平成11(ワ)4156 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年3月25日 名古屋地方裁判所
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判決文本文22,741 文字)

主文 1 被告らは,連帯して原告Aに対し,金8633万6543円及びこれに対する平成7年5月30日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,連帯して原告B及び同Cに対し,各金220万円及びこれらに対する平成7年5月30日以降各完済まで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを3分し,その1を被告らの負担とし,その余を原告らの負担とする。 5 この判決は原告らE訴部分に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは,連帯して原告Aに対し,金2億3508万4969円及びこれに対する平成7年5月30日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,連帯して原告B及び同Cに対し,各金495万円及びこれらに対する平成7年5月30日以降各完済まで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告らが被告らに対し,被告Dが運転する自動車(以下「被告車」という。)の交通事故により,被告車に同乗していた原告A及びその両親である原告らが被った損害につき民法709条,自賠法3条に基づきその賠償を求めた事案である。 1 争いのない事実等(証拠を示した部分以外は争いがない。)(1) 当事者ア原告Bは,原告Aの父であり,原告Cは,原告Aの母である。 イ被告Eは,被告Dの父である。 (2) 本件事故以下の交通事故が発生した(以下「本件事故」という。甲1,乙1の①ないし④,⑤の(1)ないし(23),2ないし8)。 ア日時平成7年5月30日午前1時ころイ場所愛知県犬山市某所路線上(以下「本件事故現場」という。)ウ被告車普通乗用自動車エ同運転者被告Dオ同同乗者原告Aカ事故態様被告Dが被告車を運転し 1時ころイ場所愛知県犬山市某所路線上(以下「本件事故現場」という。)ウ被告車普通乗用自動車エ同運転者被告Dオ同同乗者原告Aカ事故態様被告Dが被告車を運転し,本件事故現場付近を高速度で走行中,ハンドル操作を誤り,道路左路外の土手に衝突させた上,路上に転覆させた。 (3) 責任原因ア被告Dは,被告車の運行供用者であり,本件事故につき速度超過等の過失がある。 イ被告Eは,被告車の運行供用者である。 (4) 傷害原告Aは,本件事故により,第1腰椎脱臼骨折,左第9ないし12肋骨骨折,両肺挫傷等の傷害を負った。 (5) 治療経過原告Aは,上記傷害の治療のため,以下の入通院をした。 ア犬山中央病院(応急処置平成7年5月30日)イ小牧市民病院(入院平成7年5月30日から同年11月7日まで)ウ小牧市民病院(入院平成8年10月24日から平成9年2月28日まで)エ小牧市民病院(通院本件事故後,上記入院期間以外の期間。)(6) 後遺障害原告Aは,平成7年9月14日,症状固定となり,第1腰神経以下の完全麻痺,第1腰神経支配域以下の筋萎縮,下肢の関節の自動運動不能,膀胱,直腸機能全廃,神経因性膀胱の後遺障害が残存した。原告Aは,同年11月29日,上記後遺障害について自動車保険料率算定会岐阜調査事務所長から自賠法施行令2条別表1級3号記載の後遺障害(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの)に該当するとのいわゆる事前認定を受けた。 (7) 既払金 3086万0730円ア自賠責保険金 3000万円イ任意保険会社支払分 86万0730円 2 争点(1) 過失相殺,好意同乗減額(被告らの主張) 3086万0730円ア自賠責保険金 3000万円イ任意保険会社支払分 86万0730円 2 争点(1) 過失相殺,好意同乗減額(被告らの主張)アシートベルト不装着による過失相殺(ア) 原告Aは,本件事故当時,被告車の助手席に同乗し,また,座席の背もたれを倒し横になった状態で,シートベルトも装着していなかった。 本件事故は,被告車両が,進行方向左側の土手に衝突し,その後転覆したというものであり,原告Aがシートベルトを装着せず,かつ,横になったため,同人の身体が車内において宙に浮き激しくぶつかることによる衝撃を受けた。さらに,原告Aは,最終的に車外に放り出されており,その際にも相当衝撃を受けた。 (イ) 他方,原告Aの主たる傷害が第1腰椎脱臼骨折であり,同骨折による脊髄損傷に基づき重大な後遺障害が発生したのであるから,上記シートベルトの不装着と原告Aの損害との間には因果関係がある。 (ウ) このように原告Aには,シートベルト不装着という過失があるから,原告Aの全損害につき少なくとも3割の過失相殺がなされるべきである。 イ好意同乗減額被告車の運行は,本件事故が被告Dと原告A両名が名古屋においてデートをし,被告Dが自宅に金銭を工面するために行き,その後,原告Aの居住するアパートへの帰り道で生じたものであるから,相当部分が原告Aの利便に供するものであった。 そこで,損害の公平な分担という過失相殺の法理を類推適用し,原告Aに生じた全損害につき,その1割が控除されるべきである。 (原告らの認否及び反論)否認する。 アシートベルト不装着による過失相殺原告Aは,シートベルトを装着していた状態で乗車していたが,被告Dが自宅に金銭の工面に行き,被告車が停車している間に,シートベルトをはずし, 論)否認する。 アシートベルト不装着による過失相殺原告Aは,シートベルトを装着していた状態で乗車していたが,被告Dが自宅に金銭の工面に行き,被告車が停車している間に,シートベルトをはずし,座席を倒して眠っていたのであり,本件事故が起きるまで寝込んでいたのであるから,シートベルトを再度装着する機会を奪われており,これを是正する機会はなかった。 原告Aは,座席を倒して寝ていたのであるから,そのような状態でシートベルトを装着した場合には首等への危険が大きい。 これらの理由により,原告Aがシートベルトを不装着であったことは,本件の場合には過失相殺される対象とならないばかりか,むしろ,原告Aがシートベルト不装着のまま眠り込んでいることを知った上で走行した点において被告Dの過失を構成する。 イ好意同乗減額原告Aは,被告Dから同人の自宅に一緒に来るよう頼まれ,一度は断ったが,被告Dが懇願するので仕方なく応じたのである。また,原告Aは,その際,被告Dに対し,速度超過運転をしない旨注意している。そして,上記のとおり,原告Aは,本件事故時,眠っていたのであり注意を与える機会はなかった。 (2) 原告Aの損害(原告らの主張)原告Aは,本件事故により,下記アないしセの合計3億7601万4445円から上記既払金3086万0730円を控除した3億4515万3715円のうち2億3508万4969円を請求する。 