平成13(行コ)167 産業廃棄物処理施設設置許可申請不受理取消請求控訴事件(原審・前橋地方裁判所平成11年{行ウ}第19号)

裁判年月日・裁判所
平成14年2月20日 東京高等裁判所 警察関係
ファイル
hanrei-pdf-15432.txt

判決文本文8,810 文字)

主文 1 原判決を取り消す。 2 控訴人が被控訴人に平成11年6月4日付けの産業廃棄物処理施設設置許可申請書を提出してした同許可申請に対し、被控訴人が同月18日付けで同申請書の返却をもってした同許可申請の却下処分を取り消す。 3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨主文同旨第2 事案の概要本件は、産業廃棄物処理施設設置許可を得るべく、許可権者である被控訴人に対し、平成11年6月4日付けで産業廃棄物処理施設設置許可申請書を提出した控訴人が、同月18日付けで上記申請書を返却されたので、この返却行為は上記許可申請の却下処分に当たると主張し、被控訴人に対し、同却下処分の取消しを求める訴えを提起した事案である。 原判決は、上記申請書の返却行為は、許可申請についての審査の拒否と認められるが、あくまで事実上の措置であり事実上の受理拒絶をもって何らかの法的効果を伴う行政処分がなされたと認めることはできない旨判示し、控訴人の本件訴えを却下したので、控訴人が控訴した。 1 判断の基礎となる事実証拠(甲1、2、乙1、2)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (1) 控訴人は、産業廃棄物等の中間処理施設の建設及び経営等を目的とする有限会社であり、群馬県富岡市α2165番地1ほか3筆において、産業廃棄物処理場(燃焼)施設を設置することを計画し、平成10年9月3日付けで、群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程(以下「事前協議規程」という。)に基づき、被控訴人に事前協議の申請をしたところ、被控訴人は、事前協議規程12条に基づき、平成11年3月11日付けで控訴人の上記計画を不承認とした。 (2) 控訴人は、平成11年6月4日、被控訴人宛に同日付けの 被控訴人に事前協議の申請をしたところ、被控訴人は、事前協議規程12条に基づき、平成11年3月11日付けで控訴人の上記計画を不承認とした。 (2) 控訴人は、平成11年6月4日、被控訴人宛に同日付けの産業廃棄物処理施設設置許可申請書(甲1。以下「本件申請書」という。)を提出し、もって廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)15条1項の規定による産業廃棄物処理施設設置許可申請(以下「本件申請」という。)をした。 (3) これに対し、被控訴人は、平成11年6月18日、群馬県富岡保健所長(地域保健法5条1項、6条4号、9条の規定によれば、都道府県の設置する保健所は、廃棄物の処理その他の環境の衛生に関する事務につき、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うべき機関とされており、都道府県知事は、その職権に属する廃棄物の処理その他の環境の衛生に関する事項に関する事務を当該都道府県の設置する保健所長に委任することができるとされているところ、群馬県廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行細則23条及び別表により、産業廃棄物処理施設設置許可申請書は、その施設の設置場所を管轄する保健所長宛に提出するものとされているので、群馬県富岡保健所長は、本件申請書の正規の提出先である。)の名において、控訴人に対し、「『産業廃棄物処理施設設置許可申請書』に関する書類の返却について」と題する書面(甲2。以下「本件返却書面」という。)とともに、本件申請書を返却した。本件返却書面には、以下の記載がある。 「貴社から平成11年6月7日送付されました同年6月4日付け標記書類に関する廃棄物処理施設設置計画については、群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程第12条の規程に基づき、平成11年3月11日付けで不承認となっております。 