平成14(ワ)1431 未払賃金等請求事件(通称 板山運送解雇)

裁判年月日・裁判所
平成17年4月19日 名古屋地方裁判所
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判決文本文51,908 文字)

平成17年4月19日判決言渡し平成14年(ワ)第1431号未払賃金等請求事件 主文 1 原告らの請求のうち本判決確定の日の翌日以降の賃金の支払を求める部分に係る訴えを却下する。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 原告らが,被告A株式会社に対し,いずれも労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 2 被告A株式会社は,原告Bに対し,平成13年1月から毎月10日限り月額46万6274円の割合による金員及びこれらに対するそれぞれ支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 被告A株式会社は,原告Cに対し,平成13年1月から毎月10日限り月額45万8600円の割合による金員及びこれらに対するそれぞれ支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,各原告に対し,連帯してそれぞれ500万円及びこれに対する被告A株式会社は平成14年4月20日から,被告Dは同月18日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,運送業を営む有限会社A(以下「有限A」という。)の代表者である被告Dが,新会社として被告A株式会社(以下「株式A」という。)を設立して,従業員の多くを同社に転籍させ,その後,有限Aを解散して同社に残っていた労働組合員である原告らを解雇したことについて,原告らが,被告株式Aの設立と有限Aの解散はいずれも法人格を濫用するものであり,解雇には,解雇事由がなく,不当労働行為にも当たるから無効であるとして,法人格否認の法理により新会社である被告株式Aとの間に労働契約関係が成立していると主張し,それぞれ労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と労働契約による賃金支払請求権に基づき平 効であるとして,法人格否認の法理により新会社である被告株式Aとの間に労働契約関係が成立していると主張し,それぞれ労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と労働契約による賃金支払請求権に基づき平成13年1月からの月額賃金及びこれらに対する遅延損害金の支払を求め,さらに,被告株式Aとその代表者である被告Dに対し,当該解雇が不当労働行為に当たり違法であるとして不法行為による損害賠償請求権に基づき連帯してそれぞれ慰謝料500万円及び遅延損害金の支払を求める事案である。 1 争いのない事実等(1) 有限Aは,昭和52年12月9日に設立された一般貨物自動車運送業及びこれに付帯する業務を目的とする有限会社である(争いがない。)。 その代表者は,被告Dが務め,その取締役は,被告Dの妻であるEと,従業員であったFが務めていた(争いがない。)。また,有限Aの本店所在地は,愛知県半田市G町H丁目I番地のJであった(甲2)。 (2) 有限Aは,いくつかの部門に分かれていた。まず,日本ペイント株式会社(以下「日本ペイント」という。)に塗料原料を輸送するタンクローリー・トラック部門があった。この仕事は従来豊興運輸倉庫株式会社(以下「豊興運輸」という。)から下請けしていた(争いがない。)。 また,有限会社中六(以下「中六」という。)とイチビキ醤油の醤油を輸送するタンクローリー・箱形トラック部門があった(争いがない。)。 また,株式会社伊勢湾陸運(以下「伊勢湾陸運」という。)の海上コンテナや飼料を輸送するトレーラーダンプ部門があった(争いがない。)。 有限Aの従業員は当初19人程度であったが,多いときで25人程度であった(争いがない。)。 (3) 原告Bは,昭和55年1月20日,有限Aに運転手として入社し,海上コンテナ輸送などの業務に従事してきた(争いがない。)。 原 人程度であったが,多いときで25人程度であった(争いがない。)。 (3) 原告Bは,昭和55年1月20日,有限Aに運転手として入社し,海上コンテナ輸送などの業務に従事してきた(争いがない。)。 原告Cは,昭和55年10月1日,有限Aに運転手として入社し,海上コンテナ輸送などの業務に従事してきた(争いがない。)。 原告らは,専ら伊勢湾陸運の業務を担当しており,その賃金は,毎月末日締切り,翌月10日支払であった(争いがない。)。 (4) 原告らは,平成9年5月1日,K労働組合L支部(以下「組合」という。)に加入し,同年9月13日,有限Aの従業員の組合員からなるG分会(以下「分会」という。)を結成し,同月16日,有限Aに対して結成を通知した(争いがない。)。 (5) 被告株式Aは,平成10年10月30日に設立された一般貨物自動車運送業,貨物運送取扱業,配送業務に係る貨物の区分,荷造,保管及び在庫管理業務,これらに付帯する一切の業務を目的とした株式会社である(争いがない。)。 被告株式Aの設立により,有限Aの中六部門と日本ペイント部門は被告株式Aに移り,有限Aには伊勢湾陸運部門が残った(争いがない。)。 (6) 被告株式Aは,平成12年9月ころ,中六部門のタンクローリー・箱形トラックを新大和興運株式会社(以下「新大和興運」という。)に売った(乙100)。 (7) 被告株式Aは,平成12年11月ころ,日本ペイント部門のタンクローリー車両を光陽ケミカル株式会社(以下「光陽ケミカル」という。)に売った(乙101,102)。 (8) 有限Aは,平成12年12月12日に解散し,その代表取締役であった被告Dが清算人に選任された(乙25)。 有限Aは,平成12年12月,解散を理由に原告らを解雇した(争いがない。)。 (9) 被告株式Aは,平成13年7月21日に解散し,被告 し,その代表取締役であった被告Dが清算人に選任された(乙25)。 有限Aは,平成12年12月,解散を理由に原告らを解雇した(争いがない。)。 (9) 被告株式Aは,平成13年7月21日に解散し,被告Dが清算人に選任された(乙60)。 2 争点及び当事者の主張(1) 法人格否認の法理の適用の有無(原告らの主張)被告らは,有限Aの法人格を濫用するものであり,有限Aの法人格は否認され,原告らと被告株式Aとの間に労働契約が成立する。 ア支配の要件①事務所の同一性,②従業員,運転手の同一性,③車両使用の同一性,④高速プレート・什器備品等の共同使用,⑤駐車場の利用の同一性,⑥役員・事務員の同一性,⑦株主の類似性,⑧財政的一体性,⑨対外的信用性の同一性などに照らし,有限Aの代表者である被告Dが被告株式Aを支配していることは明らかであり,有限Aと被告株式Aは一体である。 (ア)a 被告株式Aの登記簿上の本店所在地の愛知県知多郡M町NO丁目P番地には,ガレージとガレージ横に郵便受けがあるだけで,事務所は一切なかった(甲15の1から5まで)。 被告株式Aが支店を設置したのは,平成10年12月8日であり(甲2),それ以前は全く名目だけの本店しかなかった。 また,被告株式Aは,登記簿上の本店所在地である愛知県知多郡M町,支店所在地である愛知県半田市G町のいずれにおいても電話登録されていない(甲75)。 b 有限Aの事務所は被告株式A関係の業務にも利用されていた。すなわち,被告株式Aの運転手は,中六関係も日本ペイント関係も日報用紙を有限Aの事務所に持参し,事務所が閉まった後には,有限Aの事務所の郵便受けに入れて帰っていた。 また,有限Aの事務所内の配車板には,被告株式Aの中六の配車が記載され,被告株式Aの業務の指示も,有限Aの事務所を通してされた。 被告株式 まった後には,有限Aの事務所の郵便受けに入れて帰っていた。 また,有限Aの事務所内の配車板には,被告株式Aの中六の配車が記載され,被告株式Aの業務の指示も,有限Aの事務所を通してされた。 被告株式Aの事務員であるQが,有限Aの事務所で,有限Aの無線を使って,有限Aの運転手に配車を指示し,有限Aの事務員であるRが,有限Aの事務所で被告株式Aの運転手に配車を指示するなどしていた。また,被告株式AのQと有限AのRは,忙しいときにはお互いを手伝うという,極めて密接な人的関係にあるし,原告Cは,平成11年3月10日,被告株式AのQから給料明細書を受け取ったりしている。 c 被告株式Aの支店所在地である愛知県半田市G町は,会社の看板等はなく,郵便受けに「A」と書かれているだけで,窓にはフィルムが貼られている状態であり,形だけのもので事務所の機能は全く果たしていなかった(甲15の6及び7)。また,この支店所在地と有限Aの事務所とは数百メートル離れているだけで,あえて支店所在地を設ける必要性は乏しいのであって,不自然である(甲69)。また,被告株式Aは,登記簿上の本店所在地に,道路から遠い,中六醤油の駐車場奥に「A」と書かれた郵便受けを設置したが,これは放置されていて郵便受けとして機能していない(甲15の1から5まで)。 被告株式Aと有限Aは,同族会社なのであるから従前の事務所を共同利用するなり分割して利用するのが自然であるが,あえて別の事務所の外観を設けており不自然である。これは,組合からの追及に合い,不当労働行為の目的を隠蔽する意図があったことによるものである。 (イ) 従業員,運転手の同一性被告株式Aの従業員,運転手は,分社時は有限Aからの従業員で占められていた。 (ウ) 車両使用の同一性a 被告株式Aが平成11年4月の時点で使用している21 である。 (イ) 従業員,運転手の同一性被告株式Aの従業員,運転手は,分社時は有限Aからの従業員で占められていた。 (ウ) 車両使用の同一性a 被告株式Aが平成11年4月の時点で使用している21台の車両のうち,有限Aから移転登録されたものが16台,そのうち平成9,10年に有限Aに新規登録又は移転登録され,被告株式Aが設立された直後に同被告に移転登録されたものが8台,有限Aの登録のままのものが1台存在する。被告株式Aと有限Aの経済的基盤は実質的に同一である。 b 被告株式Aの車両の表示は,分社後当分の間は有限Aの表示のままであったのであり,それが予算上の理由によるものであったとしても,被告株式Aが有限Aの名義のままの車両を便宜的に使用できる関係であったのである。 被告株式Aの車両のカラーは,有限Aの車両のカラーと比べれば,シンボルマークがペイントされていない点を除いては,カラーは全く同じである(甲15の10から18まで)。また,有限Aから被告株式Aに移転登録された車両の表示は,有限Aの表示の上に被告株式Aの表示を重ねたにすぎない状態であり,かつ,有限Aのマークが残されたままである(甲15の13,15から18まで)。 (エ) 高速プレート,什器備品等の共同使用a 被告株式Aの運転手は,有限Aの運転手が高速道路料金の支払に使用する高速プレートを,平成11年6月末まで兼用して使用していた。 b 被告株式Aの車両のエンジンオイルは,有限Aの車庫内のものを使用していた。また,被告株式Aの運転手は,車両修理工具,水道も有限Aのものを使用していた。 (オ) 駐車場の利用の同一性有限Aは,愛知県半田市G町H丁目I番地のJにある有限Aの本店事務所前(甲15の10)と第2駐車場(甲15の11)を設けているが,被告株式Aは,トラック,ローリー等の駐車場と 駐車場の利用の同一性有限Aは,愛知県半田市G町H丁目I番地のJにある有限Aの本店事務所前(甲15の10)と第2駐車場(甲15の11)を設けているが,被告株式Aは,トラック,ローリー等の駐車場として,これらの駐車場を利用している。 被告株式Aが賃料を支払っていたとしても,専ら有限Aが使用してきた駐車場を被告株式Aが使用していること自体,経済的基盤をそのまま移行,相互利用したことの現われである。また,駐車場の賃貸借契約が何のトラブルもなく移行したことは,両者が実質的に同一であることを示している。 (カ) 役員,事務員の同一性有限Aの代表者は被告D,被告株式Aの代表者はEであり,両者は夫婦である。被告Dは,平成10年10月30日から平成11年2月10日まで被告株式Aの取締役を兼務していたし,Eは,有限Aの取締役でもある(甲1,2)。 さらに,被告株式Aの取締役Sは,有限Aの従業員から株式Aの役員となった人物である(甲2)。また,両社の監査役は,被告Dの妹の夫であるTである(甲1,2)有限Aの事務はRが,被告株式Aの事務はQがしているが,共に被告DとEの子であり,姉妹である(甲1,2)。 (キ) 株主構成有限Aも被告株式Aも,大半の出資を被告Dが,次にEがしており,両人の出資が圧倒的である。 (ク) 財政的一体性有限Aと被告株式Aとは,通常の貸し借りを超えて経理上の操作をして融通しており,財政的にも一体性は高い。 (ケ) 対外的信用被告株式Aは,有限Aの20年以上の営業活動によって築かれた信用の上に成り立っており,同一性を有していることに,被告株式Aは,企業活動の基礎を有していた。 イ目的の要件被告らは,組合活動を嫌悪して弱体化させようとし,組合員を差別するために,被告株式Aを設立し,有限Aを解散したもので,不当労働行為であって違 株式Aは,企業活動の基礎を有していた。 イ目的の要件被告らは,組合活動を嫌悪して弱体化させようとし,組合員を差別するために,被告株式Aを設立し,有限Aを解散したもので,不当労働行為であって違法不当であり,違法な目的も認められる。 (ア) 有限Aや被告Dは,分会結成の当初から組合員を差別していた。 a 被告Dは,平成9年11月22日,G公民館において日本ペイント部門の従業員を集め,組合脱退届の見本を示し,組合から脱退するよう勧奨した。 b 被告Dは,平成11年1月ころ,組合員のUに対し,被告株式Aが日本ペイントの直請けになったため,組合活動を控えてほしいなどと言って同人に組合から脱退するよう勧奨した。 c 有限Aは,原告らが伊勢湾陸運の下請業務に従事しているために,伊勢湾陸運からの業務指示という方法を介して原告らを差別した。 原告らは,平成10年12月8日以降,多く時間外手当が付き,かつ売上単価も相対的に高い横浜ゴム新城行き,旭硝子武豊行きの配車の指示を受けず,所定労働時間内に終了し単価も安い名古屋港内の業務を多数回配車された。 d 原告らは,時間外手当が付く土曜日の配車がされなくなった。 e 原告らは,時間外手当が付かないような就労時刻の規制を口頭や無線や日報用紙によって受けた。 f 原告Cは,平成11年1月5日とその翌日の配車を拒否された。原告Bは,同年1月6日の普段あり得ない深夜のナイト就労の指示があっただけである。 g 伊勢湾陸運と有限Aは,原告らに対して地方労働委員会の審問があってもしつこく出勤して就労することを迫り,それがかなわないと,平成12年1月24日の愛知県地方労働委員会の審問の後,それに出席したことへの報復的な配車拒否を5日間した。 (イ) 株式Aの設立自体,組合嫌悪の不当労働行為である。 a 被告らは,分社時点で有限 ,平成12年1月24日の愛知県地方労働委員会の審問の後,それに出席したことへの報復的な配車拒否を5日間した。 (イ) 株式Aの設立自体,組合嫌悪の不当労働行為である。 a 被告らは,分社時点で有限Aを解散することを確定的に意図していた。 (a) 被告株式A設立後,有限Aに残された従業員は,原告ら,V,U,Wの5人であり,Wを除く全員が分会の組合員であった。Wが有限Aに残ったのは,組合差別をごまかすためのものにすぎない。 (b) 有限Aは,組合や分会と労使協定(甲4)を締結し,会社経営の形態の変更について分会と事前協議をするという合意をした。被告株式Aの設立は,有限Aの分社化であり,従業員の担当業務内容,労働条件更に会社の存続にも直結する問題であり,労使協定の対象である「労働条件など」に当たるし,上記事前協議の合意の対象ともなる。 しかし,有限Aは,被告株式Aの設立について組合や分会と一切協議せず,秘密裏かつ一方的に行った。 (c) 有限Aは,被告株式Aの設立により,不効率が生じ,運賃収入が激減したり,多大な費用や2社運営するコストや租税の二重負担などの不利益を負ったもので,有限Aに対し意図的に不利益な行為がされたものである。この分社化により,労働力の固定化が生じ,労働力の適材適所,柔軟な配置が困難になる。 (d) 有限Aは平成11年1月に被告株式Aに対して車両20台を売ったが,その代金は当時の時価よりも安いものであり,これは有限Aの経営成績を悪化させる意図でされたものである。 (e) 有限Aが被告株式Aに対して譲渡した車両等の代金の価格の訂正が時機をずらしてされているが,これは,第23期の決算を悪化させ有限Aを解散させるため,また,清算するための費用を捻出する意図をもってされたものである。 (f) 被告株式Aの設立自体経営上何のメリットも 機をずらしてされているが,これは,第23期の決算を悪化させ有限Aを解散させるため,また,清算するための費用を捻出する意図をもってされたものである。 (f) 被告株式Aの設立自体経営上何のメリットもないものである。 (g) 被告株式Aは,分社化によって仕事が増加する見通しを持っていたが,有限Aはそのような見通しはなく,営業活動の廃止等が問題となる雇用不安の現実的危険を有していた。 (h) 被告D自身,「おまえらが会社を選ぶように,会社も人を選ぶ権利がある。」などと述べている(甲5)。 b 仮に,分社化が直接的に解散,解雇まで意図していなかったとしても,伊勢湾陸運の有限Aに対する影響力は大きくなり,被告Dは,その影響力を利用し,伊勢湾陸運と協力して労働組合員である原告らに対して差別的配車をした。また,被告Dは,配車差別によって伊勢湾陸運関係の売上げが低迷することにより,有限Aの収益が減少することを理由として,解散することを容易にしたものであり,労働組合員に対する不利益的取扱い,差別であり,不当労働行為である。 c 仮に,有限Aの解散が分社化の時点で確定的でなかったとしても,有限Aは,分社化により,業務自体採算性に問題がある伊勢湾陸運からの単一の下請業務しか持たないことになり,これは労働組合員である従業員を一方的に雇用不安にさせるものであった。 これは,伊勢湾陸運部門を不採算部門として切り離して労働組合員の解雇を容易に強行するものであり,労働組合員に対する不利益な取扱い,差別であって不当労働行為である。 (ウ) 有限Aの解散も組合嫌悪の不当労働行為である。 被告らは,分社と労働条件の悪化によって事実上原告らに退社を迫ったものの,原告らが退社しなかったため,ついに,有限A,被告株式Aの経営体から原告らを放逐するために,有限Aを解散した。 a 会社 る。 被告らは,分社と労働条件の悪化によって事実上原告らに退社を迫ったものの,原告らが退社しなかったため,ついに,有限A,被告株式Aの経営体から原告らを放逐するために,有限Aを解散した。 a 会社の解散は,これにより従業員の担当業務内容,労働条件,会社の存続等に直結する問題で労使協定の対象となるし,経営形態の変更に関する事前協議の合意の対象にもなる。 しかし,被告Dは,団体交渉において「営業をやめることも」,一時金の「上積みはできない。利益が出ないので,これ以上続けていけないので社員総会を開く。」,社員総会の開催時期は「年内か,来週の・・・。今日はいえない。」と言ったのみである。また,有限Aは,解散を回避するための提案もしていないし,賃金カットも申し出たが,それは一般的な説明に終始していた。 したがって,有限Aは,解散を事前に団体交渉において説明,議論したことはないというべきである。 b 有限Aの伊勢湾陸運の売上げは平成11年ころから減少していったが,それは,原告らに対する差別を原因とするものである。 c 被告らは,有限Aの収益拡大のための積極的行為を,伊勢湾陸運や他の会社に対してしていない。 d 被告らは,被告株式Aは増員,増車しているにもかかわらず,有限Aの従業員の雇用確保のため,被告株式Aへの移籍を一切検討していない。 e 被告らは,原告らを放逐するために,有限Aを解散する際,有限Aの金融機関等からの借入債務を清算する必要があったが,これを被告株式Aとの資金繰り等により解決したものである。 (エ) 被告株式Aの解散も,組合嫌悪の不当労働行為である。 被告らは,組合員がいる有限Aを解散しても,いったん労働組合がなくなったはずの被告株式Aに新たに労働組合ができたため,組合員のいる部門等の分割譲渡をし,さらに,それによっても組合排除の目的 である。 被告らは,組合員がいる有限Aを解散しても,いったん労働組合がなくなったはずの被告株式Aに新たに労働組合ができたため,組合員のいる部門等の分割譲渡をし,さらに,それによっても組合排除の目的が達成できなかったので,被告株式Aを解散したのである。 a 被告株式Aの労働条件の改善などを求めていったん脱退したXらが組合に再加入した直後から,被告株式Aの資産の譲渡が始まったが,これらが譲渡されなければならない理由は何もない。 中六部門,日本ペイントのタンクローリー部門,箱ボディ部門もいずれも経営状態は安定し,売却する必要はなかった。現に,これらの部門を従業員と共に譲り受ける企業が現れたし,その後,これらの企業では順調に会社経営がされており,特にこれらの企業における労働条件は切り下げられていない。日本ペイント部門の仕事は増え,車両も従業員も増えている。また,新大和興運は被告株式Aの労働条件以上の労働条件で新しい運転手を募集している(甲59)。 b 被告株式Aは,愛知県地方労働委員会において不当労働行為救済申立ての審理中であったにもかかわらず,何ら原告らの所属する労働組合と正式に交渉議題にも上げずに一方的に解散を強行した。 c 被告株式Aの解散は,組合員であるX,Yの地位保全仮処分事件において,平成13年3月の和解により地位を認めることになったことを受けて,その報復としてされたものである。 d 被告株式Aの解散は,組合員のいる部門から順次譲渡された。すなわち,Xら組合員のいる日本ペイントのタンクローリー部門が,まず譲渡された。 e 譲渡された各部門は基本的に従前の従業員の雇用も維持された。しかし,被告Dは,日本ペイントのタンクローリー部門のXら組合員に対し,退職届の提出を強要し,雇用に不安を感じているXらが提出しないと,予定されていた再雇用 基本的に従前の従業員の雇用も維持された。しかし,被告Dは,日本ペイントのタンクローリー部門のXら組合員に対し,退職届の提出を強要し,雇用に不安を感じているXらが提出しないと,予定されていた再雇用のための光陽ケミカルとの面接を勝手にキャンセルし,これによりXらは面接を受けられなかった。 (被告らの主張)ア支配要件有限Aと被告株式Aは,個別に事業を営み,経理も独立して行っており,法的に全く別個の存在である。 (ア) 両者の事務所は別の場所にあり,電話も個別に引かれていた。 (イ) 車両については,所有権は区別されており,有限A所有の車両を被告株式Aが使用していたわけではない。 表示は,当初有限Aのままであったが,それは設立当初は予算の関係で表示の変更ができなかったにすぎず,その後被告株式Aの表示に直された。 (ウ) 従業員については,業務が被告株式Aに移り,その担当者を被告株式Aに移籍させたにすぎず,双方の従業員が混同していたことはない。 (エ) 有限Aの事務員Rと被告株式Aの事務員Qが相互の仕事を手伝ったことはあるかもしれないが,それは両名が姉妹であるため都合の悪いときに他方を助けただけであり,日常的に業務を混同していたわけではない。 (オ) 仮に,会社設備の使用等において有限Aと被告株式Aとの間で多少の混同があり,また,役員構成が似ているとしても,両者とも被告Dを中心に設立された会社であることを考えると,不自然なことではなく,それをもって法人格の形骸化と評価できるものではない。 イ目的要件(ア) 分会設立当初a 有限Aの従業員の多くは,組合,分会の有限Aに対する過大な要求内容に疑問を持ち,又は加入していることに対してメリットも感じなかったため,自主的に組合から脱退したものであり,被告Dが脱退工作をしたことはない。 平成9年11月 合,分会の有限Aに対する過大な要求内容に疑問を持ち,又は加入していることに対してメリットも感じなかったため,自主的に組合から脱退したものであり,被告Dが脱退工作をしたことはない。 平成9年11月22日のG公民館での集まりは,日本ペイント関係業務を担当する運転手を対象とする安全輸送会議であり,業務に対する注意事項が伝達されただけである。 被告DとEは,Yの自宅を訪問したが,Yが脱退届の書き方が分からないと有限Aの事務員に漏らしたことから,それを教えるためであったにすぎない。 b(a) 横浜ゴム新城行きの配車については,平成10年12月ころから原告らには回らなくなりWに集中するようになったが,これは伊勢湾陸運からの指示であり,有限Aがそのように配車したわけではない。伊勢湾陸運の配車係は,平成10年4月ころから,Wが横浜ゴム新城での積込みを終了した後,途中で休憩を取らずに名古屋のコンテナヤードまで早く戻ってくるようになったので,後の配車がやりやすいという理由でWに仕事を回すようにしたということであった。 (b) 土曜日,休日の出勤については,原告らは,平成10年12月ころから,有限Aの事務員が土曜日,休日の出勤を依頼しても拒否していたため,土曜日,休日の出勤が減少したのである。有限Aにとっても,土曜日,休日出勤は売上げにつながるわけであるから,原告らにあえて配車しないことにするはずはない。 (c) 早出残業については,平成11年1月5日ころ,原告らが,被告Dに対し,年齢から肉体的に厳しいため定時の勤務時間を厳守してほしいという申出があったため,被告Dが伊勢湾陸運に申し出,伊勢湾陸運の業務を始業9時,終業4時と定めてもらったのである。有限Aとしては,早出残業は従業員にやってもらった方が売上げにつながるのであり,伊勢湾陸運担当者が3人しかい 告Dが伊勢湾陸運に申し出,伊勢湾陸運の業務を始業9時,終業4時と定めてもらったのである。有限Aとしては,早出残業は従業員にやってもらった方が売上げにつながるのであり,伊勢湾陸運担当者が3人しかいない中で原告らに早出,残業を配車しないことは,直ちに売上げの減少につながるものであり,あえてするはずがない。 (イ) 被告株式Aの設立a 被告DとEは,従前豊興運輸を介在していた日本ペイントとの取引について,日本ペイントから直請けの話があったが,①赤字の会社だと取引が難しいかもしれない,②日本ペイントは株式会社としか取引をしたことがないなどといわれ,また,有限Aが直請けすると豊興運輸から商道徳上の問題点を追及されるおそれもあるし,株式会社化すれば一般の取引先も拡大するのではないかという期待もあり,被告株式Aを設立したのである。 Eらは,被告株式Aの設立が他に漏れると豊興運輸からの妨害が入るおそれがあったから内密に進めたのであり,設立後も軌道に乗るまではその設立経過等もできるだけ外部に漏らさないようにしていた。 b 有限Aには,伊勢湾陸運からの下請業務が残り,その担当者が残ったにすぎない。組合員であったUは被告株式Aに移籍しているし,有限Aに残った中には非組合員であるWもいたのであり,組合加入の有無と従業員の移籍とは無関係である。 また,組合員を追放するために被告株式Aを設立したのであれば,より早期に有限Aを解散していたはずであるし,その解散後も被告株式Aを更に継続して経営を維持するはずである。 また,有限Aが被告株式Aに売った車両の価格は,被告Dが車両のディーラー等の意見を参考に適正な価格と判断して決定したのである。仮に,有限Aを赤字にして解散させようとしていれば,後に価格の訂正をして被告株式Aに追加の支払をさせるはずもない。 c 被告株式 両のディーラー等の意見を参考に適正な価格と判断して決定したのである。仮に,有限Aを赤字にして解散させようとしていれば,後に価格の訂正をして被告株式Aに追加の支払をさせるはずもない。 c 被告株式Aは,元請である豊興運輸からの非難,追及を避けるために設立されたものであり,法人の同一性が維持される組織変更という方法は無意味であった。 (ウ) 有限Aの解散そもそも,被告株式Aも有限Aも,従業員はわずかの零細企業で,経営基盤は脆弱であり,たやすく経営継続が困難な状況に陥ってしまうような弱小企業である。 有限Aの解散は,事業継続が困難になりやむを得ずにしたものであり,原告らを排除するためのものではない。 a 有限Aは,被告株式Aの設立後,原告らの働きが悪化したこともあり,売上げは一向に伸びず,経営的には以前より苦しくなってしまった。 被告Dは,有限Aが自分が設立した会社であり,何としても残したいと考えていたし,有限Aが倒産すれば信用の問題から被告株式Aにも影響が生じ,同様に倒産してしまうおそれが強いことから何としても倒産は避けたかった。 有限Aは,平成13年8月に支払を完了する予定であった被告株式Aからの車両代金を前倒しで平成12年2月までに支払ってもらったり,被告Dが平成12年4月ころから自身の預金や生命保険を解約するなどして資金を供給していた。さらに,被告Dは,被告株式Aへの車両売却代金をもう少し高くし,代金の追加支払を有限Aが受けることができれば負債を減らすことができ,経営の維持ができると考え,被告株式Aの代表者であるEに対して売買代金の追加修正を求め,Eも有限Aが倒産しては困ると思い,これを了解した。 しかし,ついに資金が枯渇したため,会社の閉鎖を考えなければならなくなり,平成12年12月11日,社員総会を開き,社員の意見も聴いたと 正を求め,Eも有限Aが倒産しては困ると思い,これを了解した。 しかし,ついに資金が枯渇したため,会社の閉鎖を考えなければならなくなり,平成12年12月11日,社員総会を開き,社員の意見も聴いたところ,もうこれ以上継続できないと判断され,同年12月12日をもって解散するとの決議がされた(乙25)。 b 当時は,被告株式Aの従業員であるX,Yも組合に加入しており,有限Aを解散しただけで組合員を排除できるものでなかった。 (エ) 被告株式Aの解散被告株式Aの解散も,事業継続が困難になりやむを得ずにしたものであり,原告らを排除するためのものではない。 a 被告株式Aは,設立当初から銀行融資が受けられなかった。また,日本ペイントは,当初の話と違い,信用を得られるまで当分の間は,以前の下請けでの代金のままにすると通達したため,被告株式Aは見込みが外れ,収益が伸びず苦しい経営状態に陥った。