裁判所
昭和40年6月18日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和38(ネ)1393
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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人三森武雄の上告理由第一点について。原判決の確定するところによれば、「本件宅地を所有する上告人は、これを訴外Dに賃貸していたところ、昭和一九年四月頃右Dより家庭の都合上本件宅地上のD所有建物を妻である被上告人B1名義にしたいから本件宅地の賃借権を同人に承継させて欲しい旨の申し入れがあつたので、これを承諾し、右B1を本件宅地の賃借人とするに至つた。B1は、本件宅地上に建物を所有しこれに居住していたが、昭和二〇年春の空襲によりその建物を焼失した。そして、昭和二三年春頃上告人の承諾なく本件宅地上に夫である右Dをして原判決添付目録第三記載の建物を、また、三男である被上告人B2をして右目録第二記載の建物を建築せしめた。その後、右Dが死亡し、D所有建物はB1、B2および被上告人B3において相続によりその所有権を取得した。B1、B2、B3はいずれもDとともに本件建物の建築当時から一家をなして同一の生計を営み、本件建物に居住して来た。」というのである。所論は、B1がDおよびB2をして本件宅地上に建物の建築を許した以上、右建物の敷地部分に関する限り、B1は本件宅地を同人等に無断転貸したものといわざるをえないというけれども、かりに所論のとおりであるとしても、以上の事実関係の下においては、賃貸人である上告人の承諾がなくても上告人との間の賃貸借契約上の信頼関係を破壊するに足らない特段の事情があるものというべきである。されば、このような場合、上告人は、B1の右無断転貸を理由として本件宅地賃貸借契約を解除できず、また、右転借人らに対しても建物収去土地明渡の請求をなしえないものと解すべきであるから(当裁判所昭和三二年(オ)第一〇八七 場合、上告人は、B1の右無断転貸を理由として本件宅地賃貸借契約を解除できず、また、右転借人らに対しても建物収去土地明渡の請求をなしえないものと解すべきであるから(当裁判所昭和三二年(オ)第一〇八七号同三- 1 -六年四月二八日第二小法廷判決、判例集一五巻一二一一頁参照)、被上告人らに対する本件土地明渡請求を認容しなかつた原判決は正当に帰する。 解すべきであるから(当裁判所昭和三二年(オ)第一〇八七 場合、上告人は、B1の右無断転貸を理由として本件宅地賃貸借契約を解除できず、また、右転借人らに対しても建物収去土地明渡の請求をなしえないものと解すべきであるから(当裁判所昭和三二年(オ)第一〇八七号同三- 1 -六年四月二八日第二小法廷判決、判例集一五巻一二一一頁参照)、被上告人らに対する本件土地明渡請求を認容しなかつた原判決は正当に帰する。以上の次第であるから、所論は結局判決に影響のない違法を云々することに帰し、論旨は採用するに由がない。同第二点について。上告人が原審において所論の賃料請求をなしていないこと記録上明らかであるから、原判決がこれについて判断をしなかつたからといつて違法であるとはいえないし、また、被上告人B1において賃料の任意の履行に応じない態度を認めるべき資料のない本件においては、原審が上告人に対し賃料請求をなすべく釈明しなかつたからといつて、審理不尽の違法があるということはできない。論旨は採用できない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -
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