平成28(行コ)98 違法建築物除却命令義務付け請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成28年12月15日 東京高等裁判所 その他
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判決文本文9,795 文字)

平成28年12月15日判決言渡し平成28年(行コ)第98号違法建築物除却命令義務付け請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第833号) 主文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 本件を第一審東京地方裁判所に差し戻す。 第2 事案の概要1(1) 本件は,住友不動産株式会社(以下「住友不動産」という。)が,建築基準法86条1項に基づく一団地認定及び同法59条の2第1項に基づく総合設計許可をそれぞれ受けた上で,原判決別紙物件目録2記載(1)ないし(10)の10棟の建物(以下,この10棟の建物により構成される原判決別紙物件目録1記載の建物を「本件建築物」という。)について,渋谷区の建築主事に代わる立場の指定確認検査機関である参加行政庁から上記10棟の建物ごとに建築確認処分を受けてその建築をしたところ,本件建築物の隣接地に居住する控訴人ら及び原審相原告P1(以下「原審原告P1」という。)が,延べ面積が1万㎡を超える「一の建築物」である本件建築物には高さ制限等の建築基準法令の規定に違反する違法があり,特定行政庁において本件建築物の除却を命じるべきであると主張し,上記の規模の建築物に係る特定行政庁である東京都知事が処分行政庁であるとして,その所属する被控訴人に対し,建築基準法9条1項に基づいて住友不動産に対する本件建築物全部の除却を命じる処分の義務付けを求めた事案である。 (2) 原審は,控訴人ら及び原審原告P1について,本件建築物の炎上,倒壊な いし構造物の崩落による被害及び本件建築物による日照阻害を根拠として,建築基 の義務付けを求めた事案である。 (2) 原審は,控訴人ら及び原審原告P1について,本件建築物の炎上,倒壊な いし構造物の崩落による被害及び本件建築物による日照阻害を根拠として,建築基準法9条1項所定の措置の義務付けを求めることについて「法律上の利益を有する者」に当たるとして,本件訴えにつき原告適格があることを認めたが,本件建築物の除却命令がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあるとは認められないから,行政事件訴訟法37条の2第1項所定の訴訟要件の充足が認められないと判断し,さらに,本件建築物が全体として建築基準法施行令1条1号規定の「一の建築物」に当たるものとは認められず,原判決別紙物件目録2記載(1)ないし(10)の10棟の建物それぞれが「一の建築物」であり,また,各棟の延べ面積はいずれも1万㎡を超えないものであるので,本件建築物について是正措置命令の権限を有する特定行政庁は東京都知事ではなく,渋谷区長であるから,被控訴人は本件訴えの被告適格を有しないと判断し,本件訴えを却下した。 (3) 控訴人らは,原審の前記(2)の判断を不服として,原判決の取消しと本件の東京地方裁判所への差戻しを求めて控訴した。 なお,原審原告P1は,控訴しておらず,同人との関係においては原判決が確定している。 2 関係法令の定め原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「2 関係法令の定め」の(1)ないし(6)(原判決2頁17行目から6頁19行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 3 前提事実(争いのない事実(証拠等を記載していないもの)並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 2 事案の概 (争いのない事実(証拠等を記載していないもの)並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 2 事案の概要」の「3 前提事実」の(1)ないし(4)(原判決6頁22行目から12頁22行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決6頁23行目冒頭の「ア」及び7頁1行目から同頁4行目までをい ずれも削除し,同頁5行目冒頭の「ウ」を「イ」と,同行の「住友不動産株式会社(以下「住友不動産」という。)」を「住友不動産」と,同頁7行目冒頭の「エ」を「ウ」と,同頁8行目冒頭の「オ」を「エ」と,同頁14行目の「不動産登記簿上の」を「不動産登記記録上の」と,同頁19行目及び同頁23行目の各「別紙」をいずれも「原判決別紙」とそれぞれ改め,同頁20行目の「共同住宅」の後に「である10棟の建物」を加え,同頁22行目の「,合計10棟」を削除する。 (2) 原判決8頁13行目の「甲3,8,」の後に「25,26,28,33,」を加える。 (3) 原判決11頁19行目の「別紙」を「原判決別紙」と,11頁25行目,同頁26行目,12頁11行目及び同頁12行目の各「当庁」をいずれも「東京地方裁判所」とそれぞれ改める。 4 争点及び争点に関する当事者の主張以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 2 事案の概要」の「4 争点及び争点に関する当事者の主張」の(1)ないし(4)(原判決13頁5行目から26頁12行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決13頁17行目の「原告ら建物」を「控訴人P2ら建物」と,14頁4行目の「原告ら建物はいずれも」を「控訴人P2ら建物は」とそれぞ まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決13頁17行目の「原告ら建物」を「控訴人P2ら建物」と,14頁4行目の「原告ら建物はいずれも」を「控訴人P2ら建物は」とそれぞれ改め,同頁18行目の冒頭に「a」を加え,同頁24行目末尾の後に改行して以下のとおり加える。 「b 本件建築物について高さ制限が17.95メートルに緩和されるのは,建築基準法59条の2第1項に基づく総合設計許可がされることによるところ,本件建築物については「一の建築物」であることを前提とした総合設計許可はないから,本件建築物が17.95メートルの高さを持つこと自体が違法であり,これによる日照被害は重大な損害に当たる。 c 行政事件訴訟法37条の2第1項が定める「重大な損害」は,建築基準法令の規定による規制の趣旨と直接関連するものではなく,同条第2項の「損害の性質及び程度」と「損害の回復の困難の程度」を勘案して認められるべきものであるから,建築基準法令の規定による規制の趣旨如何にかかわらず,ビル風による被害自体が本件建築物の住民や周辺住民にとって「重大な損害」を被らせるものであれば足りる。」(2) 原判決14頁26行目冒頭に「a」を加え,15頁4行目の「住宅棟」を「住宅」と改め,同頁6行目末尾の後に改行して以下のとおり加える。 「 また,本件建築物が炎上した場合の延焼について,火災旋風(甲23)又は飛び火(甲24)によって控訴人P2ら建物が延焼する損害が発生することについては現実的な可能性がある。」(3) 原判決15頁7行目冒頭に「b」を加え,同行の「また,」及び同頁10行目の「ものである」をいずれも削除し,同頁15行目の「さらに」を「また」と改め,同頁19行目から同頁21行目までを以下のとおり改 原判決15頁7行目冒頭に「b」を加え,同行の「また,」及び同頁10行目の「ものである」をいずれも削除し,同頁15行目の「さらに」を「また」と改め,同頁19行目から同頁21行目までを以下のとおり改める。 「c 以上のとおり,控訴人らは,本件建築物が炎上した場合にはそれが周辺地域に拡大等することにより,地域内の建物で火災が発生した場合には避難することが阻まれることにより,その身体,生命又は財産に重大な損害が生じる具体的なおそれがある。」(4) 原判決18頁17行目末尾の後に改行して以下のとおり加える。 「 本件建物は,地下2階及び地下1階は構造上も一体のものであり,地下1階(見かけ上の地上1階)及び地上1階(見かけ上の地上2階)がエキスパンションジョイントで接合されてエキスパンションジョイントカバーが付けられており,その上の地上2階(見かけ上の地上3階)から地上6階(見かけ上の地上7階)部分が2.5mの間隔がある建築物であるから,社会通念上,一棟の建物の外観を有した建築物である。」(5) 原判決18頁21行目の「地下2階の駐車場部分でロの字型に結合し,地 下1階では」を「地下2階で物理的に結合しているから,そのことのみで,本件建築物全体が構造上の一体性があるというべきであり,これに加えて,地下1階でも」と改める。 (6) 原判決23頁24行目から同頁25行目にかけての「総合設計制度の」を「総合設計制度を」と,25頁9行目の「明白かつ重大であるから」を「明白であり,かつ,その違反の程度が重大であるから」とそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件訴えは,控訴人らにつき行政事件訴訟法37条の2第3項に規定する原告適格は認められるが,同条第1項に規定する義務付け訴訟の訴訟要件の充 れぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件訴えは,控訴人らにつき行政事件訴訟法37条の2第3項に規定する原告適格は認められるが,同条第1項に規定する義務付け訴訟の訴訟要件の充足は認められず,また,被控訴人には本件訴えの被告適格がないものと判断する。