令和4刑(わ)1924 無印私文書偽造、有印私文書偽造、業務上横領

裁判年月日・裁判所
令和5年9月20日 東京地方裁判所
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判決文本文4,772 文字)

令和5年9月20日東京地方裁判所刑事第17部宣告令和4年刑第1924号、第1990号、第2404号、第2859号、第3178号、令和5年刑第316号無印私文書偽造、有印私文書偽造、業務上横領被告事件 主文 被告人を懲役4年6月に処する。 未決勾留日数中280日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は 第1 Aの事務局長及び会計責任者として、Aの預金通帳及び届出印を保管するなどの出納管理業務に従事していたものであるが 1 平成30年4月23日、東京都千代田区(住所省略)所在の株式会社B銀行C支店において、同支店に開設されたA会長D名義の普通預金口座から現金600万円を出金し、これをAのため業務上預かり保管中、その頃、東京都内、 千葉県内又はその周辺において、自己の用途に費消する目的で、同現金のうち500万円を着服して横領し【令和4年10月5日付け追起訴状記載の公訴事実第1】 2 前記普通預金口座の預金をAのため業務上預かり保管中、平成30年5月10日、前記支店において、自己の用途に費消する目的で、前記普通預金口座か ら現金600万円を出金して着服し、もって横領し【令和4年10月5日付け追起訴状記載の公訴事実第2】 3 平成30年6月7日、前記支店において、前記普通預金口座から現金1680万円を出金し、これをAのため業務上預かり保管中、その頃、東京都内、千葉県内又はその周辺において、自己の用途に費消する目的で、同現金のうち1 253万円を着服して横領し【令和4年10月5日付け追起訴状記載の公訴事 実第3】 4 平成31年4月19日、前記 周辺において、自己の用途に費消する目的で、同現金のうち1 253万円を着服して横領し【令和4年10月5日付け追起訴状記載の公訴事 実第3】 4 平成31年4月19日、前記支店において、前記普通預金口座から現金800万円を出金し、これをAのため業務上預かり保管中、その頃、東京都内、千葉県内又はその周辺において、自己の用途に費消する目的で、同現金のうち600万円を着服して横領し【令和4年11月22日付け追起訴状記載の公訴事 実第1】 5 前記普通預金口座の預金をAのため業務上預かり保管中、平成31年4月25日、前記支店において、自己の用途に費消する目的で、前記普通預金口座から現金800万円を出金して着服し、もって横領し【令和4年11月22日付け追起訴状記載の公訴事実第2】 6 令和元年5月7日、前記支店において、前記普通預金口座から現金500万円を出金し、これをAのため業務上預かり保管中、その頃、東京都内、千葉県内又はその周辺において、自己の用途に費消する目的で、同現金のうち296万2000円を着服して横領し【令和4年11月22日付け追起訴状記載の公訴事実第3】 7 前記普通預金口座の預金をAのため業務上預かり保管中、別表1(添付省略)記載のとおり、令和2年6月25日から同月29日までの間、3回にわたり、いずれも東京都千代田区(住所省略)所在の前記支店(同年1月20日に所在地移転)において、自己の用途に費消する目的で、前記普通預金口座から現金合計800万円を出金して着服し、もって横領し【令和4年8月12日付け追 起訴状記載の公訴事実】第2 Eの会計責任者として、Eの預金通帳及び届出印を保管するなどの出納管理業務に従事していたものであるが、 1 株式会社B銀行C支店に開設さ 4年8月12日付け追 起訴状記載の公訴事実】第2 Eの会計責任者として、Eの預金通帳及び届出印を保管するなどの出納管理業務に従事していたものであるが、 1 株式会社B銀行C支店に開設されたE財務担当F名義の普通預金口座の預金をEのため業務上預かり保管中、令和元年10月3日、東京都千代田区(住所 省略)所在の前記支店において、自己の用途に費消する目的で、前記普通預金 口座から現金800万円を出金して着服し、もって横領し【令和4年12月21日付け追起訴状記載の公訴事実】 2 前記普通預金口座の預金をEのため業務上預かり保管中、令和2年10月23日、東京都千代田区(住所省略)所在の前記支店(同年1月20日に所在地移転)において、自己の用途に費消する目的で、前記普通預金口座から現金6 00万円を出金して着服し、もって横領し【令和5年2月14日付け追起訴状記載の公訴事実】第3 Aの事務局長及び会計責任者であったものであるが、Aが保有する預金の残高が実際の残高よりも多額であるように装うため、同預金残高の証明に関する文書を偽造しようと考え、Aの会長であったD及び同人の知人であるGと共謀 の上、いずれも、令和2年10月下旬頃から同年11月中旬頃までの間に、東京都港区(住所省略)において、行使の目的で 1 株式会社B銀行が発行した同銀行C支店のA会長D名義の普通預金通帳(令和4年東地領第2436号符号1)の用紙の一部を、別途入手した同銀行発行の預金通帳の用紙の「年月日」「摘要」「お支払金額」「お預り金額」「差引 残高」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表2―1(添付省略)及び2―2(添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履 残高」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表2―1(添付省略)及び2―2(添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字したものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴等96件を偽造し【起訴状記載の公訴事実第1】 2 株式会社B銀行が発行した同銀行C支店のA会長D名義の定期預金通帳(同 