昭和58(行コ)98 三田労基署長就学援護費不支給決定取消

裁判年月日・裁判所
昭和59年11月26日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主   文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は、控訴人の負担とする。        事   実 一 控訴人代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し、昭和五四年 三月二二日付発送の郵便によりな

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判決文本文3,178 文字)

主   文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は、控訴人の負担とする。        事   実 一 控訴人代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し、昭和五四年 三月二二日付発送の郵便によりなした労災就学援護費不支給処分を取り消す。訴訟 費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人代理 人は、主文同旨の判決を求めた。 二 当事者双方の主張は、次のとおり付加するほかは、原判決事実摘示のとおりで あるから、これを引用する。 控訴人代理人は、次のとおり述べた。 1 A医師は、控訴人や同人の主治医であるB医師に対し、職歴、曝露された有害 物質、発病経過、治療状況等を尋ねることなく、わずか一日一回限りの診察、成人 病検査と同程度のありきたりの検査のみをもつて、予断と偏見にとらわれて診断し たものである。例えばC医師作成の意見書を表面的に読み、検査もせずに控訴人が 「心気症」「糖尿病」であるかの先入観を抱いたり、単身で通院できるなどの外観 からみて、治ゆした場合に軽易な労務に服することができると判断したりしたもの である。したがつて、A医師の診断は、直感や印象に基づく診断であつて、科学的 検査に基づくものではないから、その意見書は誤診というべきものであり、本件処 分をするための判断資料としては極めて不適当である。 2 控訴人は、規則別表第二廃疾等級表第三級六号に該当する者であるが、本件処 分を受けた当時から既に四年半を経過するも一向に軽作業にも就労できない状態に あることが明白であるから、このような症状の場合には規則別表第一の障害等級の 認定は、規則別表第二廃疾等級表を基準として認定すべきである。 三 証拠関係(省略)        理   由 一 当裁判所も、控訴人の本訴請求は理由がないものと判断するものであり、その 理由は、次のとおり訂正し、削除し 二廃疾等級表を基準として認定すべきである。 三 証拠関係(省略)        理   由 一 当裁判所も、控訴人の本訴請求は理由がないものと判断するものであり、その 理由は、次のとおり訂正し、削除し、又は付加するほかは、原判決の理由説示と同 一であるから、これを引用する。 1 原判決二五丁裏七行目「項)」の次に「。そして、規則第一条第三項は、労災 就学援護費の給付に関する事務は所轄労働基準監督署長が行う旨定めている」を加 入し、同九行目「そして、」から同一〇行目末尾までを削除する。 2 原判決二七丁表七行目から同丁裏五行目「すなわち、」までを次のように訂正 する。 「3 以上によれば労災法上は労働福祉事業を行うか否かを政府の自由な裁量に委 ねているというべきであるが、同法二三条二項は、その実施に関して必要な基準を 省令に委任しているから、同条は省令の規定とあいまつて被災労働者に労働福祉事 業に伴う利益を享受しうる地位を付与することを予定しているものと解される。し かして、就学援護費については、規則においてその給付に関する事務を所轄の労働 基準監督署長とすることと定め、通達により支給対象、支給額、支給期間、欠格事 由、手続、支払方法を定めているのであるから、政府は、労災法の定める労働福祉 事業として就学援護費の支給を規則、通達に定めるところにより実施することと し、しかも、右通達の定めは単に下級行政庁に対する内部的な指示にとどまらず、 実際には省令を補充する機能を有しているとみるべきことはその内容に照らし明ら かである。そして、これによれば、就学援護費の支給を受けようとする被災労働者 は、右の規則及び通達に従つて申請しなければならず、それ以外の方法によつて支 給を受けることはできず、一方、」 3 原判決二八丁表五行目「確かに」から同九行目末尾までを次のように訂正す る。 「 労働者 は、右の規則及び通達に従つて申請しなければならず、それ以外の方法によつて支 給を受けることはできず、一方、」 3 原判決二八丁表五行目「確かに」から同九行目末尾までを次のように訂正す る。 「そうだとすれば、労働基準監督署長が援護費の支給申請をした被災労働者に対 し、これを支給しない旨通知する行為は、被災労働者の具体的権利義務に影響を及 ぼすものというべきである。」 4 原判決三一丁裏二行目及び三行目「原告」を「原審及び当審における控訴人」 と訂正する。 5 原判決三四丁表四行目「原告につき意見書を作成するに必要な」を次のように 訂正する。 「検討したうえ、控訴人の四肢のしびれ感ないし疼痛の主訴に対しては問診、知覚 の検査、運動の検査、反射の検査、レントゲンの検査、神経伝導速度検査をし、 胸、腹部の冷感の主訴に対しては血液学的、生化学的検査をし、呼吸困難の主訴に 対しては聴診器等による診察、肺機能検査をし、頻脈の主訴に対しては心電図等」 6 原判決三七丁表九行目の「主」から同丁裏二行目末尾までを次のように訂正す る。 「主張する。しかしながら、前認定のようにA医師は、B、D、Cの各医師の診断 書等の資料を検討したうえで自らも診察、諸検査を実施し、前記の意見書を作成し たものであつて、その内容は信頼することができ、A医師の診断が予断と偏見、単 なる直感や印象に基づく誤診であるとはいえない。また、証人Bの証言により認め うる控訴人は日常の身の回りの生活に大きな支障はなく、単身で二週間に一回芝病 院へ通院できること、原審及び当審における控訴人本人尋問の結果により認めうる 控訴人は単身で生活し近隣への買物、調理等も自分で行えること、片道一時間半位 かけて単身で裁判所へも出頭できることなどからみても、控訴人の症状は、身のま わり処理の動作について常に他人の介護を必要としないこ 人は単身で生活し近隣への買物、調理等も自分で行えること、片道一時間半位 かけて単身で裁判所へも出頭できることなどからみても、控訴人の症状は、身のま わり処理の動作について常に他人の介護を必要としないことはいうまでもないし (規則別表第一障害等級第一級の三参照)、高度の神経系統の機能障害のため他人 が常時付き添つて指示を与えなければ全く労働の遂行ができないような人格変化が あるとはいえないから(同第三級の三参照)、控訴人が治ゆした場合に障害等級第 一級ないし第三級に該当するとはいえないとした本件処分に違法はないというべき である。よつて、控訴人の右主張は理由がない。」 7 原判決三七丁裏五行目から九行目までを次のように訂正する。 「基準として認定すべきであると主張する。しかしながら、規則別表第一障害等級 表は傷害が治ゆしたときの残つた障害の程度に対し認定される等級であるのに対 し、別表第二廃疾等級表は療養過程における症状に対し認定される等級であつて、 両者はそれぞれ異なる目的で設けられ、また異なる状態を指していることが明らか である。そして控訴人が本件処分の当時治ゆ(症状固定)を想定できない症状であ つたとは認めることができない。したがつて、控訴人主張のように障害等級の認定 を廃疾等級表を基準として行うべきでないことはいうまでもない。よつて、控訴人 の右主張も理由がない。」 二 以上によれば、被控訴人の本件処分は適法であつて、控訴人の本訴請求は理由 がなく、これを棄却した原判決は正当である。  よつて、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第九五条、第 八九条の各規定を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官 小堀勇 吉野衛 時岡泰) 定を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官 小堀勇 吉野衛 時岡泰)

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