さらに,豊興運輸が,被告株式Aが直請けになったことの報復とばかりに単価を下げてきて,さらに,日本ペイントからも,豊興運輸が単価を下げてきたので,同じく下げてもらわないと仕事が回せなくなるなどといわれたので,結局以前よりも単価が下がり,その結果利益も下がった。 被告株式Aは,このような業績悪化のため資金繰りに窮し,事業継続の危機に陥った。 bEは,平成12年9月ころ,タンクローリーを売却し,ローンを軽減し,その売買代金を資金に充ててしのごうと考えた。 まずは,醤油を運搬するタンクローリーの売却を考え,被告Dが以前勤務したことのある新大和興運が買い取る意向を示してくれたので,被告株式Aは,平成12年9月30日,新大和興運にタンクローリーを売り,それを担当する運転手も雇用してもらうよう依頼したところ,面接の結果ほとんどの従業員を同社に雇用してもらえた。 次に,日本ペイ 被告株式Aは,平成12年9月30日,新大和興運にタンクローリーを売り,それを担当する運転手も雇用してもらうよう依頼したところ,面接の結果ほとんどの従業員を同社に雇用してもらえた。 次に,日本ペイントのタンクローリーの売却を考え,光陽ケミカルが買い取る意向を示したので,被告株式Aは,平成12年11月22日に日本ペイントのタンクローリーを光陽ケミカルに売り,担当乗務員のb,c,X,Yの雇用を願い出,光陽ケミカルからは面接の上可否を決めるという返事であったが,Xが,組合のZ書記長,原告らと共に,光陽ケミカルの営業所長に全員雇用せよと強く談判したことから,一人も受け入れてもらえなくなった。また,Xは,あえて自分から光陽ケミカルに引継ぎもせず,また,面接も受けなかったのである。なお,Eは,光陽ケミカルでの面接の前に従業員に対し,あらかじめ退職届を提出するよう求めたが,それは自社を退職して光陽ケミカルに勤務するという明確な意思を持った者でないと光陽ケミカルに推薦できないと考えたからである。また,被告株式Aは,タンクローリー売却後も,X,Yを解雇せず,また,新しく車を購入するなどして仕事をさせている。 このように,被告株式Aは,事業継続のためタンクローリーを処分し,しかも,従業員も売却先に受け入れてもらえるよう努力していたのであり,組合員を排除しようという目的をもっていたのではない。 cEと被告Dは,被告株式A存続のため会社資産を処分するなどして懸命に努力してきたが,経営状態は一向に改善せず,むしろ経済情勢を冷静に考えると,これ以上無理をして事業を継続しても赤字が拡大するだけであると判断した。そこで,Eと被告Dは,平成13年5月下旬ないし同年6月上旬ころ,残りの車両,すなわち日本ペイント塗料運搬に用いる車両をすべて処分し,事業閉鎖をすることを しても赤字が拡大するだけであると判断した。そこで,Eと被告Dは,平成13年5月下旬ないし同年6月上旬ころ,残りの車両,すなわち日本ペイント塗料運搬に用いる車両をすべて処分し,事業閉鎖をすることを考えた。 被告Dは,買取先を探したところ,南星キャリックス株式会社(以下「南星キャリックス」という。)を紹介され,同社との協議で相応の買取価格が提示され,それにより既存の債務及び従業員らに対する退職金の支払もできる見込みとなり,被告株式Aの従業員も,面接の上で決定するという条件付きではあったが,積極的に検討するということであった。 そこで,Eと被告Dは,南星キャリックスに車両を売って,被告株式Aを解散することとし,平成13年6月7日,臨時株主総会を開いて,被告株式Aの解散を決議した(乙76)。 被告株式Aは,平成13年6月10日,G公民館において従業員を集め,会社解散,従業員の解雇及び南星キャリックスのグループ企業である有限会社南星アシストへの就職紹介について説明し,有限会社南星アシストとの面接の段取りもするなど,被告株式Aとしてはできるだけのことはした。 被告株式Aは,平成13年7月21日,改めて株主総会が開催され,被告株式Aの解散が決議された(乙60)。 d 以上のように,被告株式Aは業績不振によりやむなく解散されることになったものであり,平成13年6月10日,同年7月21日をもって解散することを理由に従業員全員を解雇したものであり,労働契約関係の存在を主張している原告らに対しても,同年6月13日付け書面で念のため解雇した。 よって,仮に,原告らと被告株式Aとの労働契約関係が認められたとしても,この解雇により両者の労働契約は終了している。 (2) 解雇無効(原告らの主張)原告らが,被告株式Aとの間で解雇されるべき事由は何ら存在しない。 有 被告株式Aとの労働契約関係が認められたとしても,この解雇により両者の労働契約は終了している。 (2) 解雇無効(原告らの主張)原告らが,被告株式Aとの間で解雇されるべき事由は何ら存在しない。 有限Aは,被告Dと被告株式Aの支配の下,組合員である原告らを排除するために解散し,これにより原告らは解雇されたものであり,不当労働行為に当たる。 よって,原告らの解雇は解雇権を濫用するものであり,無効である。 原告Bの有限Aにおける賃金は1か月46万6274円で,原告Cの有限Aにおける賃金は1か月45万8620円であり,原告らはこれらの賃金支払請求権を被告株式Aに対して有する。 (被告らの主張)前記のとおり,有限Aと被告株式Aとの法人格は別個であり,原告らは,被告株式Aに対して,労働契約関係を主張することはできない。 有限Aの解散は,業績不振によるやむを得ないものであり,原告らの解雇もやむを得なかった。また,被告株式Aの解散も,業績不振によるやむを得ないものであった。 仮に,原告らが被告株式Aとの関係において労働契約関係が存在するとしても,平成13年7月21日以降,原告らは労働契約上の地位を失っている。 (3) 不法行為責任(原告らの主張)被告株式Aの設立,有限Aの解散は,労働組合法7条1号,3号の不当労働行為を構成するものであり,原告らの解雇は同法7条1号の不利益取扱いの不当労働行為であって不法行為に当たり,これにより原告らは,職を失い,著しい精神的苦痛を被った。 被告株式Aは,民法709条により責任を負うし,また,被告Dは,被告会社の設立,有限Aの解散を強行した直接の当事者であり,民法709条により責任を負う。 (被告らの主張)被告株式Aの設立は取引の必要性のためにしたものであるし,有限Aの解散や原告らの解雇は,事業継続が困難になりやむを得 散を強行した直接の当事者であり,民法709条により責任を負う。 (被告らの主張)被告株式Aの設立は取引の必要性のためにしたものであるし,有限Aの解散や原告らの解雇は,事業継続が困難になりやむを得ずされたものであり,不当労働行為には当たらない。 第3 当裁判所の判断 1 争いのない事実等及び後掲各証拠並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1) 分会の設立ア原告らは,自身の給与が不明確であると感じ,被告Dに説明を求め,被告Dがメモに計算根拠を手書きして渡したことがあった。この計算は,歩合を基準にした計算式と時間を基準とした計算式により算出された金額を調整するという複雑な内容のものであった(甲56の1の11頁から22頁まで,甲56の2の8頁から10頁まで,甲57の1の13頁及び14頁,甲78の1及び2,甲79の1及び2,乙81の34頁から46頁まで)。 イ原告らは,伊勢湾陸運が発注する業務に従事していたが,伊勢湾陸運が発注する海上コンテナをトレーラーで運搬する業務では,朝から夕方まで運転業務を行った後,コンテナ船にコンテナを積み下ろす業務(以下「ナイト業務」という。)が月に4回程度あり,このうち2回程度は,ナイト業務後,翌日も引き続き合計36時間程度運搬作業に従事することがあった(以下「連続業務」という。)。原告らはこの連続業務に強い不満を持っていた(甲56の1の9頁から11頁まで,甲57の3の20頁及び21頁)。 ウ原告らは,賃金計算の明確化,連続勤務等の改善を目的として,労働組合を結成することを他の従業員と相談した(甲57の1の12頁から15頁まで)。 エ原告Bと,Vは,平成9年5月ころ,組合のZ書記長の下を訪れ,有限Aの賃金計算が不明朗であること,労働時間が長いことなどを訴え,原告ら,V,S,Wら合計8人が,平 の1の12頁から15頁まで)。 エ原告Bと,Vは,平成9年5月ころ,組合のZ書記長の下を訪れ,有限Aの賃金計算が不明朗であること,労働時間が長いことなどを訴え,原告ら,V,S,Wら合計8人が,平成9年5月31日に組合に加入することになった(甲111,証人Z)。 その後,U,Y,X,aら合計6人が平成9年6月14日に組合に加入し,一人が同年7月12日に組合に加入し,bが同年8月9日に組合に加入し,3人が同年9月13日に組合に加入し,同日の時点で,組合に加入した従業員は,有限Aに勤務する従業員のほぼ全員の19人となった(甲111)。 オ原告らは,平成9年9月13日,分会結成大会を開いて,分会を結成し,原告Bはその分会長(後の班長)に,原告Cはその財務部長に就任した(甲7)。 分会は,平成9年9月16日,有限Aに対し,G分会結成を通知し,同年9月20日からの団体交渉を申し入れた(甲8)。要求事項は,組合に加入していることによる不利益な取扱いをしないこと,就業規則を組合に提示すること,年末一時金として6か月以上勤務した者には一律20万円を支給することなどであった(甲8)。 カ組合,分会と有限Aは,平成9年10月4日,第1回団体交渉を行い,有限Aからは代表者である被告Dとその子であるRが出席し,労働組合の話合いを断る必要はないので話し合っていくこと,荷主の方に会社に労働組合が結成されたことを通知したなどと述べ,組合の求めに応じ就業規則を提示した(甲5,乙1,証人Z)。 キ組合,分会と有限Aは,平成9年10月25日,第2回団体交渉を行い,協定書(甲4)に合意し,労使関係の規律,労働時間,休日等に関する労使協定を締結した。その協定書には,労働組合に加入したことなどを理由として不利益な取扱いをしないこと,会社は労働条件(賃金・労働時間・退職金など )に合意し,労使関係の規律,労働時間,休日等に関する労使協定を締結した。その協定書には,労働組合に加入したことなどを理由として不利益な取扱いをしないこと,会社は労働条件(賃金・労働時間・退職金など)の変更,分会員の解雇・職種変更や配置転換などについては,事前に協議し,労使双方,合意の上実施すること,始業時間を午前9時,終業時間を午後5時とし,休憩時間は正午から午後1時までの1時間とし,1日8時間労働とすること,休日は毎週土曜日,日曜日,祝日とすること,年末年始の休日として12月29日より1月4日までとすることなどが定められている(甲4)。 ク組合,分会と有限Aは,平成9年11月15日,団体交渉を行い,有限A側は,年末一時金について,支給額は昨年を下回り総原資は240万円となると回答し,組合側は,高速料金等の節約で上積みが可能であるとし,総原資として270万円を要求した(甲5)。 ケ被告Dは,平成9年11月22日,G公民館において,日本ペイント部門の従業員であるb,S,X,Y,U,cらを集めた(被告D本人)。 被告Dは,破損事故の問題,延着問題,業務上の注意事項などを指摘した後,豊興運輸からファクシミリで文書が送信されたと言って,「有限会社A」宛ての書面(甲10)を従業員に示し,これからストライキとかすると仕事先に迷惑がかかる,そんなことになれば日本ペイントの仕事はできなくなるので,組合を抜けてほしいなどと言った(甲50,52,53,証人X)。 その書面には,次のような記載がある(甲10)。 「有限会社 A貴社が毎日,日本ペイント(株)愛知工場の業務に頑張ってくれて大変うれしく思っております。皆も,貴社の気持ちはよく理解しております。私に何かできることがあれば,いつでも申し出て下さい。 そして,貴社もよくご存じのところを,よく考えて行動 の業務に頑張ってくれて大変うれしく思っております。皆も,貴社の気持ちはよく理解しております。私に何かできることがあれば,いつでも申し出て下さい。 そして,貴社もよくご存じのところを,よく考えて行動して下さい。 日ペはもとより各工場・現場からの貴社への信頼は,図り知れません。 トヨタ各社・メーカーの仕事に,穴は明(ママ)けられません。私の気持ちを察して,共にこの苦境を乗り越えて下さい。」コ被告らは,平成9年11月22日は安全輸送会議を開いたのであり,組合の脱退勧奨は一切していないと主張し,証拠(乙34,証人b,被告D本人)がこれに沿う。 しかし,後記のとおり,平成9年11月22日以降約10日間という短期間に多数の組合員が脱退していること,そのうちの一部の者は内容証明郵便という通常の従業員であれば考えつかない手段を用いて脱退届を提出していること,そのころは,分会が結成されてからいまだ2か月程度しか経っておらずその時機に多数の組合員が脱退しなければならない事情は特にうかがわれないこと,後記スのとおり,組合員らが提出した退職届の文面がいずれも非常に似ていること,前記ケのとおり,甲10は「トヨタ各社・メーカーの仕事には穴は明けられません。」とストライキを嫌忌するかのような文面になっていること,後記シのとおり,被告DらはYの自宅まで行って脱退届の文面を届けていること,平成9年11月22日の集会は,有限Aの事務所ではなくG公民館において開かれており通常の会議とは別の趣旨の会議であったことがうかがわれることなどに照らせば,被告らの前記主張に沿う前記証拠を採用することはできない。 サ Sは,平成9年11月22日,便せんに記載した退職届を提出して,組合を脱退した(甲111)。 dは,組合を脱退する旨の平成9年11月28日付け脱退届を作成し,同日,内容証 することはできない。 サ Sは,平成9年11月22日,便せんに記載した退職届を提出して,組合を脱退した(甲111)。 dは,組合を脱退する旨の平成9年11月28日付け脱退届を作成し,同日,内容証明郵便により組合の執行委員長宛てに送付し,組合を脱退した(甲12,111)。 eは,組合を脱退する旨の平成9年11月28日付け脱退届を作成し,同日,内容証明郵便により組合の執行委員長宛てに送付し,組合を脱退した(甲13,111)。 bは,組合を脱退する旨の脱退届を,平成9年11月28日,内容証明郵便により組合の執行委員長宛てに送付し,組合を脱退した(甲14,111,証人b)。 シ被告Dは,平成9年11月24日,妻のEとともに,Y宅を訪れて,脱退届の文面を同人に交付し,組合を脱退するよう求めた(甲50)。 Yは,組合を脱退する旨の平成9年11月24日付け脱退届を作成し,同年11月25日,内容証明郵便により組合の執行委員長宛てに送付し,組合を脱退した(甲11,111)。 ス上記シの各脱退届は,いずれも内容証明郵便の用紙に「私議今回都合により,貴組合を脱退致したいのでお届けします」などと記載したものであった(甲11から14まで)。 cは,同年11月26日,便せんに記載した脱退届を提出した(甲111)。 セ組合,分会と有限Aは,平成9年11月29日,団体交渉を行い,組合側は,組合の脱退者に対して会社が介入したなどと抗議した(甲5)。 ソ Wとfは,平成9年11月30日,便せんに記載した脱退届を提出し,組合を脱退した(甲111)。 aら3人は,平成9年11月中に,口頭で通知して,組合を脱退し,そのほか二人が同年12月1日に,便せんに記載した脱退届を提出して組合を脱退した。