平成31(ワ)296 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和2年12月17日 名古屋地方裁判所
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判決文本文55,246 文字)

令和2年12月17日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成31年(ワ)第296号損害賠償請求事件口頭弁論終結日・令和2年10月7日判決 主文 1 Y1は,Xに対し,11万円及びこれに対する平成30年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 Xのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,これを60分し,その1をY1の負担とし,その余をXの負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求(令和元年11月25日付け訴え変更申立書による拡張後のもの)Yらは,Xに対し,連帯して652万5640円及びこれに対する平成30年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,A大学医学系研究科(大学院)の博士課程に在籍し,満期退学後は客員研究員になったXが,指導教員である同科講師のY2により,いわゆるアカデミックハラスメントを含む不適切な指導等がされたことが違法であり,これにより博士論文を作成できず博士号を取得できなくなって学費が無駄になり,精神的苦痛を被 った等と主張して,Y2に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき,Y1に対しては国家賠償法1条1項又は使用者責任による損害賠償請求権に基づき,連帯して損害金652万5640円及びこれに対する不法行為後である平成30年4月1日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 Yらは,主としてY2のXに対する指導等が違法ではないと主張して,Xの請求 を争っている。 1 前提事実⑴ 当事者 の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 Yらは,主としてY2のXに対する指導等が違法ではないと主張して,Xの請求 を争っている。 1 前提事実⑴ 当事者ア Xは,平成18年3月にB大学医学部を卒業後,同年4月から平成24年3月までの医療機関における初期及び後期研修を経て,平成24年4月にA大学医学 系研究科(以下「本件研究科」という。)の博士課程に入学した。 Xは,平成28年3月に上記博士課程を満期退学し,その後名古屋市内にあるCに勤務しながら,現在も本件研究科に客員研究員として在籍している。(以上につき,甲78,弁論の全趣旨)イ Y1(本件当時の名称は国立大学法人A大学)は,国立大学法人法に基づき 設立された国立大学法人であり,A大学を設置及び運営している。(弁論の全趣旨)ウ Y2は,平成19年4月からA大学医学部附属病院助教,平成25年4月から同病院講師を務め,平成30年5月からは本件研究科呼吸器内科分野の准教授を務めており,また,平成22年9月から平成27年3月まで及び平成29年1月か ら平成30年3月まで間,本件研究科呼吸器内科の医局長を務めていた。 Y2は,平成24年4月にXが本件研究科博士課程に入学した後,Xの指導教員を担当していた。(以上につき,乙20,弁論の全趣旨)⑵ 本件研究科の博士課程等についてア本件研究科では,博士課程に4年以上在学し,所定の授業科目を履修して3 0単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,博士論文の審査及び試験に合格した者に対し,研究科教授会の議を経て,修了を認定するとされ,修了者に対して博士の学位が授与される。もっとも,博士論文の審査及び試験以外の修了要件を満たした者については,満期退学をした上で,その後 格した者に対し,研究科教授会の議を経て,修了を認定するとされ,修了者に対して博士の学位が授与される。もっとも,博士論文の審査及び試験以外の修了要件を満たした者については,満期退学をした上で,その後も客員研究員として本件研究科に在籍して,博士論文の審査及び試験を受けることができる。(甲2,弁論 の全趣旨) イ Xは,平成28年3月の満期退学時,上記修了要件のうち,博士論文の審査及び試験以外の要件は満たしていた。(争いがない)⑶ 本件研究科呼吸器内科の概要ア本件研究科呼吸器内科は,本件当時,D教授の下で,Y2を含む講師及び助教等の10名前後の教員が,30ないし40名程度の大学院生等の指導に当たって おり,また,6個程度の研究グループが置かれていた。 Y2は,「E」をテーマとする研究グループ(以下「本件グループ」という。)を統括しており,おおむね4,5名程度の大学院生が配属されていた。(以上につき,乙3,20,弁論の全趣旨)イ Xは,慢性炎症の線維化と癌化に興味があったことから,博士課程入学と同 時に本件グループに配属された。Xに前後して本件グループに所属した大学院生及びその博士課程への入学年月は,大要次のとおりである。(弁論の全趣旨)平成19年 F平成20年 G平成21年 H 平成22年 I平成23年 J平成24年 X平成25年 K平成26年 L ⑷ XとY2との間のメールのやり取りXとY2は,Xが博士課程3年生であった平成26年11月から満期退学後である平成28年7月までの間,別表記載のとおりのメール(以下,同表番号1のメールを「本件メール⑴」と略記し,同表記載のメールを一括して「本件各メール」という。)のやり取りをした。(甲8,11ない である平成28年7月までの間,別表記載のとおりのメール(以下,同表番号1のメールを「本件メール⑴」と略記し,同表記載のメールを一括して「本件各メール」という。)のやり取りをした。(甲8,11ないし20の各枝番) ⑸ Xの大学院発表 ア本件研究科では,博士課程の大学院生に対し,博士論文の提出に先立ち,4年生の12月にそれまでの研究成果をまとめた大学院発表を行わせており,この大学院発表を行うことを博士課程の修了要件(満期退学要件)としている。また,この大学院発表前の9月に,その抄録を提出させる扱いをしている。(弁論の全趣旨) イ Xは,平成27年12月,「M」とのテーマで大学院発表(以下「本件大学院発表」という。)を行った。(乙2,弁論の全趣旨)⑹ 本件グループの発表した論文での共著者の扱い本件グループでは,平成28年4月頃に,Fを筆頭の著者とする「N」との表題の論文(以下「本件論文」という。)を発表した。本件論文には,草稿段階では共 著者としてXの氏名が挙げられていたが,正式に発表された論文の共著者からは,Xの氏名が除外された。(甲70ないし73,弁論の全趣旨)⑺ Xによるハラスメント救済申立てア Xは,平成29年5月18日,A大学ハラスメント防止対策委員会に対し,同大学ハラスメント防止対策ガイドラインに基づき,Y2を被申立人として,①研 究プランや博士論文の作成方針について具体的で明確な指示説明がなかったこと,②研究に関する質問に対して適切な回答がなかったこと,③満期退学後に平日の日中のカンファレンスへの参加を催促されたこと,④Xが実験に関与した本件論文の共著者からXの氏名が除外されたことを指摘し,これらがハラスメント行為に該当するとして,ハラスメント救済申立てをした。 カンファレンスへの参加を催促されたこと,④Xが実験に関与した本件論文の共著者からXの氏名が除外されたことを指摘し,これらがハラスメント行為に該当するとして,ハラスメント救済申立てをした。 上記委員会は,X及びY2両名に加え複数名の関係者からの聴き取り調査を行った上,平成30年2月6日,上記①ないし③については,明確にハラスメントと認定すべき事実はなかったと判断し,上記④については,Xが本件論文の共著者になることが十分想定される程度に実験に寄与しており,Xの同意を得ることなく共著者からXの氏名を除外した点においてハラスメントがあったと認定した。(以上に つき,甲26,32ないし35) イこれを受けて,A大学は,総長名でY2に対して厳重注意処分をした。(甲36,弁論の全趣旨)⑻ Xによる公正研究の申立てXは,令和元年7月25日に第1回目,令和2年2月3日に第2回目として,A大学公正研究委員会に対し,本件グループでの研究に不正行為があるとして,公正 研究の申立てをした。 上記委員会は,第1回目の申立てについては令和元年8月22日に,第2回目の申立てについては令和2年3月27日に,いずれも本件グループでの研究に不正行為が存在するとは認められないと判断し,その旨をXに通知した。(以上につき,甲74,79の各枝番,乙11) 2 争点⑴ Y2がXに対し,いわゆるアカデミックハラスメントを含む不適切な指導等をし,これが不法行為上違法と評価されるか(争点⑴・不法行為の成否)⑵ 前記⑴の違法行為について,Y1が国家賠償法1条1項に基づく責任を負うか(争点⑵・国家賠償法1条1項の適否) ⑶ Y1が国家賠償法1条1項に基づく責任を負う場合に,Y2が個人として不法行為責任を負うか(争点⑶・Y Y1が国家賠償法1条1項に基づく責任を負うか(争点⑵・国家賠償法1条1項の適否) ⑶ Y1が国家賠償法1条1項に基づく責任を負う場合に,Y2が個人として不法行為責任を負うか(争点⑶・Y2の個人責任の存否)⑷ 前記⑴の違法行為について,Y1が民法上の使用者責任を負うか(争点⑷・使用者責任の存否)⑸ 損害の内容及び損害額がいくらか(争点⑸・損害の内容及び損害額) 3 争点に対する当事者の主張⑴ 争点⑴(不法行為の成否)についてア Xの主張Y2は,本件研究科呼吸器内科の講師であり,博士課程の大学院生及び満期退学後の客員研究員として在籍していたXに対し,指導教員として,良好な環境で研究 活動を行うことができるよう適切な対応及び必要な措置を講ずべき義務がある。な お,客員研究員に対しては,博士課程の在籍中に完成させられなかった博士論文の作成を指導する以上,大学院生であっても客員研究員であっても,Y2が上記義務を負うことに変わりはない。 医学博士課程の大学院生であっても,それまでの教育課程で自ら本格的な実験及び研究を行う経験が乏しく,指導教員の指導を仰ぎながら研究活動を進めざるを得 ないが,Y2は,本件グループにおいて,大学院生に対して十分な指導をしないばかりか,講師と大学院生という上下関係の下で,仮説の設定及び実験方法の選択について一方的な指示を出し,カンファレンス等の場面で質問をされても大声で叱責したり,鼻で笑ったりして適切に回答せず,更には再現性のない不適切な実験を繰り返し行わせ,実験データの偽造や改ざんを強いるなど,Xを含む大学院生に対し て日常的に威圧的な言動をとっていた。 このような本件グループの実態の下で,Y2は,Xに対し,以下のとおり,いわゆるアカデミックハ 験データの偽造や改ざんを強いるなど,Xを含む大学院生に対し て日常的に威圧的な言動をとっていた。 このような本件グループの実態の下で,Y2は,Xに対し,以下のとおり,いわゆるアカデミックハラスメントを含む不適切な指導等を行い,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を奪っており,これらのY2の行為は,違法行為に該当する。 本件各メールによる質問への対応についてa 本件メール⑴Xは,Y2から,Fが以前に本件グループで実施した,低酸素培養下でH358 という肺がんの細胞株のPTEN の発現が減弱するとの実験(以下「F実験」という。)を発展させる実験を行うため,F実験の再現及びH358 の遊走能の評価検査 (migrationassay)の実施を指示されていた。 本件メール⑴は,①F実験の再現を試みたが,Fに相談しても再現に成功しなかったことから,Y2に対して今後の方針を質問したもの,②H358 の遊走能の評価検査について,通常の時間(4ないし24時間,最大でも48時間)よりも長い時間(6ないし7日)かけて培養するという方法であったことから,その指示内容の 当否を確認したものである。 しかし,Y2は,Xに対し,F実験の再現については,同実験が元々再現できない実験であるにもかかわらず1年半も再現を続けさせ(なお,その後再現に成功したとしてYらが主張するKの実験は,再現に成功したものではない。),また,H358 の遊走能の評価検査については,その方法に問題があったにもかかわらず半年も実験を続けさせていたが,Xから問題点を指摘されると,あたかもXの無理解 ゆえに必要のない実験を行っているかのように述べて,これらの実験を一方的に中止させたものであり,Xの良好な環境で研究を行う権利を侵害した ていたが,Xから問題点を指摘されると,あたかもXの無理解 ゆえに必要のない実験を行っているかのように述べて,これらの実験を一方的に中止させたものであり,Xの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 b 本件メール⑵本件メール⑵は,H1299 という肺がんの細胞株を用いた実験の評価方法及び肺 検体の免疫染色方法を質問したものである。 しかし,Y2は,Xに対し,質問に対する回答をせず,全く関係のない内容の返信をし,その後も回答をせずに放置しており,Xは,肺検体の免疫染色方法については満期退学後もメールで質問を行わざるを得ない状況にある。また,Xが,H 1299 を用いた実験について,カンファレンスで改めて質問すると,Y2は, H1299 のベクターの廃棄を指示し,その後,その廃棄の指示したことを失念した質問をするなど場当たり的な対応をとっており,Xの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 c 本件メール⑶本件メール⑶は,その前日に行われた,平成27年4月から追加される実験に関 する議論を取りまとめて,Y2に対して確認を求めたものである。 しかし,Y2は,別の実験が重要であると指摘し,Xの記載した確認事項のうち顕微鏡の変更についてよく分からないと回答するなど,曖昧な対応をした。また,顕微鏡については,Y2が実験開始時にBZ-9000 を使用するよう指示したにもかかわらず,その3か月後である本件メール⑶がされた時点でconfocal に変更する よう指示したもので,このような場当たり的な対応によって実験をやり直さざるを 得なくなり,Xの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 d 本件メール⑷本件メール⑷は,Y2の指示により,当時博士課程3年生で り的な対応によって実験をやり直さざるを 得なくなり,Xの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 d 本件メール⑷本件メール⑷は,Y2の指示により,当時博士課程3年生であったXが後輩であるLへの指導をしていたが,Lから再現実験ができないとの相談を受け,Y2に対してLの実験の技術的な問題点について質問したものである。 しかし,Y2は,質問が多すぎて吟味できない,Xは自身の実験に集中すればよい等として回答を拒否し,指導教員としての職責を放棄したもので,大学院生同士の活発な議論を阻害し,Xの良好な研究環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 e 本件メール⑸ 本件メール⑸は,XがY2の指示により平成26年4月頃から6か月程度かけて作製したベクター(pBSⅡ CAG-CAT-GFPPTEN4A)について,時代遅れであるから不要として使用しなかったにもかかわらず,平成27年4月になって,Y2が別の大学院生に対して同一のベクターの作製を指示したことから,以前作製したベクターが使用されなかったことを伝えたものである。 そもそも,長期間かけて作製させたベクターを安易に使用しないこと自体が違法なハラスメントである上,Y2は,自ら作製を指示したことを忘れて,Xに対して一言多いと非難した。