平成18(行ウ)17等 重加算税賦課決定処分等取消,消費税等の更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年10月30日 名古屋地方裁判所 租税
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判決文本文58,025 文字)

平成18年(行ウ)第17号,平成19年(行ウ)第59号,平成20年(行ウ)第34号重加算税賦課決定処分等取消,消費税等の更正処分等取消請求事件判決主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 処分行政庁が原告に対し平成15年12月19日付けでした次の各処分を取り消す。 (1) 平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分(ただし,平成15年12月19日付け変更賦課決定処分により減額された後のもの)。 (2) 平成12年4月1日から平成13年3月31日までの課税期間における消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分。 (3) 平成13年4月1日から平成14年3月31日までの課税期間における消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分。 (4) 平成14年4月1日から平成15年3月31日までの課税期間における消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分。 処分行政庁が原告に対し平成17年8月30日付けでした平成16年4月1日から平成17年3月31日までの課税期間における消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 処分行政庁が原告に対し平成18年9月4日付けでした平成17年4月1日から平成18年3月31日までの課税期間における消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 第2事案の概要本件は,中華人民共和国(以下「中国」という。)を仕向地とする航空貨物の運送にかかわる業務を行う原告が,①同業務に係る取引が消費税法7条1項所定の輸出免税取引に該当するとして,処分行政庁(処分当時は名古屋中村税務署長)に対 以下「中国」という。)を仕向地とする航空貨物の運送にかかわる業務を行う原告が,①同業務に係る取引が消費税法7条1項所定の輸出免税取引に該当するとして,処分行政庁(処分当時は名古屋中村税務署長)に対し同業務に係る課税標準額を0円とする消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の確定申告(還付申告)をしたところ,処分行政庁から,上記業務が輸出免税取引に当たらないとして消費税等の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受け,また,②平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度(以下「平成15年3月期」という。)の法人税の確定申告において,経費の繰上計上や収入の繰延計上をしたところ,処分行政庁から,国税通則法68条1項所定の重加算税賦課決定処分を受けたことから,これらの各処分の取消しを求める事案である。 なお,本判決において引用する消費税法等の関連法令は,別紙1関連法令記載のとおりである。 前提事実等(争いがないか,証拠上明白である。)(1) 輸出免税取引についてア輸出物品等に対する消費税について輸出される物品や国外で提供されるサービスに対する消費税の課税主体については,源泉地国(輸出国)に課税権があるという「源泉地主義」と,仕向地国(輸入国)に課税権があるという「仕向地主義」の二つの考え方がある。各国の消費税制度が統一されて,税負担の水準がほぼ等しくなり,しかも物やサービスの流れが相互的である場合には,源泉地主義を採用しても特に不都合は生じないが,各国の消費税制が不統一で,しかも物やサービスの流れが相互的でない場合には,源泉地主義を採用すると,輸入超過国の国庫の犠牲において輸出超過国の税収が増大するのみならず,税負担水準の低い国の製品が国際競争上有利な立場に立つことになる。 これに対し,仕向地主義の下においては,輸 泉地主義を採用すると,輸入超過国の国庫の犠牲において輸出超過国の税収が増大するのみならず,税負担水準の低い国の製品が国際競争上有利な立場に立つことになる。 これに対し,仕向地主義の下においては,輸出品は源泉地国の消費税を免除され,仕向地国の消費税を課されるから,消費税の負担に関する限り,仕向地国及び他の国々の製品と同じ条件で競争し得ることとなり,税制の国際的競争中立性が確保される。また,各国は,自国品・輸入品の別なくその領土内で消費される物品から税収を確保することができる。現在では,このような仕向地主義による輸出取引の免税が国際的な慣行になっており,我が国においても,輸入品(外国貨物)に対して国内で製造・販売されている物品と同様に消費税を課する一方,輸出される物品に対して消費税を免除しており,消費税法7条の輸出免税取引は,このような仕向地主義の考え方に基づいて輸出免税取引を定めたものである。 イ輸出免税の仕組み輸出免税は,輸出に係る物品・サービスを消費税課税の対象から除外するのみでなく,その仕入れに含まれていた消費税額を控除・還付して,それに対する税負担をゼロとするものである。そのため,輸出段階で0%の税率を適用し,前段階における税を還付して,消費税を含まない裸の価格によって関税線を通過させ,輸入国は,輸入の段階で消費税を課することとしているものである。この場合,輸出業者は,輸出売上高に0%の税率を乗じて0円の消費税を計上し,さらに,仕入れに係る税額を控除し,その結果生じた控除不足額の還付を受け,消費税関係をすべて精算し,消費税の課税関係を輸入国に持ち越さないように配慮している。 ウ消費税法7条所定の輸出免税取引の概要消費税法7条所定の輸出免税取引のうち,本件に関連するものは次のとおりであり,いずれの場合であっても輸出免税取引の適 輸入国に持ち越さないように配慮している。 ウ消費税法7条所定の輸出免税取引の概要消費税法7条所定の輸出免税取引のうち,本件に関連するものは次のとおりであり,いずれの場合であっても輸出免税取引の適用を受けるためには,輸出許可書,税関長の証明,輸出の事実を記載した帳簿,書類等により,その取引が輸出取引等に該当することを証明する必要がある(消費税法7条2項,消費税法施行規則5条)。 (ア) 国内及び国内以外の地域にわたって行われる貨物の輸送(同法7条1項3号。以下「国際輸送取引」という。)。 (イ) 外国貨物(輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される前のもの)の荷役,運送,保管,検数,鑑定その他これらに類する外国貨物に係る役務の提供(同項5号,同法施行令17条2項4号。以下「輸出類似取引」という。)。 (2) 航空貨物の取引の概要ア航空貨物に関する運送事業者について航空法上,航空運送事業とは,他人の需要に応じ,航空機を使用して有償で旅客又は貨物を運送する事業をいい(平成17年法律第80号による改正前の航空法2条16項。平成20年法律第75号による改正前の航空法では2条17項),航空運送事業を経営しようとする者は,国土交通大臣の許可を受けなければならないものとされている(同法100条1項)。 また,航空法所定の航空運送事業を経営する者は,貨物利用運送事業法上,航空運送事業者とされ(同法2条3項),航空運送事業者の行う貨物の運送を「実運送」といい,運送事業者の実運送に係る運送を利用してする貨物の運送を「利用運送」という(同条1項)。そして,平成14年法律第77号による改正後の貨物利用運送事業法上,貨物利用運送事業は,第一種貨物利用運送事業と第二種貨物利用運送事業に分類され,①第一種貨物利用運送事業とは,他人の需 (同条1項)。そして,平成14年法律第77号による改正後の貨物利用運送事業法上,貨物利用運送事業は,第一種貨物利用運送事業と第二種貨物利用運送事業に分類され,①第一種貨物利用運送事業とは,他人の需要に応じ,有償で,利用運送を行う事業であって,第二種貨物利用運送事業以外のものをいい,②第二種貨物利用運送事業とは,他人の需要に応じ,有償で,運送事業者の行う運送に係る利用運送と当該利用運送に先行し及び後続する当該利用運送に係る貨物の集貨及び配達のためにする自動車による運送とを一貫して行う事業をいうところ(同法2条6~8項),第一種貨物利用運送事業を経営しようとする者は,国土交通大臣の行う登録を受けなければならず,第二種貨物利用運送事業を経営しようとする者は,同大臣の許可を受けなければならないものとされ(同法3条1項,20条),これらの規定に違反して貨物利用運送事業を経営した者は懲役若しくは罰金に処し,又はこれを併科するものとされている(同法60条1号,62条1号)。なお,平成14年法律第77号による改正前の貨物利用運送事業法においては,利用運送事業が第一種利用運送事業と第二種利用運送事業に分類され,利用運送事業を経営しようとする者は国土交通大臣の許可を受けなければならないものとされ(同法2条7~9項,3条1項),これらの規定に違反して第一種利用運送事業を経営した者は罰金に処し,第二種利用運送事業を経営した者は懲役若しくは罰金に処し,又はこれを併科するものとされていた(同法60条1号,61条1号。なお,上記改正前の第一種利用運送事業は上記改正後の第一種貨物利用運送事業に,第二種利用運送事業は第二種貨物利用運送事業に,それぞれ相当するものである。以下,これらの事業につき平成14年法律第77号による改正の前後を通じ「第一種貨物利用運送事業」,「 種貨物利用運送事業に,第二種利用運送事業は第二種貨物利用運送事業に,それぞれ相当するものである。以下,これらの事業につき平成14年法律第77号による改正の前後を通じ「第一種貨物利用運送事業」,「第二種貨物利用運送事業」という。)。 航空貨物に関する利用運送事業者は,一般に「混載業者」と呼称されており(「混載貨物専門業者」,「利用航空運送事業者」,「フォワーダー」とも呼ばれる。),混載業者は,そのほとんどが空港から空港までの区間しか利用運送を行わない第一種貨物利用運送事業者ではなく,荷送人から荷受人までの区間において利用運送を行う第二種貨物利用運送事業者となっている。 イ航空貨物の受託から空輸に至る経過について航空貨物の受託から空輸に至るまでの流れは,混載業者が,複数の荷送人から集貨した貨物を一つにまとめて混載貨物(大口貨物)とし,これを自ら荷送人となって,航空会社に空輸を委託するというものである。混載業者は,荷送人との間で運送契約を締結し,その証書として,荷送人に対し,航空運送状(「ハウスエアウエービル」又は「HAWB」ともいう。)を発行し,また,航空会社との間で混載貨物に係る運送契約を締結する際に,航空会社が発行する航空運送状(「エアウエービル」又は「AWB」ともいう。なお,「ハウスエアウエービル」又は「HAWB」に対し,特に「マスターエアウエービル」又は「MAWB」ともいう。)を受領することになる。この航空運送状は,①運送契約締結の証拠書類,②運送物品の受領証,③運賃,料金の請求書・精算書,④保険の証明書,⑤航空会社に対する貨物の取扱い,引渡しの指図書等としての機能を有するものである。 混載業者は,航空貨物の運賃が重量逓減制であることを利用して,各荷送人から収受した運賃と航空会社へ支払う運賃との差額を利益としている。 ウ航空会社 ,引渡しの指図書等としての機能を有するものである。 混載業者は,航空貨物の運賃が重量逓減制であることを利用して,各荷送人から収受した運賃と航空会社へ支払う運賃との差額を利益としている。 ウ航空会社が起用する代理店について航空会社は,特定の地域における旅客や貨物の営業販売等を他の航空会社や代理業者に委託することがあり,そのような委託を受ける航空会社や代理業者は,近時,次の2種類に区分されるようになっている。 (ア) GSA(GeneralSalesAgent)GSAは,「総販売代理店」,「貨物総代理店」,「貨物総販売代理店」などとも呼ばれている代理業者であり,航空会社から,特定地域に限定して旅客や貨物の営業販売などを包括的に委託されるものである。GSA業務に特化した企業もあれば,航空会社が他の航空会社のGSAになることもある。GSAは,航空会社の営業所と同様に,指定地域での販売資料の配布,宣伝広報活動,予約取扱業務など航空貨物の販売を行うとともに,当該地域内の販売店の売上金の収受といった代理店の統括業務を行うほか,コンサルティング,関係省庁・団体との調整,貨物の積付け指示などの空港業務も行うことがある。GSAは,委託契約上の特定地域においては独占的な契約であるため,同一地域においてGSAが複数起用されることはあり得ない。 (イ) CSA(CargoSalesAgent)CSAは,「指定販売代理店」とも呼ばれている代理業者であり,航空会社やGSAからの営業販売の下請業者を指している。そのため,委託地域において独占的な位置づけのGSAとは異なり,委託する航空会社側は一地域において複数のCSAを起用することも可能である。CSAは,主として中国系を中心とする旧共産圏の航空会社によって多数起用されており,自社の営業スタッフが少ない部分をC なり,委託する航空会社側は一地域において複数のCSAを起用することも可能である。CSAは,主として中国系を中心とする旧共産圏の航空会社によって多数起用されており,自社の営業スタッフが少ない部分をCSAで補っている。 (3) 当事者等ア原告(ア) 原告は,旅行業法に基づく旅行業,損害保険代理店業,航空貨物代理店業等を目的とする株式会社(設立昭和53年2月。資本金1000万円)であり,平成7年5月以降名古屋市a区bc丁目d番e号に本店を置いていたが,第1次訴訟(平成18年(行ウ)第17号)及び第2次訴訟(平成19年(行ウ)第59号)係属中の平成19年11月に原告代表者A(昭和22年▲月生。平成15年▲月▲日就任)の住所地である名古屋市f区g町h丁目i番地のjに本店を移転した。 原告は,航空法上の航空運送事業の経営に係る許可,貨物利用運送事業法上の第一種貨物利用運送事業の経営に係る登録,第二種貨物利用運送事業の経営に係る許可をいずれも受けていない。 (イ) 原告の業務は,そのほとんどが中国を仕向地とする航空貨物の運送にかかわる役務の提供であり,取引先は,①B(なお,Bは平成14年にCに併合された。)の名古屋支店,東京支店,新潟支店,広島支店及び福岡支店,②Dの大阪支店,③E(なお,Eは平成15年にFに併合された。)の名古屋支店,④G(なお,Gは平成15年ころDに併合された。)の東京支店,⑤Cの東京支店,⑥Fの東京支店である(以下,これらの航空会社の国内支店を併せて「本件各航空会社国内支店」という。)。 (ウ) 原告と混載業者及び本件各航空会社国内支店との取引方式の概要は,次のとおりである(なお,原告は,「合意運賃」とは,本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペースを仕入れる際に設定される運賃をいい,「市場運賃」とは,混載業者への販売 支店との取引方式の概要は,次のとおりである(なお,原告は,「合意運賃」とは,本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペースを仕入れる際に設定される運賃をいい,「市場運賃」とは,混載業者への販売代金をいうとしている。)。 a「a方式」混載業者から本件各航空会社国内支店に対し,国際条約で定められた世界共通の公定運賃が支払われ,本件各航空会社国内支店から原告に合意運賃との差額が返戻され(被告は,同金員は運賃の返戻ではなく販売手数料であると主張している。),原告から混載業者に市場運賃との差額が返戻されるという取引形態であり,その概念図は,別紙2の図1記載のとおりである。このような取引形態は,Dの大阪支店との間で平成14年3月まで採用されていた。 b「b方式」と「b方式の亜種」混載業者が原告に販売運賃(市場運賃)を支払い,原告が本件各航空会社国内支店に仕入運賃(合意運賃)を支払って決済するという取引形態であり,その概念図は,別紙2の図2-1記載のとおりである。 このような取引形態は,①Bの新潟支店,広島支店及び福岡支店,②Eの名古屋支店,③Gの東京支店,④Cの東京支店,⑤平成14年4月以降のDの大阪支店との間で採用されていた。 また,「b方式の亜種」とは,スペースの仕入先が航空会社の国内支店ではなく,貨物販売代理店の場合の取引形態であり,その概念図は,別紙2の図2-2記載のとおりである。 c「c方式」「b方式」において原告が本件各航空会社国内支店に支払う仕入運賃(合意運賃)に返戻金制度が存在する場合であり,いったんは原告から本件各航空会社国内支店に仕入運賃(合意運賃)が支払われるが,それを補正するためその後返戻されるものであり(被告は,同金員は運賃の返戻ではなく販売手数料であると主張している。),その概念図は,別紙2の図3記載のとおり 支店に仕入運賃(合意運賃)が支払われるが,それを補正するためその後返戻されるものであり(被告は,同金員は運賃の返戻ではなく販売手数料であると主張している。),その概念図は,別紙2の図3記載のとおりである。 このような取引形態は,原告の行った取引の90%以上の割合を占めているBの名古屋支店,東京支店及び新潟支店との間で採用されていた。 