【DRY-RUN】○ 主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は、原告らの負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 原告ら 1 被告が、別紙物件目録(一)(二)記載の各建物について、昭和四四年一二月 二
○ 主文本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は、原告らの負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告ら 1 被告が、別紙物件目録(一)(二)記載の各建物について、昭和四四年一二月二三日付でなした各変更登記はいずれも取り消す。 2 訴訟費用は、被告の負担とする。 二被告 1 本案前の申立主文同旨。 2 本案に対する答弁(一) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (二) 訴訟費用は、原告らの負担とする。 第二当事者の主張一原告らの請求原因 1 原告A、同Bは、かつて、別紙(一)記載の建物(以下「甲建物」という)の根抵当権者(第二順位)であつた者であり、原告Cは現在右建物の根抵当権者(第二順位)であり、原告合名会社田中製鋼所(以下「原告会社」という)は、右根抵当債務者である。 2 本件各表示変更登記の経緯甲建物及び別紙(二)記載の建物(以下「乙建物」という)について、昭和四四年一一月一八日、当時の右建物の所有者であつた訴外三菱商事株式会社(以下「三菱商事」という)から、名古屋法務局熱田出張所(但し、当時は古沢出張所)に対し、区分建物表示変更登記申請(以下「本件登記申請」という)がなされ、同出張所登記官である被告は、右申請に基づき別紙(一)(二)のとおりの表示変更登記をした。 3 本件各表示変更登記の違法事由しかしながら、被告のした本件各表示変更登記は以下のとおり実体に合致しないものであるから、取消されるべきである。 本件表示変更登記は、登記簿によれば、その表題部(一棟の建物の表示)記載の床面積は二七八六・八三平方メートルとなつているが、これは既設建物の一部を取り壊し増築した建物の床面積を合計したものであり、右面積は右増改築の際の増改築設計図とも一致し、登記簿上の記載は実体と合致するところ、甲、乙両建物の登記簿上の表題部( るが、これは既設建物の一部を取り壊し増築した建物の床面積を合計したものであり、右面積は右増改築の際の増改築設計図とも一致し、登記簿上の記載は実体と合致するところ、甲、乙両建物の登記簿上の表題部(専有部分の建物の表示)の床面積は甲建物は、一〇八三・七六平方メートル、乙建物は、一六八五・八九平方メートルと記載されているが、これらは、いずれも真実の床面積を表示したものではなく、正しい床面積は、甲建物は、九三一・七三平方メートル、乙建物は、一八五五・一〇平方メートル(合計二七八六・八三平方メートル)である。 4 よつて、被告に対し、本件各表示変更登記の取消を求めるため本訴に及んだ。 二被告の本案前の主張 1 被告のした本件各表示変更登記は、取消訴訟の対象たる行政庁の処分にあたらないことについて行訴法三条二項に規定する行政庁の処分とは、その行為が国民の権利義務について直接に法的効果を与えるものでなければならないところ、所有者の申請による区分建物表示変更登記申請に基づき登記官が建物登記簿に表示変更の登記事項を登載する行為は、かかる法的効果を国民に与えるものではないから行訴法三条二項に規定する処分その他公権力の行使に該当せず、同法所定の処分の取消請求の訴えの対象とはなり得ず、本訴は、不適法である。 2 原告適格について-原告A、同B、原告会社は、原告適格を有しないことについて(一) 甲建物は、所有権保存登記のなされた昭和二七年五月二七日から訴外三菱商事に譲渡された昭和四四年三月二八日までの間は、原告会社が所有名義人となつていた。ところで、昭和二七年一二月一〇日受付第一六八一八号をもつて根抵当権者東海銀行、元本極度限度額一五〇〇万円、債務者原告会社(登記簿には頭書の根抵当権設定登記の登記事項中には債務者の表示はないが、当時の記載方法として、不動産 一〇日受付第一六八一八号をもつて根抵当権者東海銀行、元本極度限度額一五〇〇万円、債務者原告会社(登記簿には頭書の根抵当権設定登記の登記事項中には債務者の表示はないが、当時の記載方法として、不動産の所有者と債務者が同一であるときは、債務者の表示を省略する記載方法がとられていた)とする順位二番の根抵当権設定登記(登記簿の記載は、「抵当権設定」となつているが、これも当時は抵当権と根抵当権の区別は登記事項の記載内容により区別していたものである)がなされた。