ベクターの作製には長期間も要するにもかかわらず,Y2は,作製の有無やこれを必要とする実験の進捗を確認せず,場当たり的な指示をし,Xの良好な研究環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 f 本件メール⑹及び⑼本件メール⑹は,本件グループでの顕微鏡のoffset 設定(コントラスト調整)が極端に低く,目標となる光を強調する設定とされており,また,本件グループ内でも設定にばらつきがあり,統一 ⑹及び⑼本件メール⑹は,本件グループでの顕微鏡のoffset 設定(コントラスト調整)が極端に低く,目標となる光を強調する設定とされており,また,本件グループ内でも設定にばらつきがあり,統一すべきでないかとの問題提起をしたものである。 しかし,Y2は,関係のない実験手法について述べた上で,同じ条件で撮影できれ ばよいとのみ回答し,具体的な条件については回答しなかった。 本件メール⑼は,本件メール⑹の後のXの調査を踏まえ,本件グループでの顕微鏡のoffset 設定について,本件研究科の技術主任及び顕微鏡メーカーからの回答に照らしても問題があり,更には顕微鏡を使用する際にカバーガラスを用いないことの問題も指摘したが,Y2は,この指摘に対して何ら返答しなかった。offset設定は,本来黒であるべき背景が光の混入などで完全な黒になっていない場合に, 撮影条件の設置を変更し背景を黒に調節する機能であるところ,本件グループでは,通常,完全な暗室で顕微鏡を使用しており,外部からの光の混入はなく,背景は黒になることから,offset を調節する必要がないにもかかわらず,offset 設定を極端に低くし,目標となる光を強調する設定とされていることは画像の改変に当たる。 これらの顕微鏡のoffset 設定及びカバーガラスの不使用の問題は,明らかな研 究不正であり,これについてY2が何ら対応しないことは,不正がされない状態で研究を行うXの権利を侵害したもので,違法である。 g 本件メール⑺RNA を増幅する手法としては,RT-PCR とreal-timePCR の二つの方法があるところ,本件メール⑺のうち平成27年9月17日のメールは,これらの方法は増 幅に使用する素材(プライマー)が異なっており,結果が一致 T-PCR とreal-timePCR の二つの方法があるところ,本件メール⑺のうち平成27年9月17日のメールは,これらの方法は増 幅に使用する素材(プライマー)が異なっており,結果が一致するとは限らず,また,RNA ごとにプライマーが異なり増幅効率も異なり,RT-PCR では異なるRNA間でRNA の多寡を評価するのは不向きであって,RT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞り込むという方法があまり一般的ではないことから,Y2に対し,この方法が一般的かどうかを質問したものである。 また,本件メール⑺のうち同月28日のメールは,改めて上記方法が一般的かどうかを質問するとともに,Kの実験結果を踏まえ,本件グループでは通常とは異なり長期間の細胞培養が行われていることについて質問したものである。 しかし,Y2は,上記方法が当たり前である等と回答するのみで,質問に対して具体的な回答をせず,また,一般的でないRNA の増幅方法や,長期間の細胞培養 という再現性のない実験による不正な研究を放置しており,Xの良好な環境で研究 する権利を侵害したもので,違法である。 h 本件メール⑻本件メール⑻は,後輩であるKの行っている実験について,実験の再現性が低いこと等について質問したものである。 しかし,Y2は,X自身の実験に集中するようにと回答するのみで,上記質問に 対して何ら回答しなかった。Xの研究が進まない理由の一つは,本件グループで行われた過去の実験の再現率が極めて低く,これに関する本件メール⑻の質問は,Xの研究にも関わるのであるから,Xの質問に対して回答せず,本件グループでの実験を見直さないことは,Xが良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 i 本件メール の質問は,Xの研究にも関わるのであるから,Xの質問に対して回答せず,本件グループでの実験を見直さないことは,Xが良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 i 本件メール⑽本件メール⑽は,①Y2から,博士論文で取り上げることを想定した上で,「H358 のαカテニンのknockout(機能を欠損させること)でインターロイキン8の発現が亢進する」との仮説での実験を行うよう指示されていたが,実験回数を増やすうちに発現の亢進に有意差が認められない結果が出たことから,Y2に対し て指示を仰いだもの,②RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進むという手法に対する疑問があったため,両者の結果が一致していないことを報告したものである。 これに対し,Y2は,①については,Xには自ら実験対象を選択する権限がないにもかかわらず,論文を見て亢進性のありそうなものを探せばよい等と述べるのみ で,具体的な指示をせず,②については,Xの質問を無視した問題を設定して良く分からないと回答するにとどまり,代替となる実験について指導を怠り,Xが研究を行う権利を侵害したもので,違法である。 k 本件メール⑾本件メール⑾は,Y2から,H358 の細胞株のαカテニンのみを染色する実験の 指示を受けていたが,急遽,二重染色をするよう指示を受けたので,二重染色の実 験を改めて行うか否か,行うのであればその方法について質問したものである。 しかし,Y2は,自ら指示した実験であるにもかかわらず,data の総量によると回答し,その要否及び方法について曖昧な回答しかせず,Xの研究を滞らせ,Xが良好な環境で研究する権利を侵害したもので,違法である。 l 本件メール⑿ 本件メール data の総量によると回答し,その要否及び方法について曖昧な回答しかせず,Xの研究を滞らせ,Xが良好な環境で研究する権利を侵害したもので,違法である。 l 本件メール⑿ 本件メール⑿は,Y2から,博士論文の作成に先立ち,Materialandmethod(実験材料及び方法を記載したもの)を作成するよう指導されたことから,その内容について,7つの項目について質問をしたものである。 しかし,Y2は,本件大学院発表で行った部分をコアにするように述べるのみで,具体的に回答せず,その後も同じ内容の質問をしても明確に回答しなかった。本件 グループでは,仮説の設定及び実験方法等を指示するのはY2であり,大学院生が自ら判断して決めていたわけではない。取り分け,Xの博士論文の中核となるH358 のαカテニンのknockout でインターロイキン8の発現が亢進するとの仮説につき,当初の3回の実験をもって再現性があると考えてよいかについて明確な回答がなければ,博士論文の作成は困難であって,このようなY2の指導の懈怠は, Xが良好な環境で研究を行う権利を侵害するもので,違法である。 カンファレンスへの出席の強要についてXは,平成28年4月から,本件グループに客員研究員として籍を置きながら,Cの呼吸器内科に勤務するようになっていたところ,Y2は,本件グループでは客員研究員がカンファレンスに出席することがほとんどなく,また,Xからも勤務の ため,平日のカンファレンスへの出席が難しいと何度も伝えられたにもかかわらず,同年11月頃から,Xに対し,同病院の院長に都合を付けてもらった上で,毎週木曜日のカンファレンスに出席するように強く求め,更には勤務状況を確認する等として同病院を訪問するなど不適切な言動をし,これによりXに強いス ら,Xに対し,同病院の院長に都合を付けてもらった上で,毎週木曜日のカンファレンスに出席するように強く求め,更には勤務状況を確認する等として同病院を訪問するなど不適切な言動をし,これによりXに強いストレスを与えたもので,このようなY2の対応は,違法である。 本件論文の共著者からの除外について Y2は,本件論文の発表に当たり,草稿段階ではXを共著者に加えていたが,正式な発表に係る最終稿では,共著者からXを除外した。 Xは,本件論文の作成に当たり,実験データ(免疫染色の検体66枚及びウェスタンブロットの検体39枚)を提供し,そのうち少なくとも2つのデータについては本件論文に使用されており,共著者に当然加えられるべきであった。しかし,最 終稿では,Xが共著者から除外され,謝辞の対象にすらされなかった一方で,実験に関与していない者を含め,X以外の本件グループの構成員全員が共著者とされていた。 このように,Y2がXを本件論文の共著者から除外したのは,Xを疎ましく思っていたからであり,Xに対する嫌がらせの意図でされたもので,違法である。 カンファレンスの開催連絡からの除外についてY2は,平成27年7月頃から,Xに対するカンファレンスの開催日程の連絡をしないようになり,Xは,本件グループの他の構成員から連絡をしてもらわざるを得なかった。 このように,Y2がXに対してカンファレンスの開催日程を連絡しないことは, Xに対する嫌がらせの意図でされたものであり,違法である。 推薦状の作成の拒否についてXは,本件研究科を卒業後にOのリサーチレジデントとしての就職を考えており,Oから指導教員2名の推薦状を求められ,これをD教授及びY2に依頼した。D教授は推薦状を作成したが,Y2は,Xから,D教授とは別に推薦 研究科を卒業後にOのリサーチレジデントとしての就職を考えており,Oから指導教員2名の推薦状を求められ,これをD教授及びY2に依頼した。D教授は推薦状を作成したが,Y2は,Xから,D教授とは別に推薦状が必要であると の説明を受けたにもかかわらず,確認する等と述べてはぐらかし,結局推薦状を作成しなかった。これにより,Xは,Oへの就職をあきらめざるを得なくなった。Y2は,Xから指導教員2名の推薦状が必要である旨の説明を受けたことを否認しているが,その主張には変遷があり信用性に欠ける。 このように,Y2は,Xの担当教員として,推薦が相当と判断されれば推薦状を 作成すべき立場にあるにもかかわらず,Xからの推薦状の作成の依頼を取り合わず, Xの進路選択を妨害したのであり,このようなY2の行為は,違法である。 実験結果と異なる論文の作成の強要についてXは,平成27年12月に本件大学院発表において,「細胞上皮におけるαカテニンの発現量の低下はインターロイキン8の産生亢進を誘導し,組織炎症の蔓延に関与することが示唆された」とする結論を示した。 この点,Xは,当初の実験では,H358 の細胞株のαカテニンのknockout(機能を欠損させること)でインターロイキン8の発現が亢進するとの結果を得ており,その前提で,平成27年9月に本件大学院発表の抄録を提出したが,その後,発現に有意差が生じるか疑義が生じ,Y2に発表を取り消すべきか質問した。しかし,Y2は,Xに対し,そのまま発表して良いと伝えて,実験結果と異なる本件大学院 発表をさせた。 その後も,Y2は,Xに対し,実験についての指導を行うことなく,博士論文のMaterialandmethod の作成を求め,その後もインターロイキン8の発現の亢進について再現性が 表をさせた。 その後も,Y2は,Xに対し,実験についての指導を行うことなく,博士論文のMaterialandmethod の作成を求め,その後もインターロイキン8の発現の亢進について再現性がある内容で作成した博士論文のサンプルを送付して,実験結果と異なる博士論文の作成を強要した。 このように,Y2は,再現性がない実験結果について,再現性があることを前提とする博士論文の作成するよう指導しており,これは不公正な研究を強要し,Xの良好な環境で研究する権利を侵害するものとして,違法である。 イ Yらの主張Y2がXに対してアカデミックハラスメントを含む不適切な指導をし,これらの 行為が違法であるとするXの主張は,否認ないし争う。 大学院生は,それぞれの専門分野等から,指導教員と協議して研究テーマを決めており,大学の施設や設備等の制約がある中で,未知の事実について,各種論文等の内容を踏まえ,指導教員等と議論を重ねながら仮説を立てて,その仮説を実証していくものであり,実証できない場合には,実験によって得られた知見から新たな 仮説を見つけ出す等して,研究テーマを随時見直しながら研究実績をまとめていく ことが求められる。指導教員は,大学院生の研究について,問題点を共有しながら適宜指導及び助言等を行うが,手取り足取りの指導を行うわけではない。なお,客員研究員は,大学院生とは身分の異なる研究者であり,大学の施設及び設備を利用して研究活動を行うことができる恩恵的な地位を有するにすぎず,指導教員による研究指導の責任の範囲も,大学院生に対するものとは異なり,客員研究員の研究活 動をサポートすることに限定される。 本件グループでも,D教授及び医局長が個室を有するのみで,それ以外の教員及び各大学院生は大部屋で作業を行って 院生に対するものとは異なり,客員研究員の研究活 動をサポートすることに限定される。 本件グループでも,D教授及び医局長が個室を有するのみで,それ以外の教員及び各大学院生は大部屋で作業を行って,週1回の報告会を行う等しており,自由闊達な意見交換の場が設けられ,また,指導教員とのメールのやり取り以外にも直接の指導もされている。Y2が大学院生に対して仮説の設定及び実験手法の選択につ いて一方的な指示をしたり,大声で叱責したりしたことはなく,不適切な実験や実験データの偽造等を強いたこともない。Xの主張は,以下のとおり,メールの一部を都合よく抜き出す等して,Y2の対応の違法をいうものであって,失当である。 本件各メールによる質問への対応についてa 本件メール⑴ 本件メール⑴については,Y2が,F実験の再現について,再現ができないのであれば時間的余裕がないことから再現をしなくてよいと指示したものである。F実験は,その後Kが再現に成功しており,再現不可能なものではなかった。また,H358 の遊走能の実験についても,Y2は,Xの博士論文に必要な実験として,H358 ではなくH1299 を用いた実験を行うべきとの指導を行っており,Xに対す る適切な指導がされていて,Y2の対応は,何ら違法ではない。 b 本件メール⑵本件メール⑵についてY2は,メールでの返信ではなく,その後に直接面談して指導を行っている。メールでの返信は,当該問題や大学院生の理解を確認するには限界があり,Xのメールでの質問に対して,必ずしもメールで回答をしていたわけ ではなく,Y2の対応は,何ら違法ではない。 c 本件メール⑶本件メール⑶については,当該メールを送信する前提として,XとY2が協議を行っていることが明らかであり ていたわけ ではなく,Y2の対応は,何ら違法ではない。 c 本件メール⑶本件メール⑶については,当該メールを送信する前提として,XとY2が協議を行っていることが明らかであり,Xに対しては,日常的な議論やカンファレンスの場において回答している。顕微鏡についても,XとY2との協議に基づき変更されたにすぎず,Y2の対応は,何ら違法ではない。 d 本件メール⑷本件メール⑷については,他の大学院生の研究に関する質問であり,また,内容が具体的な研究結果等を踏まえており,メールで返信をするのが不適当であったから,その旨の回答をしたにすぎず,Y2の対応は,何ら違法ではない。 e 本件メール⑸ 本件メール⑸については,Xに対して謝意を述べた上で,ベクターが時代遅れであるとのXの指摘に対し,ベクターが繰り返し実験で使用されるものであるから時代遅れではないと回答した趣旨であり,Xを非難したわけではない。また,長期的な実験計画を踏まえ,先回りをして作成に期間を要するベクターを備蓄することは一般的な方法であり,作製されたベクターを使用しないこともあり得るから,Y2 の対応は,何ら違法ではない。 f 本件メール⑹及び⑼本件メール⑹及び⑼のうち顕微鏡のoffset 値の設定については,Xに対して考え方を丁寧に説明しており,また,Xの指摘するoffset 値の設定及びカバーガラスの不使用については,本件グループで特段問題なく行われており,公正研究委員 会の調査でも研究不正であるとは判断されておらず,Y2の対応は,何ら違法ではない。 g 本件メール⑺本件メール⑺については,RT-PCR は1対象3000円と安価であり,これにより候補を絞った上で,1対象3万円を要するreal-timePCR を使用する 何ら違法ではない。 