ア治療費 239万9032円(ア) 原告Aは,本件事故による傷害の治療のため,犬山中央病院で応急処置を受け,その費用として8万3260円の支出をした。 (イ) 原告Aは,本件事故による傷害の治療のため,小牧市民病院に入通院し,入院費用465万1210円から高額療養費及び福祉医療助成費支給分260万18 その費用として8万3260円の支出をした。 (イ) 原告Aは,本件事故による傷害の治療のため,小牧市民病院に入通院し,入院費用465万1210円から高額療養費及び福祉医療助成費支給分260万1828円を差し引いた204万9382円及び通院費用既払分26万2390円の合計231万1772円を支出した。 イ入院雑費 37万7000円ウ入院付添費 174万円原告Cは,原告Aの小牧市民病院入院期間中(290日),同人に付き添っていた。 なお,被告らは,平成7年5月30日から同年11月7日まで被告Dが付き添った旨主張し,その間の入院付添費を否認している。しかし,原告Cは,同年5月から7月ころまで,午後8時ころから午後1時ころまでの間付き添い,同月7月から同月11月ころまでは午前7時から午後9時まで付き添っていたのであり被告らの主張は理由がない。 エ将来の看護費用 8770万5120円(ア) 日額6000円として原告Aの平均余命(62年)まで,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して計算すると以下のとおり8770万5120円になる。 6,000×365×40.048=87,705,120(イ) 中間利息控除の利率について逸失利益の計算の際,中間利息を控除するについては,近年の低金利状態が今後も長期間継続することが推測されることに鑑みて2分を超える利率で控除するのは明らかに失当である。 過去50年間の預金金利のうち6か月定期預金について,その平均金利を見てみると,昭和26年から昭和55年までの10年ごとの平均金利は約5分ないし5分4厘8毛であり,その後,昭和56年から平成2年までの10年間の平均金利も約4分2厘6毛で 金について,その平均金利を見てみると,昭和26年から昭和55年までの10年ごとの平均金利は約5分ないし5分4厘8毛であり,その後,昭和56年から平成2年までの10年間の平均金利も約4分2厘6毛であった。しかし,その後,平成3年から平成12年までの10年間の平均金利は約1分2厘と急激に低下し,特に平成8年から平成12年までの5年間の平均金利は約0.2分に低下している。これによれば,著しい低金利状況が既に相当期間継続しているといえる。 この様な低金利状態が継続することは公知の事実であるから,中間利息の控除に当たっては年2分を超えない範囲で控除するのが現実を踏まえた妥当な結論である。 オ通院交通費 74万6240円(ア) 小牧市民病院通院分通院分(原告ら居宅から小牧市民病院までの距離は往復50キロメートル,燃費7キロメートル,ガソリン1リットル当たり100円として計算する。) 8万2857円(イ) 将来の通院交通費 66万3383円原告Aは,平均余命までの間,1か月に2度の割合で小牧市民病院へ通院すること(通院交通費の年額は1万7143円とする。)が必要であり,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して将来の通院交通費を算出すると以下のとおりとなる。 17,143×38.697=663,383カ購入済みの車椅子代等 529万6581円(ア) 車椅子(1台目) 20万円(イ) 車椅子(2台目) 7万2000円(ウ) 療養ベッド一式 34万5359円(エ) ベッドサイドテーブル 4万6144円(オ) 装具 (2台目) 7万2000円(ウ) 療養ベッド一式 34万5359円(エ) ベッドサイドテーブル 4万6144円(オ) 装具 5万9600円(カ) 装具 10万4640円(キ) エアークッション(2個) 9万円(ク) 車両購入費 265万8838円(ケ) 紙おむつ代等(43か月分) 172万円キ将来の車椅子代等 3823万1819円(ア) 車椅子 365万3600円原告Aは,平均余命までの間,4年ごとに車椅子2台(1台当たり20万円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数で年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 400,000×9.134=3,653,600(イ) 療養ベッド 153万4430円原告Aは,平均余命までの間,8年ごとに療養ベッド(34万5359円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 345,359×4.443=1,534,430(ウ) 床ずれ防止用マット 165万6232円原告Aは,平均余命までの間,毎年床ずれ防止用マット(1枚4万2800円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除してその買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 42,800×38.697=1,656,232(エ) ベッド用マット 17万7720円原告Aは,平均余命までの間,8年 を控除してその買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 42,800×38.697=1,656,232(エ) ベッド用マット 17万7720円原告Aは,平均余命までの間,8年ごとにベッド用マット(4万円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 40,000×4.443=177,720(オ) エアークッション 82万2060円原告Aは,平均余命までの間,4年ごとにエアークッション2個(1個当たり4万5000円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 90,000×9.134=822,060(カ) 車両 1181万3217円原告Aは,平均余命までの間,8年ごとに車両(265万8838円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 なお,将来にわたり車両本体のみならず,運転補助装置も買換えが必要となるのである。 2,658,838×4.443=11,813,217(キ) 紙おむつ 1857万4560円原告Aは,平均余命までの間,紙おむつ(1年当たり48万円相当。)を必要とし,これにつき,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して買換え費用を算出すると以下のとおりとなる。 