【DRY-RUN】主 文 申請人らの各申立はいずれもこれを却下する。 申立費用は申請人らの負担とする。 理 由 一 本件申立の趣旨及び理由は、別紙「強制執行停止決定取
主文 申請人らの各申立はいずれもこれを却下する。 申立費用は申請人らの負担とする。 理由 一本件申立の趣旨及び理由は、別紙「強制執行停止決定取消等の申請書」記載のとおりである。 二当裁判所の判断(一) 本位的申立について 1 仮処分判決に対する控訴提起に伴ない民訴法五一二条一項を準用して発せられた仮の処分たる執行停止決定に対しては同条二項が準用する同法五〇〇条三項によつて不服の申立が禁じられているから、かかる決定は同法四一九条の二、一項の「不服ヲ申立ッルコトヲ得サル決定」に該当するので、これに対しては同条所定のいわゆる特別抗告のみが許されるところ、申請人ら代理人が提出した本件「強制執行停止決定取消等の申請書」は、当裁判所が先になした前掲強制執行停止決定(以下当審停止決定という。)に対する特別抗告と認めることはできない。 従つて、当裁判所としては、特別抗告提起の場合に民訴法四一九条の三により準用される同法四一八条二項所定の仮の処分として当審停止決定の執行停止その他必要なる処分を命ずることができないのである。 なお、申請人ら代理人が指摘するいわゆる民放一二チャンネル事件は、適法な特別抗告が提起された場合に右仮の処分として強制執行停止決定の効力停止決定がなされた事案であつて、特別抗告提起のない本件には適切でない。 2 次に、申請人ら代理人は、「もともと民訴法五一二条は、執行停止を『一時停止すべきこと』との規定から明らかな通り、必ずしも停止の期限は控訴審(ないし異議審理)の判決あるまでの間全てにわたる必要はないものであり、当初の停止においてこれと異なる短期の一定期間に限つて執行停止をすることが可能であり、あるいは又、当初事情が充分わからず(控訴審裁判所が執行停止の判断を行なう場 間全てにわたる必要はないものであり、当初の停止においてこれと異なる短期の一定期間に限つて執行停止をすることが可能であり、あるいは又、当初事情が充分わからず(控訴審裁判所が執行停止の判断を行なう場合、一審記録も間にあわず、控訴人の一方的な主張のみによつて判断するということは常にありうることであり、本件もまさしくその例にもれない。)、かかる事情からその後に停止をする必要がないこと、あるいはすべきでないことが明らかになつた場合には適宜裁判所の裁量で取消すことが出来るものと解する。このことが法文上執行停止の期間をあえて『控訴審判決あるまで(あるいは異議事件判決)』とせず『一時』としたことの謂れである。況や仮処分事件については例外の例外の場合に準用出来るというに過ぎないものであり、仮処分という緊急性ある事件につきさらにその執行を阻止するという緊急性が要請される事態のなかで、あるいはとりあえず、執行停止するという結論になることがあることは否定出来ないにしても、しかしそれが、控訴人側の一方的な主張のみで、仮処分申請人の意見をきくことなく、まして一審事件の審理記録も検討する余裕もなくされたような場合、民訴法五一二条の準用に過ぎないということの性質上からいつても、その後の事態のなかで裁判所の裁量によつて取消しうることは当然であろう。」と主張するので検討する。 先ず、民訴法五一二条一項には「一時停止」と規定されているけれども、同じく仮の処分を認める同法五四七条二項、五四九条四項、五六五条二項等には控訴審の終局「判決ヲ為スニ至ルマテ」と規定されていること、応急処分は、本案の裁判までの一時的応急的救済措置にすぎないというその趣旨に鑑み、これら応急処分の効力の存続時期はすべて本案の終局判決言渡までとしていると解するのが相当である(大審院大正一五年一二月二五 分は、本案の裁判までの一時的応急的救済措置にすぎないというその趣旨に鑑み、これら応急処分の効力の存続時期はすべて本案の終局判決言渡までとしていると解するのが相当である(大審院大正一五年一二月二五日決定、民集五巻九〇三頁参照)。 従つて、これと異なる申請人らの主張は、採用することができない。 <要旨第一>次に、民訴法五一二条一項は、「保証ヲ立テシメテ強制執行ヲ一時停止ス可キコト」、「保証ヲ立テシ</要旨第一>メズシテ強制執行ヲ一時停止ス可キコト」、「保証ヲ立テシメテ強制執行ヲ為ス可キコト」、「保証ヲ立テシメテ其為シタル強制処分ヲ取消ス可キ」ことの四種類の仮の処分を認めるのみであつて、申請人らが求めるような「強制執行停止決定の取消」という類型の仮の処分を許容していないことは、右規定に照らし明らかであるし、かつ、かかる処分の申立権は、執行債務者(仮処分債務者)のみに存し、執行債権者(仮処分債権者)がこれを有しないことは、後記(二)説示のとおりである。 なお、当審停止決定を当裁判所の職権裁量により取消すことができる旨の主張には賛成できない。 3 結局、申請人らのした本件本位的申立は、いずれも不適法というべく、却下を免れないものである。 (二) 予備的申立について申請人ら代理人は、予備的に、「民訴法五一二条一項の『保証を立てしめて強制執行をなすべきことを命じ』の規定を準用して、申請人らに一定の保証を立てしめることによる強制執行の開始ないし続行を許すとの裁判を求め得る」旨主張するので検討する。 <要旨第二>仮執行宣言付判決(仮処分判決)に対し控訴が提起された場合に、すてに民訴法五一二条により控訴人</要旨第二>の申立によつて一時執行停止命令が発せられたのち、さらに被控訴人の申立により仮執行(保全執行)の実行を許すとすれば、同条二項が準 訴が提起された場合に、すてに民訴法五一二条により控訴人</要旨第二>の申立によつて一時執行停止命令が発せられたのち、さらに被控訴人の申立により仮執行(保全執行)の実行を許すとすれば、同条二項が準用する同法五〇〇条三項において、同法五一二条一項所定の裁判に対しては不服申立を許さない旨定めた法意に反するのみならず、同条項により控訴審裁判所のなすべき裁判は仮執行宣言付判決(仮処分判決)に対し控訴を提起した当事者の救済のためになしうるものであつて、常に仮執行宣言付判決における敗訴の当事者(仮処分債務者)の申立あることを必要とし、いわゆる続行命令とは仮執行宣言付判決において保証を立てさせないで仮執行をなしうる旨宣言した場合に仮執行により(仮処分判決の保全執行により)生じうべき控訴人の損害を担保するため、被控訴人をして保証を立てなければ仮執行(保全執行)の開始又は続行を許さないとする目的で控訴人の申立によつてなされる執行制限の一方法を定めたものと解するのが相当である。 従つて、仮処分債権者たる申請人らには、いわゆる続行命令の申立権がないというべく、かかる申立権を有しない者のした本件予備的申立は、いずれも不適法であるから、却下を免れない。 (三) 結論以上のとおり、申請人らの本位的及び予備的申立は、いずれも不適法であるからこれらを却下することとし、本件申立費用の負担につき民訴法八九条、九五条を適用して、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官越智傳裁判官古市清裁判官辰巳和男)別紙<記載内容は末尾1添付>
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