g 本件メール⑺本件メール⑺については,RT-PCR は1対象3000円と安価であり,これにより候補を絞った上で,1対象3万円を要するreal-timePCR を使用するという方法 は,経済的合理性のある一般的な方法であって,Y2の対応は,何ら違法ではない。 Y2は,その後のカンファレンス等で適切に対応をしている。 h 本件メール⑻本件メール⑻については,Y2が当該大学院生とY2が直接やり取りをして解決しており,その旨をXにも伝えていて,Y2の対応は,何ら違法ではない。 i 本件メール⑽ 本件メール⑽については,日曜日に急遽送信されたメールであり,高度な実験についての質問であったことから,メールでの返信には限界があり,Y2は,Xに対し,その後の面談等で適切な指導を行っていて,Y2の対応は,何ら違法ではない。 j 本件メール⑾本件メール⑾については,Y2は,Xからの質問に対し,どのような実験をすべ きか等について必要な考え方を示しており,Y2の対応は,何ら違法ではない。 k 本件メール⑿本件メール⑿は,Y2が,Xに対し,博士論文の作成のためにmaterialandmethod をまとめるよう指導したもので,これはD教授も行っている重要な作業である。Y2は,X自身で整理できないようであれば,大学で直接指導することも提 案しており,Xに対して適切な指導をしていて,Y2の対応は,何ら違法ではない。 カンファレンスへの出席の強要についてY2は,Xに対し,メールでのやり取りには限界があることから,大学に来てもらい協議を行うことを提案したにすぎず,毎週カンファレンスに参加するよう強要していない。また,Cへの訪問も,Y2が医局長としてXの労働環境を確認する趣 り取りには限界があることから,大学に来てもらい協議を行うことを提案したにすぎず,毎週カンファレンスに参加するよう強要していない。また,Cへの訪問も,Y2が医局長としてXの労働環境を確認する趣 旨で行ったものにすぎない。 本件論文の共著者からの除外について本件論文は,草稿段階ではXの提供する実験データが使用されていたが,その後に査読者から指摘を受けて,大きな改変及び追加の実験が必要となり,他の大学院生の協力の下で作成し直したものである。Y2は,オーサーシップに関する考え方 に基づいて,Xは共著者から外れるという判断をしたにすぎず,Xに対する嫌がら せ等の意図はなかった。 カンファレンスの開催連絡からの除外についてY2のXに対するカンファレンスの開催連絡が誤って漏れていた可能性はあるが,Y2にはXに対する嫌がらせ等の意図はなかった。そもそもカンファレンスの開催連絡は,毎回Y2からのメールがされるわけではなく,口頭で説明したり,本件グ ループの構成員で調整してもらったりする等の方法があり,Y2からXに対する連絡が一方的に断たれていたわけでもない。 推薦状の作成の拒否についてY2は,研究室の長であるD教授が推薦状を作成すべきであり,自身は作成すべきでないと考えて,Xに対してD教授に相談するよう指示したにすぎず,Xに対す る嫌がらせ等の意図はなかった。Y2は,Xから,指導教員2名の推薦状が必要である旨の説明は受けていなかった。 実験結果と異なる論文の強要についてY2は,Xに対し,一貫して再現性のない実験データを使用しないよう指導しており,不公正な研究の指示はしていない。Xの指摘するメールは,有意差があるこ とを確認した実験結果を使用して大学院発表を行い,併せて更に必要な追加研究を指 い実験データを使用しないよう指導しており,不公正な研究の指示はしていない。Xの指摘するメールは,有意差があるこ とを確認した実験結果を使用して大学院発表を行い,併せて更に必要な追加研究を指示したにすぎないし,サンプルの送付も,飽くまでサンプルであって,そのとおりの博士論文の作成を強制するものでもなく,不適切な指導ではない。 ⑵ 争点⑵(国家賠償法1条1項の適否)についてア Xの主張 国立大学法人は,国立大学法人法によって設置され,従前国の有していた国立大学に関する権利義務を承継しており,法人の人事,業務運営及び財務等について国による一定の関与があり,法人の役員等は刑事罰の適用上公務員とみなされること等からすると,Y1は国家賠償法1条1項の公共団体に,その教員は同項の公務員にそれぞれ該当する。また,国立大学の教育活動は,公権力の行使に該当するから, Y2によるXに対する指導も公権力の行使に該当する。 したがって,Y1は,前記⑴アのY2による違法行為について,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償義務を負う。 イ Yらの主張Xの主張は,否認ないし争う。 ⑶ 争点⑶(Y2の個人責任の存否)について ア Xの主張国家賠償法1条1項により公共団体が損害賠償責任を負う場合は,公務員個人には損害賠償責任が認められないのが原則とされている。しかし,国立大学法人法35条は,独立行政法人通則法51条を準用しておらず,国立大学法人法19条の適用がある場合を除いてみなし公務員とはされていないこと,国立大学について,私 立大学と学生との間の在学契約と比較して差異はないこと,国立大学の教員による教育研究活動については,警察官等のように公権力を行使するに当たっての萎縮効果を考慮する必要がないこと について,私 立大学と学生との間の在学契約と比較して差異はないこと,国立大学の教員による教育研究活動については,警察官等のように公権力を行使するに当たっての萎縮効果を考慮する必要がないことから,国立大学の教員の違法行為については,国立大学法人が国家賠償法1条1項による損害賠償責任を負う場合であっても,民法の使用者責任と同様に,当該教員個人の損害賠償責任が認められるべきである。 したがって,Y1が国家賠償法1条1項により損害賠償責任を負う場合であっても,Y2も不法行為責任を負うというべきである。 イ Yらの主張Xの主張は,争う。Y1が国家賠償法1条1項により損害賠償責任を負う場合は,公務員個人であるY2が損害賠償責任を負うことはない。 ⑷ 争点⑷(Y1の使用者責任の存否)についてア Xの主張Y2は,Y1の被用者であり,前記⑴アのY2の違法行為は,Y1の業務の執行について行われたものであるから,Y1は,上記違法行為について使用者責任を負う。 イ Yらの主張 Xの主張は,否認ないし争う。 ⑸ 争点⑸(損害の内容及び損害額)についてア Xの主張Xは,前記⑴のY2の違法行為により,以下の損害を被った。 学費相当額 214万2400円 Xは,Y2の違法行為により博士号の取得が困難となり,本件研究科博士課程に入学した目的を達成できなくなったのであるから,A大学に支払った4年分の学費相当額214万2400円相当の損害が生じた。 慰謝料 300万円Xは,Y2の違法行為により精神的苦痛を受けており,これに対する慰謝料とし ては300万円を下回らない。 弁護士費用 51万4240円Xは,本件訴訟の提起及び追行をX訴訟代理人弁護 Xは,Y2の違法行為により精神的苦痛を受けており,これに対する慰謝料とし ては300万円を下回らない。 弁護士費用 51万4240円Xは,本件訴訟の提起及び追行をX訴訟代理人弁護士に委任せざるを得ず,その弁護士費用相当の損害は,51万4240円が相当である。 再現実験費用 86万9000円 Y2の前記⑴の違法行為は,Y2による研究不正に関してXが質問したことを契機としてされており,その違法行為の立証のためには,Y2の研究不正を明らかにする必要があるところ,Xは,外部の研究機関に委託して,本件グループで実施された実験の再現実験を行わざるを得なかった。したがって,この委託費用86万9000円も損害として認められるべきである。 合計 652万5640円イ Yらの主張Xの主張は,否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点⑴(不法行為の成否)について XはY2の各行為を挙げて,これらがいわゆる アカデミックハラスメントを含む不適切な指導等であり,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を奪ったものであって,上記各行為が違法行為に該当すると主張する。 いわゆるアカデミックハラスメントとは,研究及び教育機関における教員等の優位な立場にある者から学生等の劣位な立場にある者に対してされる,ハラスメント 行為の一つであり,ハラスメントの受け手である学生等の人格権等の権利利益の侵害になり得るものであるが,他方で,学生等に対する教育上の見地から,教員等には研究教育上の一定の裁量が認められるところであり,教員等の学生等に対する言動が不法行為法上の違法行為に該当するかは,両当事者の立場及びその優劣の程度のほか,当該行為の目的や動機経緯,立場ないし職務権限等の濫用の 一定の裁量が認められるところであり,教員等の学生等に対する言動が不法行為法上の違法行為に該当するかは,両当事者の立場及びその優劣の程度のほか,当該行為の目的や動機経緯,立場ないし職務権限等の濫用の有無,方法及 び程度,当該行為の内容及び態様並びに相手方の侵害された権利利益の種類や性質,侵害の内容及び程度等の諸事情を考慮して,当該行為が教員等の学生等に対する研究教育上の指導として合理的な範囲を超えて,社会的相当性を欠く行為といえるかどうかにより判断するのが相当と解される。このことは,大学院の博士課程に在籍する大学院生であっても,博士課程修了後の客員研究員として在籍する者であって も変わらないと解される。 以上を踏まえて,Xが問題とする各行為について,個別に検討する。 ⑴ XとY2のメールのやり取りについてア本件メール⑴(平成26年11月30日)についてXは,本件メール⑴について,F実験が再現不能な実験であり,H358 の遊 走能の評価実験も培養期間に問題がある実験であって,いずれも不適切な実験であったにもかかわらず長期間続けさせ,Xから問題点を指摘されると一方的に実験を中止させて,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲78,X本人[9~13頁])。 証拠(甲77の各枝番)によれば,F実験は,XがFに対して再現方法等に ついて助言を求め,Fも,自ら再現を試みたが成功せず,再現できない原因も不明 であるとXに伝えたことが認められる。しかし,生物医学分野の実験結果は,当然再現性を有することが求められるものの,他方で,再現を試みたとしても条件次第では結果が変わり得るものであり,F自身も再現できなかったからといって,F実験が直 。しかし,生物医学分野の実験結果は,当然再現性を有することが求められるものの,他方で,再現を試みたとしても条件次第では結果が変わり得るものであり,F自身も再現できなかったからといって,F実験が直ちに再現不能であると断定できるわけではない。この点,Y2は,その後にKがF実験の再現に成功したと主張して,その成果を提出し(乙9),これに対し てXがKの再現が成功とはいえないと主張していて,その評価については当事者間に争いがあるが,少なくともX以外の大学院生にも再現を試みさせていることに照らせば,Y2が,F実験が再現困難であることを認識しながら,Xに対し,悪感情に基づいて同実験の再現を指示したとは認められない。また,XがF実験の再現を1年半継続した点についても,その間のXとY2間でのやり取りは本件証拠上明ら かではなく,Xが1年半継続することを強要していたと認めるに足りる証拠はない。 H358 の遊走能の評価実験に係る培養期間については,これを3日間や6日間として行われた実験に係る論文も公表されていることが認められ(甲9の2),Y2の指示した6ないし7日間の培養がおよそ非科学的なものであるとも認められない。また,XがH358 の遊走能の評価実験を継続していたことについても,Y2 が実験の継続を強要していたと認めるに足りる証拠はない。 本件メール⑴は,Xが博士課程3年生であった平成26年11月にされており,大学院発表やその後の博士論文の作成に要する残余期間を考えると,Y2がXに対し,Xにおいて成果を上げる見通しがなかった実験を中止させた趣旨と解することが可能である。 確かに,本件メール⑴のY2の返信は,それまでXが行った実験について,博士論文の作成に必要ではないとするのみで,何故必要ないかを明確に伝えているわけで せた趣旨と解することが可能である。 確かに,本件メール⑴のY2の返信は,それまでXが行った実験について,博士論文の作成に必要ではないとするのみで,何故必要ないかを明確に伝えているわけではなく,その文面からすれば,Xにおいて,長期間続けた実験を理由なく中止させられたとの不快感を抱くこともあり得るとはいえるが,それと同時に,Y2は,Xに対してH1299 のαカテニンの実験を行うよう指導しており(甲8の2,11 の1),Xに対するその後の指導を継続せずに放置したとも認められない。 したがって,本件メール⑴に係るY2の指導は,Xに対する悪感情に基づき,不可能な再現実験や非科学的な実験を強要したとは認められず,Y2がXに対し博士論文の作成指導とは無関係に一方的に実験を中止させたとも認められない。また,本件メール⑴に係るY2の返信は,Xに不快感を抱かせたというにとどまり,それまでの実験で成果が挙げられなかったとしても,生物医学分野の実験という性質上 やむを得ない面もあるのであって,Xに具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められず,Y2による本件メール⑴に係る対応が違法であるとは認められない。 イ本件メール⑵(平成26年12月15日)についてXは,本件メール⑵について,H1299 の細胞株を用いた実験の評価方法及び肺検体の免疫染色方法を質問したが,Y2が回答せずに放置し,更にはXがカン ファレンスで改めて質問すると,H1299 のベクターの廃棄を指示したが,その指示を失念するなど場当たり的な対応をとり,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲78,X本人[13~14頁])。 この点,Y2は,本件メール⑵のXの質問について,翌日医局 りXの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲78,X本人[13~14頁])。 この点,Y2は,本件メール⑵のXの質問について,翌日医局で説明しよう としたが会うことができなかったため,メールでは朝から顔を見かけておらず,顔を出すようにとのみ返信し,その後Xと会って直接説明をした旨供述する(Y2本人[4~5頁])。 Xの上記質問は,研究内容に関する多岐にわたる質問であり,指導教員であるY2としては,教育上直接対話をして解決すべきであり,メールでやり取りをするの が相当でないと判断することも十分あり得る内容といえ,メールで直ちに返信をしなかったことが不相当とは認められない。また,本件メール⑵は,Y2からの従前の指導内容の確認を求めるものであり,これに対してY2も敢えて医局に出向くよう求めていることに照らすと,Y2の供述するとおり,Y2がXに対して直接面談をした上で上記質問に対応したものと推認され,これと異なるX本人供述等は,採 用し難い。 また,Xは,H1299 を用いた実験に関して改めてカンファレンスにおいて質問すると,Y2から説明がなく,むしろ製作したベクターを廃棄させられたと供述する(X本人[13頁])。Y2が廃棄を指示したとする理由は明らかでないが,本件メール⑵のXの質問中にも廃棄に言及する部分があり,それまでのXとY2とのやり取りで,H1299 の廃棄に関する議論がされていたと窺われることからすれ ば,仮に廃棄を指示したのであれば,全く理由なしに廃棄を指示するとは考え難い(なお,破棄することに理由があっても,指導教員としては,Xがその点を納得していないことを感じとり,説明することが適切であったとはいえる。)。また,Xは,肺検体の 由なしに廃棄を指示するとは考え難い(なお,破棄することに理由があっても,指導教員としては,Xがその点を納得していないことを感じとり,説明することが適切であったとはいえる。)。また,Xは,肺検体の染色方法について満期退学後もメールで質問を継続せざるを得ない状況であったとするが,当該メール(甲21の4の⑥)は,評価方法に関する文献の提示 を求めるものであり,本来,この種の文献の調査及びその調査結果を踏まえた実験の要否及び内容は,研究を行う大学院生側が行うべき事項ともいえるし,Xは,併行してそれ以外の研究を行っていたというのであり(X本人[13~14頁]),他に,Y2から文献の提示がなかったことによりXの博士論文の作成が遅滞したことを認めるに足りる証拠はなく,具体的な権利利益の侵害が生じたとも認め難い。 