この時点で,分会の組合員は,原告ら,V,U,gの5人となった(甲111)。 なお, に,口頭で通知して,組合を脱退し,そのほか二人が同年12月1日に,便せんに記載した脱退届を提出して組合を脱退した。この時点で,分会の組合員は,原告ら,V,U,gの5人となった(甲111)。 なお,gは,平成10年5月1日,組合を脱退した(甲111)。 タ組合,分会と有限Aは,平成9年12月6日,団体交渉を行い,組合側は,会社が組合脱退者に介入したとして抗議し,会社は,荷主から出された文書であるとして甲10を提出した(甲5)。 チ組合,分会と有限Aは,平成9年12月13日,団体交渉を行い,ナイト業務について作業の終了が翌日の午前6時以降の場合,作業に従事した者についてはその日を休みとすることなどが合意され,さらに,一時金等について協議がされ,有限Aと組合,分会は,協定書(甲46)に合意し,一時金等に関する労使協定を締結した(甲5)。 ツ組合,分会と有限Aは,その後も,平成10年3月7日と同月20日に団体交渉を行い,同年4月11日の団体交渉において,協定書(甲9)に合意し,新しい賃金体系に関する労使協定を締結した。その協定書では,基本給,諸手当,売上高によって決まる歩合給及び割増賃金の合計とされ,計算方式は明確になり,この賃金体系は同年4月分の賃金から適用されることとなった。 この賃金に関する労使協定を締結するに当たって,組合が提示した案が3000円ほど会社の提示した案よりも低かったので,会社の提示した案に合わせたということがあった(証人Z)。 テ組合,分会と有限Aは,平成10年4月24日,団体交渉を行い,賃上げ等について協議し,合意した(甲5)。 団体交渉は,その後,夏季一時金等を協議事項として,平成10年5月23日,同年6月5日,同月26日,同年7月16日,同月24日,同年8月4日に開かれ,組合,分会と有限Aは,同日に夏季一時金につ )。 団体交渉は,その後,夏季一時金等を協議事項として,平成10年5月23日,同年6月5日,同月26日,同年7月16日,同月24日,同年8月4日に開かれ,組合,分会と有限Aは,同日に夏季一時金について合意し,労使協定を締結した(甲5)。 ト団体交渉は,その後,平成10年8月25日,同年9月18日,同年11月7日,同年11月21日,同年12月7日に開かれた(甲5)。 (2) 被告株式Aの設立ア日本ペイントでは,輸送会社に支払っている金額をできるだけ抑えるという業務改革の動きがあった(証人h)。具体的には,元請会社が数社だけであり,元請会社が更に下請会社に下請けさせていたところを,すべて日本ペイントが直請けさせるということが検討されていた(証人h)。 イ hは,日本ペイントの愛知工場の業務課の総括課長をしていた。日本ペイントの愛知工場は,輸送業務について豊興運輸1社に下請けに出していたが,豊興運輸は,そのうちの30パーセント自社で行い,残りの70パーセントを他社に下請けに出していた(証人h)。この下請会社は,有限A,石黒運送,名鉄運輸,西濃運輸,久留米運送などであった(証人h)。 h課長は,サプライマネージメントセンターという輸送契約を担当している部署の指示を受け,各運送会社の経営状態等を調査して,その結果をサプライマネージメントセンターに送っていた(証人h)。 ウ h課長は,平成10年の夏前ころ,有限Aが豊興運輸の下請けの約50パーセントを占めており,もっとも直請けの効果が上がるので,被告Dに対し,豊興運輸を介在せずに,直請けする話を持ちかけた(証人h,同E,被告D本人)。 被告Dは,この直請けにより単価が上がることを期待し,この申入れを了解し,是非受けたいと伝えた(証人h,同E,被告D本人)。 エ h課長は,日本ペイントのサプライマネー (証人h,同E,被告D本人)。 被告Dは,この直請けにより単価が上がることを期待し,この申入れを了解し,是非受けたいと伝えた(証人h,同E,被告D本人)。 エ h課長は,日本ペイントのサプライマネージメントセンターの池田所長に対し,有限Aと直接契約をする件について報告したが,了解したという明確な回答はなかった(証人h)。 サプライマネージメントセンターとしては,①日本ペイントがこれまで有限会社と取引をしたことがないこと,②有限Aが3期連続で赤字であったことなどの問題点があるということであった(証人h)。 h課長は,被告Dに対し,上記2点の問題点を伝えた(証人h)。 オ被告DとEは,有限Aとは別に被告株式Aを設立すること,被告株式Aの代表取締役にはEが就任することを決めた。以後,被告DとEは,被告株式Aの設立準備を従業員に伝えることなく進めた(証人E,被告D本人)。 カ被告Dは,h課長に対し,被告株式Aを設立することとその株式Aと直請契約をしてほしいことを,サプライマネージメントセンターに伝えるよう頼んだ(証人h)。 h課長は,被告Dの上記依頼を請け,サプライマネージメントセンターにその旨報告し,サプライマネージメントセンターから「可能であればよいことです。」などというメールの送信を受けた(証人h)。 日本ペイントとしては,有限Aが豊興運輸の下請けの50パーセントという高い率を占める下請けであったことから,新たに別の会社に発注すると,仕事を一から覚えてもらわなければならず,特約店や日本ペイントの業務課にも負担が生じるので,被告株式Aと直接取引をするメリットがあった(証人h)。 キ豊興運輸は,平成10年10月15日,有限Aに対し,日本ペイントからの契約について同年10月31日をもって解約する申入れを受けたこと,今後の日本ペイントに関する業務 メリットがあった(証人h)。 キ豊興運輸は,平成10年10月15日,有限Aに対し,日本ペイントからの契約について同年10月31日をもって解約する申入れを受けたこと,今後の日本ペイントに関する業務は,日本ペイントが直接数社と契約することになるので,有限Aへの下請けは行わないとの通知をした(乙98)。 ク被告株式Aが,平成10年10月30日に設立された。 ケ被告Dは,平成10年12月ころ,日本ペイントのサプライマネージメントセンターの所長からの要請を受け,h課長と共に,同社の大阪にある本社を訪れ,同所長と同社の取締役と面談した(証人h)。 h課長は,この面談の後,サプライマネージメントセンターの所長から被告株式Aとの直請契約を了解するというメールの送信を受けた(証人h)。 コ以上のような経緯をふまえ,被告株式Aは,平成10年12月25日,日本ペイントとの直請契約を締結した(甲119の78頁から80頁,乙94の42頁から44頁まで)。 サ有限Aの日本ペイント部門,中六部門に配属された運転手17人及び事務員は,平成11年1月1日,被告株式Aに移籍した。なお,被告株式Aに移籍した従業員の中には,当時分会の組合員であったUがいた(甲111,乙134)。なお,Uが,組合を脱退したのは,平成11年4月30日である(甲111)。 これにより,有限Aには,伊勢湾陸運部門が残り,従業員は,組合員である原告らとV,非組合員であるW及び事務員のRの5人となった(甲76の5頁及び6頁,乙134)。分会の組合員は,平成10年12月末日時点で,原告ら,V,Uの4人であった。 シ被告株式Aに移籍された従業員が,平成11年1月4日,Eから被告株式Aの設立及び日本ペイントに関する業務の直請けが伝えられた(乙85の65頁から68頁まで,甲76の4頁から6頁まで)。 翌日 。 シ被告株式Aに移籍された従業員が,平成11年1月4日,Eから被告株式Aの設立及び日本ペイントに関する業務の直請けが伝えられた(乙85の65頁から68頁まで,甲76の4頁から6頁まで)。 翌日以降,被告株式Aでは,日本ペイントに関する業務と中六に関する業務がされ,有限Aでは,伊勢湾陸運から発注される業務が行われることになった。 なお,原告Bは,被告株式Aの設立と日本ペイントからの直請けのことを,日本ペイントに関する業務に従事していて被告株式Aに移籍となった唯一の組合員であるUから聞いて知った(甲57の2の79頁から84頁まで)。 ス組合,分会と有限Aは,平成11年1月16日,団体交渉を行い,組合側が被告株式Aの設立について質問したところ,被告Dは「知らない。」などと言った(甲5)。 セ組合,分会と有限Aは,平成11年1月30日,団体交渉を行い,組合側が被告株式Aの設立について質問したところ,被告Dは「私は知らない。家内が作った。」などと言った(甲5)。 ソ被告Dは,平成11年2月10日,被告株式Aの取締役を辞任し,同月16日,被告DとEの子であるQがその取締役に就任した(甲1)。 なお,被告Dは,被告株式Aの取締役を辞任した後も,被告株式Aの日本ペイントに関する業務に関係する仕事に従事していた(甲30,乙71の1から8まで,乙92の6頁から8頁まで)。 タ組合,分会と有限Aは,平成11年2月12日,団体交渉を行い,組合側が,被告株式Aの設立について質問したところ,被告Dは,被告株式Aの設立は平成10年11月ころであり,代表者はEで,車両は17台であるなどと発言した(甲5)。 チ Eは,平成11年2月28日,有限Aの取締役を辞任し,同年3月10日,Fがその取締役に就任した(甲2)。 (3) 有限Aと被告株式Aとの関係ア被告株式 は17台であるなどと発言した(甲5)。 チ Eは,平成11年2月28日,有限Aの取締役を辞任し,同年3月10日,Fがその取締役に就任した(甲2)。 (3) 有限Aと被告株式Aとの関係ア被告株式A設立時の有限Aの代表取締役は被告Dであり,その取締役はEであり,監査役は被告Dの妹の婿であるTであった(甲2,76の2頁から4頁まで)。 これに対し,被告株式Aの代表取締役はEであり,取締役は被告Dと同社の従業員であるS,監査役はTであった(甲1,甲76の2頁から4頁まで)。 イ被告株式A設立時の有限Aの社員は,被告Dが600口,その妻であるEが450口,Tが100口,Fが50口の持分権を有していた(乙2)。 これに対し,被告株式Aは,被告Dが700万円,Eが200万円,T,Sが50万円ずつ出資した(甲76の4頁及び5頁,乙81の67頁及び68頁)。 ウ有限Aの事務員はRであり,被告株式Aの事務員はQとiであった。なお,iは,ほかの二人と同様に被告DとEの子である(乙81の80頁,125の38頁,131の59頁)。両社の事務員は,姉妹であり,都合が悪いときなどに他方を助けたりしたことはあったが,両社の業務が日常的に混同していたことはない(被告D本人)。 エ有限Aと被告株式Aの経理関係は,それぞれ独立していた(乙81の80頁)。 また,決算報告書は別個に作成されていた。有限Aは,下記キのとおり,被告株式Aに車両を売却したことから,被告株式Aは,その売却代金約4300万円を平成11年2月から平成12年2月まで分割して有限Aに支払った(乙15から21まで,26,27,46から50まで)。 オ有限Aの業務は,被告株式Aの設立後は伊勢湾陸運に関する業務だけであった(甲119の34頁,乙34)。 これに対し,被告株式Aの業務は,設立前まで有限Aでしていた 26,27,46から50まで)。 オ有限Aの業務は,被告株式Aの設立後は伊勢湾陸運に関する業務だけであった(甲119の34頁,乙34)。 これに対し,被告株式Aの業務は,設立前まで有限Aでしていた日本ペイントに関する業務,中六,イチビキに関する業務であった(甲119の34頁,乙34)。 カ有限Aの運転手は,伊勢湾陸運に関する業務に従事する原告ら,V及びWの4人であり,被告株式Aの運転手は,有限Aにおいて日本ペイントに関する業務と中六に関する業務に従事していた17人である(乙34,125の35頁及び36頁)。 キ有限Aは,本店を「愛知県半田市G町H丁目I番地のJ」に置き,そこに事務所を置いてた(甲2,15の8及び9)。 これに対し,被告株式Aは,商号の関係で本店を愛知県半田市内に置けないことから,本店を中六の本店所在地である愛知県知多郡M町NO丁目P番地に置いた(甲1,乙34,81の74頁)。 被告株式Aは,平成10年12月14日,jから,愛知県半田市G町s丁目t番地所在の建物を賃借りする賃貸借契約を締結し,同月16日から同社の半田支店としてこれを賃借りし,ここで実際の業務を行っていた(甲75の60頁から63頁まで,乙68)。なお,設立当初の間は,被告株式Aの配車表が有限Aの事務所にあったこともあった(乙81の73頁)。 なお,被告株式Aの業務のうち中六部門の業務については,平成11年1月から同年11月ころまでは,本店所在地でもある中六の事務所を借りてFが日報処理や配車の手配などをしていた(乙81の75頁及び76頁,証人E,被告D本人)。その後,平成12年からは,中六関係の業務も被告株式Aの半田支店で行うようになった(乙81の76頁)。 また,被告株式Aは,中六の駐車場に「株式A」の郵便受けを置いたが,それは,従業員が中六の事務所が閉 後,平成12年からは,中六関係の業務も被告株式Aの半田支店で行うようになった(乙81の76頁)。 また,被告株式Aは,中六の駐車場に「株式A」の郵便受けを置いたが,それは,従業員が中六の事務所が閉まったときに日報を入れるためのものであった(甲15の2及び3,乙81の75頁及び76頁)。 また,被告株式Aは,k,lの電話番号,愛知県知多郡M町NO丁目P番地の住所で登録し,現実には半田支店の方に設置していた(乙8から10まで,81の77頁)。 ク被告株式Aの車両は,その設立から業務開始までに,有限Aが所有していた日本ペイントに関する業務と中六に関する業務に使用していた17台が被告株式Aに売却され,これによって,有限Aの車両は22台から5台になった(乙105から120まで)。 有限Aが被告株式Aに譲渡した車両に付けられていた「有限会社A」という表示は,当初予算の関係で表示を変更することができず,その後「株式A(株)」という表示に直されたが,それ以外の塗装はそのままであり,有限Aのマークも残っている(甲15の15から18まで,乙81の81頁)。これに対し,有限Aの伊勢湾陸運部門の車両は,車体が肌色でバンパーは赤色である(甲15の12)。 ケ駐車場については,有限Aが使用していた愛知県半田市G町H丁目I番地のJの土地を,平成10年10月25日から,両社が別々に地主と賃貸借契約を締結し,融通を付け合って使用していた(乙11,13,81の78頁から80頁まで,92の55頁)。さらに,被告株式Aは,mから愛知県半田市G町H丁目n番地Jの土地を,oから愛知県半田市G町H丁目p番地Jの土地を,駐車場として賃貸した(乙11,12,乙81の78頁から80頁まで)。 コ有限Aは,高速道路の料金支払には,高速プレートを使用しており,高速料金は後日有限Aが一括 半田市G町H丁目p番地Jの土地を,駐車場として賃貸した(乙11,12,乙81の78頁から80頁まで)。 コ有限Aは,高速道路の料金支払には,高速プレートを使用しており,高速料金は後日有限Aが一括して支払っていた(乙82の62頁)。 被告株式Aの従業員が,平成11年6月末ころまで,この有限Aの高速プレートを使用していたが,被告株式Aは,その従業員が利用した分の料金を有限Aに支払って清算が済んでいる(乙82の62頁)。 また,被告株式Aは,平成11年6月末ころまで,有限Aが購入したエンジンオイルを使用していたが,その分の料金を有限Aに支払って清算が済んでいる(乙82の63頁及び64頁)。