令和7(わ)154 公契約関係競売入札妨害被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年9月25日 大分地方裁判所
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判決文本文1,703 文字)

令和7年9月25日宣告令和7年(わ)第154号公契約関係競売入札妨害被告事件 主文 被告人を懲役1年に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、庭園、公園その他公共施設及び道路等の樹木、雑草等の予防、駆除等を目的とする株式会社Aの代表取締役であったものであるが、大分市議会議員であった分離前の相被告人B、同社の取締役として同社の事務全般を統括していたC及び同社の取締役として同社の入札業務等に従事していたDと共謀の上、大分市が令和6年5月13日に執行した別表1(別表省略)「業務委託名」欄記載の17件の各業務委託の指名競争入札に先立ち、被告人の依頼を受けた前記Bが、同年4月30日頃から同年5月1日頃までの間に、大分市荷揚町2番31号大分市役所において、同市都市計画部公園緑地課政策監であったEに対し、前記17件の各業務委託の予定価格の教示を依頼し、同人から、その頃、同所において、前記入札における秘密事項である前記17件の各業務委託の予定価格が同表「予定価格(税込)」欄記載の各金額である旨記載した紙片を受領して前記17件の各業務委託の予定価格の教示を受け、次いで、前記Bが、同日午後2時40分頃、大分県内又はその周辺において、前記Cに対し、スマートフォンのインスタントメッセージサービス機能を利用して、同紙片を撮影した画像を送信して前記17件の各業務委託の予定価格を教示し、さらに、前記Dが、これを基準として別表2(別表省略)「業務委託名」欄記載の各業務委託(以下「本件各業務委託」という。)の指名競争入札における同社の入札金額を同表「入札金額(税抜)」欄記載の各金額とすることを決定し、よって、同月13日、前記大分市役所本庁舎地下1階B1 載の各業務委託(以下「本件各業務委託」という。)の指名競争入札における同社の入札金額を同表「入札金額(税抜)」欄記載の各金額とすることを決定し、よって、同月13日、前記大分市役所本庁舎地下1階B15会議室において執行さ れた本件各業務委託の指名競争入札において、同社をして、教示を受けた本件各業務委託に係る前記各予定価格に近接した同表同欄記載の各金額でそれぞれ入札させて本件各業務委託を落札させ、もって偽計を用いて、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした。 (量刑の理由)被告人らは、株式会社Aが指名業者となった17件の業務委託全ての予定価格を大分市職員から聞き出した上で、これを基準に、本件各業務委託について、予定価格の99.6%あるいは99.1%という高い落札率で落札しており、公契約関係の入札の公正を害した程度は大きい。被告人は、株式会社Aの代表者として、同社の利益を確保するため、共犯者Bの有力な支援者である立場を利用し、選挙を控えた同人が依頼を断りづらい状況にあることを認識しながら、前記予定価格を聞き出すよう依頼するなど、本件犯行において重要な役割を果たしており、利欲的な犯行動機に酌むべき点はない。 こうした事情、特に、被告人の依頼が本件犯行の起点であることや、株式会社Aにおける被告人の立場に照らすと、その刑事責任は、共犯者Bと比較して軽くなく、かつ、同社の他の取締役らと比較して最も重いといえるから、懲役刑の選択はやむを得ない。 以上を前提に、被告人には犯罪歴がなく、本件犯行を認め、株式会社Aの取締役を辞任し、同社と大分市等との間の業務委託契約を合意解除するなどした上で廃業する意向を示して、反省の態度を明らかにしていることのほか、年齢・健康状態を考慮し、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 ( 同社と大分市等との間の業務委託契約を合意解除するなどした上で廃業する意向を示して、反省の態度を明らかにしていることのほか、年齢・健康状態を考慮し、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 (求刑:懲役1年、弁護人の科刑意見:執行猶予)令和7年9月29日大分地方裁判所刑事部 裁判長裁判官辛島靖崇 裁判官北島聖也 裁判官小野あゆみ

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