平成30(行ケ)10119 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成31年2月6日 知的財産高等裁判所 3部 判決 請求棄却
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判決文本文15,052 文字)

平成31年2月6日判決言渡平成30年(行ケ)第10119号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成30年12月20日判決 原告エフシーツー,インク. 同訴訟代理人弁護士高橋淳壇俊光 被告株式会社ドワンゴ 同訴訟代理人弁護士宮川美津子波田野晴朗高藤真人同訴訟代理人弁理士稲葉良幸右馬埜大地同訴訟復代理人弁護士長岡征斗 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1 請求特許庁が無効2017-890035号事件について平成30年4月26日 にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等(後掲証拠及び弁論の全趣旨から認められる事実)(1) 被告は,次の商標(以下「本件商標」という。)の商標権者である(甲1)。 登録番号第5617331号登録出願日平成24年9月27日(以下「本件出願日」という。)設定登録日平成25年9月20日登録商標ブロマガ(標準文字)商品及び役務 5617331号登録出願日平成24年9月27日(以下「本件出願日」という。)設定登録日平成25年9月20日登録商標ブロマガ(標準文字)商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務別紙1のとおり(2) 被告は,本件商標の登録の無効審判請求をし,特許庁は,これを無効2017-890035号事件として審理した。 (3) 特許庁は,平成30年4月26日,審判請求は成り立たない旨の審決(以下「本件審決」という。)をし,出訴期間として90日を附加した。その謄本は,同月30日,原告に送達された。 (4) 原告は,平成30年8月20日,本件審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は別紙審決書(写し)記載のとおりであり,要するに,本件商標につき,商標法4条1項10号及び同項15号に該当する事由は認められないから,本件商標の商標登録を無効とすべきであるとはいえないというものである。 3 取消事由(1) 商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り(2) 商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り 第3 取消事由に関する当事者の主張 1 商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り(1) 本件商標について,商標法4条1項10号該当性を否定した本件審決の判断は,次のとおり,誤りである。 (2) 原告による商標の使用及び役務の提供ア原告は,平成21年1月20日,新たなサービス(以下「原告サービス」という。)の提供を開始した。 原告サービスは,FC2ブログにおいて,有料コンテンツ(テキスト,写真,動画及び音楽等)の購入・販売を行うことができるサービスである。ここで提供される「有料コンテンツ」とは,ブ の提供を開始した。 原告サービスは,FC2ブログにおいて,有料コンテンツ(テキスト,写真,動画及び音楽等)の購入・販売を行うことができるサービスである。ここで提供される「有料コンテンツ」とは,ブログをベースにするがテキストに限られず,写真,動画,音楽等様々な態様のものが配信可能であり,原告はそのプラットフォームを運営している。 イ原告は,原告サービスの名称として「ブロマガ」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)を使用していた。 ウ以上によれば,原告サービスの取引者は,インターネットの利用者一般ではなく,自らブログを開設して記事を発信しようとする者である。 (3) 引用商標の周知性ア原告は,平成16年10月にFC2ブログサービスを開始し,日本国内でブログサービスの先駆者的な立場にある。また,FC2はブログだけのサービスではなく,インターネットのポータルサービスであり,特に,動画共有サイトとしても著名であって,多数のユーザーが存在する(甲10,41)。FC2ブログは,国内シェアでもかなりの割合を占める著名なブログサービスであり,そのユーザーは平成22年9月の時点で,341万9905人であり(甲12),コムスコア・ジャパン株式会社のリリースした,日本のブログ利用に関するレポートにおいて,平成23年6月の1か月間に4670万人以上のブログ訪問者数を記録し,日本国内第1 位となった(甲13,14)。 イ次の事実からすれば,引用商標は原告サービスを表示するものとして周知であった。 (ア) 平成21年1月20日に,① ウェブメディア「インターネットコム」(甲2),② ウェブメディア「markezin」(甲3),③ ウェブメディアZDnet(甲4),④ ウェブメディアCNET(甲5)において,原告サー 日に,① ウェブメディア「インターネットコム」(甲2),② ウェブメディア「markezin」(甲3),③ ウェブメディアZDnet(甲4),④ ウェブメディアCNET(甲5)において,原告サービス(ブロマガ)を紹介する記事が掲載された。 上記①のウェブメディアの月間PV数は,平成20年12月6日時点で700万,平成21年12月の時点で800万を超えている。上記②のウェブメディアの月間PV数は,平成20年12月19日時点で約100万である。また,平成21年7月の月間PV数は,上記③のウェブメディアにおいて988万6306,上記④のウェブメディアにおいて2057万3804である。 4件であっても著名なウェブニュースに記事として取り上げられているのであるから,多くの視聴者が目にしていることは疑いない。 (イ) 原告のウェブサイトにおいて,「ブロマガ」については一般の画面に表示されるだけでなく,FC2ブログの操作画面等にも表示されるようになった。また,FC2ブログのユーザーが利用する管理画面には,常に「ブロマガ」紹介がされていた。FC2の数百万のユーザーに対し,随時,「ブロマガ」について周知の措置がとられていたことは,FC2ブログに関して書かれた書籍に掲載された表示画面に「ブロマガ」の文言が見られ,あるいは,ブロマガの利用方法が説明されていたこと(甲6~10,24)からも明らかである。 また,上記書籍は全国の書店で販売されているのであるから,周知・著名性を裏付ける証拠であることを否定できない。書籍の発行部数は,一般に公にされるものではなく,知名度も同様であり,この点に関する 具体的な数字がないことをもって,上記証拠に意味がないということにはならない。 (ウ) 日本有数の発信力を誇るQ氏は,原告サービスのユーザーであり, 知名度も同様であり,この点に関する 具体的な数字がないことをもって,上記証拠に意味がないということにはならない。 (ウ) 日本有数の発信力を誇るQ氏は,原告サービスのユーザーであり,そのコンテンツは広く認知されている。 すなわち,ウェブメディアであるITmediaにおいて,qのFC2ブロマガ等が紹介された記事(甲21)が掲載された。ITmediaは,日本で最も著名なインターネットに関するニュースサイトであり,平成23年9月のITmediaNEWSの月間PVは726万2747である。また,Q氏は,平成22年6月から11月までの間に,数回にわたって,原告サービスを紹介するツイート(甲57~60)をしているが,同氏のツイッターのフォロワー数は平成22年6月17日時点で51万8691人であった。 さらに,R氏の息子として知られ,書籍等も出版しているS氏も,原告サービスのユーザーである(甲42)。 (エ) 平成24年8月21日の「niconico新サービス発表会 in ニコファーレ」において,会場の「FC2の有料ブログもブロマガだったが,あえて同じにした?」という質問に,被告取締役のT氏が「知りませんでした」と答え,ジャーナリストのU氏からの「コメントでなんでニコマガにしなかったの?」という質問に対しては,「あんまり考えてない」と答えた。このことは,当時,業界において,引用商標が原告の運営するサービスとして周知されていたことを裏付けるものである(甲23,56)。 (オ) 原告サービスは,ユーザーが自己の作成したブログを有料配信し,原告がその売上げの一部をシステム手数料として受領するシステムであるが,平成21年1月から平成25年9月までの売上げは別紙2のとおりであり,原告サービスを利用したブログの売上げは合計●●●●●● 原告がその売上げの一部をシステム手数料として受領するシステムであるが,平成21年1月から平成25年9月までの売上げは別紙2のとおりであり,原告サービスを利用したブログの売上げは合計●●●●●● ●●●●●●である。 (カ) 平成21年1月20日から本件出願日(平成24年9月27日)までの3年8か月以上もの間,原告は,FC2ブログという著名なサービスの付加サービスである原告サービスを表示するものとして引用商標を使用していた。 ウこのように,引用商標は,役務が急速に広がるインターネットの世界で数百万ユーザーに対して相当長期間提供されていたこと,少なくとも数百万ユーザーに日々告知され著名なネットニュースや書籍でも取り上げられていること,被告以外に「ブロマガ」の商標を利用している者は無く,原告が独占的に使用していたこと,原告サービスは著名人にも利用されていたこと,その他,被告のサービス発表の際の質疑応答において原告が先行していることを問われたことに鑑みれば,引用商標の周知性を認めるのが合理的な帰結である。 (4) 役務の同一性原告サービスは,「第9類インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,同画像ファイル,ダウンロード可能な電子書籍,電子出版物」,「第38類コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信」,「第41類電子出版物の提供,通信ネットワークを利用した電子書籍及び定期刊行物」である。 (5) 以上によれば,本件商標は,原告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その役務又はこれに類似する役務について使用をするものであるから,商標法4条1項10号に該当する。 2 商標法4条1項15号該当性についての判 く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その役務又はこれに類似する役務について使用をするものであるから,商標法4条1項10号に該当する。 2 商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り(1) 本件商標について,商標法4条1項15号該当性を否定した本件審決の判断は,次のとおり,誤りである。 (2) 上記1のとおり,引用商標は本件商標の出願以前から原告サービスを表示するものとして使用され,原告サービスを表示するものとして,需要者,取引者に周知であったものであるが,周知性があるとまでいえないとしても,相当広範囲で認知されていたことは各証拠から明らかである。 (3) 引用商標と本件商標は同一であるところ,「ブロマガ」は造語でありこのような商標を用いる必然性はない。また,原告サービスと被告が提供するサービスはユーザーの作成したブログ等のコンテンツを有料で配信し,一定の手数料を受け取るサービスであって酷似しており,サービスの需要者も,自らブログ等のコンテンツを作成して配信する者であるから共通である。 これらの要素を考慮すれば,引用商標がハウスマークではないこと,引用商標を他の事業に用いることは現時点では予定していないことを勘案しても,一般人が本件商標を原告の業務に係る商品又は役務と混同する可能性が高いことは明らかである。 以上によれば,本件商標は,原告サービスとの役務の混同を生じるものであり,少なくとも業務上,経済上又は組織上の連携関係があると誤認されるような商標である。 特に,上記1(3)ウ(エ)のとおり,被告のサービス発表の際に,原告サービスが先行し,サービス内容が類似していることに言及されたことは,業界において,引用商標が原告サービスを表示するものとして周知であったこと,それにより,役務を混同す 告のサービス発表の際に,原告サービスが先行し,サービス内容が類似していることに言及されたことは,業界において,引用商標が原告サービスを表示するものとして周知であったこと,それにより,役務を混同する可能性が高いことを示している。 (4) 商標法2条1項15号は,同項10号に当たる商標を除外し,また,周知性を要件としていないから,同項10号とは別個に,同項15号の適用に当たっては,混同を生じさせるおそれがあるかを一般人の見地から検討しなければならない。そして,引用商標の周知性は考慮要素の1つに過ぎないから,その他の考慮要素についてほとんど検討していない本件審決は,「混同を生ずるおそれ」の解釈を誤ったものと言わざるを得ない。 (5) 以上によれば,本件商標は,原告の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標であるから,商標法4条1項15号に該当する。 第4 被告の反論 1 商標法4条1項10号該当性について(1) 次のとおり,本件商標について,商標法4条1項10号該当性を否定した本件審決の判断は相当である。 (2) 原告による商標の使用及び役務の提供原告は,その提供するサービスについて,「ユーザーによるブログ等の一般視聴者への販売,インターネットを通じた文章・画像等の配信のプラットフォームを提供するサービス」であり,「第9類インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,同画像ファイル,ダウンロード可能な電子書籍,電子出版物」,「第38類コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信」,「第41類電子出版物の提供,通信ネットワークを利用した電子書籍及び定期刊行物」であると主張するから,原告の主張するサービスの需要者は,一般的なインターネット利用者というべきである。 (3 「第41類電子出版物の提供,通信ネットワークを利用した電子書籍及び定期刊行物」であると主張するから,原告の主張するサービスの需要者は,一般的なインターネット利用者というべきである。 (3) 引用商標の周知性ア原告の提出する証拠から,引用商標の周知性は認められない。 (ア) 甲2~5のインターネット記事は平成21年1月20日のウェブサイトのニュース記事で,原告サービスが開始されることを内容とするものであるが,僅か4つのウェブ上の記事によって,周知性が立証されるものではない。なお,各記事は第三者の作成する記事であり,引用商標の使用状況や使用態様を示すものではないし,上記記事からは,原告が本件商標の登録出願日までに我が国において,どの程度の宣伝広告をしたか,あるいは,どの程度の売上げを得たのか等,具体的な取引内容を把握することはできない。ウェブ上のニュースメディアは他にも様々あ るし,ウェブニュースは日々更新されるものであるから,僅か4件のインターネット記事に掲載された事実をもって周知性が認められるものではない。 (イ) 甲6~10及び24は,僅か6冊の書籍にごくごく小さい記載があることを示すに過ぎないのであり,かかる書籍の存在をもって,周知性が認められることはあり得ない。また,これらの書籍は,いずれも原告サービスを「ブログを通じて有料コンテンツの購入・販売を行うことができるサービス」として紹介するものではないし,書籍の販売部数も明らかではない。 原告は,数百万のユーザーに対して,随時,「ブロマガ」について周知の措置がとられていたと主張するが,その意味するところは不明である。甲9は本文中のいずれの箇所にも引用商標の記載は認められないし,他の書籍において「ブロマガ」の記載があってもその記載は僅かであり,書籍の がとられていたと主張するが,その意味するところは不明である。甲9は本文中のいずれの箇所にも引用商標の記載は認められないし,他の書籍において「ブロマガ」の記載があってもその記載は僅かであり,書籍の発行部数,売上高や需要者等に対する認知度などが不明である上,これらが全国の書店で販売されていたという原告の主張する事実を示す証拠も提出されていない。 (ウ) 甲21においても,Q氏の有料メルマガ読者数約1万人のうち,その大半(平成22年11月29日時点で9297人)が原告サービスではなく「まぐまぐ」というメルマガ配信サービスにおける読者とされている。また,ウェブニュースは日々更新されるものであるから,1件の記事掲載によって引用商標の周知性が認められるわけでもない。 (エ) 原告の需要者が,一般のインターネットユーザーを意味すると考えられ,極めて広い範囲の者が想定されるところからすれば,原告サービスが被告のサービスに先行しており,その内容が類似していると認識した者が僅かに1人いたからといって,その事実をもって原告サービスを表示するものとして引用商標が周知となっているとは言い得ないもので ある。 イ原告の提出する全証拠によっても,引用商標について,本件出願日において,原告の業務に係る役務を表示する商標として,需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできない。 (4) 以上によれば,本件商標と引用商標が同一又は類似の商標であるとしても,引用商標が原告の業務に係る役務を表示するものとして登録出願時及び登録査定時において需要者の間で広く認識されるに至っていたとは認められず,本件商標は,商標法4条1項10号に該当しない。これと同旨の本件審決は妥当である。 2 商標法4条1項15号該当性について引用商標が周知・著名では 間で広く認識されるに至っていたとは認められず,本件商標は,商標法4条1項10号に該当しない。これと同旨の本件審決は妥当である。 2 商標法4条1項15号該当性について引用商標が周知・著名ではないことは上記1のとおりであるから,本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合,これに接する需要者が引用商標を想起し連想することはない。したがって,本件商標は,それに係る商品又は役務を原告の業務に係る商品又は役務,あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように,商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。 原告は,本件審決が,引用商標の周知性がないことのみによって,「混同を生ずるおそれ」の有無を判断しており,商標法4条1項10号とは別に同項15号を規定した意味がないと主張するが,「他人の表示の周知著名性の程度」が,商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無を判断する一つの要素であるとしても,本号が,商標法4条1項10号と同様に,商標登録の有無を問わず,使用事実に鑑みて後に出願される商標を排除する効果を有していることに鑑みれば,少なくとも周知性を有していることは,重要な考慮要素である。そもそも,引用商標が需要者等の間において広く知られていなけれ ば,本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合であっても,これに接する需要者等が当該引用商標を想起し連想することが全くないのであり,当該商品又は役務が他人の業務に係る商品又は役務,あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く,商品又は役務の出所について混同することがあり得ないからである。 また,原告は同項15号においては,混同を生じさせ と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く,商品又は役務の出所について混同することがあり得ないからである。 また,原告は同項15号においては,混同を生じさせるおそれがあるかを,一般人の見地から検討しなければならないとも主張するが「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきであるとするのが最高裁判例であり,失当である。 第5 当裁判所の判断 1 後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実を認めることができる。 (1) 原告は,「FC2ブログ」というブログサービスを提供している。原告は,平成21年1月20日,FC2ブログにおいて,ユーザーがブログ記事に課金設定をして投稿することで,課金によってポイントを支払った読者だけが当該ブログ記事を閲覧できるサービス(原告サービス)を「ブロマガ」という名称で提供し始めた。 原告サービスは,読者からのブログ記事の売上げの一部を原告がシステム手数料として受領する仕組みであるところ,同月から平成25年9月までの売上げは別紙2のとおりであり,サービス開始月の月間売上げは●●●●●,本件出願日の属する平成24年9月の月間売上げは●●●●●●である。 (甲2~5,10,64)(2) 複数のウェブメディア(① japan.internet.com(甲2),② MarkeZine(甲3),③ ZDNetJapan(甲4)及び④ CNETJapan(甲5))において,平成21年1月20日,「ブロマガ」という名称と共に原告が原告サービス を開始したことについて紹介する記事が掲載された。 (3) 次のとおりの複数の書籍において,原告が提供する おいて,平成21年1月20日,「ブロマガ」という名称と共に原告が原告サービス を開始したことについて紹介する記事が掲載された。 (3) 次のとおりの複数の書籍において,原告が提供する原告サービスに関連する記載がある。 すなわち,① 書籍「FC2ブログではじめるビジネスサイト構築レッスンブックステップバイステップ形式でマスターできる」(甲6。平成21年8月28日発行)に掲載された,FC2ブログの管理画面の映像面を示す図には,左上部に「ブロマガ」という文字が表示され,② 書籍「はじめてのブログで困った!これで解決」(甲7。平成22年2月1日発行)及び書籍「はじめてのFC2ブログ」(甲8。平成22年3月25日発行)に掲載された,FC2ブログのブログ管理ページの映像面を示す図には,左側の「ホーム」という欄の最下行に「ブロマガ(課金機能の管理)」との記載があり,③ 書籍「はじめてのFC2ブログ最新かんたんブログ作成入門」(甲10。平成24年3月10日発行)には,「ブログの記事を有料化するには」との表題で,原告サービスの利用の仕方が説明されたページがあり,④ 書籍「Webデザイン・フォーラム 10人のプロが教える原則と経験則」(甲24。平成23年3月10日発行)には,FC2ブログについての説明として「記事に課金する「ブロマガ」も利用可能」との記載がある。 (4) 著名人であるQは,平成22年6月2日から同年11月8日までの間に,4回にわたり,ツイッターにおいて「FC2のブロマガ」ないし「FC2ブロマガ」に言及した。そのツイッターアカウントのフォロワー数は同年6月17日時点で51万8691人であり,これらのツイートのリツイート数は1~5件,いいね数は2~16件であった。 また,同年11月30日,ウェブメディアであるITmed ウントのフォロワー数は同年6月17日時点で51万8691人であり,これらのツイートのリツイート数は1~5件,いいね数は2~16件であった。 また,同年11月30日,ウェブメディアであるITmediaにおいて,Qが発行するメールマガジンの読者数が同月29日付けで1万人を突破したが,これは「まぐまぐ」,「livedoorネットマガジン」及び「FC2 BLOG ブロマガ」で購読でき,上記読者のうち9297人(同月29日現在)が「ま ぐまぐ」からの購読者である旨の記事(甲21)が掲載された。 (甲57~61)(5) 平成24年8月頃に行われた「niconico新サービス発表会 in ニコファーレ」において,被告が有料コンテンツを配信する新サービスを発表する際に,会場にいた者から「FC2の有料ブログもブロマガだったが,あえて同じにした?」という質問があった。 (甲23,56) 2 商標法4条1項10号該当性について(1) 上記1に認定した事実を前提に,本件出願日当時,引用商標が原告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間で周知であったといえるかを検討する。 ア需要者について上記1(1)のとおり,原告は,平成21年1月から,ブロマガという名称で原告サービスを提供していたことが認められる。 そして,原告サービスは,ブログ記事に課金設定して投稿することにより,課金に応じた読者が当該ブログ記事を読むことができるサービスであるから,その需要者,取引者は,インターネットの利用者一般であると解される。 これに対し,原告は,原告サービスの取引者はインターネットの利用者一般ではなく,自らブログを開設して記事を発信しようとする者であると主張するが,原告サービスは,ブログ記事を提供する者だけではなく,ブログ記 し,原告は,原告サービスの取引者はインターネットの利用者一般ではなく,自らブログを開設して記事を発信しようとする者であると主張するが,原告サービスは,ブログ記事を提供する者だけではなく,ブログ記事の一般の読者をも対象としていることは明らかであり,原告の主張は採用できない。 イ引用商標の周知性について(ア) 上記1(2)のとおり,4つのウェブメディアにおいて,平成21年1月に,原告が開始した原告サービスについて「ブロマガ」という名称と共に紹介する記事が掲載されたことが認められるが,原告が主張する上 記各ウェブメディアの月間PV数(約100万~2000万PV)からは,上記各記事自体のPV数は明らかではない。