また,被告株式Aは,平成11年6月ころまで,有限Aの修理道具や水道を使っていた(乙82の64頁)。 (4) 原告らの勤務状況,伊勢湾陸運との関係ア伊勢湾陸運は,運転業務を自社の運転手に行わせるだけでなく,他社にも発注して行っており,海上コンテナを運搬するトレーラー部門では,平成11年ころ,発注先は8社程度であった(甲22,51の1の5頁から7頁まで,57の1の3頁から6頁まで,105の1から8まで,106の1から13まで,107の1から19まで,108の1から5まで)。 イ有限Aは,昭和55年ころから,飼料を運搬する伊勢湾陸運のダンプ部門の下請業務をするようになり,平成6年ころからは海上コンテナを運搬するトレーラー部門の下請業務もするようになった(乙81の10頁及び11頁)。 ウ原告らは,平成6年ころから伊勢湾陸運トレーラー業務に従事するようになり,以降,有限Aの解散まで同業務に従事していた(甲22,105の1から8まで,106の1から13まで,107の1から19まで,108の1から5まで,乙81の7頁から9頁まで)。 エ伊勢湾陸運の海上コンテナの配車 の解散まで同業務に従事していた(甲22,105の1から8まで,106の1から13まで,107の1から19まで,108の1から5まで,乙81の7頁から9頁まで)。 エ伊勢湾陸運の海上コンテナの配車係を総括するのは,qであった(原告B本人)。 オ伊勢湾陸運のトレーラー部門の仕事は,その日の最初の仕事は,原則として前日に配車がされていた(乙125の42頁,126の21頁)。 有限Aでは,伊勢湾陸運に関するトレーラー業務を行い始めたころから,伊勢湾陸運が有限Aの各運転手に,その日の最初の仕事を指示していたが,その後,平成9年ころから,有限Aに台数のみ指示するようになり,有限Aが各運転手にその日の最初の仕事を割り振るようになった(乙125の43頁,126の22頁から24頁)。 そして,伊勢湾陸運は,平成10年12月ころから,Wに対しては直接同人に指示するようになり,原告らについては,引き続き有限Aに台数のみ指示していた。このため,有限AのRは,この伊勢湾陸運の指示に基づき,その日の最初の仕事を原告らに割り振っていた。なお,その日の最初の仕事以降は,従前どおり,当日,伊勢湾陸運が各運転手に無線で指示していた(乙125の43頁から48頁まで,126の24頁)。伊勢湾陸運がWを直接指名するようになった理由は,Wは,いわれればどんな仕事でも協力し,土曜日,祝日も出勤し,早出,残業も頑張ることにあった(乙82の18頁,131)。 有限AのRは,伊勢湾陸運から受けた仕事を,原告らに依頼し,原告らが断った場合は,被告DやWにやってもらうよう依頼していたが,両人ができない場合は,伊勢湾陸運に仕事を断っていた(乙82の5頁及び6頁,125の48頁)。 (5) 横浜ゴム新城行きの仕事ア有限Aが新しい賃金体系を定めた平成10年4月以降である平成12年6月分の原 ない場合は,伊勢湾陸運に仕事を断っていた(乙82の5頁及び6頁,125の48頁)。 (5) 横浜ゴム新城行きの仕事ア有限Aが新しい賃金体系を定めた平成10年4月以降である平成12年6月分の原告Bの賃金は,総支給額は49万3815円で,基本給及び諸手当が27万6000円で総支給額の55.8パーセント,歩合給が2万4805円で5.0パーセント,時間外手当が19万2498円で38.9パーセントであった(甲38の1)。 原告Cの同月の賃金は,総支給額は47万6175円,基本給及び諸手当が26万6000円で総支給額の55.8パーセント,歩合給が2万4684円で5.1パーセント,時間外手当が18万3021円で38.4パーセントであった。 原告らの月給は,時間外手当が総支給額の約4割を占めていた(甲38の1から6まで,甲39の1から6まで,原告B本人)。 イ有限Aが伊勢湾陸運から請け負った仕事のうち,横浜ゴム新城を運行先とする仕事があり,原告らとWの3人が担当していた。それは,前日に名古屋港で荷物を積み,それを有限Aの駐車場に持ち帰り,翌日の午前5時ころに有限Aの駐車場を出発し,愛知県新城市に指定時間の約1時間前である午前8時ころまでに運送するという仕事であった。この横浜ゴム新城の仕事は,運賃が相対的に高かったし,横浜ゴム新城に朝8時前の到着を要求されることが多く,その場合には朝5時ころ有限Aを出発するので,早出残業となることなどから,割の良い仕事とされていた(甲47,48,乙62,130,乙86の62頁及び63頁,原告B本人)。 横浜ゴム新城の仕事は,横浜ゴム新城に午前到着を指示されるときと午後の到着を指示されることがあり,午前到着を指示される場合,積み降ろし終了後,原告ら及びWは,名古屋港エリアにある伊勢湾陸運に行って,同社が当日指示する ,横浜ゴム新城に午前到着を指示されるときと午後の到着を指示されることがあり,午前到着を指示される場合,積み降ろし終了後,原告ら及びWは,名古屋港エリアにある伊勢湾陸運に行って,同社が当日指示する午後の仕事に就くことがほとんどであった(乙86の64頁)。 ウ原告らは,平成10年1月から平成11年11月まで,それぞれ月によってまちまちではあるが,月に5回ないし11回程度横浜ゴムの新城市の仕事をしていた(甲47,48)。 エ原告ら及びWは,当初は,いずれも横浜ゴム新城での積み降ろし作業終了後,伊勢湾陸運に行く途中で昼の休憩を取っていた。 その後,Wだけは平成10年5月以降,積み降ろし作業終了後,休憩を取ることなく直ちに伊勢湾陸運に向かい,伊勢湾陸運到着後,昼の休憩を取るようになったので,名古屋港に戻るのが早くなり,午後0時前後に名古屋港に戻っていた。これに対し,原告らは従前のままであったので,原告らは午後2時前後に名古屋港に戻っていた(乙64の1から6まで,65の1から4まで,66の1から3まで)。 オ伊勢湾陸運の配車係のqは,平成10年12月5日,有限AのRに対し,原告らは途中で休憩を取り,いつ戻るか分からないので横浜ゴム新城の仕事はWだけにしか配車しないと伝えた。以後,横浜ゴム新城の仕事はWに集中して配車されるようになった(乙126の71頁及び72頁,130)。 カ原告Bは,平成10年12月7日ないし8日ころ,横浜ゴム新城の仕事の配車の順番がおかしいと,有限AのRに言ったところ,Rは,伊勢湾陸運のqが原告らには横浜ゴムはやらせるなと言ったと述べた(甲57の2の65頁から69頁まで,116,原告B本人)。原告らは,被告Dにも,横浜ゴムの仕事の配車の順番がおかしいと述べたところ,被告Dは,伊勢湾陸運に行って理由を訊いてくると述べた(原 述べた(甲57の2の65頁から69頁まで,116,原告B本人)。原告らは,被告Dにも,横浜ゴムの仕事の配車の順番がおかしいと述べたところ,被告Dは,伊勢湾陸運に行って理由を訊いてくると述べた(原告B本人)。 キ組合,分会と有限Aは,平成10年12月19日,団体交渉を行い,配車の公平化等について協議し,組合側は,横浜ゴムの仕事をなぜ原告らに付けないのか,Wが伊勢湾陸運の配車係と個人交渉しているなどと述べたが,有限A側は,伊勢湾陸運に頼んでいるなどと述べた(甲5,原告B本人)。 ク原告らは,平成11年1月以降は,横浜ゴムの新城市の仕事の配車を余り受けなくなり,原告Bは,平成11年1月に1回,平成11年2月に1回受けたのみであり,原告Cは受けず,代わりにWが同年1月1月に15回,同年2月に12回受けるようになった(甲48,原告B本人,乙131)。 (6) 無線事件ア原告らは,平成11年1月5日の朝,有限Aの事務所に行って車に乗り,名古屋市港区稲永の付近で,伊勢湾陸運の配車係のqに無線で連絡を取り,「おはようございます。G2台きたけど。」などと言い,伊勢湾陸運の仕事は大きく飛島村方面の仕事と名古屋港金城埠頭方面の仕事に分かれていたので,どちらの方に行けばいいかを尋ねた(原告C本人)。 すると,配車係のqは,原告らに対し,飛島村方面に行くように指示したが,その後,qの上司と思われる者が原告Cの「きたけど。」といった言葉遣い等に怒って怒鳴った(原告C本人)。 原告らは,そのまま飛島村方面に向かったが,qからまた無線が入り,電話がほしいという連絡を受け,携帯電話でqに電話したところ,qは,仕事は飛島村方面で決まっていたが,伊勢湾陸運の上司が怒っているので,原告Cについては今日は仕事をキャンセルして帰ってほしいという内容であった(原告C本人)。 ,携帯電話でqに電話したところ,qは,仕事は飛島村方面で決まっていたが,伊勢湾陸運の上司が怒っているので,原告Cについては今日は仕事をキャンセルして帰ってほしいという内容であった(原告C本人)。 原告Cは,同日午前7時30分ころ,被告Dの自宅に電話をかけ,トラブルが発生し,帰れと言われたので今日は仕事ができないので帰ると述べた(原告C本人)。 イ原告Cは,その日の夕方,有限Aの事務所で被告Dと会い,被告Dが,原告Cに対し,伊勢湾陸運に同行して一緒に謝るよう求めたが,原告Cは,これを拒否し,結局,被告D一人で謝った(甲28,原告C本人)。 ウ原告Cは,翌日の平成11年1月6日,出勤したが,配車がなく,原告Bも通常の昼間の仕事はなく,オールナイトという夜から次の日の深夜から朝方にかけてする仕事を指示された(乙130,原告C本人)。 その後,被告Dが,伊勢湾陸運の方に謝ったこともあり,その2,3日後から伊勢湾陸運から仕事を回してもらえるようになった(原告C本人)。 (7) 土曜日の勤務ア有限Aでは,平成7年ころから,土曜日は休日とされていたが,伊勢湾陸運のトレーラー業務については,土曜日であっても伊勢湾陸運から発注があった(甲9,乙84の3頁,101)。 土曜日の業務には,「積み置き」と呼ばれる月曜日の運送業務のためにコンテナをトレーラーに積み置く業務(以下「積み置き」という。)などがあり,積み置きは従来から原告らとWの3人で順番に行われていた(乙101,128の38頁,130)。 イ Wは,平成10年11月ころ,直接,伊勢湾陸運に対し,土曜日の仕事を自分に回すよう求めた(甲27)。 ウ有限Aの事務員のRは,平成10年12月ころ,同月19日及び同月26日の積み置きを,原告Bに依頼したところ,これらの積み置きが,月曜日にWが運送するため 仕事を自分に回すよう求めた(甲27)。 ウ有限Aの事務員のRは,平成10年12月ころ,同月19日及び同月26日の積み置きを,原告Bに依頼したところ,これらの積み置きが,月曜日にWが運送するためのものであったことから,Wが自分ですればいいとRに言い,いずれもこれを断った(乙128の37頁から43頁まで,130)。 これに対し,Wは,平成10年12月以降,土曜日の勤務の依頼を積極的に受けて,ほぼ毎週の土曜日勤務した(乙130)。 エ Rは,平成11年1月8日,原告Bに積み置きの作業を依頼したところ,「用がある。」と断られ,原告Cに原告Bが無理なのでお願いすると言っても「用がある。」と断られた(乙3,130)。 Rは,同年1月14日,原告らに祭日明けの積み置きの作業を依頼したが,いずれも「用がある。」と断った(乙3,130)。 Rは,同年1月21日,午後9時から翌日の午前3時までの勤務の後の積み置きの作業を依頼したところ,原告Bは,「本船やるんだでやらんよ。会社は土曜日休みなんだで休みだら。」などと言い,原告Cは,「会社が土曜休みなら休みだら,土曜日はやらんよ。」などと言っていずれも拒否した(乙3,130)。 Rは,同年1月30日,原告Bに土曜日の積み置きの作業を依頼したが,「土曜日は休みだがや。」などと言い,伊勢湾陸運の配車係のqから積み置きをしてもらえないのなら暇になるし普通出勤になると言われたと言っても,「駄目だで。普通出勤でいいが。」などと言った(乙3,130)。この日の出勤を断ったので,同年2月1日の2台分の仕事を伊勢湾陸運からもらえなかった(乙3,130)。 (8) 原告らの定時勤務ア原告Bは,平成11年1月5日ころ,伊勢湾陸運に午前8時から午後5時までの仕事を回すよう頼んでくれと被告Dに言った(乙3,乙125の53頁)。なお た(乙3,130)。 (8) 原告らの定時勤務ア原告Bは,平成11年1月5日ころ,伊勢湾陸運に午前8時から午後5時までの仕事を回すよう頼んでくれと被告Dに言った(乙3,乙125の53頁)。なお,有限Aでは,始業時間は午前8時,終業時間は午後5時とされていた(乙1)。 被告Dは,これを受けて,平成11年1月下旬ころ,伊勢湾陸運に対し,伊勢湾陸運の怒りを買いながらも原告らの勤務を定時にとどめるよう申し入れた(甲5,乙84の3頁及び4頁,125の30頁,53頁から55頁まで,131)。 イ Rは,平成11年2月1日,原告Bに対し,明日から午前8時出勤で午後4時までの業務とすると言い,原告Bがその理由を尋ねたところ,Rは,伊勢湾陸運のqから言われたとだけ答えた(甲57の2の46頁から50頁まで,57の3の136頁から141頁まで)。 ウ原告らは,伊勢湾陸運が作成した運転日報(甲16,17)に基づいて勤務していたが,伊勢湾陸運は,平成11年2月2日,運転日報の乗務員管理欄に「始業時刻8時,終業時刻17時50分」と記載し,その後も始業時刻は8時ころ,終業時刻は17時ないし18時ころという記載をするようになった(甲17,原告B本人)。 原告らには,平成11年2月2日以降,早出残業を伴う配車はされなくなり,原告らは午前8時に有限Aを出発し,業務を午後4時ころ終え,午後6時前後に帰着することが多くなったが,これに対し,Wはこれまでどおりの勤務であった(甲16から21まで,乙130)。 また,ナイト業務は,平成11年2月以降,原告らには配車されなくなり,Wには配車された(甲16から21まで,102)。 エ組合,分会は,平成11年2月4日,被告株式Aの設立や,原告らに対する配車の是正を求め,有限Aが「荷主がやっていること」と荷主に対して是正の働きかけを 配車された(甲16から21まで,102)。 エ組合,分会は,平成11年2月4日,被告株式Aの設立や,原告らに対する配車の是正を求め,有限Aが「荷主がやっていること」と荷主に対して是正の働きかけをしていないのは,荷主の配車差別を会社として黙認するものであり,有限Aも配車差別を同意しているものと受けとめざるを得ないなどとする申入れ書(甲25)を,有限Aに対し,提出した。 オ組合,分会と有限Aは,平成11年2月12日,団体交渉を行い,組合側は,有限Aに対し,配車の公平化等について協議し,平成10年12月ころからWと仕事が違う,土曜日も交替になっていない,勤務時間を16時までと伊勢湾陸運が指定するなどと言い,有限A側は,夜勤の仕事は早めに帰してほしいと頼んでいる,無線のトラブルなどが影響しているのではないか,土曜日は頼んだけれどやってもらえなかったなどと答えた(甲5)。また,有限Aは,同日,被告株式Aは法律的には全く別個の法人である,配車の是正については再々荷主と交渉している,定時指定については「仕事がエライ」と苦痛を訴えているので時間外労働にわたらないよう配慮したものであることなどと回答する文書(甲26)を組合側に渡した。 組合,分会は,平成11年2月16日,上記回答文書に対し,通常の勤務で「仕事がエライ」とは言っていないこと及び有限Aに申し入れてきたのは,ナイト業務の場合には通常勤務からの連続勤務となり,更に翌日の勤務となるので安全上の問題から翌日を休みとすることであると抗議するとともに,原告らを速やかに通常の勤務に戻すよう求め,さらに,Wが伊勢湾陸運に直接土曜日の出勤を申し出ていることを指摘する書面(甲27)を提出し,有限Aも,同年2月23日,その書面に対する回答書(甲28)を提出した。 