昭和23(上告)21 窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和23年5月31日 広島高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  本件上告趣旨は末尾添付の辯護人石黒忍並に同今西貞夫提出の上告趣意書副本に 記載してあのるところであるから、當裁判所はこれ

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判決文本文1,619 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 本件上告趣旨は末尾添付の辯護人石黒忍並に同今西貞夫提出の上告趣意書副本に記載してあのるところであるから、當裁判所はこれに對し次のように判断する。 辯護人石黒忍上告趣意書(但し本件は窃盗従犯の刑責を負うに止まると云う點を除く)並に同今西貞夫の上告趣意書第一點に對する判断。 <要旨第一>刑法第六十條にいわゆる共同正犯たるには必ずしも全員犯罪の實行々爲に加擔する必要はない。少くとも全員</要旨第一>間に犯罪に對する共同加功の意思の成立がある場合即ち犯意の連絡があると認めうる場合であれば犯罪に關す<要旨第二>る共同即ち共謀關係があると云ふを妨げない。そしていわゆる共同加功の意思の成立には所論の如く豫め全員</要旨第二>直接に謀議した事實とまた各員共同實行の意思を有することも必要ではない。たゞ數人の者相互間に共同犯行の認識があつて互に他の一方の行爲を利用し全員協力して犯罪事實を實現せしめた事實があることはその相互<要旨第三>間に意思の連絡即ち共同加功の意思ありと認め共同正犯の成立を認めて妨げない。それ故數人相互間に犯意の</要旨第三>連絡があつて其の一部の者が犯罪實行の衝に當つた場合には結局その全員が共同一體となつて犯罪を實行したとに歸着し自ら直接實行の衝に當らない者も其の犯罪全體について共同正犯としてその責を負わなければならぬと解するのが相當である。今本件について見るに原判決事實摘示と其の證據説明と相俟つときは原審は被告人は原審相被告人Aと共に判示油類を窃取せんとする意思を有し當時巡査であつて判示油類の警備の任にあつた第一審相被告人Bとこれが窃取につき謀議し右Aをしてさらに原審相被告人C、D、Eと謀議してその實行々爲に加擔せしめて以て判示油類の窃取を遂げた事實即ち 有し當時巡査であつて判示油類の警備の任にあつた第一審相被告人Bとこれが窃取につき謀議し右Aをしてさらに原審相被告人C、D、Eと謀議してその實行々爲に加擔せしめて以て判示油類の窃取を遂げた事實即ち被告人は右A等の實行々爲を利用しA等は被告人の前示B等との謀議を利用し全員協力して判示窃盗行爲を實現せしめた事實を擧示證據によつて認定したものであることを看取することが出來。擧示の證據を綜合すれば斯かる認定が出來ないことはない。これによつて見るに被告人は判示窃盗の實行々爲には加擔してゐないけれども判示窃盗についていわゆる共同加功の意思のあつたことは明白であるから共同正犯の罪責を負わねばならんことは冐頭設示に照し論のないところである。其故原判決には所論のような理由不備もしくは審理不盡又は採證の法則を誤つた違法はない。論旨はつまり原審の専權に属する證據の取捨と其の價値判断とを非難し延いて其の事實認定を非難するに歸するものであるから理由はない。 辯護人石黒忍上告趣意書中本件は窃盗の従犯の刑責を負ふに止まると云う點並に同今西貞夫上告趣意書第二點に對する判断。 原審は前段において説明したとおり擧示の證據に依り被告人の行爲は窃盗の共同正犯であると云う事實を適法に確定したものであつて所論の如くこれ等證據によつて窃盗従犯の事實を認めればならんことはない、原審が被告人を窃盗罪の共同正犯に問擬しこれに刑法第八十條を適用處断したのはまことに正當であつて原判決には所論のような擬律錯誤の違法はない、論旨は原判示に副わない事實を主張し原審事實認定を攻撃し又は擬律錯誤の違法があると云うに外ならないから採用すべきではない。 よつて本件上告は理由がないと認め刑事訴訟法第四百四十六條に則り主文の通り判決する。 (裁判長判事小山慶作判事横山正忠判事和田邦康) と云うに外ならないから採用すべきではない。 よつて本件上告は理由がないと認め刑事訴訟法第四百四十六條に則り主文の通り判決する。 (裁判長判事小山慶作判事横山正忠判事和田邦康)

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