平成19(行コ)254 事業所税決定処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成18年(行ウ)第235号)

裁判年月日・裁判所
平成20年8月7日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文4,772 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 控訴人( )原判決を取り消す。 ( )処分行政庁東京都千代田都税事務所長が控訴人に対して平成17年9月 28日付けでした同13年8月1日から同14年7月31日までの事業年度,同年8月1日から同15年7月31日までの事業年度及び同年8月1日から同16年7月31日までの事業年度の各事業所税決定処分並びに各不申告加算金賦課決定処分をいずれも取り消す。 ( )処分行政庁東京都千代田都税事務所長が控訴人に対して平成17年10 月20日付けでした同16年8月1日から同17年7月31日までの事業年度の事業所税決定処分及び不申告加算金賦課決定処分をいずれも取り消す。 ( )訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 被控訴人主文同旨。 第2事案の概要 本件は,控訴人が貸ビル内の駐車場設備をオーナーから賃借し,エンドユーザーに転貸する駐車場業を営んでいたところ,東京都千代田都税事務所長が,控訴人が事業所税の納税義務者に当たるとして,平成13年8月1日から同14年7月31日までの事業年度(以下「平成14年7月期」という,同年。)8月1日から同15年7月31日までの事業年度(以下「平成15年7月期」という,同年8月1日から同16年7月31日までの事業年度(以下「平。)成16年7月期」という)及び同16年8月1日から同17年7月31日ま。 - 2 -での事業年度(以下「平成17年7月期」といい,上記4期の事業年度を併せて「本件各事業年度」という)について各事業所税決定処分及び各不申告加。 算金賦課決定処分をしたことに対し,控訴人が,上記各決定処分は違法であるとして,被控訴人に対し,そ ,上記4期の事業年度を併せて「本件各事業年度」という)について各事業所税決定処分及び各不申告加。 算金賦課決定処分をしたことに対し,控訴人が,上記各決定処分は違法であるとして,被控訴人に対し,その取消しを求める事案である。 原審は,控訴人の請求をいずれも棄却した。これを不服とする控訴人が,控訴を提起した。 法令の定め,前提事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張の要旨は,次の3のとおり当審における控訴人の主張を追加するほかは,原判決「事実及び理由」欄中の「第2事案の概要」の2から5まで(原判決3頁1行目から23頁14行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 当審における控訴人の主張事業所税の課税要件は不明確である。控訴人は,貸しビル所有者との間で一括駐車場賃貸借契約を締結して,余剰の空駐車場を賃借し,エンドユーザーを募集し,エンドユーザーにサブリースをする仲介業者にすぎない。駐車場に係る事業所税の納税義務者は,駐車場の所有者であり,当該駐車場を一体として事業を営むエンドユーザーであって,駐車場業者である控訴人ではない。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人の請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきものと判断する。その理由は,次のとおり訂正し,2のとおり控訴人の当審における主張に対する判断を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄中の「第 当裁判所の判断」の1及び2(原判決23頁16行目から37頁5行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決36頁14「,」「」。)。 行目のついての次に東京都千代田都税事務所長が認定したを加える( )原判決23頁17行目から24頁20行目までを次のとおり改める。 「( )事業所税は,都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用 いての次に東京都千代田都税事務所長が認定したを加える( )原判決23頁17行目から24頁20行目までを次のとおり改める。 「( )事業所税は,都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に 充てるために課される目的税であり(地方税法701条の30,東京都- 3 -都税条例188条の12第1項,人口及び企業が集中し,都市環境の)整備を必要とする都市の行政サービスとその所在する事務所及び事業所との受益関係に着目し,これらの事務所及び事業所に対して特別の税負担を課するものである。そして,事業に係る事業所税は,企業の事業活動を外形標準でとらえて課す税であり,事務所及び事業所において法人又は個人の行う事業を課税客体とし,当該事業を行う者を納税義務者とし,また,上記受益の度合いに人的又は物的に対応するものと考えられる従業者給与総額及び事業所床面積を課税標準としたものである。 このように,事業に係る事業所税は,事務所及び事業所において事業が行われることにより,当該事業を担う人や車両が参集すると共に,当該事業の作用として人や車両が参集することとなり,そのことによって都市環境に相応の負荷が加わり,都市環境の整備及び改善に関する事業を更に行うことを必要とする事態が生じ得る原因となることに着目し,上記の課税要件によって課税することとするものである。