カ原告Cは,平成11年3月5日,伊勢湾陸運の 勢湾陸運に直接土曜日の出勤を申し出ていることを指摘する書面(甲27)を提出し,有限Aも,同年2月23日,その書面に対する回答書(甲28)を提出した。 カ原告Cは,平成11年3月5日,伊勢湾陸運の配車係であるqに電話をかけ,良い条件の配車をするよう依頼したところ,同人は,伊勢湾陸運自体が労働組合との間で紛争があることを述べ,「そんなことやっておると,Aさんとこも。」,「潰れちゃうでしょ。」,「そういう組合ば抜けてもらって。」,「会社とよく話し合ってね,ま一回。」,「普通のように働いてくれればまた普通に戻します。」などと言い,原告Cが,伊勢湾陸運の上司からの指示ではないかと訊いたところ,「まあ,権限は僕だでね。」,「まあ,それは,俺も精神的に疲れています。」などと言った(甲23)。 キ組合,分会と有限Aは,平成11年3月6日,団体交渉を行い,配車の公平化について協議したが,組合側が「土曜日に都合により積み置きができない場合,月曜日は定時出勤でよいと言ったが,いつも定時でよいとは言っていない。」と言って配車の是正を要求したのに対し,有限A側は「残業については伊勢湾陸運に相談する。」と答えた(甲5)。 ク被告Dは,平成11年3月8日,伊勢湾陸運に出向き,原告らの業務時間について話をし,この結果,原告らは,午前7時ころに有限Aを出発し,午後5時ころまで業務に従事するようになったが,実際には,午後5時以降の業務にも従事するようになった(甲17,乙3,82の76頁から78頁まで,126の10頁及び11頁,130,原告B本人)。また,原告らは,平成11年7月以降はナイト業務にも従事するようになった(甲102)。 ケ原告Cは,平成11年3月27日の土曜日の勤務について出勤できないと断った(乙3)。 (9) その後の原告らの勤務状況ア分会,組合 7月以降はナイト業務にも従事するようになった(甲102)。 ケ原告Cは,平成11年3月27日の土曜日の勤務について出勤できないと断った(乙3)。 (9) その後の原告らの勤務状況ア分会,組合と有限Aは,平成11年5月14日,団体交渉を行い,休日の出勤について協議したが,組合側は,成田に休日の出勤が偏っているので,順番制で行うよう求めたのに対し,有限A側は,原告らは休日の出勤を頼んでも応じてくれないと答えた(甲5)。 イ組合,原告らは,平成11年5月14日,愛知県地方労働委員会に対して,有限A,被告株式A,伊勢湾陸運を被申立人として,原告らが被告株式Aの従業員であることを認めること,配車差別,時間外労働における差別をしてはならないことなどを求める不当労働行為救済を申し立てた(甲3)。 ウ有限Aは,平成11年5月14日,原告Bに,土曜日の勤務を依頼したが「急に言われても用事ある。」などと言われて,原告Cからも,「先週出たから用つくって駄目。」などと言われて拒否された(乙3)。 エ原告らは,平成11年6月17日,有限Aの事務所を訪れ,明日組合があるから仕事を定時までにするよう求め,有限AのRが伊勢湾陸運の配車係のqに依頼したが,「うちには関係ないだらー。」などと言われたので,再度原告Bに伝えたところ,団体交渉は原告Bが帰ってから始めることで了解した(乙3)。 また,同年6月24日,伊勢湾陸運から2台分の仕事がもらえず,被告Dが伊勢湾陸運に謝りに行ったが,同年7月2日と同月5日も,伊勢湾陸運から2台分の仕事をもらえなかったので,同日,被告Dは,伊勢湾陸運に仕事をくれるよう頼みに行った(乙3)。 オ被告Dは,その翌日の平成11年7月6日,伊勢湾陸運に仕事をくれるよう頼みに行き,Rが,同月8日の仕事を原告らに依頼したところ,原告Bは,同日 伊勢湾陸運に仕事をくれるよう頼みに行った(乙3)。 オ被告Dは,その翌日の平成11年7月6日,伊勢湾陸運に仕事をくれるよう頼みに行き,Rが,同月8日の仕事を原告らに依頼したところ,原告Bは,同日は用事があるから午後5時で終わるように伊勢湾陸運に依頼するよう言い,Rが,社長が頼んできたばかりなのにすぐに午後5時に終わらせるように依頼するのは伊勢湾陸運も良い感情は持たないと言ったが,原告らはこれを否定した(乙3)。 カ Rは,平成11年7月9日,原告Cに対し,同月11日日曜日の石塚硝子の岩倉の仕事を依頼したところ,原告Cは,「日曜日は出れんね,用事が決めてあるもんで。」などと言って拒否した(乙3)。 キ原告らは,平成11年7月13日,同月19日に地方労働委員会の審問があるから有給休暇を取りたいと申し出,Rが,「何とか一台と言ってもだめですか。」などと言ったが,拒否された(乙3)。 ク Rは,平成11年7月30日,原告Bに対し,同年8月3日の勤務を依頼したところ,原告Bは,「こりゃー地労委のあれでわかっとるんだでいいがね。」などと言って拒否した(乙3)。Rは,伊勢湾陸運の配車係であるqに,その旨伝えると,「ずーっと休んでもらってていいんだけど。」などと言われた(乙3)。 ケ Rは,平成11年8月19日,原告らが同月26日に有給休暇を取ることを伊勢湾陸運に伝えると,伊勢湾陸運の配車係は「またあの2人ーまー出てこんでいいわ。」などと言われた(乙3)。 コ Rは,平成11年9月25日,伊勢湾陸運の配車係であるqから日曜日の仕事を依頼され,原告Cに対し,日曜日の勤務を依頼したところ,「ちょっと日曜日は用事があるでだめだね。組合の方で・・・。」などと言われて断られた(乙3)。 Rが,伊勢湾陸運に連絡すると,伊勢湾陸運の配車係から「またあの2人ーそんな 曜日の勤務を依頼したところ,「ちょっと日曜日は用事があるでだめだね。組合の方で・・・。」などと言われて断られた(乙3)。 Rが,伊勢湾陸運に連絡すると,伊勢湾陸運の配車係から「またあの2人ーそんなんだったら出てこんでいいのになー。」などと言われた(乙3)。 サ有限Aは,平成11年10月7日,伊勢湾陸運から長野県松本市の仕事が1本追加になったので,原告Cに依頼したがどうしても用事があるから1本しかできないと言われたところ,伊勢湾陸運からも「絶対行ってもらって。それに長距離2日前にはわからんし。そんな事いっとれば仕事もあげんよ。」などと言われたので,原告Cにもう一度頼んだが,最終的にはWが原告Cに代わって乗務した(乙3)。 シ Rは,平成11年10月29日,伊勢湾陸運から,翌土曜日の二人分の仕事の依頼を受けたが,前日に原告らが都合が悪いことを聞いていたので断った(乙3)。 ス Rは,平成11年11月19日,名古屋港の仕事がすごく忙しいなどとして土曜日の出勤を原告らに依頼したが,原告らは忙しいなどと言って断った(乙3)。 なお,Vは,同日,有限Aを退社し,有限Aの運転手は,原告ら,Wの3人となった(乙43)。 セ Rは,平成11年11月22日,原告らに対し,祭日でもある翌23日の勤務を依頼したところ,原告Bが断ったため,せめて昼からでもと依頼したが,原告らはこれも断った(乙3)。 ソ愛知県地方労働委員会は,平成12年1月24日,第2回審問を開いた。原告らには,その翌日である平成12年1月25日から同年1月27日まで,同年1月31日及び同年2月1日の5日間,配車されなかった(甲98,乙130)。 タ組合,分会は,平成12年2月1日,有限Aに対し,団体交渉を申し入れ,同年1月24日に開かれた愛知県地方労働委員会の審問以降,原告らには1日だけしか 日間,配車されなかった(甲98,乙130)。 タ組合,分会は,平成12年2月1日,有限Aに対し,団体交渉を申し入れ,同年1月24日に開かれた愛知県地方労働委員会の審問以降,原告らには1日だけしか配車されておらず,再三会社に申し入れたが,伊勢湾陸運から指名で配車が付かないなどの説明しかなく,速やかに原告らを乗務させることを求めた(甲24)。 これを受けて,組合,分会と有限Aは,平成12年2月12日,団体交渉を行い,組合側は,愛知県地方労働委員会の審問の後,原告らに配車がされなかったことを問題とし,有限A側は,伊勢湾陸運の言い分もあるし,原告らの日頃の協力のこともあると組合側に伝えた。組合側は,さらに,有限Aの方で乗務員を原告らに交替させればいいと述べたが,有限Aは,伊勢湾陸運が原告ら以外の運転手を指名してくれば,それを有限Aの方で運転手を替えることはできないなどと回答した(甲5,乙84の9頁から11頁まで)。 チ分会,組合と有限Aは,平成12年3月18日,団体交渉を行い,休日の出勤について協議したが,有限A側は,原告らにも休日も出勤するよう求めたのに対し,組合側は,休日の出勤の順番制が無視されていることが問題であると答え,組合側は,ナイト業務に関し,「24時間の勤務は体がエライ」などと改善を求めた(甲5,乙84の11頁から13頁まで)。 (10) 有限Aの解散ア有限Aの決算状況は次のとおりであった。 (ア) 有限Aの第20期(平成8年4月1日から平成9年3月31日まで)の売上高は2億9557万円(1万円以下は四捨五入する。以下同じ。),経常利益は29万円,当期未処分利益は334万円であった(乙15,16,82の42頁)。 (イ) 有限Aの第21期(平成9年4月1日から平成10年3月31日まで)の売上高は2億7885万円,経常損失は1 益は29万円,当期未処分利益は334万円であった(乙15,16,82の42頁)。 (イ) 有限Aの第21期(平成9年4月1日から平成10年3月31日まで)の売上高は2億7885万円,経常損失は178万円,当期未処理損失は113万円の赤字であった(乙17,18,82の43頁)。 (ウ) 有限Aの第22期(平成10年4月1日から平成11年3月31日まで)の売上高は1億9046万円,経常損失は877万円,当期未処理損失は3192万円の赤字であった(乙19,20,82の43頁)。 (エ) 有限Aの第23期(平成11年4月1日から平成12年3月31日まで)の売上高は3610万円,経常損失は1879万円,当期未処理損失は5562万円であった(乙21,82の43頁)。 (オ) 有限Aの第24期(平成12年4月1日から同年12月12日まで)の売上高は2147万円,経常利益は477万円,当期未処理損失は4685万円であった(乙26,27,82の44頁)。ただし,この経常利益は,事業閉鎖により車両を売却した特別な利益があったからであり,営業収支の点では,9か月で1714万円の損失であった(乙82の45頁,97)。有限Aの累積赤字は4680万円であった(乙96の12頁)。 イ有限Aが受注する仕事の単価は,平成8年ころと比較して軒並み下がっていた(乙62)。 有限Aは資金繰りが困難になり,被告株式Aから車両代金を前倒しで払ってもらうなどして資金繰りを続けていたが,その支払も平成12年2月には完了したので,被告Dは,平成12年4月ころ有限Aが解散する同年12月ころまで,自身の預金や生命保険を解約するなどして,有限Aに約2000万円を貸し付け,その資金に充てており,貸付金の合計は約2700万円にも上った(乙20,26,82の48頁から50頁まで,被告D本人)。 ,自身の預金や生命保険を解約するなどして,有限Aに約2000万円を貸し付け,その資金に充てており,貸付金の合計は約2700万円にも上った(乙20,26,82の48頁から50頁まで,被告D本人)。 ウ有限Aは,平成12年9月16日,組合,分会に対し,賃金の減額を申し入れる「協定書の改訂等について」と題する書面(乙99)を渡し,賃金について10パーセントの引下げを求めたが,分会は協議に応じるような態度ではなかったので,被告Dは賃下げをあきらめた(被告D本人)。 エ有限Aは,平成12年10月25日,組合,分会に対し,労使協定(甲4)が3年間の有効期間を経過したので,失効したなどと通知した(甲32)。 オ組合,分会と有限Aは,平成12年11月11日及び同月25日,団体交渉を行い,組合側は,冬季一時金の額に対する回答を求めたが,有限A側は,経営が苦しいので出せないなどと回答し,営業を辞めることもあり得るなどと述べたが,組合側は「仕事を取る努力をすればいい。」などと言った(甲6)。 カ組合,分会と有限Aは,平成12年12月9日,団体交渉を行い,組合側は,再度冬季一時金の額に対する回答を求めたが,有限A側は,「利益が出ないのでこれ以上続けていけないので社員総会を開く。」と言い,組合側が「何時開くのか」と訊いたところ,「年内か,来週の・・・。今日は言えない。」などと言った(甲6)。 キ有限Aは,平成12年12月11日,臨時社員総会を開いた。 被告Dは,資金繰りもつかず,また,原告らに協力を依頼するも原告らが協力的ではないと感じていたこともあり,有限Aを解散することを決意し,有限Aの臨時社員総会は,同月12日をもって有限Aが解散すること及び被告Dがその清算人になることを決議した(乙25,被告D本人)。そして,同月13日付け登記がされた(乙24)。な することを決意し,有限Aの臨時社員総会は,同月12日をもって有限Aが解散すること及び被告Dがその清算人になることを決議した(乙25,被告D本人)。そして,同月13日付け登記がされた(乙24)。なお,有限Aの解散は,事前に組合には全く知らされていなかった。 ク被告Dは,平成12年12月12日,原告らに対し,会社解散を理由とする解雇を電話で告知した(乙82の52頁及び53頁)。さらに,有限Aは,改めて平成13年2月20日付け文書により原告らに対し,解雇を通知した(乙31,32,35,36)。なお,有限Aは,他の従業員であったWも同様に解雇した。 (11) 被告株式Aの部門譲渡ア被告株式Aは,日本ペイントから受注する仕事が直請けになり,単価が上がり,利益が伸びる期待を持っていたが,現実は,当初の話とは異なり,日本ペイントからは,信用が得られるまで当分の間は以前の代金のままとするという通達があった。被告株式Aは,もくろみが外れ,収益が伸びず苦しい経営状況に陥った(証人E)。 これに加え,豊興運輸が,仕事の単価を下げてきた(証人E,被告D本人)。 さらに,日本ペイントは,豊興運輸が単価を下げてきたので,同じように下げてもらわないと仕事が回せなくなるなどといってきたので,以前よりも単価が下がり,売上げが下がることになった(証人E,被告D本人)。 イ被告株式Aは,設立当初から銀行融資が受けられなくなっていた上,前記アのような業績悪化のため,平成12年4月ころから資金繰りに窮した(証人E)。 ウ豊興運輸は,平成12年ころ日本ペイントの運送業務から撤退することとし,日本ペイントは,豊興運輸の分の仕事を被告株式Aに穴埋めすることを求め,被告株式Aは,平成12年8月ころ,従業員を2,3人雇い入れ,車も2台,さらに,タンクローリーも購入した(証人E)。し ととし,日本ペイントは,豊興運輸の分の仕事を被告株式Aに穴埋めすることを求め,被告株式Aは,平成12年8月ころ,従業員を2,3人雇い入れ,車も2台,さらに,タンクローリーも購入した(証人E)。しかし,実際には,仕事がなかったので,被告株式Aの資金繰りはますます苦しくなった(証人E)。 Eは,車両を売却し,ローンを軽減し,売買代金を運転資金に充ててしのぐことを考えた(証人E)。 エ Eは,まず,醤油を運搬するタンクローリーの売却を考え,知り合いの運送会社数社に話を持っていった。