d「d方式」混載業者への販売価格(市場運賃)は,原告と混載業者との交渉で決められていたが,例外的に,Fの東京支店との取引については,Fの東京支店が販売価格(市場運賃)を決定し,混載業者から直接当該運賃を収受した上,原告の取扱高に応じて定められた割合によって,手数料が支払われていた。その概念図は,別紙2の図4記載のとおりである。 イ被告及び処分行政庁(ア) 名古屋中村税務署長事務承継者千種税務署長(処分行政庁)は,原告の所在地の異動に伴い,本件における更正処分及び賦課決定処分時の納税地(名古屋市a区)を所轄する税務署長であった名古屋中村税務署長から,その事務を承継したものである。 (イ) 被告は,処分行政庁の属する行政主体である。 (4) 第1次訴訟(平成18年(行ウ)第17号)ア原告の法人税に対する処分原告は,青色の確定申告書を用いて平成15年3月期の法人税の確定申告をしたところ,処分行政庁の調査を受けて,本来平成15年4月分の経費として計上すべきCに対するキックバック支払額2234万2564円(平成15年4月1日から同月15日までの分の1068万0210円と同月16日から同月30日までの分の1166万2354円)を平成15年3月期に繰上計上しているとの指摘を受け(以下,この税務調査を「本件調査」という。),同年12月18日に修正申告をした。 処分行政庁は,上記修正申告に基づき,それまでにされた原告 54円)を平成15年3月期に繰上計上しているとの指摘を受け(以下,この税務調査を「本件調査」という。),同年12月18日に修正申告をした。 処分行政庁は,上記修正申告に基づき,それまでにされた原告の法人税確定申告書に係る申告納税額との差額に対して,国税通則法68条1項を適用して,同月19日付けで重加算税賦課決定をし,さらに,同日,処分行政庁が行った消費税等に係る更正処分に伴い,平成15年3月期の法人税の減額更正をしたことから,上記の重加算税額を減額する内容の変更賦課決定をした(以下,変更後の重加算税賦課決定を「本件重加算税賦課決定」という。)。 原告は,これを不服として平成16年2月18日,処分行政庁に対し異議申立てをしたが,処分行政庁は,同年5月18日,これを棄却するとの決定をした。 原告は,上記決定を不服として,同年6月17日,国税不服審判所長に対し審査請求をしたが,同所長は,平成17年9月28日,上記審査請求を棄却するとの裁決をした。 以上の経緯は,別表1記載のとおりである。 イ原告の消費税等に対する処分原告は,本件各航空会社国内支店との間で行っている取引が消費税法7条所定の輸出免税取引に該当することを前提に,平成12年4月1日から平成13年3月31日までの課税期間(以下「平成13年課税期間」という。),平成13年4月1日から平成14年3月31日までの課税期間(以下「平成14年課税期間」という。)及び平成14年4月1日から平成15年3月31日までの課税期間(以下「平成15年課税期間」という。)における課税標準額をいずれも0円とする消費税等の確定申告をしたところ,平成15年12月19日,処分行政庁によって,上記各課税期間における消費税等について更正処分(以下,平成13年課税期間のものを「平成13年更正処分」,平成14年課税期間のも 等の確定申告をしたところ,平成15年12月19日,処分行政庁によって,上記各課税期間における消費税等について更正処分(以下,平成13年課税期間のものを「平成13年更正処分」,平成14年課税期間のものを「平成14年更正処分」,平成15年課税期間のものを「平成15年更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下,平成13年課税期間のものを「平成13年賦課決定」,平成14年課税期間のものを「平成14年賦課決定」,平成15年課税期間のものを「平成15年賦課決定」という。)を受けた。 原告は,これらの処分を不服として平成16年2月18日,処分行政庁に対し異議申立てをしたが,処分行政庁は,同年5月18日,これらをいずれも棄却するとの決定をした。 原告は,上記決定を不服として,同年6月17日,国税不服審判所長に対し審査請求をしたが,同所長は,平成17年9月28日,上記審査請求をいずれも棄却するとの裁決をした。 以上の経緯は,別表2記載のとおりである。 ウ原告による第1次訴訟(平成18年(行ウ)第17号)の提起原告は,平成18年3月24日,本件重加算税賦課決定,平成13年更正処分,平成14年更正処分,平成15年更正処分,平成13年賦課決定,平成14年賦課決定及び平成15年賦課決定の取消しを求める訴えを,当庁に提起した。 (5) 第2次訴訟(平成19年(行ウ)第59号)ア原告の消費税等に対する処分原告は,本件各航空会社国内支店との間で行っている取引が消費税法7条所定の輸出免税取引に該当することを前提に,平成16年4月1日から平成17年3月31日までの課税期間(以下「平成17年課税期間」という。)における課税標準額について,本件各航空会社国内支店に対する売上げ等を計上せず,消費税等の確定申告をしたところ,平成17年8月30日,処分行政庁によって 課税期間(以下「平成17年課税期間」という。)における課税標準額について,本件各航空会社国内支店に対する売上げ等を計上せず,消費税等の確定申告をしたところ,平成17年8月30日,処分行政庁によって,平成17年課税期間における消費税等について更正処分(以下「平成17年更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「平成17年賦課決定」という。)を受けた。 原告は,これらの処分を不服として同年10月21日,処分行政庁に対し異議申立てをしたが,処分行政庁は,平成18年1月13日,これを棄却するとの決定をした。 原告は,上記決定を不服として,同年2月9日,国税不服審判所長に対し審査請求をしたが,同所長は平成19年1月25日,上記審査請求を棄却するとの裁決をした。 以上の経緯は,別表3の1記載のとおりである。 イ原告による第2次訴訟(平成19年(行ウ)第59号)の提起原告は,平成19年7月24日,平成17年更正処分及び平成17年賦課決定の取消しを求める訴えを,当庁に提起した。 (6) 第3次訴訟(平成20年(行ウ)第34号)ア原告の消費税等に対する処分原告は,本件各航空会社国内支店との間で行っている取引が消費税法7条所定の輸出免税取引に該当することを前提に,平成17年4月1日から平成18年3月31日までの課税期間(以下「平成18年課税期間」といい,平成13~15年課税期間,平成17年課税期間と併せて「本件各課税期間」という。)における課税標準額について,本件各航空会社国内支店に対する売上げ等を計上せず,消費税等の確定申告をしたところ,平成18年9月4日,処分行政庁によって,平成18年課税期間における消費税等について更正処分(以下「平成18年更正処分」といい,平成13~15年更正処分,平成17年更正処分と併せて「本件各更正処分」という 年9月4日,処分行政庁によって,平成18年課税期間における消費税等について更正処分(以下「平成18年更正処分」といい,平成13~15年更正処分,平成17年更正処分と併せて「本件各更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「平成18年賦課決定」といい,平成13~15年賦課決定,平成17年賦課決定と併せて「本件各賦課決定」という。)を受けた。 原告は,これらの処分を不服として平成18年9月8日,処分行政庁に対し異議申立てをしたが,処分行政庁は,同年12月5日,これを棄却するとの決定をした。 原告は,上記決定を不服として,同年12月25日,国税不服審判所長に対し審査請求をしたが,同所長は平成19年12月20日,上記審査請求を棄却するとの裁決をした。 以上の経緯は,別表3の2記載のとおりである。 イ原告による第3次訴訟(平成20年(行ウ)第34号)の提起原告は,平成20年5月14日,平成18年更正処分及び平成18年賦課決定の取消しを求める訴えを,当庁に提起した。 被告主張の消費税等の額(別表4参照。以下の括弧内の数字記号は別表4に対応する。)(1) 平成13年課税期間における原告の消費税等の額は,次のとおりである。 ア消費税(ア) 課税標準額1億9479万9000円(⑬)上記金額は,次のaの金額にbの金額を加算した額に105分の100を乗じた額(国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 a販売手数料(又は代理手数料)1億9128万5850円(①,②)上記金額は,原告の損益計算書(乙14)に記載された「支払貨物取扱割戻料」の金額であり,「c方式」の決済方式を採用するBとの規定に基づき原告が代理手数料として受領した額(原告が「c方式」の「運賃返戻」とした部分)である。 なお,平成 4)に記載された「支払貨物取扱割戻料」の金額であり,「c方式」の決済方式を採用するBとの規定に基づき原告が代理手数料として受領した額(原告が「c方式」の「運賃返戻」とした部分)である。 なお,平成13年課税期間分において,「d方式」の決済方式を採用するFとの取引はない。 b委託販売手数料1325万3115円(⑤)上記金額は,次の(a)の金額から,(c)の金額を控除した後の(b)の金額及び(e)の金額を控除した後の(d)の金額を控除した額であり,「a方式」,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社に対する役務の提供の対価として原告が得た利益の額である。 なお,平成13年課税期間分において,「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店との取引はない。 (a) 航空貨物取扱収入7億5890万6609円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙14)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額であり,「b方式」及び「c方式」における混載業者並びに「a方式」の決済方式を採用するDから原告が受領した額の合計である。 (b) キックバック支払額7億3385万0079円(⑦)上記金額は,原告の損益計算書(乙14)に記載された「キックバック支払額」の金額であり,原告が「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する各航空会社,「a方式」における混載業者並びに下記(c)のH株式会社へ支払った金額の合計額である。 (c) 委託報酬1191万8390円(⑧)上記金額は,原告の業務の一部をH社に委託したもので,上記(b)キックバック支払額に含まれている金額である。 (d) 支払運賃2380万1805円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙14)に記載された「支払運賃」の金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた額 である。 (d) 支払運賃2380万1805円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙14)に記載された「支払運賃」の金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた額である。 (e) 国内運賃8万円(⑩)上記金額は,上記(d)の支払運賃に含まれて計上されているもので,消費税等の当初申告において,仕入税額控除の対象となっている。 (イ) 課税標準に対する消費税額779万1960円(⑭)上記金額は,消費税法29条の規定に基づき,上記(ア)の課税標準額に100分の4を乗じた額である。 (ウ) 控除対象仕入税額163万5513円(⑮,⑳)上記金額は,原告の確定申告書に記載された118万1479円(⑯)に上記(ア)b(c)委託報酬1191万8390円に係る消費税額45万4034円(⑰)(委託報酬の額に105分の4を乗じた額)を加算したものである。 (エ) 納付すべき税額615万6400円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額779万1960円から上記(ウ)の金額163万5513円を控除した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準額となる消費税額616万1700円(<22>)上記金額は,上記ア(イ)の金額から上記ア(ウ)の金額を控除した額に,上記ア(ウ)の金額に含まれる平成6年法律第109号による改正前の消費税法の税率を適用するリース取引に係る消費税額5328円を加算した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (イ) 納付譲渡割額154万0400円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額616万1700円に地方 により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (イ) 納付譲渡割額154万0400円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額616万1700円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25を乗じて算出した額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (2) 平成14年課税期間における原告の消費税等の額は,次のとおりである。 ア消費税(ア) 課税標準額1億7752万5000円(⑬)上記金額は,次のaの金額にbの金額を加算した額に105分の100を乗じた額(国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 a販売手数料(又は代理手数料)1億4382万3037円(①,②)上記金額は,原告の損益計算書(乙15)に記載された「支払貨物取扱割戻料」の金額であり,「c方式」の決済方式を採用するBとの規定に基づき原告が代理手数料として受領した額(原告が「c方式」の「運賃返戻」とした部分)である。 なお,平成14年課税期間分において,「d方式」の決済方式を採用するFとの取引はない。 b委託販売手数料4257万8470円(⑤)上記金額は,次の(a)の金額から,(c)の金額を控除した後の(b)の金額及び(d)の金額を控除した額であり,「a方式」,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店に対する役務の提供の対価として原告が得た利益の額である。 (a) 航空貨物取扱収入6億7069万7933円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙15)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額であり,「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」における混載業者並 ) 航空貨物取扱収入6億7069万7933円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙15)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額であり,「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」における混載業者並びに「a方式」の決済方式を採用するDから原告が受領した額の合計である。 (b) キックバック支払額6億2101万5863円(⑦)上記金額は,原告の損益計算書(乙15)に記載された「キックバック支払額」の金額であり,原告が「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する各航空会社,「a方式」における混載業者,「b方式の亜種」における貨物販売代理店並びに下記(c)のH社へ支払った金額の合計額である。 (c) 委託報酬1099万7090円(⑧)上記金額は,原告の業務の一部をH社に委託したもので,上記(b)キックバック支払額に含まれている金額である。 (d) 支払運賃1810万0690円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙15)に記載された「支払運賃」の金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた額である。 (イ) 課税標準に対する消費税額710万1000円(⑭)上記金額は,消費税法29条の規定に基づき,上記(ア)の課税標準額に100分の4を乗じた額である。 (ウ) 控除対象仕入税額137万3343円(⑮,⑳)上記金額は原告の確定申告書に記載された95万4406円(⑯)に上記(ア)b(c)委託報酬1099万7090円に係る消費税額41万8937円(⑰)(委託報酬の額に105分の4を乗じた額)を加算した額である。 (エ) 納付すべき税額572万7600円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額710万1000円から上記(ウ)の金額137万3343円を控除した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100 納付すべき税額572万7600円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額710万1000円から上記(ウ)の金額137万3343円を控除した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準額となる消費税額573万2900円(<22>)上記金額は,上記ア(イ)の金額から上記ア(ウ)の金額を控除した額に,上記ア(ウ)の金額に含まれる平成6年法律第109号による改正前の消費税法の税率を適用するリース取引に係る消費税額5328円を加算した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (イ) 納付譲渡割額143万3200円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額573万2900円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25を乗じて算出した額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (3) 平成15年課税期間における原告の消費税等の額は,次のとおりである。 ア消費税(ア) 課税標準額2億1524万円(⑬)上記金額は,次のaの金額にbの金額を加算した額に105分の100を乗じた額(国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 a販売手数料(又は代理手数料)1億8517万4790円(①)上記金額は,原告の損益計算書(乙16)に記載された「支払貨物取扱割戻料」の金額1億7396万2310円(②)と,本件調査において明らかとなったB東京支店2月分及び3月分販売手数料193万3900円(③)並びにB名古屋支店2月分販売手数料927万8580円(④)を合計した額で 1億7396万2310円(②)と,本件調査において明らかとなったB東京支店2月分及び3月分販売手数料193万3900円(③)並びにB名古屋支店2月分販売手数料927万8580円(④)を合計した額であり,「c方式」の決済方式を採用するB及び「d方式」の決済方式を採用するFとの規定に基づき原告が受領した額(原告が「c方式」の「運賃返戻」とした部分及び「d方式」の「手数料」とした部分)の合計額である。 b委託販売手数料4082万7336円(⑤)上記金額は,次の(a)の金額から,(c)及び(e)の金額を控除した後の(b)の金額並びに(d)の金額を控除した額であり,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」における貨物販売代理店に対する役務の提供の対価として原告が得た利益の額である。 (a) 航空貨物取扱収入8億1270万7772円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙16)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額であり,「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」における混載業者から原告が受領した額である。 なお,平成15年課税期間分において,「a方式」の決済方式を採用する航空会社との取引はない。 (b) キックバック支払額7億8703万4640円(⑦)上記金額は,原告の損益計算書(乙16)に記載された「キックバック支払額」の金額であり,原告が「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する各航空会社,「b方式の亜種」における貨物販売代理店及び下記(c)のH社へ支払った金額の合計額である。 (c) 委託報酬1036万3235円(⑧)上記金額は,原告の業務の一部をH社に委託したもので,上記(b)キックバック支払額に含まれている金額である。 (d) 支払運賃1755万1595円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書 235円(⑧)上記金額は,原告の業務の一部をH社に委託したもので,上記(b)キックバック支払額に含まれている金額である。 (d) 支払運賃1755万1595円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙16)に記載された「支払運賃」の金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた額である。 (e) 本件調査において明らかとなった繰上計上額2234万2564円(⑪)上記金額は,翌課税期間である平成15年4月1日から平成16年3月31日までの課税期間に計上すべき,C向けキックバック支払額で,原告が上記(b)の「キックバック支払額」勘定に繰り上げて計上した額である。 なお,当該繰上計上額は,本件調査において明らかとなったものである。 (イ) 課税標準に対する消費税額860万9600円(⑭)上記金額は,消費税法29条の規定に基づき,上記(ア)の課税標準額に100分の4を乗じた額である。 (ウ) 控除対象仕入税額161万0523円(⑮,⑳)上記金額は原告の確定申告書に記載された121万5733円(⑯)に上記(ア)b(c)委託報酬1036万3235円に係る消費税額39万4790円(⑰)(委託報酬の額に105分の4を乗じた額)を加算した額である。 (エ) 納付すべき税額699万9000円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額から上記(ウ)の金額を控除した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準額となる消費税額700万4400円(<22>)上記金額は,上記ア(イ)の金額から上記ア(ウ)の金額を控除した額に,上記ア(ウ)の金額に含まれる平成6年法律第109号による改正前の消費税法の税率を適用するリース取引に係る消費 0円(<22>)上記金額は,上記ア(イ)の金額から上記ア(ウ)の金額を控除した額に,上記ア(ウ)の金額に含まれる平成6年法律第109号による改正前の消費税法の税率を適用するリース取引に係る消費税額5328円を加算した額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数端数を切り捨てた後のもの)である。 (イ) 納付譲渡割額175万1100円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額700万4400円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25を乗じて算出した額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (4) 平成17年課税期間における原告の消費税等の額は,次のとおりである。 ア消費税(ア) 課税標準額5076万8000円(⑬)上記金額は,次のa~cの合計金額に105分の100を乗じた金額(国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 a販売手数料(又は代理手数料)706万6486円(①,②)上記金額は,原告が平成17年3月課税期間において「d方式」の決済方式を採用するFに対する売上げとして計上した金額の合計額であり,原告が同社から受領した金額である。 b委託販売手数料4604万0298円(⑤)上記金額は,次の(a)の金額から(b)及び(c)の金額であり,「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用する航空会社等に対する役務の提供の対価として原告が得た利益の額である。 (a) 混載業者に対する売上げ2億8608万2543円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙A4)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額2億9211万8204円から上記aの販売手数料706万6486円を控 載業者に対する売上げ2億8608万2543円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙A4)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額2億9211万8204円から上記aの販売手数料706万6486円を控除し,航空貨物取扱収入の計上漏れの金額103万0825円を加算した金額であり,原告が「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用する航空会社等の代理として混載業者から受領した金額である。 (b) キックバック支払額2億3920万8418円(⑦)上記金額は,原告の損益計算書(乙A4)に記載された金額であり,原告が,「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用する航空会社へ支払った金額並びに原告が同業者に業務を委託した場合に支払った金額の合計額である。 (c) 支払運賃83万3827円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙A4)に記載された金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた金額である。 c固定資産の売却額20万円(⑫)上記金額は,原告が固定資産として所有していた車輛を売却した金額である。 (イ) 課税標準に対する消費税額203万0720円(⑭)上記金額は,消費税法29条に基づき,上記aの課税標準額に100分の4を乗じた金額である。 (ウ) 控除対象仕入税額57万8023円(⑮,⑳)上記金額は,原告の確定申告書に記載された金額である。 (エ) 納付すべき税額145万2600円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額から上記(ウ)の金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準となる消費税額145万2600円(<22>)上記金額は,上記ア(エ)の金額である。 (イ) 納付譲渡割額36万3 端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準となる消費税額145万2600円(<22>)上記金額は,上記ア(エ)の金額である。 (イ) 納付譲渡割額36万3100円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準となる消費税額145万2600円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25を乗じて算出した金額(ただし,地方税法20条の4の2第3項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (5) 平成18年課税期間における原告の消費税等の額は,次のとおりである。 ア消費税(ア) 課税標準額5657万6000円(⑬)上記金額は,次のa~cの合計金額に105分の100を乗じた金額(国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 a販売手数料(又は代理手数料)999万3563円(①,②)上記金額は,原告が平成18年3月課税期間において「d方式」の決済方式を採用するFに対する売上げとして計上した金額の合計額であり,原告が同社から受領した金額である。 b委託販売手数料4620万0296円(⑤)上記金額は,次の(a)の金額から(b)及び(c)の金額を控除した金額であり,C及びD並びに同業の航空貨物販売代理店等に対する役務の提供の対価として原告が得た利益の額である。 (a) 混載業者に対する売上げ2億4621万7062円(⑥)上記金額は,原告の損益計算書(乙B4の1)に記載された「航空貨物取扱収入」の金額2億5621万0625円から上記(1)の販売手数料999万3563円を控除した金額であり,原告が「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用するC及びD並びに同業の航空貨物販売代理店等の代理として混載業者から受領した金額である。 の販売手数料999万3563円を控除した金額であり,原告が「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用するC及びD並びに同業の航空貨物販売代理店等の代理として混載業者から受領した金額である。 (b) キックバック支払額1億9922万5477円(⑦)上記金額は,原告の損益計算書(乙B4の1)に記載された金額であり,原告が,「b方式」及び「b方式の亜種」の決済方式を採用するC及びDへ支払った金額並びに原告が同業者等に業務を委託した場合に支払った金額の合計額である。 (c) 支払運賃79万1289円(⑨)上記金額は,原告の損益計算書(乙B4の1)に記載された金額であり,航空貨物の輸送に当たり,輸送業者に輸送を取り次いだ際に支払われた金額である。 c固定資産の売却額321万1110円(⑫)上記金額は,原告が固定資産として所有していた車輛を売却した金額である。 (イ) 課税標準に対する消費税額226万3040円(⑭)上記金額は,消費税法29条の規定に基づき,上記(ア)の課税標準額に100分の4を乗じた金額である。 (ウ) 控除対象仕入税額89万7689円(⑮,⑳)上記金額は,原告の確定申告書に記載された金額である。 (エ) 納付すべき税額136万5300円(<21>)上記金額は,上記(イ)の金額から上記(ウ)の金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ地方消費税(ア) 地方消費税の課税標準額となる消費税額136万5300円(<22>)上記金額は,上記ア(エ)の金額である。 (イ) 納付譲渡割額34万1300円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額136万5300円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25 の金額である。 (イ) 納付譲渡割額34万1300円(<23>)上記金額は,上記(ア)の地方消費税の課税標準額となる消費税額136万5300円に地方税法72条の83に規定する税率100分の25を乗じて算出した金額(ただし,地方税法20条の4の2第3項の規定により,100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 争点 (1) 原告の本件各航空会社国内支店との取引が消費税法7条1項所定の輸出免税取引に該当するか否か。 (被告は,本件各課税期間における原告の消費税等の額は上記2のとおり(別表4参照)であると主張するところ,原告は,固定資産の売却額(別表4の⑫)が消費税の課税売上げに当たることは認めるものの,前記2(1)~(5)の各ア(ア)aの販売手数料(又は代理手数料)(別表4の①)及び同bの委託販売手数料(別表4の⑤)が消費税の課税売上げに当たることを争っている。別表4の②~④,⑥~⑪の各金額に相当する収入・支出があったことについては当事者間に争いがない。)(2) 原告の平成15年3月期の法人税の申告における売上げ等の繰上計上等が国税通則法68条1項の「事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装し,その隠ぺいし,又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当するか否か。 (3) 本件重加算税賦課決定及び本件各更正処分に理由附記の不備があるか否か。 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)について(原告の主張)ア原告の業務内容について(ア) 航空貨物は,荷送人が混載業者に対して貨物の運送を委託し,混載業者が直接又は間接に貨物の運送業者である航空会社に委託し,受託した航空会社が仕向地まで貨物を運送するという手順で行われる。 中国向けの航空貨物についてもこれと同様に行われているところ,原告は,通常,貨物販売代理店 接に貨物の運送業者である航空会社に委託し,受託した航空会社が仕向地まで貨物を運送するという手順で行われる。 中国向けの航空貨物についてもこれと同様に行われているところ,原告は,通常,貨物販売代理店に分類される業者であり(いわゆる指定販売代理店《CSA》などとも呼ばれるが,これらは,中国系の航空会社が採用してきた独自の業態を有する業者に対するネイミングにすぎない。),本件各航空会社国内支店の従属的な立場にはなく,本件各航空会社国内支店とは独立した業者であって,その業務は,本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペース(貨物運送枠)を仕入れてこれを多様なメニューで混載業者に提供し販売するという業務を行っているものであって,これは運送契約にほかならないものである。 (イ) 原告のような業者が本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペースを仕入れる際に設定される運賃は「合意運賃」と呼ばれている。一方,混載業者への販売代金は「市場運賃」と呼ばれている。