- 1 -平成18年3月17日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成16年(ワ)第24617号商標権移転登録抹消登録請求事件口頭弁論終結日平成18年1月27日判決原告A同訴訟代理人弁護士三山裕三同楠見昭夫同伊達雄介同堀之内幸雄被告B同訴訟代理人弁護士山田有宏同丸山俊子同松本修同中島真紀子同戸谷勝壽同菊地真治主文 被告は,原告に対し,別紙商標目録記載の商標権について,特許庁平成16年6月18日受付第009591号の本権の移転登録の抹消登録手続をせよ。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求主文同旨第2事案の概要本件は,原告が被告に対し,無断で移転登録が行われたとして,商標権に基づき,当該移転登録の抹消登録手続を求めた事案である。 - 2 - 前提事実( )本件商標権の設定登録 原告は,平成16年6月4日,別紙商標目録記載の商標権(以下「本件商標権」という。)の設定登録を受けた。 (争いのない事実)( )本件商標権の移転登録 被告は,平成16年7月2日,本件商標権につき,特許庁平成16年6月18日受付第009591号をもって本権の移転登録を経由した。 (争いのない事実) 争点に関する当事者の主張( )被告の主張 ア原告は,平成16年6月16日,伊東市内のファミリーレストランにおいて,被告に対し,代金6万6000円で本件商標権を譲渡した。 イその際,原告は,被告に対し,本件商標権の移転に必要な書類を作成して移転登録を行ってよい旨を伝え,被告に本件商標権の移転登録に関する一切の権限を与えた。 ウ被告は,同月17日,原告作成名義の譲渡証書(乙12の1)並びに原告及び被告作成名義の商標権移転登録申請書(甲2)を作成した よい旨を伝え,被告に本件商標権の移転登録に関する一切の権限を与えた。 ウ被告は,同月17日,原告作成名義の譲渡証書(乙12の1)並びに原告及び被告作成名義の商標権移転登録申請書(甲2)を作成した上,特許庁に郵送した。 ( )原告の主張 被告の主張ア及びイは否認し,ウは不知。 本件商標権の移転登録は,被告が原告に無断で行ったものである。 第3当裁判所の判断1( )被告の主張ア及びイに沿う被告本人尋問の結果(乙17を含む。以下, 「被告本人」という。)は,これに反する原告作成の陳述書(甲5,7)及び次の事情に照らし,採用することができず,他に被告の主張ア及びイを認めるに足りる証拠はない。 - 3 -ア(ア)証拠(被告本人尋問の結果及び文中に掲記の証拠)及び弁論の全趣旨によれば,被告が,平成16年6月17日,原告が被告に対し本件商標権を譲渡した旨の譲渡証書(乙12の1)及び商標権移転登録申請書(甲2)を作成し,特許庁に提出したこと(甲2,3,乙12の1,13),被告は,同月21日,伊豆信用金庫八幡野支店の原告名義の普通預金口座に6万6000円を振り込んだこと(乙11),並びに原告は被告の母であることが認められる。 そして,上記譲渡証書及び商標権移転登録申請書の原告名の右横の印影はいずれも被告が保有する印鑑を用いて被告が押印したことは,被告の自認するところである。 (イ)このように,原告の譲渡意思をうかがわせる原告自身の署名や原告の実印による押印はないものである。 (ウ)また,6万6000円の振込みの点も,原告と被告とが母子関係にあることにかんがみると,被告が既に原告の口座番号を知っていた可能性があり,被告がこれを知っていたことをもって,被告本人尋問の結果の信用性を補強するものとはいえない。 かえって,母子間でありながら原告名 ことにかんがみると,被告が既に原告の口座番号を知っていた可能性があり,被告がこれを知っていたことをもって,被告本人尋問の結果の信用性を補強するものとはいえない。 かえって,母子間でありながら原告名義の口座への振込みがされたことは,書面によらざる贈与の取消しを避けるために,あえて対価支払の外形を作出したのではないかとの疑いすら生じさせるものである。 イ証拠(甲5,被告本人)及び弁論の全趣旨によれば,当時,原告は,夫であるCが創立した武道の一派である躰道本院の二代目宗家を襲名していたが,その後継者を被告とするか,原告の長男であるDとするかの対立があったこと,日本躰道協会は躰道本院の下部組織であり,本件商標権は日本躰道協会の活動のために不可欠なものであることが認められるから,このような状況下で,兄弟間の対立を激化させかねない被告への本件商標権の譲渡に原告が軽々に同意したとは考え難い。 ウ被告は,原告が本人尋問期日に欠席したから,民事訴訟法208条により,被告の主張を真実と認めるべきである旨主張するが,平成18年1月27日付けE- 4 -医師作成の診断書によれば,原告の欠席に正当な理由があることが認められるから,被告の上記主張は理由がない。 ( )よって,原告は,被告に対し,本件商標権の移転登録抹消登録手続請求権 を有するものと認められる。 ( )また,前記( )に説示の事実によれば,弁論再開の必要性は認められない。 結論 以上によれば,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部裁判長裁判官市川正巳裁判官杉浦正樹裁判官晋一賴 部裁判長 裁判官 市川正巳 裁判官 杉浦正樹 裁判官 晋一賴
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