このような事業に係る事業所税の趣旨及び目的のほか,事業用家屋の新築又は増築とは区別して,事業所等において法人又は個人の行う事業という課税要件が定められたことを併せ考慮すると,事業を営む事務所及び事業所が自己の所有に属するものでなくても上記の課税要件を満たすのであり,事務所又は事業所の所有者が他の者にこれを賃貸し,これを借り受けた者が更に別の者に転貸し,その者が当該事務所又は事業所において事業を 自己の所有に属するものでなくても上記の課税要件を満たすのであり,事務所又は事業所の所有者が他の者にこれを賃貸し,これを借り受けた者が更に別の者に転貸し,その者が当該事務所又は事業所において事業を営む場合のように,同一の事務所又は事業所をめぐって上記の課税要件の定める「事業」が重畳的に存在する観を呈する場合であっても,そのうち,事業を担う人や車両が参集し,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本体的な事業と認められるものに限り,事業に係る事業所税の課税客体となり,当該事業を行う者だけが事業に係る事業所税の納税義務者となると解するのが相当である。 - 4 -そこで,上記の見地から,控訴人が本件各駐車場において行う事業が事業に係る事業所税の課税客体に当たり,控訴人が事業に係る事業所税の納税義務者に当たるかどうかについて,以下,検討する」。 ( )原判決28頁5行目から10行目までを次のとおり改める。 「(イ)以上によれば,控訴人が本件各駐車場で行う事業は,事業を担う人や車両が参集し,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本体的な事業に当たるということができるのであり,控訴人が本件各駐車場において行われる事業に係る事業所税の納税義務者であるということができる」。 ( )原判決28頁22行目の「本件各駐車場の所有者は」から29頁4行 ,目までを次のとおり改める。 「本件各駐車場の所有者は,控訴人に対し,その駐車場業の用に供するための駐車場施設を賃貸しているが,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となるのは,控訴人が本件各駐車場で行う事業であり,控訴人が本件各駐車場で行う事業が上記の直接的な原因となる本体的な事業に当たるということができるのであって,本件各駐車場の所有者が控訴人に対してそ となるのは,控訴人が本件各駐車場で行う事業であり,控訴人が本件各駐車場で行う事業が上記の直接的な原因となる本体的な事業に当たるということができるのであって,本件各駐車場の所有者が控訴人に対してその駐車場業の用に供するための駐車場施設を賃貸していることが,上記の直接的な原因となる本体的な事業に当たるということはできない」。 ( )原判決29頁14行目から30頁15行目までを次のとおり改める。 「しかしながら,前記のとおり,事業に係る事業所税の趣旨及び目的に照らすと,同一の事務所及び事業所で重畳的に事業が行われる場合であっても,事業を担う人や車両が参集し,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本体的な事業と認められるものに限り,事業に係る事業所税の課税客体となり,当該事業を行う者だけが事業に係る事業所税の納税義務者となると解するのが相当であり,事業に係る事業所税の趣旨及- 5 -び目的に照らして前記のとおりに解することが租税法律主義,租税条例主義に反するということはできない。 したがって,控訴人の上記主張を採用することはできない」。 ( )原判決30頁20行目から31頁1行目までを次のとおり改める。 「しかしながら,事業に係る事業所税の趣旨及び目的に照らすと,同一の事務所及び事業所で重畳的に事業が行われる場合であっても,事業を担う人や車両が参集し,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本体的な事業と認められるものに限り,事業に係る事業所税の課税客体となり,当該事業を行う者だけが事業に係る事業所税の納税義務者となると解するのが相当であることは,前記のとおりである。したがって,控訴人の上記主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない」。 控訴人の当審における主張に対する判断控訴人は 者となると解するのが相当であることは,前記のとおりである。したがって,控訴人の上記主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない」。 控訴人の当審における主張に対する判断控訴人は,事業所税の課税要件が不明確であると主張し,さらに,自らは,貸しビル所有者との間で一括駐車場賃貸借契約を締結して,余剰の空駐車場を賃借し,エンドユーザーを募集し,エンドユーザーにサブリースをする仲介業者にすぎないとして,駐車場に係る事業所税の納税義務者は,駐車場の所有者であり,当該駐車場を一体として事業を営むエンドユーザーであって,駐車場業者である控訴人ではないなどと主張する。 しかしながら,事業に係る事業所税の趣旨及び目的に照らすと,同一の事務所及び事業所で重畳的に事業が行われる場合であっても,事業を担う人や車両が参集し,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本体的な事業と認められるものに限り,事業に係る事業所税の課税客体となり,当該事業を行う者だけが事業に係る事業所税の納税義務者となると解するのが相当であることは,前記のとおりであり,事業所税の課税要件が不明確であるということはできない。また,前記引用に係る原判決の認定事実によれば,事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となるのは,控訴人が本件各駐車場- 6 -で行う事業であり,控訴人が本件各駐車場で行う事業が上記の直接的な原因となる本体的な事業に当たるということができるのであって,控訴人の上記主張は採用することができない。 第4 結論 以上の認定及び判断の結果によると,控訴人の請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。よって,当裁判所の上記判断と符合する原判決は結論において相当であり,本件控訴はいずれも理由がないから,これを棄却することとして,主文のとお 人の請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。よって,当裁判所の上記判断と符合する原判決は結論において相当であり,本件控訴はいずれも理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第21民事部裁判長裁判官渡邉等裁判官高世三郎裁判官西口元

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