- 1 - 主文 1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 理由 第1 請求の趣旨 1 千葉県知事が原告に対し平成22年12月17日付け管財第○号でなした競争入札への参加禁止処分並びに物品等一般競争入札参加者及び指名競争入札参加者の入札参加資格の取消処分をいずれも取り消す。 2 千葉県知事が原告に対し平成22年12月17日付け建不第○号でなした指名停止処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,処分行政庁が,原告が営業停止処分になっていること等から,物品の購入又は製造,印刷の請負その他の契約(建設工事,建設工事に係る製造の請負,工事用材料の買入れ及び測量,調査,設計等の業務委託に係る契約を除く。)に関する一般競争入札及び指名競争入札(以下「物品等一般競争入札」,「物品等指名競争入札」などといい,単に「競争入札」というときは,一般競争入札及び指名競争入札を含む。)への参加の禁止,同各入札の参加資格の取消し並びに建設工事請負契約等についての指名停止を行ったことから,これらの処分の取消しを求めた事案である。また,原告は,本件訴訟提起後,競争入札の参加資格等の私法上の資格があること及び指名業者の地位にあることの確認の訴えを追加的に申し立てた。 1 関係法令(1) 地方自治法施行令地方自治法施行令(以下「施行令」という。)167条の4第2項は,普通地方公共団体は,一般競争入札に参加しようとする者が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは,その者について3年以内の期間を定めて- 2 -一般競争入札に参加させないことができるとし,5号で正当な理由がなくて契約を履行しなかったときと定めている。 そして,同項の規定は,施行 きは,その者について3年以内の期間を定めて- 2 -一般競争入札に参加させないことができるとし,5号で正当な理由がなくて契約を履行しなかったときと定めている。 そして,同項の規定は,施行令167条の11第1項において,指名競争入札の参加者の資格について準用するものとされている。 (2) 物品等一般競争入札参加者及び指名競争入札参加者の資格等(乙3)同資格等は,物品の購入又は製造,印刷の請負その他の契約(建設工事,建設工事に係る製造の請負,工事用材料の買入れ及び測量,調査,設計等の業務委託に係る契約を除く。)に関する一般競争入札及び指名競争入札について定められたものである。 同第一(入札に参加することができる者)は,入札に参加することができる者は,次の一から三までのいずれにも該当しない者で,入札の参加資格に関する審査(以下「資格審査」という。)を受け,資格を有すると認められたものとし,同第一の一で施行令167条の4第1項(施行令167条の11第1項において準用する場合を含む。)の規定に該当する者と定め,同二で施行令167条の4第2項(施行令167条の11第1項において準用する場合を含む。)の規定により入札に参加させないこととされている者と定めている。 第十一(入札参加資格の取消し)の一において,入札参加資格者が次の一から三までに掲げる事由のいずれかに該当するときは,その入札参加資格を取り消すものとするとし,一として,第一の一若しくは二に該当することとなったとき,又は営業に関し必要とされる許可若しくは認可等を失ったときと定めている。 (3) 千葉県建設工事請負業者等指名停止措置要領(以下「本件指名停止基準」という。)について(甲6)ア本件指名停止基準は,被告が発注する建設工事の請負並びに建設工 きと定めている。 (3) 千葉県建設工事請負業者等指名停止措置要領(以下「本件指名停止基準」という。)について(甲6)ア本件指名停止基準は,被告が発注する建設工事の請負並びに建設工事に係る製造の請負,工事用材料の買入及び測量,調査,設計等の業務委託(以- 3 -下「建設工事等」という。)に関し,千葉県建設工事等入札参加業者資格者名簿に登録された者(以下「有資格業者」という。)の指名停止等について定めたものであり,同基準2条1項では,知事が有資格業者が別表第1及び第2の各号(以下「別表各号」という。)に定める措置要件のいずれかに該当するときは,情状に応じて別表各号が定めるところにより期間を定め,指名停止を行うとしている。 