令和6(わ)1022 大麻取締法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年5月1日 京都地方裁判所
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判決文本文8,252 文字)

令和7 年5 月1 日宣告令和6 年(わ)第1022 号大麻取締法違反被告事件判決 主文 被告人は無罪。 理由 第1 争点 1 公訴事実被告人は、みだりに、令和6 年8 月29 日、兵庫県西宮市(以下略)a 号において、大麻である大麻草約1.253 グラムを所持したものである。 2 当事者の主張本件当日、公訴事実記載の部屋(以下「本件部屋」という。)に対する捜索差押が行われ、公訴事実記載の大麻草(以下「本件大麻」という。)が発見された。 本件大麻について、検察官は、被告人が所持していたものであり、公訴事実記載の大麻取締法違反が成立すると主張し、弁護人は、被告人の物ではなく、Aの物であり、被告人は所持しておらず、無罪であると主張する。 よって、本件の争点は、被告人が本件大麻を所持していたかである。 第2 検察官の主張の骨子検察官は、以下のように主張し、本件大麻は被告人の所持に係るものであると主張する。 1 本件部屋は、本件当時、被告人とAの2 名が使用していたものであり、本件部屋の使用状況に加え、本件大麻の発見状況からすれば、本件大麻は被告人とAのいずれか、あるいは両名で所持していたものと認められる。 2 ①本件大麻の入った袋の付着物から検出されたDNA 型は、被告人のDNA 型と矛盾しない一方、AのDNA 型と矛盾すること、②本件大麻のそばに置かれた水パイプの吸い口部分からは、大麻成分とともに被告人のDNA 型と矛盾しないDNA が検 出されているが、当該DNA 型は、AのDNA 型とは矛盾していること、③被告人とAは、本件当日に逮捕されているところ、逮捕後に採取された被告人の尿からは大麻成分が検出されたが、同様に逮捕後に採取されたAの尿からは大麻成分 A 型は、AのDNA 型とは矛盾していること、③被告人とAは、本件当日に逮捕されているところ、逮捕後に採取された被告人の尿からは大麻成分が検出されたが、同様に逮捕後に採取されたAの尿からは大麻成分は検出されなかったことなどの各事実は、いずれも本件大麻が被告人の物であることとは整合する一方、本件大麻がAの物であることとは整合しないものであり、本件大麻が被告人とAのいずれか、あるいは両名で所持していたと認められることからすれば、本件大麻が被告人の物であり、Aの物ではないことを強く推認させる。 加えて、被告人のスマートフォンからは、大麻と考えられる物を撮影した画像や、「野菜」という大麻の隠語を用いたメッセージが認められるところ、これらは、被告人が日常的に大麻を吸っていたことを推認させ、本件大麻が被告人の物であることを推認させる。 3 Aは、本件大麻はAの物であり、被告人の物ではないと供述するが、Aの供述は、客観的証拠に矛盾し信用できない。また、被告人は、本件大麻は自分の物ではなく、誰の物か分からないと供述するが、単に所持を否認するのみで、前記認定を左右するものではない。 第3 当裁判所の判断 1 検察官の主張のうち、本件大麻が被告人とAのいずれか、あるいは両名で所持していたとの点は、関係各証拠に照らして是認することができるが、本件大麻をAのみが所持していたとの可能性を排斥できず、被告人が所持していたとするには合理的な疑いが残ると判断したので、その理由を詳述する。 2 本件大麻が被告人とAのいずれか、あるいは両名で所持していたこと⑴ 関係各証拠によれば、①本件部屋には、令和6 年8 月29 日の捜索当時、被告人とAの2 名のみが在室していたこと、②警察官が同月21 日から同月29 日までの間、本件部屋の出入りを調べたところ、被告人 各証拠によれば、①本件部屋には、令和6 年8 月29 日の捜索当時、被告人とAの2 名のみが在室していたこと、②警察官が同月21 日から同月29 日までの間、本件部屋の出入りを調べたところ、被告人とAは、毎日、本件部屋を出入りしており、一時的に外出することはあっても、概ね部屋の中におり、部屋内で着 替えていたほか、食料等を買って持ち込んだり、ゴミ出しをしたりしていたこと、③本件部屋の玄関には、被告人宛の宅急便のご不在連絡票が入っていたほか、本件部屋の中には、Aと被告人それぞれの衣類があり、Aと被告人が使用する歯ブラシがあったこと、④一方、被告人とA以外の者については、同月21 日から同月 29 日までの間、本件部屋を出入りすることはあったものの、訪問は1 回ないし3回にとどまり、被告人及びAがいないときに本件部屋に入った者はおらず、Bの 1 回を除き、全て1 時間以内の滞在にとどまっていたことなどの検察官主張の各事実を認めることができる。 