本県では、同事前協議規程に基づ に関する廃棄物処理施設設置計画については、群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程第12条の規程に基づき、平成11年3月11日付けで不承認となっております。 本県では、同事前協議規程に基づき不承認とされた計画については、設置許可申請に関する書類を受理しないこととしており、このことは、県主務課にも確認済みです。 よって、標記書類を返却します。 なお、当然ながら当該書類の内容についての審査は行っておりませんので申し添えます。」(4) 群馬県事務専決規程(昭和43年同県訓令甲第11号)によれば、廃掃法15条1項の規定による産業廃棄物処理施設の設置の許可は、同県環境生活部長(主務課は同部生活環境課)の専決事項とされ、同部長が同許可に係る専決権限を有する(同規程第5条、別表第三)。 本件返却書面中の「県生活課」は、群馬県環境生活部生活環境課を指すものである。 また、事前協議規程は、群馬県行政手続条例(平成7年同県条例第44号)33条1項の規定の趣旨に則って制定された行政指導の基準であり、群馬県廃棄物処理施設の事前協議制度なる行政指導における「当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者」等を包括的かつ体系的に明示したものであって、同県の当該行政手続に関する正規の事務処理細則である。同条例30条には、「行政指導の一般原則」として、「行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該県の機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容が相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない」(1項)、「行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない」(2項)との定めがある。 なお、事前協議規程17条は、(産業廃棄物最終処分場などの)「第4条 政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない」(2項)との定めがある。 なお、事前協議規程17条は、(産業廃棄物最終処分場などの)「第4条各号に掲げる施設に係る設置許可申請等は、第12条第1項に規定する承認通知書を受けた後に行うものとす」と規定している。 2 当事者の主張(1) 控訴人被控訴人の本件申請書の返却行為は、本件申請を受理しない意思を表示したもので、本件申請に対する実質的な却下処分で、明らかに取消訴訟の対象たる行政処分に当たり、仮にそうでないとしても、上記返却行為は、本件申請に対する手続的拒否処分に当たり、控訴人の有する手続的権利を侵害したものであるから、行政処分性が認められる。したがって、本件申請に対する上記却下処分は取り消されなければならない。 ア返却行為の行政処分性廃掃法15条1項は、「産業廃棄物処理施設を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない」と規定し、同法15条の2は、同法15条1項に基づく申請がされた場合は、その申請の内容を審査して許否の判断をなすべきことを規定している。同法のこのような規定の内容からすると、私人は、同法に基づいて上記施設の設置に関し都道府県知事の許可を求めて申請する権利を認められていると解さなければならない。 被控訴人は、本件申請に係る産業廃棄物処理施設設置計画は、事前協議規程12条に基づき不承認となっていること、群馬県では事前協議規程に基づき不承認とされた計画については、設置許可申請に関する書類を受理しないこととしていることを理由として本件申請書を返却したところ、事前協議規程に基づいて行われる事前協議等の過程で実施される審査は、廃掃法15条1項による 画については、設置許可申請に関する書類を受理しないこととしていることを理由として本件申請書を返却したところ、事前協議規程に基づいて行われる事前協議等の過程で実施される審査は、廃掃法15条1項による申請を受けて被控訴人が行う審査に先だって行われるものであり、実質的にはその審査の一部という性格を有するが、あくまで事前協議規程は、申請前における被控訴人と協議者の間の協議に関する手続規定であることからすれば、この協議に基づいて被控訴人がした事業計画の承認又は不承認の通知は、被控訴人の協議に関する認識を外部に表明しただけであって、何ら協議者を法的に拘束する効果を有するものではない。