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昭和26(う)412 放火被告事件

裁判所

昭和26年6月7日 東京高等裁判所 棄却

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1,213 文字

主文 本件控訴はこれを棄却する。当審に於ける未決勾留日数中九十日を被告人が言渡された懲役刑に算入する。理由 弁護人萩原竹治郎、同中島武雄の控訴趣意は同人等共同作成名義の控訴趣意書と題する末尾添付の書面の通りである。これに対し当裁判所は左の通り判断する。<要旨>第一点一、しかし記録に徴すると所論Aの鑑定書等について刑訴法第三二一条第四項第三項の手続を</要旨>経ていないことは所論の通りであるが、被告人及び弁護人が右書面についての証拠調の請求に異議ない旨陳述しているのである。右は刑訴法第三二六条第一項に所謂被告人がこれを証拠とすることに同意したものと解するのが相当である。蓋し本件において裁判所が被告人等に右意見を徴したのは刑訴法第三二一条によつて原則的に証拠能力を制限せられた書面を同条第四項第三項の手続を経ないでそのまま書面として証拠能力を附与することについて同意するや否やの意見を求めたものと解せられるから、それに対し被告人及び弁護人が異議ない旨陳述すれば、それに即ち刑訴法第三二六条第一項の同意ありしものと認むべきである。勿論原審が検察官の右鑑定書の取調の請求に対し刑訴規則第一九〇条第二項の規定に従い、相手方又はその弁護人の意見を聴いたのであるが、これと同時にこれを証拠とすることに同意するか、どうかについても、その意思表示を求めたものと解するのが相当である。そして特に同意する旨を明示的に陳述する必要はなく、異議ないと陳述したことにより同意する旨の意思表示を暗黙にしたものと認め得る場合でもよいのである。従つてこれと所見を異にする論旨は採用できない。論旨理由ないものである。二、 しかしBの検事に対し前になした供述調書を書証として使用しうるための刑訴法第三二一条第一項第二号の条 でもよいのである。従つてこれと所見を異にする論旨は採用できない。論旨理由ないものである。二、 しかしBの検事に対し前になした供述調書を書証として使用しうるための刑訴法第三二一条第一項第二号の条件が充たされていなかつたとしても検察官の右書証の取調請求について被告人及び弁護人の異議ない旨の陳述は同法第三二六条所謂同意と認めるのが相当であるから、かかる陳述あるにより該供述調書を証拠として採用しうることは前掲一、に於てなした説明と同一でるからこれによつて了解されたい。 論旨理由ないものである。二、 しかしBの検事に対し前になした供述調書を書証として使用しうるための刑訴法第三二一条第一項第二号の条件が充たされていなかつたとしても検察官の右書証の取調請求について被告人及び弁護人の異議ない旨の陳述は同法第三二六条所謂同意と認めるのが相当であるから、かかる陳述あるにより該供述調書を証拠として採用しうることは前掲一、に於てなした説明と同一でるからこれによつて了解されたい。論旨は理由がない。(裁判長判事吉田常次郎判事石井文治判事鈴木勇)

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