平成19(行ス)4 執行停止申立却下決定に対する抗告事件(原審・大阪地方裁判所平成19年(行ク)第7号)

裁判年月日・裁判所
平成19年3月1日 大阪高等裁判所 その他
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判決文本文8,411 文字)

- 1 -主文 原決定を取り消す。 大阪市西成区長は,抗告人に対し,大阪地方裁判所平成19年(行ウ)第14号住民票消除処分差止め請求事件の判決確定に至るまで,仮に住民票の消除処分をしてはならない。 本件執行停止申立費用及び抗告費用は相手方の負担とする。 理由 第1抗告の趣旨及び理由 抗告の趣旨主文同旨 抗告の理由別紙「抗告理由書」記載のとおりである。 相手方の意見別紙「意見書」記載のとおりである。 第2事案の概要 事案の骨子(1)本案訴訟は,大阪市西成区(以下「西成区」という。)の区長(以下「西成区長」という。)が作成する住民基本台帳に住民として記録されている抗告人が,西成区長が住民基本台帳法8条に基づき職権により行おうとしている抗告人の住民票の消除処分(以下「本件消除処分」という。)は,違法であって,かつ,本件消除処分がされることにより重大な損害が生ずるおそれがあるなどとして,行政事件訴訟法37条4第1項に基づき,西成区長は本件消除処分をしてはならない旨を命ずること(本件消除処分の差止め)を求める事案である。 そして,抗告人は,同法37条の5第2項に基づき,本件消除処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある- 2 -などとして,西成区長は本案訴訟の判決確定まで仮に本件消除処分をしてはならない旨を命ずること(本件消除処分の仮の差止め)を求めた(本件執行停止の申立て)。 (2)原審裁判所は,平成19年2月20日,抗告人の本件執行停止申立てを却下した(原決定)。 (3)抗告人は,原決定を不服として,本件抗告を申し立てた。 当事者の主張抗告人の主張は,原決定別紙1の1ないし5記載のとおりであり,相手方の主張は,原決定別紙2の1ないし3記載のとおりであるから )抗告人は,原決定を不服として,本件抗告を申し立てた。 当事者の主張抗告人の主張は,原決定別紙1の1ないし5記載のとおりであり,相手方の主張は,原決定別紙2の1ないし3記載のとおりであるから,これを引用する。 争点 ①本件執行停止申立てについて適法な本案訴訟の係属を欠くか否か②本件消除処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるか否か③本案について理由があるとみえるか否か第3当裁判所の判断 当裁判所は,抗告人の本件執行停止申立ては理由があるから認容すべきものと判断する。その理由は,以下のとおりである。 法令の定め,前提となる事実については,原決定「理由」中の「第3当裁判所の判断」1,2欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 争点①(本件執行停止申立てについて適法な本案訴訟の係属を欠くか否か)及び争点②(本件消除処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるか否か)についてこの点に関する当裁判所の判断は,原決定「理由」中の「第3当裁判所の判断」3,4欄に記載のとおりであるから,これを引用する。 争点③(本案について理由があるとみえるか否か)について(1)抗告人の住民基本台帳法にいう住所- 3 -ア住民基本台帳法4条は,住民の住所に関する法令の規定の解釈は,地方自治法10条1項に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならないと規定し,同項は,市町村の区域内に住所を有する者は,当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とすると規定する。 そこで,地方自治法10条1項にいう住所の意義について検討するに,およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合,反対の解釈をすべき特段の事由のない限り,その 住民とすると規定する。 そこで,地方自治法10条1項にいう住所の意義について検討するに,およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合,反対の解釈をすべき特段の事由のない限り,その住所とは各人の生活の本拠(民法22条参照)を指すものと解されるところ,地方自治法10条1項にいう住所は,これと別異に解すべき特段の事由は見いだせない。したがって,同項にいう住所とは,生活の本拠,すなわち,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものであり,一定の場所がある者の住所であるか否かは,客観的に生活の本拠たる実態を具備しているか否かにより決すべきものと解される。 イ前記前提となる事実に加え,審尋期日における抗告人の陳述等によれば,以下の各事実が一応認められる(抗告人の陳述以外の疎明資料等により認定した事実については,末尾に当該疎明資料証拠等を示す。)