令和4刑(わ)1924 無印私文書偽造、有印私文書偽造

裁判年月日・裁判所
令和4年12月20日 東京地方裁判所
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判決文本文2,698 文字)

令和4年12月20日東京地方裁判所刑事第17部宣告令和4年刑(わ)第1924号無印私文書偽造、有印私文書偽造被告事件 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 未決勾留日数中40日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 東京地方検察庁で保管中の普通預金通帳1通(令和4年東地領第2436号符号1)、定期預金通帳1通(同号符号2)、定期預金通帳1通(同号符号3)、普通預金通帳1通(同号符号6)、残高証明書1通(1枚のもの。同号符号4)、残高証明書1通(2枚のもの。同号符号 5)及び残高証明書1通(1枚のもの。同号符号7)の各偽造部分を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、全日本A連合会(以下「A」という。)の会長であったものであるが、 Aが保有する預金の残高が実際の残高よりも多額であるように装うため、同預金残高の証明に関する文書を偽造しようと考え、Aの事務局長及び会計責任者であったB並びに被告人の知人であるCと共謀の上、いずれも、令和2年10月下旬頃から同年11月中旬頃までの間に、東京都港区(住所省略)において、行使の目的で第1 株式会社D銀行が発行した同銀行E支店のA会長被告人名義の普通預金通帳 (令和4年東地領第2436号符号1)の用紙の一部を、別途入手した同銀行発行の預金通帳の用紙の「年月日」「摘要」「お支払金額」「お預り金額」「差引残高」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表1―1及び1―2(いずれも添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴等 「差引残高」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表1―1及び1―2(いずれも添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴等96件を偽造し 第2 株式会社D銀行が発行した同銀行E支店のA会長被告人名義の定期預金通帳 (同号符号2)の「受入日または記帳日」「預入日または支払日」「お預り金額(円)」「お預り残高(円)」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表2(添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字して追記し、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し第3 F銀行株式会社(当時)が発行した同銀行本店のA名義の定期預金通帳(同 号符号3)の「お預り日またはお引出日」「お取引金額(円)」「お預り残高(円)」「満期日」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、それぞれ「2-3-31」「¥53,362,178」「¥53,362,178」「7-3-31」などと印字して追記し、F銀行株式会社作成名義の取引履歴1件を偽造し 第4 株式会社G銀行が発行した同銀行H支店の被告人名義の普通預金通帳(同号符号6)の一部を、別途入手した同銀行発行の普通預金通帳の用紙で、別表3番号1(添付省略)記載のとおり、「年月日」「お取引内容」「差引残高(円)」欄に日付及び金額等が印字され、かつ、同表番号2及び3(添付省略)記載のとおり、「年月日」「お取引内容」「お預り金額(円)」「差引残高 (円)」欄に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、日付及び金額等を印字して追記したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し第5 あらかじめ入手していた株式会社D銀行が発行した残高証明書をスキャナーでパーソナルコ 用いて、日付及び金額等を印字して追記したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し第5 あらかじめ入手していた株式会社D銀行が発行した残高証明書をスキャナーでパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額を改変するなどの画像加工を 行い、プリンタで印字した上、株式会社D銀行などと刻された印鑑を押印し、令和2年3月31日現在、Aが同銀行E支店に普通預金合計7381万4056円、定期預金3000万円を保有することを証明する旨の同銀行作成名義の残高証明書1通(1枚のもの。同号符号4)を偽造し第6 あらかじめ入手していたF銀行株式会社が発行した残高証明書をスキャナー でパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額を改変するなどの画像加工を 行い、プリンタで印字した上、F銀行株式会社などと刻された印鑑を押印し、令和2年3月31日現在、Aが同銀行本店に普通預金5336万2178円を保有することを証明する旨の同銀行作成名義の残高証明書1通(2枚のもの。 同号符号5)を偽造し第7 あらかじめ入手していた株式会社G銀行I支店が発行した残高証明書をス キャナーでパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額及び支店名を改変するなどの画像加工を行い、プリンタで印字した上、G銀行Hなどと刻された印鑑を押印するなどし、令和2年3月31日現在、被告人が同銀行H支店に普通預金1億円を保有することを証明する旨の同支店作成名義の残高証明書1通(1枚のもの。同号符号7)を偽造し たものである。 (量刑の理由)銀行が発行した預金通帳の取引履歴欄や銀行作成名義の残高証明書という重要な事実証明に係る文書を偽造しており、偽造された文書の数も多く、精巧に偽造されていることからも、本件犯行は文書に対する信用を害する 行が発行した預金通帳の取引履歴欄や銀行作成名義の残高証明書という重要な事実証明に係る文書を偽造しており、偽造された文書の数も多く、精巧に偽造されていることからも、本件犯行は文書に対する信用を害する危険性の高いものである。 被告人は、Aの会長としてAを適正に運営していく立場にありながら、Aの資金が流出している事実が発覚することを恐れ、自己保身を図るために、通帳等を偽造することを決め、共犯者に偽造の依頼をしているのであって、犯行に至る経緯、動機に酌量すべき点はなく、本件犯行において中心的な役割を果たしており、強い非難に値する。 以上によれば、被告人の刑事責任を軽視することは許されない。 他方で、被告人は、事実関係を認め、本件について深く反省していること、被告人には前科がないこと、妻が被告人を監督していく旨約束していること等の被告人のために酌むべき事情もある。 そこで、これら諸情状を考慮の上、今回は執行猶予を付した判決をすることとし た。 (求刑懲役1年6月、主文掲記の没収)令和4年12月20日東京地方裁判所刑事第17部 裁判官中尾佳久

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