理由は以下のとおりである。 2 争点1(控訴人らが原告適格を有するか否か)について以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 3 当裁判所の判断」の1(1)ないし(4)(原判決26頁15行目から30頁6行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決26頁24行目の「(同条4項)」を「(同法37条の2第4項)」と,同頁25行目の「同条2項」を「同法9条2項」と,27頁5行目の「根拠なる」を「根拠となる」とそれぞれ改める。 (2) 原判決28頁26行目の「前記前提事実」を「前記第2の3で引用する補正後の原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「3 前提事実」(以下,単に「前提事実」という。)」と改め,同行の「ア及びイ」を削除する。 (3) 原判決29頁2行目の「,原告P1建物から」から同頁3行目の「12m」までを削除し,同頁8行目及び同頁25行目の各「原告ら建物」をいずれも「控訴人P2ら建物」とそれぞれ改める。 3 争点2(本件建築物の除却命令がされないことにより原告らに重大な損害を 生ずるおそれがあり,かつ,その損害を避けるため他に適当な方法がないときに当たるか否か)について以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 3 当裁判所の判断」の2(1)ないし(6)(原判決30頁10行目から35頁1行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 3 当裁判所の判断」の2(1)ないし(6)(原判決30頁10行目から35頁1行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決30頁11行目の「前記1(1)」を「前記2で引用する補正後の原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の1(以下「争点1の判断」という。)(1)」と,31頁4行目の「同条2項」を「行政事件訴訟法37条の2第2項」と,同頁12行目の「イ前記1(3)ア」を「イ(ア)争点1の判断(3)ア」とそれぞれ改め,同頁13行目の「,原告P1建物と本件建築物の間には12m」及び同頁14行目の「いずれも」をそれぞれ削除し,同頁15行目の「原告ら建物」を「控訴人P2ら建物」と改め,同頁17行目末尾の後で改行して以下のとおり加える。 「(イ) この点に関して,控訴人らは,本件建築物が炎上した場合に,火災旋風又は飛び火によって控訴人P2ら建物が延焼する損害が発生する具体的なおそれがあると主張し,証拠(甲23,24,29の1及び2)を提出する。 しかしながら,証拠(甲23,24)によれば,関東大震災,石油基地火災,東京大空襲のような大火災において,火災そのものが竜巻状の火災旋風を引き起こした事実が認められるものの,本件建築物について起きる可能性のある火災は,関東大震災や東京大空襲により生じた町全体の大火災及び石油基地火災とは明らかに規模,態様その他の状況が異なるものといえるから,上記事実は,本件建築物の火災が控訴人P2ら建物に延焼する具体的なおそれがあることを認めるのに資するものではないというべきである。 また,証拠(甲24)によると,「飛び火」とは,延焼が予想されな いような離れた場所に新たな に延焼する具体的なおそれがあることを認めるのに資するものではないというべきである。 また,証拠(甲24)によると,「飛び火」とは,延焼が予想されな いような離れた場所に新たな火災を発生させてしまうことをいうものであると認められるところ,飛び火がこのようなものであるということは,本件建築物に限らず,控訴人P2ら建物の周辺あるいは更に距離が離れた周囲の建物についても同様にそれらの建物に起きる火災から控訴人P2ら建物に飛び火による火災が起き得るということを意味するものであり,本件建築物が特別に火災の起きやすい建物であるなどの事情がある場合はともかく,そうでない場合には,本件建築物の火災による飛び火が控訴人P2ら建物に火災を起こすというのは,一般的,抽象的な可能性の域を出ないものであり,本件建築物について上記の特段の事情があることを窺わせる証拠はない。 さらに,証拠(甲29の1及び2)によると,ドバイの超高層ホテルの火災において,火炎や火の粉が噴き出している状況が認められるが,同ホテルの建物の高さ,規模は本件建築物のそれらとは大きな違いがあることが明らかであるほか,証拠(甲23,24)から窺われる火災の規模や態様に影響を及ぼす条件となる建物の立地環境,気候条件等においても,同ホテルと本件建築物とでは,それぞれの所在場所の違いから,大きな違いがあることが推認される。