。 (ア)抗告人は,抗告人あての郵便物の郵送先をαとしており,α1階所在のA組合事務所で保管してもらい,自己あての郵便物を受領するため,定期的に同事務所を訪れてα1階に入り,その際,同事務所の事務員と雑談等をすることもあるが,αを起臥寝食の場所としたことはなく,αの2階以上に入ったこともない。 (イ)抗告人が平成16年11月15日にαを住所とする転居届をしたのは,自動車運転免許証の更新のために住民票の写しが必要であったことから,知人等に相談したところ,αを住所として転入届をすることを助言されたためであった。 (ウ)抗告人は,上記転居届をして以降,大阪市β×番内に所在する簡易- 4 -宿所のいずれかに宿泊し,γにおいて求職活動を行った上,大阪近郊ないし遠方の建設現場での仕事に従事しており,遠方の建設現場の仕事に従事する際には,その間,簡易宿所を出て,いわゆる飯場生 - 4 -宿所のいずれかに宿泊し,γにおいて求職活動を行った上,大阪近郊ないし遠方の建設現場での仕事に従事しており,遠方の建設現場の仕事に従事する際には,その間,簡易宿所を出て,いわゆる飯場生活を送っている(以下,飯場生活を要する遠方の建設現場の仕事に従事することを「出張」という。)。抗告人がγにいるのは,1年のうち5割から6割くらいの期間である。 抗告人が遠方の仕事に行く際の出張先は近畿地方が多く,今までの出張先でもっとも遠かったのは山梨であった。 抗告人は,大阪近郊の仕事も出張を要する遠方の仕事もγにおいて求職しており,出張先において求職することはない。 抗告人が継続してγの簡易宿所に宿泊しない期間は長くて1箇月であり,遠方に出張しているときも,週末や仕事がないときには,原則仕事終了時に一括で支払われることとなっている賃金を一部前借りしてγに戻ることが相当程度ある。抗告人が出張先からγに戻らずに次の出張の仕事に行くことはない。 抗告人は,遠方の建設現場に出張に行く際は,荷物はすべて持っていき,γにおいて預けていくことは原則としてないが,郵便物についてはαを郵送先としてγにおいて受領している。 (エ)抗告人がγにおいて宿泊する簡易宿所は,特定の2ないし3の簡易宿所のいずれかであり,いずれも,各部屋は3畳程度の広さの1人部屋で,テレビ,冷蔵庫,冷暖房施設が備え付けられているほか,共同の調理設備,洗面台,入浴施設,コインランドリー等がある。 抗告人がγにおいて宿泊する簡易宿所の宿泊料は日払いの前払いであるが,1週間分等をまとめて支払えば割引となる制度となっている。正月と盆の特に簡易宿所が混み合う時期を除いては,希望の設備等を有する簡易宿所に宿泊することができ,γにおいて宿泊するときは,特定の- 5 -簡易宿所に宿泊することとする となる制度となっている。正月と盆の特に簡易宿所が混み合う時期を除いては,希望の設備等を有する簡易宿所に宿泊することができ,γにおいて宿泊するときは,特定の- 5 -簡易宿所に宿泊することとすることはできるが,特定の簡易宿所の特定の部屋に宿泊することはできない。 抗告人は,γにいるときは,必ず簡易宿所で寝泊まりし,入浴等も同所で行っている。 ウ上記認定事実によれば,抗告人は,大阪市β×番内に所在する特定の2,3軒の簡易宿所に1年のうち5割ないし6割くらいの期間宿泊し,γにおいて求職活動を行った上,大阪近郊ないし遠方の建設現場での日雇いの仕事に従事し,遠方の建設現場の仕事に従事する際には,その間,簡易宿所を出ていわゆる飯場生活を送ることになるが,週末や仕事がないときなどはγに戻って来ており,継続してγに戻らない期間は長くて1箇月というのであるから,抗告人の生活の本拠は抗告人がγにおける宿泊先としている上記簡易宿所の所在地にあると認めるのがふさわしいと考えられる。 そして,相手方は,そのように近くの宿舎を転々として利用する住民の場合,その住民は主として宿泊する簡易宿所を住所として届ければよいとの考えで,宿泊した部屋番号までを住所として届ける必要はなく,また宿泊する宿所が変わるごとに転出,転入の手続きをする必要がないとの取り扱いをするようである。 他方,上記認定事実によれば,抗告人は,γに滞在している間は必ず宿泊先の簡易宿所を起臥寝食の場所としており,αを起臥寝食の場所としたことはなく,単に同所を自己あての郵便物の郵送先として利用しているにすぎないということができるから,α所在地が抗告人の生活の本拠,すなわち抗告人の生活にもっとも関係の深い一般的生活,全生活の中心であるとみることは困難であるといわざるをえない。 そうであれば,抗告人の住 ないということができるから,α所在地が抗告人の生活の本拠,すなわち抗告人の生活にもっとも関係の深い一般的生活,全生活の中心であるとみることは困難であるといわざるをえない。 そうであれば,抗告人の住所は,大阪市β×番内に所在する特定の2,3軒の簡易宿所のうちの主として利用している簡易宿所ということになるはずである。 - 6 -ところが,原決定も指摘するとおり(原決定18頁24行目から19頁9行目),相手方の主張によっても,今回のαにおける大量の住民票消除処分の経過について簡易宿所業者の組合に対して説明を行っており,今後,簡易宿所における居住実態を明らかにするための何らかのルール作りについて,簡易宿所業者の組合と調整を進めているところであるというのであり,このような状況の下においては,本件消除処分がされた後大阪市議会議員の一般選挙等の投票日までに,抗告人が簡易宿所の所在地に住所を有するものとして職権による住民票の回復を受け又は選挙管理委員会により公職選挙法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の表示の抹消を確実に受けることができるとはにわかに認め難く,また,上記選挙の際に抗告人において投票事務従事者に対し投票が認められるために必要な当該表示が誤っていることを明らかにする資料の提示等を行うことが容易であるとも認め難い。そうすると,抗告人の住所としての実体を有する簡易宿所での住民登録が支障なく行われるとの保証の得られない現状において,抗告人が主として利用し,本来住所と考えられる簡易宿所とαの住所が同じβ×番内であり,非常に近いこと,抗告人は,平成16年11月からαを住所として届出しており,一時期,同所β×番17号δ×××号室に転居した旨の届出をしたが,相当期間,αを住所として届出していて,格別問題が生じていないことなどを総合して考 ,平成16年11月からαを住所として届出しており,一時期,同所β×番17号δ×××号室に転居した旨の届出をしたが,相当期間,αを住所として届出していて,格別問題が生じていないことなどを総合して考えると,少なくとも,上記の相手方と簡易宿所業者の組合との調整がまとまり,その調整が抗告人ら住民に周知されるまでは,αを住所とみる余地も十分あるというべきである。 なお,相手方は,平成19年3月1日の意見書において,簡易宿所における住民登録を認める具体的な基準を定め,それらの方針を簡易業者の組合に伝え,同日から実施することとして,その居住実体の証明のためのルールを確立した旨主張するが,その疎明が必ずしも十分ではないうえ,このようなルールについては相当の周知期間が必要と考えられることに照- 7 -らすと,上記判断は左右されない。 したがって,本件執行停止の申立てについては,行政事件訴訟法37条の5第2項にいう「本案について理由があるとみえるとき」に該当するというべきである。 (2)本件消除処分と信義則の適用について仮に,抗告人の住所としてαを認めることができないとき,相手方の本件消除処分が信義則により許されないか否かについて検討する。 抗告人の住所としてαを認めることができないときには,抗告人の住所は,大阪市β×番内に所在する特定の2,3軒の簡易宿所のうちの主として利用している簡易宿所ということになるはずであり,以前,抗告人が住所として届け出た大阪市β×番17号δ(×××号室)やその他利用したことのある簡易宿所でよいはずであり,抗告人は,同所での住所の届出をすべきであると考えられる。 しかしながら,前記認定のとおり,相手方は,今回のαにおける大量の住民票消除処分の経過について簡易宿所業者の組合に対して説明を行っており,今後,簡易宿所における居 届出をすべきであると考えられる。 しかしながら,前記認定のとおり,相手方は,今回のαにおける大量の住民票消除処分の経過について簡易宿所業者の組合に対して説明を行っており,今後,簡易宿所における居住実態を明らかにするための何らかのルール作りについて,簡易宿所業者の組合と調整を進めているところであるところ,平成18年12月上旬ころαの所在地を住所として住民基本台帳に記録されている者は3000人を超えているというのであり,αの規模,住居部分の広さ等を考慮すると,そのかなりの多くの者が簡易宿所を住所として届出することが容易に予想されることなどを考えると,未だその調整ないし確定したルール等について周知されていないはずの抗告人が,利用している簡易宿所を住所として届出することに躊跨することも十分理由があるものというべきであり,現に抗告人がその簡易宿所を住所として届出したとして,その簡易宿所の経営者が抗告人をそこに住所を有しているとして認め,支障なく郵便物を預かり,後で手渡す等の労をいとわないでしてくれるか否か必ずしも明- 8 -確ではないと思われる。なお,相手方主張の簡易宿所における住民登録を認める具体的な基準を定め,それらの方針を簡易業者の組合に伝え,平成19年3月1日から実施することとしたとの事情も,上記認定を左右するものではない。 そうすると,抗告人が住所としての実体を有する簡易宿所を住所として支障なく住所として届出することができるとの保証が得られているとはいえない現状において,αの住所が本来の住所でないとして,相手方が本件消除処分を行うことは信奉則に反して許されないといわざるをえない。 これに対し,相手方の主張するとおり,αの所在地を住所として住民基本台帳に記録されている者の少なくとも大部分が同所に生活の本拠を有していない蓋然性が高く 信奉則に反して許されないといわざるをえない。 これに対し,相手方の主張するとおり,αの所在地を住所として住民基本台帳に記録されている者の少なくとも大部分が同所に生活の本拠を有していない蓋然性が高く,しかも,大阪市選挙管理委員会においてその事実を認識していながら,このような者について公職選挙法42条1項の定める選挙人名簿の被登録資格ないし同法9条2項の定める住所要件を一律に認めて大阪市議会議員の一般選挙等におけるその投票を認めるとすれば,選挙の管理執行の手続に関する規定に違反するものとして,選挙無効の原因となり得るものといわなければならない。