その後右根抵当権は、昭和四七年八月一日受付第二八〇三二号をもつて、原告Aに現存債権一部代位弁済を原因として根抵当権の一部移転がなされた(順位二番付記二号)。そして昭和四八年七月二六日受付第三五三〇四号をもつて右の根抵当権のうち原告Aの持分は、代位弁済を原因として原告Bに移転した(順位二番付記五号)。更に、昭和五四年八月三日受付第三七三一四号をもつて右根抵当権のうち原告B持分は代位弁済を原因として原告Cに移転したものである。したがつて、登記簿上の記載から見るかぎり右根抵当権は、訴外東海銀行と原告Cの共有となつており、その余の者は右根抵当権について何ら利害関係を有しないことは明らかである。 (二) また、原告会社は、甲建物の順位二番根抵当債務者として登記簿上表示されているが、この表示は、登記権利者、登記義務者の申請により、根抵当権の一登記事項として表示されるにすぎないものである。したがつて、根抵当債務者たる原告は、根抵当権が登載されている登記事項については何らの登記申請資格を有しない。 (三) 以上のとおり、仮に被告の行為が行政処分性を有するとしても、原告Cをのぞくその余の原告らは、これの取り消しを求める法律上の利益を欠くので、原告適格を有さない。 3 出訴期間について仮に、本件各表示変更登記 おり、仮に被告の行為が行政処分性を有するとしても、原告Cをのぞくその余の原告らは、これの取り消しを求める法律上の利益を欠くので、原告適格を有さない。 3 出訴期間について仮に、本件各表示変更登記が行訴法にいう処分性を有するとしても原告A、同会社、同Bの訴えは、出訴期間を徒過した不適法な訴えである。 行訴法一条によれば、「他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。」と規定しているところ、不動産登記法(以下「不登法」という)には特別の定めはないので、同法に基づく登記官の処分につき取消し訴訟を提起する場合の出訴期間は、行訴法一四条一項及び二項の規定がそのまま適用されるものと解すべきである。他方不登法には、審査請求につき期間の定めは存しないので、本件のように原処分に対する審査請求が当該審査請求の理由となつた不動産表示変更登記実行の日から起算して行訴法所定の期間を徒過した後になされた場合、右登記実行行為の取消しを求める出訴期間が更に問題となる。しかしながらこの点は、行訴法一四条一項及び二項の趣旨からして、おそくとも右審査請求に対する裁決がなされたことを知つた日又は裁決の日が出訴期間の起算日となると解すべきところ、本件訴えのうち前記原告三名については出訴期間を徒過した不適法な訴えであり、却下さるべきである。 すなわち、(一) 原告Aについては、昭和四七年八月二一日付けの審査請求に対し、昭和四八年一月六日付けで棄却裁決がなされている。 (二) 原告会社については、昭和四七年八月二二日付けの審査請求に対し、昭和四八年一月六日付けで請求却下の裁決がなされている。 (三) 原告Bについては、昭和五〇年二月三日付けの審査請求に対し、昭和五〇年六月六日付けで請求棄却の裁決がなされている。 (四) 原告会社、同Bについては、昭和五四 で請求却下の裁決がなされている。 (三) 原告Bについては、昭和五〇年二月三日付けの審査請求に対し、昭和五〇年六月六日付けで請求棄却の裁決がなされている。 (四) 原告会社、同Bについては、昭和五四年八月四日受付けの行政不服審査法に基づく再審査請求に対し、昭和五四年一一月九日付けで却下の裁決がなされている。 以上のように、原告A、同会社、同Bは、名古屋法務局長に対し審査請求をし、同局長より裁決を受けているので、右原告らは、行訴法一四条四項に定める出訴期間を徒過して訴えを提起していることになる。 三請求原因に対する被告の認否 1 請求原因1・2項の事実中、三菱商事が各変更登記の申請をなした日時が昭和四四年一一月一八日であることは否認するが、その余はすべて認める。右日時は同年一二月一八日である。 