主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人冝保安浩の上告趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,弁護人分銅一臣の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ職権で判断する。 【要旨1】小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)8条の2の「船籍簿」は,刑法157条1項にいう「権利若しくは義務に関する公正証書の原本」に当たる。また,同令8条の2により,書換申請に基づき変更された船籍票の記載内容がそのまま船籍簿に移記されることが予定されていることからすると,【要旨2】同令4条1項に基づき新所有者と偽って内容虚偽の船籍票の書換申請を行うことは,同法157条1項にいう「虚偽の申立て」に当たる。以上のように解するのが相当であるから,被告人に対し公正証書原本不実記載罪の成立を認めた原判断は,結論において正当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官北川弘治裁判官福田博裁判官梶谷玄裁判官滝井繁男裁判官津野修)- 1 -
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