480,000×38.697=18,574,560ク既払の住宅改造費等 533万5520円原告Aは,本件事故による後遺障害により住宅を改造する必要があり,その住宅改造費及び介護 000×38.697=18,574,560ク既払の住宅改造費等 533万5520円原告Aは,本件事故による後遺障害により住宅を改造する必要があり,その住宅改造費及び介護用品代は上記金額を下回らない。 ケ将来の住宅費用 3000万円原告Aは,後遺障害のため,将来転居せざるを得ず,将来の住宅購入費の被告負担分は上記金額を下回らない。 なお,仮に上記の将来の住宅改造費が損害と認められない場合においても,原告Aの居住環境を改善するためには最低限現在の住居に2085万7725円相当の改造を行う必要がある。 コ休業損害 83万6796円原告Aは,本件事故前からアルバイト(9日間で6万9733円の給与を得ていた。)を行っており,本件事故により症状固定日までの間(108日間)につき計算すると以下のとおりとなる。 69,733÷9×108=836,796サ後遺障害による逸失利益 1億3834万6337円(ア) 算定方法原告Aは,本件事故により後遺障害を残し,その労働能力を喪失した。そこで,症状固定時から67歳に至るまでの間(46年間)就労可能であった。 また,原告Aの基礎収入は,平成7年度賃金センサス産業計・企業規模計・高専・短大卒男子全年齢平均賃金と同高専・短大卒女子全年齢平均賃金を加えて2で割る方法により算出すべきであり,以下のとおり427万2850円となる。 (4,924,400+3,621,300)÷2=4,272,850そして,原告Aは,上記46年間就労が可能であり,上記金額を基礎収入として,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して原告Aの後遺障害による逸失利益を求めると以下のとおりとなる。 4, して,原告Aは,上記46年間就労が可能であり,上記金額を基礎収入として,新ホフマン係数により年2分の割合による中間利息を控除して原告Aの後遺障害による逸失利益を求めると以下のとおりとなる。 4,272,850×32.378=138,346,337(イ) 基礎収入の男女格差について現実に賃金額に男女格差があることは統計上明らかである。そして,日本においては,その格差が他の諸外国よりも大きい格差が存することは統計上明らかである。 こうした状況にあるため,賃金額の男女格差の是正は重要な社会問題となっていることは公知の事実である。したがって,交通事故の損害賠償額の算定に当たって,現実に賃金格差があることから損害額にも男女格差をそのまま反映させるのではなく(これでは,裁判所が現実の賃金格差をそのまま是認することになってしまう。),現実の賃金額の男女格差に一定の統計上の調整を加え,可能な限り,男女同一賃金の原則の趣旨にそうような認定をすべきである。 シ傷害慰謝料 1000万円ス後遺障害慰謝料 4000万円セ弁護士費用 1500万円(被告らの認否及び反論)ア治療費 212万2272円(ア) 犬山中央病院 9万0410円(イ) 小牧市民病院 203万1862円文書料,電話通信料は治療費として認めない。 また,国民保険高額療養費及び福祉医療助成費合計260万1828円は控除されるべきである。 イ入院雑費 29万円長期入院のため,1日当たり1000円とする。 ウ入院付添費 828円は控除されるべきである。 イ入院雑費 29万円長期入院のため,1日当たり1000円とする。 ウ入院付添費 70万4000円平成7年5月30日から同年11月7日までは被告Dが付き添っており,その他の期間のみ認定すべきである。 エ将来の看護費用 2778万2340円原告Aの日常生活動作の能力は高く,本来は1日3000円程度と思料されるところ,看護費用は高くとも日額4000円で十分である。 オ通院交通費 8万2857円原告らの請求のうち,将来分の通院交通費は否認する。 カ購入済みの車椅子代等 102万6264円(ア) 車椅子(1台目) 20万円(イ) 車椅子(2台目) 7万2000円(ウ) 療養ベッド一式 18万6159円原告Aは,療養ベッド一式の購入に当たり,15万9200円の公費補助を受けているのであるから,原告Aの支出は上記金額となる。 (エ) ベッドサイドテーブル 4万6144円(オ) 装具 5万9600円(カ) 装具 10万4640円(キ) エアークッション(2個) 0円(ク) 車両購入費 27万1635円(ケ) 紙おむつ代等 8万6086円キ将来の車椅子代等 309万8276円(ア) 車椅子 0円公費負担にて支給され むつ代等 8万6086円キ将来の車椅子代等 309万8276円(ア) 車椅子 0円公費負担にて支給されることが明らかである。 (イ) 療養ベッド 0円8年ごとに1台買い換える必要性はない。 (ウ) 床ずれ防止用マット 0円(エ) ベッド用マット 0円(オ) エアークッション 0円上記(ウ)ないし(オ)はいずれも公費負担が予測され,また,相当性にも疑問がある。 (カ) 車両 81万4796円損害としては手動式運転装置に限られる。 (キ) 紙おむつ 228万3840円原告Aは,トイレの利用につき半介助で可能であり,頻繁なおむつ交換の必要はない。したがって,おむつ代等として1か月当たり1万円,年間12万円で足りる。 ク既払の住宅改造費等 417万5433円ケ将来の住宅改造費 0円現在居住している住宅以外に住宅費用を請求するものであり,本件事故と相当因果関係を有しない。 また,原告が予備的に請求する住宅改造費も,本件事故と相当因果関係を有しない。 コ休業損害 62万7588円原告Aは,本件事故の直前12日間就労し,6万9733円の給与を得ていた。 サ後遺障害による逸失利益 5617万5384円平成7年賃金センサス,産業計・企業規模計・女子高卒全年齢平均賃金314万 故の直前12日間就労し,6万9733円の給与を得ていた。 サ後遺障害による逸失利益 5617万5384円平成7年賃金センサス,産業計・企業規模計・女子高卒全年齢平均賃金314万1800円をもって,原告Aの基礎収入とすべきである。 シ傷害慰謝料 160万円ス後遺障害慰謝料 2200万円セ弁護士費用否認する。 (3) 原告B及び同Cの損害(原告らの主張)ア慰謝料各450万円イ弁護士費用各45万円ウ合計各495万円(被告らの認否)否認する。 第3 争点に対する判断 1 争点(1)(過失相殺,好意同乗減額)(1) 上記争いのない事実等並びに証拠(甲4,52,95,乙1の①ないし④,⑤の(1)ないし(23),2ないし5,7ないし9,原告A,被告D各本人)及び弁論の全趣旨によると,以下の事実が認められる。 ア原告Aと被告Dは,本件事故の3か月前から交際をしていた。原告Aと被告Dは連日親しく会うような関係となっていたが,生活費はそれぞれが負担していた。 イ被告Dは,平成7年5月29日,原告A宅において,原告Aに対し,外食をすることを提案した。原告Aは,そのころ始めたアルバイトによる疲れから眠かったため,その旨を被告Dに伝えて断った。