令和5(行ケ)10097等 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年1月24日 知的財産高等裁判所 2部 判決 訴却下
ファイル
hanrei-pdf-92690.txt

キーワード

判決文本文3,958 文字)

- 1 -令和6年1月24日判決言渡令和5年(行ケ)第10097号審決取消請求事件令和5年(行ケ)第10120号共同訴訟参加申立事件口頭弁論終結日令和5年12月26日判決 原告 NL技研株式会社 同訴訟代理人弁理士廣瀬文雄 共同訴訟参加人 Z 被告特許庁長官同指定代理人樫本剛五十嵐努 千葉輝久小島寛史清川恵子 主文 1 本件訴え及び本件共同訴訟参加の申出をいずれも却下する。 2 訴訟費用は原告及び共同訴訟参加人の負担とする。 事実及び理由 第1 原告及び共同訴訟参加人の求めた裁判特許庁が不服2021-15148号事件について令和5年7月25日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要- 2 -本件審決取消事件は、拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟であり、本件共同訴訟参加申立事件は、共同訴訟参加人(以下「参加人」という。)が、本件審決取消事件について、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法52条1項による共同訴訟参加の申出をした事件である。 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告及び参加人(以下併せて「原告ら」という。)は、発明の名称を「コンテンツの受信装置および配信装置」とする発明について、平成20年9月14日に共同で特許出願(特願2008-235797号)をし、その一部を新たな特許出願(特願2017-183095号)とし、その一部を新たな特許出願(特願2019-92560号)とし、さらにその一部を令 に共同で特許出願(特願2008-235797号)をし、その一部を新たな特許出願(特願2017-183095号)とし、その一部を新たな特許出願(特願2019-92560号)とし、さらにその一部を令和2年6月18日に新たな特許出願 (特願2020-105690号。以下、その後の補正により補正されたものを含め「本願」という。)としたが、令和3年9月29日付けで拒絶査定を受けた。 原告らは、同年11月8日、本願についての拒絶査定不服審判請求をし、特許庁は、これを不服2021-15148号事件として審理した上で、令和5年7月25日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。) をした。本件審決の謄本は、同年8月7日、原告らに送達された(乙1。特許法14条参照)。 (2) 原告は、令和5年8月30日、本件審決の取消しを求めて本訴を提起した。 参加人は、特許法178条3項の出訴期間を経過した後である同年10月23日、本訴について共同訴訟参加申出(以下「本件申出」という。)をした。 2 本件審決の理由の要点本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、引用文献1(特開2008-193616号公報)記載の発明及び周知技術に基づいて、又は、引用文献2(特開2005-184323号公報)記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項により特許を受け ることができない。 - 3 -したがって、他の請求項に係る発明(令和5年5月3日の補正後のもの)について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 第3 本件訴え及び本件申出の適法性に関する当事者の主張 1 原告らの主張(1) 原告らは、本願の共同出願人であり、拒絶査 の)について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 第3 本件訴え及び本件申出の適法性に関する当事者の主張 1 原告らの主張(1) 原告らは、本願の共同出願人であり、拒絶査定不服審判の審決取消訴訟は固有 必要的共同訴訟であるから、原告ら両名が共同原告となるべきであった。そして、本件申出により本訴における訴訟適格に係る瑕疵は治癒された。 (2) 本件訴状には、参加人を原告とする旨の表示が脱漏しており、その瑕疵が治癒される前に出訴期間が経過した。もっとも、参加人は、原告におけるただ一人の代表取締役であって意思決定者であるから、原告と参加人の意思は原始的に単一であ り、本件訴状の提出によって参加人も訴えを提起する意思を有していたことは明らかであって、本件訴状における表示の脱漏は専ら形式的なものであった。そして、本件訴状が提出されたことにより、本件訴状に表示の瑕疵があることや、その治癒すべき内容について、裁判所や被告も認知し得ることとなり、上記瑕疵については原告のみが単独で責任を負うべきとはいえない状態であったところ、原告らは、令 和5年10月13日に答弁書を受理するまで、上記瑕疵を認知することができなかった。 