すると,被告Dが以前勤務していた新大和興運が買い取る意向を示したので,被告株式Aは,同社にタンクローリーを売却することとした(証人E)。 オ被告株式Aは,平成12年9月30日,中六部門のタンクローリー・箱形トラック車両合計8台を,約3700万円で新大和興運に売った(乙100,証人E)。 その後,被告株式Aで中六部門を担当していた運転手であるF,d,a及びrの4人は,いずれも面接を受けた上で新大和興運に採用され,同年10月31日に退職届を被告株式Aに提出して,同年11月1日から新大和興運に就業した(乙72から75まで,証人E)。 カ被告株式Aの従業員であったXが,平成12年8月10日に分会に再加入し,同じくYも分会に再加入したことから,組合,分会は,平成12年10月7日,被告株式Aに団体交渉を申し入れた。 組合,分会と被告株式Aは,同年10月21日,第1回団体交渉を行い,就業規則等の提示,年次有給休暇の自由取得等を協議した(甲34,35,111,証人X)。その後,組合,分会と被告株式Aは,平成12年10月23日に第2回団体交渉を,同年11月25日に第3回団体交渉を行った(甲35)。なお,XとYは,日本ペイントに関する業務のうちタンクローリーを使用する業務に従事して と被告株式Aは,平成12年10月23日に第2回団体交渉を,同年11月25日に第3回団体交渉を行った(甲35)。なお,XとYは,日本ペイントに関する業務のうちタンクローリーを使用する業務に従事していた(証人X)。 キ Eと被告Dは,日本ペイント部門のタンクローリー部門について,採算が余り良くなく,1車両当たりの最低保証料がなくなり,仕事の量も減っていたので,その車両の売却を考え,運送会社数社を当たったところ,光陽ケミカルが買い取る意向を示したので,被告株式Aは,同社にタンクローリーを売却することとした(乙91の27頁から34頁まで,証人E)。 ク被告株式Aは,平成12年11月22日,日本ペイント部門のタンクローリー車両4台を合計約3300万円で光陽ケミカルに譲渡した(乙101,102,証人E)。これにより,被告株式Aには,従業員約12人が勤務する日本ペイント部門のトラックを使用する業務だけが残ることとなった(乙88の8頁及び9頁)。 ケ組合,分会は,平成12年12月9日,被告株式Aに対し,会社譲渡,縮小に至る経緯,雇用確保等を協議事項とした緊急団交を申し入れた(甲35)。 コ日本ペイント部門でタンクローリーを使用する業務の運転手であるb,c,X,Yは,雇用を願い出た。なお,bとcは,被告株式Aに対し,平成12年12月9日付けの退職届を提出した(乙123,124,証人b)。 サ組合,分会と被告株式Aは,平成12年12月16日,団体交渉を行い,会社の縮小と雇用確保等について協議し,被告株式Aは,赤字でやっていけない,能力,意思,体力を失ったなどと回答した(甲35,36)。 シ Xは,組合のZ書記長,原告B,原告Cとともに,平成12年12月19日,光陽ケミカルを訪問し,雇用確保を求めたが,結局,前記4人のうち一人も雇用されなかった(甲119 回答した(甲35,36)。 シ Xは,組合のZ書記長,原告B,原告Cとともに,平成12年12月19日,光陽ケミカルを訪問し,雇用確保を求めたが,結局,前記4人のうち一人も雇用されなかった(甲119の11頁から14頁,乙91の39頁及び40頁,証人Z)。光陽ケミカルからは,「そんなごたごたした話なら全部使わない。」という電話がEにあった(証人E)。 ス被告株式Aは,平成12年12月18日,タンクローリーを使用する日本ペイント部門の業務がなくなったことから,XとYを休業とした(乙91の47頁から55頁まで)。 セ原告らとXとYは,平成12年12月28日,被告株式Aを債務者とする地位保全等の仮処分を,名古屋地方裁判所に対し,申し立てた(乙45)。 ソ被告株式Aは,その仮処分手続において,裁判所からXとYに仕事を与えるよう助言されたため,車両を購入し,平成13年5月からXとYに仕事を与えるようになった(乙91の55頁から58頁まで,証人E)。 また,被告株式Aは,平成13年4月ころ,三菱系列のメーカーから,三菱ふそうの車で運送するようにという指示を受け,車を1台購入した(証人E)。 (12) 被告株式Aの解散ア被告株式Aの決算状況は次のとおりである。 (ア) 被告株式Aの第1期(平成10年10月30日から平成11年9月30日まで)の売上高は1億4348万6891円,営業利益は144万5009円,当期未処分利益は2万0394円であった(乙46)。 (イ) 被告株式Aの第2期(平成11年10月1日から平成12年9月30日まで)の売上高は2億3686万0387円,営業損失は1760万1559円,当期未処理損失は1669万9730円の赤字であった(乙47)。 (ウ) 被告株式Aの第3期(平成12年10月1日から平成13年7月21日まで)の売上高は1億 87円,営業損失は1760万1559円,当期未処理損失は1669万9730円の赤字であった(乙47)。 (ウ) 被告株式Aの第3期(平成12年10月1日から平成13年7月21日まで)の売上高は1億3890万1324円,営業損失は1913万3243円,当期未処分利益は3万7489円であった(乙49)。当期未処分利益が発生したのは車両を売却したためであった(乙91の14頁)。 イ被告株式Aの従業員が,平成13年1月13日,同被告が所有する社用車で死亡事故を起こしたことがあった(乙121,122,証人E)。 ウ Eと被告Dは,平成13年6月ころ,上記イの死亡事故の件もあり,経営の継続も困難であると判断し,残りの日本ペイントの塗料運搬に用いる車両を処分し,なるべく負債を清算して事業閉鎖することを決断した(証人E)。 エ被告Dは,南星キャリックスを紹介され,同社との協議において,相応の買取額が提示され,従業員も面接の上ではあるが採用を積極的に検討するということであった(証人E)。 オ被告株式Aは,平成13年6月7日,臨時株主総会を開催し,同年7月21日をもって同社を解散すること,清算人を被告Dとすることなどを決議した(乙76)。 カ被告DとEは,平成13年6月10日,G公民館に全従業員のほか,原告ら,X,Yを集め,同年7月21日をもって同社を解散すること,同日をもって全従業員を解雇すること,南星キャリックスのグループ会社である有限会社南星アシストへの就職紹介などについて説明した(乙51から54まで,91の65頁から67頁まで,証人E)。 なお,面接を受けたうち約10人が有限会社南星アシストに採用された(乙91の71頁から73頁まで)。 キ被告株式Aは,平成13年7月21日,臨時株主総会を開き,同日付けで解散し,被告Dを清算人に選任する決議を 受けたうち約10人が有限会社南星アシストに採用された(乙91の71頁から73頁まで)。 キ被告株式Aは,平成13年7月21日,臨時株主総会を開き,同日付けで解散し,被告Dを清算人に選任する決議をし,同月23日付けで解散登記がされた(乙59,60)。 ク被告Dは,南星キャリックスから,日本ペイントの工場内の仕事に詳しいので,手伝ってほしいと依頼されたため,南星キャリックスに採用され,現場作業に当たっていたが,後に退社した(被告D本人)。被告DとEは,現在は運送業は全くしていない(証人E,被告D本人)。 2 争点(1)(法人格否認の法理の適用の有無)について(1) 支配の要件ア前記1(3)アのとおり,有限Aの代表取締役は被告Dで,取締役は当初その妻であるEであり,被告株式Aの代表取締役はEで,取締役は当初被告Dであり,両社の監査役は,被告Dの妹の夫であるTであるというように,両社の役員の多くは共通しているといえる。 イさらに,有限Aの社員と被告株式Aの株主は,前記1(3)イのとおり,被告D,E,Tの3人が大半を占めており,両社の株主も共通しているといえる。 ウまた,有限Aの事務員は,前記1(3)ウのとおり,Rであり,被告株式Aの事務員はQとiであり,これらの者は姉妹の関係にあり,これらの者が相互に助け合うことがあった。 しかし,これらは,両者が姉妹の関係にあったことに基づくものであり,有限Aの事務と被告株式Aの事務が日常的に混同していたと認めることはできない。 エ有限Aと被告株式Aは,前記1(3)エのとおり,経理は独立しており,決算報告書も別個に作成されている。有限Aと被告株式Aが互いに経理上の操作をして融通し,経済的にも一体であると認めることはできない。 オ有限Aにおいては,前記1(10)キのとおり,社員総会が開催されているし 書も別個に作成されている。有限Aと被告株式Aが互いに経理上の操作をして融通し,経済的にも一体であると認めることはできない。 オ有限Aにおいては,前記1(10)キのとおり,社員総会が開催されているし,被告株式Aにおいても,前記1(12)オ及びキのとおり,株主総会が開催されている。 カ被告株式Aの業務は,前記1(3)オのとおり,有限Aがしていた日本ペイント部門と中六部門の業務であったが,これは有限Aが日本ペイント部門と中六部門の車両と運転手を被告株式Aに移したことに基づくものであり,当然のことである。 また,前記のとおり,原告ら自身専ら伊勢湾陸運関係の業務をしており,日本ペイント部門や中六部門の業務を日常的にしていたことはないというように,有限Aが,日本ペイント部門や中六部門の仕事を日常的に行っていたとか,被告株式Aが伊勢湾陸運部門の仕事を日常的に行っていたと認めることはできない。 キ前記1(3)カのとおり,被告株式Aは,その設立段階での運転手は,有限Aの従業員であった者であるが,これは,有限Aが日本ペイント部門と中六部門の車両と運転手を被告株式Aに移したことに基づくものであり,当然のことである。さらに,被告株式Aでは,前記1カのとおり,有限Aとは別に,その業務の必要性から独自に運転手を採用している。 ク有限Aは,前記1(3)キのとおり,愛知県半田市G町H丁目I番地のJに事務所を置き,そこで業務をしていた。これに対し,被告株式Aは,支店所在地の愛知県半田市G町s丁目t番地所在の建物を賃借りしそこに独自の事務所を置いていた。また,両社は別個に電話番号を登録していた。 また,前記1(3)キのとおり,被告株式Aの設立当初は,被告株式Aの配車表が,有限Aの事務所に置かれていたことがあったがこれは設立当初の一時的なものである。 ケ前記1(3 電話番号を登録していた。 また,前記1(3)キのとおり,被告株式Aの設立当初は,被告株式Aの配車表が,有限Aの事務所に置かれていたことがあったがこれは設立当初の一時的なものである。 ケ前記1(3)クのとおり,車両については,被告株式Aは有限Aが使用していた車両を用いているが,これはこれは有限Aが日本ペイント部門と中六部門の車両と運転手を被告株式Aに移したことに基づくものであり,当然のことである。また,被告株式Aの車両の表示が当初「有限A」のままであったが,これは予算上の理由に基づくものにすぎないし,それ以外のカラーはそのままであるが,これはあえて塗り直す必要もないからであるといえる。また,被告株式Aの車両のカラーは,前記1(3)クのとおり,伊勢湾陸運関係の業務に持ち入られる有限Aの車両のカラーとは明らかに異なっている。 コ前記1(3)ケのとおり,駐車場については,有限Aが使用していた愛知県半田市G町H丁目I番地のJの土地を,両社が融通しあいながら使用しているが,その賃貸借契約は別個に締結されている。また,被告株式Aは,さらに,別個に駐車場を賃貸している。 サ前記1(3)コのとおり,被告株式Aが,有限Aの高速プレート,エンジンオイル,車両修理道具,水道等を使用していたことがあったが,それも平成11年6月末ころまでであった。 シ以上によれば,確かに,有限Aと被告株式Aとは,役員,株主が共通している部分が多く,事務員が相互に助け合ったり,従業員が他社の備品等を利用したことがあったが,これは小規模の同族会社においてままみられることであり,事実上の関連性にすぎない。逆に,有限Aと被告株式Aの仕事は日常的に別個のものであったのであるし,それらの運転手も明確に区別されていたし,両社の経理も別個にされていたし,両社の事務所も別々に置かれていた の関連性にすぎない。逆に,有限Aと被告株式Aの仕事は日常的に別個のものであったのであるし,それらの運転手も明確に区別されていたし,両社の経理も別個にされていたし,両社の事務所も別々に置かれていたことなどに照らすと,有限Aも,被告株式Aもそれぞれ別個の法人としての実体を有していたといえるのであり,有限Aが実体のない会社であるとか,両社が一体となっていたということはできない。 (2) 目的の要件ア組合設立当初(ア) 前記1(1)ケ及びシのとおり,被告Dは,平成9年11月22日,従業員に対し,組合を脱退するよう求め,同月24日,Yの自宅を訪れて,組合を脱退するよう求めたのであるが,前記1(1)カからクまでのとおり,被告Dは組合からの団体交渉の申出を拒絶することなく団体交渉をし,労働協約なども締結しているのであることに照らすと,この組合からの脱退勧奨には,荷主である豊興運輸からの圧力が背景にあり,被告D個人は強固な組合嫌悪の意思を有していなかったことが推認される。 (イ) 原告らは,被告Dが,平成11年1月ころ組合員のUに対し,組合を脱退するよう勧奨したと主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はない。 (ウ) 原告らは,平成10年12月以降,時間外手当が多く付き,売上単価も比較的高い仕事である横浜ゴム新城行き,旭硝子武豊行きの配車を受けなくなり,時間外手当も付かず単価も安い名古屋港内の配車を受けるようになり,これは組合差別であると主張し,前記1(5)オ及びクのとおり,原告らが平成10年12月以降Wと比較して横浜ゴム新城行きの仕事を配車される回数が減ったことが認められる。 しかし,これは,前記1(5)エ及びオのとおり,原告らが,横浜ゴム新城での積み降ろし作業終了後,直ちに名古屋港に戻らずに昼の休憩を取ってから戻っていたので,名古屋港に戻 数が減ったことが認められる。 しかし,これは,前記1(5)エ及びオのとおり,原告らが,横浜ゴム新城での積み降ろし作業終了後,直ちに名古屋港に戻らずに昼の休憩を取ってから戻っていたので,名古屋港に戻る時間が遅かったのに対し,Wは,昼の休憩を取らずに名古屋港に戻っていたので,名古屋港に戻る時間が早く次の仕事の指示もやりやすかったため,伊勢湾陸運がWに対して配車するようになったことによるものであるし,そもそも有限Aが原告らに配車しない場合,その分の有限Aの売上げも原則として減るのであって有限Aにメリットはないのであり,これが有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (エ) 原告らは,時間外手当の付く土曜日の配車をされなくなり,これは組合差別であると主張する。 しかし,これは,前記1(7)及び(9)のとおり,原告らは,土曜日の積み置き業務を多数回断り,これに対し,Wは,土曜日の出勤の依頼を受けていたことによるのであるし,そもそも有限Aが原告らに配車しない場合,その分の有限Aの売上げも原則として減るのであって有限Aにメリットはないのであり,有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (オ) 原告らは,時間外手当が付かないような就労時刻の規制をされ,これは組合差別であると主張する。 