したがって,原告のような業者の利益は,混載業者への販売運賃(市場運賃)から本件各航空会社国内支店に対する仕入運賃(合意運賃)を差し引いた額となる。そして,原告と混載業者,本件各航空会社国内支店との具体的な決済形態は次のようなものである。いずれの決済形態(ただし,d方式を除く。)においても,原告の混載業者への販売価格の設定は原告と混載業者との交渉によって決定され,本件各航空会社国内支店がこれに介入することはない。 a「a方式」航空貨物については,国際条約で定められた世界共通の公定運賃が定められているところ,この制度を厳守すると公定運賃がいったん混載業者から本件各航空会社国内支店に支払われることになるので,仕入運賃(合意運賃)と販売運賃(市場運賃)との精算が必要となる。そこで,本件各航空会社国内 ころ,この制度を厳守すると公定運賃がいったん混載業者から本件各航空会社国内支店に支払われることになるので,仕入運賃(合意運賃)と販売運賃(市場運賃)との精算が必要となる。そこで,本件各航空会社国内支店から原告に合意運賃との差額が返戻され,原告から混載業者に市場運賃との差額が返戻されるという「a方式」の取引形態(別紙2の図1参照)が採用された。このような取引形態は,Dの大阪支店との間で平成14年3月まで採用されていたものである。 b「b方式」と「b方式の亜種」年月を経過するにつれて「a方式」のように公定運賃制度を厳守することは崩れていき,現在では特別な貨物を除いて,「a方式」のような精算過程をとらずに,端的に販売運賃(市場運賃)と仕入運賃(合意運賃)で決済されるようになっているため,混載業者が原告に販売運賃(市場運賃)を支払い,原告が本件各航空会社国内支店に仕入運賃(合意運賃)を支払って決済するという,「b方式」の取引形態(別紙2の図2-1参照)が採用された。 このような取引形態は,①Bの新潟支店,広島支店及び福岡支店,②Eの名古屋支店,③Gの東京支店,④Cの東京支店,⑤平成14年4月以降のDの大阪支店との間で採用されていたものである。 また,「b方式の亜種」とは,スペースの仕入先が航空会社の国内支店ではなく,貨物販売代理店の場合の取引形態である(別紙2の図2-2参照)。 c「c方式」「c方式」とは,「b方式」において原告が本件各航空会社国内支店に支払う仕入運賃(合意運賃)に返戻金制度が存在する場合であり,仕入運賃(合意運賃)が市場を無視した価格で設定されているため,いったんは原告から本件各航空会社国内支店に仕入運賃(合意運賃)が支払われるが,それを補正するためその後返戻されるものである(別紙2の図3参照)。 このような取引形態は,原 価格で設定されているため,いったんは原告から本件各航空会社国内支店に仕入運賃(合意運賃)が支払われるが,それを補正するためその後返戻されるものである(別紙2の図3参照)。 このような取引形態は,原告の行った取引の90%以上の割合を占めているBの名古屋支店,東京支店及び新潟支店との間で採用されていたものである。 d「d方式」混載業者への販売価格(市場運賃)は,原告と混載業者との交渉で決められていたが,例外的に,Fの東京支店との取引については,Fの東京支店が販売価格(市場運賃)を決定し,混載業者から直接当該運賃を収受した上,原告の取扱高に応じて定められた割合によって,手数料が支払われるという「d方式」の取引形態(別紙2の図4参照)が採用された。 (ウ) 原告は,以上のような形態の取引を行い,その経理処理を次のとおり行っていたものである。 a貸方勘定(売上げ)(a) 「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」において混載業者から受け取る市場運賃(「航空貨物取扱収入勘定」に計上)(b) 「a方式」,「c方式」及び「d方式」において本件各航空会社国内支店から受け取る運賃返戻及び手数料(「a方式」の運賃返戻は「航空貨物取扱収入勘定」に計上。平成13~15年課税期間の「c方式」の運賃返戻及び平成15年課税期間の「d方式」の手数料は「支払貨物取扱割戻料勘定」に計上。平成17,18年課税期間の「d方式」の手数料は「航空貨物取扱収入勘定」に計上)b借方勘定(経費)(a) 「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」において本件各航空会社国内支店又は貨物販売代理店に支払う合意運賃(「キックバック支払額勘定」に計上)(b) 「a方式」において混載業者に支払う運賃返戻(「キックバック支払額勘定」に計上)(c) 原告がH社に対して支払う委託報酬(「キッ 代理店に支払う合意運賃(「キックバック支払額勘定」に計上)(b) 「a方式」において混載業者に支払う運賃返戻(「キックバック支払額勘定」に計上)(c) 原告がH社に対して支払う委託報酬(「キックバック支払額勘定」に計上)(d) 保税運賃(「支払運賃勘定」に計上)(エ) これらの取引については,いずれも原告が独立の業者として,自らの判断で混載業者から受注した外国貨物の国際輸送運賃を本件各航空会社国内支店へ発注し,輸送料金を支払うというのが実態であり,その損益の負担も原告に帰属しているものである。 (オ) これに対し,被告は,原告が,自ら航空運送状を作成することができず,航空運送状に運送契約の当事者として記載されていないことなどから,運送契約の当事者ではないなどと主張する。 しかしながら,物品運送契約は,運送人自ら輸送手段を運行して運送することを引き受ける契約(実運送契約)である必要はなく,他人(下請運送人)を履行補助者として利用することにより,運送サービスを提供することを引き受ける契約であってもよいのであって,これを原告について見れば,混載業者は荷送人,本件各航空会社国内支店は実際に運送を行う履行補助者に当たるものである。したがって,原告が航空機を有していないことや,航空運送状を作成できないことは,運送契約の成立に何ら支障となるものではない。原告が貨物利用運送事業法上の利用運送をする資格がないとしても,これによって原告が運送契約を締結することができなくなるものではなく,単に,同法上の問題があるにすぎない。 また,被告は,原告が,本件各航空会社国内支店から航空貨物運送に係る予約業務,販売促進業務及び航空貨物運賃回収業務を委託されているものであるとした上,原告が本件各航空会社国内支店から,委託販売手数料及び販売手数料(又は代理手数料) 社国内支店から航空貨物運送に係る予約業務,販売促進業務及び航空貨物運賃回収業務を委託されているものであるとした上,原告が本件各航空会社国内支店から,委託販売手数料及び販売手数料(又は代理手数料)を受領していると主張する。 しかしながら,原告の営業の実態は,本件各航空会社国内支店から貨物の積載スペースを仕入れ,これを混載業者に販売しているものにほかならない。原告は,混載業者との間で成約した貨物を,原告の判断で本件各航空会社国内支店の積載スペースに割り付けていくものであり,被告が予約業務であるとか販売促進業務などと主張するような実態はない。また,原告は,本件各航空会社国内支店に仕入価格で算出された運賃を定められた日に支払っているのであって,仕入れた積載スペースの代金を支払っているものにほかならない。被告の主張する委託販売手数料なる概念は恣意的なものであり,本件各航空会社国内支店との間の契約をみても,予約業務,販売促進業務及び運賃回収業務の委託という文言が記載されているものはすべてではなく,仮にそのような記載がされていたとしても,原告のような貨物販売代理店の業務の実態が上記のようなものであることに変わりはない。 イ輸出免税取引に該当することについて消費税法7条1項各号は,輸出免税となる対象について,取引に着目して定めており,当該取引に関与する主体に着目して定めていないことは,その規定の文言から明らかである。したがって,ある主体(納税者)が関与した取引が輸出免税の対象となる取引であるか否かが,当該主体に消費税が課税されるか否かの判断基準となるものである。 これを本件に則していえば,消費税法7条1項3号の国際輸送取引は,日本の荷送人を起点として中国の受取人を終点とする取引であり,この輸送取引に関わる主体,すなわち,荷送人,混載業者,航空会社及 ある。 これを本件に則していえば,消費税法7条1項3号の国際輸送取引は,日本の荷送人を起点として中国の受取人を終点とする取引であり,この輸送取引に関わる主体,すなわち,荷送人,混載業者,航空会社及び原告のような貨物販売代理店のすべてが,消費税について免税とされるものである。 以上を前提に,原告が,上記のとおり,a~d方式の各取引において,混載業者に対する役務の提供と本件各航空会社国内支店に対する役務の提供を行っており,それぞれが消費税法2条1項8号の「資産の譲渡等」に該当し,それぞれの対価を得ているものであることから,混載業者に対する役務の提供と本件各航空会社国内支店に対する役務の提供それぞれについて,消費税法7条1項1~5号の輸出免税取引に該当するか否かを個別に判断すべきである。 (ア) 原告が貸方勘定(売上げ)に計上したものについてa原告が「b方式」,「b方式の亜種」及び「c方式」において混載業者から受け取る市場運賃について原告は,貨物利用運送事業法上の第一種貨物運送事業者でも第二種貨物運送事業者でもなく,また,旧貨物運送取扱事業法上の運送取次事業者でもない。しかし,そうであるからといって,原告が消費税法7条1項3号の国際輸送取引に従事できないわけではなく,原告は貨物の運送取引に従事していたものである。混載業者が国際輸送取引の当事者であることは明らかであり,これらの混載業者と原告との取引が,国際輸送取引に当たることもまた明らかである。混載業者が運送の事業者である以上,原告がその資格を有する必要はない。 また,原告と混載業者との間の取引は,貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号の輸出類似取引に該当するものである。 以上によれば,原告と混載業者との間の取引は,輸出免税取引に該当するもの 貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号の輸出類似取引に該当するものである。 以上によれば,原告と混載業者との間の取引は,輸出免税取引に該当するものであり,混載業者から受け取る販売運賃は,輸出免税取引の対価である。 b原告が「a方式」,「c方式」及び「d方式」において本件各航空会社国内支店から受け取る運賃返戻及び手数料についてこれは,「国際航空旅客輸送に係るキックバックの取扱について(平成4年11月30日付日旅協第92-268号,貴協会照会文書に対する回答)」と題する通達(平成4年12月10日付け国税庁課消2-27。甲12。以下「本件キックバック通達」という。)にいう輸出免税取引に係る対価の返還に該当するものであり,本体の取引に係る対価関係が輸出免税取引に該当する以上,その一部の返還も輸出免税取引であると解すべきであるという常識を踏まえたものである。 したがって,原告が本件各航空会社国内支店から割戻しを受ける運賃は,各航空会社が行う輸出免税取引に係る対価の返還であるから,国際輸送取引に該当する。 また,原告と本件各航空会社国内支店との間の取引は,貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,輸出類似取引に該当するものである。 以上によれば,原告が本件各航空会社国内支店から割戻しを受ける運賃は,輸出免税取引の対価である。 (イ) 原告が借方勘定(経費)に計上したものについてa原告が「b方式」及び「c方式」において本件各航空会社国内支店に支払う合意運賃について原告が,本件各航空会社国内支店に対して支払っている運賃は,輸出免税取引の対価として支払っているものであり,国際輸送取引の対価に該当するものである。 b原告が「b方式の亜種」において貨物販売代理店に支払う合意運賃についてb方式の亜種の場合 ている運賃は,輸出免税取引の対価として支払っているものであり,国際輸送取引の対価に該当するものである。 b原告が「b方式の亜種」において貨物販売代理店に支払う合意運賃についてb方式の亜種の場合に原告が貨物販売代理店に支払う運賃と,混載業者から収受する運賃は,ともに国際輸送取引の対価に該当するものである。また,いずれも外国貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,輸出類似取引の対価に該当するものである。b方式の亜種の場合,航空会社は取引当事者とはなっていないから,被告が主張するように,原告の取引が,混載業者から航空会社のために運賃を預かりこれを航空会社に引き渡すものであるとか,航空会社のための予約業務,販売促進業務,運賃回収業務の委託を受けているものであるなどといえないことは明らかである。 c原告が「a方式」において混載業者に支払う運賃返戻について原告が混載業者に割り戻す運賃は,国際輸送取引の対価に該当するものである。 また,外国貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,輸出類似取引の対価に該当するものである。 d原告がH社に対して支払う委託報酬について原告がH社に対して支払う委託報酬も,国際輸送取引の対価に該当するものである。また,外国貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,輸出類似取引の対価に該当するものである。 e保税運賃について原告が運送業者に対して支払う保税運賃は,外国貨物の輸出入取引に直接関連する業務として,輸出類似取引の対価に該当するものである。保税運賃の多くは,H社が販売した積載スペースに関して発生するものである。すなわち,H社は,大阪を拠点とする会社であり,大阪の混載業者に対して販売をするが,当該航空貨物は,名古屋国際空港(小牧空港)から発送されることが多い。しかしながら,当該航空貨物を名古屋国際空港から発 わち,H社は,大阪を拠点とする会社であり,大阪の混載業者に対して販売をするが,当該航空貨物は,名古屋国際空港(小牧空港)から発送されることが多い。しかしながら,当該航空貨物を名古屋国際空港から発送するのは,あくまで原告の利益のためであるから,混載業者は,大阪から名古屋までの輸送費用を一切負担しない。あくまで,その費用(保税運賃)は,原告の責任において支払うものなのである。 原告が輸出免税とすべき保税運賃を支払っている以上,それに対応する売上利益分が存在するはずであり,この売上利益分はやはり輸出免税とすべきである。 ウ被告の主張について次のとおり反論する。 (ア) 被告の主張によれば,「c方式」の取引における原告の売上げには,販売手数料(運賃返戻)と委託販売手数料の二つがあることになるが,このように売上げを販売手数料(運賃返戻)と委託販売手数料に区分することは不自然かつ不合理である。 「c方式」の取引においては,混載業者からの販売運賃から航空会社に支払う仕入運賃を控除した差額がマイナス(赤字)になることも多く,被告が主張するように販売運賃から仕入運賃を控除した額を委託販売手数料として捉えるならば,委託販売手数料がマイナスの値となり委託販売手数料の概念に反することとなる。 (イ) 本件各航空会社国内支店と混載業者との2者の直接取引については,消費税法7条1項3号又は同法施行令17条2項4号が適用され輸出免税取引とされているにもかかわらず,これら2者の間に原告(貨物販売代理店)が入った3者取引となったとき,途端に①航空会社と貨物販売代理店との取引,②貨物販売代理店と混載業者との取引が,輸出免税取引に該当しなくなるという不合理な結果となる。 (被告の主張)ア原告の業務内容について(ア) 原告は,混載業者に対して本件各航空会社国内支店から預かっ 物販売代理店と混載業者との取引が,輸出免税取引に該当しなくなるという不合理な結果となる。 (被告の主張)ア原告の業務内容について(ア) 原告は,混載業者に対して本件各航空会社国内支店から預かった航空運送状を渡すとともに,本件各航空会社国内支店の航空機の積載スペースを確保し,混載業者が荷送人から預かった貨物が仕向地に届くように混載業者からの依頼に応じて,当該貨物を積み込むために確保した積載スペースに割り付け,その航空会社に予約を入れるという業務を主として行っているものである。そして,原告は,中国に主たる事務所を有する本件各航空会社国内支店から,航空貨物運送に関する予約業務,販売促進業務及び航空貨物運賃回収業務等を委託され,本件各航空会社国内支店と混載業者との間で,上記各業務を行い,委託販売手数料を受領しているものであり,航空運送代理店事業者である。 原告は,その業務内容を,本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペースを仕入れ,混載業者に販売しているものであり,予約業務,販売促進業務及び航空貨物運賃回収業務等を行っていないなどと主張するが,原告は,航空貨物業界において,GSAの一種である指定販売代理店(CSA)と呼ばれる代理業者であり,その実態は,航空会社の営業所と同様に,指定地域で販売資料の配布,宣伝広報活動,予約取扱業務などを行う総販売代理店(GSA)の下請業者である。 (イ) また,原告と本件各航空会社国内支店との間の契約を見ると,「a方式」の決済方式を採用する原告とDの大阪支店との契約では,Dの大阪支店は機内の積載スペースを確保し,原告は,航空輸送貨物の販売に全力を上げるものとされており,また,「b方式」の決済方式を採用するGの東京支店(日本支社)との契約では,原告は,貨物指定代理店として貨物販売,予約業務を受託するものとさ 原告は,航空輸送貨物の販売に全力を上げるものとされており,また,「b方式」の決済方式を採用するGの東京支店(日本支社)との契約では,原告は,貨物指定代理店として貨物販売,予約業務を受託するものとされている。