昭和42(オ)186 譲渡債権請求

裁判年月日・裁判所
昭和42年10月27日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和40(ネ)301
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人清水賀一の上告理由について。  原審の確定した事実によれば、被上告人

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判決文本文1,574 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人清水賀一の上告理由について。 原審の確定した事実によれば、被上告人と訴外D建設株式会社との間に、昭和三八年四月一五日被上告人の注文によりD建設株式会社が店舗兼住宅の建築工事を請け負い、工事完成時期を同年六月末日とし、報酬金を二九〇万円、契約と同時に金一〇〇万円、同年四月三〇日金五〇万円、同年六月五日金四〇万円、完成引渡時に金九〇万円を各支払うこととし、残金一〇万円はさきに支払つた仮契約金をもつて充当する約の請負契約が成立したところ、同年六月一九日D建設株式会社は、右報酬請求権のうち完成引渡時に支払われる約の分割払金九〇万円の内金八〇万円を上告人に譲渡し、被上告人は異議をとどめずしてこれを承諾したが、右譲渡に際し上告人は、右債権が請負契約に基づく報酬請求権であり、しかも将来完成されるべき未完成工事部分の報酬金に属するものであることを知つていたことならびに、D建設株式会社は、被上告人から報酬金のうち二〇〇万円を受け取りながら同年七月三〇日以降工事を中止し、約六分どおりの工事をしたまま放置したので、被上告人は同年九月二五日右請負契約を解除したというのである。 ところで、請負契約は、報酬の支払いと仕事の完成とが対価関係に立つ諾成、双務契約であつて、請負人の有する報酬請求権はその仕事完成引渡と同時履行の関係に立ち、かつ仕事完成義務の不履行を事由とする請負契約の解除により消滅するものであるから、右報酬請求権が第三者に譲渡され対抗要件をそなえた後に請負人の仕事完成義務不履行が生じこれに基づき請負契約が解除された場合においても、右債権譲渡前すでに反対給付義務が発生している以上、債権譲渡時すでに契約解除を- 1 -生ずる 抗要件をそなえた後に請負人の仕事完成義務不履行が生じこれに基づき請負契約が解除された場合においても、右債権譲渡前すでに反対給付義務が発生している以上、債権譲渡時すでに契約解除を- 1 -生ずるに至るべき原因が存在していたものというべきである。従つて、このような場合には、債務者は、右債権譲渡について異議をとどめない承諾をすれば、右契約解除をもつて報酬請求権の譲受人に対抗することができないが、しかし、債務者が異議をとどめない承諾をしても、譲受人において右債権が未完成仕事部分に関する請負報酬請求権であることを知つていた場合には債務者は、譲受人に契約解除をもつて対抗することができるものと解すべきである。けだし、民法四六八条一項本文が指名債権の譲渡につき債務者の異議をとどめない承諾に抗弁喪失の効果をみとめているのは、債権譲受人の利益を保護し一般債権取引の安全を保障するため法律が附与した法律上の効果と解すべきであつて、悪意の譲受人に対してはこのような保護を与えることを要しないというべきだからである。 従つて、被上告人は、D建設株式会社が本件債権譲渡後に残工事完成義務を履行しなかつたため、本件請負契約が解除された結果報酬残金九〇万円の支払義務がなくなつたことを理由として、本件債権の悪意の譲受人たる上告人に対しその支払いを拒むことができるものというべきであり、これと同旨の原審の判断は正当である。 所論は原審の判断は正当である。所論は原審の認定にそわない事実を前提とする部分もあり、引用の判例は本件に適切でなく、論旨は理由がない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官 条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外裁判官色川幸太郎- 2 -

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