しかし,これは,前記1(8)アのとおり,原告らが,平成11年1月5日,午前8時から午後5時までの勤務にするよう被告Dに申し出たことによるものであるし,そもそも有限Aが原告らに配車しない場合,その分の有限Aの売上げも原則として減るのであって有限Aにメリットはないのであり,有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (カ) 原告らは,平成11年1月5日とその翌日,配車を拒否されたが,これは組合差別であると主張する て有限Aにメリットはないのであり,有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (カ) 原告らは,平成11年1月5日とその翌日,配車を拒否されたが,これは組合差別であると主張する。 しかし,そもそもこのような配車をしたのは伊勢湾陸運であって,有限Aが伊勢湾陸運と共謀して組合差別をしたことを認めるに足りる的確な証拠はないし,そもそも,前記1(7)及び(9)のとおり,Wは,伊勢湾陸運の配車の指示に相当協力的であったのに対し,原告らは協力的ではなかったのであり,このような勤務態度が配車に影響することはやむを得ないといえる。また,前記1(10)のとおり,有限Aは経営が相当厳しい状況にあったのであるし,発注元である伊勢湾陸運にも配慮しなければならない立場にあったのであるから,これが有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (キ) 原告らは,平成12年1月24日の愛知県地方労働委員会の審問後,5日間の配車拒否を受けたが,これは組合差別であると主張する。 しかし,そもそもこのような配車をしたのは伊勢湾陸運であって,有限Aが伊勢湾陸運と共謀して組合差別をしたことを認めるに足りる的確な証拠はないし,前記1(7)及び(9)のとおり,Wは,伊勢湾陸運の配車の指示に相当協力的であったのに対し,原告らは協力的ではなかったのであり,このような勤務態度が配車に影響することはやむを得ないといえる。また,前記1(10)のとおり,有限Aは経営が相当厳しい状況にあったのであるし,発注元である伊勢湾陸運にも配慮しなければならない立場にあったのであるから,これが有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 イ被告株式Aの設立について(ア) 被告らは,被告株式Aを設立したのは,日本ペイントから①有限Aが赤字であったこ あるから,これが有限Aの組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 イ被告株式Aの設立について(ア) 被告らは,被告株式Aを設立したのは,日本ペイントから①有限Aが赤字であったこと,②これまで有限会社と取引したことはないなどの問題点を指摘されたから,被告株式Aを設立したと主張する。 しかし,日本ペイントが,被告株式Aを設立することを直請けの絶対条件としていたと認めるに足りる証拠はないし,有限会社と取引をしたことがないという問題点であれば,有限Aを組織変更して株式会社とすれば済むことである。 また,被告らは,組織変更では,豊興運輸に直請けのことを知られ,妨害等を受けるおそれがあったと主張する。 しかし,「有限会社A」と「A株式会社」とは,会社の種類を表す部分を除けば商号は同一であるし,役員体制,運転手及び使用する車両からみれば,有限Aで行っていた業務を被告株式Aですることは容易に分かることであり,豊興運輸に知られたくないという意図は感じられない。 以上によれば,被告らが主張する被告株式A設立の理由には不可解な点があるといわざるを得ない。 (イ) 原告らは,被告株式Aの設立自体が組合嫌悪の不当労働行為であると主張する。 しかし,前記1(2)サのとおり,被告株式Aの設立によって,組合員であるUは,被告株式Aに移籍したし,逆に,有限Aには非組合員であるWがいたのである。また,分会の組合員は,前記1(1)ソのとおり,被告株式A設立の約10か月前である平成9年12月の時点で既に5人に減少し,さらに,その後平成10年5月に一人脱退したため,原告ら,V及びUの4人に減少し,組合の影響力は相当程度小さくなっていたといえ,あえて組合排除のために,被告株式Aを設立するほどの状況であったと認めることはできない。さらに,被告株式Aを設立したとし 告ら,V及びUの4人に減少し,組合の影響力は相当程度小さくなっていたといえ,あえて組合排除のために,被告株式Aを設立するほどの状況であったと認めることはできない。さらに,被告株式Aを設立したとしても,現に被告株式Aに移ったXやYのように,組合に再加入する者が現れることは予測できたことであり,被告株式Aを設立したからといって組合には大した打撃にはならず,このことは容易に予測できる。 以上によれば,被告株式Aの設立が,不当労働行為であると認めることはできない。原告らは,Wを有限Aに残していたことは,組合差別をごまかすためであると主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はない。 (ウ) 原告らは,被告Dらは,被告株式Aの設立について組合に一切事前に説明しなかったのは,労働協約に違反するものであり,不当労働行為であると主張し,被告Dらが,被告株式Aの設立について組合に事前に説明しなかったことは争いがない。また,被告Dは,前記1(2)スのとおり,被告Dは,被告株式A設立後,組合から質問を受けた際に「知らない。」などと答えたことが認められる。 しかし,組合に事前に説明しなかったことをもって,直ちに不当労働行為であると認めることはできないから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (エ) 原告らは,被告株式Aの設立は,有限Aを弱体化させるものであり,何のメリットもないし,被告株式A設立の時点から,確定的に有限Aを解散して原告らを追放することを意図していたと主張する。 しかし,仮に,当初からその確定的な意図を有していたのであれば,直ちに有限Aを解散したはずであるが,実際は,被告株式A設立から有限A解散まで約2年間以上経過した後に解散しているし,被告Dは,その間,前記1(10)イのとおり,自己の預金や保険を取り崩して有限Aに貸し付けたり,伊勢 たはずであるが,実際は,被告株式A設立から有限A解散まで約2年間以上経過した後に解散しているし,被告Dは,その間,前記1(10)イのとおり,自己の預金や保険を取り崩して有限Aに貸し付けたり,伊勢湾陸運に謝りに行ったり,仕事をもらいに行ったりしており,有限Aの存続のために努力しているのであるから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (オ) 原告らは,有限Aが被告株式Aに売った車両代金を,当初は有限Aの経営成績を悪化させるために安価にし,後に,第23期の決算を悪化させるため,また,清算するための費用を捻出するために,価格を高く修正したと主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はないし,そもそも有限Aを解散させる意図があれば,価格の訂正などするはずもないから,この主張を採用することはできない。 (カ) 原告らは,仮に,被告株式A設立の時点で,有限Aの解散を意図していなくても,被告株式Aの設立は,無用なコスト等を生ぜしめ,有限Aの弱体化につながり,その従業員の雇用不安を生じさせるものであるから,不当労働行為であると主張し,証拠(甲55,74)がこれに沿うとする。 しかし,被告株式Aの設立によりコスト等が生じたとしてもそれは経営判断の問題であるし,被告株式Aを設立したこと自体が,有限Aの解散や被告株式Aの解散の原因になったと認めることはできないから,原告らの前記主張を採用することはできない。 ウ有限Aの解散(ア) 原告らは,有限Aの売上げの減少は原告らに対する差別を原因とするものであると主張する。 しかし,前記1(7),(9),(10)のとおり,有限Aの売上げが減少したのは単価が下がったり,原告らが土曜日等の勤務を拒否したりしたことによるのであって,原告らの前記主張を採用することはできない。 (イ) 原告らは,被告Dらは,有限Aの解 おり,有限Aの売上げが減少したのは単価が下がったり,原告らが土曜日等の勤務を拒否したりしたことによるのであって,原告らの前記主張を採用することはできない。 (イ) 原告らは,被告Dらは,有限Aの解散について,組合に事前に説明していないから,不当労働行為であると主張する。また,前記1(10)カのとおり,被告Dは,組合に対し,有限Aの解散について事前に十分に説明したとはいい難い。 しかし,事前の説明が十分でなかったからといって,直ちに不当労働行為であると認めることはできないから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (ウ) 原告らは,被告らが,有限Aの収益拡大のための積極的行為をしていないと主張する。 しかし,有限Aの従業員は,Vが辞めた後は,原告らとWの3人の運転手しかいないのであり,受注できる仕事はそもそも限られているといえるし,受注先を広げなかったことは非組合員であるWに対しても同じことであるから,これが組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (エ) 原告らは,有限Aの雇用確保のため,被告株式Aへの移籍を検討していないと主張する。 しかし,前記1(11)及び(12)のとおり,被告株式Aの業績も悪く,有限Aの従業員を受け入れる余地はなかったのであるし,被告株式Aに移籍しなかったのは非組合員であるWも同じであるから,これが組合差別の意思によるものであると認めることはできない。 (オ) 前記1(10)のとおり,有限Aの解散は,業績悪化のため,資金繰りが付かず,さらに,原告らが賃下げ等にも応じなかったため,経営を継続することが困難であったと判断したことによるものであって,仮に,不当労働行為の意思によるものであったとすれば,その後約6か月後に被告株式Aを解散することはなかったはずであり,不当労働行為と認めることはできない。 難であったと判断したことによるものであって,仮に,不当労働行為の意思によるものであったとすれば,その後約6か月後に被告株式Aを解散することはなかったはずであり,不当労働行為と認めることはできない。 エ被告株式Aの解散(ア) 原告らは,被告株式Aが,Xらが組合に再加入した直後から,その資産の譲渡が始まったが,これらが譲渡されなければならない理由はないし,現に資産が譲渡された先での経営は順調であるし,その従業員の労働条件も切り下げられていないと主張する。 しかし,前記1(12)のとおり,被告株式Aの業績は悪かったのであり,資産を譲渡する必要はあったことが認められるし,仮に,資産が譲渡された先での経営が順調であり,労働条件が切り下げられていないとしても,それはそもそも企業としての体力が被告株式Aのそれよりもあることによるものと考えられるから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (イ) 原告らは,被告株式Aの解散は,組合員であるXらを和解により受け入れたことの報復としてされたものであると主張する。 しかし,前記のとおり,被告株式Aの解散は,業績が悪く資金繰りが付かなかったことからされたものであるし,組合嫌悪の意思が強固で報復として会社を解散するのであれば,そもそも和解によりXらの地位を受け入れることも考え難いから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (ウ) 原告らは,被告らは,組合員のいる部門から順次譲渡したと主張する。 しかし,前記1(11)オのとおり,組合員のいない中六部門がまず譲渡されたのであるから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (エ) 原告らは,被告らが,Xら組合員に対し,事前に退職届の提出を強要し,提出しないと,光陽ケミカルとの面接を勝手にキャンセルしたと主張する。 しかし,被告株式Aらは,非組合員であるb, できない。 (エ) 原告らは,被告らが,Xら組合員に対し,事前に退職届の提出を強要し,提出しないと,光陽ケミカルとの面接を勝手にキャンセルしたと主張する。 しかし,被告株式Aらは,非組合員であるb,cに対しても退職届の提出を求めているのであるし,被告らが,Xらの光陽ケミカルとの面接を勝手にキャンセルしたことを認めるに足りる的確な証拠もないから,原告らの前記主張を採用することはできない。 (オ) 前記1(12)のとおり,被告株式Aの解散は,業績悪化のため,資金繰りが付かないことにより経営を継続することが困難であったと判断したことによるものであって,被告DやEがもう一切運送業をやめていることなども考慮すると,被告株式Aの解散が不当労働行為と認めることはできない。 オ以上によれば,前記ア(ア)のとおり,平成9年11月の時点で被告Dが組合を脱退するよう勧奨したこと,前記イ(ア)のとおり,被告株式Aの設立に不可解な点があることを考慮し,本件の経緯を全体的に考察してもなお,被告株式Aの設立,有限Aの解散,被告株式Aの解散が,不当労働行為であると認めることはできない。 (3) 以上によれば,有限Aと被告株式Aに,法人格否認の法理を適用することはできず,原告らの被告株式Aに対する地位確認請求と賃金支払請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。 もっとも,原告らの賃金請求のうち将来請求分については,本判決確定後の賃金についてもあらかじめその請求をする必要があると認めるに足りる証拠はなく,本判決確定の日の翌日以降の賃金の支払を求める部分については,そもそも訴えの利益を欠くものである。 3 争点(3)(不法行為)について原告らは,被告株式Aの設立,有限Aの解散,被告株式Aの解散は,不当労働行為であり,不法行為に当たると主張する。 しかし,前記2 そも訴えの利益を欠くものである。 3 争点(3)(不法行為)について原告らは,被告株式Aの設立,有限Aの解散,被告株式Aの解散は,不当労働行為であり,不法行為に当たると主張する。 しかし,前記2のとおり,被告株式Aの設立,有限Aの解散,被告株式Aの解散等は,いずれも不当労働行為に当たるということはできず,不法行為に当たるということもできないし,被告Dが平成9年11月22日と同月24日に組合員に組合を脱退するよう勧奨したことについても,これにより原告らにどのような損害が生じたか不明であり,不法行為に当たるということはできない。 第4 結論よって,原告らの請求のうち本判決確定の日の翌日以降の賃金の支払を求める部分は不適法であり,その余の請求はその余の点について判断するまでもなくいずれも理由がない。 名古屋地方裁判所民事第1部裁判官上村考由

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