したがって,本件メール⑵に係るXの質問について,Y2がXに対して回答せずに放置したことが違法であるとするXの主張は,その前提を欠くものであり,Y2の指導が場当たり的であるとする部分も,指導方法として適切であったかという問題はあり得るとしても,不適切な指導がされたことによりXに具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められず,Y2による本件メール⑵に係る対応が違法であ るとは認められない。 ウ本件メール⑶(平成27年3月31日)についてXは,本件メール⑶について,前日の議論を取りまとめて確認を求めたが,Y2から別の実験が重要である,顕微鏡については変更がよく分からない等と曖昧な対応をされ,また,Y2から指示された顕微鏡について,実験開始から3か月間 も経過した後に変更を指示され,場当たり的な対応によって実験をやり直さざるを 得なくなり,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法 いて,実験開始から3か月間 も経過した後に変更を指示され,場当たり的な対応によって実験をやり直さざるを 得なくなり,これによりXの良好な環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲78,X本人[14~15頁])。 しかしながら,本件メール⑶は,XがY2に対し,前日の議論を取りまとめて確認を求めたにすぎず,これに対するY2の返信も,その文面に照らしてXに対 する何らかの悪感情を伴うものとも認められない(但し,指導教員としては,Xが報告した前日の協議内容について,自分の認識と異なる点があったのであれば,指導上,何故認識の齟齬が生じているのかについて注意を払うべきであったとは思われる。)。この点,Xは,Y2から別の実験(SiRNA の実験)が重要であると曖昧な指示をされたというが,そうであれば,Y2に対して再度確認をすれば足り,Y 2の返信によってXに何らかの不利益が生じたとも認められない。 また,実験に使用する顕微鏡について,Xは,Y2から実験開始の数か月前にBZ-9000 を使用するよう指示されたと供述するが(X本人[14~15頁]),Y2はその指示を否定し,本件メール⑶についても,従前Xが使用していたBZ- 9000 よりconfocal を使用した方がよいと勧めたにすぎないと供述するところであ り(Y2本人[9頁,28~29頁]),他にY2がBZ-9000 の顕微鏡の使用を指示したことを的確に示す証拠はない。 したがって,本件メール⑶に係るY2の返信は,Xに対する悪感情に基づいて曖昧な返答をし,これにより具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められないし,場当たり的に顕微鏡の変更を指示したとも認められないのであって,Y2の上 記対応が違法であ に対する悪感情に基づいて曖昧な返答をし,これにより具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められないし,場当たり的に顕微鏡の変更を指示したとも認められないのであって,Y2の上 記対応が違法であるとは認められない。 エ本件メール⑷(平成27年4月7日)についてXは,本件メール⑷について,Xが,Y2から求められた後輩に対する指導を行うために,Y2に対して質問をしたにもかかわらず,これ対する回答を拒否し,これにより大学院生同士の活発な議論を阻害し,Xの良好な研究環境で研究を行う 権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲 78,X本人[15~16頁])。 しかしながら,本件メール⑷に係るY2の返信は,Xは自らの研究に注力すればよく,本件グループの後輩に対する指導も技術的な助言で足り,研究内容の当否にわたる指導をする必要はないとするものである。本件メール⑷は,平成27年4月にされたもので,その文面に照らしても,博士課程3年生であったXに博士論 文の作成に必要な実験に注力すべきとするにとどまり,Xに対する悪感情に基づき,又は他の大学院生との議論を妨げる等の目的でされたとは認められない。 また,確かに,本件研究科では,いわゆる屋根瓦方式と称する,指導教員の指導監督の下で先輩の大学院生が後輩の大学院生に対する指導を行っており,Y2もそれを推奨していたと認められるが(甲51,52,乙5,Y2本人[10頁],弁 論の全趣旨),Y2は,大学院生には実験の経験があることから,後輩に対し,実験手技について適切なアドバイスをすることを期待していたものであって,研究内容や研究方針についてアドバイスをすることを求めたものではなかった(Y2本人[10頁])。このような指導方式の実施の可否及び内 手技について適切なアドバイスをすることを期待していたものであって,研究内容や研究方針についてアドバイスをすることを求めたものではなかった(Y2本人[10頁])。このような指導方式の実施の可否及び内容・程度については,専ら指導教員の教育的な見地からの裁量に属するといえ,Y2がXに対して後輩の研究に ついて対応せず,自らの研究に注力するよう指示したことが不適切であるとはいえない。また,当該質問が別の大学院生の研究に関するものである以上,Xに対して直接回答しなかったことが不適切であるともいえない。 したがって,本件メール⑷に係るY2の返信は,Xに対する悪感情等に基づくものではなく,その内容も,指導教員としての教育的見地からの裁量の範囲内の ものであり,Xに対して直接回答をしないことも不適切ではなく,違法であるとは認められない。 オ本件メール⑸(平成27年4月24日)についてXは,本件メール⑸について,自らベクターの作製を指示したことを忘れて,Xに対して一言多いと非難するとともに,ベクターの作製には長期間も要するにも かかわらず,作製させたベクターを使用せず,また,作製の有無やこれを必要とす る実験の進捗を確認せずに場当たり的な指示をし,これによりXの良好な研究環境で研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等もある(甲78,X本人[16~17頁])。 しかしながら,ベクターとは,特定の遺伝子を細胞に入れ込むための道具であり,その作製には少なくとも1ないし2か月程度を要するもので,本件グループ では将来行う実験の見通しを踏まえて事前に作製して備蓄することがあったと認められ(Y2本人[11頁],弁論の全趣旨),このようなベクターの作製の段取りに照らすと,Xの作成したベク 本件グループ では将来行う実験の見通しを踏まえて事前に作製して備蓄することがあったと認められ(Y2本人[11頁],弁論の全趣旨),このようなベクターの作製の段取りに照らすと,Xの作成したベクターが使用されなかったこと自体が不適切であるとは認められず,Y2がXに対し,悪感情等に基づいて不必要にベクターを作製させたことを認めるに足りる証拠もない。Y2がXに対し,Xの作製したベクターを時代 遅れと述べたかについては,Y2が本件メール⑸でも否認しており(甲14の2),他にこれを認めるに足りる的確な証拠はない。 また,本件グループでは,教員及び大学院生がそれぞれの研究に必要な実験を行っており(乙20),本件グループを統括する立場のY2において,実験材料であるベクターの備蓄状況の詳細についてまで常に把握しておくべきとも認め難く,本 件メール⑸のようなベクターの備蓄の誤解から生じるやり取りがされることもやむを得ないといえる。確かに,本件メール⑸のY2の返信のうち,「一言多し」との文言は,Xに対する嫌味として述べられたと解するほかなく,自ら作製したベクターの存在を看過されたXが不快感を抱くのも当然とはいえるが,そのような措辞が繰り返されたわけでもなく,これによりXに具体的な権利利益の侵害が生じたとも いえない。 したがって,本件メール⑸に係るY2の返信やXの作製したベクターの取扱いは,本件グループにおけるベクターの作製手順に照らして不適切な内容とはいえず,これによりXに具体的な権利利益の侵害が生じたとまでは認められないのであって,Y2の対応が違法であるとは認められない。 カ本件メール⑹(平成27年5月15日)及び本件メール⑼(同年9月28 日)についてXは,本件メール⑹及び⑼について,本件グルー Y2の対応が違法であるとは認められない。 カ本件メール⑹(平成27年5月15日)及び本件メール⑼(同年9月28 日)についてXは,本件メール⑹及び⑼について,本件グループ内での顕微鏡のoffset設定及びカバーガラスの不使用について問題提起をしたが,Y2が具体的な回答をせず,また,これらは明らかな研究不正であって,不正がされない状態で研究を行うXの権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿う証拠(甲56ない し58,78,X本人[17~19頁])もある。 しかしながら,本件メール⑹では,Y2は,X及びLに対し,Lの行っている実験に関する指導とともに,顕微鏡の設定について同じ条件であればよいと回答しているのであって(甲15の2),何ら回答していないわけではない。 この点,Xは,顕微鏡のoffset 値は本来ゼロとすべきであり,これを極端に下 げることは画像の改変に当たることや,カバーガラスの不使用が不適切であると主張し,これに沿う証拠(甲56ないし58)を提出する。しかし,これらの証拠は,本件研究科医学教育研究支援センター分析機器部門のP及び機器メーカーの意見が述べられているものであり,これと異なる方法を採用することが実験手法として許容されないとまでは認め難く,前提事実⑻に係る公正研究委員会の報告でも,本件 グループでの顕微鏡のoffset 値の設定及びカバーガラスの不使用が研究不正であるとは認定されていない(甲79の各枝番,乙11)。 また,本件メール⑹及び⑼や,その後XがY2に対して送信したメール(甲58)は,XがY2に対して顕微鏡のoffset 値やカバーガラスの不使用について問題提起をしたにとどまり,Y2がXに対し,直接的に不正な研究を強要したわけで もない。 て送信したメール(甲58)は,XがY2に対して顕微鏡のoffset 値やカバーガラスの不使用について問題提起をしたにとどまり,Y2がXに対し,直接的に不正な研究を強要したわけで もない。仮にY2がXの上記問題提起に対応していないとしても,このことによってXに具体的な不利益が生じたとも認められない。 したがって,本件メール⑹及び⑼に係るY2の返信や,その後の顕微鏡の使用方法に関する対応は,Xに対して研究不正を強要するものではなく,Xに具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められないから,Y2の対応が違法であるとは認 められない。 キ本件メール⑺(平成27年9月17日ないし同月29日)についてXは,本件メール⑺について,本件グループで採用されていたRT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞るという方法や,長期間の細胞培養が行われていることがいずれも一般的ではないことから,その当否について質問したが,Y2が具体的な回答をせずに研究不正を放置し,これによりXの良好な環境で 研究する権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等(甲78,X本人[18~19頁])もある。 しかしながら,Y2は,本件メール⑺において,RNA の増幅方法について,PCR の原理及びコストが約10倍かかることを挙げて,RT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞るという方法が当たり前であると述べ,同旨の供述 をする(乙20,Y2本人[37頁])。大学院における実験研究は,予算による制約がある以上,Y2の説明するように費用対効果を考えて高額な費用を要する実験の対象を絞り込むという方法も,本件グループでの実験研究の在り方の一つとして合理性を有するといえる。 験研究は,予算による制約がある以上,Y2の説明するように費用対効果を考えて高額な費用を要する実験の対象を絞り込むという方法も,本件グループでの実験研究の在り方の一つとして合理性を有するといえる。 Xの指摘する長期間の細胞培養については,その適否について当事者間に争いが あるが,長期間培養がおよそ非科学的なものであるとは認められないことは,メー Y2が質問に対応しなかったとする点については,Y2は,メールで書いたとおり,カンファレンス等で対応したと主張し,その旨の陳述をしており(乙20),同陳述が信用性に欠けると指摘できる特段の点はなく,また,仮にY2がXの問題 提起に対応していなかったとしても,そのことによってXに具体的な不利益が生じたとも認められない。 したがって,本件メール⑺に係るY2の対応のうち,RNA の増幅方法に対する回答及び細胞培養の方法については,特に不適切な内容や方法であるとは認められず,仮に,Y2がXの質問に対してカンファレンス等において対応しなかった としても,そのことにより,Xに具体的な権利利益の侵害が生じたとは認められな いから,Y2の対応が違法であるとは認められない。 ク本件メール⑻(平成27年9月18日)についてXは,本件メール⑻について,Kの実験の再現性が低いこと等について質問したが,Y2が何ら回答せず,また,本件グループで行われた過去の実験の再現率が極めて低いという問題についても対処をせず,Xが良好な環境で研究を行う権利 を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等(甲78,X本人[19~21頁])もある。 しかしながら,Y2は,本件メール⑻において,Kに対してはY2が自ら対応するとし,Xは自己の実験が進捗しておらず,それに注力してほし に沿うX本人供述等(甲78,X本人[19~21頁])もある。 しかしながら,Y2は,本件メール⑻において,Kに対してはY2が自ら対応するとし,Xは自己の実験が進捗しておらず,それに注力してほしいと回答している。これは,前記エ(本件メール⑷)と同様,先輩の大学院生が後輩の大学院生 に対する指導を行うべきかについては,専ら指導教員の教育的な見地からの裁量に属するといえ,Y2が上記回答をしたことが不適切であるとはいえない。 また,Xは,本件グループでの実験の再現率が極めて低いという問題に対処しなかったと指摘するが,本件メール⑻は,飽くまでKの実験で生じた問題を指摘するにとどまり,本件グループ全体の実験研究の在り方についての問題提起がされたも のとまでは読み取れないし,,Xに具体的な不利益が生じたとも認められない。 したがって,本件メール⑻に係るY2の対応が不適切な内容であるとは認められず,Xに具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められないから,Y2の対応が違法であるとは認められない。 ケ本件メール⑽(平成27年10月25日)についてXは,本件メール⑽について,①博士論文で取り上げることを想定した仮説に沿わない実験結果が出たことから,Y2に対し指示を仰いだが,論文を探索するよう求めるのみで具体的な指示をしなかった,②RT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞って進むという手法について疑問があり,両者の結果が一致 しないことを報告したが明確な対応をせず,代替となる実験についても指導を怠り, Xが研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等(甲78,X本人[2~4頁,21~22頁])もある。 しかし,本件メール⑽は,Xの実験研究に関する り, Xが研究を行う権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX本人供述等(甲78,X本人[2~4頁,21~22頁])もある。 しかし,本件メール⑽は,Xの実験研究に関する具体的な質問であり,メールで直ちに回答することは困難な内容であったと認められる。