【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人丸山勇之助上告趣意第一点、第二点及び第四点について。 本件において、偽造せられた私文書の発行名義は、英文で第一騎
主文本件上告を棄却する。 理由弁護人丸山勇之助上告趣意第一点、第二点及び第四点について。 本件において、偽造せられた私文書の発行名義は、英文で第一騎兵師団庶務課長Aとなつている。記録によれば、庶務課長Aは、米軍第一騎兵師団には勤務していないで、同師団には、Bという少佐が勤務している。そこで、上告論旨は、庶務課長Aは全然架空な人物であるから、米軍第一騎兵師団発行の文書とはいえないと主張している。しかし、文書偽造罪は、法律上関係ある事実について、文書の真正に対する公の信頼性を害する危険がある場合に成立するものである。本件において、米軍第一騎兵師団が日本に実在せるものであることは顕著であり一般に知られている(記録に依れば、判示の「ジヨンソン航空隊」は日本に実在しており、又米軍第一騎兵師団の勤務員の中には現にB少佐というのがいる位である)から、たとい仮りに庶務課長Aは架空の人物であるとしても、本件文書の形式及び内容は、普通一般の人をして米軍第一騎兵師団発行の真正の文書と誤認せしめる可能性があり、文書の真正に対する公の信頼性を害する危険があることは、火を見るよりも明らかである。従つて、原審が私文書偽造罪として処罰したのは当然であつて、論旨は理由がない。 同第三点について。 本件証明書の名義人は、刑法総則第七条にいわゆる公務員ではないから、この文書は公文書でないことは明白である。文書偽造の対象である文書が、公文書でない場合には、これは一般に私文書と称せられている。だから、公文書にあらずんば私文書であり、私文書にあらずんば、公文書である訳であつて、両者の間にその何れにも属しない所論のような間隙は存していない。従つて原審が私文書偽造罪として- 1 -処罰したことは正当であり、論旨は採ることを得ない 私文書にあらずんば、公文書である訳であつて、両者の間にその何れにも属しない所論のような間隙は存していない。従つて原審が私文書偽造罪として- 1 -処罰したことは正当であり、論旨は採ることを得ない。 よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員の一致した意見である。 検察官小幡勇三郎関与昭和二四年四月一四日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎- 2 -
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