昭和38(あ)545 詐欺

裁判年月日・裁判所
昭和39年7月8日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 名古屋高等裁判所 金沢支部
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人市島成一、同大橋茹の上告趣意第一点について。  所論のうちには判例違反をいう点があるけれども、所論引用の大審院判例

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判決文本文1,255 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人市島成一、同大橋茹の上告趣意第一点について。 所論のうちには判例違反をいう点があるけれども、所論引用の大審院判例及び大阪高等裁判所判例は、他人より財物の交付を受け又は財産上の利益を領得すべき正当なる権利を有する者がこれを実行するに当り欺罔又は恐喝の手段を用い義務者をして正数以外の財物を交付せしめ又は正数以上の利益を供与せしめた場合には、その財物又は利益が法律上可分であるかぎり、詐欺、恐喝の罪は右権利の範囲外において領得した財産又は利益の部分についてのみ成立するものと解すべき旨判示したものであるところ、本件は要するに、判示大型切断機一台(時価八〇万円)が真実は被告人が取締役である判示会社においてこれを購入したのに、恰も被告人が理事長である判示協同組合が購入した如く仮装して、被告人が福井県に対し、右大型切断機一台並びに自動かがり柄削機一台(時価一八万五千円)及び瓦斯熔接機一台(時価四万四千円)合計三台の代金の半額を貸与されたい旨の中小企業等協同組合共同施設設置資金の貸付方を申請し、同県係員をして右大型切断機一台は判示協同組合において購入したものと誤信させて貸借名下に金員を騙取した事案であり、而して原審の確定したところによれば、他の二台の機械は真実判示協同組合において購入したものであつたにしても、右貸付は前記大型切断機を主眼としてなされたものであり、もし他の機械二台だけであつたとすれば全く貸付が行われなかつたものであるというのである。(原判決は、「福井県係員の供述証拠を綜合」して、右貸付が大型切断機を主眼としてなされた事実を認定し、福井県係員の何人であるかを判文上明確にしていないけれども、それは主として原審証人A〔昭和三一年六月頃よりB課長の職にあり、その 拠を綜合」して、右貸付が大型切断機を主眼としてなされた事実を認定し、福井県係員の何人であるかを判文上明確にしていないけれども、それは主として原審証人A〔昭和三一年六月頃よりB課長の職にあり、その以前は課長補佐〕の原審公判廷における供述を指すもの- 1 -であること記録に徴し明らかである)従つて所論引用の各判例は、本件におけるが如く大型切断機を除外して他の二台の機械だけであれば貸付が行われなかつたという関係にある場合とは事案を異にし適切を欠くものであり、その余の論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。 同第二点について。 所論は判例違反をいう点があるけれども所論引用の各判例は事案を異にする本件には不適切であり、その余の論旨は事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三九年七月八日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -

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