そうすると,上記ホテルの火災の状況から,本件建築物に起きる火災が控訴人P2ら建物に延焼する具体的なおそれがあるということはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は採用することができない。」(2) 原判決31頁18行目冒頭に「ウ」を加え,同行の「また,」を削除し,同行の「甲2」の後に「,27,28,33」を加え,同頁19行目 がって,控訴人らの上記主張は採用することができない。」(2) 原判決31頁18行目冒頭に「ウ」を加え,同行の「また,」を削除し,同行の「甲2」の後に「,27,28,33」を加え,同頁19行目から20行目にかけての「いるから,」を「いることが認められ,このような接道状況からすると,本件建築物の」と,同頁21行目の「わけではなく,原告らが」を「ものとは認めれず,また,控訴人らが本件建築物の火災から」と,同行の「状況にもない。」を「状況にあることも認めることができない。」 と,32頁3行目冒頭の「ウ」を「エ」とそれぞれ改める。 (3) 原判決33頁18行目の「生じさせず,」を「生じさせないことが認められる。」とそれぞれ改め,同行の「西側の」から同頁23行目末尾までを削除し,33頁24行目の「原告ら建物」を「控訴人P2ら建物」と改め,34頁1行目から同頁2行目にかけての「原告P1建物を含め,」を削除し,同頁7行目から同頁8行目にかけての「生じさせてならない」を「生じさせてはならない」と,同頁11行目の「原告ら建物」を「控訴人P2ら建物」と,同行から同頁12行目にかけての「あるとまでは認め難い。」を「あるとまで認めることはできない。」とそれぞれ改め,同頁12行目末尾の後に改行して以下のとおり加え,同頁13行目冒頭の「ウ」を「エ」と改める。 「ウ控訴人らは,本件建築物が「一の建築物」であることを前提とした総合設計制度の許可はないから,本件建築物が17.95メートルの高さを持つこと自体が違法であり,これによる日照被害は重大な損害に当たると主張する。 しかしながら,本件建築物が「一の建築物」であると認められないことは,後記4で引用する補正後の原判決の「事実及び理由」中の「第3当裁判所の判断」の3(3)にお に当たると主張する。 しかしながら,本件建築物が「一の建築物」であると認められないことは,後記4で引用する補正後の原判決の「事実及び理由」中の「第3当裁判所の判断」の3(3)において説示するとおりであるから,控訴人らの上記主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない。」(4) 原判決34頁18行目から同頁19行目にかけての「前記1(3)イに判示したとおり」を「争点1の判断(3)イにおいて説示したとおり」と,同頁21行目の「ないところ,」を「ない。」とそれぞれ改め,同「ない。」の後に改行して「 この点について,控訴人らは,行政事件訴訟法37条の2第1項が定める「重大な損害」は,建築基準法令の規定による規制の趣旨と直接関連するものではなく,建築基準法令の規定による規制の趣旨如何にかかわらず,その被害自体が当該建築物の住民や周辺住民にとって「重大な損害」を被らせるものであればよいと主張するが,独自の見解であり,採用するこ とができない。」を加え,同行の「このような」の前で改行し,同頁24行目の「原告らは」を「控訴人らにおいて」と改める。 4 争点3(被控訴人が被告適格を有するか否か)について以下のとおり原判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 3 当裁判所の判断」の3(1)ないし(4)(原判決35頁3行目から44頁13行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決35頁5行目の「前記第2の2の関係法令の定め」を「前記第2の2で引用する原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「2 関係法令の定め」(以下,単に「第2の2の関係法令の定め」という。)」と改め,同頁10行目の「前記」を削除し,同頁16行目の「考えられる。」を「解される。」と改 由」中の「第2 事案の概要」の「2 関係法令の定め」(以下,単に「第2の2の関係法令の定め」という。)」と改め,同頁10行目の「前記」を削除し,同頁16行目の「考えられる。」を「解される。」と改める。 (2) 原判決36頁3行目の「前記」を削除し,36頁20行目の「22,」の後に「28,33,」を加え,38頁15行目及び同頁25行目の各「前記」をいずれも削除する。 (3) 原判決40頁9行目の「前記認定事実」を「引用に係る原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の3(2)の認定事実」(以下,単に「認定事実」という。)」と,同頁10行目の「廊下が設けられ,通路により」を「廊下がそれぞれ設けられ,これらの通路により」とそれぞれ改め,同頁19行目の「前記」を削除し,同行から20行目にかけての「登記上や」を「登記上一棟の建物として表示の登記がされたことや」と改める。 (4) 原判決41頁5行目の「登記の1個性は」を「登記上1個の建物であることは」と,同頁6行目の「地図上の」から同頁7行目の「何らない。」までを「建物に係る地図上の表示態様は,地図作成者が判断するものであり,当該建物の客観的外観を裏づけるものでないことも明らかである。」と,同頁11行目の「その構造上」から同頁15行目末尾までを「本件建築物は一棟の外観を有した建築物である旨主張する。」とそれぞれ改める。 (5) 原判決41頁16行目から同頁19行目までを以下のとおり改める。 「 しかしながら,本件建築物の外観は,上記(ア)に説示したとおりのものであること,証拠(甲21の1ないし4,丙36,37)によれば,各棟の地上1階部分の間に施工されているエキスパンションジョイントは,建築物・構造物の接続方法の一つであって,構造体を物理的に分離 ものであること,証拠(甲21の1ないし4,丙36,37)によれば,各棟の地上1階部分の間に施工されているエキスパンションジョイントは,建築物・構造物の接続方法の一つであって,構造体を物理的に分離しておくことによって,構造体が相互に力学上影響を及ぼしあわないようにする接続方法であり,各棟のエキスパンションジョイントが施工された部分に付けられているエキスパンションジョイントカバーは,明らかに各棟の外壁の造りとは異なる造作であることが見て取れる物であると認められることからすると,エキスパンションジョイントとエキスパンションジョイントカバーとを一体的な造作と捉えてみても,本件建築物は,一団の建物群であることを超えて,全体として一の建築物の外観を呈しているとまではいえない。 したがって,控訴人らの上記主張は採用することができない。」(6) 原判決41頁21行目冒頭に「(ア)」を加え,同行の「前記」を削除し,同頁26行目冒頭に「(イ)」を加え,同行の「地下が」を「基礎等の地下が」と改め,42頁10行目の「前記」を削除し,同頁19行目の「前記2(3)イ」を「前記3で引用する原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の2(3)イ」と改め,同頁23行目末尾の後に改行して以下のとおり加える。 「(ウ) この点に関して,控訴人らは,本件建築物は,その地下2階で物理的に結合していることのみで,構造上の一体性を有すると主張する。 しかしながら,基礎等の地下が一体で地上部分が別棟になるような建築物について,各棟ごとの構造計算をすることが許容されていて,そのような建築物の各棟は構造上の独立性が肯定されるものと解され,本件建築物は,構造上,地下2階は一体のものであるが,地上部分の各棟は 別個の建築物であ 造計算をすることが許容されていて,そのような建築物の各棟は構造上の独立性が肯定されるものと解され,本件建築物は,構造上,地下2階は一体のものであるが,地上部分の各棟は 別個の建築物であるというべきものであることは,前記(イ)において説示したとおりであるから,控訴人らの上記主張は採用することができない。」(7) 原判決42頁25行目の「前記」を削除し,同頁26行目の「F棟の地上1階を介して」を「F棟の地上1階のレジデンス出入口及びエントランスホールを経由して,」と改め,43頁16行目の「前記」を削除し,同頁20行目の「居住者は」を「居住者が」と,同頁22行目の「本件建築物には」を「本件建築物は」と,44頁1行目の「程度は」から同行末尾までを「程度が高いものと認めることはできない。」と同頁3行目の「ところよれば」を「ところによれば」とそれぞれ改め,同頁4行目から5行目にかけての「必ずしも」を削除する。 5 当審における当事者の主張控訴人らの当審における主張は,いずれも原審における主張と同旨のものであり,それらの主張が採用できないものであることは,前記3及び4で説示したとおりである。 6 以上によれば,本件訴えは,行政事件訴訟法37条の2第1項の訴訟要件を充たさず,被告適格を有しない者に対する訴えであるから,その余の点について判断するまでもなく,不適法な訴えであり,これを却下した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第16民事部 裁判長裁判官青野洋士 裁判官貝原信之 京高等裁判所第16民事部 裁判長裁判官 青野洋士 裁判官 貝原信之 裁判官 小田正二

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