イそして,前記別表第2(贈賄及び不正行為等に基づく措置基準)の(その他の不正又は不誠実な行為)9号において,措置要件として「別表第1及び前各号に掲げる場合のほか,業務に関し不正又は不誠実な行為をし,建設工事等の契約の相手方として不適当であると認められるとき」と定め,その指名停止の期間を1か月以上9か月以内としている。 ウ本件指名停止基準9条は,知事は,指名停止を行わない場合において,必要があると認めるときは,当該有資格業者に対して,書面又は口頭で警告又は注意の喚起を行うことができる旨を定めている。 2 前提事実(当裁判所に顕著であるか,当事者間に争いがないか,証拠により容易に認められる事実)(1) 原告は,平成16年7月16日付けで千葉県公安委員会から警備業の認定を受け,千葉県富津市α×番地4において,主たる営業所を設けて警備業を営む事業者である(甲3,弁論の全趣旨)。 (2) 営業停止処分の内容千葉県公安委員会は,原告に対し,平成22年10月13日付けで下記のアないし 地4において,主たる営業所を設けて警備業を営む事業者である(甲3,弁論の全趣旨)。 (2) 営業停止処分の内容千葉県公安委員会は,原告に対し,平成22年10月13日付けで下記のアないしウの理由により,同年12月1日から平成23年1月6日までの37日間,千葉県内における警備業務に係る営業の停止を命ずる処分をした(以下,「本件営業停止処分」という。甲3)。 ア教育義務違反(警備業法21条2項,同法施行規則38条)(ア) 新たに警備業務に従事させようとする警備員に対しては,警備業務- 4 -に従事させる前に,基本教育15時間以上,業務別教育15時間以上,また同警備員で最近3年間に当該警備業務に従事していた期間が通算して1年以上である警備員に対しては,当該警備業務に従事させる前に,基本教育5時間以上,業務別教育5時間以上の新任教育を行わなければならないところ,上記に該当する警備員16人に対して,新任教育を完全に実施することなく警備業務に従事させた。 (イ) 現に警備業務に従事させている警備員に対しては,教育期(4月1日から9月30日までの期間及び10月1日から翌年の3月31日までの期間とする。)ごとに,基本教育3時間以上,業務別教育5時間以上の現任教育を行わなければならないのに,上記に該当する警備員15人に対して平成21年10月1日から平成22年3月31日までの期間における現任教育を完全に実施することなく警備業務に従事させた。 イ警備員名簿等に係る不整備・虚偽記載(警備業法45条,同法施行規則66条)(ア) 上記アに記載したとおり,31人に対して,警備員教育を完全に実施していないにもかかわらず,同営業所備え付けの教育実施簿等に警備業法施行規則38条に規定する時間数を実施した旨の虚 )(ア) 上記アに記載したとおり,31人に対して,警備員教育を完全に実施していないにもかかわらず,同営業所備え付けの教育実施簿等に警備業法施行規則38条に規定する時間数を実施した旨の虚偽の記載を行った。 (イ) 営業所ごとに,警備員名簿その他内閣府令で定める書類を備えて,必要事項を記載しなければならない(警備業法45条及び同法施行規則66条)にもかかわらず,7人の警備員名簿等を作成せずに同人らに警備業務に従事させた。 ウ変更届出義務違反(服装関係)(警備業法16条3項,同法11条1項)警備業法に係る届出事項に変更があったときは,当該変更に係る事項その他内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならないのに,平成18年4月1日,男性警備員の冬服等を変更したにもかかわら- 5 -ず,当該服装を使用した警備業務開始の日の前日までに変更届出書を千葉県公安委員会に提出しなかった。 (3) 委託契約の解除ア委託契約の締結(ア) 被告は,原告との間で,平成22年4月1日付けで,同日から平成23年3月31日までを履行期間として,新都市ビル及び千葉県立体駐車場総合管理業務を委託する契約を締結し,同委託契約には警備業務が含まれていた(以下「本件委託契約1」という。甲18の1)。同契約によると,原告の責めに帰すべき理由により期間内に業務を完了する見込みがないと明らかに認められるときは,被告は契約を解除することができること(14条1項1号)が定められている(甲18の1)。 (イ) 被告は,原告との間で,平成22年4月1日付けで,同日から平成23年3月31日までを履行期間として,文書館建物総合管理業務を委託する契約を締結し,同委託契約には警備業務が含まれていた(以下,同契約を「本件委託契約 間で,平成22年4月1日付けで,同日から平成23年3月31日までを履行期間として,文書館建物総合管理業務を委託する契約を締結し,同委託契約には警備業務が含まれていた(以下,同契約を「本件委託契約2」といい,これと本件委託契約1を併せて「本件各委託契約」という。