そして、上記各事実からすれば、本件部屋は、令和6 年8 月29 日当時、被告人とAが使用していたものと認められる。 ⑵ そして、本件大麻は、本件部屋のキッチン流し台カウンター上に置かれていた、チャック付きポリ袋に在中していたのであり、容易に発見可能な状態で置かれていたものである。本件部屋の使用状況からすれば、被告人とA以外の第三者が、このような場所に、大麻を持ち込んで置き去りにしたということは考えにくいところである。 そうすると、本件大麻は、被告人とAのいずれか、あるいは両名で所持していたものと認められる。 3 本件大麻をAのみが所持していた可能性⑴ 次に、検察官は、前記のとおり、①本件大麻の入ったポリ袋の付着物から検出されたDNA 型は、被告人のDNA 型と矛盾しない一方、AのDNA られる。 3 本件大麻をAのみが所持していた可能性⑴ 次に、検察官は、前記のとおり、①本件大麻の入ったポリ袋の付着物から検出されたDNA 型は、被告人のDNA 型と矛盾しない一方、AのDNA 型と矛盾すること、②本件大麻のそばに置かれた水パイプの吸い口部分からは、大麻成分とともに被告人のDNA 型と矛盾しないDNA が検出されているが、当該DNA 型は、AのDNA 型とは矛盾していること、③被告人とAは、本件当日に逮捕されているところ、逮捕後に採取された被告人の尿からは大麻成分が検出されたが、同様に逮捕後に採取されたAの尿からは大麻成分は検出されなかったことなどの各事実(以下①ないし③の各事実をそれぞれ「間接事実1」ないし「間接事実3」という。)を中 心に、本件大麻が被告人の物であると主張している。 これに対し、Aは、本件大麻は、自身が購入して本件部屋に持ち込んだものであるとの趣旨の供述を公判廷でしており、弁護人は、A及び被告人の公判供述等を根拠に、本件大麻はAの物であり、被告人の物ではないと主張している。 そこで、本件大麻がAのみの所持に係るもの(すなわち被告人の所持が及んでいないもの)であるとの可能性が認められる余地があるかを念頭に置きながら、検察官主張の各間接事実を検討する。 ⑵ 間接事実1についてア本件大麻の入っていたポリ袋から付着物が採取され(以下当該付着物を「本件付着物」という。)、本件付着物のDNA 型検査が行われたところ、常染色体STR型、アメロゲニン型、DSY391 型及びYindel 型の全24 座位中11 座位でDNA 型が検出され、他の座位は不詳とされた。そして、検出された11 座位中9 座位は、被告人のDNA 型と完全に一致したが、検出された残りの2 座位については、被告人のDNA 型(い 1 座位でDNA 型が検出され、他の座位は不詳とされた。そして、検出された11 座位中9 座位は、被告人のDNA 型と完全に一致したが、検出された残りの2 座位については、被告人のDNA 型(いずれも同一座位中に2 個の異なる対立遺伝子を持つヘテロ接合型である)の片方のみと一致し、対立遺伝子は検出されていない。 イまた、上記の本件付着物のDNA 型とAのDNA 型を比較すると、アメロゲニン型と他の1 座位でDNA 型が一致しているが、検出された残り9 座位については異なっている。 ウ前記イの本件付着物とAとのDNA 型の比較からすれば、本件付着物がAに由来している可能性が相当に低いということはいえそうである。 しかし、前記アの本件付着物と被告人のDNA 型の比較から、本件付着物が被告人に由来している可能性がどの程度あるかについては、判然としない。すなわち、本件付着物とDNA 型の9 座位が一致する者の出現頻度がどの程度であるのかは、具体的な立証がされておらず証拠上不明である。また、2 座位について被告人のヘテロ接合型の片方のみが検出されているところ、このことをどのように評価すべきかも、証拠上不明である。 そうすると、前記アの本件付着物と被告人とのDNA 型の比較から、本件付着物が被告人に由来している可能性がどの程度あるかについては、これを的確に判断することは困難である。 検察官は、本件付着物から検出されたDNA 型が被告人のDNA 型と矛盾せず、AのDNA 型と矛盾することを、本件大麻が被告人の所持に係るものであることの根拠の一つとしているが、採用できない。 エ仮に、本件付着物と被告人のDNA 型の比較から、本件付着物が被告人に由来する可能性が高いということがいえたとしても、本件大麻が被告人の所持に係るもので 拠の一つとしているが、採用できない。 エ仮に、本件付着物と被告人のDNA 型の比較から、本件付着物が被告人に由来する可能性が高いということがいえたとしても、本件大麻が被告人の所持に係るものであると断言することはできない。 すなわち、前記イの本件付着物とAのDNA 型の比較からすれば、本件付着物がAに由来する可能性は低いところ、Aが本件大麻を本件部屋に持ち込んだとしても、AのDNA が必ず付着するとは限らず、本件付着物からAのDNA 型が検出されなかったことが不自然とはいえない。 