しかし,原告Aは,被告Dから再度誘われると,これに同意した。 そして,被告D及び原告Aは,金銭の持ち合わせがなかったため,被告車で岐阜県可児市所在の被告Dの実家に行き,小遣いをもらう等した後名古屋に戻って外食をする計画で原告Aの家を出発した。 ウ被告Dは,岐阜県可児市にある被 告Aは,金銭の持ち合わせがなかったため,被告車で岐阜県可児市所在の被告Dの実家に行き,小遣いをもらう等した後名古屋に戻って外食をする計画で原告Aの家を出発した。 ウ被告Dは,岐阜県可児市にある被告Dの実家に着くと,原告Aを被告車の車内に残し,一人で被告Dの実家に入り,同所で被告Dの親から小遣いをもらい,食事等もした上,約30分後出発した。 原告Aは,被告車の助手席に座っていたが,被告Dが被告Dの実家に入った後,疲れもあり眠かったことから,シートベルトをはずし席を倒して横になった。 原告Aは,その後,被告Dが被告車に戻ってきて被告車の運転を始めたことに気付いたが,眠かったこともあり,座席の背もたれを倒してシートベルトを装着しない状態のまま横になっていた。 エ被告Dは,本件事故当時,早く名古屋へ戻りたかったことから,被告車を毎時約100キロメートルの高速度で進行させた。そして,被告Dは,ハンドル操作を誤り,本件事故を発生させた。 被告車は,本件事故時,左側土手,ガードパイプ等に激しく衝突した後,道路上に横転して滑走し,その後停止した。被告車は,本件事故により,全壊した。 オ原告Aは,かねて被告Dに対し,スピードを出さないように注意していた。しかし,原告Aは,本件事故時,眠っていたため,被告Dに対し,注意をすることができなかった。また,被告Dは,本件事故当時,シートベルトを不装着であったが,本件事故により頭,肩,背中を打った程度の傷害しか負わなかった。 以上のとおり認められる。 (2) これらの事実によると,原告Aが被告車に同乗するに至った経緯は,かねて親しく交際していた被告Dと遊びに行くためであり,当該運行がそのための遊興費を入手する目的もあったのであるから,これを被告Dの利益のためのみにする運行と認めることはできず,原告Aは,い 緯は,かねて親しく交際していた被告Dと遊びに行くためであり,当該運行がそのための遊興費を入手する目的もあったのであるから,これを被告Dの利益のためのみにする運行と認めることはできず,原告Aは,いわゆる好意同乗者に当たると解する余地もある。しかし,上記のとおり,原告Aに本件事故の発生や損害の拡大について具体的な落ち度があったと認めることはできない。また,上記のとおり,そもそも外食を誘ったのは被告Dであり,被告Dが被告Dの実家において,両親から金銭を交付されたほか,食事もしていたことからすれば,上記運行は主に被告Dの利益のための運行であったといえる。 以上の事実によれば,原告Aが同乗していたことにつき過失相殺及びこれに準じて賠償すべき損害額の全体から減額を認めるのは相当でなく,後記の原告Aの後遺障害慰謝料を算定する一要素としてのみ考慮するのが相当である。 (3) なお,被告らは,原告Aがシートベルト不装着であったこと,シートを倒していたことから原告Aの重大な傷害が発生したのであるとして,原告Aに過失があった旨主張する。 しかし,上記本件事故態様,被告車の損壊状況等によれば,原告Aが仮に本件事故時にシートベルトを装着し,シートを立てた状態で同乗していたとしても,その場合原告Aが本件事故により重大な傷害を負わなかったと認めることはできない。 したがって,被告らの上記主張は採用できない。 2 争点(2)(原告Aの損害)(1) 治療費 236万7102円上記争いのない事実等並びに証拠(甲5,9ないし12,61ないし64,108の①,②)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年5月30日に犬山中央病院で治療を受けたこと,その治療費用として8万7260円を支出したこと,原告Aは,同日以降小牧市民病院にお し64,108の①,②)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年5月30日に犬山中央病院で治療を受けたこと,その治療費用として8万7260円を支出したこと,原告Aは,同日以降小牧市民病院において治療を継続していること,原告Aの同日から平成11年8月19日までの小牧市民病院における治療費は,合計1304万5517円であったこと,原告Aは,同日から平成12年7月25日までの間,小牧市民病院への治療費として少なくとも8万8880円を支払ったこと,原告Aの上記小牧市民病院の治療費につき,国民健康保険給付として823万8837円,高額療養費及び福祉医療助成費支給分として260万1828円が支払われたこと,上記治療費のうち1万3890円は電話通信料であったことが認められる。 これらの事実によると,原告Aの平成11年8月19日までの治療費として236万7102円を認めるのが相当である。 計算式 87,260+13,045,517+88,880-8,238,837-2,601,828-13,890=2,367,102(2) 入院雑費 29万円原告Aが本件事故による傷害の治療のため,小牧市民病院に平成7年5月30日から同年11月7日までの162日間及び平成8年10月24日から平成9年2月28日までの128日間それぞれ入院していたことは当事者間で争いがない。 そして,上記原告の傷害の内容,程度,入院期間が長期であったこと等の事情を考慮すると,原告Aは,上記入院期間中,少なくとも1日当たり1000円の入院雑費を必要としたことが認められる。 そこで,原告Aの上記入院雑費を計算すると以下のとおり29万円となる。 計算式 1,000×290=290,000(3) 入院付添費 り1000円の入院雑費を必要としたことが認められる。 そこで,原告Aの上記入院雑費を計算すると以下のとおり29万円となる。 計算式 1,000×290=290,000(3) 入院付添費 0円上記争いのない事実等並びに証拠(甲2,3,6の①,②,7,8,35,52,94,被告D本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Cは,原告Aの上記入院期間中,同人に付き添ったこと,被告Dも,平成7年5月30日から同年11月7日までは,原告Aに付き添い散歩等を行っていたこと,しかし,小牧市民病院はいわゆる完全看護の病院であるところ,付添人の行うのはあくまで,入浴,自己導尿等の軽介助に過ぎなかったこと,原告Aの同病院の入院期間中の診断書(甲6の①)によると,付添看護を要した期間がなかった旨診断されていることが認められる。 これらの事実によると,原告Aの上記入院における入院付添いの必要性を認めることはできず,他にその必要性を認めるに足りる証拠はない。 したがって,原告Aに入院付添費を認めることはできない。 (4) 将来の看護費用 3067万8804円証拠(甲2,6の①,52,88,92ないし95,原告A,被告D各本人,調査嘱託(小牧市民病院))及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故により第1腰神経以下の完全麻痺,膀胱,直腸機能全廃の後遺障害が残存したこと,このため,原告Aは,日常生活において他人の介助が必要となったこと,しかし,原告Aは,上記部分以外の運動制限等がないこと,原告Aの平成12年8月17日当時のADL(日常生活動作)は,寝返りをする,椅子に腰掛ける,箸で食事をする,コップで水を飲む,シャツを着て脱ぐ,ブラシで歯を磨く,顔を洗いタオルで拭く,タオルを絞る動作は の平成12年8月17日当時のADL(日常生活動作)は,寝返りをする,椅子に腰掛ける,箸で食事をする,コップで水を飲む,シャツを着て脱ぐ,ブラシで歯を磨く,顔を洗いタオルで拭く,タオルを絞る動作は自立で,足を投げ出して座る,洋式便器に座る,排泄の後始末をする,ズボンをはいて脱ぐ,背中を洗う,車椅子で野外を移動する等の動作が半介助で,立つ,二階までの階段の昇降,公共の乗物を利用する等の動作が不能又は全介助で行えたこと,原告Aは,平成7年11月ころ,自己導尿等を軽介助で行えたこと,原告Aは,自動車の乗降に一定の介助があれば,自動車を一人で運転することが可能なことが認められる。 原告らは将来の看護費用として,原告Aが小牧市民病院退院後平均余命までの看護費用を請求するところ,これらの事実によれば,原告Aには,原告Aが小牧市民病院を退院した平成7年11月7日から原告Aの平均余命までの62年間(ただし,小牧市民病院第2回目入院中の平成8年10月24日から平成9年2月28日までの128日間は除く。)看護が必要であること,しかし,原告Aは上記のとおり相当程度日常生活を自立して行うことが可能であるから,その看護内容は日常生活の介助の範囲にとどまることが認められる。そしてこれによれば,原告Aの将来の看護費用としては1日当たり4500円として上記期間につき認めるのが相当であり,ライプニッツ係数により年5分の割合による中間利息を控除して原告Aの将来の看護費用を算定すると以下のとおり3067万8804円となる。 計算式 4,500×365×19.0288-4,500×128=30,678,804なお,原告らは,将来の看護費用の計算に用いる中間利息の控除につき,年2分の割合による新ホフマン係数を用いるべき旨主張する。 しかし,上記のとおり,本件においては 0×128=30,678,804なお,原告らは,将来の看護費用の計算に用いる中間利息の控除につき,年2分の割合による新ホフマン係数を用いるべき旨主張する。 しかし,上記のとおり,本件においては中間利息を控除する期間は相当長期にわたることは明らかであるところ,本件全証拠によっても上記期間にわたり原告らの主張する低金利の状況が継続するとは到底認めることができないこと,現実の資金運用は複利運用がされること等考慮すると,原告らの上記主張は採用できない。 (5) 通院交通費 32万0493円証拠(甲6の①,7,8,49,93,95)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年9月14日症状固定後も引き続き後遺障害の治療のため通院を継続する必要があること(ただし,平成8年10月24日から平成9年2月28日までの4か月間は原告Aは入院しているのであるから,通院の必要がない。),原告Aの通院は1か月に2回程度必要であること,原告ら居宅から小牧市民病院までの距離は往復で約50キロメートルであること,原告Aの後掲自動車は,約7キロメートルにつきガソリン1リットルを要すること,ガソリンは,1リットルあたり当たり約100円であることが認められる。 これらの事実によると,原告Aは,平成7年11月7日に小牧市民病院を退院した後平均余命に至るまでの62年間,月2回の割合で原告らの居宅から小牧市民病院に通院する必要があり,これらにつき,ライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して原告Aの通院交通費を算定すると以下のとおり32万0493円となる。 計算式 100×50÷7×2×12×19.0288-100×50÷7×2×4=320,493(6) 購入済みの車椅子代等 113万8978円ア 万0493円となる。 計算式 100×50÷7×2×12×19.0288-100×50÷7×2×4=320,493(6) 購入済みの車椅子代等 113万8978円ア車椅子(1台目) 20万円争いがない。 イ車椅子(2台目) 7万2000円争いがない。 ウ療養ベッド一式 34万5359円証拠(甲18,65,67,68,89)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成9年2月14日,療養ベッド一式を34万5359円で購入したこと,原告Aは,後遺障害により,特殊寝台及びその附属機器を必要とすることが認められる。 したがって,上記療養ベッド等の支出は本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。 これに対し,被告らは,原告Aが公費補助を受けたことを理由に実際の負担が異なる旨主張するが,公費補助が実際に支出されたことを認めるに足りる証拠はなく,採用することができない。 エベッドサイドテーブル 4万6144円争いがない。 オ装具 5万9600円争いがない。 カ装具 10万4640円争いがない。 キエアークッション 3万9600円上記認定事実並びに証拠(甲37,53,71,90)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年12月20日,車椅子用褥瘡予防マット1枚(1万9800円相当。)を購入し,平成8年1月8日,これを返品したこと,原告Aは,平成12年7月15日,車椅子用ロホクッション2枚(1枚4万5000円相当。)を購入したこと,原告Aは,上記後遺障害により下半身が痩せているため,褥瘡予防用マットを敷く必要があることが認められる ,平成12年7月15日,車椅子用ロホクッション2枚(1枚4万5000円相当。)を購入したこと,原告Aは,上記後遺障害により下半身が痩せているため,褥瘡予防用マットを敷く必要があることが認められる。 そこで,原告Aのエアークッション代金として少なくとも1枚1万9800円のエアークッションが2枚必要であったことが認められ,これは原告Aの本件事故と相当因果関係がある損害と認められる。 これに対し,原告らは,エアークッションとして1枚4万5000円のロホクッションが必要である旨主張するが,原告Aに上記ロホクッションのような高額なエアークッションが必要であることを認めるに足りる証拠はない。 ク車両購入費 27万1635円上記認定事実並びに証拠(甲20ないし23,70)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成9年5月ころ,原告A自身が運転するための運転装置を備えた車両を購入したこと,同運転装置を設置するためには25万8700円(消費税は含まれていない。)