2 請求原因3項(一)の事実のうち甲乙建物の一棟の床面積が二七八六・八三平方メートル、甲建物の専有床面積が一〇八三・七六平方メートル、乙建物の専有床面積が一六八五・八九平方メートルと登記簿上表示されていること、右各床面積が既設建物の一部を取り壊し、その後増築したことによるものであることは認めるが、その余は争う。 四本案前の主張に対する原告の主張 1 本案前の主張1項について被告のした本件各表示変更登記は、その対象である甲乙建物の利害関係人に重大な影響を及ぼすものであるから、仮りに、被告の右所為が、「行訴法三条二項所定の行政庁の処分」にあたらないとしても、同項にいう「その他公権力の行使」にあたると解すべきである。 2 本案前の主張2項について被告主張のとおり、原告A、同B、原告会社は、現在甲乙建物につき現存する根抵当権につき利害関係は有しないが、現存する根抵当権の対象物件である甲乙両建物専有床面積が、登記簿上正確に記載されていないことは、根抵当権者 り、原告A、同B、原告会社は、現在甲乙建物につき現存する根抵当権につき利害関係は有しないが、現存する根抵当権の対象物件である甲乙両建物専有床面積が、登記簿上正確に記載されていないことは、根抵当権者である原告Cにとつて重大な利害関係があり、従前の根抵当権者であつたその余の原告は、原告Cから損害賠償の請求をされるおそれがあるから、原告らは、すべて原告適格を有する。 3 本案前の主張3項について被告のなした本件各表示変更登記には、原告の請求原因3項記載のとおり重大かつ明白な瑕疵があり無効なものであるから、出訴期間の制限はない。 仮に被告主張のように出訴期間が進行するとしても、原告らのした審査請求により、出訴期間の進行は停止されている(原告らのした審査請求ないし再審査請求の経緯はすべて被告主張のとおりである)。 第三証拠(省略)○ 理由一甲乙建物の従前の所有者訴外三菱商事から名古屋法務局熱田出張所(当時は旧古沢出張所)に対し、本件各表示変更登記申請がなされたこと、被告は右各申請に基づき、昭和四四年一二月二三日、本件各表示変更登記をなしたことは当事者間に争いがない。 よつて、まず被告のなした本件各表示変更登記が行訴法三条二項所定の処分性を有するか否かについて審按する。 不登法にいう不動産の表示登記は、当該不動産についての物理的な現況を登記簿に公示する制度であることは多言を要しない。そして同法は不動産の表示登記の右のような性質にかんがみ、登記官が職権をもつて、これをすることができるものとし(同法二五条の二)、そのために登記官に職権調査権を賦与している(同法五〇条一項)ところ、右職権主義は不動産の表示に関する登記の中に含まれる本件のような建物床面積等の表示変更登記手続についても当然に適用されるが、登記簿上のすべての建物の現況を職権調査と職 いる(同法五〇条一項)ところ、右職権主義は不動産の表示に関する登記の中に含まれる本件のような建物床面積等の表示変更登記手続についても当然に適用されるが、登記簿上のすべての建物の現況を職権調査と職権登記により捉えることは、実際上困難であることから、同法八一条の五、九三条の二は、登記官の職権の発動を容易ならしめるために、土地、建物の所有者に対し、表示変更登記の申請義務を賦課したにすぎないのである。 以上に説示した登記官のなす表示変更登記の性質にかんがみれば、本件各表示変更登記は、これにより直接国民の権利義務に消長を及ぼすものでないことは明らかであるから、行訴法三条二項にいう処分性を有しないというべきである。 二以上の次第であるから、その余の点について判断するまでもなく、原告らの本件訴えは不適法であるから、却下することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官松本武沢田経夫加登屋健治)別紙一棟の建物の表示名古屋市<地名略>・<地名略>・<地名略>所在鉄骨造スレート亜鉛メツキ鋼板交葺平家建二七八六・八三平方メートル(一) 専有部分の建物の表示家屋番号同所<地名略>倉庫鉄骨造スレート葺亜鉛メツキ鋼板交葺平家建一〇八三・七六平方メートル(二) 専有部分の建物の表示家屋番号同所<地名略>倉庫鉄骨造スレート葺亜鉛メツキ鋼板交葺平家建一六八五・八九平方メートル附属建物事務所軽量鉄骨造スレート葺平家建一六・五六平方メートルポンプ室同右三・三一平方メートル以上
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