事前協議規程に基づく事前審査及びその結果された不承認通知の趣旨を上記のように解するならば、本件申請に対し、事前協議規程に基づく産業廃棄物処理施設設置計画の不承認通知があったことを理由に被控訴人がした本件申請書の返却行為は、本件申請に基づいて被控訴人がする審査の一部を既に事前審査において行った結果、関係法令の規定に適合しないことを実質的な理由とし、廃掃法15条の2に基づいてした申請却下処分であると解さなければならない。そして、この処分は、法律上、直接控訴人の権利を形成するものであるから、取消訴訟の対象になることは明らかである。 イ返却行為の手続的拒否処分性ここでいう手続的拒否処分とは、申請の内容の当否を判断しないで、申請手続、あるいは、形式等の不備を理由として申請を拒否する処分をいうが、法令に基づいて私人に申請権を認める明文の規定がある場合に、私人がその法令に基づいて申請をしたにもかかわらず、行政庁がその手続、形式上の不備を理由として申請の不受理、却下、あるいは返却をしたならば、それが補正命令の実態を有する場合を除き、原則として行政処分として取消の対象となる。けだ をしたにもかかわらず、行政庁がその手続、形式上の不備を理由として申請の不受理、却下、あるいは返却をしたならば、それが補正命令の実態を有する場合を除き、原則として行政処分として取消の対象となる。けだし、このような手続的拒否処分は、申請人の手続上の権利ないし法律上の地位に変動を及ぼす法的効果を有するものだからである。 本件についてこれを見るに、廃掃法15条の2は、本件申請がされた場合、被控訴人に対し、審査を開始し申請に対する最終的な行政処分をすることを義務づけているから、控訴人が、同法15条1項に基づいて本件申請をした場合には、被控訴人に対し、本件申請について審査し許否の判断を求める手続上の権利ないし法律上の地位を有する。しかるに、被控訴人は、本件申請につき、その内容を具体的に審査することなく、本件申請書を返却したもので、実質的な審査の拒否というべきであり、これは控訴人が有する手続上の権利ないし法律上の地位を侵害するものであるから、本件申請書の返却行為は、取消訴訟の対象となる手続的拒否処分に当たる。 (2) 被控訴人ア控訴人は、本件申請書の返却行為を本件申請の却下処分であると主張するが、上記返却行為は、事実行為であって行政処分ではない。 イ事前協議規程17条は、廃掃法に定める産業廃棄物処理施設設置許可の申請は、事前協議規程12条1項に規定する承認通知を受けた後に行うこととしており、被控訴人が本件申請に関する書類の審査を行わなかったのは、事前協議規程による承認を受けた産業廃棄物処理施設についてされた設置許可申請を審査するという取扱いをしているためであり、被控訴人は、審査しない書類を事実上の行為として控訴人に返却したにすぎない。ちなみに、事前協議規程に基づく事前協議制度は、講学上の行政指導に該当し、事前協議規程は、行政指導として行われ るためであり、被控訴人は、審査しない書類を事実上の行為として控訴人に返却したにすぎない。ちなみに、事前協議規程に基づく事前協議制度は、講学上の行政指導に該当し、事前協議規程は、行政指導として行われる事前協議の目的や協議者に求める作為の内容を明確にするため、規程の形式でまとめたものであり、このような事前協議規程に基づき、被控訴人が本件申請に関する書類を審査しないでした事実上の返却行為は、被控訴人の意思決定を通知するものではないから、行政処分に当たるということはできない。 ウよって、本件においては、取り消されるべき被控訴人の行政処分は存在しないから、本件訴えは、訴訟要件を欠く不適法な訴えであり、直ちに却下されるべきである。 第3 当裁判所の判断当裁判所は、被控訴人が群馬県富岡保健所長の名においてした本件申請書の返却行為は、本件申請の却下処分に当たると解すべきであるから、行政処分に当たらないとして控訴人の本件訴えを却下した原判決は行政事件訴訟法3条2項の解釈適用を誤ったものであり取消しを免れず、かつ、被控訴人は、廃掃法15条の2の処分要件の審査を行わずに本件申請を却下したと認められるから、上記本件申請書の返却をもってした本件申請の却下処分は、廃掃法の産業廃棄物処理施設の設置許可に対する許可権の行使に関する規定の解釈適用を誤った違法があり取消しを免れないものと判断する。