甲18の2)。同契約によると,原告の責めに帰すべき事由により期間内に業務を完了する見込みがないと明らかに認められるときは,被告は契約を解除することができること(14条1項1号)が定められている(甲18の2)。 イ本件各委託契約の解除本件営業停止処分により,原告は警備業務を行えなくなり,委託業務を履行することができなくなったことから,千葉県知事は,原告に対し,平成22年10月28日付けで,同年11月30日を解除日として,本件委託契約1を解除する旨を,千葉県文書館長は,原告に対し,同年10月28日付けで,同年11月30日を解除日として本件委託契約2を解除する旨をそれぞれ通知した(以下,これらの解除を「本件各委託契約解除」と- 6 -いう。甲4の1,甲4の2)。 (4) 本件の入札参加禁止等ア処分行政庁は,平成22年12月17日,原告に対して,本件各委託契約解除は,地方自治法施行令167条の4第2項5号(同施行令第167条の11第1項の規定により準用する場合を含む。)の「正当な理由がなくて契約を履行しなかったとき」に該当するとして,同日から平成24年6月16日までの1年6ヶ月間,被告が行う競争入札への参加を禁止し(以下「本件入札参加禁止」という。),併せて,「物品等一般競争入札参加者及び指名競争入札参加者の資格等」第十一の一の一「第一の一若しくは二に該当することとなったとき」に該当するとして,原告に対し,物品等に係る競争入札に参加する資格を取り消した(以下 一般競争入札参加者及び指名競争入札参加者の資格等」第十一の一の一「第一の一若しくは二に該当することとなったとき」に該当するとして,原告に対し,物品等に係る競争入札に参加する資格を取り消した(以下「本件入札参加資格取消し」という。甲1)。 イ処分行政庁は,平成22年12月17日,原告に対して,本件各委託契約解除は,本件指名停止基準2条1項別表第2第9号の「業務に関し不正又は不誠実な行為をし,建設工事等の契約の相手方として不適当であると認められるとき」に該当するとして,同日から平成23年6月16日までの6ヶ月間,被告が行う建設工事等に係る指名競争入札について指名を停止する措置をした(以下「本件指名停止」といい,本件入札参加禁止及び本件入札参加資格取消しと併せて「本件入札参加禁止等」という。甲2)。 (5) 原告は,平成23年1月5日,本件入札参加禁止等の取消しを求める訴訟を提起した(顕著な事実)。 (6) 原告は,平成23年7月8日,第4回口頭弁論期日において,① 原告は,被告が発注する委託業務の競争入札の参加資格,A等級の物品等一般競争入札参加者及び指名競争入札参加者の資格を私法上有していることの確認の訴え,② 原告は,被告が発注する建設工事の指名競争入札における指名業者の私法上の地位にあることの確認の訴えにつき,行政事件訴訟法19条2項,- 7 -民事訴訟法143条に基づき,追加的訴えの変更を申し立て(以下「本件訴えの変更申立て」という。),被告は,同訴えの変更につき異議を申し立てた。 3 争点(1) 本件入札参加禁止等の措置の処分性及び違法性(2) 本件訴えの変更申立ての可否 4 当事者の主張(1) 争点(1)(本件入札参加禁止等の措置の処分性及び違法性)について(原告)ア処分性について(ア 置の処分性及び違法性(2) 本件訴えの変更申立ての可否 4 当事者の主張(1) 争点(1)(本件入札参加禁止等の措置の処分性及び違法性)について(原告)ア処分性について(ア) 地方公共団体は,私人と異なり契約の相手方を自由に決定できるものではなく,入札参加資格や指名業者たる地位は普通地方公共団体の示した基準を満たしていれば当然に認められる。 (イ) そして,本件入札参加禁止等は,原告が被告との契約に関し,将来に向かって契約締結に参加する機会を包括的かつ一律に奪うものである。 (ウ) 以上によると,本件入札参加禁止等は行政庁が優越的な地位に基づき一方的に法律関係を変動させるものであり,処分性が認められる。 イ違法性について① 本件営業停止処分は違法な処分であり,② 本件各委託契約解除は適法性に問題があることから,本件入札参加禁止等はいずれも違法な処分である。 (被告)本件入札参加禁止等は,私法上の契約締結に向けられた準備的行為にすぎず,法の認める優越的な意思の発動として行われるものではないし,また,それにより個人の権利又は法律上の利益に直接の影響を及ぼす法的効果を有- 8 -するものではない。 (2) 争点(2)(本件訴えの変更申立ての可否)について(原告)行政事件訴訟法19条2項は,形式的に訴訟手続が異なる場合においても,請求の基礎に同一性があり,著しく訴訟を遅延させない場合には,訴えの変更が許されると解するべきである。そして,本件は,形式的には,訴訟手続は異なるが,請求の基礎は同一であり,著しく訴訟手続を遅延させないのであるから,訴えの変更が許されるとみるべきである。 (被告)行政事件訴訟法19条2項及び民事訴訟法143条1項の訴 異なるが,請求の基礎は同一であり,著しく訴訟手続を遅延させないのであるから,訴えの変更が許されるとみるべきである。 (被告)行政事件訴訟法19条2項及び民事訴訟法143条1項の訴えは,複数請求訴訟の要件である同種の訴訟手続で審理される場合に限られ,手続を異にする行政事件訴訟と民事訴訟は併合できないのであるから,本件訴えの変更申立ては認められない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件入札参加禁止等の措置の処分性及び違法性)について(1) 行政事件訴訟法3条2項所定の取消訴訟の対象となる行政庁の処分とは,公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうちで,その行為により直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁判所昭和30年2月24日第一小法廷判決・民集9巻2号217頁,最高裁判所昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁)。 以下,本件入札参加禁止等の措置が上記処分に当たるかを検討する。 (2) まず,本件競争入札参加禁止及び同入札参加資格の取消しの措置について検討する。 競争入札とは,地方公共団体が私法上の契約を締結する際に相手方を選定する一つの方法であるところ(地方自治法234条),この方法による場合,- 9 -不特定の多数人が入札に参加することから,落札した者が確実に契約を履行することができる信頼できる者であるかどうかわからないためにかえって地方公共団体に損失を与えるおそれがあり,参加者につき一定の制限をする必要があることから,地方自治法施行令等により,競争入札の参加資格を定め,普通地方公共団体として,契約の適正な履行をすることが不可能と思われる者を排除しているものである。したがって,これは,契約の相手方の選別 ことから,地方自治法施行令等により,競争入札の参加資格を定め,普通地方公共団体として,契約の適正な履行をすることが不可能と思われる者を排除しているものである。したがって,これは,契約の相手方の選別を価格の競争により行うための準備的行為といえるのであり,物品等の競争入札参加禁止及び同入札参加資格の取消しの措置も上記選別に参加させるべきではないと判断した者を排除するものであって同様に上記準備的行為にあたるといえる。そうすると,物品等の競争入札参加禁止及び入札参加資格の取消しは,単に,処分行政庁が私法上の契約の相手方として,原告を不適格であると判断して,事前にその旨を表明したものにすぎず,処分行政庁が,その行為により直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものであるとはいえない。 競争入札参加資格については,地方自治法施行令167条の4及びこれを準用する地方自治法施行令167条の11第1項により制限が設けられている上,施行令167条の5において,競争入札の参加資格を裁量的に制限できるとしていることからすると,原告に競争入札に参加する法律上の権利及び利益があるとはいえない。 (3) 次に,本件指名停止について検討する。 指名競争入札とは,地方公共団体が私法上の契約を締結する際に相手方を選定する一方法であるところ(地方自治法234条),この方法は,その契約の性質及び目的が一般競争入札に適しない場合等に行われるものであり,普通地方公共団体が資力,能力,信用その他について適当であると認める特定多数の事業者を選んで入札の方法によって競争をさせ,その中から相手方を決定するものである。 - 10 -よって,指名競争入札に参加させる者を指名することは,契約の相手方の選別を価格の競争により行うための準備的行為といえるので て競争をさせ,その中から相手方を決定するものである。 - 10 -よって,指名競争入札に参加させる者を指名することは,契約の相手方の選別を価格の競争により行うための準備的行為といえるのであり,指名停止の措置も,一定期間,入札の参加者として指名しないものとするにすぎず,私法上の契約を締結するための準備的行為にあたるといえる。そうすると,本件指名停止は,単に,処分行政庁が私法上の契約の相手方として,原告を不適格であると判断して,事前にその旨を表明したものにすぎず,処分行政庁がその行為により直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものであるとはいえない。 (4) 以上によると,本件入札参加禁止等は,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」には当たらないことから,本件取消訴訟は不適法であるといわざるを得ない。 2 争点(2)(本件訴えの変更申立ての可否)について(1) 原告は,民事訴訟法143条に基づいて,訴えの変更の手続を求めているところ,本件入札参加禁止等の取消訴訟と,本件訴えの変更申立てに係る私法上の確認の訴えが,同種の訴訟手続によるものか(民事訴訟法136条)を検討する。 (2) 取消訴訟は行政事件訴訟法により訴訟手続が行われる一方,私法上の確認の訴えは民事訴訟法により訴訟手続が行われるものであるから,適用される法令を異にするものであることは明らかといえる。 (3) この点,原告は,形式的には異式の手続であっても,請求の基礎の同一性が認められ,著しく訴訟手続を遅滞させないのであれば,民事訴訟法143条の訴えの変更を認めるべきであると主張する。 確かに,国家賠償請求事件と損失補償請求事件の併合につき,相互に密接な関連性を有している場合においては,実質的に同種の手続といえるとした裁 条の訴えの変更を認めるべきであると主張する。 確かに,国家賠償請求事件と損失補償請求事件の併合につき,相互に密接な関連性を有している場合においては,実質的に同種の手続といえるとした裁判例もある(最高裁判所平成5年7月20日第三小法廷判決・民集47巻7号4627頁参照)。 - 11 -しかし,上記裁判例は,民事訴訟と公法上の法律関係に関する当事者訴訟に関するものであり,同当事者訴訟は,抗告訴訟に関する規定のうち,職権証拠調べ(行政事件訴訟法24条),行政庁の訴訟参加(同法23条)等の規定が限定的に準用されるにすぎず(同法41条1項参照),訴訟要件も民事訴訟と同様に解されていることから,訴訟手続が民事訴訟と類似しているといえ,各訴訟手続が実質的に同種の手続といえる場合であるとの前提に立つものと解されるものであり,原告の主張するように請求の基礎が同一である場合一般について,実質的に同種の手続であると認められるとまで判示したとはいえない。 そして,本件においては,① 本件の取消請求に係る訴えでは,処分性の有無や違法性が争点であり,本件訴えの変更の申立てに係る私法上の確認の訴えでは,原告の主張するような私法上の地位が存在するかどうかが問題となるものであって,実際の審理事項はそれぞれ異なるものであり,相互に密接な関連性を有しているとまでは認められないうえ,② 抗告訴訟の一つである取消請求に係る訴えと私法上の確認の訴えとは,訴訟要件をはじめ,訴訟手続に係る規律が大きく異なるのである。 以上によれば,本件の取消請求に係る訴えと本件訴えの変更申立ては,実質的に同種の手続とまで解することはできず,民事訴訟法143条に基づく訴えの変更は許されないと解される。 (4) よって,本件訴えの変更申立ては認められない。 訴えの変更申立ては,実質的に同種の手続とまで解することはできず,民事訴訟法143条に基づく訴えの変更は許されないと解される。 よって,本件訴えの変更申立ては認められない。 3 前記2のとおり,原告による訴えの変更が認められないから,原告による本件訴えとしては,本件入札参加禁止等の取消請求に係る訴えのみが係属しているものであり,同訴えは,前記1のとおり,その余の点について判断するまでもなく不適法なものとして,これを却下すべきことになるから,主文のとおり判決する。 主文 千葉地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官多見谷寿郎 裁判官花村良一 裁判官村田つかさ
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