また,上記各記事は同じ日に掲載されたものであり,掲載日から本件出願日までに約3年8か月以上が経過していることも併せ考えると,上記各記事が掲載された事実は,本件出願日における引用商標の周知性を裏付けるものとはいえない。 (イ) 上記1(3)のとおり,複数の書籍に原告サービスに関する記載があることが認められるが,各書籍の販売部数は明らかではなく,各書籍が発行された事実は引用商標の周知性を裏付けるものとはいえない。 また,上記1(3)の①及び②からは,平成21年8月から平成22年2月までの間にFC2ブログの管理画面ないし管理ページの映像面が変更されたことがうかがわれ,上記書籍の記載のみから,原告が,原告サービスの開始時から本件出願日までの期間を通じ,FC2ブログのうちのいかなるウェブサイトにいかなる方法で引用商標を表示していたかは明らかではない。したがって,FC2ブログの利用者の間において引用商標が周知性を獲得したことを認めることは困難である。 (ウ) 上記1(4)のとおり,Qが原告の提供する原告サービスについ ていたかは明らかではない。したがって,FC2ブログの利用者の間において引用商標が周知性を獲得したことを認めることは困難である。 (ウ) 上記1(4)のとおり,Qが原告の提供する原告サービスについて言及したツイートを4回したことが認められる。そのツイッターアカウントのフォロワー数は多いが,多数のユーザーから大量のツイートが投稿され,これらのツイートがタイムラインに順次表示されるというツイッターの性質上,上記4回のツイートがされたことによって,引用商標が周知性を獲得したということはできない。また,同人が原告サービスを利用していたとしても,原告サービスを通じた購読者数は多くないことが認められるから,購読者を通じて引用商標が周知性を獲得したとはいえない。 なお,上記メールマガジンについて報道したITmediaの平成22年11 月30日付け記事(甲21)自体のPV数は不明で,この記事が掲載された事実が周知性を裏付けるものとはいえないのは,上記(ア)に説示したところと同様である。 (エ) 上記1(5)のとおり,平成24年8月頃の「niconico新サービス発表会 in ニコファーレ」において引用商標について質問されたことが認められるが,発表会における1度の質問が引用商標の周知性を裏付ける事実といえないのは明らかである。 (オ) そして,本件出願日までに約3年8か月の間,引用商標が使用されていたこと,及び本件出願日の属する平成24年9月における原告サービスの売上げは●●●●●●であったことが認められるものの(上記1(1)),以上に説示した点や,原告サービスの利用者数や上記売上げに係るブログ記事の数量は不明であり,また,原告が提供する原告サービスに関し,本件出願日までにされた広告の回数,方法及びこれに費消した金額も明らかではな した点や,原告サービスの利用者数や上記売上げに係るブログ記事の数量は不明であり,また,原告が提供する原告サービスに関し,本件出願日までにされた広告の回数,方法及びこれに費消した金額も明らかではないことからすれば,本件出願日当時,引用商標が原告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間で周知であったと認めるには足りないというべきである。 ウしたがって,本件商標について商標法4条1項10号に該当する事由があるとはいえない。 (2) 原告の主張について原告は,FC2ブログが多数のユーザーが利用する著名なサービスであることを主張するが,仮にそうであるとしても,直ちに引用商標が周知であるということにはならない。原告は,引用商標がFC2ブログの操作画面等にも表示されるようになったこと,FC2ブログのユーザーが利用する管理画面には常に「ブロマガ」の紹介がされ,数百万のユーザーに対して,随時,「ブロマガ」について周知の措置がとられていたことを主張するが,上記(1)イ(イ)のとおり,このような事実を裏付ける的確な証拠はない。 原告は,原告サービスがインターネット上で大きく取り上げられたこと,日本有数の発信力を誇るQが原告サービスのユーザーであり,原告サービスについてツイートしていること,「niconico新サービス発表会 in ニコファーレ」において引用商標について質問があったことを主張するが,これらの事実により引用商標が周知性を獲得したといえないのは,上記(1)イに説示したとおりである。また,原告は,Rの息子として知られ書籍を出版しているSが原告サービスのユーザーであると主張するが,このような事実は引用商標の周知性を裏付けるものではない。 原告は,平成21年1月から平成25年9月までの原告サービスを利用したブ 籍を出版しているSが原告サービスのユーザーであると主張するが,このような事実は引用商標の周知性を裏付けるものではない。 原告は,平成21年1月から平成25年9月までの原告サービスを利用したブログの売上げは合計●●●●●●●●●●●●であると主張するが,この売上げからは,原告サービスの利用者数も上記売上げに係るブログ記事の数量も明らかではなく,上記事実があったとしても,引用商標が本件出願日までに周知性を獲得したことを認めるには足りない。 