令和4(わ)3406 威力業務妨害

裁判年月日・裁判所
令和4年12月22日 大阪地方裁判所
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判決文本文1,394 文字)

- 1 -令和4年12月22日宣告令和4年第3406号 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予し、その猶予の期間中被告人を保護観察に付する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和4年9月18日午後10時3分から同日午後10時17分までの間に、石川県野々市市(住所省略)被告人方において、携帯電話機を使用して、大阪市都島区友渕町1丁目2番5号大阪拘置所に電話をかけ、同拘置所処遇部処遇部門職員A及び同部門統括矯正処遇官Bに対し、「そっちにCいますよね。C。」「安倍さん殺したCは殺さないといけないんですよ。」「私も元自衛官ですから。 国家に刃向かう者は処罰しないといけないと思っています。爆弾だって作れますよ。」「Cを殺しに行くつもりでいます。」などと言い、同月20日から同月27日までの間、同拘置所職員に、拘置所構外の警ら業務等に従事させることを余儀なくさせ、同拘置所職員の正常な業務の遂行に支障を生じさせ、もって威力を用いて人の業務を妨害したものである。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は、判示のとおりの威力業務妨害の事案であり、本件犯行により、大阪拘置所では、出入口の監視を強化した上、外部委託していた施設外周の巡回警備を処遇部門の警備隊員が手分けをして行うことになって、警備隊本来の業務に支障が生じ- 2 -るなど、職員の業務に与えた悪影響は大きく、まことに悪質な犯行である。 被告人は、書物等で形成した思想や社会的風潮に対する不満等を背景にして、飲酒により気が大きくなり、大阪拘置所を手助けしたいといった気持ちから本件犯行に及んだというのである。被告人は、本件の取調べの過程で、自 、書物等で形成した思想や社会的風潮に対する不満等を背景にして、飲酒により気が大きくなり、大阪拘置所を手助けしたいといった気持ちから本件犯行に及んだというのである。被告人は、本件の取調べの過程で、自分の考えと現実には大きな違いがあったと思い知らされたなどとも供述しているが、もとより、動機、経緯等に酌むべき事情は全く見受けられず、令和4年6月にも偽計業務妨害罪(警視庁に電話をかけて大使館を襲撃するなどという虚偽申告を行ったもの)により罰金刑に処せられていたことをも併せ考慮すると、本件犯行に及んだ被告人の意思決定に対しては強い法的非難が向けられるべきである。 これらの事情によれば、被告人の刑事責任は重いといわなければならないが、これまで服役前科はないこと、本件犯行を認めて反省する態度を示していること、今後は意識をほかに向け、飲酒せず、中断していた精神疾患の通院治療を継続するなど、被告人なりに再犯に及ばないための種々の取組を行う意思を示していること、出廷した父親が今後は同居して一層の監督を行う旨を申し出ていることなどを考慮すると、直ちに矯正施設に収容するのではなく、懲役1年6月の刑を科してその刑事責任を明確にしつつ、今回に限っては刑の執行を猶予し、社会内において自力更生の機会を与えるのが相当である。その上で、なお被告人に事態の重大性を自覚させ、更生を図るためには保護観察による指導・監督等が必要であると判断した。 (求刑懲役1年6月)令和4年12月22日大阪地方裁判所第15刑事部 裁判官末弘陽一 陽一

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