すなわち,抗告人のように住民基本台帳法4条にいう住所すなわち生活の本拠でない場所を住所とする住民票の記載がされている者については,同法8条,住民基本台帳法施行令12条3項の規定に基づき,職権により抗告人に係る住民票の消除をすることができるところ,住民基本台帳制度は,市町村において,住民の居住関係の公証,選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り,あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため,住民に関する記録を正確かつ統一的に行うことを目的とする制度として規定されたものであるが,住民基本台帳法において住民票の記載等は原則として住民としての地位の変更に関する届出によってするものとされており(8条,14条1項,21条,51条等),住民基本台帳法及び公職選挙法- 9 -は,住民基本台帳の記録等に基づいて選挙人名簿の登録,抹消及び同法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の表示等をすることを予定していることにかんがみると,住民票の消除がされて市町村長から当該市町村の選挙管理委員会にその旨の通知がされた場合,その者が当該市町村の区域内に による住所を有しなくなった旨の表示等をすることを予定していることにかんがみると,住民票の消除がされて市町村長から当該市町村の選挙管理委員会にその旨の通知がされた場合,その者が当該市町村の区域内に生活の本拠を有している可能性の有無いかんにかかわらず,当該選挙管理委員会は,その者が当該市町村長に対し当該市町村の区域内に住所を有していることを証明して職権による住民票の回復を受け,市町村長か当該選挙管理委員会にその旨の通知がされ,又はその者が当該選挙管理委員会に対し上記の証明をしない限り,その者について選挙人名簿への同法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の表示及び同法28条2号の規定による選挙人名簿からの抹消をすべきであり,そのような措置を講じることなくその者について選挙における投票を認めた場合には,選挙の管理執行の手続に関する規定に違反するものとして,選挙無効の原因となることがあると解される。そして,その趣旨からすれば,選挙管理委員会が選挙人名簿に登録されている者について生活の本拠でない場所を住所とする住民票の記載がされている事実を知った場合,職権による当該住民票の消除及びその旨の当該市町村長からの当該選挙管理委員会に対する通知がされていなくても,当該選挙管理委員会において同法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の表示をせずにその者の投票を認めることは,同様に選挙の管理執行の手続に関する規定に違反するものとして選挙無効の原因となると解する余地がある。 そして,αの所在地を住所として住民基本台帳に記録されている者の少なくとも大部分が同所に生活の本拠を有していない蓋然性が高く,しかも,その事実が報道されているというのであるから,大阪市選挙管理委員会においてこのような者につき同法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の が同所に生活の本拠を有していない蓋然性が高く,しかも,その事実が報道されているというのであるから,大阪市選挙管理委員会においてこのような者につき同法27条1項の規定による住所を有しなくなった旨の表示をせずに大阪市議会議員の一般選挙等におけるその投票を認めるとすれば,選挙の管理執行の手続に関する規定に違反するものとして,選挙無効の- 10 -原因となると解する余地があるというべきである。 しかしながら,αを住所とする約3000人の者を一律に判断すべきではなく,その中には,実際にαに居住している者もあると推測され,大阪市内に住所を認めることができない者も存在するかもしれないところ,抗告人は本案訴訟を提起し,本件執行停止申立事件を申し立てたこともあって,大阪市β×番内の簡易宿所が本来の住所であることが認められることになったのであるから,今後,本案訴訟等において他の住所があると判明しない以上,εに居住する住民として選挙権等を行使できることは疑いのない事実である。 したがって,少なくとも,抗告人に限ると,本件消除処分をしないと,選挙無効の原因になる恐れはないというべきである。 その他,相手方主張の事情を掛酌しても,本件消除処分は,信義則に反して許されないといわざるをえない。 よって,本件抗告は理由があるから,原決定を取り消し,本件執行停止の申立てを認容することとして,主文のとおり決定する。 平成19年3月1日大阪高等裁判所第1民事部裁判長裁判官横田勝年裁判官東畑良雄裁判官植屋伸一

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