以上のとおりであるから,原告の主張はいずれも採用できない。 3 商標法4条1項15号該当性について(1) 商標法4条1項15号の「混同を生ずるおそれがある商標」における「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商標と他人の表示との類似性の程度,他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や,当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質,用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号平成12年7月11日第三小法廷判決)。 本件においては,引用商標について周知性が認められないのは上記2に説示したとおりであり,本件商標が,同号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に当たるということはできない。 よって,本件商標について同号に該当する事由があるとはいえない。 (2) 原告の主張について原告は,引用商標は相当広範囲で認知されていたものであるところ,周知性が認められないからといって,商標法4条1項15号「混同を生ずるおそれがある商標」に当た (2) 原告の主張について原告は,引用商標は相当広範囲で認知されていたものであるところ,周知性が認められないからといって,商標法4条1項15号「混同を生ずるおそれがある商標」に当たらないということはできない旨主張する。 しかし,同号の規定は,周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し,商標の自他識別機能を保護することにより,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護することを目的とするものであると解される。また,引用商標が周知でなければ,それが需要者に一般的に認識されることはなく,したがって,原告の業務に係る商品又は役務との混同(狭義の混同,広義の混同のいずれも含む。)のおそれが生じることもないと考えられるのであって,これらのことを併せ考えれば,引用商標が周知性さえも備えていないと認められる場合に,商標法4条1項15号が適用される余地はないというべきであるし,「周知著名性の程度」(したがって,最低限の周知著名性は備えていることが前提になると解される。)を問題とする上記最高裁判決も,以上のことを前提にしているものと解される。したがって,原告の主張は採用できない。 4 以上のとおり,本件商標について,商標法4条1項10号及び同項15号に該当する事由は認められないとした本件審決に誤りはなく,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官鶴岡稔彦 裁判官高橋 彩 裁判 裁判長裁判官鶴岡稔彦 裁判官高橋 彩 裁判官寺田利彦 別紙1第9類画像処理用コンピュータのプログラム,インターネットを利用してダウンロード可能なコンピュータプログラム,その他のコンピュータプログラム,コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,ダウンロード可能な電子書籍,電子出版物第38類コンピュータを利用したメッセージ及び映像による通信,電気通信(放送を除く。),ウェブログ上の電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供,放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与第41類技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,通信ネットワークを利用した電子書籍及び電子定期刊行物の提供,書籍の制作,通信ネットワークで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,通信ネットワークを利用した画像・映像の提供及びこれらに関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給,通信ネットワークを利用した音・音声・音楽の提供及びこれらに関する情報の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作 映・制作又は配給,通信ネットワークを利用した音・音声・音楽の提供及びこれらに関する情報の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)第42類通信ネットワークを利用した気象情報の提供,その他の気象情報の提供,デザインの考案,インターネットを利用したデザインの考案に関する情報の提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究以上

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