そのように判断する理由は、以下のとおりである。 1 取消訴訟の対象となる行政庁の処分とは、行政庁がその優越的な地位に基づく公権力の発動行為のうち、直接私人の権利義務を形成し、又は、その範囲を確定するなど、私人の権利又は法律上の利益に影響を及ぼすことが法律上認められているものと解される。 私人が産業廃棄物処理施設を適法に設置するためには、廃掃法15条1項が定めるとおり、都道 の範囲を確定するなど、私人の権利又は法律上の利益に影響を及ぼすことが法律上認められているものと解される。 私人が産業廃棄物処理施設を適法に設置するためには、廃掃法15条1項が定めるとおり、都道府県知事の許可が必要不可欠であるから、都道府県知事に対し産業廃棄物処理施設設置許可申請をした者は、同申請につき法令に定める正当な手続によってその許否を判断されることを求める法律上の地位ないし権利を有すると認められる。したがって、廃掃法の規定する手続に従い産業廃棄物処理施設設置許可の申請がされた場合において、都道府県知事が、同申請に対する許否の判断をしないで申請書その他の書類を申請者に返却したときには、それが補正を要するためであるなど特段の事情が認められない限り、申請者の上記法律上の地位ないし権利に影響を及ぼし、ひいてはこれを侵害することになるから、実質的に取消訴訟の対象となる申請却下処分に当たると解すべきである。 本件において、控訴人は、被控訴人宛の本件申請書を正規の提出先である群馬県富岡保健所長に提出し、もって適法に本件申請をしたのに対し、同保健所長が控訴人に対し本件返却書面とともに本件申請書を返却したものであるところ、本件申請書のこのような返却行為は、本件返却書面の記載その他の関係証拠によれば、産業廃棄物処理施設の設置の許可につき専決権限を有する機関の制定に係る事前協議規程の規定を根拠とし、同県主務課にも確認済みの上で、同保健所長がなした行為であって、同行為に示された意思は、そのように返却する本件申請書に係る許可申請についてはその許可につき専決権限を有する機関がその許否の判断をじ後行わないこととする、かつ、その許否の判断をじ後行わないこととする意思を控訴人に対し確定的に表示するという内容と認められるのである。 そうすると、群馬県富岡保 権限を有する機関がその許否の判断をじ後行わないこととする、かつ、その許否の判断をじ後行わないこととする意思を控訴人に対し確定的に表示するという内容と認められるのである。 そうすると、群馬県富岡保健所長がした本件申請書の返却行為は、控訴人が廃掃法上に認められている産業廃棄物処理施設の設置についての被控訴人の許可を求めることができる地位ないし権利を正面から否定し、これを決定的に侵害するもの、すなわち、本件申請についての却下処分に該当するものといわざるを得ない。そして、同保健所長の法律上の地位、産業廃棄物処理施設の設置の許可についての専決権者、事前協議規程の性質、本件返却書面の記載内容等上記認定の諸事情を総合すると、被控訴人は、同保健所長の名において、本件申請書の返却をもって、控訴人の本件申請を却下する処分をしたものと解するのが相当である。 これに対し、被控訴人は、本件申請の前提である産業廃棄物処理施設設置計画は、事前協議規程12条に基づき不承認となっており、群馬県では事前協議規程に基づき不承認とされた計画については設置許可申請に関する書類を受理しない取扱いであるので、本件申請書を控訴人に返戻したにすぎず、本件申請書の返却行為は、事実行為であって行政処分ではないと主張するが、本件申請書が本件返却書面とともに返却されたことにより、控訴人がした本件申請に対する被控訴人の許否の判断が示されなくなったことは、上記のとおり、実質的に本件申請が正面から、かつ、決定的に排斥されたに等しいといわざるを得ないから、このような被控訴人による本件申請書の返却行為は、もはや事実行為たるにとどまらず、控訴人の法律上の地位ないし権利に影響を及ぼし、これを侵害する行政処分の性質を有するというべきである。 ちなみに、上記の返却行為については、控訴人がその産業廃棄物処理 もはや事実行為たるにとどまらず、控訴人の法律上の地位ないし権利に影響を及ぼし、これを侵害する行政処分の性質を有するというべきである。 