昭和23(れ)751 詐欺、窃盗

裁判年月日・裁判所
昭和23年11月30日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人池辺甚一郎の上告理由第一点について。  論旨は原審公判廷に於て弁護人より被告人の精神異状を立証するためにその精神

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判決文本文1,324 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人池辺甚一郎の上告理由第一点について。 論旨は原審公判廷に於て弁護人より被告人の精神異状を立証するためにその精神鑑定を求め、又被告人の母を証人として訊問することを申請したにも拘わらずこの点について審理をしなかつた原審には審理不尽の違法があると主張している。しかし被告人が精神異状者であるかないかということは、事実認定の問題である。従つてそのことを立証するための証拠の取捨選択は原則として原審の専権に属することである。固より精神異状の疑い顕著であるにも拘わらず、そのことの審理をしないことは、健全な法律常識に違背するものとして許されないところであるけれども記録を調べてみると本件被告人については、その精神状態を審理するために精神鑑定をしたり証人を訊問したりする必要のある程度のものとは認められないから、この点に関して原審に審理不尽の違法ありとは云えない。論旨は理由がない。 同第二点について。 論旨は、弁護人に於て被告人の心神喪失又は心神耗弱を主張したにも拘わらず、原判決がその点について判断を示さなかつたことを以て、判断遺脱の違法を犯したものであると主張している。しかし原審公判調書を調べてみると、弁護人から被告人の精神鑑定を申請したことは記載してあるが、被告人の本件行為が心神喪失又は心神耗弱の状態に於て為されたものであるとの主張をした記載は見出されない。かような主張が無い限り原判決がそのことについて判断を示さなかつたのはむしろ当然であつて、これを判断遺脱の違法あるものと云うことはできない。論旨は理由がない。 同第三点について。 - 1 -論旨に従えば本件の被害者等が還付を受けた被害物件に対する請書は、公判請求書と同時に裁判所に提出せられたにも拘わらず原審裁判所 ことはできない。論旨は理由がない。 同第三点について。 - 1 -論旨に従えば本件の被害者等が還付を受けた被害物件に対する請書は、公判請求書と同時に裁判所に提出せられたにも拘わらず原審裁判所が是等の書類について証拠調をしなかつたのは違法であるという、しかし右の書類は裁判所の証拠調を求める主旨を以て、検察官から提出せられたものとは認められないし且つこの問題は第一審の裁判所に関することであるから、第二審たる原審が之等の書類について証拠調をしなかつたとしても、これを以て所論のように刑事訴訟法第四一〇条第一項第一三号に違背したものということはできない。よつて論旨は理由がない。 同第四点について。 論旨は、被告人が心神喪失者少くとも心神耗弱者であるにも拘わらず、原判決がその刑を減軽しなかつたのは違法であると主張している。しかし原判決は被告人が心神喪失者又は心神耗弱者たることを認定しなかつたのである。論旨は原判決が認定しない事実を前提としての主張であるから採用することができない。 以上の理由により、刑事訴訟法第四四六条に従い、主文の通り判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官宮本増蔵関与昭和二三年一一月三〇日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介- 2 -

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