一方、本件付着物が被告人に由来するとすれば、被告人が本件大麻の入っていたポリ袋に触れたことが可能性として最も考えられるところ、本件大麻の置かれていた場所は、本件部屋のキッチン流し台カウンター上であるから、何らかの拍子にたまたま被告人の手が触れたとしても不思議ではない(なお、本件付着物が本件大麻の入っていたポリ袋の内側から採取されたというのであれば、そのような箇所を触るのは、本件大麻をポリ袋に出し入れしたりする際であると考えられため、本件大麻が被告人の物であると推認することが可能となろうが、採取箇所にはポリ袋外側も含まれているようであり(鑑定に付された資料の入っていた封筒の記載からは、ポリ袋のチャック上内側とチャック部分外側から試料を採取したように見え、ポリ袋外側が含まれている。)、上記推認は成立しない。)。 そして、被告人が本件大麻の入っていたポリ袋に触れたとすれば、それが大麻であるとの認識も当然に有したとは認められるものの、本件大麻の置かれていた場所は、被告人のみが専用で使用している部屋などではなく、キッチン流し台カ ウンター上という、被告人とAが共同で使用していたと考えられる場所であるから、そこに大麻があったとしても被告人の所持が当然に及 、被告人のみが専用で使用している部屋などではなく、キッチン流し台カ ウンター上という、被告人とAが共同で使用していたと考えられる場所であるから、そこに大麻があったとしても被告人の所持が当然に及んでいると評価できるような場所とはいえない(被告人のみが使用している部屋に大麻があったのであれば、当該大麻が被告人の所持に係るものであるとの推認は強く働くが、それは、被告人のみが支配管理している領域にある大麻については、他の者の支配が及んでいるとは考えにくいからであって、被告人と他の者が共同で使用している場所に大麻があったとしても、被告人のみが支配管理している領域ではないのであるから、他の者の支配のみが及んでいる可能性を排斥できず、当該事実だけから被告人の所持に係る大麻であると推認することは困難である。)。また、本件大麻が押し入れや冷蔵庫の中など何らかの場所に隠匿されていたのであれば、そのような場所にある大麻に所持者以外が触れるということは考えにくいところではあるが、前記のとおり、本件大麻は隠匿されていたわけではなくキッチン流し台カウンター上に置かれていたのであり、やはり所持者以外が何らかの拍子に触れたということが十分に考えられるところである。 そうすると、被告人が本件大麻の入っていたポリ袋に触れたことがあったとしても、本件大麻がAの所持に係るものであり、被告人が何らかの拍子に同ポリ袋に触れたという説明が可能であり、必ずしも、被告人の所持につながるものとはいえない。 ⑶ 間接事実2についてア本件大麻が置かれていたのはキッチン流し台カウンター上であるところ、同流し台のシンク内には、大麻成分の付着した水パイプが置かれていた(以下当該水パイプを「本件水パイプ」という。)。 そして、本件水パイプのガラス製吸い口の付着物には唾液が含まれて 上であるところ、同流し台のシンク内には、大麻成分の付着した水パイプが置かれていた(以下当該水パイプを「本件水パイプ」という。)。 そして、本件水パイプのガラス製吸い口の付着物には唾液が含まれており、同付着物のDNA 型検査が行われたところ、常染色体STR 型、アメロゲニン型、DSY391型及びYindel 型の全24 座位中11 座位でDNA 型が検出され、他の座位は不詳とされた。そして、検出された11 座位については、いずれも被告人のDNA 型と一致 するか、それを含むものであった。また、AのDNA 型と比較すると、8 座位でAのDNA 型と一致するか、それを含むものであったが、残りの3 座位については、AのDNA 型の全部又は片方が含まれていないものであった。 イ検察官は、上記アのDNA 型の検出状況を前提として、本件水パイプから被告人のDNA 型と矛盾しないDNA が検出されているが、当該DNA 型は、AのDNA 型とは矛盾していると主張する。 しかし、本件水パイプから検出されたDNA は、ある座位では4 つのDNA 型を持つものがあるなど、明らかに複数人のDNA が混在したものであり、被告人のDNA型と矛盾しないということが、本件水パイプの付着物が被告人に由来することとどの程度結び付くかは、証拠上明らかではない。また、AのDNA 型が検出されていない座位があることについても、それが単に検出されなかったからなのか、そもそもAのDNA が付着したとすれば矛盾するといえるものなのか、証拠上明らかでなく、AのDNA 型が含まれていないことが本件水パイプの付着物がAに由来しないといえるかどうかについて、どの程度の意味を持つのかも定かでない。 ウ仮に、前記アのDNA 型の比較から、本件水パイプの付着物が被告人に由来し、Aに ないことが本件水パイプの付着物がAに由来しないといえるかどうかについて、どの程度の意味を持つのかも定かでない。 