ちなみに、上記の返却行為については、控訴人がその産業廃棄物処理施設設置計画につき事前協議規程の規定による承認通知書を受けてくるまでの本件申請書についての補正ないしそれに準ずる措置と見ることも許されないというべきである。なぜならば、事前協議規程に基づく事前協議制度が被控訴人も自認するとおり行政指導にすぎず、控訴人がこの行政指導に従わないことを理由に、又は、その行政指導に従わせるために、本件申請書を返却するという不利益を控訴人に課すことは許されないからである。 したがって、被控訴人の上記の主張は、採用することができない。 上記のとおり、被控訴人が群馬県富岡保健所長の名においてした本件申請書の返却行為は、実質的に取消訴訟の対象となる本件申請の却下処分に当たると解すべきところ、これを事実上の措置であり何らかの法的効果を伴う行政処分がされたと認めることはできないとの判断に基づき本件訴えを却下した原判決は、行政事件訴訟法3条2項の解釈適用を誤ったものであるから、取消しを免れない。 2 本件において、被控訴人が廃掃法15条の2の処分要件の審査をした上で本件申請書を控訴人に返却したというのであれば、原判決の取消しに伴い、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法307条本文により、本件を原審に差し戻し上記処分要件の審査に係る被控訴人の判断の当否を審理すべきことになる。 しかし、被控訴人は、本件返却書面の中で、上記のとおり事前協議規程の規定に基づく不承認があった経緯を記載するとともに「当然ながら当該書類の内容についての審査は行っておりません」と記載しており、また、当審において提出した準備書面においても、事前協議規程に基づく事前協議 に基づく不承認があった経緯を記載するとともに「当然ながら当該書類の内容についての審査は行っておりません」と記載しており、また、当審において提出した準備書面においても、事前協議規程に基づく事前協議制度は、産業廃棄物処理施設を設置するに当たり、①当該処理施設を設置する地域の住民との合意形成をすること、②当該処理施設に係る関係市町村長との調整を図ること、③処理施設設置に係る土地利用の状況及び廃掃法以外の法令による規制の状況を斟酌した処理施設の設置に係る事業計画の実現性を判断することを主たる目的としているのに対し、廃掃法に基づく産業廃棄物処理施設設置許可は、処理施設の適正な内容、構造及び運営を確保し、周辺地域の生活環境の保全を図ることを目的としており、事前協議における審査事項と設置許可の判断に当たって審査するべき事項は、目的と観点が異なるから、上記事前協議の手続を経たことにより、産業廃棄物設置許可申請について事実上の審査が行われたことにはならない旨、そして、被控訴人は、本件申請に対し、廃掃法15条の2の処分要件の審査をしていない旨自認している。 このような被控訴人の主張や本件返却書面の上記の記載に徴すると、被控訴人は、廃掃法の産業廃棄物処理施設の設置許可申請に対する許可権の行使に関する規定の解釈適用を誤り、同法15条の2の処分要件の審査をしないで本件申請を却下したと認められるから、上記処分要件に係る被控訴人の判断の当否が本件取消訴訟の審理の対象となり得ないことはいうまでもなく、かつ、本件申請に対する上記却下処分は、廃掃法の産業廃棄物処理施設の設置許可申請に対する許可権の行使に関する規程の解釈適用を誤った違法があり、その取消しを免れないものであることは明らかといわなければならない。 第4 結論よって、本件申請書の返却行為の行政処分性を否 許可申請に対する許可権の行使に関する規程の解釈適用を誤った違法があり、その取消しを免れないものであることは明らかといわなければならない。 第4 結論よって、本件申請書の返却行為の行政処分性を否定して本件訴えを却下した原判決を取り消し、被控訴人が廃掃法15条の2の処分要件の審査をしないで本件申請を却下した処分を取り消すこととし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法67条2項、61条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第9民事部裁判長裁判官雛形要松裁判官小林正裁判官萩原秀紀

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る