号符号2)の「受入日または記帳日」「預入日または支払日」「お預り金額(円)」「お預り残高(円)」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、別表3(添付省略)記載のとおり、日付及び金額等を印字して追記し、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し【起訴状記載の公訴事実第2】 3 H銀行株式会社(当時)が発行した同銀行本店のA名義の定期預金通帳(同 号符号3)の「お預り日またはお引出日」「お取引金額(円)」「お預り残高 (円)」「満期日」欄等に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、それぞれ「2-3-31」「¥53,362,178」「¥53,362,178」「7-3-31」などと印字して追記し、I銀行株式会社作成名義の取引履歴1件を偽造し【起訴状記載の公訴事実第3】 4 株式会社J銀行が発行した同銀行K支店のD名義の普通預金通帳(同号符号 6)の一部を、別途入手した同銀行発行の普通預金通帳の用紙で、別表4(添付省略)番号1記載のとおり、「年月日」「お取引内容」「差引残高(円)」欄に日付及び金額等が印字され、かつ、同表番号2及び3記載のとおり、「年月日」「お取引内容」「お預り金額(円)」「差引残高(円)」欄に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、日付及び金額等を印字して追記した ものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し【起訴状記載の公訴事実第4】 残高(円)」欄に、パーソナルコンピュータ及びプリンタを用いて、日付及び金額等を印字して追記した ものと差し替えるなどして、同銀行作成名義の取引履歴3件を偽造し【起訴状記載の公訴事実第4】 5 あらかじめ入手していた株式会社B銀行が発行した残高証明書をスキャナーでパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額を改変するなどの画像加工を行い、プリンタで印字した上、株式会社B銀行などと刻された印鑑を押印し、 令和2年3月31日現在、Aが同銀行C支店に普通預金合計7381万4056円、定期預金3000万円を保有することを証明する旨の同銀行作成名義の残高証明書1通(1枚のもの。同号符号4)を偽造し【起訴状記載の公訴事実第5】 6 あらかじめ入手していたI銀行株式会社が発行した残高証明書をスキャナー でパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額を改変するなどの画像加工を行い、プリンタで印字した上、I銀行株式会社などと刻された印鑑を押印し、令和2年3月31日現在、Aが同銀行本店に普通預金5336万2178円を保有することを証明する旨の同銀行作成名義の残高証明書1通(2枚のもの。 同号符号5)を偽造し【起訴状記載の公訴事実第6】 7 あらかじめ入手していた株式会社J銀行L支店が発行した残高証明書をス キャナーでパーソナルコンピュータに読み込んだ上、金額及び支店名を改変するなどの画像加工を行い、プリンタで印字した上、J銀行Kなどと刻された印鑑を押印するなどし、令和2年3月31日現在、Dが同銀行K支店に普通預金1億円を保有することを証明する旨の同支店作成名義の残高証明書1通(1枚のもの。同号符号7)を偽造し【起訴状記載の公訴事実第7】 たものである。 (量刑の理由)量刑の中心となる業務上横領は、Aの 有することを証明する旨の同支店作成名義の残高証明書1通(1枚のもの。同号符号7)を偽造し【起訴状記載の公訴事実第7】 たものである。 (量刑の理由)量刑の中心となる業務上横領は、Aの事務局長及び会計責任者並びにEの会計責任者として、A及びEの預金通帳及び届出印を保管するなどの出納管理業務に従事していた被告人が、私的な海外旅行やブランド品の購入費用等に充てるため、約2 年半の間に、多数回にわたり、総額6249万2000円を横領した、というものである。被告人は、仕事で精神的に追い詰められていたことや、A会長のDから「役得」等と言われたこともあって、周りの人から金持ちですごい人と思われたいなどという見栄や欲から横領行為を繰り返した旨述べるが、その身勝手かつ利欲的な犯行動機に酌量すべき点はない。被害額も高額であるが、被告人から被害弁償は なされていない。A及びEの会員の信頼を裏切り、常習的に横領行為を繰り返した被告人に対しては厳しい非難が妥当する。 次に、文書偽造について見ると、銀行が発行した預金通帳の取引履歴欄や銀行作成名義の残高証明書という重要な事実証明に係る文書を偽造しており、偽造された文書の数も多く、精巧に偽造されていることからも、文書に対する信用を害する危 険性の高いものである。被告人は、Aの資金が流出している事実が発覚することにより自身の横領の事実が発覚することを恐れ、通帳等の偽造に加担しており、犯行動機に酌量すべき点はない。もっとも、共犯者Dは本件偽造を発案して主導的な役割を果たし、共犯者Gは本件偽造を担当した一方で、被告人は偽造に使う資料等を共犯者Gに届けることなどを担当していたことからすると、共犯者間の比較におい て、被告人は従属的な立場にあったといえる。 以上に 担当した一方で、被告人は偽造に使う資料等を共犯者Gに届けることなどを担当していたことからすると、共犯者間の比較におい て、被告人は従属的な立場にあったといえる。 以上に加えて、被告人が起訴事実を全面的に認め、被害者らに対する謝罪の気持ちを述べるなどして反省の態度を示していること、被告人に前科がないこと等の被告人のために酌むべき事情も認められる。 そこで、これらの諸情状を考慮の上、主文の刑を量定した。 (求刑懲役6年) 令和5年9月20日東京地方裁判所刑事第17部 裁判官中尾佳久 (別表1省略)(別表2-1省略)(別表2-2省略)(別表3省略)(別表4省略)

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