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昭和36(オ)300 建物収去土地明渡請求

裁判所

昭和37年2月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

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1,402 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告人の上告理由第一点、第二点について。原判決によれば、原審において、本件土地は、上告人が昭和二七年二月一日被上告人に直接これを賃貸したものであるとの趣旨の事実を、適法に確定して居るのであつて、所論の如くに、訴外D株式会社より被上告人に対し右土地の賃借権を譲渡したとの事実を認定して居るのではない。論旨は、所論賃借権譲渡のあつたことを前提として原判決に所論違法の存することを云為するものであつて、原判示に添わない事実を主張し、これに立脚して原判決を非難するに帰着するから、上告適法の理由として採用するに足らない。同第三点について。所論事項についての鑑定のためには、必ずしも所論の如くに医学的知識を必要とするものではないのであつて、所論鑑定のため鑑定人を選定するにつき所論の違法あることを認め得ない。論旨は、結局、原審の適法になした証拠の取捨、判断を攻撃するに帰着するものであつて、これを採用し得ない。同第四点について。原判決によれば、原審は、所論の如き被上告人の不法占有の事実を認め難い旨判断して居るのであり、この判断に至つた原審の説明は、これを是認し得る。右判断に、所論の違法はない。論旨は、被上告人の右不法占有の事実を主張し、これを前提として原判決に所論の違法ある旨云為するものであつて、原判示に添わないから、上告適法の理由とし- 1 -て採用するに足らない。同第五点について。原判決によれば、原審は、上告人と被上告人との間の協定により、昭和二八年一一月中、本件土地の内、当初より賃借の分に対する賃料を一ケ月二〇〇〇円に増額し、かつ、残余の借増分に対する賃料を一ケ月五〇〇円と定めたが、その後昭和二九年 と被上告人との間の協定により、昭和二八年一一月中、本件土地の内、当初より賃借の分に対する賃料を一ケ月二〇〇〇円に増額し、かつ、残余の借増分に対する賃料を一ケ月五〇〇円と定めたが、その後昭和二九年五月までの間に、賃料の増額を要する程の地価昂騰、税増徴その他客観的事情の変更を見なかつた旨の事実を適法に確定した上、右確定の事実関係の下においては、右五月中上告人のなした賃料増額の請求は、効力がない旨判断して居るのであり、この判断は、正当である。 一一月中、本件土地の内、当初より賃借の分に対する賃料を一ケ月二〇〇〇円に増額し、かつ、残余の借増分に対する賃料を一ケ月五〇〇円と定めたが、その後昭和二九年五月までの間に、賃料の増額を要する程の地価昂騰、税増徴その他客観的事情の変更を見なかつた旨の事実を適法に確定した上、右確定の事実関係の下においては、右五月中上告人のなした賃料増額の請求は、効力がない旨判断して居るのであり、この判断は、正当である。したがつて他に賃料増額請求につき主張立証のない本件において、原審が、右認定の賃料に相応する被上告人の原判示賃料額の供託を有効と認め、以つて被上告人の所論賃料の延滞を否定した上、被上告人の賃料債務不履行を理由とする上告人の本件賃貸借契約解除の主張を排斥した原審の判断には、所論の違法はない。論旨は、採用し得ない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官石坂修一裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官五鬼上堅磐- 2 -

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