また,本件メール⑽の質問内容は,Xの博士論文の作成に直結する内容であり(乙2,弁論の全趣旨), 仮に想定した仮説に沿わない実験結果が生じたのであれば,Xが自ら関連論文を探索したり,実験の条件を見直したりし,更には実験結果を踏まえて別の仮説を検討する等の代替的な研究を主体的に進めることが求められるといえる。Y2から具体的な指示がなかったとするXの主張は,博士課程の大学院生の研究姿勢として相当でなく,Y2から具体的な指示がなかったとしても,Y2の対応が指導教員の指導 の在り方として著しく不適切であるとは認め難い(Y2が,X自身で検討すべきことであると考えたのであれば,単に具体的な指示をしないのではなく,自ら検討するように指導するのが適切であったとは言い得る。)。 Xは,RT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞って進むという手法について疑問があり,両者の結果が一致しないことを報告したとする。しかし, 本件メール⑽の文面からは,両者の結果が一致しないことが報告されるにとどまり,上記疑問が明確に提起されているとは読み取れない。また,前記キ(本件メール⑺)で説示したとおり,Y2は,専ら費用対効果の観点から,RT-PCR の結果に基づいてreal-timePCR の候補を絞るという方法を採るべきであると考えており(なお,Y2は,本件メール⑽でも予算不足について言及している〔甲18の 2〕。),いくらXが両者の結果が異なると指摘 al-timePCR の候補を絞るという方法を採るべきであると考えており(なお,Y2は,本件メール⑽でも予算不足について言及している〔甲18の 2〕。),いくらXが両者の結果が異なると指摘しても,議論がかみ合わない状況に陥っているのであって,これ以上Y2がXの質問に対応すべき義務があったとも認められない。 したがって,本件メール⑽に係るY2の対応が著しく不適切な内容であったとは認められず,違法であるとは認められない。 コ本件メール⑾(平成27年11月9日及び同月10日)について Xは,本件メール⑾について,Y2から指示を受けたH358 の細胞株の二重染色について,改めてその実施の要否及びその方法を質問したが,data の総量によると回答し,その要否及び方法について曖昧な回答をし,Xの研究を滞らせ,Xが良好な環境で研究する権利を侵害したもので,違法であると主張し,これに沿うX供述等(甲78,X本人[21~22頁])もある。 しかし,XがY2から曖昧な指示をされたのであれば,Y2に対して再度確認をすれば足りるものである。また,Xは,本件メール⑾中のY2の返信に記載されたαカテニン及びE-cadherin に関して,平成27年12月10日付けで作成した「すべきことリスト」との資料中に,「前回カンファにてα-catenin とE-cad で二重染色し評価を,との方針」とした上で,その実験結果を記載しており(乙1 4),本件メール⑾がされた後に,XとY2との間で二重染色に関してやり取りがされ,その後実験が進められたと認められ,Y2が曖昧なメールを送信したまま放置し,これによりXの実験研究が遅滞したとも認められず,Xに何らかの現実的な不利益が生じたとも認められない。 したがって,本件 後実験が進められたと認められ,Y2が曖昧なメールを送信したまま放置し,これによりXの実験研究が遅滞したとも認められず,Xに何らかの現実的な不利益が生じたとも認められない。 したがって,本件メール⑾に係るY2の返信は,その後の指導も含めてみれ ば不適切な内容の指導であったとは認められず,Xの実験研究の遅滞など,Xに現実的な権利利益の侵害が生じたとも認められないのであって,Y2の対応は,違法であるとは認められない。 サ本件メール⑿(平成28年7月25日及び同月26日)についてXは,本件メール⑿について,Y2から作成を指示されたMaterialand method(実験材料および方法について記載したもの)についての質問をしたが,Y2は,本件大学院発表で行った部分をコアにするように述べるのみで,具体的な回答をせず,博士論文の作成が困難にしたのであって,Xが良好な環境で研究を行う権利を侵害するもので,違法であると主張し,これに沿うX供述等(甲78,X本人[4~6頁])もある。 しかしながら,前記ケ(本件メール⑽)で説示したとおり,博士論文を作成 するのは大学院生ないし客員研究員であったXである以上,仮に想定した仮説に沿わない実験結果が生じたのであれば,Xにおいて自ら代替的な研究ないし実験を主体的に進めることが求められるといえる。 これに対し,Xは,本件グループではY2により仮説の設定及び実験方法の選択等がされていたと主張するが,このような事情を認めるに足りる的確な証拠はなく, また,本件メール⑿の質問内容は,博士論文の構成ないし記述方法に直結するものと認められ,本来はXが自ら検討すべき事項であるといえ,これについてY2が回答しなかったとしても,著しく不適切であったとまでは認め難い(指 ル⑿の質問内容は,博士論文の構成ないし記述方法に直結するものと認められ,本来はXが自ら検討すべき事項であるといえ,これについてY2が回答しなかったとしても,著しく不適切であったとまでは認め難い(指導としての当で説示したのと同様の指摘がし得る。)。 さらに,Y2は,本件メール⑿の後も,博士論文の作成に関して継続的にメール を送信し,論文作成の進捗に応じて本件研究科を訪れるよう促しているところである(甲21の5,同7,同8及び同10)。 したがって,本件メール⑿に係るY2の対応は,その後も対応も含めてみれば,指導教員の指導の在り方として著しく不適切な内容であるとは認められず,違法であるとは認められない。 シまとめ以上のとおり,XとY2との本件各メールを通じたやり取りは,その一部にXに不快感を抱かせるような適切さを欠く措辞もあるが,専らY2のXに対する悪感情等に基づくものとはいえず,その内容も,最適な指導方法であったかは兎も角として,指導教員として教育上許容される範囲内のものであり,その後の直接の指導等 も含めて,著しく不適切な内容であったとまでは認められない。Xは,Y2により良好な研究環境で研究を行う権利を侵害されたと主張するが,その主張する権利自体,そもそも明確な根拠に基づく権利であるとは認められない上,本件各メールのやり取りによって,Xに具体的な権利利益の侵害が生じたとも認められない。なお,本件各メールの中には,Xが本件グループでの研究に不正があることを指摘する部 分もあるが,それらが明らかな研究不正であるは認め難い上,Xに対する権利利益 の侵害に直ちに結びつくものでもない。 Xは,Y2がXを含む大学院生に対し,講師と大学院生という上下関係の下で,日常的に威圧的な言動をとっていた等 あるは認め難い上,Xに対する権利利益 の侵害に直ちに結びつくものでもない。 Xは,Y2がXを含む大学院生に対し,講師と大学院生という上下関係の下で,日常的に威圧的な言動をとっていた等と主張するが,本件全証拠によっても,そのような事実を認めるに足りず,また,Xとの関係でみれば,本件各メールの文面に照らしても,XがY2の言動に苦痛を感じていた等の事情は窺われないのであって, 本件各メールを通じたやり取り全体を通じてみても,これらのメールに係るY2の対応が,指導教員による研究指導として合理的な範囲を超えて,社会的相当性を欠くとは認められず,Xに対する違法行為に該当するとは認められない。 ⑵ カンファレンスへの出席の強要についてア Y2は,客員研究員がカンファレンスに出席することはなく,また,Xが満 期退学後にCに勤務しており,平日のカンファレンスへの出席が難しいと何度も伝えられたにもかかわらず,Xに対し,毎週木曜日のカンファレンスに出席するように強く求め,更には勤務状況を確認する等としてCを訪問するなど不適切な言動をし,これによりXに強いストレスを与えたもので,違法であると主張し,これに沿うX供述等(甲78,X本人[22~23頁])もある。 イ証拠(甲21の各枝番)によれば,平成28年11月以降,XがY2に対して博士論文の作成に関する指導をメールで求めたところ,Y2がXに対し複数回にわたり,メールでの回答内容が不明であれば大学に来て相談するのが良い,他のメンバーも毎週木曜日に集まってカンファレンスを行っていると返信したこと,XがY2に対してCの勤務があることから平日のカンファレンスに出席することが難し いと伝えたのに対して,Y2は,毎週来ることが難しければ解決すべきことのある時に参加するのでも良 返信したこと,XがY2に対してCの勤務があることから平日のカンファレンスに出席することが難し いと伝えたのに対して,Y2は,毎週来ることが難しければ解決すべきことのある時に参加するのでも良いと返信したこと,Y2がXに対し博士論文の作成のための準備事項を指摘したり,参考資料を添付したものもあること等が認められる。 上記証拠に係るメールのやり取りからすれば,Y2が,Xが本件研究科に来訪しなければ指導を一切行わないという姿勢を示していたわけでもなく,論文の進捗に 応じて来訪すればよいとも伝えていたのであるから,毎週のカンファレンスへの参 加を強要していたとは認められない。また,Xが作成を予定していた博士論文は,実験結果を踏まえた議論が必要であると解され,およそ本件研究科に来訪せずに作成を進めることは困難であると認められ,Y2がXに対して,病院での勤務日程を調整した上で,カンファレンスへの出席を求めることがおよそ不適切であるとは認められない。 ウまた,Y2がCを訪問したことについても,本件研究科呼吸器内科の医局長として関連病院の医師の執務状況等を確認しており,Cにもその一環として訪問したものと認められる(Y2本人[48~50頁])。Y2がCを訪問した理由としては,Xが上記カンファレンスに出席可能かどうか確認することもあったと認められるが(乙21の11),本件グループを統括する者として,客員研究員であるXの 執務状況を確認し,研究と病院勤務の両立が可能かどうか確認することを殊更問題視すべきものとは認められず,これによってXに具体的な不利益が生じたとも認められない。 エしたがって,Y2がXに対し,カンファレンスの出席を求め,また,Cを訪問して勤務状況を確認したことが,指導教員による研究指導として合理的な範 よってXに具体的な不利益が生じたとも認められない。 エしたがって,Y2がXに対し,カンファレンスの出席を求め,また,Cを訪問して勤務状況を確認したことが,指導教員による研究指導として合理的な範囲を 超えて,社会的相当性を欠くとは認められず,違法であるとは認められない。 ⑶ 本件論文の共著者からの除外についてア Xは,本件論文の発表に当たり,草稿段階ではXを共著者に加えていたが,Y2が,正式な発表に係る最終稿では共著者からXを除外したことについて,Xに対する嫌がらせの意図でされたものとして,違法であると主張する。 イ本件論文の共著者としては,草稿段階ではXを含む11名とされていたが,最終稿では,責任著者であるY2の判断により草稿段階の共著者からXのみが除外され,新たに本件グループの2名が共著者に追加されており,本件グループのメンバーはXを除き全員が共著者となったことが認められる。 Y2は,上記共著者の変更について,草稿段階ではXの提供する実験データが使 用されていたが,その後に査読者から指摘を受けて,大きな改変及び追加の実験が 必要となり,他の大学院生の協力の下で作成し直したものであり,オーサーシップに関する考え方に基づいて,Xは共著者から外れるという判断をしたと主張し,その旨の供述等をしている(乙20,Y2本人[20~22頁,50~51頁])。 Y2が主張するオーサーシップに関しては,医学雑誌編集者国際委員会の作成したガイドライン(以下「本件ガイドライン」という。)によれば,生物医学雑誌へ の投稿論文に著者として氏名が掲載されるには,①研究の構想・立案,データの収集,あるいはデータの解析及び解析結果の解釈のいずれかに実質的に貢献していること,②論文の原稿を書くか,その論文の内容にかかわる極め 文に著者として氏名が掲載されるには,①研究の構想・立案,データの収集,あるいはデータの解析及び解析結果の解釈のいずれかに実質的に貢献していること,②論文の原稿を書くか,その論文の内容にかかわる極めて重要な構成・改訂作業に関わっていること,③掲載される最終版の原稿の中身を理解し,承認していること,④論文のあらゆる側面について,論文の正確性・真正性に疑義が寄せられ たときに適切に説明することができることの4つの条件をすべて満たすことが必要とされている(乙10)。Y2も,本件ガイドラインを参照して本件論文の共著者を決定したとしていることから,Xを共著者から外したのは,草稿段階からの改変の結果,データの収集等に実質的に貢献しているとは認められなくなったと判断したものと解される。確かに,本件論文が発表された平成28年4月頃は,Xが本件 研究科の博士課程を満期退学した時期で,Xは本件論文の改変作業等には加わっていなかったと認められる(弁論の全趣旨)。しかし,改変作業等にXを除く他の共著者全員が関与していたとは考え難い。また,本件論文の最終稿においても,Xが実験したデータが相当数使用されている(甲67,弁論の全趣旨)。これらの点からすると,本件ガイドラインに従えば,最終稿においてもXを共著者とするのが相 当であり,Y2の上記判断は相当性に欠けるものである(ただし,Xが主張するように,Y2が,Xに対する嫌がらせ目的で共著者から除外したとまで認めるに足りる証拠はない。)。 加えて,研究者にとって,論文の共著者に名を連ねることは,自らの研究実績を示すものとして重要な事柄であり,責任著者の判断で,草稿段階で共著者となって いた者を最終稿で共著者から外すのであれば,責任著者は,該当者に対し,その事 情を説明することが必要で を示すものとして重要な事柄であり,責任著者の判断で,草稿段階で共著者となって いた者を最終稿で共著者から外すのであれば,責任著者は,該当者に対し,その事 情を説明することが必要であると解されるところ,Y2は,Xの指導教員でありながら,Xに対して何らの説明をすることなく,最終稿においてXを共著者から除外した(甲36,弁論の全趣旨)。 ウ上記検討からすれば,Y2は,相当な理由がなくXを共著者から除外し,かつ,共著者から除外する理由をXに対して説明することなく,自己の一方的な判断でX を共著者から除外しており,Xが実験を行い,本件論文の作成に関与,貢献したことを正当に評価されることを妨害したと評価される。Y2は,共著者からの除外をXに対する嫌がらせ目的で行ったとまで認められないものの,自己がXの指導教員として優位的な立場にあることから,Xの立場に配慮をすることなく,研究者として重要な共著者として名を連ねる機会を一方的に奪ったと言わざるを得ず,指導と しての合理的な範囲を超えて,社会的相当性を逸脱した違法行為に該当する。 ⑷ カンファレンスの開催連絡からの除外についてア Xは,Y2が,Xに対する嫌がらせの意図に基づき,平成27年7月頃からXに対するカンファレンスの開催日程の連絡をしないようになったとし,これが違法であると主張し,これに沿うX供述等(甲78,X本人[23~24頁])もあ る。 イ確かに,証拠(甲24)によれば,平成27年7月2日にY2が本件グループの構成員に宛てた,I論文の作成に関して協力を求めるメールの宛先に,Xが含まれていなかったことが認められる。 しかし,Y2は,意図的に宛先から外したことを否定しているところ(乙20), Xから書証として提出された,Xを宛先としないY2のメ るメールの宛先に,Xが含まれていなかったことが認められる。 しかし,Y2は,意図的に宛先から外したことを否定しているところ(乙20), Xから書証として提出された,Xを宛先としないY2のメールは,上記1通のみであり,Y2が繰り返しXを宛先から除外していたことを認めるに足りる客観的な証拠はなく,むしろ,その後,Y2からは,Xも宛先に含めた本件グループの構成員宛てのメールが送信されている(乙17)。 ウしたがって,Xの指摘するメール(甲24)は,誤ってXが宛先から漏れた にすぎないと認められ,このことがY2のXに対する違法行為であると評価するこ とはできないというべきである。 ⑸ 推薦状の作成の拒否についてア Xは,D教授の推薦状とは別に,Y2に対しても,Oに対する推薦状の作成が必要であり,その作成を求めたにもかかわらず,Y2がはぐらかして作成しなかったことが違法であると主張する。 