【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 本件控訴の趣意は弁護人堀川多門作成名義の控訴趣意書に記載されたとおりであ るから茲にこれを引用し、次のとおり判断する。
主文 本件控訴を棄却する。 理由 本件控訴の趣意は弁護人堀川多門作成名義の控訴趣意書に記載されたとおりであるから茲にこれを引用し、次のとおり判断する。 論旨第一点について論旨は先ず、原判決は被告人において本件米国通貨五千弗余をAに携帯させ同人をしてB空港にある旅客用航空機に乗り込ませた事実を以て右通貨の輸出と認定しているけれども、該認定事実の限度においては、通貨輸出の実行の着手といい得ても輸出の既遂とは解し得ない旨主張する。しかしながら原判決援用に係るAの検察官に対する供述調書によると、同人は原判示日時右旅客機に塔乗後ホノルルを経て米国に到着した事実を明認し得るのであつて、右塔乗機が米国向の定期便である以上、突発的支障のない限り所定の時刻に発港し、寸時にして領海を越え予定どおり目的地に到着すべきことは、一般にこれを期待して誤ないところであるから、外国為替及び外国貿易管理法の精神に鑑み、法定の除外事由なく支払手段を外国に輸送する目的で、当該外国に渡航するため搭乗した者にこれを引き渡したときはその行為はまさに同法第四十五条にいわゆる輸出に該当するものというべく、未だ離陸しない状態にあつたからといつて輸出行為の未遂を以つて論ずるのは当らない。原判決もこの趣旨において被告人の本件所為を通貨の輸出と判定したものと解するに難くない。それゆえ原判決の事実認定に所論のような判決に影響を及ぼすべき過誤があるとはいえない。次に論旨は本件米国通貨は正常な対外貿易等によつて適法に取得されたものでないから日本政府の管理外に属し、外国為替及び<要旨>外国貿易管理法の適用の余地がないので、その輸出行為に対し同法を適用すべきものではないと主張する。し</要旨>かしながら同法の目的とする同法第一条の趣旨に鑑みると、輸出 に属し、外国為替及び<要旨>外国貿易管理法の適用の余地がないので、その輸出行為に対し同法を適用すべきものではないと主張する。し</要旨>かしながら同法の目的とする同法第一条の趣旨に鑑みると、輸出入管理の対象となるべき支払手段たる通貨を特に所論の如く適法に取得されたもののみに限局すべき理由はない。また本件の如き適法に取得されたものでない外国通貨の輸出入管理が、原判示当時所論のように主務官庁において事実放任の状態に置かれていたとしても、かかる行政面における実際上の取扱によつて、この点に関する法律解釈が左右せらるべき謂われはない。 なお本件輸出行為の前段階において既に本作通貨につき、本法所定の集中義務違反があつたとしても、これを更に外国に密輸出する行為は右集中義務違反の所為とは別個の犯罪として処罰を免かれない。従つて原判決には所論の如き法令適用の誤は存しない。論旨はすべて理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事谷中董判事坂間孝司判事久永正勝)
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