の費用が必要であることが認められる。 これらの事実によると,原告Aには,上記後遺障害により,自動車を買い換えるたびに,上記運転装置を設置する必要があるといえるのであるから,上記運転装置設置費用相当額を本件事故による損害と認めるのが相当である。 したがって,原告Aの車両購入費として27万1635円(消費税額相当分を考慮する。計算式 258,700×1.05=271,635)が認められる。 なお,原告らは,上記車両の車両自体の価額も併せて損害として主張するが,本件事故と相当性を有するのは上記の改造費に限定するのが相当である。 ケ紙おむつ代等 0円原告らは,おむつ代等のうち43か月分合計172万円を既払分の紙おむつ代等である旨主張する。し るのは上記の改造費に限定するのが相当である。 ケ紙おむつ代等 0円原告らは,おむつ代等のうち43か月分合計172万円を既払分の紙おむつ代等である旨主張する。しかし,これらが現実に支払われたことを認めるに足りる証拠はなく,また,おむつ代等は後掲の将来の紙おむつ代等において考慮するので,原告らの上記主張を認めることはできない。 (7) 将来の車椅子代等 620万7097円ア車椅子 133万7420円(ア) 証拠(甲13,17,40,41,44,45,66,原告A本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,後遺障害によりその移動には車椅子が必要であること,原告Aは,平成8年2月29日,車椅子を20万円で購入したこと,また,原告Aは,同年12月21日,20万円の車椅子(市の補助金として12万8000円が支払われた。)を取得したこと,原告Aは,階段の昇降時に車椅子を携帯できないことから,上記2台の車椅子を,1台を自宅の1階に,もう1台を自宅の2階に置いていることが認められる。 (イ) そこで,上記1台目の車椅子の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が満了する平成13年2月(事故後5年)から原告Aの平均余命までの間,順次1台20万円の車椅子の買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり68万5040円となる。 計算式200,000×(0.7835+0.6139+0.4810+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.1420+0.1112+0.0872+0.0683+0.0535)=685,040(ウ) また .7835+0.6139+0.4810+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.1420+0.1112+0.0872+0.0683+0.0535)=685,040(ウ) また,上記2台目の車椅子の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が満了する平成13年12月(事故後6年)から原告Aの平均余命までの間,順次1台20万円の車椅子が2階の移動又は予備の車椅子として買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり65万2380円となる。 計算式200,000×(0.7462+0.5846+0.4581+0.3589+0.2812+0.2203+0.1726+0.1352+0.1059+0.0830+0.0650+0.0509)=652,380(エ) なお,被告は,将来の公的扶助がある蓋然性が高いとしてこれを考慮して原告らの損害を算定すべき旨主張する。しかし,原告らに対する公的扶助を被告らが賠償すべき損害から控除すべき根拠が明らかでないこと,将来も公的扶助が確定的に受けられるか否か明らかではないことからすれば,原告らの将来の車椅子等の購入費用の算定に当たり現行の公的扶助制度の存在を考慮することは相当でない。 イ療養ベッド 64万2920円証拠(甲18,67,89)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成9年2月14日に療養ベッド一式を34万5359円で購入したこと,原告Aは,後遺障害により障害者用の特殊寝台が必要であることが認められる。 そこで,上記療養ベッド等の耐用年数(耐用年数は8年が相当である。)が満了する平成17年2月(事故後9年)から原告Aの平均余命までの間,順次療養ベッド一式(価格は34 必要であることが認められる。 そこで,上記療養ベッド等の耐用年数(耐用年数は8年が相当である。)が満了する平成17年2月(事故後9年)から原告Aの平均余命までの間,順次療養ベッド一式(価格は34万5359円相当。)の買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり64万2920円となる。 計算式 345,359×(0.6446+0.4362+0.2953+0.1998+0.1352+0.0915+0.0590)=642,920ウ床ずれ防止用マット 15万0828円証拠(甲37,90,99,103の①ないし④)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年12月20日,褥瘡予防用マットであるソフトナースイエロー2枚(1枚4万2800円相当。)を購入し,平成8年5月23日,同商品2枚(1枚3万8520円相当。)を購入したこと,原告Aは,後遺障害のため,褥瘡が発生する危険があり,寝具等に褥瘡予防用マットを敷く必要があることが認められる。 そこで,上記最初に購入した褥瘡予防用マット(耐用年数は8年が相当である。)の耐用年数が満了する平成15年12月(事故後8年)から原告Aの平均余命までの間,順次褥瘡予防用マット2枚(1枚3万8520円相当。)の買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり15万0828円となる。 計算式 38,520×(0.6768+0.4581+0.3100+0.2098+0.1420+0.0961+0.0650)=75,41475,414×2=150,828エベッド用マット 7万8312 +0.4581+0.3100+0.2098+0.1420+0.0961+0.0650)=75,41475,414×2=150,828エベッド用マット 7万8312円証拠(甲37,90)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年12月20日,ベッド用マットレス1枚(1枚4万円相当。)を購入したこと,原告Aが使用している上記療養ベッドの代金にはマットレスの代金が含まれていないこと,したがって,原告Aは,上記後遺障害による褥瘡予防等のため,上記ベッド用マットレスが必要であることが認められる。 