イ確かに,証拠(甲64,乙6,7)によれば,Xは,Oから,D教授による採用申請書の推薦者欄への記入を求められるとともに,Y2による任意の形式での推薦状の提出を求められたことが認められる。 この点,Xは,Y2に対し,メール及び口頭で,D教授とは別にY2の推薦状が必要とされており,その作成を依頼したと供述するが(X本人[8~9頁]),他方 で,Y2は,推薦状を作成するのは指導教員であるD教授であるとして,これを断ったと供述しており(甲65,Y2本人[22~23頁,53~55頁]),他に,XからY2に対し,D教授の推薦とは別にY2の推薦状が必要であると伝えられたことを認めるに足りる的確な証拠はない。Xは,D教授からはOへの就職の了解を得ていたのであるから(甲63),仮に,Y2が推薦状の作成を渋ったのであれば, D 2の推薦状が必要であると伝えられたことを認めるに足りる的確な証拠はない。Xは,D教授からはOへの就職の了解を得ていたのであるから(甲63),仮に,Y2が推薦状の作成を渋ったのであれば, D教授にその旨相談してしかるべきであるが,その相談がされたとも窺われないのであって,Xの供述する推薦状作成依頼の経緯は,不自然な点が残るといわざるを得ない。 また,Xは,Yらの主張は変遷しており,信用性に欠けるとも主張する。確かに,Yらは,当初,D教授が推薦状を作成できないと判断したと事実経過と異なる主張 をし,その後,その主張を変更している。しかし,推薦状の作成についての判断は,D教授がするものであるから,Y2はXの依頼には応じなかった旨の主張は一貫しており,上記主張の変遷があることから,Y2が指導教員2名の推薦状が必要であることは聴いていない旨の供述等が虚偽であると評価できるものではない。 ウしたがって,XからY2に対し,D教授の推薦とは別にY2の推薦状が必要 であると明確に伝えられたとは認められず,Y2としては,推薦状を作成すべき立 場にはないとして,これを断ったにすぎないと認められ,このようなY2の対応が違法であるとは認められない。 ⑹ 実験結果と異なる論文の作成の強要についてア Xは,Y2から,本件大学院発表において,実際の実験結果とは異なり,「細胞上皮におけるαカテニンの発現量の低下はインターロイキン8の産生亢進を 誘導し,組織炎症の蔓延に関与することが示唆された」とする結論の発表を強要され,満期退学後も,Materialandmethod の作成を求めたり,博士論文のサンプルを送付したりすることを通じて,実験結果と異なる博士論文の作成を強要されたものであり,これは不公正な研究を強要し,Xの良好な aterialandmethod の作成を求めたり,博士論文のサンプルを送付したりすることを通じて,実験結果と異なる博士論文の作成を強要されたものであり,これは不公正な研究を強要し,Xの良好な環境で研究する権利を侵害するものとして違法であると主張し,これに沿うX供述等(甲78,X本人[4~ 6頁])もある。 イ確かに,証拠(甲18の1,53,78)によれば,Xは,当初の実験では,上記アの結論に沿う実験結果が得られており,平成27年9月に提出した本件大学院発表の抄録には,その旨を記載したが,その後の実験では有意差が生じていないと判断したことが認められる。 しかし他方で,Xは,αカテニンの発現量の低下とインターロイキン8以外の物質との関連性も探索しており(甲18の1,55),このような実験の進展経過からすれば,Y2から,インターロイキン8の産生亢進に限って研究を進めるよう指示されていたとは認められないし,本件大学院発表において,Y2から上記結論を発表するよう強制されたことを示す的確な証拠もない。 また,満期退学後にY2がXに対してMaterialandmethod の作成を求めることが,直ちに大学院発表と同じくインターロイキン8の産生亢進が生じたとの結論を強要するものではないし,Y2がXに博士論文のサンプルを送付したことも,その送付メールの文面(甲27ないし29)に照らして,本件大学院発表のデータが正しく提示されたものと仮定して,飽くまで参考として送付されたにすぎないと解 される。むしろ,Y2は,平成28年7月26日に,インターロイキン8の発現増 加の再現性が低いが,3回の実験で増加が認められれば良いかとのXの質問に対し,仮説が実証できたかどうかであり,できていないならば利用できないデータ 7月26日に,インターロイキン8の発現増 加の再現性が低いが,3回の実験で増加が認められれば良いかとのXの質問に対し,仮説が実証できたかどうかであり,できていないならば利用できないデータであるとも指摘していて(甲20の4),Xに対して上記結論を強要していたとも認められない。 ウしたがって,Y2がXに対し,実験結果と異なる博士論文の作成を強要した とは認められず,Xの主張は,その前提を欠くものとして,理由がないというべきである。 上記検討したように,Xが違法であると主張するY2の各言動のうち,本件論文の共著者からXを除外したことは違法であると認められるが,その余の言動についてはいずれも違法であるとは認められない。 について国立大学法人は,国立大学法人法によって,大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに,我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るために設置されている法人であり(同法1条),資本金は政府から出資があったものとされた金額とされており(同法7条),その役員職員は、職務上知るこ とのできた秘密を漏らしてはならない義務を負い(同法18条),刑法その他の罰則の適用については,法令により公務に従事する職員とみなされ(同法19条),その業務に関して国から一定の関与を受けるものとされていること(同法22条)等からすれば,国立大学法人は国家賠償法1条1項の「公共団体」に該当し,同法人の教職員は同項の「公務員」に該当する。 そして,Y2が,本件論文の共著者からXを除外した行為は,本件グループの指導教員としてのY2の判断として行われたものであるから,公務員としての職務として行われたものであり,Y1は,同行為によってXが被った損害について,国家賠償法1条1項 除外した行為は,本件グループの指導教員としてのY2の判断として行われたものであるから,公務員としての職務として行われたものであり,Y1は,同行為によってXが被った損害について,国家賠償法1条1項に基づき賠償責任を負う。 なお,Y1が国家賠償法1条1項に基づき賠償責任を負う以上,争点⑷について は,判断を要しない。 Y2の個人責任の存否)について国家賠償法1条1項は,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には,国又は公共団体がその被害者に対して賠償の責めに任ずることとし,公務員個人は被害者に対する民事上の損害賠償責任を負わないとしたものと解される。 したがって,Y1が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う本件においては,Y2本人は損害賠償責任を負わないと解するのが相当である。 Xが本件論文の共著者から除外されたことによって精神的苦痛を受けたことが認められる。本件において認められる事情を総合評価すれば,上記苦痛を慰謝す るためには10万円を要すると認めるのが相当である。 Xは,学費相当額及び再現実験費用を損害として主張しているが,本件論文の共著者から除外されたことによって発生した損害とは認められない。 Xは,本件訴訟について,弁護士に訴訟委任をしており(顕著な事実),上記認定の不法行為と相当因果関係がある弁護士費用は1万円であると認められる。 第4 結論以上の次第で,Xの請求は,Y1に対し,11万円及びこれに対する不法行為後である平成30年4月1日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める範囲で理由がある 求は,Y1に対し,11万円及びこれに対する不法行為後である平成30年4月1日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める範囲で理由があるからその限度で認容し,その余の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却するこ ととし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官唐木浩之 裁判官片山健 裁判官髙橋祐二 (別表)番号1(甲8の各枝番)Xの送信Y2の返信平成26 年11 月30 日(日)午後2 時45 分平成26 年11 月30 日(日)午後3 時17 分Y2 御侍史お世話になっております。 実験のことで,2点ご確認をお願いします。 ⑴mir205 の件Hypoxia とmir205 の関係についての実験ですが,FDr.論文のFig.1E が再現できずストップしております。F先生に再検をお願いしておりましたが,昨日,『その実験は間違いだったから,もう自分は再現実験はしない』,とY2にお伝えするように連絡を頂きました。今後の方針につき,御指示をお願いします。 ⑵migrationassay の件新しくできたH385 pmCherryCTNNA1 のphenotype 評価のためにmigrationassay を行いたいのですが,培養期間6~7 日は問題ないでしょうか。どのプロトコールをみても,4~24h で回収となっているのですが。24h 培養では細胞数が少ないようですので,特に問題なければ,この方法で評価しま すが,培養期間6~7 日は問題ないでしょうか。どのプロトコールをみても,4~24h で回収となっているのですが。24h 培養では細胞数が少ないようですので,特に問題なければ,この方法で評価します。 XXOK両方の実験は先生はしなくて良いです。 あと1 年数か月で,先生に伝えた実験をしてください。 マウスの実験です。H1299 alphacatenin の実験と思います。 H385 alpha-catenin の仕事は僕が先生が学位論文で必要な実験ではありません。 僕は実験の流れを大事にしています。 何が,学位論文の構成になるかを正しく伝えているつもりです。 Y2 番号2(甲11の各枝番)Xの送信Y2の返信平成26 年12 月15 日(月)午前1時35 分平成26 年12 月15 日(月)午前11 時26 分Y2 御侍史お世話になっております。 大変申し訳ありませんが,今後の方針につき,もう少し具体的に指示をして頂ければ助かります。一応,小生も先生の方針に基づき自分で考え実験するように心掛けておりますが,毎回先生の意図するところとは違っているようですし,ご指摘のように予算や時間の問題もありますので,教育的配慮もあろうかと存じますが今後はそちらの方が良いかと思います,そうさせて下さい。 ①H1299 pmCherryCTNNA1 のphenotype 評価はどのようにすればよいでしょうか。“あるもので,まずアッセイ系を”とは何のことでしょうか。先週のカンファでは,WST-1 とmigrationassay でcancerphenotype を評価しようとしたら,PNAS とSciencesignal の論文に沿ってmitosis と炎症応答のassay を,と言われました。当 ionassay でcancerphenotype を評価しようとしたら,PNAS とSciencesignal の論文に沿ってmitosis と炎症応答のassay を,と言われました。当実験室にあるassay 系とはRT-PCR のことですか,FACS でcell cycleanalysis ですか,Liveimagingですか?ちょっとこれ以上は見当がつきませんので,具体的な指示をお願いします。今後の実験には当面不要とのことであれば,先生の仰るように細胞の維持費の問題もありますので,破棄しても全く構いません。 ②ヒト肺検体の免疫染色は,どのように進めればよいでしょうか。肺組織を二重染色して,肺胞上皮のα-cateninのintensity を測ればよいですか?画像処理ソフトはどれを使えばよいですか?検量線作成のための生検体はどうすればよいですか,正常肺組織はどこで入手できま月曜日午前中は代務は無かったと思いますが,朝から見かけていません。 顔を出すように。 Y2 すか?Intensity ではなく,肺胞上皮におけるα-cateninの細胞内局在をみればよいのでしょうか。こちらについても不明な点が多いので,具体的な指示を頂ければ大変助かります。 X 番号3(甲12の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27年3月31日(火)午前10時36分平成27 年3 月31 日(火)午前10 時54 分Y2 御侍史お世話になっております。 昨日のdiscussion のまとめをお送りします。 【4 月から新たに追加する実験】① マウスBLM 刺激は,D0,D7,D14,D21 でCT・HE・WB・免疫染色を評価(目算では,nomal6 匹+BLM6 匹×4 ポイントで48 匹必要)。 月から新たに追加する実験】① マウスBLM 刺激は,D0,D7,D14,D21 でCT・HE・WB・免疫染色を評価(目算では,nomal6 匹+BLM6 匹×4 ポイントで48 匹必要)。 ② MLE-12,RLE‐6TN(H358 も?)はTGF-b に加え,TNF-α,IFN‐γ刺激も追加(orIL-1,IL-6?)。 ③ ヒト肺検体はBZ-9000 からconfocal に変更し,× 100 と×400 でHE と免疫染色。炎症巣内の細気管支の細胞内のintensity をAUC で評価,これを各5 視野ずつ。 ④ MS-1 は不要ご確認宜しくお願い申し上げます。 XSiRNA の実験が一番大事で,H358 でやるのがよいと思います。 BZ-9000 からconfocal に変更が良く分からないけど,I先生が出したdata のこのサイズでの解析が,細胞個々のdata では適切だと思います。 線維化全体でのintensity の減弱に関するのコメントがないが,それも継続して行う。 Y2 番号4(甲13の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27 年4 月7 日(火)午前6 時08 分平成27 年4 月7 日(火)午前6 時58 分Y2 御侍史お世話になっております。 L先生の指導をさせて頂いているなかで,以前のK先生のPTEN4A の研究進捗と,L先生のものを見直していて,少し気になったので質問させて下さい。 少し前になりますが,K先生の2 月25 日の進捗スライドの“H358pTRE-GFPPTEN4A④g”に関する部分(添付ファイル1 枚目)と,L先生の2 月4 日(添付ファイル2 枚目)・2 月18 日(添付ファイル3 枚目)のデータについて, 1 L先生の2 月4 日のデータ TEN4A④g”に関する部分(添付ファイル1 枚目)と,L先生の2 月4 日(添付ファイル2 枚目)・2 月18 日(添付ファイル3 枚目)のデータについて, 1 L先生の2 月4 日のデータ(添付ファイル2 枚目)をみると,TGFbon 後48h の回収ではEMT はわずかに起こっているかどうかといった状態であったと思います(本来であればEMT が起こっているど真ん中で評価すべきものと思いますが・・・。)。もし,このL先生のデータが本当ならば,K先生の2 月25 日のデータについて,4 レーン目はEMT をrescue しているのではなく,EMT がまだ十分に起こっていないだけ,ととることも可能ではないでしょうか。 ⇒ これを否定するためには,H358GFPonly をコントロールに置いて,Doxon 下のTGF-bon 48h の時点で,GFPonly の4 レーン目でEMTがきっちり起こっていることを示す必要があると思います。 質問が多すぎてよく吟味できませんが,この点は,I先生,J先生のrevision が来た際に検討します。 私も回答に加わります。 先生は先生がすべきことに注力してもらって結構です。 その中で,テクニカルなこと,BLM 投与,免疫染色,きりだし,CT 撮影,などを3 人に教えてあげてください。 