平成30(行コ)200 行政処分取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成30年10月18日 東京高等裁判所
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判決文本文1,977 文字)

- 1 - 平成30年10月18日判決言渡平成30年(行コ)第200号行政処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成29年(行ウ)第451号) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が平成28年10月7日付けでした日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約に基づく控訴人の日本国への引渡請求処分を取り消す。 第2 事案の概要(略称は原判決の例による。) 1 本件は,被控訴人(所轄庁は警察庁)が,日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約(本件条約)に基づき,平成28年10月7日付けで,アメリカ合衆国(米国)を被請求国として,米国に居住する控訴人につき,建造物損壊被疑事件に係る逮捕状が発付されていることを理由に,日本国への引渡しを請求したこと(本件引渡請求)に対し,控訴人が,本件引渡請求は違法な行政処分であると主張して,被控訴人を相手にその取消しを求める事案である。 原審は,控訴人の上記訴えを却下し,控訴人は,これを不服として控訴をした。 2 本件条約の定めは,原判決別紙2のとおりである。 3 前提事実,本件における本案前の争点及びこれに対する当事者の主張は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の2及び3記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決6頁8行目の末尾に改行して以下を加える。 - 2 - 「 本件引渡請求の本件条約適合性が米国に委ねられているとすると,引渡対象者は,日本国の法令上の可罰性やその前提として被疑事実に誤りが 判決6頁8行目の末尾に改行して以下を加える。 - 2 - 「 本件引渡請求の本件条約適合性が米国に委ねられているとすると,引渡対象者は,日本国の法令上の可罰性やその前提として被疑事実に誤りがあることなどを争うすべがないまま人身の自由を奪われる。 引渡請求の適否は,逮捕の適否とは全く異なるから,行政事件訴訟の対象外とする理由にはならない。」第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件引渡請求の適否について日本国において行政事件訴訟を提起して争うことは許されないと解すべきであるから,控訴人の訴えは不適法であり,却下すべきものと判断する。その理由は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」1ないし4記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決7頁25行目の「裁判所に付託され,」の次に「引渡請求が有罪の判決を受けていない者について行われる場合,本件条約8条3項からすると,」を加える。 (2) 原判決10頁20行目の末尾に改行して以下を加える。 「 なお,本件各逮捕状は,有効期間が経過しているが,本件引渡請求の適否について日本国において行政事件訴訟を提起して争うことが許されないと解するべきであることに変わりはない。」(3) 原判決11頁1行目の末尾に改行して以下を加える。 「 控訴人は,本件引渡請求の本件条約適合性についての判断が米国に委ねられているとすると,引渡対象者は,日本国の法令上の可罰性やその前提として被疑事実に誤りがあることなどを争うすべがないまま人身の自由を奪われる,引渡請求の適否は,逮捕の適否とは全く異なるから,行政事件訴訟の対象外とする理由にはならないと主張する。 しかし,控訴人のこれらの主張は,本件条約において,日本国が請求国として米国に対し る,引渡請求の適否は,逮捕の適否とは全く異なるから,行政事件訴訟の対象外とする理由にはならないと主張する。 しかし,控訴人のこれらの主張は,本件条約において,日本国が請求国として米国に対してする引渡請求は,引渡請求が有罪の判決を受けていない者- 3 - について行われる場合,引渡請求の条約適合性は米国が判断し,逮捕状発付の適法性は日本国が判断するという制度の構造に反し,日本に引き渡されたときは,日本国の刑事手続において,逮捕段階の違法性も含めて司法審査を受けることが可能であるのに,引渡請求の段階で米国において米国における法令上の可罰性やその前提として被疑事実に誤りがあることなどを争うすべが用意されていることでは足りない,引渡請求の段階で日本国において行政事件訴訟の対象にならない逮捕状発付の適否につき日本国の行政事件訴訟として裁判を受けたいというものであって,採用できない。」 2 以上のとおり,控訴人の訴えは不適法であり,これを却下した原判決は相当であって本件控訴は理由がなく,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第21民事部 裁判長裁判官中西茂 裁判官原道子 裁判官大嶋洋志

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