そこで,上記ベッド用マットレスの耐用年数(耐用年数は8年が相当である。)が満了する平成15年12月(事故後8年)から原告Aの平均余命までの間,順次ベッド用マットレス1枚(1枚4万円相当。)の買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり7万8312円となる。 計算式 40,000×(0.6768+0.4581+0.3100+0.2098+0.1420+0.0961+0.0650)=78,312オエアークッション 13万5636円前記のとおり,原告Aは,後遺障害により,車椅子用の褥瘡予防マットが2枚必要(1枚1万9800円相当。)であること,原告Aは,平成12年7月15日,車椅子用褥瘡予防マットを買い換えたことが認められる。 そこで,上記買換え期間である平成12年7月(事故後5年)から原告Aの平均余命までの間,順次エアークッション(1枚1万9800円相当。)の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が満了するごとにその買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数に の間,順次エアークッション(1枚1万9800円相当。)の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が満了するごとにその買換えが必要であるとして,これらの買換費用の本件事故時の現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり13万5636円となる。 計算式19,800×(0.7835+0.6139+0.4810+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.1420+0.1112+0.0872+0.0683+0.0535)=67,81867,818×2=135,636カ車両 38万9225円上記認定事実によると,原告Aは,平成9年5月ころ,原告A自身が運転するための運転装置を備えた車両を購入したこと,同運転装置を設置するには27万1635円(消費税込み)の費用が必要であること,原告Aは上記後遺障害により同運転装置が必要となることが認められる。 そこで,上記車両の耐用年数(耐用年数は10年が相当である。)が満了する平成19年5月(事故後11年後)から原告Aの平均余命までの間,順次車両の購入ごとに上記運転装置の改造が必要となり,これらの改造費用の本件事故時における現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり38万9225円となる。 計算式 271,635×(0.5846+0.3589+0.2203+0.1352+0.0830+0.0509)=389,225キ紙おむつ代等 347万2756円上記認定事実並びに証拠(甲2,3,24ないし28,47,48,53,59,76ないし85)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,後遺障害により相当量の紙おむつ,医療品等が必要となること,原告Aは,平 上記認定事実並びに証拠(甲2,3,24ないし28,47,48,53,59,76ないし85)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,後遺障害により相当量の紙おむつ,医療品等が必要となること,原告Aは,平成11年10月13日から平成12年1月18日までの間に,合計8万6086円のおむつ,お灸,ティッシュ等を購入したこと,しかし,その後同年5月19日までの3か月間は新たにおむつ等を購入する必要がなかったこと,原告Aは同日から同年8月29日までの間で,合計10万4280円をおむつ代等で支出したこと,これらの支出は将来増える可能性があることが認められる。 これらの事実を総合すると,原告Aは,少なくとも症状固定後平均余命までの間,上記後遺障害により1日500円程度のおむつ及び医療品等の支出を行う必要があったと認められ,将来の紙おむつ代等の費用の本件事故時における現価をライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して算出すると以下のとおり347万2756円となる。 計算式 500×365×19.0288=3,472,756(8) 住宅改造費等(既払分,将来分を含む) 415万8136円ア証拠(甲2,3,37,50,51,91,99,乙12の①ないし⑥)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,原告らの居宅において在宅療養するために,原告居宅を改造したこと,F株式会社作成の見積書(甲37)によると,住宅改造費用として551万0170円(消費税を含む。)が必要であると見積もられていたこと,しかし,同見積書の工事内容には,階段床カーペット撤去,敷込工事,セラムヒート防湿壁取付等その必要性に疑問があるものもあること,また,浴室,トイレ,洗面台等の工事は,原告A以外の家族の利便にも供することが認められる。 これらの事実からすれば,原告Aのための住宅改 ラムヒート防湿壁取付等その必要性に疑問があるものもあること,また,浴室,トイレ,洗面台等の工事は,原告A以外の家族の利便にも供することが認められる。 これらの事実からすれば,原告Aのための住宅改造費として上記見積額のうち被告に負担させるべき金額は,その8割とするのが相当である。 したがって,本件事故と因果関係を有する住宅改造費は440万8136円となる。 計算式 5,510,170×0.8=4,408,136イそして,証拠(甲65)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,公的扶助として可児市より身体障害者住宅改善費助成金25万円の給付を現実に受けたことが認められるのであるから,上記住宅改造費のうち被告らが賠償すべき責任があるのは上記助成金を控除した415万8136円とするのが相当である。 ウなお,原告らは,被告らに対し,主位的に原告Aが将来取得する住宅の購入費用の一部3000万円を,予備的に現在の住居に将来改造する必要がある部分の改造費として2085万7725円を将来の住宅購入費用として請求する。 しかし,本件全証拠によっても,上記住宅購入や住宅改造の必要性を認めるに足りる証拠はなく,原告の上記主張を採用することはできない。 (9) 休業損害 62万7588円証拠(甲2,31ないし34,36,95,原告A本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成7年5月18日から同年5月29日までの12日間訴外有限会社Gにおいてアルバイト店員として服及び靴の販売に従事していたこと,その報酬として合計6万9733円を得たこと,原告Aは,本件事故により就労することができないまま,同年9月14日,症状固定となったことが認められる。 