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昭和39(う)644 賭博開張図利賭博被告事件

裁判所

昭和39年8月5日 東京高等裁判所

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1,496 文字

主文 原判決を破棄する。被告人を懲役五月及び罰金五千円に処する。原審における未決勾留日数中三〇日を右懲役刑に算入する。右罰金を完納できないときは金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。原審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。理由 本件控訴の趣意は記録に綴つてある弁護人小堀文雄作成の控訴趣意書記載のとおりであるからこれを引用し、これに対し当裁判所は次のように判断する。論旨第一点について。所論は、原判決は判示第一において被告人とAとが共謀の上原判示日時場所において賭博場を開張し利を図つた旨認定しているが、当夜のB方における賭博は被告人等が関与するまでもなくBの招集によつて既に開かれることに決つていたもので、被告人等によつて開設されたものてはないのに拘わらず原判決が前記のように認定したことは明らかに事実誤認であると主張する。<要旨>思うに賭博場開張罪は利益を得る目的を以て犯人自ら主宰者となりその支配の下に他人をして賭博をなさしめ</要旨>るべき場所を開設することによつて成立するものであつて、その場所は必らずしも犯人自らが設営したものに限らず他人の予め設営した場所を利用することを妨げず、又自ら賭客を招集することも要しないものと解すべきである。そこで本件につき原判決挙示の関係各証拠を検討してみるに、三月二〇日夜B方で行われた賭博はB、C等によつて既に予定されていたものであつて、参集した者も別に被告人等が招集したわけではないことが認められるが、それはいわゆる玄人の参加しない「ナイガイ」と俗称されるもので、胴元もなく寺銭も徴収しないものであつたところ、被告人等は右賭博の計画あることを聞知するや、右の場所が自己の所属する博徒の団体 れるが、それはいわゆる玄人の参加しない「ナイガイ」と俗称されるもので、胴元もなく寺銭も徴収しないものであつたところ、被告人等は右賭博の計画あることを聞知するや、右の場所が自己の所属する博徒の団体であるD組の縄張り内であるところからこれに参加して賭博を主宰しようと企て、Bに対し「二、三人連れて行くから」と申し向け、内心迷惑がつていた同人を承諾させた上同夜被告人等相伴つてB方に赴き参集者と共に賭博を始めたが、被告人等は「コイコイ」の賭金を自ら提案して一文二十円と定め更にこれを五十円に増額し、且つ場所の提供者に対する礼金や交通費、敗者に対する車賃等に供するため賭者から寺銭を徴収することを提案し被告人らにおいてこれを各人から徴収したり、また中盆をつとめる等していたことが認められるのであつて、かかる事実関係のもとにおいては被告人がAと共同して当夜の賭博を主宰したと目すべきであるから被告人等が本件賭博場を開張したものと認めるに何等妨げはなく結局原判示は正当である。 め更にこれを五十円に増額し、且つ場所の提供者に対する礼金や交通費、敗者に対する車賃等に供するため賭者から寺銭を徴収することを提案し被告人らにおいてこれを各人から徴収したり、また中盆をつとめる等していたことが認められるのであつて、かかる事実関係のもとにおいては被告人がAと共同して当夜の賭博を主宰したと目すべきであるから被告人等が本件賭博場を開張したものと認めるに何等妨げはなく結局原判示は正当である。所論は事実誤認を主張しながら併せて原判決の法令解釈適用の誤を主張するものの如くであるけれども、いずれにせよ原判決には右の点に関し事実誤認法令の解釈適用の誤はないから論旨は理由がない。(その余の判決理由は省略する。)(裁判長判事長谷川成二判事小川泉判事金末和雄)

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