参加人は、同月19日に共同訴訟参加申出書を提出したから、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法97条1項に準じた不変期間内にすべき訴訟行為の追完がされたとみなすべきである。 2 被告の主張(1) 本件訴えは、特許を受ける権利の共有者が全員で提起しなければならないところ、原告が単独で提起したから、当事者適格を欠き、不適法として却下されるべきである。 (2) 参加人の本件申出は出訴期間経過後になされたものであるから、却下される べきである。 - 4 -第4 当裁判所の判断 ら、当事者適格を欠き、不適法として却下されるべきである。 (2) 参加人の本件申出は出訴期間経過後になされたものであるから、却下される べきである。 - 4 -第4 当裁判所の判断 1 特許を受ける権利の準共有者(以下単に「共有者」という。)が、その共有に係る権利を目的とする特許出願の拒絶査定を受けて共同で審判を請求し、請求が成り立たない旨の審決を受けた場合に、共有者の提起する審決取消訴訟は、共有者が全員で提起することを要するいわゆる固有必要的共同訴訟と解すべきである(最高 裁昭和52年(行ツ)第28号同55年1月18日第二小法廷判決・裁判集民事129号43頁、最高裁平成6年(行ツ)第83号同7年3月7日第三小法廷判決・民集49巻3号944頁参照)。 本件では、本願に係る特許を受ける権利は原告らの共有するものであるところ、原告らが共同でした本願についての拒絶査定不服審判請求を不成立とする審決に対 する審決取消訴訟は、共有者である原告ら両名で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。 2 しかるところ、本件訴えは、共有者のうち原告のみが提起した訴えであるから、不適法な訴えである。仮に、他の共有者である参加人が行政事件訴訟法7条、民事訴訟法52条1項の規定による共同訴訟参加の申出をすれば本件訴えの瑕疵が 治癒されると解した場合でも、本件申出は、原告らが本件審決の謄本の送達を受けた令和5年8月7日から30日の不変期間(特許法178条3項及び4項)内にされたものではないから、出訴期間を経過した不適法なものというほかない(最高裁昭和35年(オ)第684号同36年8月31日第一小法廷判決・民集15巻7号2040頁参照)。したがって、本件申出により本件訴えの瑕疵が治癒されたものと 解することはでき いうほかない(最高裁昭和35年(オ)第684号同36年8月31日第一小法廷判決・民集15巻7号2040頁参照)。したがって、本件申出により本件訴えの瑕疵が治癒されたものと 解することはできない。 3 原告らは、原告と参加人の意思は原始的に単一で、参加人が本件訴状により訴えを提起する意思を有していたことは明らかであり、本件訴状の提出により、本件訴状における当事者の表示における瑕疵は、原告のみが単独で責任を負うべきとはいえない状態となっていたから、本件申出により、行政事件訴訟法7条、民事訴 訟法97条1項に準じた不変期間内にすべき訴訟行為の追完がされたとみなすべき- 5 -と主張する。 しかしながら、本件訴状における当事者の表示は、「原告 NL技研株式会社代表者代表取締役 Z」というものであって、その記載の全体を観察しても、参加人である「Z」個人をも原告として共同で訴えを提起する旨の表示がされているものと認めることはできない。原告の代表取締役と参加人とが同一人であったとしても、 原告と参加人は法律上の別人格であり、これを前提に法律関係が形成されている以上、参加人と原告を同一視することはできず、本件訴状の当事者としての原告の表示をもって、参加人も同時に当事者として表示されているものと解することはできない。 また、不変期間である特許法178条3項の出訴期間については、当事者がその 責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、訴訟行為の追完が認められる(行政事件訴訟法7条、民事訴訟法97条1項)が、原告らが主張する事情は、「その責めに帰することができない事由」の存在を認めるに足りるものではなく、一件記録を検討しても、参加人において、出訴期間経過前に共同訴訟参加の申出をし 訟法97条1項)が、原告らが主張する事情は、「その責めに帰することができない事由」の存在を認めるに足りるものではなく、一件記録を検討しても、参加人において、出訴期間経過前に共同訴訟参加の申出をしなかったことについて、その責めに帰すること ができない事由があったと認めることはできない。したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 第5 結論以上のとおり、原告の本件訴え及び参加人の本件申出は不適法であるからこれらを却下することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官 清水響- 6 - 裁判官浅井憲 裁判官勝又来未子

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る