さらに,「b方式」の決済方式を採用するEの名古屋支店との契約では,原告は,Eから航空貨物の営業及び販売を委託されるものとされている。このような各契約等の状況から,原告の業務は,本件各航空会社国内支店から航空貨物運送に関する予約業務,販売促進業務及び航空運賃回収業務等を委託されているものであって,本件各航空会社国内支店から航空機内の積載スペースを仕入れ,混載業者に対して販売しているなどというものではない。 また,委託された役務の提供の対価として,「b方式」の決済方式を採用するDの大阪支店は,貨物運送伝票上の額面価格の50%を販売手数料として支払うものとし,「c方式」の決済方式を採用するBの東京支店は,毎月の貨物発送量が20tを超えた場合,1kg当たり40円の代理手数料を支払うものとしている。さらに,「d方式」の決済方式を採用するFでは,CASS(乙23。貨物運賃共同精算方法)レポートに基づき販売手数料を算出し,販売手数料を振り込むものとしている。 (ウ) このように,混載業者,原告及び本件各航空会社国内支店間の貨物運賃の決済方式にかかわらず,原告は,国内において本件各航空会社国内支店に対して役務の提供を行い,その役務の提供に対する対価を得ているものであるから,「c方式」及び「d方式」の決済方式により航空会社から受領した販売手数料(又は代理手数料)(別表4の①)と,「a方式」,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店との取引において受領した航空貨物取扱収入からキックバック )(別表4の①)と,「a方式」,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店との取引において受領した航空貨物取扱収入からキックバック支払額等を控除した委託販売手数料(別表4の⑤)が,その役務の提供の対価として得た額である。 イ消費税法の定め消費税法は,事業者が国内において行う課税資産の譲渡等には,消費税を課すものとしているが(4条1項),輸出取引又は輸出類似取引に該当するものについては,消費税を免除することとしている(7条)。これは,消費税が内国消費税であり,国内において消費される物品やサービスについて負担を求める性格の税であることによるものである。輸出免税の範囲については,同法7条1項に規定されているところ,同項3号では「国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客若しくは貨物の輸送又は通信」を,また,同項5号では「前各号に掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの」を,それぞれ輸出免税取引とする旨規定し,さらに,同項5号を受けて,同法施行令17条2項において,輸出免税取引に該当する資産の譲渡等を規定している。そして,同項4号では「外国貨物の荷役,運送,保管,検数,鑑定その他これらに類する外国貨物に係る役務の提供」を原則として輸出免税になると規定している。 ウ原告の業務内容が輸出免税取引に該当しないこと原告は,本件各航空会社国内支店及び混載業者との取引が消費税法7条1項3号の国際輸送取引又は同項5号,同法施行令17条2項4号の輸出類似取引に該当する旨主張するところ,次のとおり,原告の業務内容は国際輸送取引又は輸出類似取引のいずれにも該当しない。 (ア) 国際輸送取引該当性について原告は,貨物利用運送事業法上の第一種貨物利用運送事業者の登録等及び第二種貨物 ,次のとおり,原告の業務内容は国際輸送取引又は輸出類似取引のいずれにも該当しない。 (ア) 国際輸送取引該当性について原告は,貨物利用運送事業法上の第一種貨物利用運送事業者の登録等及び第二種貨物利用運送事業者の許可を受けておらず,貨物の運送を行っているものではないし,国内及び国外の地域にわたって行われる貨物の輸送をするものでもない。現に,航空貨物の運送契約において発行される航空運送状には,荷送人欄,荷受人欄,運送状発行貨物代理店欄のいずれにも原告の名称はなく,原告は運送契約の当事者にはなっていない。また,実際の貨物は,混載業者から本件各航空会社国内支店に引き渡されるのであるから,原告は,混載業者が荷主から受領した貨物を運送することはなく,トラック等の運送用車両を所有しているものでもない。したがって,実態から見ても,原告は貨物の運送など行っていないのである。 以上のとおり,原告は,運送を請け負うことができず,私的にも法的にも運送営業ができないばかりか,実際に貨物を運ぶことさえないのであるから,原告が運送取引を行っていないことは明らかであり,消費税法7条1項3号の国際輸送取引を行い,その対価を得ていることもない。 (イ) 輸出類似取引該当性について消費税法施行令17条2項4号は,貨物の輸出入取引に直接関連する事業,すなわち,「外国貨物の荷役,運送,保管,検数,鑑定その他これらに類する外国貨物に係る役務の提供」(輸出類似取引)について,輸出免税の適用があることを明らかにしており,「これらに類する役務の提供」も,外国貨物に係る検量,梱包等の業務又は通関手続若しくは青果物,木材に係るくんじょう等の役務の提供といった貨物の輸出入に直接関連する業務がこれに該当することになる。また,消費税法上,外国貨物とは,関税法2条1項3号所定の外国貨物をいい,同 関手続若しくは青果物,木材に係るくんじょう等の役務の提供といった貨物の輸出入に直接関連する業務がこれに該当することになる。また,消費税法上,外国貨物とは,関税法2条1項3号所定の外国貨物をいい,同号によれば,輸出の許可を受けた後の貨物及び輸入が許可される前の貨物を意味するところ,輸出入の許可については,原則として,①関税関係法令以外の法令で規制されているものについて許可,承認あるいは検査を受けること,②輸出入しようとする貨物を保税地域等へ入れた後に税関へ申告すること,③税関が申告書を受理し,申告書類の審査及び現品検査を行うこと,④申告どおりのものであること等が確認されることといった手続を経た後にされることに照らすと,消費税法上の外国貨物は,国内においては,原則として,保税地域内に存在するものであることが明らかである。 これらを原告に当てはめれば,原告は,貨物利用運送事業法上の運送事業者ではないから,消費税法施行令17条2項4号でいう外国貨物の運送を行っているわけではない。また,原告は本件各航空会社国内支店に対して予約業務,販売促進業務及び航空運賃回収業務等という役務の提供をしているものであって,外国貨物に対して直接役務の提供を行っているのではない上,通関業者でないことはもとより,保税地域までの運送や保税地域内での作業にも関与していないのであるから,同号の「これらに類する役務の提供」を行っているものでもない。 以上のとおり,原告は,航空機内の積載スペースの取次ぎを行っているにすぎず,外国貨物を取り扱っているものでもないから,外国貨物に係る役務の提供を行ってはおらず,消費税法施行令17条2項4号に該当する取引を行うものではない。 (ウ) I株式会社が介在する取引(「b方式の亜種」)について原告は,「b方式の亜種」の取引形態における貨物販売代理 を行ってはおらず,消費税法施行令17条2項4号に該当する取引を行うものではない。 (ウ) I株式会社が介在する取引(「b方式の亜種」)について原告は,「b方式の亜種」の取引形態における貨物販売代理店(I)からの仕入れについて,貨物販売代理店は航空会社ではないので,原告の取引が,混載業者から航空会社のために運賃を預かりこれを航空会社に引き渡すものであるとか,航空会社のための予約業務,販売促進業務,運賃回収業務の委託を受けているものであるなどといえない旨主張する。 「b方式の亜種」の取引形態の貨物販売代理店であるIは,中国の航空会社に対し役務の提供を行う原告の同業者であり,原告は,J株式会社から貨物運送の予約を受け,Dのスペースの予約を行っているところ,航空運賃の精算は,原告とDとの間にIが介在しているため,原告はIとの間で運賃精算を行うこととなる。つまり,原告は,Jから同社がDへ支払うべき運賃をIの代わりに受領し,その預かった金員をDの窓口となっているIへ戻しているにすぎない。ただし,原告は,このときJから受領した金員の中から原告がIから受領すべき委託販売手数料を差し引いているのである。 したがって,原告は,Iから業務の委託を受け,同社に対して役務の提供を行っているのであり,この取引において受領する委託販売手数料は,運送や外国貨物に対する役務の提供の対価ではあり得ないことから,輸出免税等には該当しない。 (エ) 原告がH社に対して支払う委託報酬について原告は,H社に対して支払う委託報酬が国際輸送取引の対価に該当するものであり,また,外国貨物の輸出入取引に直接関連する業務として輸出類似取引の対価に該当すると主張するが,H社は,西日本地区における原告の下請的な存在の同業者で,原告から委託を受けて原告の業務の一部を行っていたものであり,輸出免税 入取引に直接関連する業務として輸出類似取引の対価に該当すると主張するが,H社は,西日本地区における原告の下請的な存在の同業者で,原告から委託を受けて原告の業務の一部を行っていたものであり,輸出免税等に該当する取引を行うことのない原告が,輸出免税等に該当する業務を同業者に請け負わせることなどできないのであるから,H社に対する支払の対価は輸出免税等に該当することはない。 なお,H社に対して支払われた委託報酬は,課税標準額から減算すべきものではなく,課税仕入れに該当し,仕入税額控除の対象とすべきものである(別表4の⑰参照)。 (オ) 保税運賃の負担について原告は,原告が支払っている保税運賃は輸出免税取引に該当し,それに対応する売上利益分が存在するはずであるから,この売上利益分は輸出免税に当たると解すべきであると主張するが,原告は運送事業者ではないのであるから,保税運送を直接行っているわけではなく,保税運送の手配をしているにすぎない。また,原告から支払運賃として運送業者に支払われる金員は,①航空会社が負担すべき運賃を原告が航空会社へ支払うべき預り金相当額から支払うもの,または,②保税運送を必要とする混載業者から受領した預り金相当額から支払われているものであり,原告が保税運賃を支払っているものではない。 (カ) したがって,原告の行う取引は,本件各航空会社国内支店からの航空貨物販売業務を委託されて行っているものであり,「c方式」及び「d方式」の決済方式により航空会社から受領した額は販売手数料(又は代理手数料)(別表4の①)として,「a方式」,「b方式」及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店との取引により受領した航空貨物取扱収入からキックバック支払額等を控除した額は委託販売手数料(別表 及び「c方式」の決済方式を採用する航空会社並びに「b方式の亜種」の決済方式を採用する貨物販売代理店との取引により受領した航空貨物取扱収入からキックバック支払額等を控除した額は委託販売手数料(別表4の⑤)として,それぞれ課税売上げとなり,いずれも輸出免税取引には該当せず,事業者が国内において行う課税資産の譲渡等に該当することから,消費税が課されることとなるものである。 (2) 争点(2)について(被告の主張)ア国税通則法68条1項は「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装し,その隠ぺいし,又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」は,過少申告加算税に代え,重加算税を課する旨規定しているところ,同項にいう「事実の隠ぺい」とは,売上除外,証拠書類の破棄等,課税要件に該当する事実の全部又は一部を隠すことをいい,「事実の仮装」とは,架空仕入れ・架空契約書の作成・他人名義の利用等,存在しない課税要件事実が存在するように見せかけることをいうものと解されている。 イ原告による経理処理(ア) Cへの支払運賃の繰上計上について原告補佐人税理士K(昭和20年▲月生。)は,原告代表者から依頼を受け,平成15年3月期の期末決算処理において,翌事業年度の経費として計上すべき平成15年4月分に係るCへの支払運賃1068万0210円及び1166万2354円の合計額2234万2564円を,平成15年3月期の所得金額を減少させる意図をもって,平成15年3月期に経費が発生したかのように帳簿書類に虚偽の記載をし,それに基づき平成15年3月期に係る原告の法人税の申告をした。 (イ) Bの東京支店の貨物販売手数料収入の繰延計上についてK税理士は,原告代表者から依頼を受け,平成15年3月期の収益とし の記載をし,それに基づき平成15年3月期に係る原告の法人税の申告をした。 (イ) Bの東京支店の貨物販売手数料収入の繰延計上についてK税理士は,原告代表者から依頼を受け,平成15年3月期の収益として計上すべきBの東京支店の貨物販売手数料収入の平成15年2月分の請求額107万5060円及び同年3月分の請求額85万8840円の合計額193万3900円を,所得金額を減少させる意図をもって,平成15年3月期分の収益として帳簿書類に記載せず,それに基づき平成15年3月期に係る原告の法人税の申告をした。 (ウ) このような経理処理は,K税理士から平成15年3月期に係る原告の法人税の所得金額につき5000万円くらいになる旨の説明を受けた原告代表者が,経営の先行きが不安になっていたことから,K税理士に所得金額の操作を依頼し,これに基づいて,K税理士が,本来翌事業年度(平成15年4月1日から平成16年3月31日まで)の経費として計上すべき平成15年4月分のCへの支払運賃2234万2564円を平成15年3月期に繰上計上し,さらに,Bの東京支店からの貨物販売手数料収入のうち,平成15年2月分及び同年3月分の合計額193万3900円を平成15年3月期に計上しないという操作を行った結果としてされたものである。このように,原告が意図的に収入の計上を繰り延べ,経費の計上を繰り上げて法人税の所得金額を調整していることは明らかであって,これは国税通則法68条1項の隠ぺい,仮装行為に該当するものである。 (エ) これに対し,原告は,国税庁長官が平成12年7月3日付けで発した「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」との通達(乙26。以下「本件事務運営指針」という。)が,収入の繰延計上,経費の繰上計上等について原則として仮装・隠ぺいとならないとしているとして,本件 税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」との通達(乙26。以下「本件事務運営指針」という。)が,収入の繰延計上,経費の繰上計上等について原則として仮装・隠ぺいとならないとしているとして,本件重加算税賦課決定処分が違法であるなどと主張する。 しかしながら,本件事務運営指針第1の3は,「当該行為が相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等ではないとき」という条件の下では,収入の繰延計上,経費の繰上計上等が帳簿書類の隠匿,虚偽記載等に該当しないという取扱いを定めているのであって,証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざん等があって,意図的に収入の繰延計上,経費の繰上計上等が行われれば,不正事実に該当するとしているのである。一方,国税庁が法人税の重加算税の賦課についてとりまとめた執務資料である「法人税の重加算税賦課に係る留意点について(情報)」(乙27。以下「本件執務資料」という。)は,本件事務運営指針第1の3に関し,収入の繰延計上,経費の繰上計上等の結果,過少申告となったことが,内部の資料その他のものによって意図的に行われていることが明らかな場合には,不正事実に該当するとして取り扱うこととしているのであるから,本件事務運営指針の賦課基準と比べても不合理であるとは認められない。 (オ) したがって,本件重加算税賦課決定処分は適法である。 (原告の主張)ア被告が本件重加算税賦課決定処分の理由とする収入の繰延計上,経費の繰上計上については,過少申告加算税の対象となるとしても,重加算税を賦課する要件を充足しない。確かに,経費及び売上げの発生時期については事実と異なる記載をして法人税の申告をしたが,当該取引自体は明確に記帳してあり,経費及び売上げ自体は何ら隠ぺい又は仮装していない。したがって,課税はいずれ発生するもの 及び売上げの発生時期については事実と異なる記載をして法人税の申告をしたが,当該取引自体は明確に記帳してあり,経費及び売上げ自体は何ら隠ぺい又は仮装していない。したがって,課税はいずれ発生するものであり,期間損益に関するものであって,このような場合は国税通則法68条1項に規定する事実の隠ぺい又は仮装に該当しないと解すべきである。 すなわち,売上げを翌期に繰り越したり,経費算入について翌期のものを繰り上げることにとどまる場合は,翌期以降も通算するとき,基本的に納税者が支払う税額には変わりがない。したがって,それ以上に課税標準自体の存在を隠ぺい,仮装する意思までは認められないのであって,本件のように期間損益について生じた所得額の過少申告の事案においては重加算税を賦課する要件に欠けるのである。 イ現に,期間損益に関する事案については,課税行政の実務においても原則として帳簿書類の隠匿,虚偽記載等はないものと扱われている。 すなわち,本件事務運営指針は,国税通則法68条1項に規定する隠ぺい又は仮装とは,①二重帳簿の作成,②帳簿書類の隠匿,虚偽記載等の存在が認められる場合とした上で,次の(ア)~(エ)の場合には,上記②には該当しないものとしている。 (ア) 売上げ等の収入の計上を繰り延べている場合において,その売上げ等の収入が翌事業年度の収益に計上されていることが確認されたとき。 (イ) 経費(原価に算入される費用を含む。)の繰上計上をしている場合において,その経費がその翌事業年度に支出されたことが確認されたとき。 (ウ) 棚卸資産の評価換えにより過小評価している場合。 (エ) 確定した決算の基礎となった帳簿に,交際費等又は寄附金のように損金算入について制限のある費用を単に他の費用科目に計上している場合。 したがって,本件事務運営指針は,期間損益に関する申告 場合。 (エ) 確定した決算の基礎となった帳簿に,交際費等又は寄附金のように損金算入について制限のある費用を単に他の費用科目に計上している場合。 したがって,本件事務運営指針は,期間損益に関する申告額の過少申告については,重加算税賦課の要件を充足しないことを確認したものと解すべきである。 ウところが,本件事務運営指針に関し,収入の繰延計上,経費の繰上計上等については原則として帳簿書類の隠匿,虚偽記載等はないものとして取り扱うとしつつも,当期の売上げであることを知りつつ翌期の売上げとしたことが,内部の稟議書等により確認できるなど,意図的に収入の計上を繰り延べていること等が内部資料その他のものによって明らかであれば,仮装・隠ぺい行為があったとして重加算税を賦課するための要件を充足するとする裁量基準(本件執務資料)も存在する。 しかし,一般に,収入の繰延計上,経費の繰上計上等が行われれば,当該事業年度における所得額が減少することは当然のことであるから,意図的に収入の計上を繰り延べていることにほかならない。したがって,上記基準は,本件事務運営指針が収入の繰延計上,経費の繰上計上等について原則として仮装・隠ぺいとはならないこととしていることを骨抜きにし,形骸化するものであって不合理である。 (3) 争点(3)について(原告の主張)本件重加算税賦課決定には,何の理由も示されていないところ,行政手続法14条1項は,「行政庁は,不利益処分をする場合には,その名あて人に対し,同時に,当該不利益処分の理由を示さなければならない。」と規定している。一般に,法が行政処分に理由を附記すべきものしているのは,処分行政庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものであるから,その記載を欠 分に理由を附記すべきものしているのは,処分行政庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものであるから,その記載を欠く場合には,当該処分自体の取消しを免れない(最高裁昭和36年(オ)第84号同38年5月31日第二小法廷判決・民集17巻4号617頁参照)。また,本件各更正処分にも理由が附記されていないから,本件各更正処分も取消しを免れないものである。 (被告の主張)原告は,行政手続法14条1項を根拠に,本件重加算税賦課決定や本件各更正処分に理由附記がないことが違法である旨主張する。しかしながら,国税通則法74条の2第1項は,国税に関する法律に基づき行われる処分その他の公権力の行使に当たる行為については,行政手続法3章(不利益処分)の規定(12~31条)は適用しないと定めており,この点から本件重加算税賦課決定に理由を附記する必要はない。なお,前記最高裁判決は,所得税法における青色申告者の更正理由の附記について判断したものであり,重加算税賦課決定についての判断ではない。また,消費税法においても,消費税の更正について理由を附記すべきとする規定はない。 したがって,これらの処分に理由を附記する必要はないのであって原告の主張は失当である。 第3当裁判所の判断 争点(1)について(1) 前記前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア航空貨物業界においては,航空会社から特定地域に限定して旅客や貨物の営業販売などを包括的かつ独占的に委託されたGSAと呼ばれる代理業者があり,GSAの業務は,航空貨物の販売に付随するマーケティング,予約業務,運賃回収業務,送金業務,コンサルティング業務,関係省庁・団体との調整業務のほか,貨物の積付け指示 GSAと呼ばれる代理業者があり,GSAの業務は,航空貨物の販売に付随するマーケティング,予約業務,運賃回収業務,送金業務,コンサルティング業務,関係省庁・団体との調整業務のほか,貨物の積付け指示などの空港業務などであるところ,GSAは,特定の委託地域においては独占的な契約であるため,一つの航空会社が同じ地区において複数のGSAを同時に起用することはあり得ない。他方,中国等の旧共産圏の国における航空会社は,一つの地区において,CSA(指定販売代理店)と呼ばれる業者を複数起用して,航空会社やGSAの行う業務の下請をさせているところ,原告は,F,C,Dなどの複数の中国航空会社の国内支店にCSAとして起用されていた(乙30の1・2,原告代表者)。 イ原告は,通関業務や保税地域内での業務を行うものではなく,貨物利用運送事業法上の第一種貨物利用運送事業の経営に係る登録(平成14年法律第77号による改正前の貨物利用運送事業法においては許可)及び第二種貨物利用運送事業の経営に係る許可を受けておらず,自ら運送手段を有するものでもない。原告は,航空運送状においても運送契約の当事者とはされておらず,トラック等の運送用の車両も所持していない(甲10の1・2,11の1・2,乙2,28の1~3,乙A2,乙B11の1・2,乙B12,原告代表者)。 ウ原告は,平成9年10月30日,Dとの間で貨物輸送業務と販売について,次のような内容の契約を締結した(乙17の1・2)。 (ア) 原告は,1200tを目標に,Dが日本から発送する航空輸送貨物の販売に全力を上げる(1条)。 (イ) 原告は主にDの関西国際空港からの始発便を利用し,Dが日本から発送する貨物の輸送業務及び販売に全力で協力する(2条)。 (ウ) Dは,原告の販売に協力するとともに,日本から発送される貨物のために ) 原告は主にDの関西国際空港からの始発便を利用し,Dが日本から発送する貨物の輸送業務及び販売に全力で協力する(2条)。 (ウ) Dは,原告の販売に協力するとともに,日本から発送される貨物のために機内の積載スペースを確保する(3条)。 (エ) Dは,貨物輸送伝票上の額面価格の50%を,原告の販売手数料として原告に支払うものとする。なお,①広州を経由する国内貨物のうち,Dのみを使用する場合については,国内輸送価格に対する販売手数料の決済計算に,上述の条件を適用するものとする。②1度に大量の貨物を発送する場合の販売手数料は,上述の条件の適用範囲外とし,具体的な状況に合わせ,双方の協議により決定するものとする(4条)。 エ原告は,平成15年1月8日,Gの東京支店(「日本支社」ともいう。以下,この項において「本件支社」という。)との間で,航空貨物の販売,予約業務代行に関し,次のような内容の契約を締結し,「航空貨物の販売・予約業務代行に関わる合意書」と題する書面(以下「本件合意書」という。)を作成した(乙18)。 (ア) 本件支社は,原告を日本地区における貨物指定代理店として指名し,貨物販売・予約業務を原告に委託する。原告は,本件合意書の定めに従って,上記の業務を,本件支社より受託する(1条1,2項)。 (イ) 本件支社は,本件支社の必要に応じ,本件支社の職員を指名し,原告の行為を監督することを得る。本件支社は,本件支社の陣容・組織により,日本地区内の貨物販売を行うことがある。この場合は,本件支社は,原告に,事前通知し,原告は,本件支社に対し,支援協力するものとする(2条1,2項)(ウ) 本件合意書は,本件支社と他の航空会社との間で取り交わされた運送協議書若しくは同種の契約書のいかなる条項に,影響するものではない(4条)。 (エ) 本件合意書の定 るものとする(2条1,2項)(ウ) 本件合意書は,本件支社と他の航空会社との間で取り交わされた運送協議書若しくは同種の契約書のいかなる条項に,影響するものではない(4条)。 (エ) 本件合意書の定めにより,原告は,日本地区内において,本件支社の貨物運送サービスを代行して販売することを得る(5条2項)。 (オ) 原告は,本件支社の貨物運送サービスを代行販売し,販売促進するために,以下の役務・職能を本件支社に提供する(6条)。 ①予約業務及び関連する事務業務②代理店業界,報道及び一般顧客に対し,本件支社の名声を高めるべく広報宣伝に努める。また,同様に本件支社の要請に応じて,本件支社に代わり,本件支社の日本地区内におけるサービスに関わる事項に関して,公的機関を含む外部と折衝を行う。 ③前項に定める行為により生じた結果は,速やかに,本件支社に,報告する。 ④本件支社の要請に応じ,市場統計,市況報告等を,本件支社に提出する。 ⑤本件合意書に定める諸々の運営に必要な法律,税制,その他関連情報を,本件支社に提供する。 ⑥貨物代理店,荷主,その他関連先を,妥当な間隔において,訪問する。 ⑦本件支社に対し,宣伝,販促用品等に関して推挙,進言する。 ⑧本件支社より提供されたタイムテーブル等の販促用品を展示し,配布すること。また,当該物品は,本件支社の資産の一部として大切に取り扱うこと。 ⑨貨物代理店を適切に指導すること。当該指導とは原告と代理店間における精算に関わるものを含む。 ⑩本件支社の販売促進に関わる宣伝業務を代行し種々活動すること。該当費用は両社の合意に基づき両社が負担する。ただし,本件合意書10条にて定める報酬とは重複しない。 ⑪その他,両社の協議により,原告は,本件支社の妥当なる要求に基づき,各種役務の提供を行う。 (カ) 双方は 社の合意に基づき両社が負担する。ただし,本件合意書10条にて定める報酬とは重複しない。 ⑪その他,両社の協議により,原告は,本件支社の妥当なる要求に基づき,各種役務の提供を行う。 (カ) 双方は,原告の日本地区内における本件支社の定期・不定期・貸切り便の貨物販売に対し,該当IATA(国際航空運送協会)決議に定める通常の手数料を適用しないことに合意する(10条1項)。 双方は,原告が,本件支社からの仕入価格に,原告の利益を加算し,貨物代理店又は荷主に販売すること,また同差額を原告の利益(報酬)とすることに合意する。 ただし,原告は,本件支社との協議を通じ,常に,販売価格を妥当な水準に保つことを求められる(10条2項)。 双方の別途合意がない限り,本条に定める差額を,原告のすべての役務及び販売行動に対する唯一の報酬とする(10条3項)。 (キ) 本件支社に代行して原告が販売し,徴収した運賃の総額を,本件合意書に基づき,本件支社が検証を終了するまでの期間,本件支社の財貨として,原告は保管しなければならない(13条1項)。 (ク) 本件支社と原告は,国際航空貨物輸送に関する本件支社より原告に対する卸価格について,次のとおり合意した(付件-1)。 ①発地支払運賃(日本発・中国各地着)最低料金一律3200円/件重量段階GCR貨物(着地)瀋陽,45KG未満290円/KG大連,哈尓45KG以上270円/KG濱,長春500KG以上250円/KG(着地)上記445KG未満350円/KG地点以外45KG以上330円/KG500KG以上310円/KG(注)容積重量:6000立方㎝=1.0KG②着地支払運賃適用仕向地瀋陽,大連,哈尓濱,長春,北京,上海,廣州(7地点)適用賃率公示運賃の15%割引③保険・保安管理サー 310円/KG(注)容積重量:6000立方㎝=1.0KG②着地支払運賃適用仕向地瀋陽,大連,哈尓濱,長春,北京,上海,廣州(7地点)適用賃率公示運賃の15%割引③保険・保安管理サーチャージ適用すべての運送状賃率600円/AWBオ原告は,平成10年7月6日,Eの名古屋支店との間で,国際航空貨物の営業及び販売に関し,次のような内容の契約を締結した(乙19)。 (ア) Eは,原告に対し,日本発のSZ便の国際航空貨物スペースの営業・販売とそれに伴う航空運賃の回収業務を委託し,原告はこれを引き受ける(1条)。 (イ) Eは,原告が委託業務を円滑に遂行できるよう,原告に対し,日本発の貨物スペースを確保,保証し,貨物運輸の規則,運賃,運輸条件,フライト時刻表,その他必要な資料,情報を提供するものとする(2条1項)。 原告は,Eの貨物を販売するに当たり,Eの規則,運賃,運輸条件,フライト時刻及びその他の業務資料に従うこととする(2条2項)。 (ウ) 原告は,Eの日本での国際航空貨物の営業販売に全力で協力することとする(3条)。 (エ) Eの原告に対する貨物1KG当たりの卸売価格は,両者協議の上,次のとおり定める。また,市場の変化等により,双方協議の上,卸売価格を変更することができるものとする(5条)。 RATEFROMNGOTOCKGWEIGHT/KGNETPRICEJP¥/KGM4,000N +45 +100 +200 +500 +1000 カ原告は,Bの東京支店から,平成14年8月20日付けで送付された輸送価格通知書(以下「本件価格通知書」という。)に記載された東京始発の航空貨物輸送価格に基づいて,Bの東京支店との間で航空貨物に関する取引を行っており,本件価格通知書には,「 0日付けで送付された輸送価格通知書(以下「本件価格通知書」という。)に記載された東京始発の航空貨物輸送価格に基づいて,Bの東京支店との間で航空貨物に関する取引を行っており,本件価格通知書には,「使用条件」として,次のとおりの記載がある(乙20)。 (ア) 危険物,貴重品,輸送代金後払い貨物は,輸送担当側が支払う代理手数料を輸送費の10%とする。危険物,貴重品,代金後払い貨物についても,必ず一般の輸送代金前払い貨物と同じくそれぞれ販売報告書を作成しなければならない。代理手数料の支払は,代理側が次の決済時に支払う売上げから差し引くものとするが,販売報告書にその旨必ず明記すること。輸送料金後払い貨物の代理手数料は,輸送担当側が到着貨物の輸送代金の受領を確認した後に支払うものとする(5条)。 (イ) 貨物輸送の代理手数料は,上記の5条の規定に基づくほか,その他の貨物輸送については,毎月の貨物発送量が20tを超えた場合,輸送請負者は1㎏当たり40円の代理手数料を支払うものとする。代理手数料は毎月決済し,決済時には,販売報告書のコピーを送付すること(8条)。 (ウ) 代理担当側の予約する積載スペースは,本支店成田空港事務所の関連作業規定に従って手配するものとする(10条)。 キ原告は,F(「CA」とも呼称されている。)から,平成14年12月25日付けで送付された「弊社との販売取引及びCA券使用に関して」と題する書面(以下「本件連絡文書」という。)の記載に基づいて,Fとの間で航空貨物に関する取引を行っており,本件連絡文書によれば,取引の精算方式は,「d方式」を採用し(四-①),原告は,決められた期日にFの名古屋支店に販売運賃をFAX送信して報告し(四-②),原告から提出されたセールスレポート等に基づき販売手数料を算出して,原告においてその内容を確認し 採用し(四-①),原告は,決められた期日にFの名古屋支店に販売運賃をFAX送信して報告し(四-②),原告から提出されたセールスレポート等に基づき販売手数料を算出して,原告においてその内容を確認した後,販売手数料が支払われるものとされていた(乙21)。 ク原告は,上記のような本件各航空会社国内支店との間の各契約等に基づき,混載業者の依頼に係る航空貨物の容積や仕向地への到着希望時刻などに沿うように,貨物を積載する本件各航空会社国内支店の航空機の発着時刻や出発地,便数,積載スペースの空き状況等を確認するなどして当該航空貨物を積載する積載スペースを手配し,航空貨物の受取人が受領したか否かについても追跡調査するなどのサービスを提供していた(甲43,原告代表者)。また,原告は,Bの名古屋支店の上海向けの航空貨物に係る積載スペースの手配に関し,大阪に拠点を有するH社に,大阪の混載業者との取引の一部を委託していた(弁論の全趣旨)。 ケ原告は,これらの業務を行うため,本件各航空会社国内支店の航空機の積載スペースをあらかじめ確保している場合もあるが,あくまで混載業者からの委託があることを予想した上での概括的かつ予約的なものであり,確保していたものの最終的に貨物を積載しなかった積載スペースについては,本件各航空会社国内支店に対し不要となった旨連絡するのみで,原告が本件各航空会社国内支店に弁償するなどの責任を負うことはない(原告代表者)。 コ原告が上記クのような業務を行った場合の混載業者や本件各航空会社国内支店との間での代金の精算と経理処理は,次のようなものとなっていた(甲9,弁論の全趣旨)。 (ア) 平成14年3月までDの大阪支店との間でされていた決済等の方法(原告が「a方式」と主張している形態のものに対応する方法)Dの大阪支店と混載業者が,IATA っていた(甲9,弁論の全趣旨)。 (ア) 平成14年3月までDの大阪支店との間でされていた決済等の方法(原告が「a方式」と主張している形態のものに対応する方法)Dの大阪支店と混載業者が,IATA(国際航空運送協会)の決議に基づき,日本及び中国の2国間で認可された公定運賃により運賃決済を行った後,原告が,Dの大阪支店から運賃の返戻を受け,その一部を原告が混載業者に支払うことにより運賃の精算が終了するものであり,原告は,Dの大阪支店から返戻を受ける運賃を「航空貨物取扱収入勘定」の貸方に計上し,混載業者への支払額を「キックバック支払額勘定」の借方に計上していた。この場合,原告の利益(業務の対価)は,Dの大阪支店から支払われる運賃返戻分から混載業者に支払う運賃を控除した額となる。 (イ) Gの東京支店等との間でされていた決済等の方法(原告が「b方式」,「b方式の亜種」と主張しているものに対応する方法)原告が,混載業者との間で取り決めた代金を混載業者から受領し,①Gの東京支店,②Eの名古屋支店,③Bの福岡支店,新潟支店(ただし,新潟支店については,平成13年5月から平成14年5月までの分を除く。),広島支店,④Dの大阪支店(ただし,平成14年4月以降),⑤Cの東京支店に対して,原告とこれらの支店との間で合意した代金を支払うことによって運賃の精算が終了するものであり,原告は,混載業者から受領する代金を「航空貨物取扱収入勘定」の貸方に計上し,上記の各支店に対して支払う代金を「キックバック支払額勘定」の借方に計上していた。この場合,原告の利益(業務の対価)は,混載業者から支払われる代金と,上記の各支店に対して支払う代金との差額である。 なお,原告とDの大阪支店との間における航空運賃の精算については,原告とDの大阪支店との間に,原告と同様に中国の航空 は,混載業者から支払われる代金と,上記の各支店に対して支払う代金との差額である。 なお,原告とDの大阪支店との間における航空運賃の精算については,原告とDの大阪支店との間に,原告と同様に中国の航空会社に対して航空貨物に係る役務の提供を行うIが介在しており,原告は,混載業者であるJから支払を受けた代金から利益相当分を控除してIに代金を支払い,同代金を「キックバック支払額勘定」に計上している(甲9,21~24,弁論の全趣旨)。 (ウ) Bとの間でされていた決済等の方法(原告が「c方式」と主張しているものに対応する方法)原告が,混載業者から代金を受領し,Bの名古屋支店,東京支店及び新潟支店に対し,代金を支払った後,上記各支店から,割戻料を受領することによって運賃の精算が終了するものであり,原告の業務の一部をH社に委託した場合には,H社に対して委託報酬を支払うことになるものである。原告は,混載業者から支払われる代金を「航空貨物取扱収入勘定」の貸方に,上記各支店に対して支払う代金を「キックバック支払額勘定」の借方に,上記各支店から支払われる代金を「支払貨物取扱割戻料勘定」の貸方に,H社に支払う委託報酬を「キックバック支払額勘定」の借方に,それぞれ計上していた。この場合の原告の利益(業務の対価)は,混載業者から受領する代金と,上記各支店に対して支払う代金の差額に,上記各支店から支払われる代金を加算した額となる(なお,H社に支払う委託報酬は,原告が事業として同社から役務の提供を受けることに対する対価の支払に当たり,後述するとおり,課税仕入れに該当するものと解される。)。 (エ) Fの東京支店との間でされていた決済等の方法(原告が「d方式」と主張しているものに対応する方法)Fの東京支店と混載業者との間で取り決めた市場運賃により運賃決済を行った後,原 解される。)。 (エ) Fの東京支店との間でされていた決済等の方法(原告が「d方式」と主張しているものに対応する方法)Fの東京支店と混載業者との間で取り決めた市場運賃により運賃決済を行った後,原告が,Fの東京支店から販売手数料を受領することによって運賃の精算が終了するものであり,原告は,Fの東京支店から支払われる手数料を平成15年課税期間につき「支払貨物取扱割戻料勘定」の貸方に,平成17,18年課税期間につき「航空貨物取扱収入勘定」の貸方に,それぞれ計上していた。この場合,原告の利益(業務の対価)は,Fの東京支店から支払われる手数料である。 サ原告は,東京,大阪,新潟などの名古屋周辺地域以外の混載業者から依頼を受けた航空貨物や,名古屋周辺地域で混載業者から依頼を受けた貨物を同地域以外の空港から発送する場合などに,その航空貨物の陸上輸送を運送業者に依頼して,その運送代金を負担しており,このような運送代金を「支払運賃」として,損益計算書上,売上原価に当たるとの会計処理を行っていた(甲9,49~52,60~67,乙14~16,乙A4,乙B4の1,原告代表者)。 シ本件キックバック通達は,社団法人日本旅行業協会が平成4年11月30日付けで国税庁に対してした照会に対する回答という形式で発出された通達であって,旅行業者と航空運送事業者との間において,正規の手数料(当時の券面額の9%相当額)のほかに,①販売奨励金,②スケールメリット,③季節割引,④広告宣伝補助金等種々の名称の下に授受される「キックバック」と称される金銭について,旅行業者と航空運送事業者のいずれにも免税取引に係る対価の返還に該当するものとして扱ってよいとするものであり,国際航空旅客輸送に係るキックバックのみならず,国際航空貨物輸送に係るキックバックについても同様の取扱を受けるものと いずれにも免税取引に係る対価の返還に該当するものとして扱ってよいとするものであり,国際航空旅客輸送に係るキックバックのみならず,国際航空貨物輸送に係るキックバックについても同様の取扱を受けるものとされている(甲12,13)。 (2)ア原告の業務内容について(ア) 以上の認定事実によれば,原告は,自ら運送業を行う法定の許認可等を受けているものではなく,そのための設備・機器を有するものでもない上,本件各航空会社国内支店との間における契約等の取決めに従って,混載業者から依頼を受け,本件各航空会社国内支店に対して,混載業者が集貨した航空貨物を積載するための航空機の積載スペースを手配し,基本的に混載業者から支払を受ける金額と航空会社の国内支店に支払われる金額の差額(b,c方式。a方式では航空会社国内支店から支払を受ける金額と混載業者に支払われる金額との差額)及び航空会社国内支店から支払を受ける金額(c,d方式)をもって,その営業上の利益(原告の行う業務の対価)としていることが認められる。そうすると,その業務の実態は,航空貨物の運送を行うとか,本件各航空会社国内支店から航空機の積載スペースを購入し,これを混載業者に転売するなどというものではなく,原告は本件各航空会社国内支店から委託を受けた仲介業者あるいは代理人として,混載業者と本件各航空会社国内支店との間で締結される運送契約の仲介ないし取次ぎを行って本件各航空会社国内支店からの手数料収入を得ているものと見るのが相当である。 (イ) 原告は,混載業者と本件各航空会社国内支店の中間業者として,航空貨物の運送に関わっていることから,自ら本件各航空会社国内支店との間で運送契約を締結し,航空貨物の運送を行っているものであると主張する。しかしながら,物品に係る運送契約は,荷送人が運送人に物品の運送を委託し, に関わっていることから,自ら本件各航空会社国内支店との間で運送契約を締結し,航空貨物の運送を行っているものであると主張する。しかしながら,物品に係る運送契約は,荷送人が運送人に物品の運送を委託し,運送人において荷送人に対し,物品の運送という役務を提供することを内容とする契約であると解されるところ,原告は,そもそも自ら物品の運送を行うために必要な設備・機器を有していない上,荷主の保護,事業者間の過当競争の防止,零細な事業者の集約化等を目的として,約款の認可,新規参入や事業計画の規制などの行政的規制が行われている運送事業に関し,実運送事業者,利用運送事業者としての関係法令上の登録等を経ていないのであるから,自ら荷送人に対し,物品の運送という役務を提供することはできないのであって,原告が混載業者や本件各航空会社国内支店との間で締結する契約を,航空貨物に係る運送契約であると解することはできない。 また,原告は,本件各航空会社国内支店ごとに,その代金の精算方法等をa~d方式に区分し,別紙2のとおり,①a方式については,Dの大阪支店から支払われる代金及び混載業者に支払う代金をいずれも「運賃返戻」とし,②b方式については,混載業者から支払を受ける代金を「市場運賃」,Gの東京支店等又はI等の同業者に支払う代金を「合意運賃」とし,③c方式については,混載業者から支払われる代金を「市場運賃」,Bの名古屋支店等に支払う代金を「合意運賃」,Bの名古屋支店等から支払われる代金を「運賃返戻」とし,④d方式については,混載業者がFの東京支店に支払う代金を「市場運賃」,同支店から原告に支払われる代金を「手数料」として,いずれも,運送契約の対価であるかのように主張するとともに,本件キックバック通達を引用して,本件各航空会社国内支店から返戻を受ける運賃が輸出免税取引の対 から原告に支払われる代金を「手数料」として,いずれも,運送契約の対価であるかのように主張するとともに,本件キックバック通達を引用して,本件各航空会社国内支店から返戻を受ける運賃が輸出免税取引の対価に該当すると主張する。 しかしながら,上記認定事実によれば,原告は,混載業者と本件各航空会社国内支店との間に立って,運送契約の取次ぎを行う業者であって,本件各航空会社国内支店から本件各航空会社国内支店発行に係る航空運送状を預かり,これを混載業者に交付することはあっても,自ら運送契約の当事者として航空運送状を発行することはないのであるから,運送契約の当事者は,あくまで混載業者と本件各航空会社国内支店であると認められる。本件キックバック通達も,運送契約当事者間における運賃の返戻についての取扱いを定めたものであって,原告が本件各航空会社国内支店から返戻を受ける金銭が,本件キックバック通達におけるキックバックであると認めることはできない。したがって,原告は,自ら運送契約の当事者として航空貨物の運送に係る役務の提供を行うものではないのであるから,原告が混載業者や本件各航空会社国内支店との間で授受する金銭は,その額が混載業者と本件各航空会社国内支店との間の運送契約における運賃に依拠して定められているものであるとしても,航空貨物の委託手数料というべきものであって,これをもって運送契約上の運賃であるとかその返戻であるなどとは認められない。 (ウ) 以上によれば,原告は,航空貨物に係る運送契約の取次業者であると認めるのが相当である。 イ原告の取引が輸出免税取引に該当するか否かについて以上に認定した原告の業務内容を前提に,原告が行う取引が,消費税法上の輸出免税取引に該当するか否かを検討する。 (ア) 消費税法7条所定の輸出免税取引該当性についての主張立証責任の所 るか否かについて以上に認定した原告の業務内容を前提に,原告が行う取引が,消費税法上の輸出免税取引に該当するか否かを検討する。 (ア) 消費税法7条所定の輸出免税取引該当性についての主張立証責任の所在について消費税法7条1項は,事業者が国内において行う課税資産の譲渡等のうち,同項各号に掲げるものに該当するものについては消費税を免除することとして,同項各号に輸出免税取引となる取引類型を列挙しているところ,同法は,課税資産の譲渡等の対価の額を消費税の課税標準と定めており(同法28条1項本文),課税資産の譲渡等があれば,その対価については原則として消費税が課税され,それが免除されることが例外であること,同法7条1項各号所定の輸出免税取引に該当すれば,当該取引に係る課税資産の譲渡等の対価については消費税が免除され,納税者がその利益を享受するものであることからすれば,輸出免税取引該当性が問題となっている更正処分の取消訴訟において,納税者が行った取引が輸出免税取引に該当することについては,納税者である原告が主張・立証責任を負担するものと解するのが相当である。 (イ) 原告の取引の輸出免税取引該当性について原告は,a~d方式のいずれの決済方式においても,混載業者,本件各航空会社国内支店及びIなどの他の貨物販売代理店との間の取引(収入及び支出の双方を含む。)が,いずれも消費税法7条1項3号所定の国際輸送取引,又は,同項5号,同法施行令17条2項4号所定の輸出類似取引に該当すると主張するので,以下検討する。 a国際輸送取引該当性について消費税法7条1項3号は,事業者が国内において行う課税資産の譲渡等が「国内及び国内以外の地域にわたって行われる貨物の輸送」(国際輸送取引)に該当する場合には,当該課税資産の譲渡等に係る消費税を免除する旨定めていることか は,事業者が国内において行う課税資産の譲渡等が「国内及び国内以外の地域にわたって行われる貨物の輸送」(国際輸送取引)に該当する場合には,当該課税資産の譲渡等に係る消費税を免除する旨定めていることからも明らかなとおり,事業者が同号所定の「貨物の輸送」という課税資産の譲渡等(この場合は役務の提供)を行う場合に適用される規定であって,事業者の行う課税資産の譲渡等が同号所定の「貨物の輸送」に当たらない場合には適用されないものである。 これを本件について見ると,上記認定事実によれば,原告は,本件各航空会社国内支店から委託を受けて,混載業者と本件各航空会社国内支店との間で締結される運送契約の仲介ないし取次ぎを行う業者であって,自ら貨物の輸送を行うものではなく,原告が混載業者に対して提供している役務の内容も,混載業者が集貨した混載貨物の積載スペースの手配にすぎないと認められるから,このような取引をもって同号所定の「貨物の輸送」(国際輸送取引)に該当すると認めることはできない。 b輸出類似取引該当性について輸出類似取引にかかる消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号は,事業者が「外国貨物の荷役,運送,保管,検数,鑑定その他これらに類する外国貨物に係る役務の提供」を行った場合に,かかる役務の提供をもって輸出免税取引としているところ,これは,外国貨物の荷役,運送,保管,検数,鑑定などが貨物の輸出入取引に直接関連する業務であり,輸出入取引に必然的に発生するものであることから,これら外国貨物に係る役務の提供をもって輸出免税取引としたものであると解するのが相当である。そして,消費税法上の外国貨物とは,関税法2条1項3号に規定する外国貨物をいい(消費税法2条1項10号),関税法上,外国貨物とは,輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物で輸入が である。そして,消費税法上の外国貨物とは,関税法2条1項3号に規定する外国貨物をいい(消費税法2条1項10号),関税法上,外国貨物とは,輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される前のものをいうとされ(同法2条1項3号),外国貨物は原則として保税地域以外の場所に置くことはできず(同法30条1項本文),外国貨物の運送も税関長の承認を要する行為であること(同法63条1項)にかんがみると,消費税法施行令17条2項4号にいう「その他これらに類する外国貨物に係る役務の提供」とは,外国貨物に係る検量,梱包等の業務,通関手続,青果物や木材に係るくんじょう等のように保税地域内で行われる外国貨物に係る直接の役務の提供をいうものと解するのが相当である(乙25)。 これを本件について見ると,原告は,上記判示のとおり,そもそも保税地域内での業務を行うものではなく,本件各航空会社国内支店から委託を受けた航空貨物の取次業者であって,外国貨物の運送はもとより,外国貨物に直接関わる役務の提供を行っているものではないから,原告の行っている航空貨物の取次ぎに係る取引をもって,消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号所定の「外国貨物に係る役務の提供」(輸出類似取引)に該当すると認めることはできない。 cIが介在する取引(「b方式の亜種」)について原告は,「b方式の亜種」の取引形態における貨物販売代理店(I)からの仕入れについて,貨物販売代理店は航空会社ではないので,原告の取引が,混載業者から航空会社のために運賃を預かりこれを航空会社に引き渡すものであるとか,航空会社のための予約業務,販売促進業務,運賃回収業務の委託を受けているものであるなどとはいえない旨主張する。 しかし,「b方式の亜種」の取引形態においては,原告とDの大阪支店との間に, あるとか,航空会社のための予約業務,販売促進業務,運賃回収業務の委託を受けているものであるなどとはいえない旨主張する。 しかし,「b方式の亜種」の取引形態においては,原告とDの大阪支店との間に,原告と同様に中国の航空会社に対して航空貨物に係る役務の提供を行うIが介在しているものの,原告の行っている取引の性質が航空貨物に係る運送契約の取次ぎであって自ら貨物の輸送を行っているとはいえないことに変わりはないから,Iが介在する取引についても,それが国際輸送取引又は輸出類似取引に該当するとは認められない。 d原告がH社に対して支払う委託報酬について原告は,H社との取引が国際輸送取引及び輸出類似取引に該当するから,H社に対して支払う委託報酬は輸出免税取引の対価である旨主張する。 しかしながら,上記認定事実によれば,H社は,大阪に拠点を有する会社であり,大阪の混載業者を中心に航空貨物の取次ぎを行っているものであって,原告との関係では,航空貨物の取次ぎに関する下請業者に類するものと認めるのが相当である。 したがって,H社の業務内容も,原告と同様のものであると認められるから,これまで判示したところによれば,原告とH社との間の取引が国際輸送取引であるとか輸出類似取引であるなどとは認められないというべきである。 なお,H社に対して支払う委託報酬は,消費税法2条1項12号に規定する課税仕入れに該当するから,同法30条により仕入税額控除の対象とすべきである。 e保税運賃の負担について原告は,混載業者の所在地から航空貨物の発送地までの運送費用を負担していることをもって「保税運賃」を負担しているとして,これに対応する収入が消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号所定の輸出類似取引の対価に該当するなどと主張する。 しかしながら,前記bにおいて説示したとおり,消 保税運賃」を負担しているとして,これに対応する収入が消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号所定の輸出類似取引の対価に該当するなどと主張する。 