これらの事実によれば,原告Aは,本件事故当時,1日当たり5811円(計算式69,73 こと,原告Aは,本件事故により就労することができないまま,同年9月14日,症状固定となったことが認められる。 これらの事実によれば,原告Aは,本件事故当時,1日当たり5811円(計算式69,733÷12=5,811)の収入を得ていたこと,原告Aは,本件事故により,本件事故日から上記症状固定日までの108日間休業せざるを得なかったことが認められる。 したがって,原告Aの本件事故による休業損害として62万7588円を認めるのが相当である。 計算式 5,811×108=627,588(10) 後遺障害による逸失利益 5179万9075円上記認定事実並びに証拠(甲2,3,29ないし34,36,原告A本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは本件事故当時21歳であったこと,原告Aは,専門学校卒業後2か月で本件事故に遭い就労が不能となったこと,原告Aは,本件事故により自賠法施行令2条別表1級3号に該当する後遺障害(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの。)を残し,労働能力を10割喪失したこと,原告Aは,本件事故当時,訴外有限会社Gにおいてアルバイト店員として服及び靴の販売を行っていたこと,原告Aの本件事故当時のアルバイトによる収入は日給約5811円であったこと,これは同性,同年代,同学歴の収入の7割3分程度に過ぎないこと,原告Aは,上記アルバイトを継続する意思はなく,むしろ,転職してサーフィン店等のスポーツインストラクターになることを希望していたこと,しかし,新たな就職先は面接を受けることが決まっていただけで正式に採用が決まってはいなかったことが認められる。 そしてこのような原告Aの職歴,収入,将来の希望する職業,その就職の可能性等の事実に照らすと,原告Aが生涯を通じて同性,同年代,同学歴の平均賃金 正式に採用が決まってはいなかったことが認められる。 そしてこのような原告Aの職歴,収入,将来の希望する職業,その就職の可能性等の事実に照らすと,原告Aが生涯を通じて同性,同年代,同学歴の平均賃金を得られる蓋然性が高いとまで認めることはできない。しかし,原告Aは本件事故当時21歳と若年であり,専門学校卒業後2か月で本件事故に遭い就労が不能となった等の事情を考慮すれば,これから転職等を行うことにより同年代の労働者と同様,その収入が増加する蓋然性は高いと認められる。 そこで,症状固定時である平成7年賃金センサス第1巻第1表産業計・企業規模計・高専,短大卒・女子労働者の全年齢平均賃金の8割相当である289万7040円をもって原告Aの基礎収入とするのが相当である。 そして,原告Aは,本件事故当時21歳であったところ,本件事故に遭わなければ,本件事故時から67歳になるまでの46年間就労が可能であったのであるから,ライプニッツ係数により年5分の割合で中間利息を控除して原告Aの後遺障害による逸失利益を算定すると以下のとおり5179万9075円となる。 計算式 2,897,040×17.8800=51,799,075ところで,原告らは,原告Aの逸失利益の算定につき,既存の賃金額の男女較差を基礎収入の認定に考慮することが,男女平等の理念に反する旨主張する。 しかし,本件においては,原告Aが本件事故に遭わなければ現実に得べかりし逸失利益を諸般の資料を基礎として算出するのが相当であり,原告らの主張がこれと異なる趣旨をいうのであれば,独自の見解として採用できない。 (11) 傷害慰謝料 161万円原告Aの症状固定までの入院期間,本件事故の態様,本件事故による傷害の程度等考慮すると,原告Aの傷害慰謝料は161万円 。 (11) 傷害慰謝料 161万円原告Aの症状固定までの入院期間,本件事故の態様,本件事故による傷害の程度等考慮すると,原告Aの傷害慰謝料は161万円と認めるのが相当である。 (12) 後遺障害慰謝料 1400万円上記原告Aと被告Dとの関係,本件事故に至るまでの経緯,特に原告Aが同乗するに至った経緯,原告Aの後遺障害の内容,程度,原告Aは症状固定後も手術を受けたほか,相当期間入院が必要であったこと,他方,後掲のとおり,原告B,原告Cにそれぞれ固有の慰謝料を認めること等の諸般の事実に照らすと,原告Aの後遺障害慰謝料の額は1400万円と認めるのが相当である。 (13) 弁護士費用 400万円原告Aの本件損害額及び本件訴訟の経緯等に照らすと,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,原告Aについて400万円とするのが相当である。 (14) 損益相殺上記争いのない事実等記載のとおり,被告らは,原告Aに対し,合計3086万0730円を損害金の内金として支払っているのであるから,同金額を上記原告Aの損害金に充当すると,被告らが原告Aに賠償すべき損害金残金は8633万6543円となる。 3 争点(3)(原告B及び同Cの損害)(1) 慰謝料各200万円証拠(甲36,52,74,75,92ないし94,乙5,8)及び弁論の全趣旨によると,原告B,同Cは,同Aの両親であり,同Aの重大な傷害,後遺障害により多大な精神的苦痛を受けたこと,原告B,同Cは,今後同Aの介護を継続する必要があることが認められる。 そして,これらの事情その他本件にあらわれた諸般の事情を考 あり,同Aの重大な傷害,後遺障害により多大な精神的苦痛を受けたこと,原告B,同Cは,今後同Aの介護を継続する必要があることが認められる。 そして,これらの事情その他本件にあらわれた諸般の事情を考慮すると,原告B及び同Cの慰謝料の額は各200万円と認めるのが相当である。 (2) 弁護士費用各20万円上記原告B及び同Cの損害額及び本件訴訟の経緯に照らすと,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,原告B及び同Cについて各20万円とするのが相当である。 (3) 損害金合計各220万円第4 結論以上によれば,原告Aの請求は,上記損害金8633万6543円及びこれに対する本件事故日である平成7年5月30日以降完済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告B及び同Cの請求は,上記損害金各220万円及びこれに対する本件事故日である平成7年5月30日以降各完済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるので,これを認容し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第3部裁判長裁判官北澤章功裁判官堀内照美裁判官小島清二

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