- 1 - 主文 原決定を破棄する。 本件を広島高等裁判所に差し戻す。 理由 抗告代理人小原一人ほかの抗告理由について 1 相手方らを含む32名は、豪雨による河川の氾濫により被災したと主張して、各自の被った損害につき、抗告人ほか3名に対して損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の連帯支払を求める訴えを共同して提起するとともに、訴訟上の救助を申し立てた。 原々審は、相手方らは民訴法82条1項本文に規定する要件を欠くことを理由として、相手方らの上記の申立てを却下したところ、相手方らが即時抗告をした。 2 原審は、要旨次のとおり判断して、原々決定を取り消し、本件を原々審に差し戻した。 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合には、各原告は上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の全額を各自納める義務を負うから、訴え提起の手数料につき訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、いずれの原告についても、上記全額である。そうすると、上記の場合において、民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、いずれの原告についても、上記全額である。 3 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。 令和5年(許)第1号訴訟救助付与申立て却下決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件令和5年10月19日第一小法廷決定- 2 -共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告の請求に係る訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の 10月19日第一小法廷決定- 2 -共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告の請求に係る訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額であると解される(民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き参照)。したがって、上記の場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記のとおり案分して得た額に限られると解するのが相当である。 そして、各原告は、共同して訴えを提起することなく個別に訴えを提起したとしても訴訟上の救助の付与を受けることができるのであるから、他の共同原告の請求に係る訴え提起の手数料の支払を要することを前提に各原告につき訴訟上の救助による救済を図る必要性があるとは考えられない。したがって、上記の場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記のとおり案分して得た額であると解するのが相当である。 4 以上と異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原決定は破棄を免れない。そして、民訴法82条1項本文に規定する要件の該当性について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官堺徹裁判官山口厚裁判官深山卓也裁判官安浪亮介裁判官岡正晶) 安浪亮介 岡正晶
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