しかしながら,前記bにおいて説示したとおり,消費税法7条1項5号,同法施行令17条2項4号は,事業者が,自ら同号所定の輸出類似取引を行った場合に,その役務の提供をもって輸出免税取引とするものであるところ,上記認定事実によれば,原告は,自ら物品の運送を行うものではなく,下請の運送会社に対し,混載業者から積載スペースの手配を依頼された航空貨物を,自ら手配した本件各航空会社国内支店の航空機の出発地まで輸送するよう依頼し,その費用を負担していたというものであって,混載業者に対する保税運送という役務の提供をしていたものであるとは認めることができない。 そうすると,運送業者が行った運送行為が保税運送に当たるとしても,原告自身が保税運送という役務の提供をしたと評価することはできないから,原告から運送業者に支払った金員は,①航空会社が負担すべき運賃を,原告が航空会社へ支払うべき預り金から支払ったもの,あるいは,②保税運送を必要とする混載業者から受領した預り金から支払ったものと解すべきである。原告が保税運送をした運送業者にその代金を支払っているという事実関係から,原告に保税運賃に対応する収入が存しそれが輸出類似取引の対価に当たるとは直ちに認めることができない。 (ウ) なお,原告は,「c方式」の取引における原告の売上げを販売手数料(運賃返戻)と委託販売手数料の二つに区分することは不自然かつ不合理であり,委託販売手数料がマイナスの値となる場合には委託販売手数料の概念に反することとなる旨主張する。 しかし,既に述べたとおり,原告の行っている取引の性質は航空貨物に係る運送契約の取次ぎであって自ら貨物の輸送を行って 料がマイナスの値となる場合には委託販売手数料の概念に反することとなる旨主張する。 しかし,既に述べたとおり,原告の行っている取引の性質は航空貨物に係る運送契約の取次ぎであって自ら貨物の輸送を行っているとはいえないものであり,原告は運送契約の取次ぎの対価として,受領金額と支出金額の差額に相当する手数料を得ているにすぎないものである。被告が,課税標準額の算定に当たって,「c方式」の取引における原告の売上げを販売手数料(運賃返戻)と委託販売手数料の二つに区分したとしても,それらは運送契約の取次ぎの対価としての手数料であることに変わりはないし,また,「c方式」の販売手数料(運賃返戻)と委託販売手数料の二つに区分した結果,委託販売手数料がマイナスとなる場合があるとしても,そのことから,原告はその取引において受領金額と支出金額の差額に相当する手数料を得ていると評価することが直ちに不合理であるとはいえない(「c方式」においては,販売手数料と委託販売手数料を合算したものが航空会社から受け取る手数料となる。)。 また,原告は,本件各航空会社国内支店と混載業者との2者の直接取引については,消費税法7条1項3号又は同法施行令17条2項4号が適用され輸出免税取引とされているにもかかわらず,これら2者の間に原告(貨物販売代理店)が入った3者取引となったとき,途端に輸出免税取引に該当しなくなるという不合理な結果となるなどと主張する。 しかし,混載業者が支払う運賃が混載業者にとって輸出免税取引の対価であり,本件各航空会社国内支店が受け取る運賃が本件各航空会社国内支店にとって輸出免税取引の対価であるとしても,原告はその取次ぎをしてその対価を得ているものにすぎないから,輸出免税取引に介入した原告の取引が輸出免税取引に該当しないと見ることに何ら不合理な点はない(原告の介 輸出免税取引の対価であるとしても,原告はその取次ぎをしてその対価を得ているものにすぎないから,輸出免税取引に介入した原告の取引が輸出免税取引に該当しないと見ることに何ら不合理な点はない(原告の介入によって本件各航空会社国内支店と混載業者との取引が輸出免税取引に該当しないこととなるものでもない。)。既に述べたとおり,原告が行う業務は国際輸送取引にも輸出類似取引にも該当しないのであるから,混載業者から受け取った金員は原告にとっては国際輸送取引又は輸出類似取引の対価と評価することはできず,原告が混載業者から一時的に預かった上,原告の手数料・利益を控除した金員を,本件各航空会社国内支店に対して支払っているにすぎないと評価すべきであって,こうした捉え方は,混載業者が支払う運賃が混載業者にとって輸出免税取引の対価であり,本件各航空会社国内支店が受け取る運賃が本件各航空会社国内支店にとって輸出免税取引の対価であることと矛盾するものではない。 (エ) 小括以上によれば,原告が本件に関して行っている取引は,いずれも消費税法所定の輸出免税取引に該当するものとは認められない。 (3) 本件各更正処分の適法性以上のとおりであって,本件各課税期間における原告の消費税等は別表4のとおりであると認められ,本件各更正処分の消費税等の額はいずれもその範囲内の額(平成17,18年課税期間については同額)であるから,本件各更正処分はいずれも適法であると認められる。 また,本件各更正処分を前提としてされた本件各賦課決定は,いずれも国税通則法65条1項,2項,地方税法附則9条の9第1項,3項に基づいて適法にされたものと認められる。 争点(2)について(1) 前記前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア原告は,平成5年7月ころ以降, 1項,3項に基づいて適法にされたものと認められる。 争点(2)について(1) 前記前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア原告は,平成5年7月ころ以降,K税理士を顧問税理士として経理全般等の業務を任せていたところ,K税理士は,原告代表者の意向を受けて,毎期平均的に利益を出して納税することや,毎期4000万円以上の所得を確保して社会的信用を維持するという目的の下,毎期,売掛金等の期末処理で所得額を調整するようにしていた(甲44,乙10~12)。 イ原告代表者は,平成15年5月7日ころ,K税理士から,原告の平成15年3月期の所得が5000万円程度になるとの説明を受けたが,そのころ,長年取引をしていたBが,ライバル会社であるCに吸収合併され,原告の営業の先行きが不安になっていたことから,K税理士に対し,平成15年3月期の法人税の確定申告に当たり,税額を少なくするための操作を行うよう依頼した。 そこで,K税理士は,本来平成15年4月分として計上すべきCに対するキックバック支払額2234万2564円(平成15年4月1日から同月15日までの分の1068万0210円と同月16日から同月30日までの分の1166万2354円)を平成15年3月期に繰上計上することとし,総勘定元帳のキックバック支払額勘定の平成15年3月期分に,翌事業年度である平成15年4月1日から平成16年3月31日までの事業年度(以下「平成16年3月期」という。)の損金とすべき上記2234万2564円を加算して6897万4435円と記載し,費用として計上し,また,本来平成15年3月期の売上げとして計上すべきBの東京支店に対する平成15年2月分の貨物販売手数料107万5060円と同年3月分の貨物販売手数料85万8840円を,総勘定元帳の支払貨物 計上し,また,本来平成15年3月期の売上げとして計上すべきBの東京支店に対する平成15年2月分の貨物販売手数料107万5060円と同年3月分の貨物販売手数料85万8840円を,総勘定元帳の支払貨物取扱割戻料の平成15年3月期分に計上せず,これらの操作を基礎として平成15年3月期の法人税確定申告書を作成・提出した。なお,K税理士は,上記貨物販売手数料に係る金額について,原告の平成16年3月期の売上げに計上した(甲44,乙5~7,10~12)。 ウ本件事務運営指針には,次のような記載がある(乙26)。 「第1賦課基準(隠ぺい又は仮装に該当する場合) 国税通則法第68条第1項又は第2項に規定する『国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装し』とは,例えば,次に掲げるような事実(以下『不正事実』という。)がある場合をいう。 (1) いわゆる二重帳簿を作成していること。 (2) 次に掲げる事実(以下『帳簿書類の隠匿,虚偽記載等』という。)があること。 ①帳簿,原始記録,証ひょう書類,貸借対照表,損益計算書,勘定科目内訳明細書,棚卸表その他決算に関係のある書類(以下『帳簿書類』という。)を,破棄又は隠匿していること②帳簿書類の改ざん(偽造及び変造を含む。以下同じ。),帳簿書類への虚偽記載,相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成,帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っていること③帳簿書類の作成又は帳簿書類への記録をせず,売上げその他の収入(営業外の収入を含む。)の脱ろう又は棚卸資産の除外をしていること(中略)(帳簿書類の隠匿,虚偽記載等に該当しない場合) 次に掲げる場合で,当該行為が相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等でないと 棚卸資産の除外をしていること(中略)(帳簿書類の隠匿,虚偽記載等に該当しない場合) 次に掲げる場合で,当該行為が相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等でないときは,帳簿書類の隠匿,虚偽記載等に該当しない。 (1) 売上げ等の収入の計上を繰り延べている場合において,その売上げ等の収入が翌事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には,翌連結事業年度。 (2)において同じ。)の収益に計上されていることが確認されたとき。 (2) 経費(原価に算入される費用を含む。)の繰上計上をしている場合において,その経費がその翌事業年度に支出されたことが確認されたとき。(以下略)」エ本件執務資料には,次のような記載がある(乙27)。 「問13事務運営指針第1の3の取扱いに関し,証ひょう書類の改ざん等がない場合であっても,利益調整のために積極的な意思をもって収入の繰延べ,経費の繰上げ又は棚卸資産の評価換えによる過少評価をしていることが確認された場合には,不正事実があるものとして取り扱うということでよいか。また,欠損工事(売上)の繰上げも同様に取り扱うのか。 (答)収入の繰延べ等については,事務運営指針第1の3にあるように,原則として帳簿書類の隠匿,虚偽記載等はないものとして取り扱うことになるが,例えば,当期の売上げであることを知りつつ,翌期の売上げとしたことが内部の稟議書等により確認できるなど,意図的に収入の計上を繰り延べていること等が内部資料その他のものによって明らかであるということであれば,不正事実があるということになる。なお,欠損工事(売上)の繰上げについても同様である。」(2) 国税通則法68条1項は,65条1項(過少申告加算税)の規定に該当する場合において,納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算 になる。なお,欠損工事(売上)の繰上げについても同様である。」(2) 国税通則法68条1項は,65条1項(過少申告加算税)の規定に該当する場合において,納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし,又は仮装し,その隠ぺいし,又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは,当該納税者に対し,過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え,当該基礎となるべき税額に100分の35の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する旨規定している。この重加算税の制度は,納税者が過少申告をするについて隠ぺい,仮装という不正手段を用いていた場合に,過少申告加算税よりも重い行政上の制裁を加えることによって,悪質な納税義務違反の発生を防止し,もって申告納税制度による適正な徴税の実現を確保しようとするものである。したがって,重加算税を課するためには,納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい,仮装に当たるというだけでは足りず,過少申告行為そのものとは別に,隠ぺい,仮装と評価すべき行為が存在し,これに合わせた過少申告がされたことを要するというべきである。しかし,上記の重加算税制度の趣旨にかんがみれば,架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく,納税者が,当初から所得を過少に申告することを意図し,その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上,その意図に基づく過少申告をしたような場合には,重加算税の賦課要件が満たされるものと解すべきである(最高裁平成6年(行ツ)第215号同7年4月28日第二小法廷判決・民集49巻4号1193頁参照)。そして,上記行為を納税者ではなく,納税者から申告の委任を受けた税理士が行った場合であっても,納 る(最高裁平成6年(行ツ)第215号同7年4月28日第二小法廷判決・民集49巻4号1193頁参照)。そして,上記行為を納税者ではなく,納税者から申告の委任を受けた税理士が行った場合であっても,納税者本人と当該税理士との間に事実を隠ぺいし,又は仮装することについて意思の連絡があったと認められる場合には,国税通則法68条1項の要件を充足するものというべきである(最高裁平成14年(行ヒ)第103号同17年1月17日第二小法廷判決・民集59巻1号28頁参照)。 これを本件について見ると,上記認定事実によれば,原告代表者は,原告の社会的な信用を維持することなどを目的として,顧問税理士であるK税理士に毎期一定の利益を上げるべく会計処理を操作するよう依頼しており,K税理士において,主として期末処理において損益の操作をしていたところ,原告が長年取引をしてきたBが平成14年にライバル会社であるCに吸収合併されたことから,営業上の先行きに不安を抱き,租税負担を軽減すべく,K税理士に平成15年3月期の所得額を減少させるような経理処理をするよう依頼し,K税理士において,損金の繰上計上や益金の繰延計上をして総勘定元帳を作成し,これに基づいて法人税確定申告書を作成・提出したことが認められる。 以上の事実によれば,原告は,平成15年3月期の所得について,K税理士と意思を通じて,意図的に過少申告をしたものというべきであるから,国税通則法68条1項に該当するものと認められる。 (3) これに対し,原告は,売上げを翌期に繰り越したり,経費の算入を繰り上げるなどといった,いわゆる期間損益の変動による所得の減少に係る申告については,過少申告加算税賦課決定の要件を充足するとしても,重加算税賦課決定の要件は充足しないとし,このような運用は,本件事務運営指針によっても許容されている 間損益の変動による所得の減少に係る申告については,過少申告加算税賦課決定の要件を充足するとしても,重加算税賦課決定の要件は充足しないとし,このような運用は,本件事務運営指針によっても許容されているなどと主張する。 しかしながら,本件事務運営指針や本件執務資料は,期間損益を無条件に重加算税賦課決定の対象としないとするものではなく,意図的にされた期間損益の調整は不正のものと扱うものとしているのであって,これらが国税通則法68条1項等の重加算税賦課決定の要件に関する解釈通達とこれに基づく執務資料であることに照らすと,課税実務上も,本件事務運営指針と本件執務資料に沿った重加算税賦課決定の運用がされているものと認めるのが相当である。 上記認定事実によれば,原告は,本件各航空会社国内支店の再編によって,経営上の不安を抱いたことから,意図的に売上げの計上を繰り延べ,経費の計上を繰り上げたことが認められ,これが,税務調査時における原告代表者やK税理士の供述等によって明らかとなっていたというのであり,これらの資料によって,平成15年3月期における経理処理が税負担軽減の目的をもって意図的にされたことが認められる。 したがって,処分行政庁が,原告による上記のような経理操作を重加算税賦課決定の対象としたことが,本件事務運営指針に反する運用であるなどとはいえず,原告の主張は採用することができない。 (4) 以上によれば,本件重加算税賦課決定は適法である。 争点(3)について原告は,本件各更正処分や本件重加算税賦課決定の通知書に,処分の理由が附記されていないことをもって,これらの処分が違法である旨主張する。 しかしながら,これらの処分の根拠法令である消費税法や国税通則法には,これらの処分について理由を附記すべき旨の規定はなく,また,不利益処分一般について行政庁 て,これらの処分が違法である旨主張する。 しかしながら,これらの処分の根拠法令である消費税法や国税通則法には,これらの処分について理由を附記すべき旨の規定はなく,また,不利益処分一般について行政庁に理由附記を義務付けている行政手続法14条1項の規定は,課税処分については適用除外とされているのであるから(国税通則法74条の2第1項参照),上記各処分の通知書に理由を附記しないことが違法となるものではない。なお,原告の引用する前掲最高裁判決は,理由を附記しなければならない旨の規定のある青色申告書に係る更正処分についてのものであり(所得税法155条2項参照),本件に適切でない。 したがって,原告の主張は採用することができない。 結論 以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部松並重雄裁判長裁判官前田郁勝裁判官廣瀬達人裁判官

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