平成16(あ)2170 強盗強姦未遂,強盗殺人,強盗強姦,窃盗,住居侵入被告事件

裁判年月日・裁判所
平成19年11月6日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文2,136 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 理由 弁護人井野昭,同大熊裕起の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36条,98条2項違反をいう点は,死刑制度が憲法のこれらの規定に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁)及びその趣旨に照らして明らかであるから,理由がなく,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,被告人が,共犯者と共謀し,(1)当時54歳の女性を強姦した上,殺害して金品を強取しようと企て,同女方マンションで,同女の口を所携のタオルでふさぐなどの暴行を加えて強姦しようとしたものの,その目的を遂げず,さらに,殺意をもって所携のベルトを同女のけい部に巻き付けて締め付け,出刃包丁でその腹部を突き刺すなどし,そのころ同所において,同女を絞けいに基づく窒息及び腹部刺創に基づく出血により死亡させて殺害した上,現金約23万円やキャッシュカード3枚等在中のリュックサック1個(時価約3000円相当)を強取し,引き続き,同強取に係るキャッシュカードを使用して,銀行の現金自動入出機から現金40万9000円を引き出して窃取し,(2)当時42歳の女性を強姦- 2 -した上,殺害して金品を強取しようと企て,同女方マンションで,同女の腰部に所携のスタンガンを押し付け,その場に押し倒して両手でそののど元を押さえ付け,その身体にペティナイフを突き付けて,その両手首 した上,殺害して金品を強取しようと企て,同女方マンションで,同女の腰部に所携のスタンガンを押し付け,その場に押し倒して両手でそののど元を押さえ付け,その身体にペティナイフを突き付けて,その両手首及び両足首を粘着テープで緊縛するなどの暴行等を加えて同女を強姦し,さらに,殺意をもって,その顔面全体に粘着テープを幾重にも巻き付けて同女を水を張った浴槽につけ,その顔面等を両手で押さえ付けるなどして,同女を窒息死させて殺害した上,現金6万円及び通帳等在中のポーチ1個(時価約500円相当)を強取したほか,被告人が単独で,(3)当時60歳の知人女性から金員を強取するとともに,同女を強姦しようと企て,同女方マンションに侵入した上,同女に脅迫等を加えて強姦し,引き続き,現金約12万円及びキャッシュカード2枚を強取したが,上記強姦の際,同女に全治約1週間の傷害を負わせ,引き続き,同強取に係るキャッシュカードを使用して,銀行の現金自動入出機から現金425万円を引き出して窃取したという事案である。 各犯行は,いずれも悪質であって,動機及び経緯に酌量の余地のないものであるが,取り分け,(1)及び(2)の各犯行は,当初から各被害者に対する強盗強姦及び強盗殺人を遂行するとの確定的な犯意の下,共犯者との間で役割分担等を決め,周到な準備をした上で,何ら落ち度のない被害者らを強姦し,あるいは強姦しようとして暴行を加えた上,惨殺し,金品を奪うなどしたものであって,誠に凶悪である。 被害者らは,妻として,母親として,家族にとってかけがえのない存在であったところ,被告人は,自己の性的及び金銭的欲求を満たすために,これを踏みにじり,一瞬にして平和な家庭を崩壊させたものであり,その結果は重大で責任は極めて重い。遺族らの処罰感情がしゅん烈を極めるのも当然のことである。加えて,(1)及 び金銭的欲求を満たすために,これを踏みにじり,一瞬にして平和な家庭を崩壊させたものであり,その結果は重大で責任は極めて重い。遺族らの処罰感情がしゅん烈を極めるのも当然のことである。加えて,(1)及び(2)の各犯行は,同じ市内において,わずか約3週間のうちに連続的に敢行され- 3 -ているのであって,地域社会に与えた衝撃も計り知れない。そして,(3)の犯行も,それ自体,重大な事案であるところ,被告人には同種強盗強姦等による懲役前科があること,上記のとおり強盗強姦ないし同未遂を伴う(1)及び(2)の各犯行にも及んでいることなどを考えると,この種犯行の常習性も顕著というべきである。 以上のような諸事情に照らすと,本件各犯行についての被告人の刑事責任は極めて重大であり,被告人が,一部についてはおおむね事実を認めて反省悔悟の情を示していること,(1)及び(2)の各犯行の共犯者に対しては無期懲役刑が確定していることなど,諸般の事情を勘案しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官小林正一,同鶴田小夜子公判出席(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴)

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