月8日 名古屋地方裁判所
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判決文本文2,072 文字)

- 1 - 主文 被告人株式会社Aを罰金50万円に,被告人Bを懲役6か月に処する。 被告人Bに対し,この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 【犯罪事実】被告人株式会社A(以下「被告会社」という。)は,熊本市a区b町c番地dに本店を置き,塵芥,廃棄物等の収集及び処理並びにそれに付随する肥料製造業等を営み,名古屋市e区f町g番地hにCの名称で,水質汚濁防止法に定める特定施設である動物系飼料又は有機質肥料の製造業の用に供する施設等を設け,公共用水域である名古屋港に,1日当たり平均20立方メートルを超える排出水を排出する工場を設けているもの,被告人Bは,被告会社の代表取締役として,同社の業務全般を統括管理していたものであるが,被告人Bは,同工場の工場長代理であるDと共謀の上,被告会社の業務に関し,前記D又は同社従業員をして,法令で定める除外事由がないのに,別表記載のとおり,平成30年9月7日から同年11月30日までの間,5回にわたり,同工場の排水口から,省令で定める排水基準(水素イオン濃度〔水素指数〕は5.0以上9.0以下,窒素含有量は1リットルにつき120ミリグラム)及び条例で定める排水基準(化学的酸素要求量は1リットルにつき25ミリグラム,浮遊物質量は1リットルにつき30ミリグラム,ノルマルヘキサン抽出物質含有量〔動植物油脂類〕)は1リットルにつき10ミリグラム)を超える排出水を前記名古屋港に排出し,もってその汚染状態が排水基準に適合しない排出水を排出した。 【法令の適用】 1 被告会社について⑴ 罰条別表番号1ないし5の各行為ごとに(別表番号2,4の各行為についてはそれぞれ包括して),刑法60条,水 - 2 -質汚濁防止法34条,3 令の適用】 1 被告会社について⑴ 罰条別表番号1ないし5の各行為ごとに(別表番号2,4の各行為についてはそれぞれ包括して),刑法60条,水 - 2 -質汚濁防止法34条,31条1項1号,12条1項,3条1項,3項,排水基準を定める省令1条,別表第2,水質汚濁防止法3条3項に基づく排水基準を定める条例(昭和47年愛知県条例第4号)2条,3条,別表第1,第2⑵ 併合罪の処理刑法45条前段,48条2項(別表番号1ないし5の各罪の罰金の多額を合計) 2 被告人Bについて⑴ 罰条別表番号1ないし5の各行為ごとに(別表番号2,4の各行為についてはそれぞれ包括して),刑法60条,水質汚濁防止法31条1項1号,12条1項,3条1項,3項,排水基準を定める省令1条,別表第2,水質汚濁防止法3条3項に基づく排水基準を定める条例(昭和47年愛知県条例第4号)2条,3条,別表第1,第2⑵ 刑種の選択別表番号1ないし5の各罪につきいずれも懲役刑を選択⑶ 併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い別表番号5の罪の刑に法定の加重)⑷ 刑の執行猶予刑法25条1項【量刑の理由】本件は,被告人Bの指示の下,廃棄物処理業等を営む被告会社が運営し,食品製造業等から排出される廃棄物を処理して肥料の製造等を行う施設から,定められた基準値を超える汚水を公共用水域である名古屋港に5回にわたり排出したという水質汚濁防止法違反の事案である。本件は,長期間にわたり同種行為が繰り返される中での組織的かつ常習的な犯行であるところ,国民の健康や生活環境の保護といった同法の趣旨に鑑み,本件により生じた結果はもとより看過することができない。 施設の運営につき実権を握る地位にあった被告人Bは 中での組織的かつ常習的な犯行であるところ,国民の健康や生活環境の保護といった同法の趣旨に鑑み,本件により生じた結果はもとより看過することができない。 施設の運営につき実権を握る地位にあった被告人Bは,かねて搬入される廃棄物の - 3 -受入れが施設の処理能力を大きく超える状況にあったにもかかわらず,適切な措置を講じることなく,自身の立場や会社の利益を守りたいなどとの独善的かつ利己的な動機から,従業員を指揮して安易に違法排水を続け,種々の隠ぺい工作をも行っていたもので,かかる一連の経緯は誠に厳しい非難に値する。 他方,被告会社代表者が適切な監督を怠った自身の責任につき真摯に謝罪と反省の言葉を述べ,被告人Bも公判廷では事実を認めて反省の態度を示していること,当然の報いとはいえ,被告会社は事業許可取消処分を受け,相応の社会的制裁を受けていること,被告人Bの妻が出廷の上,今後の指導監督を誓約していること,被告人らに前科はないことなど,被告人らのために酌むべき事情もある。 以上を考慮し,被告会社に対しては主文の罰金刑を科すこととし,また,被告人Bに対しては主文の懲役刑を科した上,今回に限り特にその刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 (求刑-被告会社に対して罰金50万円・被告人Bに対して懲役6か月)令和元年5月8日名古屋地方裁判所刑事第4部 裁判官神田大助

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