Xは私に見せてくれたdata を論文に出せるようにrepetitive にdata を準備して,統計学処理ができるように完成させてください。 Y2 2 L先生の2 月18 日のデータ(添付ファイル3 枚目)をよくよくみると,GFPonly 及びGFPPTEN4A それぞれの 2 レーン目と4 レーン目でFibronectin の減少とEcad の増加を認めており(←このような 添付ファイル3 枚目)をよくよくみると,GFPonly 及びGFPPTEN4A それぞれの 2 レーン目と4 レーン目でFibronectin の減少とEcad の増加を認めており(←このような現象はこの回だけでなく,他の先生のdata でもみられる),この結果だけをみるとDoxon+GFP 結合蛋白の産生だけでEMTrescue”様“の反応が起こりうるとも解釈できます。このように考えると,K先生の2 月25 日のデータの4 レーン目についても,このDoxon による効果をみているだけの可能性はないでしょうか。 ⇒ これを否定するためにも,H358 GFPonly をコントロールに置いて,Doxon 下のTGF-bon 48h の時点で,GFPonly の4 レーン目でrescue 効果がないことを示す必要があると思います。 上記から,EMT 反応が必ずしもど真ん中でなくFibronectin バンドの出方も不安定という中で,PTEN4A 4 レーンのみ(tet-onsystem でないベクターであれば実質2 レーンで評価しているのと同様)では正確な評価はできていないのではないかと思うのですが,先生はどのようにお考えでしょうか。GFPPTEN4ADox+/TGFb+の適切なnegativecontrol は,GFPPTEN4ADox-/ TGFb+でなく,GFPonlyDox+/TGFb+ではないでしょうか(細胞内にGFP が大量に存在する状況下においても,PTEN4A がなければ,TGFbon でEMT がその反応・その回収条件下で起こることを示すのが目的)。どうも上記①②が“株探し”にも繋がっているような気がしてなりません。 もう一点,上記とも関連するのですが,tet-onsystem がその反応・その回収条件下で起こることを示すのが目的)。どうも上記①②が“株探し”にも繋がっているような気がしてなりません。 もう一点,上記とも関連するのですが,tet-onsystem は何か経時的反応が起きているところに突然Dox-on で目的のタンパクを強制発現させてその反応系の変化をみるものと思います。現在,TGF-bon とほぼ同時にDox-on(正確にはTGF-bon 24h 前)しておりますが,これではtet-onsystem のメリットを生かせていないように思います。TGF-bon して経時的にEMT 反応が起きているところに,数日経過してからDox-on してEMT 反応がrescue されかどうかというのなら分かります。TGF-bonとほぼ同時にDox-on するのであれば,tet-onsystemでない普通のベクターを用いた方がディッシュの数も半分で済むものと思うのですが・・・。 宜しくお願い申し上げます。 X 番号5(甲14の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27 年4 月24 日(金)午後9 時54 分平成27 年4 月24 日(金)午後10 時05 分Y2 御侍史お世話になっております。 pBSⅡCAG-CAT-GFPPTEN4A と,pAdenoCre は小生が2 年前に作成してHashimotobox にストックしておりますが,今回作成するのはこれとは別のものでしょうか(因みに,そのときは時代遅れだから要らないと言われた気がします)? XXありがとう。月曜日に場所を確認します。 J先生がsequence うまくできなかったところまでしか記憶になし。 繰り返し,実験として行おうとすることなので,時代遅れではないでしょう。 一言多し。 う。月曜日に場所を確認します。 J先生がsequence うまくできなかったところまでしか記憶になし。 繰り返し,実験として行おうとすることなので,時代遅れではないでしょう。 一言多し。 (以下略) 番号6(甲15の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27 年5 月15 日(金)午後0 時43 分平成27 年5 月15 日(金)午後5 時43 分Y2 御侍史お世話になっております。 L先生から顕微鏡設定に関して質問されたときに少し気になったのですが,confocal 顕微鏡撮影時のoffset はどこまで下げても問題ないものなんでしょうか。 現在主に使用しているA1RMP やTiE-A1R-KT5 は,基本的にはoffset は変えなくてよい設定になっているはずで(業者に確認済み),他科のDr.方もoffset=0で使用しておりますが,当グループだけoffset-30~-50で設定しております。Offset を極端にかけると,細胞内の蛍光局在などを正確に評価できないのではないかと思うのですが,いかがでしょうか。 撮影条件に関して統一しておいた方がよいと思いますので,先生の方針を教えて下さい。 XL先生いまいち,そのセッティングについての利用単語の意味が分かりませんが,Isotype とtrue の光の差を検出できるようにしてくれるように指示した意図はわかってもらったと思います。 (中略)Offset の数値は推測するに,amp の役割と同じなので,同じ条件でさえ取ればよいと思います。 実験室の蛍光顕微鏡で,10msec でとるのと1sec でとるのとの違いと推察します。 1sec でとっても,違いがあるならば,それは検出できます。 FACS で増幅するのと いと思います。 実験室の蛍光顕微鏡で,10msec でとるのと1sec でとるのとの違いと推察します。 1sec でとっても,違いがあるならば,それは検出できます。 FACS で増幅するのと同じです。 (中略)Y2 番号7(甲16の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27 年9 月17 日(木)午後8 時48 分平成27 年9 月18 日(金)午前7 時03 分Y2 御侍史お世話になっております。 実験のことで少し確認させて下さい。 現在,H358 のnaive とsiCTNNA1 における各種サイトカインに対する(IL-6,IL-8,IL-1b など)のRT-PCR の結果から,“H358 のα-catenin のknockout でIL-8 発現が亢進する”との作業仮説を立てIL-8 のreal-timePCR を行っております。 これについて一応確認なんですが,『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』という流れは,一般的なものでしょうか。 というのも,H358 のnaive とsiCTNNA1 のα-cateninRNA の発現をみても,real-timePCR では発現の差は顕著ですが,RT-PCRの電気泳動のバンド(ベストなcycle 数でも)肉眼ではほとんど差が分からないぐらいです。また,H358のTGF-b刺激でも,WB上はα-catenin 発現が著明に抑制されますが,RT-PCR の電気泳動のバンドではほとんどバンドに差がみられません。 このことから,RNA 発現レベルで顕著な差があってもRT-PCR ではバンドの差として確認できない可能性や,逆に,RT-PCR でバンドの差があってもRNA の発現量以外のものをみている可能性がな のことから,RNA 発現レベルで顕著な差があってもRT-PCR ではバンドの差として確認できない可能性や,逆に,RT-PCR でバンドの差があってもRNA の発現量以外のものをみている可能性がないかと懸念しているのですが,どうでしょうか。 X現在,H358 のnaive とsiCTNNA1 における各種サイトカインに対する(IL-6,IL-8,IL-1b など)のRT-PCR の結果から,“H358 のα-catenin のknockout でIL-8 発現が亢進する”との作業仮説を立てIL-8 のreal-timePCR を行っております。 これについて一応確認なんですが,『RT-PCR の結果に基づいて,Real-timePCR の候補を絞って進む』という流れは,一般的なものでしょうか。 今の先生になら確認するべきものではないが,原理は同じものです。 プライマー設定がbest でないとサイクル数ごとに2 倍にならないことも知っているでしょう。 蛋白,real-timePCR が同じ結果を生んで,RT-PCR が出ないならRT-PCR のプライマー設定がうまく無いことになります。 当然感度はreal-timePCR の方がよいでしょう。 一方,プライマー設定がいつもメーカーがよいとは限りません。 Positive なdata がでているならば,negative なdata の方が理想的に2 倍ずつ増幅していないことが推察されます。 他のmixture の配合も影響するかもしれません。 Step を踏んで結果が出てきたものが次に進んで出ない場合はそこの設定の(メーカーも含めて)どこかに問題があると推察します。 『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』当たり前 てきたものが次に進んで出ない場合はそこの設定の(メーカーも含めて)どこかに問題があると推察します。 『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』当たり前のことだと思います。最適化したprimer デザインで結果を求めたら,同じ結果になるでしょう。 PCR の原理から。あとはコストが約10 倍違うことを考え れば,あと10 年実験していても同じように学生さんには求めるでしょう。 (中略)Y2平成27 年9 月28 日(月)午後2 時44 分平成27 年9 月28 日(月)午後3 時27 分Y2 御侍史お世話になっております。 先週のメールの確認ですが,『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』当たり前のことだと思います。最適化したprimer デザインで結果を求めたら,同じ結果になるでしょう。 PCR の原理から。あとはコストが約10 倍違うことを考えれば,あと10 年実験していても同じように学生さんには求めるでしょう。 ⇒確認ですが,これは一般的に行われているstrategy なんですよね。周囲の人に聞いてもあまりそのようなことはやっていないようなんですが・・・Y2のオリジナルですか? RT-PCR のプライマーデザインは問題なく,これを用いたRT-PCR ではきちんとIL-8 増加の再現性も得られているので,real-timePCR のIL8 の再現性が悪い原因としては,real-timePCR のプライマーデザインの問題や(←こちらの設計はいまいち),siRNAのtoxicity の可能性が高くなります。もし,『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』という方法が インの問題や(←こちらの設計はいまいち),siRNAのtoxicity の可能性が高くなります。もし,『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞って進む』という方法が一般的でないなら,そこの段階から疑わないといけなくなります。 ついでにK先生が苦労されているmigrationassay についても,“6 日間”培養というのがどうしても腑に落ちないのですが(実験原理的にも,上層に細胞の死骸が大量に浮遊しているとう現象からも←これはL先生も確認,WST-1assay の結果との整合性からも,そして再現性のなさからも),これもうちのチームのオリジナルな方法ですか??これも,他の研究室の方に聞くといつもびっくりされる方法です。よくわからない実験を組んで,再現性がないからと同じ実験を繰り返しても,それこそ先生の仰る“時間とお金のwaste”だと思うのですが・・・。 Xメールの何を確認するのですか。 Y2平成27 年9 月28 日(月)午後3 時59 分平成27 年9 月29 日(火)午後4 時05 分Y2 御侍史ご連絡ありがとうございます。 文面が冗長で大変恐縮です。 確認させていただきたいのは下記2 点です。 ①『RT-PCR の結果に基づいて,real-timePCR の候補を絞る』という方法が一般的に行われているものかどうか。 ②migrationassay6 日間培養という方法が一般的に行われているものかどうか。 申し訳ありませんが,宜しくお願いします。 小生が調べた範囲・聞いた範囲では通常の方法ではないような気がしましたが,一般的でないものならその妥当性から再評価いなければいけないので,宜しくお願いします。K先生も同様です。時間と費用の面からも重要です。 X た範囲では通常の方法ではないような気がしましたが,一般的でないものならその妥当性から再評価いなければいけないので,宜しくお願いします。K先生も同様です。時間と費用の面からも重要です。 X木曜日の進捗会で話しましょうか?その前に先生の実験に具体的に必要なことがあれば教えてください。 番号8(甲17の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27年9月18日(金)午前7時35分(返信なし)Y2 御侍史ご返信ありがとうございます。 ついでに実験のことでもう一点質問させて下さい。 K先生のGFP-PTENG4△tail のネガコンの置き方について,どうしても気になるのですが。 先週の進捗状況のスライドにもあるように,現在,この系の評価はDox-/+のNormoxia/Hypoxia で,計4 レーンで評価しております。この件に関して,このときのネガコンは,使用しているベクターのtet-onsystem がDoxonでのみwork することと,それがHypoxia 下でもwork することを確認するためのネガコンであると思います。しかし,もともとTet-onsystem はそういうベクターとして開発されているものですから,当然のことを念のため確認しているにすぎず,毎回確認する必要はないと思います。 一方で,GFP-PTENG4△tail がAkt のリン酸化に“特異的に”影響しているかどうかを評価するには,他の強制発現ベクターやsiRNA の実験系と同様,H358naive/GFP-only/GFP-PTENG4△tail のNormoxia/Hypoxia のネガコンを毎回置くべきと思うのですが(先程のsiRNA のメールから推測すると,GFP-onlyのみでもよい?),これらのネガコンを PTENG4△tail のNormoxia/Hypoxia のネガコンを毎回置くべきと思うのですが(先程のsiRNA のメールから推測すると,GFP-onlyのみでもよい?),これらのネガコンを置かずに評価しています。 確か,F先生もこのような置き方をされていたので,K先生も慣習的にされているのだと思いますが,いわば,肝心のネガコンを置かずに実験を続けているように見えて違和感があります。僕の考え違いでしょうか? X平成27 年10 月23 日(金)午後4 時44 分平成27 年10 月23 日(金)午後6 時04 分K先生御侍史,Y2 御侍史先日のK先生の進捗状況スライドをみて少し気になったのですが,K先生がここ何週間かやっておられる,H358 G4A△tailなどのpFAK/pAKT 誘導の再現性の低さは,単純な“継代によるphenotype の変化”では説明がつかないレベルだと思います。以前にもPTEN4A で同じようなトラブルがみられたと思います。 あくまで可能性としてですが,GFPonly であれGFPPTEN4A やその他の変異株であれ,GFP 結合蛋白を強制発現したH358 細胞をDox+/TGFb+後2 日間(Hypoxia 刺激でもよし)に回収すると,細胞ストレスの結果として3 割程度の頻度でEMT 抑制様やpFAK/pAKT誘導のバンドが検出されるということはないでしょうか。 