ウ仮に、前記アのDNA 型の比較から、本件水パイプの付着物が被告人に由来し、Aには由来しないといえたとしても、そのことから本件大麻が被告人の所持に係るものであると推認することは相当無理がある。 すなわち、本件水パイプの付着物が被告人に由来するとすれば、同付着物に唾液が含まれていることからして、被告人が本件水パイプのガラス製吸い口部分に口を付けたことが可能性として最も考えられるところである。そして、本件水パイプに大麻成分も付着していたことからすれば、被告人が本件水パイプを使用して大麻を吸引したことが強く推認される。 しかし、そのことは、被告人が本件水パイプを使用して、何らかの大麻を吸引したということを意味するに過ぎず、当然、そのことから被告人が吸引した大麻が本件大麻の一部であったなどということはできないのであり、本件大麻が被告人の所持に係るものであるということを推認することはできない。 ⑶ 間接事実3についてア被告人とAは、本件当時に逮捕されているところ、逮捕後に採取された被告人の尿からは大麻成分が検出されたが、同様に逮捕後に採取されたAの尿からは大麻成分は検出されなかった。 イ被告人の尿から大麻成分が検出されているということは、尿中から大麻成分が検出され得る期間内に、被告人が大麻を使用したということを意味するが、その使用した大麻が本件大麻の一部であったなどということはできないのであるから、本件大麻が被告人の所持に係るものであると推認することはできない。 また、Aの尿から大麻成分が検出されていないということからすれば、尿中から大麻成分が検出され得る期間内に、Aが大麻を使用していない蓋然性が高いという 持に係るものであると推認することはできない。 また、Aの尿から大麻成分が検出されていないということからすれば、尿中から大麻成分が検出され得る期間内に、Aが大麻を使用していない蓋然性が高いということはいえるが、だからといって、Aが大麻を購入し、本件部屋に持ち込んだとの供述の信用性が失われるものではない(大麻を購入して所持したとしても、大麻を使用しないことは十分に考えられるところである。)。 なお、Aは、公判廷において、1週間ほど前に大麻5 グラムくらいを購入し、二、三日前までは毎日のように使用し、二、三日前からは大麻を使用していなかったと供述する。しかし、本件大麻は捜索差押時には約1.253 グラムとなっていたのであるから、Aの供述を前提とすると、Aは1週間ほどの間に大麻3 ないし 4 グラム程度を使用したということになる。そのような大麻の使用状況があったとすれば、Aの尿中から大麻成分が検出されないということは不可解に思え、この点のAの公判供述の信用性は低いものといわざるを得ない。しかし、Aがこのような信用性の低い供述をしている理由としては、真実は被告人の物である大麻について、それをAの物であると虚偽の供述をすることによって被告人をかばっているためであるとの見方も可能であるが、真実もAが持ち込んだ大麻であったのに、被告人が誤って起訴されてしまったため、被告人への負い目等から事実を誇張ないし捏造して供述しているとの見方も可能であり、上記のA供述の信用性が低いからといって、Aの公判供述全体の信用性が否定されるものではない。 ⑷ 検察官のその他の主張について検察官は、間接事実1ないし3に加え、被告人のスマートフォンからは大麻と考えられる物を撮影した画像や、「野菜」という大麻の隠語を用いたメッセージが認められるところ、これらは、 の他の主張について検察官は、間接事実1ないし3に加え、被告人のスマートフォンからは大麻と考えられる物を撮影した画像や、「野菜」という大麻の隠語を用いたメッセージが認められるところ、これらは、被告人が日常的に大麻を吸っていたことを推認させ、本件大麻が被告人の物であることを推認させると主張する。 確かに、検察官の主張するとおり、被告人のスマートフォンに記録された画像やメッセージからすれば、被告人が日常的に大麻を吸っていたことがうかがわれるところである。しかしながら、そのことから、本件大麻が被告人の所持に係るものであったと結び付けることには飛躍があり、検察官の主張は採用できない。 4 結論以上のとおり、検察官の主張する間接事実は、本件大麻が被告人の所持に係るものであることに必ずしも結び付かないものであり、本件大麻がAのみの所持に係るものであったとしても説明できる証拠関係に過ぎないのであり、結局のところ、Aのみが本件大麻を所持していたとの合理的な可能性を排斥することができない。 よって、本件については、犯罪の証明がないこととなるから、刑事訴訟法336条により、無罪の言渡しをする。 (求刑懲役1 年、大麻草1 袋の没収)令和7 年5 月1 日京都地方裁判所第1刑事部 裁判官棚村治邦

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