平成12(あ)317 窃盗,強盗殺人,死体遺棄,死体損壊,準強盗未遂,強制わいせつ致死被告事件

裁判年月日・裁判所
平成16年9月9日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-57816.txt

判決文本文1,635 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人渡部直樹,同寺井勇人の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36条違反をいう点は,その執行方法を含む死刑制度がこれらの規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,原審の公判手続に憲法31条,32条違反があるとする点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらない。 また,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。付言するに,第1審判決が被告人を死刑に処した同判示第二,第四の各罪についてみると,そのうち第二の一及び二の各犯行は,路上で浮浪者風の男性をたまたま認め,同人にわいせつ行為をするとともに同人を殺害してその金品を強取しようと企て,親切を装い,所携の睡眠薬を混入させた日本酒などを同人にのませ,更に栄養剤と偽って睡眠薬を多量に服用させてこん睡状態に陥れ,わいせつ行為に及び,上記薬剤の効能による脳幹まひ等により死亡させて殺害した上,古銭1枚を強取し,罪証隠滅のためその死体をのこぎり等で切断して損壊し,遺棄したという強制わいせつ致死,強盗殺人,死体損壊及び死体遺棄の事案であり,第四の一及び二の各犯行は,元会社同僚の男性を殺害してその所持金等を奪おうと計画し,言葉巧みに同人を誘い出し,睡眠薬を混入させたサンドイッチを食べさせ,更に栄養剤などと偽って睡眠薬を服用 案であり,第四の一及び二の各犯行は,元会社同僚の男性を殺害してその所持金等を奪おうと計画し,言葉巧みに同人を誘い出し,睡眠薬を混入させたサンドイッチを食べさせ,更に栄養剤などと偽って睡眠薬を服用させてこん睡状態に陥れ,こん睡中の同人の顔面- 1 -をタオル等で覆うなどして同人を窒息死させて,その所持金約1万8500円を強取した上,罪証隠滅のためその死体を遺棄し,更にのこぎり等を用いて切断して死体を損壊したという強盗殺人,死体遺棄及び死体損壊の事案である。動機に酌量の余地はなく,冷酷,非情,残虐で類似した態様の犯行をわずか3か月足らずの間に重ねた点で極めて悪質であり,2名の生命を奪った結果も重大である。さらに,上記各犯行の間に行われた第1審判決の判示第三の準強盗未遂も,睡眠薬を混入させた弁当を食べさせて被害者をこん睡状態に陥れたものであり,被害者の対応などによっては,上記各犯行と同様の重大な結果を生じていた可能性も否定できない。被告人には,人格障害及び性しこう異常の存することがうかがわれるが,そのことは,被告人が本件各犯行時において完全な責任能力を有していたことを疑わせるものではないし,被告人の責任を軽減させるものでもない。以上の事情に加え,遺族の被害感情,社会に与えた影響,被告人に十分な反省の情が見られないこと等に照らすと,被告人の罪責は誠に重大であり,罰金以外の前科がないことなど被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官渡邉一弘公判出席(裁判長裁判官島田仁郎裁判官横尾和子裁判官甲斐中辰夫裁判官泉 414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官渡邉一弘公判出席(裁判長裁判官島田仁郎裁判官横尾和子裁判官甲斐中辰夫裁判官泉徳治裁判官才口千晴)- 2 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る