即ち,PTEN4A や△tail はこの3 割をみて『EMT 抑制あり,pFAK/pAKT 誘導あり』と判断し,GFPonly やtailonly,△C2,C2 only,その他では残り7 割をみて『EMY抑制なし,pFAK/pAKT 誘導なし』と判断していたということはないですか??3 割より7 割の方 Ponly やtailonly,△C2,C2 only,その他では残り7 割をみて『EMY抑制なし,pFAK/pAKT 誘導なし』と判断していたということはないですか??3 割より7 割の方が再現性が高く,同じバンドが出やすい・出しやすいのは当然です。 I先生もPTEN4A のEMT 抑制の打率はせいぜい4 割程度と仰っていたので,この点からも合致します。小生の経験では,GFPonly のEMT 抑制様のバンドも3 割程度の出現頻度でした(細胞ストレスとの関連を裏付けるように,培養期間を延ばすともっと高率でした)。 Xいろいろ実験について気を使ってくれてありがとう。 K先生が解決すべき話はまた相談しておきます。 Xの進捗があまりにも乏しいのでそこに注力してほしいです。 Xのdata をどのように解釈すればよいかわからずにいます。 また,L先生のPCR もしかりです。 まあ,ここもL先生と相談しながらします。 ありがとうございます。 まず,自分のdataをしっかり出してください。 その解決にたくさんの時間がかかると思います。 Y2 これまでのネガコンのない4 レーンでの評価や,通常の方法から大きく逸脱した免染やmigrationassay の結果からは,上記の可能性は否定できないと思います。 上記はあくまで仮説ですが,これ以外に,現在起こっている事象を一元的に説明できる仮説をちょっと思いつきません。 やみくもに再現実験を繰り返すのはY2の仰る『時間とお金のwaste』で,他の原因を探った方がよいと思うのですが,どうでしょうか。 X 番号9(甲58)Xの送信Y2の返信平成27年9月28日(月)午後5時24分(返信なし)Y2 御侍史お世話になっております。 先週, うのですが,どうでしょうか。 X 番号9(甲58)Xの送信Y2の返信平成27年9月28日(月)午後5時24分(返信なし)Y2 御侍史お世話になっております。 先週,Pさんに顕微鏡撮影の方法についてお尋ねしたところ,メールにて返信を頂きましたので,ご確認下さい。 ① offset の設定についてXのご理解の通り,本来Off Set は0 で使用します。仮にバックが高すぎる場合はOff Set の値を全てのチャンネルで同じにして撮影します。本来染まらないと思われる場所が染まっていたとしても,極端にOff Set を下げるのは画像加工に値すると思われます。 ②カバーガラスなしの撮影について対物レンズは0.17mm のカバーガラスを使用して画像がクリアに観察できるように補正してあります。カバーガラスをかけない方が明るく見えるという現象が起きるとは聞いた事がありませんが,カバーガラスがないとジャストフォーカスにならないと思います。ただし正立で使用する対物レンズには,カバーガラスを使用しないで水浸の状態で使用するレンズがあります。その場合は,カバーガラスは不要ですが,レンズが水に浸っている必要があります。 番号10(甲18の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27 年10 月25 日(日)午後2 時21 分平成27 年10 月25 日(日)午後2 時40 分Y2御侍史お世話になっております。 H358 siCTNNA1 による炎症応答を評価する件ですが,IL-8 が有意差のない結果となりそうなので,別の候補を探す必要があります。 RT-PCR では評価できなさそうなので,別の方法で一からやり直す必要があると思いますが(サイトカインアレイ?cDNA アレイ?),御指導頂けますで そうなので,別の候補を探す必要があります。 RT-PCR では評価できなさそうなので,別の方法で一からやり直す必要があると思いますが(サイトカインアレイ?cDNA アレイ?),御指導頂けますでしょうか? X全然予算ないしね。まして,場当たり的にRT-PCR なしにrealtimePCR できないし。論文見てsi-RNAforalpha-catenin できないし更新するものを推測したら?もしくはがん細胞株のdata を見てそれをやったらどうかなあ? 平成27 年10 月25 日(日)午後4 時34 分平成27 年10 月25 日(日)午後5 時42 分RTPCR のプライマーとrealtimePCR でsi-alphacatenin の検体抑制がかかっているかの確かめはもう以前に行っております。 ①添付のfigure の緑枠はH358naive/siControl/siCTNNA1 をα-catenin のプライマーでreal-timePCR をしたものです。WB ではよくα‐catenin がKO 出来ています。real-timePCR の増幅曲線をみると,26cycle あたりでもっともnaive/siControl とsiCTNNA1 に差がありそうで,1cycle ぐらいの開きがあるので,理論上はDNA が2 倍量ほど違っていると思います。しかし,この結果を参考にして同じくプライマーを用いてRT-PCR を26cycle で施行したバンドでは,intensity はsiCTNNA1 でなんとなくintensity が弱いかどうか,といったところです(緑枠内右上)重要なのは,siRNA しWB でも大きな差が確認できたタンパクを,更にreal-timePCR の結果をみて一番ベ となくintensity が弱いかどうか,といったところです(緑枠内右上)重要なのは,siRNA しWB でも大きな差が確認できたタンパクを,更にreal-timePCR の結果をみて一番ベストな設定にしたにも関わらず,RT-PCR のバンドとして見られる違いは肉眼ではごくわずかの差程度ということです。 ② さらに,RT-PCR を行う際にはサイクル数の問題もあります。緑枠で示したように,増幅効率のよいプライマーでは20cycle 程度ですでにプラトーになりますし,いまいちなプライマーでは35 サイクル程度でやっと増幅し始めるものもあります。購入したRT-PCR のプライマーが何サイクルでもっともバンドとしてベストな差が出るかは分かりません。また,①でも言及したように,最もベストな差が出る条件ですら肉眼ではわずかな差がある程度ですので,設定したサイクル数が実際のベストなものよりずれていれば,intensity での評価は全く信頼できないと思います。 ③黄色枠はIL-8 のRT-PCR です。siCTNNA1 でIL-8が増強している印象でしたが,real-timePCR の結果ではほとんど差はありませんでした。RT-PCR で見られたintensity の差は,template 作成時・投与時の誤差や,ゲルアプライ時の誤差と言われても否定はできません。 RT-PCR で肉眼的にintersity の差があったとしても,①②と併せると,これらの誤差をみている可能性は十分あります。 siRNA ってmRNA の発現を制御するのですがどうして制御しないことになりますか?1 サイクルの違い? 平成27 年10 月25 日(日)午後5 時46 分とすると,realtimePCR での1 サイクルの違いは,regul ですがどうして制御しないことになりますか?1 サイクルの違い? 平成27 年10 月25 日(日)午後5 時46 分とすると,realtimePCR での1 サイクルの違いは,regular のPCR では検出難しいのでは? 平成27 年10 月25 日(日)午後5 時56 分SiRNA がmRNA の発現を抑制しないかもしれないなら,発現の異なる細胞株(これもタンパクだったけどめちゃめちゃ違っていた気がする)で両方の方法でやればはっきりするかも。そもそもこれだって条件設定の段階の話しだからdataあると思うね。 番号11(甲19の各枝番)Xの送信Y2の返信平成27年11月9日(月)午後11時04分平成27年11月10日(火)午前10時52分Y2 御侍史ご連絡ありがとうございます。 Ecadherin の二重染色でbeta-catenin の局在の評価で良いということになっているので,これがまず一つと思います。 特に,Alpha-catenin は我々の研究室での関連の論文では初めてであるので,ちゃんとisotype でのdataや単独でのdata,核染色+alpha-catenin との組み合わせなどの,H先生の論文のような提示をする必要が有ります。 光顕微鏡の写真は,TGFbeta の有無の違いを別のFigure で述べるのが良いと思います。 先生のdataの総量によると思います。 Discussion すべきところがたくさんあれば,H358 の細胞のdata で示した後に,そのほかの細胞はおなじであるということで,次のdiscussionpoint に移るのが普通と思います。 Discussionpoint が少ないならば,このあたりをalpha^catenin の局 細胞はおなじであるということで,次のdiscussionpoint に移るのが普通と思います。 Discussionpoint が少ないならば,このあたりをalpha^catenin の局在はTGFbeta によるmodulation されることを述べることを注力して,本当にそうであるということの事実を3つの細胞株で説明することに注力することになるのだと思います。 E-cadherin はbeta-catenin よりも信頼されているので,alpha-catenin の相性はE-cadherin がよいと思います。 これは後の配置で修正できます。 →確認ですが,『H358 のTGF-/+をE-cad とα-cateninで二重染色し,E-cad で細胞のedgeを示しつつα-catenin の減弱を示す』ということですか? また,これをMLE-12 とRLE-6TN でも行うということですか? 尚,以前に仰ったα-catenin の単染色のfigure(先日,confirmdata のまとめとして送ったデータの中のもの)は,isotype でのdata・単独でのdata・核染色+alpha-catenin のいずれも撮影しております。 Y2平成27年11月10日(火)午前10時55分すでにとってある写真を3回の実験のrepresentative と書けることが大事だと思います。 3回分の写真がtera-station に保存されて,その1枚が,powerpoint に提示されることにしてください。 Legend にはそのように書いていますので。 Isotype などの図も含めてrevisedpowerpoint とし送ってください。 Y2 番号12(甲20の各枝番)Xの送信Y egend にはそのように書いていますので。 Isotype などの図も含めてrevisedpowerpoint とし送ってください。 Y2 番号12(甲20の各枝番)Xの送信Y2の返信平成28年7月25日(月)午前8 時18 分平成28 年7 月26 日(火)午前7 時05 分Y2 御侍史お世話になっております。 小生の実験に関して,materialandmethod を作成するようにとのことですが,小生の理解不足もあり実験の方針について不明な点がいくつかありますので,確認させて下さい。 ①マウスmating は現在どのような状況でしょうか。 ②免染のintensity で細胞内タンパクの評価をする方法のエビデンス(論文)をまだ頂いておりません。 ③pBS2-CAG-CAT-GFP-PTEN4A とpAdenoCre はどの箇所で使用予定でしょうか。 ④腫瘍細胞20 種のα-catenin 発現を評価はどの箇所で使用する予定でしょうか。 ⑤cellcycleanalysis(Brduassay なし)の結果についての解釈をまだ頂いておりません。 ⑥IL-8 の発現増加に関しては再現性はかなり低いですが,3 回みられればconfirm としてよいでしょうか。 ⑦pmCherry-CTNNA1 の結果は使用する予定でしょうか(2 月頃に「あの結果はどうなった」と聞かれた気がします)。 お忙しい中誠に恐縮ですが,ご返信いただければ幸甚です。 CX大学院発表で行なった部分がコアになると思います。 下記の状況のほとんどは不要な部分もあるかもしれません。 Materialandmethod は大学院発表を行なった部分に対して記載することがよいでしょう。 Y2平成28 思います。 下記の状況のほとんどは不要な部分もあるかもしれません。 Materialandmethod は大学院発表を行なった部分に対して記載することがよいでしょう。 Y2平成28 年7 月26 日(火)午前8 時30 分平成28 年7 月26 日(火)午後6 時15 分Y2 御侍史ご連絡ありがとうございました。 過去の実験の整理をしないと混乱しますので,まずは①~⑦について教えて頂けないでしょうか(特に②④⑤⑥に関しては大学院発表とも直接関連するものです)。 先生が以前に仰った『お前(小生)のための完璧なプラン』というものも一度見せて頂けると,先生の考えておられる全体の流れが分かりやすいのでありがたいです。 お忙しい中大変恐縮ですが,何卒ご高配頂ければ幸甚です。 宜しくお願い申し上げます。 C先生が示している②④⑤⑥は,実際にdataになるかどうかが大学院発表に盛り込まれていないように思います。 論文としてdataに出せるという程度に完成しているならば,それをpowerpoint でおくってみてください。できていないならば,利用できないdata と思います。 ②免染のintensity で細胞内タンパクの評価をする方法のエビデンス(論文)をまだ頂いておりません。 ④腫瘍細胞20 種のα-catenin 発現を評価はどの箇所で使用する予定でしょうか。 ⑤cellcycleanalysis(Brduassay なし)の結果についての解釈をまだ頂いておりません。 ⑥IL-8 の発現増加に関しては再現性はかなり低いですが,3 回みられればconfirm としてよいでしょうか。 X実験の形態としてすべきことをお話ししたと思います(先生が添付してくれたものがそうだと思います は再現性はかなり低いですが,3 回みられればconfirm としてよいでしょうか。 X実験の形態としてすべきことをお話ししたと思います(先生が添付してくれたものがそうだと思います。)。立てた仮説が実証できたかどうかが一番確認したい点です。 できていないならば,利用できないdata と思います(再確認)。 その中で,実験としてdata になるもので整理されたものが論文として出せるものと思います。 Dataになるのは,条件設定の後,確立した実験条件で行なった実験で再現がとれるものがfigure の一部として入ると思います。 そうした観点からdata の整理をpowerpoint でまとめると,足りないdata が明らかになります。足りないdata について,a)全くしていない(仮説が成立していない),b)後少しでconfirm できる(仮説を検証できつつあった),を議論できると思います。 条件設定できた実験を説明するのが,materialandmethod になりますので,記載を進めていきます。 Tera-station で保存しているdata もいつでも出せるようにしておいてください。 先ほど見た場合に,とてもどれが評価になるものかわからないフォルダが沢山ありました。 通常,そのdata を用いて,皆さんのfigure 作成の支援をしています現時点では,confirm したdata がどれかが全く分かりません。 この方式は,L先生にも,K先生にも自身の実験でやってもらっています。 Y2平成28 年7 月27 日(水)午前9 時55 分(返信なし)混乱しますので,まずは①~⑦について教えて下さい。 terastation には,先生の指示通り,“rawdata”が入っているのみで 7 月27 日(水)午前9 時55 分(返信なし)混乱しますので,まずは①~⑦について教えて下さい。 terastation には,先生の指示通り,“rawdata”が入っているのみです(”confirmdata“というファイルがあると思います)。 CX

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